JPH0629840A - ディザ回路 - Google Patents

ディザ回路

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JPH0629840A
JPH0629840A JP20722392A JP20722392A JPH0629840A JP H0629840 A JPH0629840 A JP H0629840A JP 20722392 A JP20722392 A JP 20722392A JP 20722392 A JP20722392 A JP 20722392A JP H0629840 A JPH0629840 A JP H0629840A
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JP
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dither
data
channel
circuit
signal
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JP20722392A
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Inventor
Hideki Tanaka
中 秀 樹 田
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Funai Electric Co Ltd
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Funai Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディザ回路、ディザ消去回路の構成を簡略化
する。 【構成】 nfsのオーバーサンプリングを行うディジ
タルフィルタ6の出力データを、直列/並列変換部3で
パラレルデータに変換し、設定レベル以上の入力にリミ
ッタ部2でディザ付加停止のリミッタをかけ、ディザ発
生部1で発生するディザを、加減算部4でパラレルデー
タに付加し、並列/直列変換部5でシリアルデータに戻
してDACへ出力するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ信号などの
PCM信号に含まれる量子化雑音を抑制するためにディ
ザを付加する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、PCM変調ではオーディオ信号な
どにある最小単位で量子化するため、信号が小さい場
合、PCM復調して得られる再生信号が階段状になり、
高調波ひずみが発生していわゆる量子化雑音となる。こ
れを避けるためにPCM信号に一種のノイズ信号である
ディザを付加して、高調波ひずみをランダムなノイズに
変換する処理が行われている。このディザとしては、ホ
ワイトノイズをA/D変換したものや、疑似ランダム系
列のディジタルディザなどが使用されている。
【0003】図22は従来のディザ付加装置のブロック
図である。図22に示すディザ付加装置100は、CD
再生側で量子化ノイズを軽減するためのものであって、
オーバーサンプリングされたディジタルフィルタの出力
データに、ディジタルLSI101内のM系列疑似ラン
ダムパルス発生回路102で発生したディザを、全加算
器103により加算付加している。
【0004】ディザを付加したデータをL,R分離回路
104でL,R分離して、それぞれD/Aコンバータ1
05によりD/A変換した後、信号とディザ成分を分離
し、サンプルホールド回路106にディザ成分をホール
ドして、減算器107によりディザ成分を減算して取り
去り、LPFを通してL,Rチャネルオーディオ信号を
出力している。
【0005】図23は従来のディザ付加回路の回路図で
あり、図23は録音側又は信号発信側でオーディオ信号
等をA/D変換する際の量子化ノイズを改善するための
もので、入力オーディオ信号280にD/A変換器22
0でD/A変換したディザ160Aを、加算器240で
付加し、A/D変換器200でディジタルデータにした
後、減算器300でディザを消去する。
【0006】伝送媒体200Aを例えばCD盤又は、他
の伝送回線とすれば、CD再生側又は信号受信側でD/
A変換器202Bの前段なら点線で示す減算器204に
より、又D/A変換の後ならD/A変換器208Bを介
して減算器309によってディザを減算消去する方法な
