JPH06297449A - 石材表面の加工処理方法とその装置 - Google Patents

石材表面の加工処理方法とその装置

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JPH06297449A
JPH06297449A JP9015793A JP9015793A JPH06297449A JP H06297449 A JPH06297449 A JP H06297449A JP 9015793 A JP9015793 A JP 9015793A JP 9015793 A JP9015793 A JP 9015793A JP H06297449 A JPH06297449 A JP H06297449A
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JP
Japan
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stone
bishan
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section
treatment liquid
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JP9015793A
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English (en)
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Fukutoshi Hosoya
福年 細谷
Nobuo Nakano
宣夫 中野
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J S II KK
Jse Corp
Original Assignee
J S II KK
Jse Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】自然石の状態を容易に再現でき、外観に優れ、
しかも凹凸を有し、歩行に充分適するとともに、凹凸感
による重厚感を示し、さらに加工処理コストが低減させ
ること。 【構成】石のガングソーによる切断面、丸のこ裁断機に
よる切断面、これらの切断面をさらにビシャン叩きした
面、または直接各切断面を小叩きした面、ビシャン叩き
した後小叩きした面、あるいはビシャン叩きした後バー
ナー仕上げした面もしくはビシャン叩きすることなく直
接バーナー仕上げした面に対して、この面の直交方向よ
り10〜70°傾斜する方向から200 kg/ cm2 以上の圧
力をもって処理液を投射して、表面の粗面化と結晶粒子
の露出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石材、特に好適には御
影石(花崗岩)の表面を加工処理して、粗面化と脈石部
分の除去を行う加工処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、建造物の高級化、あるいは重厚感
の表現のために、各種の石材が多く用いられるようにな
ってきた。特に、御影石または大理石の需要が大きい。
【0003】しかし、この石材の表面加工は、旧来のも
のに多く依存している。石材の加工については、たとえ
ば「石工事を科学する」(石文社発行)の42〜55頁
に記載されている。
【0004】これについて、図20を参照しながら概説
すれば、採石した荒石に対して、順次、次記の〜の
工程を経ている。 荒石、コブ取り、ノミ切り、ビシャン叩き、(バーナ
ー仕上げ)、小叩き、荒磨き、水磨き、本磨き 荒石、ガングソーによる切断、ビシャン叩き、(バー
ナー仕上げ)、小叩き、荒磨き、水磨き、本磨き 荒石、丸のこ裁断機による裁断、水磨き、本磨き、あ
るいはビシャン叩き、(バーナー仕上げ)、小叩き、本
磨き この場合、バーナー仕上げは省略することがあり、ま
た、ビシャン叩きを省略して直接小叩きを行う場合もあ
る。
【0005】上記の本磨きまで至るものは、主に外壁材
として、光沢が必要な場合に用いられ、この光沢の必要
のない場合には、磨き工程に至ることなく、たとえばビ
シャン叩きのまま、あるいは小叩きが終了した状態のま
ま、使用に供せられている。
【0006】特に、敷石の場合には、歩行の際の滑り止
めのために、磨き工程を経ることなく直接使用されてい
る。
【0007】また、前記のの工程は、多くの工程を要
