JP2002264286A - 磁気記録媒体用複合ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用複合ポリエチレン−2,6−ナフタレートフィルム

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JP2002264286A
JP2002264286A JP2001070131A JP2001070131A JP2002264286A JP 2002264286 A JP2002264286 A JP 2002264286A JP 2001070131 A JP2001070131 A JP 2001070131A JP 2001070131 A JP2001070131 A JP 2001070131A JP 2002264286 A JP2002264286 A JP 2002264286A
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naphthalate
less
polyethylene
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Tatsuya Ogawa
達也 小川
Hirobumi Murooka
博文 室岡
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 優れた電磁変換特性、走行耐久性を有する磁
気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナフタレートフ
ィルムを提供する。 【解決手段】 ポリエチレン-2,6-ナフタレートを主
成分とするフィルムの片面にバインダー樹脂、不活性粒
子及び界面活性剤からなる皮膜層を設けてなる複合フィ
ルムであって、縦方向のヤング率が6.0GPa以下、
横方向のヤング率が10.0GPa以上であり、厚み方
向の屈折率が1.480以上1.493以下であり、分
子配向計による横方向と縦方向の透過マイクロ波強度比
が0.5以上0.9以下であり、150℃で30分間無
荷重下で加熱したときの縦方向の熱収縮率が2.0%以
上5.0%以下、横方向の熱収縮率が6.0%以上1
1.0%以下であり、皮膜層表面の中心線平均粗さが
0.1nm以上2nm以下であり、皮膜層表面上に強磁
性薄膜金属を設けることを特徴とする磁気記録媒体用ポ
リエチレン-2,6-ナフタレートフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体用複合
ポリエチレン-2,6-ナフタレートフィルムに関し、さ
らに詳しくは電磁変換特性、走行耐久性に優れ、長時
間、大容量の記録再生が可能な強磁性金属薄膜型磁気記
録媒体、特にデジタルビデオカセットテープ、データス
トレージ用テープ等のデジタルデータを記録する強磁性
金属薄膜型磁気記録媒体のベースフィルムに有用な磁気
記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナフタレートフィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】1995に実用化された民生用デジタル
ビデオテープは、ベースフィルム上にCo金属の磁性薄
膜を真空蒸着により設け、その表面にダイアモンド状カ
ーボン膜をコーティングしてなり、Hi8用ME(蒸
着)テープに比べて表面が平坦化しているにもかかわら
ず、良好な耐久性を持つという利点を有する。このベー
スフィルムとしては、Hi8MEベースに比べて、金属
磁性薄膜形成面の表面粗度の小さいフィルム、例えばポ
リエステルフィルムと、該ポリエステルフィルムの少な
くとも片面に密着された、水溶性ポリエステル共重合体
を含むポリマーブレンド体及び粒径5〜50nmの微粒
子を主体とした不連続皮膜とからなり、かつ該微粒子に
より不連続皮膜上に微細突起が形成された複合ポリエス
テルフィルム(例えば、特公昭63−57238号公
報)が用いられている。
【0003】しかしながら、近年、記録容量アップのた
めに、テープには長尺化が必要とされてきており、その
ためにはベースフィルムの薄膜化が必要となってきてい
る。この薄膜化に伴う走行耐久性の悪化やヘッドあたり
の悪化を防止するため、ベースフィルムには高弾性率化
が求められているが、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムでは限界があり、また、より高弾性率化が可能なポ
リエチレン-2,6-ナフタレートフィルムを使用した場
合でも、従来のものでは不足する場合が生じてきてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、記録
密度の大容量化に伴うテープの薄膜化に対応できるとと
もに、厳しい使用環境においても優れた電磁変換特性、
走行耐久性を有する磁気記録媒体用複合ポリエチレン-
2,6-ナフタレートフィルムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために、以下の構成からなる。
【0006】ポリエチレン-2,6-ナフタレートを主成
分とするフィルムの片面にバインダー樹脂、不活性粒子
及び界面活性剤からなる皮膜層Aを設けてなる複合フィ
ルムであって、該フィルムの、縦方向のヤング率が6.