どが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図22
に示す従来技術においては、M系列疑似ランダムのディ
ザを発生するために大規模な段数のシフトレジスタ構成
が必要であるため、CDプレイヤーなどの場合には、本
来のデータ処理部分に対してノイズ補償回路として、従
の部分であるべきディザ回路が大規模化してしまい、加
算器も含めて特別にLSI化が必要であることと、オー
ディオ段でのディザ除去回路が複雑化するという問題が
ある。
【0008】また、図23に示す従来技術においては、
A/D変換の量子化ノイズ改善のために、加算されるデ
ィザと消去するため減算するディザは、周波数スペクト
ラムが広く、しかも違った処理回路を通過しているの
で、時間誤差、位相誤差、歪の差等が発生して、完全な
ディザの消去は不可能であるという問題がある。
【0009】本発明は上述の問題点に鑑みてなされたも
のであり、ディザ付加回路を簡略化した、単一周波数の
ディザ回路を用いて、大規模集積化の必要のない簡単な
回路構成でディザも完全に消去することができるディザ
回路を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、量子化雑音を抑制するためPCMデータにディザを
付加する装置において、Lチャネルデータを第1の遅延
回路によりLRクロックの1/2周期遅延させたLチャ
ネルデータと該Lチャネルデータを、さらにLRクロッ
クの1/2周期遅延させる第2の遅延回路出力の反転L
チャネルデータを時分割加算してLチャネル加算データ
とし、前記ディジタルフィルタからのRチャネルデータ
と該Rチャネルデータを、LRクロックの1/2周期遅
延させる第3の遅延回路出力の反転Rチャネルデータを
時分割加算してRチャネル加算データとしてLR分離出
力するLR分離部と、前記分離されたLRチャネル加算
データにディザを付加するディザ付加部と、該ディザ付
加部でディザを付加したLRチャネル加算データをD/
A変換して、同相ディザが加算されたL,反転L加算デ
ータおよび同相ディザが加算されたR,反転R加算デー
タとして出力するD/A変換部と、該D/A変換部から
前記同相ディザを有するL,反転L加算データおよび
R,反転R加算データを入力して、同相ディザを有する
L,反転Lオーディオ信号およびR,反転Rオーディオ
信号を出力するLPF部と、該LPF部の出力を差動合
成して同相のディザ成分を打ち消しL,Rチャネルオー
ディオ信号のみを出力する差動合成部を備えたことを特
徴としている。
【0011】また、量子化雑音を抑制するためPCMデ
ータにディザを付加する装置において、LまたはRのう
ちいずれかのチャネルのアナログ信号入力とディザを差
動合成してAチャネル信号とする第1の差動回路と、前
記アナログ信号を反転して前記ディザを差動合成しBチ
ャネル信号とする第2の差動回路と、前記A,Bチャネ
ル信号をA/D変換して同相ディザを有するL,反転L
またはR,反転チャネルデータとして時分割加算したL
またはRチャネル加算データを出力する2チャネル処理
用A/D変換器とを備えたことを特徴としている。
【0012】さらに、請求項2に記載のディザ回路にお
いて、前記Aチャネル信号をA/D変換してLまたはR
チャネルデータを出力する第1の1チャネル処理用A/
D変換器と、前記Bチャネル信号をA/D変換して前記
LまたはRチャネルデータと同相のディザを有する反転
Lまたは反転Rチャネルデータとして出力する第2の1
チャネル処理用A/D変換器と、前記第1、第2のA/
D変換器の出力データを加算してディザを打ち消し消去
したLまたはRチャネル加算データを出力する加算器を
備えたことを特徴としている。
【0013】
【作用】上記構成とすることにより、PCMデータをn
fsのオーバーサンプリングするディジタルフィルタの
出力データを一度パラレルデータに変換した後、入力デ
ータから入力信号レベルを検出して、設定値以上のレベ
ルのデータにはディザを付加しないように働くリミッタ
により、設定値以下のレベルのデータにのみ単一周波数
のディザを付加するために発生するディザ発生部のデー
タを、変換したパラレルデータに加減算部で付加し、並
列/直列変換部でもう一度シリアルデータに戻して、シ
リアルデータとして出力する。あるいは、単一周波数デ
ィザをオーディオ信号系に適用した場合、ディジタルフ
ィルターからのLRチャネルデータを、LR分離部にお
いて、LチャネルデータはL反転Lチャネルデータ,R
チャネルデータはR反転Rチャネルデータとして、時分
割加算したLチャネル加算データ,Rチャネル加算デー
