JPH06297662A - 磁気記録媒体用ポリエステルフイルム - Google Patents

磁気記録媒体用ポリエステルフイルム

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JPH06297662A
JPH06297662A JP5093027A JP9302793A JPH06297662A JP H06297662 A JPH06297662 A JP H06297662A JP 5093027 A JP5093027 A JP 5093027A JP 9302793 A JP9302793 A JP 9302793A JP H06297662 A JPH06297662 A JP H06297662A
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Takeshi Nagai
剛 長井
Hideyori Kurihara
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 走行耐久性、ジッター、スチル耐久性に優
れ、ヘッド傷が少なく、電磁変換特性に優れた金属薄膜
型磁気記録媒体用ポリエステルフイルムを提供する。 【構成】 ポリエステルフイルムの表面に連続薄膜より
なる金属薄膜磁性層のプライマーが塗設してあり、該連
続薄膜の表面に突起傾斜角度(θ)が0.5〜20°
で、突起高さ(x)が0.2μm以下でかつ下記式 0.002≦x・tanθ≦0.025 を満足する突起(A)が1×100 〜1×105 個/m
2 の頻度で存在し、さらに突起(A)より高さが低
く、突起傾斜角度(θ)が20〜80°の突起(B)が
1×105 〜1×1010個/mm2 の頻度で存在し、そ
して中心線平均粗さRaが0.003μm以下であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用ポリエス
テルフイルムに関し、更に詳しくは電磁変換特性、走行
耐久性に優れた金属薄膜型磁気記録媒体の製造に有用な
ポリエステルフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】高密度磁気記録媒体として、非磁性支持
体上に強磁性金属薄膜を真空蒸着やスパッタリングの如
き物理沈着法或はメッキ法によって形成した金属薄膜型
磁気記録媒体が知られている。例えば、Coを蒸着した
磁気テープ(特開昭54―147010号)、Co―C
r合金を用いた垂直磁気記録媒体(特開昭52―134
706号)等が知られている。このような蒸着、スパッ
タ又はイオンプレーティング等の薄膜形成手段によって
形成される金属薄膜は、厚みが1.5μm以下と非常に
薄く、それにも拘らず磁気記録層の厚みが3μm以上で
ある塗布型磁気記録媒体(磁性体粉末を有機高分子バイ
ンダーに混入させて非磁性支持体上に塗布してなる磁気
記録媒体)と同等以上の性能が得られるという利点があ
る。 ところで、磁気記録媒体の静的特性である保磁力
Hc又はヒステリシスループの角形比のような磁気特性
は、用いられる非磁性支持体の表面状態にあまり依存し
ないという考えがある。このような考えによったものの
例として、米国特許第3787327号明細書には真空
蒸着によるCo―Crの多層構造体が開示されている。
【0003】しかしながら、金属薄膜型磁気記録媒体に
おいては、非磁性支持体表面に形成される金属薄膜厚さ
が薄く、非磁性支持体の表面状態(表面凹凸)がそのま
ま磁気記録層表面の凹凸として発現し、それが雑音の原
因となることが欠点とされている。
【0004】雑音の観点からは、非磁性支持体の表面状
態ができるだけ平滑であることが好ましい。他方ベース
フイルムの巻取り、巻出しといったハンドリングの観点
からは、フイルム表面が平滑であると、フイルム―フイ
ルム相互の滑り性が悪く、ブロッキング現象が発生し、
製品にはなり得ず、このためベースフイルム表面が粗で
あることが要求される。このように、電磁変換特性とい
う観点からは非磁性支持体の表面が平滑であることが要
求され、他方ハンドリング性の観点からは粗であること
が要求される。そこで、これら両者の二律背反する性質
を同時に満足することが必要となる。
【0005】更に、金属薄膜型磁気記録媒体には、実際
に使用される時の重大な問題点として、金属薄膜面の走
行性がある。従来の磁性体粉末を有機高分子バインダー
に混入させてベースフイルムに塗布してなる塗布型磁気
記録媒体の場合には、該バインダー中に滑剤を分散させ
て磁性面の走行性を向上させることができるが、金属薄
膜型磁気記録媒体の場合には、このような対策をとるこ
とができず、走行性を安定して保つのは非常に困難であ
り、特に高温高湿時の走行性が劣るなどの欠点を有して
いた。
【0006】この欠点の改良を目的として、特公昭62
―30105号公報には微細粒子と水溶性樹脂およびシ
ランカップリング剤を用いて微小突起をフイルム表面に
形成することが提案されている。また特公昭62―30
106号公報、特開昭59―229316号公報には微
細粒子と水溶性樹脂を用いて微小突起をフイルム表面に
形成することが提案されている。しかし、これらはいず
れも水溶性樹脂の台形状突起中に微細粒子を存在させた
ものであり、微細粒子をフイルム表面上に均一に存在さ
せたものではない。また特公平1―34456号公報に
は水溶性高分子の不連続皮膜と、これより高い突起を形
成する微細粒子とを夫々独立してフイルム表面に密着さ