0GPa以下、横方向のヤング率が10.0GPa以上
であり、厚み方向の屈折率Nzが1.480以上1.4
93以下であり、分子配向計による横方向(TD)と縦方向
(MD)の透過マイクロ波強度比(TMS(TD)/TMS(M
D))が0.5以上0.9以下であり、かつ150℃で3
0分間無荷重下で加熱したときの縦方向の熱収縮率が
2.0%以上5.0%以下、横方向の熱収縮率が6.0
%以上11.0%以下であり、さらに皮膜層A表面の中
心線平均粗さRaAが0.1nm以上2nm以下である
ことを特徴とする、皮膜層A表面上に強磁性薄膜金属を
設けてる磁気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナフ
タレートフィルム。
【0007】本発明においてフィルムを構成するポリエ
チレン-2,6-ナフタレートは、2,6-ナフタレンジ
カルボン酸を主たる酸成分とし、エチレングリコールを
主たるグリコール成分とし、小量の第三成分を共重合し
ていてもよいポリエチレン-2,6-ナフタレートであ
る。
【0008】ここで、主たる酸成分とは全ジカルボン酸
成分の総量に対して80モル%以上、好ましくは90モ
ル%以上をいい、主たるグリコール成分とは全グリコー
ル成分の総量に対して80モル%以上、好ましくは90
モル%以上をいう。
【0009】前記第三成分のカルボン酸成分としては、
例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5-ナ
トリウムスルホイソフタル酸、2-カリウムスルホテレ
フタル酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-
ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン
酸などの脂肪族ジカルボン酸、フェニルインダンジカル
ボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3-
アダマンタンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、
p-オキシエトキシ安息香酸等の如きオキシカルボン酸
などを挙げることができ、またグリコール成分として
は、例えばプロピレングリコール、1,2-プロパンジ
オール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオー
ル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオー
ル、l,2-シクロヘキサンジメタノール、l,3-シク
ロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメ
タノール、p-キシリレングリコール、ビスフェノール
Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールスルホ
ンのエチレンオキサイド付加物、トリエチレングリコー
ル、ポリエチレンオキシドグリコール、ポリテトラメチ
レンオキシドグリコール、ネオペンチルグリコールなど
を挙げることができる。
【0010】このようなポリエチレン-2,6-ナフタレ
ートは、通常公知の溶融重合法によって製造することが
できる。その際、触媒、安定剤、着色剤(染料、顔
料)、滑剤、紫外線吸収剤等の添加剤を必要に応じて任
意に使用することができる。ポリエチレン-2,6-ナフ
タレートの固有粘度(オルソクロロフェノール、35
℃)は0.45〜0.90の範囲にあることが望まし
い。
【0011】本発明におけるポリエチレン-2,6-ナフ
タレートは不活性粒子を含有しても、含有しなくても良
いが、不活性粒子を含有する場合、その平均粒径は30
〜200nm、さらには30〜100nmであることが
好ましく、含有量は0.001〜0.5重量%、さらに
は0.001〜0.2重量%であることが好ましい。含
有する不活性粒子の平均粒径、含有量がこの範囲である
と、電磁変換特性と走行耐久性に対する向上効果が大き
いので好ましい。
【0012】この不活性粒子としては、例えば、炭酸カ
ルシウム、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン
等に代表される不活性無機粒子、あるいは、架橋シリコ
ーン樹脂粒子、架橋ポリスチレン樹脂粒子等に代表され
る架橋高分子粒子等を挙げることができる。
【0013】本発明におけるポリエチレン-2,6-ナフ
タレートフィルムは、縦方向のヤング率が6.0GPa
以下である必要がある。この縦方向のヤング率が6.0
GPaを超えると、デジタルビデオレコーダーの回転す
るヘッドがテープをたたく音が共鳴し出して好ましくな
い。このヤング率は、好ましくは5.8GPa以下であ
る。また、この縦方向のヤング率は3.0GPa以上で
あることが好ましい。このヤング率が3.0GPa未満
であると、磁気テープに瞬間的に強い応力が掛かったと
きに、テープが伸びて変形するので好ましくない。
【0014】また、前記ポリエチレン-2,6-ナフタレ
ートフィルムは、横方向のヤング率が10.0GPa以
上である必要がある。このヤング率が10.0GPa未
満であると、磁気テープの横強度が不十分で、テープが
走行する際テープパスを規制するガイドピンによりテー
プが折れ易くなるため、好ましくない。横方向のヤング
率は18.0Gpa以下であることが好ましい。
【0015】さらに、前記ポリエチレン-2,6-ナフタ
レートフィルムは、厚み方向の屈折率Nzが1.480
以上1.493以下である必要がある。この屈折率Nz
が1.480未満では、面配向度が高すぎ、フィルムが
切断しやすくなるため好ましくない。一方、この屈折率
Nzが1.493を超えると、面配向度が低すぎるた
め、目的とするフィルムのヤング率が得られないので好
ましくない。厚み方向の屈折率Nzは1.482以上
1.492以下であることが好ましい。
【0016】本発明におけるポリエチレン-2,6-ナフ
タレートフィルムは、さらに、フィルムの分子配向計に
よる横方向(TD)と縦方向(MD)の透過マイクロ波強度比
(TMS(TD)/TMS(MD))が0.5以上0.9以下で
ある必要があり、好ましくは0.6以上0.8以下であ
る。この透過マイクロ波強度比が0.5未満であると、
縦方向の強度が不足し、テープにかかる張力により伸び
や切断が発生することがあり好ましくない。一方、0.