タにLR分離した後、ディザ付加部で単一周波数の同相
のディザをL反転L、R反転Rデータに付加し,DAC
のD/A変換部でD/A変換して、同相ディザを有する
L反転Lデータ、R反転Rデータとして出力する。L反
転L,R反転Rデータはそれぞれ1組のLPF部でL反
転L信号,R反転R信号とした後、差動合成部で合成さ
れ同相ディザが打ち消されてオーディオLRチャネル信
号として出力される。また、録音側のA/D変換部にお
いて同相ディザを付加したL反転L、又はR反転Rアナ
ログ入力信号を、2チャネル処理用のA/D変換器によ
りL反転L、R反転Rのチャネル加算データと出力する
か、あるいは、同相ディザを付加したL反転L、R反転
Rアナログ信号を、1チャネル処理用A/D変換器1組
によって、L反転L、又はR反転R加算データとした
後、加算器で同相ディザを消去して出力されるので、デ
ィザ発生回路が簡略化され、簡単な回路構成で完全にデ
ィザを消去することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図に基づい
て説明する。図1は本発明の一実施例によるディザ回路
のブロック図である。図1において、1はディジタルフ
ィルタ6のオーバーサンプリング周波数nfs(fsは
サンプリング周波数)の1/2の周波数を上限とする単
一周波数のディザデータを発生するディザ発生部であ
り、例えばnfsが8fsならディザの上限は4fsと
なる。
【0015】2は入力PCM信号のレベルが、予め設定
される、−6dB以上、あるいは−10dB以上、−2
0dB以上等のレベル設定値以上になるレベルを検出し
て、ディザ発生部1のディザ出力を停止させるリミッタ
部であり、3はディジタルフィルタ6の出力データをパ
ラレル信号に変換するシフトレジスタ構成の直列/並列
変換部である。
【0016】4は並列変換されたパラレルデータに単一
周波数のディザデータを加減算して付加する加算器によ
る加減算部であり、5は加減算部4においてディザを付
加したパラレルデータを、もう一度シリアルデータに変
換してDAC(ディジタル・アナログ変換器)回路へ出
力する、シフトレジスタ構成の並列/直列変換部であ
る。
【0017】尚、上記の構成はPCM変調により信号処
理を行うオーディオ信号、画像信号、通信回線等におけ
る、量子化ノイズの抑制回路として使用可能なものであ
るが、以下では説明を簡略にするために、L,Rオーデ
ィオ信号のLチャネルの信号処理を例として説明を進め
る。図2は、図1に示す実施例の具体回路図である。図
2はLチャネルのみのディザ回路であり、直列/並列変
換部3のMSB処理段のビットから入力データレベル
を、EX−OR10とFF(フリップ・フロップ)11
で検出して、ディザのリミッタ信号を発生する。
【0018】インバータ12,FF13,EX−OR1
5,16,ディザレベル設定用SW14とで単一周波数
ディザの発生部1を構成している。Lチャネルのシリア
ルデータを入力して、3段構成のシフトレジスタ17,
18,19により、パラレルデータに変換して、加算器
20,21,22,23,24によりパラレルデータに
ディザを加減算して付加し、LSB(最下位ビット)の
桁上げ入力に補数演算のための1を加える処理を、加算
器20のCo端子へディザ発生部から印加して行ってい
る。
【0019】このように、ディザを付加したパラレルデ
ータをシフトレジスタ25、26、27構成の並列/直
列変換部5でシリアルデータに変換して、DACへ出力
している。下段のインバータ28,29,30,31,
32,FF33,34,35,36,37,38,EX
−OR39,AND40で構成する部分は、ディジタル
フィルタ6の種類によってクロックのタイミングを調整
するタイミング回路と、並列/直列変換ICのロード信
号作成回路である。
【0020】次に動作について説明する。例として取り
上げたオーディオ再生系で、ディザ回路を挿入する部分
はディザ周波数が最も高くなるようにディジタルフィル
タ6の後にする。ディジタルフィルタ6は20bit処
理まで対応可能とし、オーバーサンプリングは8fsま
でとしたので、加算部は20bit処理とした。図3の
設定周波数の説明図に示すように、点線で示すディジタ
ルフィルタ6の8fsのオーバーサンプリングのデータ
に、実線で示す4fsのディザを加減算することでディ
ザ付加を行うものである。
【0021】若し、ディザを4fs(加算→減算→加算
−減算)ではなく、2fsに設定する場合は加算→加算
→減算→減算→加算とすれば可能である。また、ディジ
タルフォーマットは2の補数コードを使用し、MSB
