JPH06298067A - 車両のアンチスキッドブレーキ装置 - Google Patents

車両のアンチスキッドブレーキ装置

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JPH06298067A
JPH06298067A JP5110103A JP11010393A JPH06298067A JP H06298067 A JPH06298067 A JP H06298067A JP 5110103 A JP5110103 A JP 5110103A JP 11010393 A JP11010393 A JP 11010393A JP H06298067 A JPH06298067 A JP H06298067A
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wheel
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speed
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Haruki Okazaki
晴樹 岡崎
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T8/00Arrangements for adjusting wheel-braking force to meet varying vehicular or ground-surface conditions, e.g. limiting or varying distribution of braking force
    • B60T8/17Using electrical or electronic regulation means to control braking
    • B60T8/176Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS
    • B60T8/1763Brake regulation specially adapted to prevent excessive wheel slip during vehicle deceleration, e.g. ABS responsive to the coefficient of friction between the wheels and the ground surface
    • B60T8/17636Microprocessor-based systems

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  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 制動時に車輪速に基づいて制動圧を周期的に
増減するようにした車両のアンチスキッドブレーキ装置
において、路面状態に応じて適切な制動感が得られるよ
うにすることを目的とする。 【構成】 車輪速センサ26〜29から検出される車輪
速に基づいて推定した路面摩擦係数が高μ状態のときに
は、例えば左前輪1の車輪速が第1設定値よりも高車輪
速側に設定した第2設定値まで低下したときに、左前輪
1に対するABS制御を終了させると共に、制御圧を急
速に増圧させる。一方、上記路面摩擦係数が高μ状態で
はないときには、左前輪1の車輪速が第2設定値を通過
して第1設定値まで低下したときに、左前輪1に対する
ABS制御を終了させると共に、制御圧を緩やかに増圧
させるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の制動時におけ
る過大な制動力を抑制するアンチスキッドブレーキ装
置、特に車輪速センサによって検出された車輪速に基づ
いて制動圧を周期的に増減制御するようにした車両のア
ンチスキッドブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両のブレーキシステムには、制動時に
おける車輪のロックないしスキッド状態の発生の防止を
目的としたアンチスキッドブレーキ装置が装備されるこ
とがある。この種のアンチスキッドブレーキ装置は、基
本的には、ブレーキ油圧系統に制動圧を調整する電磁制
御弁を設置すると共に、車輪の回転速度を検出する車輪
速センサと、該センサによって検出された車輪速から車
輪のロックの発生を検知したときに過大な制動力を抑制
させるように上記電磁制御弁を作動させるコントロール
ユニットとを有する構成とされる。つまり、上記コント
ロールユニットは、例えば車輪速センサによって検出さ
れた車輪速に基づいて車輪の加減速度を算出する共に、
同じく車輪速に基づいて推定した当該車両の疑似車体速
と該車輪速とからスリップ率を算出して、車輪減速度が
所定の減速度より小さくなるか、あるいは上記スリップ
率が所定量に達したときに上記電磁制御弁を減圧制御し
て制動圧を低下させる一方、制動圧の低下によって解放
された車輪の回転速度が増大し、車輪加速度が所定の加
速度に達したときには上記制御弁を増圧制御して制動圧
を増大させる。そして、このような一連の制動圧の制御
(アンチスキッド制御;以下、ABS制御という)を、
例えば車両が停止するまで繰り返して行わせるようにな
っている。このようなアンチスキッドブレーキ装置を採
用することにより、急制動時における車輪のロックない
しスキッド状態が防止されて、当該車両を方向安定性を
失わせずに短い制動距離で停止させることが可能とな
る。
【0003】ところで、この種のアンチスキッドブレー
キ装置において車輪速の計測用に用いられる車輪速セン
サは、単位時間あたりの車輪回転角を検出することによ
り車輪の回転速度を計測するようになっている。このた
め、車輪の回転速度が遅くなるほど検出精度が悪化する
特性を有し、したがって低速時、特に停止直前における
極低速状態における車体速を正確に推定できず、最悪の
場合には通常のブレーキとして作用する可能性がある。
【0004】このような問題に対しては、例えば特開平