9を超えると、横方向のヤング率が不足し、特に薄物
(厚み2〜7μm)のテープの走行を繰り返すと、テー
プの端部が損傷を受けてワカメ状に変形し、更にはテー
プの横規制ガイドに当たり、テープ端部が折れ曲がった
りしてテープの特性が損なわれるので好ましくない。
【0017】このような横方向のヤング率が大きく、か
つ縦方向のヤング率もある程度必要な、高い面配向度の
ポリエチレン-2,6-ナフタレートフィルムは、その配
向度が従来の屈折率計では測定できない領域を含むが、
この分子配向計によると測定することができる。分子配
向計は、マイクロ波(約4GHz)偏波電界中に試料フ
ィルムを回転させながらマイクロ波偏波の透過度を測定
し、分子配向主方向の透過度が低くなることから、配向
度や配向軸方向を測定することができる。この分子配向
計としては新王子製紙(株)製の分子配向計(MOA−
2001A)を用いる。
【0018】本発明におけるポリエチレン-2,6-ナフ
タレートフィルムは、さらに、150℃で30分間無荷
重下で加熱したときの縦方向の熱収縮率が2.0〜5.
0%で、横方向の熱収縮率が6.0〜11.0%である
必要がある。熱収縮率がこの範囲外であると、磁気テー
プを作成した際に磁性金属薄膜層と蒸着時に熱を受けた
フィルムとの収縮量に差が出て、テープにカールが生
じ、ヘッドあたりが不良となるため好ましくない。熱収
縮率の好ましい範囲は、縦方向で2.5〜4.5%、横
方向で7.0〜10.0%である。
【0019】前記ポリエチレン-2,6-ナフタレートフ
ィルムの厚みは、2μm以上10μm以下の範囲内にあ
ることが好ましく、更には7μm以下、特に4μm以下
であることが好ましい。
【0020】(皮膜層A)本発明の複合ポリエチレン-
2,6-ナフタレートフィルムは、前記したポリエチレ
ン-2,6-ナフタレートからなるフィルムの片面に皮膜
層Aを有するが、該皮膜層Aを構成するバインダー樹脂
は水溶性樹脂又は水分散性樹脂である。かかる樹脂とし
ては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル―エ
ステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、エポキ
シ樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹
脂、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合体等を例示すること
ができる。さらには、ポリエステルフィルムに対する密
着性、耐削れ性(突起保持性)、易滑性などの点から、
アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル―ポリエス
テル樹脂が好ましい。これらは単一重合体でも共重合体
でもよく、また混合物でも差支えない。これらの中で水
分散性樹脂が特に好ましい。
【0021】前記水溶性又は水分散性のアクリル樹脂
は、例えばアクリル酸エステル(アルコール残基として
は、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピ
ル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、2-
エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベ
ンジル基、フェニルエチル基等を例示できる);メタク
リル酸エステル(アルコール残基は上記と同じ);2-
ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチル
メタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート等の如きヒ
ドロキシ含有モノマー;アクリルアミド、メタクリルア
ミド、N-メチルメタクリルアミド、N-メチルアクリル
アミド、N-メチロールアクリルアミド、N-メチロール
メタクリルアミド、N,N-ジメチロールアクリルアミ
ド、N-メトキシメチルアクリルアミド、N-メトキシメ
チルメタクリルアミド、N-フェニルアクリルアミド等
の如きアミド基含有モノマー;N,N-ジエチルアミノ
エチルアクリレート、N,N-ジエチルアミノエチルメ
タクリレート等の如きアミノ基含有モノマー;グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグ
リシジルエーテル等の如きエポキシ基含有モノマーなど
のアクリル系モノマーの1種以上からなり、或いは該ア
クリル系モノマーの1種以上を主成分とし、例えばスチ
レンスルホン酸、ビニルスルホン酸及びこれらの塩(例
えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等
の如きスルホン酸基又はその塩を含有するモノマー;ク
ロトン酸、イタコン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマ
ール酸及びそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩等)等の如きカルボキシル基又はそ
の塩を含有するモノマー;無水マレイン酸、無水イタコ