し、かつ人件費も嵩むので、現在ではまたはの工程
を採ることが圧倒的に多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の機械
切断面を良く観察してみると、図17に示すように、表
面部分の結晶の粒子群P,P…は、スライスされている
関係で、平坦である。さらに詳細に観察してみると、ス
ライス時点における外力により、図18に示すように、
小さな凹凸表面およびクラックを生じていることが多
い。さらに、スライスに伴うスジ疵を多く生成してい
る。このため、表面側からみると、自然石の状態と全く
異なり、きわめて白っぽいものとなっている。したがっ
て、このままでは商品価値がないので、パネルの片面
は、前記のビシャン叩きまたは小叩き工程を経て磨き工
程を必須としていた。しかし、この工程には、多大な手
間を要するので、製造コストが嵩む。なお、他面は外観
に関係ないので、未加工のまま用いていた。
【0009】一方、機械切断面に対して凹凸をつけるた
めに、前述のバーナー仕上げを行うことがあるが、白っ
ぽさは幾分解消されるとしても、白っぽさが残り、自然
石の状態を再現できない。しかも、問題なのは、バーナ
ー仕上げでは、バーナー炎により、高熱が作用し、その
熱応力がきわめて大きく、したがって熱応力に耐えて破
損を防止するためには、バーナー仕上げに供するパネル
の厚さは8mm以下、特に5mm以下とすることができず、
その分、使用面積当たりの石材量が大きくならざるを得
ない。
【0010】そこで、本発明者等は、先の特開平4−3
55103号公報において、石のガングソーによる切断
面、丸のこ裁断機による切断面、これらの切断面をさら
にビシャン叩きした面、または直接各切断面を小叩きし
た面、ビシャン叩きした後小叩きした面、あるいはビシ
ャン叩きした後バーナー仕上げした面もしくはビシャン
叩きすることなく直接バーナー仕上げした面に対して、
200 kg/ cm2 以上の圧力をもって処理液を投射して、表
面の粗面化と結晶粒子の露出を行う石材表面の加工処理
方法およびその装置を提案している。
【0011】しかしながら、この石材加工処理方法およ
びその装置の場合には、処理液投射手段に対して対向す
る石材に対して垂直に高圧水を噴射するものであるた
め、機械加工により、他の結晶粒子との付着面積が好く
なった、あるいは他の結晶粒子との結晶粒界面における
接合強度が小さくなった表面の粒子群は、その表面に対
して処理液を高圧で投射すると、その処理液が持ってい
るエネルギーによって、一部の表面粒子は剥落するので
あるが、付着強度が大きくそのまま表面に残った結晶粒
子の表面は、図19に示されるように、ごく浅い範囲で
(2mm以内)、垂直に投射された高圧水によって線状に
削り取られ、表面が針状(ギザギザ状)となって残って
しまう場合がある。石材表面状態がこのような針山状態
では、せっかくの御影石による重厚感を台無しにしてし
まう。
【0012】したがって、本発明の主たる課題は、自然
石の状態を容易に再現でき、きわめて外観に優れ、しか
も滑らかな凹凸を有し、歩行に充分適するとともに、凹
凸感による重厚感を示し、さらに加工処理コストが著し
く低減する石材の加工処理方法とこれに適した加工処理
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題は、石のガング
ソーによる切断面、丸のこ裁断機による切断面、これら
の切断面をさらにビシャン叩きした面、または直接各切
断面を小叩きした面、ビシャン叩きした後小叩きした
面、あるいはビシャン叩きした後バーナー仕上げした面
もしくはビシャン叩きすることなく直接バーナー仕上げ
した面に対して、この面の直交方向より10〜70°傾
斜する方向から200 kg/ cm2 以上の圧力をもって処理液
を投射して、表面の粗面化と結晶粒子の露出を行うこと
で解決できる。この場合、前記面を有するパネル状の石
を搬送し、この搬送路に対向して、前記パネル石面の直
交方向より10〜70°傾斜する方向から高圧水を噴射
する噴射ノズルを多数備えた処理液投射手段を配設し、
この処理液投射手段から処理液を前記面に投射すること
ができる。
【0014】さらに、加工処理装置としては、石のガン
グソーによる切断面、丸のこ裁断機による切断面、これ
らの切断面をさらにビシャン叩きした面、または直接各
切断面を小叩きした面、ビシャン叩きした後小叩きした
面、あるいはビシャン叩きした後バーナー仕上げした面
もしくはビシャン叩きすることなく直接バーナー仕上げ