(最上位ビット)ファーストでシリアルに伝送する。従
って一度パラレル信号に変換してディザを加算し、シリ
アルデータに戻してDACに伝送する構成としている。
【0022】ディザ発生については、DIPスイッチで
設定したレベルのデータを加減算することによる。DI
Pスイッチは下位8bit分のレベルをバイナリで設定
し、この信号波形は図3のようにのこぎり波である。ま
た、入力データの0dB付近の大きな信号にディザ信号
を加算すると、0dBを越えて歪が発生するので、ある
レベル以上の信号にはディザをオールゼロにするリミッ
タによりディザを停止する。
【0023】図4は図2に示すリミッタ回路の回路図で
あり、図5は2の補数コード表であり、4bitの例で
ある。図5のコード表に示す上位2bit(MSBと2
SB)の信号を図2の直列/並列変換部3のMSB側シ
フトレジスタ19から、EX−OR10に入力し、FF
11に入力するWCK(ワードクロック)の立下がりで
ラッチさせる。ラッチが必要な理由は直列/並列変換I
Cにシリアル信号が入力されるたびにパラレル出力デー
タが変化しており、WCKの立下がりから次のBCK
(ビットクロック)が入力されるまでの間だけ、パラレ
ルデータが正常なデータとして確定されるからである。
つまり、1サンプル点の処理区間(WCKの1周期)デ
ータをラッチする必要からである。
【0024】このようにして得られたリミッタ部2のA
信号は、MSB=0、2SB=1(正の場合)、又はM
SB=1、2SB=0(負の場合)の時に“H”とな
り、MSB=2SBの場合に“L”となりA=Hの時は
ディザOffとなる。図5のコード表から見ると正負の
場合ともフルスケールの1/2でリミッタが働くことに
なり、この場合は簡単にするためにフルスケール1/
2、−6bBを設定値としている。
【0025】図6は図2に示すディザ発生回路の回路図
であり、図7は図6のタイミングチャートであり、図8
は図6のC出力の論理表である。まず、リミッタ部2の
A信号出力がディザ発生回路に入力され、A=Hの場合
はインバータ12から、WCKが入力しているD−FF
13をCLR(クリア)状態にするので、D−FFのD
出力は常に“L”である、従って、ディザレベル設定用
SW14(1bitの動作として)がON/OFFに関
わらず、EX−OR15の出力Bは“H”,EX−OR
16のディザ出力Cは“L”である。
【0026】D出力の信号は上位bit分(MSB〜
(LSB−8)SB)のデータ及び最下位ビット用の桁
上げ入力として加減算部4で入力データに加算され、C
出力の信号は、ディザレベル設定SW8ヶを下位8bi
t分として加算される構成にしているので、DとC出力
が“L”であれば、オールゼロを入力データに加算する
ことになり、リミッタが働作状態にあってディザ停止で
ある。
【0027】次にA=Lの場合は、図7のタイミングチ
ャートに示すように、D出力信号はWCKの2分周波形
となり、1サンプル点の区間単位でオールゼロとオール
1を繰り返す。これは、2の補数フォーマットを考慮し
て、ディザレベル設定スイッチ14により外部から下位
8bitを指定されているので、ディザレベルを加算す
る場合には、上位12bitをオール0にし、逆に減算
する場合は上位12bitをオール1に設定する。これ
は、2の補数コード表を見ればプラス側はオールゼロか
ら加算していき、マイナス側はオール1から減算するこ
とになる。
【0028】次に、図8の論理表と図7のタイミングチ
ャートに示すように、C出力信号は、D信号が“L”の
時には、ディザレベル設定スイッチ14ONで“H”、
OFFで“L”の正論理となっており、スイッチでON
されたbitを加算している。D出力信号が“H”の時
には、スイッチONで“L”,OFFで“H”の負論理
に変化し、スイッチでONされたbit以外のbitす
べてに1を加算する、つまり減算していることになる。
以上ので発生部1とリミッタ部2の動作をまとめると、
1.信号レベルが−6dB以上の時は、リミッタが働
き、信号には何も加算せずに入力データはそのまま出力
する。2.信号レベルが−6dB以下(設定値以下)の
時は、WCKの一周期毎に、外部のスイッチで設定した
下位8bitの信号を加減算を繰り返し入力データにデ
ィザを付加する。
【0029】ディザ回路の一連動作としては、20bi
tを例にとると図2のディジタルフィルタ6からの20
bitのシリアルデータが、シフトレジスタ17,1
8,19の直列/並列変換部3で、BCKをクロックと
してパラレルデータに変換され、ディザ発生部1のD出
力信号が印加される上位12bitに相当する4bit