4−201772号公報に開示されているように、車輪
速センサで検出された車輪速が所定の判定基準値よりも
小さいときにABS制御の終了を判定すると共に、通常
のブレーキ状態に復帰させる際に上記車輪速に基づいて
推定した路面摩擦係数が小さいほど制動圧を緩やかに増
圧させるようにしたものがある。これによれば、車輪速
センサの検出精度が低い低速時における制御性の悪化が
回避されるばかりでなく、アイスバーンのような路面摩
擦係数の小さい路面(低μ路面という、以下同様)にお
いては、制動圧の急上昇が回避されて当該車両を車輪に
ロックないしスキッド状態を発生させることなく安定し
て停止させ、一方、乾燥した舗装路面のように路面摩擦
係数が大きい高μ路面においては、当該車両を確実に停
止させることが期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の従来技術においては、車輪速センサで検出され
た車輪速が低μ路面用に設定した所定の判定基準値より
も小さくなったときにABS制御の終了判定が行われる
ようになっているため、次のような解決すべき課題が残
されている。
【0006】つまり、例えば乾燥した舗装道路のように
路面摩擦係数が大きい高μ路面を走行しているときに当
該車両を停止させるためにブレーキ操作が行われたとす
る。この場合、車輪の回転速度が判定基準値にまで低下
したときにアンチスキッド制御が終了して通常のブレー
キ状態に戻されることになるため、車輪の路面に対する
グリップ力が大きく車輪がスリップしにくい路面状態で
あるにもかかわらず停車寸前までアンチスキッド制御が
行われることになる。このため、停車寸前などにおいて
制動圧が不測に減圧される可能性があり、この場合、運
転者に予期せぬ空走感を感じさせることになる。
【0007】そうかといって、判定基準値を一律に高く
すれば、低μ路面の走行時に車輪にロックないしスキッ
ド状態が発生する蓋然性が高くなって好ましくない。
【0008】この発明は、制動時に車輪速に基づいて制
動圧を周期的に増減するようにした車両のアンチスキッ
ドブレーキ装置における上記の実情に対処するもので、
路面状態に応じて適切な制動感が得られるようにするこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本願の請求項
1の発明(以下、第1発明という)に係る車両のアンチ
スキッドブレーキ装置は、車輪の回転速度を検出する車
輪速検出手段と、制動圧を調整する油圧調整手段と、上
記車輪速検出手段によって検出された車輪速に基づいて
上記油圧調整手段を作動させることにより制動圧を周期
的に増減するアンチスキッド制御手段とが備えられた車
両において、上記車輪速検出手段で検出された車輪速を
所定の判定基準値と比較して、該車輪速が判定基準値よ
りも小さいときに上記アンチスキッド制御手段による制
動圧を周期的に増減させるアンチスキッド制御の終了を
判定するアンチスキッド制御終了判定手段と、当該車両
の走行路面の路面状態を検出する路面状態検出手段と、
該検出手段で検出される走行路面の路面状態が車輪にス
リップを生じさせる傾向が大きくなるほど上記判定基準
値を小さくする判定基準値変更手段とを設けたことを特
徴とする。
【0010】また、本願の請求項2の発明(以下、第2
発明という)に係る車両のアンチスキッドブレーキ装置
は、車輪の回転速度を検出する車輪速検出手段と、制動
圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速検出手段によ
って検出された車輪速に基づいて上記油圧調整手段を作
動させることにより制動圧を周期的に増減するアンチス
キッド制御手段とが備えられた車両において、上記車輪
速検出手段で検出された車輪速を所定の判定基準値と比
較して、該車輪速が判定基準値よりも小さいときに上記
アンチスキッド制御手段による制動圧を周期的に増減さ
せるアンチスキッド制御の終了を判定するアンチスキッ
ド制御終了判定手段と、上記車輪速に基づいて車輪と走
行路面との間の路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推
定手段と、該推定手段で推定された路面摩擦係数が小さ
いほど上記判定基準値を小さくする判定基準値変更手段
とを設けたことを特徴とする。
【0011】そして、本願の請求項3の発明(以下、第
3発明という)に係る車両のアンチスキッドブレーキ装
置は、上記第2発明の構成に加えて、アンチスキッド制
御終了判定手段によるアンチスキッド制御の終了判定後
に、路面摩擦係数推定手段で推定された路面摩擦係数が
小さいほど制動圧の増圧速度が小さくなるように油圧調
整手段を作動させる増圧手段を設けたことを特徴とす
る。
【0012】一方、本願の請求項4の発明(以下、第4
発明という)に係る車両のアンチスキッドブレーキ装置
は、車輪の回転速度を検出する車輪速検出手段と、制動
圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速検出手段によ
って検出された車輪速に基づいて上記油圧調整手段を作
動させることにより制動圧を周期的に増減するアンチス
キッド制御手段とが備えられた車両において、上記車輪
速検出手段で検出された車輪速を所定の判定基準値と比
較して、該車輪速が判定基準値よりも小さいときに上記
アンチスキッド制御手段による制動圧を周期的に増減さ
せるアンチスキッド制御の終了を判定するアンチスキッ
ド制御終了判定手段と、上記車輪速に基づいて当該車両
の疑似車体速を推定する疑似車体速推定手段と、推定さ
れた疑似車体速の単位時間あたりの変化量を算出する疑
似車体速変化量算出手段と、該算出手段で算出された疑
似車体速の減速方向の変化量が小さいほど上記判定基準
値を小さくする判定基準値変更手段とを設けたことを特
徴とする。
【0013】そして、本願の請求項5の発明(以下、第
5発明という)に係る車両のアンチスキッドブレーキ装
置は、上記第4発明の構成に加えて、アンチスキッド制
御終了判定手段によるアンチスキッド制御の終了判定後
に、疑似車体速変化量算出手段で算出された疑似車体速