ン酸等の無水物を含有するモノマー;その他ビニルイン
シアネート、アリルイソシアネート、スチレン、ビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリス
アルコキシシラン、アルキルマレイン酸モノエステル、
アルキルフマール酸モノエステル、アクリロニトリル、
メタクリロニトリル、アルキルイタコン酸モノエステ
ル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量
体(モノマー)の1種以上を副成分とする組合せからつ
くられたものが好ましいが、さらにアクリル酸誘導体、
メタクリル酸誘導体の如き(メタ)アクリル単量体の成
分が50モル%以上含まれているものが好ましく、特に
メタクリル酸メチルやメタリル酸エチルの成分を含有し
ているものが好ましい。
【0022】前記水溶性又は水分散性のアクリル樹脂は
分子内の官能基で自己架橋することができるし、メラミ
ン樹脂やエポキシ化合物等の架橋剤を用いて架橋するこ
ともできる。
【0023】前記水溶性又は水分散性のポリエステル樹
脂を構成する酸成分としては、例えばテレフタル酸、イ
ソフタル酸、フタル酸、1,4-シクロヘキサンジカル
ボン酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジ
フェニルジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸、コハク酸、5-ナトリウムスルホイ
ソフタル酸、2-カリウムスルホテレフタル酸、トリメ
リット酸、トリメシン酸、無水トリメリツト酸、無水フ
タル酸、p-ヒドロキシ安息香酸、トリメリツト酸モノ
カリウム塩等の多価カルボン酸を例示することができ
る。また、ヒドロキシ化合物成分としては、例えばエチ
レングリコール、プロピレングリコール、1,3-プロ
パンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-シクロ
ヘキサンジメタノール、p-キシリレングリコール、ビ
スフェノールAのエチレンオキシド付加物、ジエチレン
グリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレンオ
キシドグリコール、ポリテトラメチレンオキシドグリコ
ール、ジメチロールプロピオン酸、グリセリン、トリメ
チロールプロパン、ジメチロールエチルスルホン酸ナト
リウム、ジメチロールプロパン酸カリウム等の多価ヒド
ロキシ化合物を例示することができる。
【0024】かかるポリエステル樹脂は常法によって製
造することができる。水性塗液をつくる点からは、5-
ナトリウムスルホイソフタル酸成分又はカルボン酸塩基
を含有する水性ポリエステル樹脂を用いるのが好まし
い。かかるポリエステル樹脂は分子内に官能基を有する
自己架橋型とすることができるし、メラミン樹脂、エポ
キシ樹脂のような硬化剤を用いて架橋することもでき
る。
【0025】本発明においては、水溶性又は水分散性の
アクリル―ポリエステル樹脂はアクリル変成ポリエステ
ル樹脂とポリエステル変性アクリル樹脂とを包含する意
味で用いられており、アクリル樹脂成分とポリエステル
樹脂成分とが互いに結合したものであって、例えばグラ
フトタイプ、ブロックタイプ等を包含する。アクリル―
ポリエステル樹脂は、例えばポリエステル樹脂成分の両
端にラジカル開始剤を付加してアクリル単量体の重合を
行わせたり、ポリエステル樹脂成分の側鎖にラジカル開
始剤を付加してアクリル単量体の重合を行わせたり、あ
るいはアクリル樹脂成分の側鎖に水酸基を付け、末端に
イソシアネート基やカルボキシル基を有するポリエステ
ル樹脂と反応させて櫛形ポリマーとする等によって製造
することができる。これらアクリル樹脂成分、ポリエス
テル樹脂成分を構成する成分の説明は、それぞれ、前記
した水溶性又は水分散性のアクリル樹脂、ポリエステル
樹脂で説明したのと同じである。
【0026】前記皮膜層Aに配合される不活性粒子とし
ては、ポリスチレン、ポリスチレン―ジビニルベンゼ
ン、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート
共重合体、メチルメタクリレート共重合架橋体、ポリテ
トラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、
ポリアクリロニトリル、ベンゾグアナミン樹脂等の如き
有機質からなる微粒子、シリカ、アルミナ、二酸化チタ
ン、カオリン、タルク、グラファイト、炭酸カルシウ
ム、長石、二硫化モリブデン、カーボンブラック、硫酸
バリウム等の如き無機質からなる微粒子のいずれを用い
てもよい。また、内外部のそれぞれの性質が異なる物質
で構成される多層構造のコアシェル型粒子を用いてもよ
い。
【0027】この不活性粒子の平均粒径は好ましくは5
〜100nm、さらに好ましくは10〜50nmであ
る。そして、粒子の粒度は分布が狭く、均一であるもの
が好ましい。この平均粒径が5nm未満であると、滑り
性が悪化する。一方、平均粒径が100nmを超える
と、粒子の脱落が発生し、耐削れ性が悪化する。また、
磁気ヘッドとのスペーシングが大きくなり、高密度記録
型の磁気記録媒体として供することが困難となる。