処理の加算器22、23、24と、ディザ付加を行うC
出力が印加される下位8bitに相当する加算器20、
21で構成する加減算部4でディザ付加を行う。D信号
はWCKの1周期毎にオール0とオール1を加算器2
2,23,24へ出力し、C信号はA=“L”でD信号
が“L”でSW14がONの時に加算器20,21、で
下位8bitにディザを加算し、D信号が“H”の時に
減算を行っている。
【0030】尚、ディザ信号を減算する際に最下位ビッ
トの桁上げ入力に1を加えるため、ディザ発生部1のD
出力を加算器20のCo端子を印加しているのは、図5
の2の補数コード表に示すように、ディザレベルSW1
4をオールゼロにして、ゼロ信号の減算時、反転して
「1111」出力となり、「−1」となるため、減算時
は常に1を加算する意味である。
【0031】加減算部4でディザを付加されたパラレル
データは並列/直列変換部5のシフトレジスタ25,2
6,27でシリアルデータに戻されDAC回路へ出力さ
れる。この場合のクロックである、ビットクロックBC
K、ワードクロックWCKのタイミングは、本実施例で
実際に使用したディジタルフィルタが20bit出力の
後づめタイプであり、図9のデータフォーマット図
(a)に示すように、今回のデジタルフィルタはMSB
の前に1クロックのbitクロックBCKが余分にあ
り、並列/直列変換部5のICをロードした時点ですで
にMSBの信号が出力されるので、並列/直列変換部5
のIC用のビットクロックは2SBデータの立ち上がり
から必要であり、ビットクロックBCKを1クロック遅
延させて反転させる必要が生じた。従って、ビットクロ
ックBCKの遅延に合わせて、ワードクロックWCKの
ロードタイミングも遅延させる必要があった。
【0032】図10は図2に示すクロックのタイミング
調整回路であり、図11は図10のタイミングチャート
であり、図10の回路にBCK,WCK,XI=384
fsを入力して、それぞれ図11に示すタイミングを作
成しているが、実際の回路テストではDACに入力され
るデータが設計外の遅延が生じていたので、ビットクロ
ックとして反転cを使用すべき所を、反転bを使用して
いる。図12は、図2に示す並列/直列変換部5のIC
のロード信号の作成回路であり、図13は図12のタイ
ミングチャートである。図12に示す回路に遅延したワ
ードクロックDWCKを加えて、図13のようにDWC
Kの立下り時にパルスeを発生させ、反転させてパルス
fとして並列/直列変換部5のICのロード信号を作成
している。
【0033】尚、ディジタルフィルタ6が前づめ式の場
合はこのようなクロックのタイミング調整は必要ではな
く、図2に示した実際の回路では前づめ式の場合、ビッ
トクロックBCKをインバータ28を介して直接に並列
/直列変換部5へ入力し、ワードクロックWCKは直接
ロード信号作成回路に入力して並列/直列変換部5のロ
ードパルスを作成する。図2では、後づめ式、前づめ式
を切替え可能としている。
【0034】以上の結果として、図2に示す回路に−8
0dB正弦波、1KHZ,fs=48KHZ,16bi
t精度のディジタルSGをテスト入力した図14は実際
の測定によるデジタルデータ波形を示す図であり、下が
L,Rチャネル分離用のLRクロックで、上がデータで
ある。LRクロックが“L”時、下位4bitの信号が
“H”になっている。これは、入力信号がオールゼロ
で、ディザレベルを下位4bit“H”に設定している
ためで加算時を示すものである。次に、LRクロックが
“H”の時には下位4bitは「0001」でそれ以外
のbitはオール“H”で減算時である。
【0035】図15は最終アナログ波形図であり、正弦
波にディザのノコギリ波が加算されている状態を示すも
のであり、上下ディザは同相である。
【0036】次に本発明の第2の実施例について説明す
る。図16は本発明の第2の実施例によるディザ回路の
ブロック図である。図16はPCM変調データのオーデ
ィオ信号のL,Rチャネル再生回路を示し、図中6はn
fsオーバーサンプリングのディジタルフィルタであ
り、50はL,Rチャネルデータに反転L,反転Rチャ
ネルデータを時分割加算して、位相調整されたL,Rチ
ャネル加算データとして、LR分離するL,R分離部で
ある。
【0037】51はL,R分離部50からのLチャネル
のデータにディザデータを加算するディザ付加部であ
り、同じく52はRチャネル用のディザ付加部である。
53はLチャネル用のD/A変換部であり同相ディザを
持つL,反転Lデータを出力する。54はRチャネル用
の同相ディザを持つR,反転Rデータを出力するD/A