の減速方向の変化量が小さいほど制動圧の増圧速度が小
さくなるように油圧調整手段を作動させる増圧手段を設
けたことを特徴とする。
【0014】
【作用】上記の構成によれば次のような作用が得られ
る。
【0015】第1〜第5発明のいずれにおいても、路面
状態がスリップを生じやすく傾向が大きくなるほどアン
チスキッド制御の終了を判定する判定基準値が小さくさ
れることになるので、通常時の判定基準値を大きく設定
することが可能となって、車輪のグリップ力が大きい高
μ路面での制動操作時に運転者に空走感を与えることが
回避されると共に、低μ路面での制動操作時にも車輪に
ロックないしスキッド状態を生じさせない良好な制動感
が確保されることになる。
【0016】また、第2、第3発明によれば、車輪速検
出手段で検出された車輪速に基づいて推定された路面摩
擦係数が小さいほどアンチスキッド制御を終了させる判
定基準値を小さくするようにしているので、路面状態を
検出する特別なセンサ類を設ける必要がなく、これによ
って部品点数の増加が回避されることになる。
【0017】しかも、第3発明によれば、アンチスキッ
ド制御の終了判定後に路面摩擦係数が小さいほど制動圧
の増圧速度が小さくなるように油圧調整手段を作動させ
るようになっているので、アイスバーンのような低μ路
面においては制動圧の急上昇が回避されて、車輪にロッ
クないしスキッド状態を発生させることなく当該車両を
安定して停止させることができると共に、乾燥した舗装
路面のような高μ路面においては当該車両を短時間の間
に確実に停止させることが可能となる。
【0018】一方、第4、第5発明においては、車輪速
に基づいて当該車両の疑似車体速を推定すると共に、そ
の疑似車体速の減速方向の変化量が小さいほどアンチス
キッド制御を終了させる判定基準値を小さくするように
しているので、上記第2、第3発明と同様な作用が得ら
れる。
【0019】さらに、第5発明によれば、アンチスキッ
ド制御の終了判定後に上記疑似車体速の減速方向の変化
量が小さいほど制動圧の増圧速度が小さくなるように油
圧調整手段を作動させるようになっているので、この場
合においても上記第3発明と同様な作用が得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】図1に示すように、この実施例に係る車両
は、左右の前輪1,2が従動輪、左右の後輪3,4が駆
動輪とされていると共に、エンジン5の出力トルクが自
動変速機6からプロペラシャフト7、差動装置8及び左
右の駆動軸9,10を介して左右の後輪3,4に伝達さ
れるようになっている。
【0022】そして、上記前輪1,2及び後輪3,4に
は、これらと一体的に回転するディスク11a〜14a
と、制動圧の供給を受けて、これらのディスク11a〜
14aの回転を制動するキャリパ11b〜14bなどで
構成されるブレーキ装置11〜14がそれぞれ備えられ
ていると共に、これらのブレーキ装置11〜14を制動
操作させるブレーキ制御システム15が備えられてい
る。
【0023】このブレーキ制御システム15は、運転者
によるブレーキペダル16の踏込力を増大させる倍力装
置17と、この倍力装置17によって増大された踏込力
に応じた制動圧を発生させるマスターシリンダ18とを
有する。そして、このマスターシリンダ18から導かれ
た前輪用制動圧供給ライン19が2経路に分岐されて、
これらの前輪用分岐制動圧ライン19a,19bが左右
の前輪1,2におけるブレーキ装置11,12のキャリ
パ11b,12bにそれぞれ接続されていると共に、左
前輪1のブレーキ装置11に通じる一方の前輪用分岐制
動圧ライン19aには、電磁式の開閉弁20aと、同じ
く電磁式のリリーフ弁20bとからなる第1バルブユニ
ット20が設置されている。また、右前輪2のブレーキ
装置12に通じる他方の前輪用分岐制動圧ライン19b
にも、上記第1バルブユニット20と同様に、電磁式の
開閉弁21aと、同じく電磁式のリリーフ弁21bとか
らなる第2バルブユニット21が設置されている。
【0024】一方、上記マスターシリンダ18から導か
れた後輪用制動圧供給ライン22には、上記第1、第2
バルブユニット20,21と同様に、電磁式の開閉弁2
3aと、同じく電磁式のリリーフ弁23bとからなる第
3バルブユニット23が設置されていると共に、この後
輪用制動圧供給ライン22は、上記第3バルブユニット
23の下流側で2経路に分岐されて、これらの後輪用分
岐制動圧ライン22a,22bが左右の後輪3,4にお
けるブレーキ装置13,14のキャリパ13b,14b
にそれぞれ接続されている。
【0025】つまり、本実施例におけるブレーキ制御シ
ステム15は、上記第1バルブユニット20の作動によ
って左前輪1におけるブレーキ装置11の制動圧を可変
制御する第1チャンネルと、第2バルブユニット21の
作動によって右前輪2におけるブレーキ装置12の制動
圧を可変制御する第2チャンネルと、第3バルブユニッ
ト23の作動によって左右の後輪3,4における両ブレ
ーキ装置13,14の制動圧を可変制御する第3チャン
ネルとが設けられて、これらの第1〜第3チャンネルが
互いに独立して制御されるようになっている。
【0026】そして、上記ブレーキ制御システム15に
は上記第1〜第3チャンネルを制御する電子制御式のコ
ントロールユニット(以下、ECUという)24が備え
られている。このECU24は、ブレーキペダル16の
ON/OFFを検出するブレーキスイッチ25からのブ
レーキ信号と、各車輪の回転速度をそれぞれ検出する車
輪速センサ26〜29からの車輪速信号とを入力し、こ
れらの信号に応じた制動圧制御信号を第1〜第3バルブ
ユニット20,21,23にそれぞれ出力することによ
り、左右の前輪1,2及び後輪3,4のスリップに対す
る制動制御、すなわちABS制御を第1〜第3チャンネ
ルごとに並行して行うようになっている。
【0027】すなわち、ECU24は、上記各車輪速セ
ンサ26〜29からの車輪速信号が示す車輪速に基づい
て上記第1〜第3バルブユニット20,21,23にお
ける開閉弁20a,21a,23aとリリーフ弁20
b,21b,23bとをそれぞれデューティ制御によっ