せることが提案されている。しかし、これは突起が不連
続皮膜であり、また均一に分散していない微粒子による
ことからフイルム表面上の均一性に劣る。
【0007】また、表面に下塗り層、または熱可塑性の
微粒子により突起を形成させるだけでは摩擦係数の低減
に限度があり、特に繰返し走行耐久性の点で問題があ
る。
【0008】そこで、従来、これら特性を向上するため
に種々の試みがなされており、例えば特開昭59―92
428号公報、特開昭62―53815号公報に記載さ
れるように、2種類の突起により表面を形成する等によ
って上述の走行耐久性等を向上することが提案されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、従来技術
の欠点を解消すべく鋭意研究した結果、フイルムの走行
性に対してはフイルム表面の突起は多い方が好ましいこ
と、静止画再生時の耐久性に対しては微小突起が有効で
あること、さらに繰返し走行性、ジッターに対しては微
小突起より高い突起を散在させて摩擦係数を下げること
が有効であるが、その一方で突起が高すぎると、ヘッド
傷やスペーシングロスによる電磁変換特性ダウンを引き
起こし、さらに突起高さが著しく高い場合、例えば0.
27μmを越える高さの突起が存在する場合はドロップ
アウトとなり、テープ品質を著しく損ねることを知見し
た。そして、さらに走行耐久性、ジッター、スチル耐久
性に優れ、ヘッド傷が少なく電磁変換特性に優れた金属
薄膜型磁気記録媒体を開発すべく研究した結果、急峻な
微小突起とゆるやかな高突起により表面が形成され、特
に高突起の突起傾斜角度がゆるやかである場合に、走行
耐久性、ジッター、スチル耐久性に加えて、ヘッド傷が
発生せず電磁変換特性もスペーシングロスの点から特性
ダウンが少ないことを見い出し、本発明に到達したもの
である。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、ポ
リエステルフイルムの表面に連続薄膜よりなる金属薄膜
磁性層のプライマーが塗設してあり、該連続薄膜の表面
に突起傾斜角度(θ)が0.5〜20°で、突起高さ
(x)が0.2μm以下でかつ下記式
【0011】
【数2】0.002≦x・tanθ≦0.025 を満足する突起(A)が1×100 〜1×105 個/m
2 の頻度で存在し、さらに突起(A)より高さが低
く、突起傾斜角度(θ)が20〜80°の突起(B)が
1×105 〜1×1010個/mm2 の頻度で存在し、そ
して中心線平均粗さRaが0.003μm以下であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフイルムで
ある。
【0012】本発明のフイルムを構成するポリエステル
は、芳香族二塩基酸又はそのエステル形成性誘導体とジ
オール又はそのエステル形成性誘導体とから合成される
線状飽和ポリエステルである。かかるポリエステルの好
ましい具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンイソフタレート、ポリテトラメチレンテレ
フタレート、ポリ(1,4―シクロヘキシレンジメチレ
ンテレフタレート)、ポリエチレン―2,6―ナフタレ
ンジカルボキシレート等が例示でき、これらの共重合体
又はこれらと小割合の他樹脂とのブレンド物なども含ま
れる。これらの中ポリエチレンテレフタレート、ポリエ
チレン―2,6―ナフタレートが特に好ましい。
【0013】本発明のポリエステルフイルムは、その一
つの表面に連続薄膜よりなる金属薄膜磁性層のプライマ
ーが塗設してあり、該連続薄膜の表面には突起(A)、
すなわち突起傾斜角度(θ)が0.5〜20°、好まし
くは3〜20°で、突起高さ(x)が0.2μm以下で
かつ下記式
【0014】
【数3】0.002≦x・tanθ≦0.025 を満足する突起(A)と、該突起(A)より高さが低
く、突起傾斜角度(θ)が20〜80°の突起(B)と
が形成され、かつ表面の中心線平均粗さRaは0.00
3μmである。そして突起(A)は1×100 〜1×1
5 個/mm2 の頻度で存在し、さらに突起(B)は1
×105 〜1×1010個/mm2 、好ましくは1×10
6 /〜1×109 個/mm2 の頻度で存在する。また、
薄膜には高さ0.27μm以上の突起が形成されていな
いことが好ましい。
【0015】前記突起(A)はポリエステルフイルム中
の粒子によって形成され、その粒子は重合残渣からなる
粒子、あるいは外部から加えられた不活性粒子からな
る。不活性粒子としては、例えば炭酸カルシウム、カオ
リナイト、二酸化チタン、シリカ、アルミナ等の無機粒
子、及び有機粒子が用いられる。また、突起(A)が形
成されるにあたり、磁性層のプライマー層である連続薄
膜とフイルム表面との間に、薄皮層を介在させても良
い。この薄皮層は、突起(A)を形成する不活性粒子の
粒径の1〜10倍の厚みが望ましい。
【0016】また、前記突起(B)は、連続薄膜中の微
粒子によって形成される。この微粒子としては、ポリス
チレン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレ
ート共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポ
リテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライ
ド、ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の