した面を有するパネル状の石を搬送する搬送手段と、こ
の搬送路に対向して配設された処理液投射手段とを有
し、前記処理液投射手段は、本体と、この本体の軸心方
向から10〜70°傾斜する方向に向けて高圧水を噴射
する噴射ノズルを多数備えた投射ヘッドと、この投射ヘ
ッドの軸心を平行する他の軸心回りに偏心回転させる偏
心回転手段と、前記処理液投射手段を搬送路に対向させ
て保持する手段とを具備したもので構成できる。
【0015】
【作用】本発明においては、パネル石面に対して、この
面の直交方向より10〜70°傾斜する方向から200 kg
/ cm2 以上の圧力をもって処理液を投射して、表面の粗
面化と結晶粒子の露出を行う。
【0016】従って、先の機械加工により、他の結晶粒
子との付着面積が少なくなった、あるいは他の結晶粒子
との結晶粒界面における接合強度が小さくなった表面の
粒子群は、垂直方向から結晶粒子を押し付ける方向に高
圧水を噴射した場合に比べると、斜め方向より高圧処理
液の持つ運動エネルギーが作用することにより、欠損粒
子を払い落とすように力が作用するため、表面粒子が剥
落し易いものとなる。
【0017】また、斜め方向より入射した高圧処理液
は、再び所定の斜め方向の反射角をもって反射するた
め、結晶粒子の表面を抉り取るように削るため、垂直に
投射した場合のような針状の跡が残ることもなく、適度
に凹凸が形成されたものとなる。
【0018】なお、パネル石の表面に残った結晶粒子
は、下側の結晶粒子との接合強度が高いものであるか
ら、たとえば敷石に用いた場合、剥落を生じないものと
なる。
【0019】一方、たとえば御影石に対する加工処理面
を詳細に観察すると、キラキラ光った雲母結晶が観察さ
れる。これは機械加工またはバーナー仕上げ加工では全
く見られないことである。この原因は、他の処理方法、
たとえば機械加工では、いわば粉砕しながら表面結晶を
粗粒化するものでり、粉砕できなかった粒子片が雲母結
晶の表面側に残存し、あるいは雲母結晶そのものが一部
粉砕または疵を帯びるのに対して、本発明に従う処理液
の投射により処理すると、主に結晶の粒界で裂開し、も
って結晶粒子単位での除去が行われるためであると考え
られる。また、バーナー仕上げ加工では、粒子群を熱応
力により壊し、粗粒化するものであるために、表面部分
の各粒子群は粒子の中で熱応力により変質しており、自
然の結晶状態と異なる。実際に、本磨きしたものが、天
然石の状態に近くとされているが、この本磨きしたもの
と、バーナー仕上げしたものとを比較してみると、後者
のものが前者のものに対して白っぽいまたは変色してい
ることからも、明らかである。これに対して、本発明の
処理したものは、本磨きしたものより、むしろ天然石に
近い状態を示している。
【0020】他方、本発明方法では、高速で処理が可能
であるとともに、自動機械化が可能である。したがっ
て、加工処理コストが著しく低減する。しかも、前述の
処理原理によって、自然な結晶面が現れるので、著しく
外観に優れ、白っぽさは全くなくなる。さらに凹凸が生
じるとともに、結合強度が脆弱な結晶については、処理
により除去され、結合強度が高い結晶粒のみが表面に残
存するから、敷石として使用した場合、歩行性に優れ、
かつ耐久性にも優れる。
【0021】
【実施例】以下、本発明を具体的に詳説する。本発明
は、前記ののルートに従う石のガングソーによる切断
面、のルートに従う丸のこ裁断機による切断面を対象
にする。そして、これらの面に対して直接本発明の処理
を施すことができる。さらに、これらの切断面をさらに
ビシャン叩きした面、または直接各切断面を小叩きした
面、ビシャン叩きした後小叩きした面、あるいはビシャ
ン叩きした後バーナー仕上げした面もしくはビシャン叩
きすることなく直接バーナー仕上げした面に対しても処
理することができる。どの段階で本発明の処理を開始す
るかは、対象の石材または得ようとする目的の表面の粗
度、あるいは用途によって適宜選択できる。
【0022】かかる面に対して、200 kg/ cm2 以上の圧
力をもって斜め方向、具体的にはパネル石面に直交する
方向から10〜70°傾斜させた方向より処理液を投射
して、表面の粗面化と結晶粒子の露出を行う。200 kg/
cm2 未満の圧力では、粗面化が充分でない。好ましい圧
力は、500 kg/ cm2 以上、さらに望ましくは800 kg/cm
2 以上である。処理液としては、通常水を用いるのが経
済性の点で好ましいが、研削砥粒を混入したスラリー液
でもよい。しかし、逆に粒子表面に細かい傷を発生させ
て、白っぽさを残す原因ともなるので、あまり好ましい