【0028】前記不活性粒子の、皮膜層A中における含
有量は好ましくは0.5〜20重量%、さらに好ましく
は1.0〜10重量%である。この含有量が0.5重量
%未満では、走行耐久性の向上効果が小さく、一方20
重量%を超えると、粒子の脱落が発生し易くなったり、
表面が粗くなり、電磁変換特性が悪化したりするので好
ましくない。
【0029】前記皮膜層Aに配合される界面活性剤につ
いては、特に限定はされないが、ノニオン型界面活性
剤、アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤など
が例示できる。かかる界面活性剤の具体例としては、ノ
ニオン型界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキル
エーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンモノアルキレート、ソルビタン
モノアルキレート等、アニオン型界面活性剤としてドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルエーテル
サルフェート等、カチオン型界面活性剤としてポリオキ
シエチレンアルキルアミン等を好ましく挙げることがで
きる。界面活性剤の含有量は5〜40重量%の範囲が好
ましい。
【0030】前記皮膜層Aは、前記したポリエチレン-
2,6-ナフタレートからなるフィルムの片面に、水溶
性もしくは水分散性の樹脂、不活性粒子及び界面活性剤
を含む塗液、好ましくは水性塗液を塗布し、乾燥するこ
とで形成することができる。その際、前記フィルムは二
軸配向フィルムであっても良く、また一軸配向フィルム
や未延伸フィルムであっても良い。後者の場合は、塗液
の塗布後二軸配向フィルムとする延伸処理を行う。
【0031】前記皮膜層Aの表面の中心線平均粗さRa
Aは0.1〜2nmである必要がある。この表面粗さR
Aが0.1nm未満であると、易滑性が不十分でフィ
ルム巻き取り性や製膜工程での搬送性が不足し、またブ
ロッキングを起こしやすくなる。一方、2nmを超える
と、磁気記録媒体とした時に電磁変換特性が悪化した
り、皮膜が削れやすくなる問題が生じるため好ましくな
い。
【0032】(皮膜層B)本発明における複合ポリエチ
レン-2,6-ナフタレートフィルムは、複合フィルムの
皮膜層Aを形成した面の他方の面に、バインダー樹脂、
不活性粒子及び界面活性剤からなる皮膜層Bを有するこ
とも出来る。
【0033】該皮膜層Bに含有させる不活性粒子の種類
としては、前記した皮膜層Aに含有させる不活性粒子と
同じ粒子を例示でき、同じ粒子を用いても、異なる粒子
を用いても構わない。該不活性粒子の平均粒径は、好ま
しくは10〜200nm、さらに好ましくは20〜10
0nmで、皮膜層Aに含有される不活性粒子の平均粒径
と同じかまたはそれ以上であることが好ましい。粒子の
粒度は分布が狭く、均一であるものが好ましい。この平
均粒径が10nm未満であると、滑り性、耐削れ性が悪
化し、一方平均粒径が200nmを超えると、粒子の脱
落が発生し、耐削れ性が悪化するので好ましくない。ま
た、皮膜層Bに含有される不活性粒子の平均粒径が皮膜
層Aに含有される不活性粒子の平均粒径より小さいと、
耐ブロッキング性や滑り性に対する向上効果が小さい。
かかる不活性粒子の含有量は5〜40重量%が好まし
い。
【0034】前記皮膜層Bを形成した面の中心線平均粗
さRaBは、好ましくは1〜20nm、さらに好ましく
は2〜10nmである。このRaBが1mm未満では、
滑り性に対する向上効果が小さく、一方20nmを超え
ると、耐削れ性が悪化するので好ましくない。
【0035】前記皮膜層Bを構成するバインダー樹脂と
しては、前記した皮膜層Aを構成するバインダー樹脂と
同じ樹脂を例示できる。中でも水溶性又は水分散性の樹
脂で、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びアクリル―
ポリエステル樹脂の群から選ばれるものが、ポリエステ
ルフィルムに対する密着性、耐削れ性(突起保持性)、
易滑性などの点から好ましい。
【0036】前記皮膜層Bを構成するバインダー樹脂
は、皮膜層Aを構成するバインダー樹脂と同じものであ
つても違うものであっても構わない。バインダー樹脂の
含有量は20〜90重量%が好ましい。
【0037】前記皮膜層Bに含有させる界面活性剤につ
いては特に限定はされないが、ノニオン型界面活性剤、
アニオン型界面活性剤、カチオン型界面活性剤などが例
示できる。この界面活性剤としては、皮膜層Aの界面活
性剤と同じものでも違うものでも構わない。界面活性剤
の含有量は5〜40重量%の範囲が好ましい。
【0038】本発明における複合ポリエチレン-2,6-
ナフタレートフィルムは、従来から知られている製膜方
法に準じて製造することができる。
【0039】例えば、ポリエチレン-2,6-ナフタレー
トを口金よりポリマー融点(Tm:℃)〜(Tm+7
0)℃の温度でフィルム状に押出した後、10〜90℃
で急冷固化し未延伸フィルムを得る。次いで、該未延伸
フィルムを常法に従って一軸方向(縦方向又は横方向)
に(Tg−10)〜(Tg+70)℃の温度(但し、T
g:ポリマーのガラス転移温度)において2.5〜8.