て開閉制御することにより、スリップの状態に応じた制
動圧で前輪1,2及び後輪3,4に制動力を付与するよ
うになっている。なお、第1〜第3バルブユニット2
0,21,23における各リリーフ弁20b,21b,
23bから排出されたブレーキオイルは、図示しないド
レンラインを介して上記マスターシリンダ18のリザー
バタンク18aに戻されるようになっている。
【0028】そして、ABS非制御状態においては、上
記ECU24からは制動圧制御信号が出力されず、した
がって図示のように第1〜第3バルブユニット20,2
1,23におけるリリーフ弁20b,21b,23bが
それぞれ閉保持され、かつ各ユニット20,21,23
の開閉弁20a,21a,23aがそれぞれ開保持され
ることになって、ブレーキペダル16の踏込力に応じて
マスターシリンダ18で発生した制動圧が、前輪用制動
圧供給ライン19及び後輪用制動圧供給ライン22を介
して左右の前輪1,2及び後輪3,4におけるブレーキ
装置11〜14に対して供給され、これらの制動圧に応
じた制動力が前輪1,2及び後輪3,4に対してダイレ
クトに付与されることになる。
【0029】次に、上記ECU24が行うブレーキ制御
の概略を説明する。
【0030】すなわち、ECU24は、上記車輪速セン
サ26〜29からの信号が示す車輪速に基づいて各車輪
ごとの加速度及び減速度をそれぞれ算出する。ここで、
加速度ないし減速度の算出方法を説明すると、ECU2
4は、車輪速の前回値に対する今回値の差分を所定のサ
ンプリング周期△t(例えば7ms)で除算した上で、
その結果を重力加速度に換算した値を今回の加速度ない
し減速度として更新する。
【0031】そして、ECU24は、上記第3チャンネ
ル用の車輪速及び加減速度を代表させる後輪3,4を選
択する。本実施例においては、スリップ時における後輪
3,4の両車輪速センサ28,29の検出誤差を考慮し
て両車輪速W3,W4のうちの小さいほうの車輪速が後
輪車輪速Wrとして選択されると共に、この車輪速Wr
から求められた加速度及び減速度が後輪減速度及び後輪
加速度として用いられることになる。
【0032】さらに、ECU24は、当該車両の疑似車
体速Vrと路面摩擦係数とを推定するのであるが、この
うち疑似車体速Vrは具体的には次のようにして求めら
れる。
【0033】つまり、ECU24は上記車輪速センサ2
6〜29からの信号が示す車輪速W1〜W4の中から最
高車輪速Wmxを決定した上で、この最高車輪速Wmx
を疑似車体速Vrとして採用する。その場合に、最高車
輪速Wmxとして駆動輪である後輪3,4に備えられた
車輪速センサ28,29からの信号が示す車輪速W3,
W4が採用されている場合に、後輪3,4がスリップす
るなどして従動輪である前輪1,2に備えられた車輪速
センサ26,27からの信号が示す車輪速W1,W2よ
りも上記車輪速W3,W4が大きな値を示すときには、
両前輪1,2の車輪速W1,W2のうちの値の大きいほ
うを疑似車体速Vrとして採用する。
【0034】一方、前輪1,2及び後輪3,4のいずれ
もがロックしたときには、次の表1に示すように予め摩
擦係数値MUに対応して設定したテーブルを参照して、
その時点における疑似車体速Vrの単位時間あたりの変
化量(以下、車体速変化量という)△Vrを仮定し、こ
の車体速変化量△Vrに従って疑似車体速Vrを減少さ
せていく。
【0035】
【表1】 つまり、後述するように疑似車体速Vrに基づいて推定
した路面摩擦係数を示す摩擦係数値MUが低μ路面を示
す1にセットされているときには、車体速変化量△Vr
として変化の少ない−0.3G(重力加速度に換算した
値)が選択される一方において、上記摩擦係数値MUが
高μ路面を示す3にセットされているときには、車体速
変化量△Vrとして変化の多い−1.2Gが選択される
ことになる。そして、上記摩擦係数値MUが高μ路面と
低μ路面との中間状態を示す2にセットされているとき
には、車体速変化量△Vrとして両者の中間の−0.8
Gが選択される。
【0036】このようにして、当該車両の疑似車体速V
rが各車輪速W1〜W4に応じてサンプリング周期△t
ごとに更新されていく。
【0037】一方、上記路面摩擦係数は、具体的には次
のようにして求められる。
【0038】つまり、ECU24は、前述のようにして
推定した疑似車体速Vrから車体速変化量△Vrを算出
すると共に、次の表2に示すように予め車体速変化量に
応じて設定した摩擦系数値のテーブルに上記車体速変化
量△Vrを当てはめて、対応する値を摩擦係数値MUと
して設定する。
【0039】
【表2】 ここで、上記摩擦係数値MUのテーブルは、車体速変化
量△Vrに応じて3段階に設定されており、例えば重力
加速度に換算した車体速変化量△Vrが−0.3Gより
も大きな値であるとき、つまり変化が少ないときには、
摩擦係数値MUとして低μ路面を示す1が選択される。
一方、車体速変化量△Vrが−1.2Gよりも小さな値
であるとき、つまり変化の多いときには、摩擦係数値M
Uとして高μ路面を示す3が選択される。そして、車体
速変化量△Vrが両者の中間の値を示すときには、摩擦
係数値MUとして中μ路面を示す2が選択されることに
なる。
【0040】ECU24は、上記車輪速センサ28,2
9からの信号から求めた後輪車輪速Wr及び上記車輪速
センサ26,27からの信号が示す左右の各前輪1,2
の車輪速W1,W2と疑似車体速Vrとから第1〜第3
チャンネルについてのスリップ率をそれぞれ算出するの
であるが、その場合に、次の関係式を用いてスリップ
率が算出される。
【0041】 スリップ率=(車輪速/疑似車体速)×100 …… つまり、疑似車体速に対する車輪速の偏差が大きくなる
ほどスリップ率が小さくなって、当該車輪のスリップ傾
向が大きくなる。
【0042】続いて、ECU24は上記第1〜第3チャ
ンネルの制御に用いる各種の制御閾値を設定する。
【0043】ここで、制御閾値の設定処理の概略につい
て説明すると、この制御閾値の設定処理は第1チャンネ
ルについては、例えば次のようにして行われる。すなわ
ち、ECU24は、予め車速域と路面摩擦係数とに応じ