如き有機微粒子、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カ
オリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長
石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウ
ム等の如き無機微粒子のいずれを用いてもよい。これら
は乳化剤等を用いて水性分散液としたものであってもよ
く、また微粉末状で水性液に添加できるものであっても
よい。
【0017】また、前記微粒子をポリエステルフイルム
表面に結合させる樹脂(薄膜形成剤)としては、アルキ
ッド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、飽和ポリエステル
樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、酢酸ビニル樹脂、
塩化ビニル―酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、アクリル
―ポリエステル樹脂等を例示することができる。これら
樹脂は単一重合体でも共重合体でもよく、また混合体で
もよい。
【0018】前記アクリル樹脂は、例えばアクリル酸エ
ステル(アルコール残基としては、メチル基、エチル
基、n―プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、
イソブチル基、t―ブチル基、2―エチルヘキシル基、
シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニル
エチル基等を例示できる);メタクリル酸エステル(ア
ルコール残基は上記と同じ);2―ヒドロキシエチルア
クリレート、2―ヒドロキシエチルメタクリレート、2
―ヒドロキシプロピルアクリレート、2―ヒドロキシプ
ロピルメタクリレート等の如きヒドロキシ含有モノマ
ー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N―メチルメ
タクリルアミド、N―メチルアクリルアミド、N―メチ
ロールアクリルアミド、N―メチロールメタクリルアミ
ド、N,N―ジメチロールアクリルアミド、N―メトキ
シメチルアクリルアミド、N―メトキシメチルメタクリ
ルアミド、N―フェニルアクリルアミド等の如きアミド
基含有モノマー;N,N―ジエチルアミノエチルアクリ
レート、N,N―ジエチルアミノエチルメタクリレート
等の如きアミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル等の如きエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホ
ン酸、ビニルスルホン酸、及びそれらの塩(例えばナト
リウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の如きス
ルホン酸基又はその塩を含有するモノマー;クロトン
酸、イタコン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、及びそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等)等の如きカルボキシル基又はそ
の塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の無水物を含有するモノマー;その他ビニルイソ
シアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリス
アルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、
アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量
体の組合せからつくられたものであるが、アクリル酸誘
導体、メタクリル酸誘導体の如き(メタ)アクリル単量
体の成分が50モル%以上含まれているものが好まし
く、特にメタクリル酸メチルの成分を含有しているもの
が好ましい。
【0019】かかるアクリル樹脂は分子内の官能基で自
己架橋することができるし、メラミン樹脂やエポキシ化
合物等の架橋剤を用いて架橋することもできる。
【0020】また前記ポリエステル樹脂を構成する酸成
分としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、1,4―シクロヘキサンジカルボン酸、2,6―
ナフタレンジカルボン酸、4,4′―ジフェニルジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸、コハク酸、5―ナトリウムスルホイソフタル酸、2
―カリウムスルホテレフタル酸、トリメリット酸、トリ
メシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル酸、p―ヒ
ドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリウム塩等の
多価カルボン酸を例示しうる。また、ヒドロキシ化合物
成分としては、例えばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3―プロパンジオール、1,4―ブタ