0倍の倍率、好ましくは3.0〜7.5倍の倍率で延伸
し、さらに皮膜層Aを形成する塗液をフィルムに塗布
し、その後に前記延伸方向とは直角方向にTg〜(Tg
+70)℃の温度において2.5〜8.0倍の倍率、好
ましくは3.0〜7.5倍の倍率で延伸する。更に必要
に応じて縦方向及び/又は横方向に再度延伸してもよ
い。即ち、2段、3段、4段、或いは多段の延伸を行う
とよい。全延伸倍率は、面積延伸倍率として通常9倍以
上、好ましくは12〜35倍、更に好ましくは15〜3
2倍である。更に引き続いて、二軸配向フィルムを(T
g+70)〜(Tm−10)℃の温度、例えば180〜
250℃で熱固定結晶化することによって優れた寸法安
定性が付与される。なお、熱固定時間は1〜60秒間が
好ましい。
【0040】本発明における複合ポリエチレン-2,6-
ナフタレートフィルムは、皮膜層Aの表面に、真空蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法に
より、鉄、コバルト、クロム又はこれらを主成分とする
合金もしくは酸化物より成る強磁性金属薄膜層を形成
し、またその表面に、目的、用途、必要に応じてダイア
モンドライクカーボン(DLC)等の保護層、含フッ素
カルボン酸系潤滑層を順次設け、更に皮膜層Bの表面に
公知のバックコート層を設けることにより、特に短波長
領域の出力、S/N、C/N等の電磁変換特性に優れ、
ドロップアウト、エラーレートの少ない高密度記録用蒸
着型磁気記録媒体とすることが出来る。この蒸着型電磁
記録媒体は、アナログ信号記録用Hi8、ディジタル信
号記録用ディジタルビデオカセットレコーダー(DV
C)、データ8ミリ、DDSIV用テープ媒体として極め
て有用である。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明する。なお、本発明における物性は下記の測定法によ
って求めた。また、例中の「部」は重量部を意味する。
【0042】(1)粒子の平均粒径(平均粒径:0.0
6μm以上) 島津製作所製CP―50型セントリフューグル パーテ
ィクル サイズ アナライザー(Centrifugal Particle
Size Analyzer)を用いて測定する。得られる遠心沈降
曲線を基に算出した各粒径の粒子とその存在量との積算
曲線から、50マスパーセントに相当する粒径「等価球
直径」を読み取り、この値を上記平均粒径とする(「粒
度測定技術」日刊工業新聞発行、1975年、頁242
〜247参照)。
【0043】(2)超微細粒子の平均粒径(平均粒径:
0.06μm未満) 小突起を形成する平均粒径0.06μm未満の粒子は、
光散乱法を用いて測定する。即ち、ニコム・インスツル
メンツ・インコーポレイテッド(Nicomp Instruments I
nc.)社製のNICOMP MODEL 270 SUBMICRON PARTICLE SIZ
ER により求められる全粒子の50重量%の点にある粒
子の「等価球直径」をもって表示する。
【0044】(3)フィルムの表面粗さ(中心線平均粗
さ:Ra) 中心線平均粗さ(Ra)はJIS―B601に準じて測定す
る。本発明では(株)小坂研究所の触針式表面粗さ計
(SURFCORDER SE,30C)を用い、次の条件で測定して求
める。 (a)触針先端半径:2μm (b)測定圧力 :30mg (c)カットオフ :0.08mm (d)測定長 :8.0mm (e)データのまとめ方:同一試料について6回繰り返
し測定し、最も大きい値を1つ除き、残り5つのデータ
を用いて平均値として中心線平均粗さ(Ra)を求め
る。
【0045】(4)ヤング率 フィルムを試料巾10mm、長さ15cmに切り、チャ
ック間100mmにして引張速度10mm/分、チャー
ト速度500mm/分にインストロンタイプの万能引張
試験装置にて引張る。得られた荷重―伸び曲線の立上り
部の接線よりヤング率を計算する。
【0046】(5)熱収縮率 150℃に設定されたオーブンの中に予め正確な長さを
測定した長さ300mm、幅10mmのフィルムを無荷
重下で入れ、30分間熱処理し、その後オーブンよりフ
ィルムを取り出し、室温に戻してからその寸法の変化を
読み取る。
【0047】熱処理前の長さ(L0)と熱処理による寸
法変化量(△L)より、次式から熱収縮率を算出する。
【0048】
【数1】
【0049】(6)厚み方向の屈折率(Nz) ナトリウムD線(589nm)を光源として、アタゴ社
製アッベ屈折率計を用い、フィルムの厚さ方向の屈折率
(Nz)を測定する。マウント液にはヨウ化メチレンを
用い、25℃、65%RHにて測定する。
【0050】(7)透過マイクロ波の強度 新王子製紙(株)製の分子配向計(MOA−2001A)を用
い、フィルムの面内全方向の3.98GHzの透過マイ
クロ波強度曲線を得る。これにより横方向と縦方向の透
過マイクロ波強度TMS(TD)/TMS(MD)を求める。
【0051】(8)磁気テープの製造及び特性評価 皮膜層Aの表面に、真空蒸着法により、コバルト100
%の強磁性薄膜を0.02μmの厚みになるように2層
(各層厚約0.1μm)形成し、その表面にダイアモン
ドライクカーボン(DLC)膜、更に含フッ素カルボン酸
系潤滑層を順次設け、更に皮膜層Bの表面に下記組成の
バックコート層を塗布し、乾燥して設ける。乾燥後のバ
ックコート層の厚みは0.8μmとする。
【0052】バックコート層組成: カーボンブラック 100部 (キャボット社製コンダクテックスSC) 熱可塑性ポリウレタン 60部 (日本ポリウレタン工業社製ニッポラン2304) イソシアネート化合物 18部 (日本ポリウレタン工業社製コロネートL) シリコーンオイル 0.5部 (信越化学工業社製 KF69) メチルエチルケトン 250部 その後、8mm幅にスリットし、市販の8mmビデオカ