変換部である。
【0038】55、56はLチャネル用D/A変換部5
3からのL,反転Lデータからオーディオ信号L,反転
Lを再生する1組のLPF部であり、同じく57、58
はRチャネルのR,反転R用LPF部である。59はL
チャネル用LPF部55、56の出力である同相のディ
ザを持つL,反転L信号を差動合成してディザ成分を消
去しL信号のみを出力する差動合成部であり、60は同
じくRチャネル用の差動合成部であり、D/A変換部、
LPF部、差動合成部でDACを構成する。
【0039】次に動作について説明する。尚、図16に
おいてL,R分離部50以降のL,Rラインについては
L,R同じ構成なので、ディザ付加部以降については説
明を簡略化するためLチャネルのみの動作について説明
するものとする。図17は図16に示すLR分離部の回
路図である。図18は図17のLR分離部の動作のタイ
ミングチャートである。
【0040】AND70はディジタルフィルタ6からの
LRチャネルデータからLチャネルをLRCK(L,R
分離クロック)よりラッチして、入力データと同相のi
信号としてLチャネルデータL1を出力する。Dela
y回路71でL1データをLRCKの1/2周期遅延さ
せj信号としてOR75と、インバータ72へ出力す
る。インバータ72でj信号を反転してさらに、遅延回
路73でLRCKの1/2周期遅延させて反転L1デー
タのk信号として、LRCKとともにAND74に入力
してタイミング調整したm信号反転L1データをj信号
のL1データと、OR75で加算して時分割データとし
て、図18のLチャネルOUTデータに示すように反転
L0,反転L1,反転L2を埋め込んだLチャネル加算
データとして出力する。
【0041】一方、ディジタルフィルタ6からのLRチ
ャネルデータを、AND77でインバータ76で反転し
たLRCKによりRチャンネルデータをラッチした、n
信号のR1データをOR81とインバータ78へ出力す
る。インバータ78でn信号を反転した後、Delay
回路79でLRCKの1/2周期遅延させo信号の反転
R1データとしてAND80でLRCKによりタイミン
グ調整して、p信号反転R1データとしてOR81でn
信号と加算し時分割データとして埋め込んだRチャネル
加算データとして出力することにより、LチャネルはL
反転Lデータを加算したLチャネル加算データとして、
RチャネルはR反転Rデータを加算したRチャネル加算
データとして、しかもL,R位相調整されたデータとし
てLR分離が行われる。
【0042】LR分離部50で分離されたLチャネル加
算データは、ディザ付加部51において第1の実施例で
説明した単一周波数ディザ付加方式によりディザがL反
転Lデータに同相のディザとして付加され、D/A変換
部53へ入力する。図19はD/A変換部の出力データ
のタイミングチャートであり、図19に示すように、D
/A変換部53でD/A変換されたLチャネルデータ
は、同相ディザを有するL反転L加算データであり、
「L1データ+ディザD1」「反転L1データ+ディザ
D1」「L2データ+ディザD2」「反転L2データ+
ディザD2」の形でクロックに同期して出力される。
【0043】D/A変換部53の出力データは、「L1
+D1」がLPF55に、「反転L1+D1」がLPF
56へというように出力され、LPF部で同相のディザ
を有する逆相のオーディオ信号L1,反転L1として差
動合成部59へ加えられる。この実際の波形は図15に
示すようにL1信号と反転L1信号は逆相であり、ディ
ザD1は同相であり、差動合成部59のオーディオ出力
は正弦波の本来のデータは2倍され、ディザは完全に打
ち消された、Lチャネル信号が出力される。
【0044】このようにして、簡単なDAC構成でアナ
ログ段では取り除くべきであるディザを完全に消去する
ことができる。
【0045】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図20は、本発明の第3の実施例によるディザ回
路のブロック図である。録音側又は信号発信側でA/D
変換の量子化ノイズを改善する場合に、差動回路90へ
Lチャネルのアナログ入力信号と、ディザSG95のデ
ィザをD/A変換器94で変換したディザを印加し、デ
ィザを付加したL信号として、2チャネル処理用のA/
D変換器93のLチャネルinに入力する。Lチャネル
のアナログ信号を反転回路91で位相反転して同相のデ
ィザと差動回路92に印加し、ディザを付加した反転L
信号を2チャネル処理用のA/D変換器93の反転Lチ
ャネルinに入力する。
【0046】A/D変換器93では、L,反転L信号を