て設定した各種の制御閾値から、摩擦係数値と疑似車体
速とに対応する制御閾値を選択する。ここで、制御閾値
としては、例えばABS非制御状態を示すフェーズ0か
ら増圧後の保持状態を示すフェーズ2への移行判定用の
0−2減速度閾値B02、増圧状態を示すフェーズ1か
ら上記フェーズ2への移行判定用の1−2減速度閾値B
12、上記フェーズ2から減圧状態を示すフェーズ3へ
の移行判定用の2−3減速度閾値B23、このフェーズ
3から減圧後の保持状態を示すフェーズ5への移行判定
用の3−5減速度閾値B35、フェーズ5からフェーズ
1への増圧判定用の5−1スリップ率閾値Bsz、制御
開始直後の第1サイクル用の初期スリップ率閾値Biな
どが、車速域と路面摩擦係数とに応じてそれぞれ設定さ
れている。この場合、制動力に大きく影響する減速度閾
値は、路面摩擦係数が大きいときのブレーキ性能と、路
面摩擦係数が小さいときの制御応答性とを高水準で両立
させるために、摩擦係数値のレべルが小さくなるほど、
つまり路面摩擦係数が小さくなるほど0Gに近づくよう
に設定されている。
【0044】また、第2、第3チャンネルについても、
同様にして制御閾値が設定される。
【0045】そして、ECU24は、各チャンネルごと
のロック判定処理と、上記第1〜第3バルブユニット2
0,21,23に対する制御量を規定するためのフェー
ズ決定処理とを行うようになっている。
【0046】ここで、上記ロック判定処理について説明
すると、概略次のようなものとなる。
【0047】例えば左前輪用の第1チャンネルに対する
ロック判定処理においては、ECU24は、まず第1チ
ャンネル用の継続フラグFcの今回値を前回値としてセ
ットした上で、次に疑似車体速Vrと車輪速W1とが所
定の条件(例えば、Vr<5km/h,W1<7.5k
m/h)を満足するか否かを判定し、これらの条件を満
足するときに継続フラグFc及びロックフラグFl1を
それぞれ0にリセットする一方、満足していなければロ
ックフラグFl1が1にセットされているか否かを判定
する。ロックフラグFl1が1にセットされていなけれ
ば、所定の条件のとき(例えば、疑似車体速Vrが車輪
速W1より大きいとき)にロックフラグFl1に1をセ
ットする。
【0048】一方、ECU24は、ロックフラグFl1
が1にセットされていると判定したときには、例えば第
1チャンネルのフェーズ値P1がフェーズ5を示す5に
セットされ、かつスリップ率S1が90%より大きいと
きに継続フラグFcに1をセットする。
【0049】なお、第2、第3チャンネルに対しても同
様にしてロック判定処理が行われる。
【0050】また、上記フェーズ決定処理の概略を説明
すると、ECU24は、当該車両の運転状態に応じて設
定したそれぞれの制御閾値と、車輪加減速度やスリップ
率との比較によって、ABS非制御状態を示すフェーズ
0、ABS制御時における増圧状態を示すフェーズ1、
増圧後の保持状態を示すフェーズ2、減圧状態を示すフ
ェーズ3、急減圧状態を示すフェーズ4及び減圧後の保
持状態を示すフェーズ5を選択するようになっている。
【0051】そして、ECU24は、各チャンネルごと
に設定されたフェーズ値に応じた制御量を設定した上
で、その制御量に従った制動圧制御信号を第1〜第3バ
ルブユニット20,21,23に対してそれぞれ出力す
る。これにより、第1〜第3バルブユニット20,2
1,23の下流側における前輪用分岐制動圧ライン19
a,19b及び後輪用分岐制動圧ライン22a,22b
の制動圧が、増圧あるいは減圧したり、増圧もしくは減
圧後の圧力レベルに保持されたりする。
【0052】そして、第1実施例の特徴部分である制動
圧の制御処理は、例えば第1チャンネルについては図2
のフローチャートに従って次のように行われる。
【0053】すなわち、ECU24はステップS1で各
種データを取り込んだ上でステップS2を実行してAB
SフラグFaの値が1にセットされているか否かを判定
する。つまり、ABS制御中かどうか判定するのであ
る。このABSフラグFaは、例えば上記第1〜第3チ
ャンネルのロックフラグFl1,Fl2,Fl3のどれ
かが1にセットされたときに1にセットされ、またブレ
ーキスイッチ25がONからOFF状態に切り換わった
ときなどには0にクリアされるフラグある。
【0054】ECU24は上記ステップS2においてA
BSフラグFaが1にセットされていると判定したとき
には、ステップS3に進んで路面摩擦係数が高μか否か
を判定する。この実施例においては、摩擦係数値MUの
値が高μ路面を示す3にセットされているときにYES
と判定され、それ以外の2もしくは1にセットされてい
るときにはNOと判定されるようになっている。
【0055】ECU24は上記ステップS3において路
面摩擦係数が高μではないと判定したときにはステップ
S4に進み、車輪速センサ26からの信号が示す左前輪
1の車輪速W1が第1設定値V1(例えば、3.5km
/h)よりも大きいか否かを判定し、上記車輪速W1が
第1設定値V1よりも大きいと判定したときにはステッ
プS5に移ってABS制御が終了したか否かを判定し
て、該制御が終了していないと判定したときにステップ
S6を実行して所定のサブルーチンに従って通常のAB
S制御を実行する。
【0056】一方、ECU24は上記ステップS4にお
いて上記車輪速W1が第1設定値V1よりも大きくない
と判定したときにはステップS7に移って所定の緩増圧
制御量を設定した上で、ステップS8を実行してロック
フラグFL1及び継続フラグFcをそれぞれ0にクリア
する。
【0057】そして、ECU24は上記ステップS3に
おいて路面摩擦係数が高μであると判定したときには、
ステップS9に移って上記車輪速W1が第1設定値V1
よりも高車輪速側に設定された第2設定値V2(例え
ば、5km/h)よりも大きいか否かを判定し、この場
合においても上記車輪速W1が第2設定値V2よりも大
きいと判定したときにはステップS5に移ってABS制
御が終了したか否かを判定して、該制御が終了していな
いと判定したときにステップS6を実行して通常のAB
S制御を実行するようになっている。
【0058】これに対して、ECU24は上記ステップ