セットにローディングする。次いで、以下の市販の機器
を用いてテープの特性を測定する。
【0053】使用機器:8mmビデオテープレコーダ
ー:ソニー(株)製EDV―6000 C/N測定:シバソク(株)製ノイズメーター C/N測定 記録波長0.5μm(周波数約7.4MHz)の信号を
記録し、その再生信号の6.4MHzと7.4MHzの
値の比をそのテープのC/Nとし、市販8mmビデオ用
蒸着テープのC/Nを0dBとし、相対値で表す。 ○:0dB以上 △:−3以上、0dB未満 ×:−3dB未満
【0054】ドロップアウト(D/O)測定 ドロップアウトカウンターを用いて、15μs/18d
Bにて1分間当たりの個数を測定する。 ○:20個/分未満 △:20〜50個/分、20個/分以上、50個/分未
満 ×:50個以上/分
【0055】走行耐久性 40℃、80%RHで、テープ、走行速度85cm/分
で記録再生を500回繰り返した後のC/Nを測定し、
初期値からのずれを次の基準で判定する。 ○:初期値に対して+0.0dB以上 △:初期値に対して−1.0dB以上、+0.0dB未
満 ×:初期値に対して−1.0dB未満
【0056】[実施例1]ナフタレン-2,6-ジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部およびエチレングリコー
ル60部を、エステル交換触媒として酢酸マンガン4水
塩0.03部を使用し、常法に従ってエステル交換反応
させた後、トリメチルフォスフェート0.023部を添
加し実質的にエステル交換反応を終了させた。次いで、
三酸化アンチモン0.024部を添加し、引き続き高
温、高真空下で常法にて重合反応を行い、固有粘度0.
60の実質的に粒子を含有しないポリエチレン-2,6-
ナフタレートペレットを得た。
【0057】このポリエチレン-2,6-ナフタレートペ
レットを170℃で6時間乾燥後、押出し機ホッパーに
供給し、温度305℃で溶融し、公知の方法で濾過した
後、1mmのスリット状ダイを通して表面温度60℃の
回転冷却ドラム上に押出し、未延伸フィルムを得た。こ
のようにして得られた未延伸フィルムを120℃にて予
熱し、さらに低速、高速のロール間で15mm上方より
900℃のIRヒーターにて加熱して縦方向に3.6倍
に延伸し、続いて下記に示す組成の水性塗液をそれぞれ
フィルムに塗布し、続いてステンターに供給し、150
℃にて横方向に5.0倍に延伸し、さらに200℃で
1.12倍横延伸しながら熱固定し、次いで190℃の
温度で幅方向に0.5%弛緩させ、厚み4.7μmの二
軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1
に示す。
【0058】 皮膜層A(磁性層形成面) (1)アクリル−ポリエステル樹脂(高松油脂製) 75重量% ・ポリエステル樹脂部;テレフタル酸(70モル%)、イソフタル酸(1 8モル%)、5-ナトリウムスルホイソフタル酸(12モル%)/エチレングリ コール(92モル%)、ジエチレングリコール8モル%) ・アクリル樹脂部;メチルメタクリレート(80モル%)、グリシジルメ タクリレート(15モル%)、n-ブチルアクリレート(5モル%) ・ポリエステル樹脂部/アクリル樹脂部のモル比=3/7 (2)アクリル樹脂粒子(日本触媒製;平均粒径25nm) 5重量% (3)界面活性剤 日本油脂製ノニオンNS−240 20重量% ・厚み(乾燥後);4.8nm
【0059】 皮膜層B(磁性層非形成面) (1)共重合ポリエステル樹脂(竹本油脂製) 60重量% ・テレフタル酸(97モル%)、イソフタル酸(1モル%)、5-ナトリ ウムスルホイソフタル酸(2モル%)/エチレングリコール(60モル%)、ジ エチレングリコール(8モル%) (2)アクリル樹脂粒子(日本触媒製;平均粒径40nm) 10重量% (3)ヒドロキシプロピルメチルセルローズ(信越化学工業製) 20重量% (4)日本油脂製ノニオンNS−208.5 10重量% ・厚み(乾燥後);15nm
【0060】[実施例2〜3、比較例1〜2]フィルム
の延伸倍率を変化させて、ヤング率、熱収縮率、面配向
度を表1のように変更する以外は実施例1と同様にして
二軸配向フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表
1に示す。
【0061】[実施例4]ポリエチレン-2,6-ナフタ
レートに表1に記載の粒子を含有させる以外は実施例1
と同様にして二軸配向フィルムを得た。得られたフィル
ムの特性を表1に示す。
【0062】[実施例5]フィルムの厚みを表1のよう
に変更する以外は実施例1と同様にして二軸配向フィル
ムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
【0063】[比較例3]磁性層形成面側に皮膜層Aを
塗布しない以外はすべて実施例1と同様に行い二軸配向
フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表1に示
す。
【0064】
【表1】
【0065】表1から明らかなように、本発明の複合ポ
リエチレン-2,6-ナフタレートフィルムは、テープの
薄膜化に対応し得る高いヤング率を有し、かつ電磁変換
特性、走行耐久性にも優れた特性を有する。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、記録密度の大容量化に
伴うテープの薄膜化に対応でき、かつ優れた電磁変換特
性、走行耐久性を有し、デジタルビデオカセットテープ
やデータストレージ用テープ等のデジタルデータを記録
する強磁性金属薄膜型磁気記録媒体用ベースフィルムと