A/D変換して、デジタルデータに同相のディザを有す
る「L1+ディザD1」「反転L1+ディザD1」「L
2+D2」「反転L2+D2」のように時分割加算デー
タとして、Lチャネル加算データを出力する。このLチ
ャネル加算データは、再生系のDACで2チャネル処理
用D/Aを介して、第2の実施例に示したような差動合
成処理を行えばディザは同相であるから完全に消去で
き、Lチャネル信号のみを得ることができるので、図2
3に示した従来例のディザ減算時の、位相誤差、時間誤
差、歪誤差等の欠点を改善することができる。
【0047】尚、この場合は説明の簡略化のためにLチ
ャネルの動作のみを示したが、L,R信号又はマルチc
hの場合は、同構成のRチャネル又はマルチch処理回
路を設けてL,Rチャネル又はマルチch処理を行えば
よい。また、L,Rチャネル又はマルチchデータの時
分割多重処理によりさらに処理回路を簡略化することも
可能である。
【0048】図21は本発明の第4の実施例によるディ
ザ回路のブロック図である。図21の場合もLチャネル
(1ch)のみについて説明すると、図20の第3の実
施例における2チャネル処理用A/D変換器に代えて、
1チャネル処理用のA/D変換器を2ヶ使用した例であ
り、ディザを付加したL信号はA/D変換器96で、同
相のディザを付加した反転L信号はA/D変換器97で
変換され、同相のディザを付加したLデータと、反転L
データは加算器98で合成され、Digital・ou
tには既にディザが打ち消されたLチャネルデータのみ
が出力される。以上の第2第3、第4実施例の場合のデ
ィザは、単一周波数ディザでも複合周波数ディザでもど
ちらでも使用可能である。また、ディザ加算及び除去回
路は従来のM系列等のディザも使用できる。
【0049】近来、ディザの扱いについては特定の周波
数分布に限定固定して効果を得る方向が模索されてきて
いる。本実施例による単一周波数ディザ方式ではその方
向に沿って、PCM変調のオーディオ信号処理について
は実際に回路テストの結果、量子化ノイズの軽減と回路
構成の簡略化を実現し得たが、その他、PCM等のデジ
タル化の際の量子化ノイズの改善について、画像信号、
通信回線における信号処理等においても、信号の周波数
スペクトラム、fs、データの予測分布確率等に的確に
対応するディザ周波数を選定すれば、さらに改善効果が
得られるものである。
【0050】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明によれば、nf
sのオーバーサンプリングを行うディジタルフィルタか
らのシリアルデータを、パラレルデータに変換して、入
力信号レベルが設定値以上の場合にディザ付加を停止さ
せるリミッタを備えた、単一周波数ディザの発生回路に
よるディザを入力パラレルデータに付加して、シリアル
データに変換した後、DACへ出力するので、単一周波
数のディザによってPCMデータの量子化ノイズを改善
するディザ回路を簡略化できる効果がある。また、オー
ディオ信号処理系において、時分割方式のLR分離部に
よって、L反転Lチャネルデータ、R反転Rチャネルデ
ータをLRチャネル加算データとして分離し、単一周波
数ディザを付加して、D/A変換部から同相ディザを有
するL反転L加算データ、R反転R加算データとしてD
/A変換出力し、夫々1組のLPFで同相ディザを有す
るL反転L,R反転Rオーディオ信号とした後、差動合
成部でディザを消去してオーディオ出力とするので、デ
ィザにより量子化ノイズを改善して、ディザを完全に消
去するDACのディザ消去回路を簡略化できる効果があ
る。また、A/D変換部において、2チャネル処理用A
/D変換器によって、アナログ入力をL反転L、R反転
Rチャネル加算データとして時分割伝送後、再生側のD
ACで同相ディザを差動合成消去するか、あるいは、A
/D変換を1チャネル処理A/D変換器1組により、出
力のL反転L、R反転Rデータを加算処理して同相付加
されたディザを消去するので、簡単な回路構成で完全に
ディザを消去して量子化ノイズを改善する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるディザ回路のブロック
図である。
【図2】図1に示す一実施例の具体回路図である。
【図3】図1に示すディザ発生部の設定周波数説明図で
ある。
【図4】図2に示すリミッタ回路の回路図である。
【図5】2の補数コード表である。
【図6】図2に示すディザ発生回路の回路図である。
【図7】図6に示す回路のタイミングチャートである。
【図8】図6に示す回路のC出力の論理表である。