ンジオール、1,6―ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4―シクロヘキサンジメタノール、p
―キシリレングリコール、ビスフェノールAのエチレン
オキシド付加物、ジエチレングリコール、トリエチレン
グリコール、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテ
トラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピ
オン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチ
ロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロ
ピオン酸カリウム等の多価ヒドロキシ化合物を例示しう
る。これらの化合物から常法によってポリエステル樹脂
をつくることができる。水性塗液をつくる場合には、5
―ナトリウムスルホイソフタル酸成分又はカルボン酸塩
基を含有するポリエステル樹脂を用いるのが好ましい。
かかるポリエステル樹脂は分子内に官能基を有する自己
架橋型とすることができるし、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂のような硬化剤を用いて架橋することもできる。
【0021】更にまた、前記アクリル―ポリエステル樹
脂はアクリル変性ポリエステル樹脂とポリエステル変性
アクリル樹脂とを包含する意味で用いられており、アク
リル樹脂成分とポリエステル樹脂成分とが互いに結合し
たものであって、例えばグラフトタイプ、ブロックタイ
プ等を包含する。アクリル―ポリエステル樹脂は、例え
ばポリエステル樹脂の両端にラジカル開始剤を付加して
アクリル単量体の重合を行わせたり、ポリエステル樹脂
の側鎖にラジカル開始剤を付けてアクリル単量体の重合
を行わせたり、あるいはアクリル樹脂の側鎖に水酸基を
付け、末端にイソシアネート基やカルボキシル基を有す
るポリエステルと反応させてくし形ポリマーとする等に
よって製造することができる。その際用いるポリエステ
ル樹脂はその分子内にスルホニルオキシ基を含有しない
ものが好ましい。
【0022】微粒子を核とし、薄膜形成樹脂を結合剤と
する突起(B)をポリエステルフイルム表面上に形成さ
せる方法としては、微粒子を包含する樹脂塗液、好まし
くは水性塗液をポリエステルフイルムの製造工程中にフ
イルム表面に塗布・乾燥固化する方法、又は二軸配向し
たポリエステルフイルムに微粒子を含有する樹脂塗液を
塗布・乾燥固化する方法等を採用することができるが、
前者の方が好ましい。これらの塗液中に塗布を容易にさ
せるための界面活性剤を含有させることは一向に差しつ
かえない。
【0023】前記微粒子と樹脂(結合剤)との割合は前
述した表面特性の設計で定めるのが好ましく、全固形分
当り、微粒子が1〜40重量%であり、結合剤となる樹
脂が20〜95重量%であることが好ましい。微粒子が
少なすぎると塗膜に均一に所定量の突起を付与すること
ができず、他方多すぎるとまた分散性が悪化し均一に所
定量の突起を付与することが難しい。結合剤となる樹脂
が少なすぎると、塗膜のポリエステルフイルムへの密着
性が低下し、他方多すぎると耐ブロッキング性が低下す
る。
【0024】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独又
は組合せて適用するとよい。
【0025】以上述べてきた諸方法の中で、連続薄膜の
地肌部の平坦性を確保しつつオリゴマーの析出を抑制す
る効果が大きいという観点から、結合剤としてはアクリ
ル樹脂とポリエステル樹脂又はアクリル―ポリエステル
樹脂を用いてロールコート法で微粒子を含有する前記樹
脂溶液を塗布する方法が好ましい。
【0026】このようにして形成した連続薄膜の上に磁
性層特に強磁性金属薄膜層を設けると、雑音を飛躍的に
減少し、ノイズレベルに各段に優れ、かつ金属薄膜面の
走行性、保存耐久性に優れた性能を得ることができる。
【0027】本発明においてはポリエステルフイルムの
他の表面、すなわち磁性層のプライマーとなる連続薄膜
を設けた表面と反対の表面に、易滑面を形成する連続薄
膜を塗設することが好ましい。この薄膜はセルロース系
樹脂及び平均粒径0.15μm以下、好ましくは0.0
1〜0.1μmの微粒子を含み、かつこの表面粗さRa
が2〜10nm(0.002〜0.01μm)、好まし
くは3〜9nm(0.003〜0.009μm)であ
る。
【0028】前記セルロース系樹脂としては、例えばエ
チルセルロース、メチルセルロース、アセチルセルロー
ス、アセトアセチルセルロース、ニトロセルロース、カ
ルボキシル化セルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、セルロースアセテートブチレート等を例示しうる。
このセルロース系樹脂を用いることで、塗膜の表面に多
数の微小ひだを形成することができる。
【0029】また前記微粒子としては、ポリスチレン、
ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート共重
合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリ
アクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き有機
微粒子、シリカ、アルミナ、二酸化チタン、カオリン、