S9において車輪速W1が第2設定値V2よりも大きく
ないと判定したときにはステップS10を実行して所定
の通常増圧制御量を設定した上で、この場合においても
ステップS8を実行してロックフラグFL1及び継続フ
ラグFcをそれぞれ0にクリアする。
【0059】次に、第1チャンネルに対するABS制御
を例に第1実施例の作用を説明する。
【0060】すなわち、減速時のABS非制御状態にお
いて、ブレーキペダル16の踏込操作によってマスター
シリンダ18で発生した制動圧が徐々に増圧し、例えば
図3(d)に示すように、左前輪1の車輪速W1の変化
量、すなわち車輪減速度DW1が−3Gに達したときに
は、同図(a)(b)に示すように、第1チャンネルに
おけるロックフラグFl1が1にセットされると共に、
同時にABSフラグFaも1にセットされて、その時点
からABS制御に移行することになる。
【0061】そして、ECU24は、上記車輪速W1か
ら算出したスリップ率S1、減速度DW1、加速度AW
1と上記各種の制御閾値とを比較する。この場合、初期
スリップ率閾値B1が例えば90%にセットされている
とすると、スリップ率S1が96%を示すときには、E
CU24は、同図(e)に示すように、フェーズ値P1
を0から2に変更する。したがって、制動圧は、同図
(f)に示すように、増圧直後のレべルで維持されるこ
とになる。そして、例えば上記スリップ率S1が90%
より低下したときには、ECU24はフェーズ値P1を
2から3に変更する。これにより、第1バルブユニット
20のリリーフ弁20bが所定のデューティ率に従って
ON/OFFされることになって、符号(ア)で示すよ
うに制動圧が所定の勾配で従って減圧されて制動力が徐
々に低下すると共に、それに伴って前輪1の回転力が回
復し始める。
【0062】さらに制動圧の減圧が続いて前輪1の車輪
速W1から求めた減速度DW1及び加速度AW1がそれ
ぞれ0になったときには、ECU24はフェーズ値P1
を3から5に変更する。したがって、符号(イ)で示す
ように制御圧が減圧後のレべルで維持されることにな
る。
【0063】そして、フェーズ5の状態が続いてスリッ
プ率S1が90%を超えたときには、ECU24は、同
図(c)に示すように、継続フラグFcを1にセットす
る。これにより、第1チャンネルにおけるABS制御
は、制御開始直後の第1サイクルから第2サイクルに移
行することになる。その場合に、ECU24は、フェー
ズ値P1を強制的に1に変更するようになっている。
【0064】そして、このフェーズ1への移行直後に
は、第1バルブユニット20の開閉弁20bが、第1サ
イクルにおけるフェーズ5の持続時間に基づいて設定さ
れた初期急増圧時間Tpzに応じて100%のデューテ
ィ率で開閉されることになって、符号(ウ)で示すよう
に、制動圧が急勾配で増圧されることになる。初期急増
圧時間Tpzが終了してからは、上記開閉弁20aが所
定のデューティ率に従ってON/OFFされることにな
って、制動圧は符号(エ)で示すように上記勾配よりも
緩かな勾配に従って徐々に上昇することになる。
【0065】ECU24は、第2サイクルにおけるフェ
ーズ5の状態において、例えばスリップ率S1が5−1
スリップ率閾値Bszより大きいと判定したときには、
フェーズ値P1を1にセットして第3サイクルに移行す
る。
【0066】そして、摩擦係数値MUが低μ路面を示す
1にセットされている状態において、図4の符号(オ)
で示すように、車輪速W1が第1設定値V1にまで低下
したときには、ECU24は、同図(a),(b)に示
すように、第1チャンネルにおけるロックフラグFl1
及び継続フラグFcをそれぞれ0にクリアして、その時
点から終了処理に移行する。
【0067】その際、摩擦係数値MUは上記したように
低μ路面を示す1にセットされていることから、ECU
24は緩増圧制御量を設定して、それに応じた制動圧制
御信号を第1バルブユニット20に出力する。これによ
り、制動圧が符号(カ)で示すように徐々に増圧するこ
とになって、左前輪1のロックないしスキッド状態が回
避されることになる。そして、当該車両の停止直前に
は、上記のような制動圧制御が第2、第3チャンネルに
対しても同様にして行われることから、左右の前輪1,
2及び後輪3,4のロックないしスキッド状態の発生が
防止されて、アイスバーンのような低μ路面において
も、当該車両が安定して停止することになる。
【0068】一方、摩擦係数値MUが高μ路面を示す3
にセットされている状態においては、ECU24は、図
5の符号(キ)で示すように、車輪速W1が今度は第2
設定値V2にまで低下した時点において、同図(a),
(b)に示すように、第1チャンネルにおけるロックフ
ラグFl1及び継続フラグFcをそれぞれ0にクリアし
て、その時点から終了処理に移行することになる。これ
により、車輪速W1が第1設定値V1まで低下するまで
ABS制御を続行する場合に比べて制動圧が不測に減圧
する確率が少なくなって、運転者に不必要に空走感を感
じさせることがない。しかも、前輪1が確実に路面をグ
リップしていることから、該前輪1がロックないしスキ
ッド状態になることがなく、これによって走行安定性が
損なわれることもない。
【0069】また、ECU24は車輪速W1が上記第2
設定値T2まで低下した時点で通常増圧制御量を設定し
て、それに応じた制動圧制御信号を第1バルブユニット
20に対して出力するようになっているので、符号
(ク)で示すように、制動圧が低μ時に比べて速やかに
上昇することになって、当該車両が確実に停止すること
になる。
【0070】次に、図6のフローチャートを参照して本
発明の第2実施例に係る制動圧の制御処理について説明
する。
【0071】すなわち、ECU24はステップT1で各
種データを取り込んだ上で、ステップT2を実行してA
BSフラグFaの値が1にセットされているか否かを判
定すると共に、ABSフラグFaが1にセットされてい
ると判定したときには、ステップT3に進んで疑似車体
速Vrの単位時間あたりの変化量を示す車体速変化量△
Vrが所定値α(例えば、重力加速度に換算して−0.