【図9】図1に示すディジタルフィルタのデータフォー
マットを示す図である。
【図10】図2に示すクロックのタイミング調整回路の
回路図である。
【図11】図10に示す回路のタイミングチャートであ
る。
【図12】図2に示す並列/直列変換部のロード信号作
成回路の回路図である。
【図13】図12に示す回路のタイミングチャートであ
る。
【図14】図2に示す回路のテスト時におけるディジタ
ルデータの波形図である。
【図15】図2に示す回路のテスト時における最終アナ
ログ波形図である。
【図16】本発明の第2の実施例によるディザ回路のブ
ロック図である。
【図17】図16に示すLR分離部の回路図である。
【図18】図17に示す回路のタイミングチャートであ
る。
【図19】図16に示すD/A変換部の出力のタイミン
グチャートである。
【図20】本発明の第3の実施例によるディザ回路のブ
ロック図である。
【図21】本発明の第4の実施例によるディザ回路のブ
ロック図である。
【図22】従来のディザ付加装置のブロック図である。
【図23】従来のディザ付加回路の回路図である。
【符号の説明】
1 ディザ発生部 2 リミッタ部 3 直列/並列変換部 4 加減算部 5 並列/直列変換部 6 ディジタルフィルタ 50 LR分離部 51,52 ディザ付加部 53,54 D/A変換部 55,56,57,58 LPF部 59,60 差動合成部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量子化雑音を抑制するためPCMデータ
    にディザを付加する装置において、Lチャネルデータを
    第1の遅延回路によりLRクロックの1/2周期遅延さ
    せたLチャネルデータと該Lチャネルデータを、さらに
    LRクロックの1/2周期遅延させる第2の遅延回路出
    力の反転Lチャネルデータを時分割加算してLチャネル
    加算データとし、前記ディジタルフィルタからのRチャ
    ネルデータと該Rチャネルデータを、LRクロックの1
    /2周期遅延させる第3の遅延回路出力の反転Rチャネ
    ルデータを時分割加算してRチャネル加算データとして
    LR分離出力するLR分離部と、前記分離されたLRチ
    ャネル加算データにディザを付加するディザ付加部と、
    該ディザ付加部でディザを付加したLRチャネル加算デ
    ータをD/A変換して、同相ディザが加算されたL,反
    転L加算データおよび同相ディザが加算されたR,反転
    R加算データとして出力するD/A変換部と、該D/A
    変換部から前記同相ディザを有するL,反転L加算デー
    タおよびR,反転R加算データを入力して、同相ディザ
    を有するL,反転Lオーディオ信号およびR,反転Rオ
    ーディオ信号を出力するLPF部と、該LPF部の出力
    を差動合成して同相のディザ成分を打ち消しL,Rチャ
    ネルオーディオ信号のみを出力する差動合成部を備えた
    ことを特徴とするディザ回路。
  2. 【請求項2】 量子化雑音を抑制するためPCMデータ
    にディザを付加する装置において、LまたはRのうちい
    ずれかのチャネルのアナログ信号入力とディザを差動合
    成してAチャネル信号とする第1の差動回路と、前記ア
    ナログ信号を反転して前記ディザを差動合成しBチャネ
    ル信号とする第2の差動回路と、前記A,Bチャネル信
    号をA/D変換して同相ディザを有するL,反転Lまた
    はR,反転チャネルデータとして時分割加算したLまた
    はRチャネル加算データを出力する2チャネル処理用A
    /D変換器とを備えたことを特徴とするディザ回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のディザ回路において、
    前記Aチャネル信号をA/D変換してLまたはRチャネ
    ルデータを出力する第1の1チャネル処理用A/D変換
    器と、前記Bチャネル信号をA/D変換して前記Lまた
    はRチャネルデータと同相のディザを有する反転Lまた
    は反転Rチャネルデータとして出力する第2の1チャネ
    ル処理用A/D変換器と、前記第1、第2のA/D変換
    器の出力データを加算してディザを打ち消し消去したL
    またはRチャネル加算データを出力する加算器を備えた
    ことを特徴とするディザ回路。
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