タルク、グラファイト、炭酸カルシウム、長石、二硫化
モリブデン、カーボンブラック、硫酸バリウム等の如き
無機微粒子のいずれを用いてもよい。これらは乳化剤等
を用いて水性分散液としたものであってもよく、また微
粉末状で水性液に添加できるものであってもよい。
【0030】前記セルロース系樹脂及び微粒子は、塗膜
自体の微小突起の均一形成を促進する作用と微粒子自体
による塗膜の補強作用とを奏し、更には塗膜形成樹脂の
耐ブロッキング性、摩擦力低減性等への作用、及び両者
の相乗作用による耐スクラッチ性向上とあいまって、フ
イルムに優れた滑り性を付与する。
【0031】易滑面の薄膜を形成する樹脂は、耐ブロッ
キング性、摩擦力低減性等に優れたものが好ましく、例
えばアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびアクリル
―ポリエステル樹脂が好ましく挙げられる。これら樹脂
の説明には磁性層プライマーの形成に用いる樹脂として
前述したアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、およびアク
リル―ポリエステル樹脂の説明をそのまま用いることが
できる。
【0032】易滑面を形成する成分、すなわち薄膜形成
樹脂(成分a)、セルロース系樹脂(成分b)及び微粒
子(成分c)の配合割合は表面特性の設計で定めること
が好ましく、全固形分当り、成分aが30〜80重量
%、成分bが1〜50重量%、成分cが5〜40重量%
であることが好ましい。成分aが少なすぎると、塗膜の
ポリエステルフイルムへの密着性が低下し、一方多すぎ
ると耐ブロッキング性や滑り性が低下する。成分bが少
なすぎると、塗膜のひだが減って加工性が低下し、一方
多すぎると表面が粗れすぎる。成分cが少なすぎると易
滑性が低下し、一方多すぎると粒子が塗膜から脱落しや
すくなる。
【0033】本発明における塗膜の形成はポリエステル
フイルム製造後でもポリエステルフイルム製造中でもよ
いが、ポリエステルフイルム製造過程で行うのが好まし
い。例えば、結晶配向が完了する前のポリエステルフイ
ルムの表面に水性塗液を塗布するのが好ましい。
【0034】ここで、結晶配向が完了する前のポリエス
テルフイルムとは、ポリエステルを溶融押出してそのま
まフイルム状となした未延伸フイルム、該未延伸フイル
ムを縦方向又は横方向の何れか一方に配向せしめた一軸
延伸フイルム、更には二軸方向に延伸されているが、少
くとも一方向は低倍率延伸であって更に該方向の延伸配
向を要する二軸延伸フイルム(最終的に縦方向及び/又
は横方向に再延伸せしめて配向結晶化を完了せしめる前
の二軸延伸フイルム)等を含むものである。
【0035】本発明のフイルムは、好ましくは結晶配向
が完了する前の未延伸あるいは少くとも一軸方向に延伸
された状態のフイルムに上記組成の水性塗液を塗布し、
次いで縦延伸及び/又は横延伸と熱固定とを施す、所謂
インラインコーティング方式で製造する。その際、配向
結晶が完了する前のポリエステルフイルムの表面に塗膜
を円滑に塗設できるようにするために、予備処理として
フイルム表面にコロナ放電処理を施すか、又は被覆組成
物とともに、これと化学的に不活性な界面活性剤を併用
することが好ましい。かかる界面活性剤は、水性塗布液
の表面張力を40dyne/cm以下に降下でき、ポリエステ
ルフイルムの濡れを促進するものであり、例えばポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエ
チレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グ
リセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石ケン、アルキル
硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク
酸塩等のアニオン型、ノニオン型の界面活性剤を挙げる
ことができる。更に、本発明の効果を消失させない範囲
において、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、潤滑剤等
の他の添加剤を混合することができる。
【0036】本発明において、塗液殊に水性塗液の固形
分濃度は通常30重量%以下であり、15重量%以下が
好ましい。この粘度は通常100センチポイズ(cp
s)以下、好ましくは20cps以下である。塗布量は
走行しているフイルム1m2 当り約0.5〜20g、更
には約1〜10gが好ましい。換言すれば、最終的に得
られる二軸配向フイルムにおいて、フイルムの一表面に
1m2 当り約0.001〜1g、更には約0.005〜
0.3gの固形分量となるのが好ましい。
【0037】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばロールコート法、グラビアコート
法、ロールブラッシュ法、スプレーコート法、エアーナ
イフコート法、含浸法、カーテンコート法などを単独又
は組合せて適用するとよい。
【0038】本発明における好ましい製造法によれば、
上記水性塗液は縦一軸延伸が施された直後のフイルムに
塗布され、次いで該フイルムは横延伸及び熱固定のため
のテンターに導かれる。その際、塗布物は未固化の塗膜
の状態でフイルムの延伸にともなってその面積が拡大さ
れかつ加熱されて水を揮発し、二軸延伸されたフイルム
表面上で薄い固体連続塗膜層に変換され、二軸延伸され