8G)よりも小さいか否かを判定する。つまり、疑似車
体速Vrの減速方向の変化が上記所定値αよりも大きい
か否かを判定するのである。
【0072】ECU24は上記ステップT3において車
体速変化量△Vrが所定値αよりも大きくないと判定し
たとき、つまり減速度合が緩やかであると判定したとき
にはステップT4に進み、車輪速センサ26からの信号
が示す左前輪1の車輪速W1が第1設定値V1よりも大
きいか否かを判定し、上記車輪速W1が第1設定値V1
よりも大きいと判定したときにはステップT5に移って
ABS制御が終了したか否かを判定して、該制御が終了
していないと判定したときにステップT6を実行して通
常のABS制御を実行する。
【0073】一方、ECU24は上記ステップT4にお
いて上記車輪速W1が第1設定値V1よりも大きくない
と判定したときにはステップT7に移って所定の緩増圧
制御量を設定した上で、ステップT8を実行してロック
フラグFL1及び継続フラグFcをそれぞれ0にクリア
する。
【0074】そして、ECU24は上記ステップT3に
おいて車体速変化量△Vrが所定値αよりも大きいと判
定したとき、つまり減速度合が急速であると判定したと
きには、ステップT9に移って上記車輪速W1が第2設
定値V2よりも大きいか否かを判定し、この場合におい
ても上記車輪速W1が第2設定値V2よりも大きいと判
定したときにはステップT5に移ってABS制御が終了
したか否かを判定して、該制御が終了していないと判定
したときにステップT6を実行して通常のABS制御を
実行するようになっている。
【0075】これに対して、ECU24は上記ステップ
T9において車輪速W1が第2設定値V2よりも大きく
ないと判定したときには、ステップT10を実行して所
定の通常増圧制御量を設定した上で、この場合において
もステップT8を実行してロックフラグFL1及び継続
フラグFcをそれぞれ0にクリアする。
【0076】したがって、第2実施例によれば次のよう
な作用が得られる。
【0077】つまり、図7(c)の2点鎖線で示すよう
に、疑似車体速Vrが破線で示した所定値αに従って低
下するときの疑似車体速に比べて急勾配で低下している
ときには、ECU24は符号(ケ)で示すように、車輪
速W1が第2設定値V2にまで低下した時点において、
同図(a),(b)に示すように、第1チャンネルにお
けるロックフラグFl1及び継続フラグFcをそれぞれ
0にクリアして、その時点から終了処理に移行すること
になる。したがって、第1実施例と同様に車輪速W1が
第1設定値V1まで低下するまでABS制御を続行する
場合に比べて制動圧が不測に減圧する確率が少なくな
り、運転者に不必要に空走感を感じさせることが防止さ
れると共に、前輪1が確実に路面をグリップしているこ
とから、該前輪1がロックないしスキッド状態になるこ
とがなく、これによって走行安定性が損なわれることも
ない。
【0078】しかも、ECU24は車輪速W1が上記第
2設定値T2まで低下した時点で通常増圧制御量を設定
して、それに応じた制動圧制御信号を第1バルブユニッ
ト20に対して出力するようになっているので、符号
(コ)で示すように、速やかに上昇することになって、
当該車両が確実に停止することになる。
【0079】これに対して、疑似車体速Vrが破線で示
した所定値αに従って低下するときの疑似車体速に比べ
て緩やかな勾配で低下しているときには、車輪速W1が
第2設定値V2を通り過ぎて第1設定値にまで低下した
ときに、第1チャンネルにおけるロックフラグFl1及
び継続フラグFcがそれぞれ0にクリアされて、その時
点から終了処理に移行することになる。
【0080】その場合には、符号(サ)で示すように、
制御圧が第1実施例と同様に緩やかに増圧されることに
なって、前輪1のロックないしスキッド状態が回避され
ることになる。
【0081】
【発明の効果】以上のように本発明に係る車両のアンチ
スキッドブレーキ装置によれば、車輪速検出手段によっ
て検出された車輪速に基づいて制動圧を周期的に増減す
るようにしたものにおいて、路面状態がスリップを生じ
やすく傾向が大きくなるほどアンチスキッド制御の終了
を判定する判定基準値が小さくされることになるので、
通常時の判定基準値を大きく設定することが可能となっ
て、車輪のグリップ力が大きい高μ路面での制動操作時
に運転者に空走感を与えることが回避されると共に、低
μ路面での制動操作時にも車輪にロックないしスキッド
状態を生じさせない良好な制動感が確保されることにな
る。
【0082】また、実施例のように、アンチスキッド制
御の終了判定後に、例えば車輪速から推定された路面摩
擦係数が小さいほど制動圧の増圧速度が小さくなるよう
に油圧調整手段を作動させることにより、アイスバーン
のような低μ路面においては制動圧の急上昇が回避され
て、車輪にロックないしスキッド状態を発生させること
なく当該車両を安定して停止させることができると共
に、乾燥した舗装路面のような高μ路面においては制動
圧が速やかに上昇することになって、当該車両を短時間
の間に確実に停止させることができるなど、路面状態に
かかわらず良好な停止性能が得られることにもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アンチスキッドブレーキ装置が装備された車
両の全体概略構成図である。
【図2】 本発明の第1実施例に係る制動圧制御処理を
示すフローチャート図である。
【図3】 ABS制御の移行前後の状態を示すタイムチ
ャート図である。
【図4】 第1実施例における低μ路面でのABS制御
の終了前後の状態を示すタイムチャート図である。
【図5】 第1実施例における高μ路面でのABS制御
の終了前後の状態を示すタイムチャート図である。
【図6】 本発明の第2実施例に係る制動圧制御処理を
示すフローチャート図である。
【図7】 同じく第2実施例における高μ路面でのAB
S制御の終了前後の状態を示すタイムチャート図であ
る。
【符号の説明】
1,2 前輪 3,4 後輪 20,21,23 バルブユニット 24 ECU 26〜29 車輪速センサ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪の回転速度を検出する車輪速検出手
    段と、制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速検