して好適な磁気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナ
フタレートフィルムを提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01C AK01B AK01D AK25B AK25D AK41A AK41B AK41D AL01B AL01D BA03 BA04 BA07 BA10A BA10C BA10D CA18B CA18D DE01A DE01B DE01D GB41 JB09B JB09D JG06C JG10 JK07A JK07B JK14B JK14D JL11B JM02C JN18A JN18B YY00A YY00B 5D006 CB01 CB05 CB07 CB08

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエチレン-2,6-ナフタレートを主
    成分とするフィルムの片面にバインダー樹脂、不活性粒
    子及び界面活性剤からなる皮膜層Aを設けてなる複合フ
    ィルムであって、該フィルムの、縦方向のヤング率が
    6.0GPa以下、横方向のヤング率が10.0GPa
    以上であり、厚み方向の屈折率Nzが1.480以上
    1.493以下であり、分子配向計による横方向(TD)と
    縦方向(MD)の透過マイクロ波強度比(TMS(TD)/TM
    S(MD))が0.5以上0.9以下であり、かつ150℃
    で30分間無荷重下で加熱したときの縦方向の熱収縮率
    が2.0%以上5.0%以下、横方向の熱収縮率が6.
    0%以上11.0%以下であり、さらに該皮膜層A表面
    の中心線平均粗さRaAが0.1nm以上2nm以下で
    あることを特徴とする、皮膜層A表面上に強磁性薄膜金
    属を設ける磁気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナ
    フタレートフィルム。
  2. 【請求項2】 皮膜層Aを形成するバインダー樹脂が、
    水溶性又は水分散性の樹脂であって、アクリル樹脂、ポ
    リエステル樹脂及びアクリル−ポリエステル樹脂からな
    る群より選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載
    の磁気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナフタレー
    トフィルム。
  3. 【請求項3】 皮膜層Aに含有される不活性粒子の平均
    粒径が5nm以上100nm以下で、皮膜層A中の含有
    量が0.5重量%以上20重量%以下である請求項1ま
    たは2に記載の磁気記録媒体用複合ポリエチレン-2,
    6-ナフタレートフィルム。
  4. 【請求項4】 複合フィルムの皮膜層Aを形成した面の
    反対の面に、バインダー樹脂、不活性粒子及び界面活性
    剤からなる皮膜層Bが形成されており、皮膜層Bに含有
    される不活性粒子の平均粒径が10nm以上200nm
    以下で、皮膜層A中の不活性粒子と同じか又はそれ以上
    の平均粒径を有し、皮膜層B中の含有量が5重量%以上
    40重量%以下であり、かつ皮膜層Bの表面の中心線平
    均粗さRaBが1nm以上20nm以下である請求項1
    〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体用複合ポリエチレ
    ン-2,6-ナフタレートフィルム。
  5. 【請求項5】 皮膜層Bを形成するバインダー樹脂が、
    水溶性又は水分散性の樹脂であって、アクリル樹脂、ポ
    リエステル樹脂及びアクリル―ポリエステル樹脂からな
    る群より選ばれる少なくとも一種である請求項4に記載
    の磁気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナフタレー
    トフィルム。
  6. 【請求項6】 ポリエチレン-2,6-ナフタレートが粒
    子を含有していない請求項1〜5のいずれかに記載の磁
    気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-ナフタレートフ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 ポリエチレン-2,6-ナフタレートが平
    均粒径30nm以上200nm以下の不活性粒子を含有
    している請求項1〜5のいずれかに記載の磁気記録媒体
    用複合ポリエチレン-2,6-ナフタレートフィルム。
  8. 【請求項8】 フィルムの厚さが7μm以下である請求
    項1〜7のいずれかに記載の磁気記録媒体用複合ポリエ
    チレン-2,6-ナフタレートフィルム。
  9. 【請求項9】 フィルムの厚さが4μm以下である請求
    項8に記載の磁気記録媒体用複合ポリエチレン-2,6-
    ナフタレートフィルム。
  10. 【請求項10】 デジタル記録方式の磁気テープに用い
    られる請求項1〜9のいずれかに記載の磁気記録媒体用
    複合ポリエチレン-2,6-ナフタレートフィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004038703A1 (ja) * 2002-10-24 2004-05-06 Teijin Dupont Films Japan Limited 二軸配向ポリエステルフィルムおよびフレキシブルディスク

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