たフイルム表面に強固に固着される。上記の延伸及び熱
処理は好ましくは約80〜約240℃の温度で行われ
る。また熱処理は通常約1〜約20秒間行われる。
【0039】ポリエステルフイルムの配向結晶化条件、
例えば延伸、熱固定等の条件は従来から当業界に蓄積さ
れた条件で行なうことができる。
【0040】本発明のポリエステルフイルムを用いての
金属薄膜型磁気記録媒体の製造は、それ自体既知の方
法、例えば特開昭54―147010号公報、特開昭5
2―134706号公報に記載の方法により行うことが
でき、具体的には真空蒸着法、イオンプレーティング
法、スパッタ法が好ましく使用できる。
【0041】本明細書における種々の特性は下記のとお
りにして測定される。
【0042】(1)突起数 フイルム表面上の突起数の計測は走査型電子顕微鏡によ
り行う。即ち、突起(A)は倍率2千倍〜1万倍で、突
起(B)は倍率2万倍〜5万倍で評価する。
【0043】(2)突起傾斜角度及び突起高さ フイルム表面上の突起の高さの測定は座標測定走査電子
顕微鏡(エリオニクス(株)製EMM―3000)によ
り行う。即ち、突起(A)は倍率5万倍〜8万倍で、突
起(B)は倍率8万倍〜20万倍で突起高さ、及び突起
傾斜角度を評価する。
【0044】突起高さは、基準線から頂点までの高さで
定義され、10個の平均値をもって突起の高さとする。
【0045】突起傾斜角度は基準線と突起との接点と突
起の頂点とを結ぶ直線が基準線となす角で定義され、1
0個の平均値をもって突起傾斜角度とする。(図1参
照)。
【0046】(3)表面粗さRa Ra(Center Line Average :中心線平均粗さ) JIS B0601に準じ、(株)小坂研究所製の高精
度表面粗さ計SE―3FATを使用して、針の半径2μ
m、荷重30mgで拡大倍率20万倍、カットオフ0.
08mmの条件下にチャートをかかせ、フイルム表面粗
さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの部分を抜き
取り、この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向
をY軸として、粗さ曲線をY=f(x)で表わしたと
き、次の式で与えられた値をμm単位で表わす。
【0047】
【数4】
【0048】(4)高さ0.27〜0.54μの表面突
起数 フイルム表面に400〜500オングストローム乃至そ
れ以下の厚みにアルミニウムを均一に真空蒸着し、反対
の非蒸着面(フイルム面)にコロジオン貼付けし、乾燥
して後、可視単色光多重干渉反射式顕微鏡(例えば、Ca
rl Zeiss JENA社製)を用い100倍で任意の10カ所
を撮り、各写真中の突起物の突起高さに対応する突起数
を求め1mm2 当りに換算する。この時写真10枚の視
野は1.55mm2 である。
【0049】(5)粒子の平均粒径 走査型電子顕微鏡での粒子の写真から画像解析処理装置
(Luzex 500 )により、個々の粒子の長径を求め、10
0個の粒子の長径の平均値をもって平均粒径とする。
【0050】(6)電磁変換特性 真空蒸着装置を用いて、直径1mの円筒キャンにフイル
ムを沿わせ、蒸発原子のフイルムの入射角を20°以上
70°以下としてCo―Cr(Cr:23wt%含有)
合金を膜厚約1400オングストロームに斜方蒸着し、
第1の磁性層を形成する。さらに第1の磁性層上に第2
の磁性層として7×10-5Torrの酸素中で、蒸発原
子の第1の磁性層への入射角を10°以上50°以下と
してCo―Ni―O(Coに対するNiの含有率:20
wt%、成膜中の酸素原子は25wt%含有)合金膜厚
500オングストロームに斜方蒸着し、サンプルテープ
を作成する。
【0051】このテープを8mm巾に加工して蒸着テー
プとし、ギャップ長0.18μmのアモルファスヘッド
により、ホワイトピーク0.45μm、帯域巾9(MH
z)のC/N(初期値)を比較する。
【0052】このC/Nから次の基準で判定する。 ○:基準値に対して+0.0dB以上 △: 〃 −0.5dB〜+0.0dB ×: 〃 −0.5dB未満
【0053】また、40℃、80%RHでテープ走行速
度85cm/分で記録再生を繰り返した後250回目の
C/N(耐久性)を比較する。
【0054】このC/Nから次の基準で判定する。 ○:基準値に対して+0.0dB以上 △: 〃 −1.0dB〜+0.0dB ×: 〃 −1.0dB未満
【0055】(7)スチル特性 前記した蒸着テープに4.2MHzの映像信号を記録
し、この再生出力が50%に減衰するまでの時間を測定
する。この時間により次の基準で判定する。 ○:50%に減衰時間が100分以上 △: 〃 50分〜100分 ×: 〃 50分未満
【0056】(8)ヘッド傷付き サンプルテープで初期ヘッドの出力をチェックした後、
2時間記録再生後の出力を読み、その変化量より評価す
る。 ○:基準値に対して変化量+0.0dB以上 △: 〃 −1.0dB〜+0.0dB ×: 〃 −1.0dB未満
【0057】(9)ジッター 市販8ミリVTR(ソニー(株)製TR75)にて再生
信号の時間軸変動を評価する。 ○:0.2μs以下 △:0.2〜0.5μs以下 ×:0.5μs以上
【0058】(10)ドロップアイト(D/O)測定 市販8ミリVTR(ソニー(株)製EVS―800
0)、ドロップアウトカウンターを用いて、15μs/
18dBにて1分間当たりの個数を測定する。 ○:0〜20個/分 △:20〜50個/分 ×:50個/分以上