    出手段によって検出された車輪速に基づいて上記油圧調
    整手段を作動させることにより制動圧を周期的に増減す
    るアンチスキッド制御手段とが備えられた車両のアンチ
    スキッドブレーキ装置であって、上記車輪速検出手段で
    検出された車輪速を所定の判定基準値と比較して、該車
    輪速が判定基準値よりも小さいときに上記アンチスキッ
    ド制御手段による制動圧を周期的に増減させるアンチス
    キッド制御の終了を判定するアンチスキッド制御終了判
    定手段と、当該車両の走行路面の路面状態を検出する路
    面状態検出手段と、該検出手段で検出される走行路面の
    路面状態が車輪にスリップを生じさせる傾向が大きくな
    るほど上記判定基準値を小さくする判定基準値変更手段
    とが設けられていることを特徴とする車両のアンチスキ
    ッドブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 車輪の回転速度を検出する車輪速検出手
    段と、制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速検
    出手段によって検出された車輪速に基づいて上記油圧調
    整手段を作動させることにより制動圧を周期的に増減す
    るアンチスキッド制御手段とが備えられた車両のアンチ
    スキッドブレーキ装置であって、上記車輪速検出手段で
    検出された車輪速を所定の判定基準値と比較して、該車
    輪速が判定基準値よりも小さいときに上記アンチスキッ
    ド制御手段による制動圧を周期的に増減させるアンチス
    キッド制御の終了を判定するアンチスキッド制御終了判
    定手段と、上記車輪速に基づいて車輪と走行路面との間
    の路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、該
    推定手段で推定された路面摩擦係数が小さいほど上記判
    定基準値を小さくする判定基準値変更手段とが設けられ
    ていることを特徴とする車両のアンチスキッドブレーキ
    装置。
  3. 【請求項3】 車輪の回転速度を検出する車輪速検出手
    段と、制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速検
    出手段によって検出された車輪速に基づいて上記油圧調
    整手段を作動させることにより制動圧を周期的に増減す
    るアンチスキッド制御手段とが備えられた車両のアンチ
    スキッドブレーキ装置であって、上記車輪速検出手段で
    検出された車輪速を所定の判定基準値と比較して、該車
    輪速が判定基準値よりも小さいときに上記アンチスキッ
    ド制御手段による制動圧を周期的に増減させるアンチス
    キッド制御の終了を判定するアンチスキッド制御終了判
    定手段と、上記車輪速に基づいて車輪と走行路面との間
    の路面摩擦係数を推定する路面摩擦係数推定手段と、該
    推定手段で推定された路面摩擦係数が小さいほど上記判
    定基準値を小さくする判定基準値変更手段と、上記アン
    チスキッド制御終了判定手段によるアンチスキッド制御
    の終了判定後に、上記推定手段で推定された路面摩擦係
    数が小さいほど制動圧の増圧速度が小さくなるように上
    記油圧調整手段を作動させる増圧手段とが設けられてい
    ることを特徴とする車両のアンチスキッドブレーキ装
    置。
  4. 【請求項4】 車輪の回転速度を検出する車輪速検出手
    段と、制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速検
    出手段によって検出された車輪速に基づいて上記油圧調
    整手段を作動させることにより制動圧を周期的に増減す
    るアンチスキッド制御手段とが備えられた車両のアンチ
    スキッドブレーキ装置であって、上記車輪速検出手段で
    検出された車輪速を所定の判定基準値と比較して、該車
    輪速が判定基準値よりも小さいときに上記アンチスキッ
    ド制御手段による制動圧を周期的に増減させるアンチス
    キッド制御の終了を判定するアンチスキッド制御終了判
    定手段と、上記車輪速に基づいて当該車両の疑似車体速
    を推定する疑似車体速推定手段と、推定された疑似車体
    速の単位時間あたりの変化量を算出する疑似車体速変化
    量算出手段と、該算出手段で算出された疑似車体速の減
    速方向の変化量が小さいほど上記判定基準値を小さくす
    る判定基準値変更手段とが設けられていることを特徴と
    する車両のアンチスキッドブレーキ装置。
  5. 【請求項5】 車輪の回転速度を検出する車輪速検出手
    段と、制動圧を調整する油圧調整手段と、上記車輪速検
    出手段によって検出された車輪速に基づいて上記油圧調
    整手段を作動させることにより制動圧を周期的に増減す
    るアンチスキッド制御手段とが備えられた車両のアンチ
    スキッドブレーキ装置であって、上記車輪速検出手段で
    検出された車輪速を所定の判定基準値と比較して、該車
    輪速が判定基準値よりも小さいときに上記アンチスキッ
    ド制御手段による制動圧を周期的に増減させるアンチス
    キッド制御の終了を判定するアンチスキッド制御終了判
    定手段と、上記車輪速に基づいて当該車両の疑似車体速
    を推定する疑似車体速推定手段と、推定された疑似車体
    速の単位時間あたりの変化量を算出する疑似車体速変化
    量算出手段と、該算出手段で算出された疑似車体速の減
    速方向の変化量が小さいほど上記判定基準値を小さくす
    る判定基準値変更手段と、上記アンチスキッド制御終了
    判定手段によるアンチスキッド制御の終了判定後に、上
    記算出手段で算出された疑似車体速の減速方向の変化量
    が小さいほど制動圧の増圧速度が小さくなるように上記
    油圧調整手段を作動させる増圧手段とが設けられている
    ことを特徴とする車両のアンチスキッドブレーキ装置。
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