【0059】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に説明す
る。なお、例中の「部」は重量部である。
【0060】
【実施例1】ジメチルテレフタレート100部、エチレ
ングリコール70部、酢酸マンガン・4水塩0.019
部及び酢酸ナトリウム・3水塩0.013部を反応器に
仕込み、内温を145℃から徐々に上げながらエステル
交換反応を行った。エステル交換反応率が95%となっ
た時点で、安定剤としてあらかじめトリメチルホスフェ
ート25部とエチレングリコール75部を反応させたリ
ン化合物のグリコール溶液を0.044部添加し、更に
重合触媒としてエチレングリコール2.5部中で無水ト
リメリット酸0.8部とテトラブチルチタネート0.6
5部を反応せしめた液(チタン含有率は11重量%)
0.011部を添加した。エステル交換反応時の内温が
190℃になった時点で平均粒径0.10μmの二酸化
ケイ素のエチレングリコールスラリー(二酸化ケイ素の
10wt%/エチレングリコールスラリー)0.03部
を添加した。次いで反応生成物を重合反応器に移し、高
温真空下(最終内温290℃)にて重縮合反応を行い、
固有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを得
た。
【0061】このポリエチレンテレフタレートを常法に
従って溶融押出し、急冷して厚さ131μmの未延伸フ
イルムを作成し、次いで該未延伸フイルムを縦方向に9
0℃で3.6倍、横方向に105℃で3.7倍の逐次二
軸延伸を行い、更に205℃で30秒間熱固定を行っ
て、厚さ9.8μmの二軸配向フイルムを作成した。こ
の際、横延伸前の一軸延伸フイルムに次の組成の塗液を
ロールコート法でフイルムの表面(A)及び(B)に塗
布した。この表面(A)は磁性層を形成する側の表面で
あり、表面(B)は易滑面を形成する。
【0062】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成: ・アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペス
レジンSH551A)の1.5wt%溶液 39.0
部、 ・ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の0.5wt%溶液 11.
0部 但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである。 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油
脂(株)製NS208.5)の0.5wt%溶液 5
0.0部 塗布量はウエットで2.0g/m2 である。
【0063】フイルム表面(B)に塗布した塗液の組
成: ・アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペス
レジンSH551A)の2.1wt%溶液 54.7
部、 ・セルロース系樹脂(信越化学(株)製メチルセルロー
スSM―15)の2.1wt%溶液 24.3部、 ・ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の2.1wt%溶液 9.0
部 但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである。 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油
脂(株)製NS208.5)の2.1wt%溶液 1
2.0部 塗布量はウエットで4.0g/m2 である。
【0064】得られたポリエステルフイルム及びこのフ
イルムの表面(A)側に磁性層を設けた磁気記録媒体の
特性を表1に示す。
【0065】
【実施例2】実施例1においてエステル交換反応時の内
温が190℃になった時点で平均粒径0.20μmの二
酸化ケイ素のエチレングリコールスラリー(二酸化ケイ
素の10wt%/エチレングリコールスラリー)0.0
3部に変更し、また得られたフイルムにフイルム厚みが
上記平均粒径の2倍の二軸配向フイルムが積層している
以外は、実施例1と全く同様に行ってポリエステルフイ
ルム及び磁気記録媒体を得た。これらの特性を表1に示
す。
【0066】
【実施例3】実施例1において、エステル交換反応時の
内温が190℃になった時点で、不活性粒子を含むスラ
リーを添加せず、安定剤、重合触媒の添加条件を変更す
ることにより粒子を析出させる以外は、実施例1と全く
同様に行ってポリエステルフイルム及び磁気記録媒体を
得た。これらの特性を表1に示す。
【0067】
【比較例1】実施例1において、エステル交換反応時の
内温が190℃になった時点で、不活性粒子を含むスラ
リーを添加せず、さらにフイルム表面(A)に塗布する
塗液の組成を下記の如く変更する以外は、実施例1と全
く同様に行ってポリエステルフイルム及び磁気記録媒体
を得た。これらの特性を表1に示す。
【0068】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成: ・アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペス
レジンSH551A)の0.5wt%溶液 39.0
部、 ・ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の0.5wt%溶液 11.
0部 但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである。 ・平均粒径0.07μmのケイ素酸化物0.02wt%
溶液10.0部 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油
脂(株)製NS208.5)の0.5wt%溶液 4
0.0部
【0069】
【比較例2】実施例1において、エステル交換反応時の
内温が190℃になった時点で添加するスラリーを、平
均粒径0.60μmの二酸化ケイ素のエチレングリコー
ルスラリー(二酸化ケイ素の10wt%/エチレングリ
コールスラリー)0.001部に変更する以外は、実施
例1と全く同様に行なってポリエステルフイルム及び磁
気記録媒体を得た。これらの特性を表1に示す。
【0070】
【比較例3】実施例1において、フイルム表面(A)に
塗布する塗液の組成を下記の如く変更する以外は、実施
例1と全く同様に行ってポリエステルフイルム及び磁気
記録媒体を得た。これらの特性を表1に示す。
【0071】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成: ・アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペス
レジンSH551A)の0.5wt%溶液 39.0
部、 ・ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業
(株)製エポスターMA)の0.001wt%溶液 1
1.0部 但し、この微粒子の平均粒径は0.03μmである。 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油
脂(株)製NS208.5)の0.5wt%溶液 5
0.0部 塗布量はウエットで2.0g/m2 である。
【0072】
【比較例4】実施例1において、フイルム表面(A)に
塗布する塗液の組成を下記の如く変更する以外は、実施
例1と全く同様に行ってポリエステルフイルム及び磁気
記録媒体録媒体を得た。これらの特性を表1に示す。
【0073】フイルム表面(A)に塗布した塗液の組
成: ・アクリル―ポリエステル樹脂(高松油脂(株)製ペス
レジンSH551A)の0.5wt%溶液 39.0
部、 ・平均粒径0.03μm、平均板状比4.0の板状二酸
化ケイ素微粒子2.0wt%溶液 11.0部 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油
脂(株)製NS208.5)の0.5wt%溶液 5
0.0部 塗布量はウエットで2.0g/m2 である。
【0074】
【表1】
【0075】これらの結果より、本発明の目的とする走
行耐久性、ジッター、スチル耐久性に優れ、ヘッド傷が
少なく電磁変換特性に優れた磁気記録媒体を得るために
は急峻な微小突起とゆるやかな高突起により表面が形成
されていること、高突起は突起傾斜角度が0.5〜20
°の範囲内で、高突起の高さx(μm)と、突起傾斜角
度θが以下の関係を満たすことが必要である。
【0076】
【数5】0.002<x・tanθ<0.025 上記関係は高突起の高さxが高すぎる場合は突起傾斜角
度θが小さいことが必要であり、高突起が低い場合は突
起傾斜角度θは0.5〜20°の範囲で大きいことが必
要であることが明らかである。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、走行耐久性、ジッタ
ー、スチル耐久性に優れ、ヘッド傷が少なく、電磁変換
特性に優れた磁気記録媒体用ポリエステルフイルムを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】突起傾斜角の説明図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの表面に連続薄膜
    よりなる金属薄膜磁性層のプライマーが塗設してあり、
    該連続薄膜の表面に突起傾斜角度(θ)が0.5〜20
    °で、突起高さ(x)が0.2μm以下でかつ下記式 【数1】0.002≦x・tanθ≦0.025 を満足する突起(A)が1×100 〜1×105 個/m
    2 の頻度で存在し、さらに突起(A)より高さが低
    く、突起傾斜角度(θ)が20〜80°の突起(B)が
    1×105 〜1×1010個/mm2 の頻度で存在し、そ
    して中心線平均粗さRaが0.003μm以下であるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体用ポリエステルフイルム。
  2. 【請求項2】 突起(B)はアクリル樹脂、ポリエステ
    ル樹脂及びアクリル―ポリエステル樹脂から選ばれる少
    くとも一種の樹脂で結合された微粒子により形成されて
    いる請求項1記載の磁気記録媒体用ポリエステルフイル
    ム。
  3. 【請求項3】 突起(A)はポリエステルフイルム中の
    微粒子により形成されている請求項1記載の磁気記録媒
    体用ポリエステルフイルム。
  4. 【請求項4】 ポリエステルフイルムの他の表面に易滑
    面を形成する連続薄膜が塗設してあり、該連続薄膜がセ
    ルロース系樹脂及び平均粒径0.15μm以下の微粒子
    を含み、そしてこの表面の中心線平均粗さRaが0.0
    02〜0.01μmである請求項1記載の磁気記録媒体
    用ポリエステルフイルム。
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