ものではない。
【0023】また、酸またはアルカリ液は、しばしば石
材を荒らすので、結果として水が最も好ましい。水に高
分子増粘剤を添加すると、処理性が高まる。以下の説明
では処理液として水を挙げて説明する。
【0024】一方、石材の種類として格別に限定され
ず、花崗岩類、安山岩類、砂岩類、粘板岩類、凝灰岩
類、大理石類または蛇紋岩類などを挙げることができる
が、望ましくは大理石類、特に花崗岩類(御影石類)に
適用するのが効果的である。御影石の中には、いわゆる
白御影、赤御影があるが、後者の赤御影に対して本発明
を適用した場合、白っぽさの残り具合または結晶粒子の
表面状態に関して、従来の加工法に比較して、一目瞭然
にその効果が現れる。
【0025】本発明法により高圧水を対象面に投射する
場合、前記パネル石面の直交方向より10〜70°傾斜
する方向から高圧水を噴射する噴射ノズルを多数備えた
処理液投射手段を用いることが望ましい。また、噴射ノ
ズルで加工線を平行にした場合、その加工線がスジとな
って処理面に残り、逆に外観を損なうので、望ましくは
本出願人が先に提案した、特開昭61−22900 号公報に示
された装置に対し、前記噴射ノズルを取付けたものを好
適に用いることができる。また、本発明のように超高圧
水を使用する場合には、送水切換えを人力で行うことは
相当の労力を要するため、この点を改良した、たとえば
特開平1-234675号公報に記載される送水制御弁等を使用
することが望ましい。
【0026】前記特開昭61−22900 号公報に示された装
置を概説すれば、中空ホルダー10A内に従動ギア11
が回転可能に配設され、その従動ギア11を、その中心
から偏位した位置において貫通して偏心シャフト12が
回転可能に設けられている。
【0027】偏心シャフト12の先端には、本発明に係
る複数の、例えば48の傾斜噴射ノズル13a、13a
…を有する噴射ヘッド13が取付けられている。なお、
この噴射ヘッド13については、さらに後述する。さら
に、偏心シャフト12は、その後部に連結された送液管
14と高圧水Wを供給できるように連通している。一
方、握持部15内には図示されていないが、回転駆動手
段16たとえばモーターまたはエアタービンなどが内装
され、その出力軸17の先端には原動ギア18が一体化
され、この原動ギア18は前記従動ギア11と噛合して
いる。
【0028】本発明において用いられる前記投射ヘッド
13は、図2〜図5に示されるように、直方体形状の投
射ヘッドであって、その噴射面側には合計48の噴射ノ
ズル13a、13a,…が設けられ、ヘッド13内に
は、各噴射ノズル13a,13a…に連なる送液路71
が形成され、その分岐した各送液路71の出口部分に噴
射ノズル13a、13a…が図5に示す態様で螺嵌され
ている。また、各噴射ノズル13a、13a…は、図4
に示されるように、噴射装置1の軸心方向に対して傾斜
角βだけ傾けて配置されており、傾斜方向に向けて高圧
水を噴射するようになっている。ここで前記傾斜角βの
範囲は10〜70°の範囲、好ましくは30〜50°の
範囲とされる。
【0029】各噴射ノズル13aの詳細は、図5に示さ
れているように、たとえばダイヤモンド製のノズルチッ
プ14aが、焼結合金の保持ピース14b、14bによ
って挟んだ状態で、噴射ノズル13aの底部に嵌装され
ている。また、投射ヘッドとしては、たとえば図7に示
されるノズル数24とした投射ヘッド13Aとすること
もできる。この場合にはヘッド部がコンパクトとなり取
扱性、操作性等が向上する。
【0030】このように構成された投射ガン1を用い
て、送液管14および偏心シャフト12内を通して高圧
水を供給する過程において、回転駆動手段16により原
動ギア18を回転させると、従動ギア11も回転する。
このとき、中空ホルダー10Aの中心C1 に対して、偏
心シャフト12または投射ヘッド13の中心C2 は偏心
しているので、噴射ヘッド13は中心C1 周りに偏心公
転する。その結果、各噴射ノズル13a、13a…の軌
跡は図6に示すように、あたかも剣山をC1 周りに偏心
公転したような運動軌跡を描く。したがって、投射ガン
1を同図中の矢印の方向にそのまま横移動させると、各
噴射ノズル13a、13a…の軌跡は、線的なものでな
く、ラップ個所が多い面的なものとなる。その結果、対
象面全体に投射エネルギーが作用する。
【0031】したがって、かかる投射ガンを握持しなが
ら適宜の方向に移動させて、静置されたパネル化された
対象石材の対象面に対して、高圧水を投射すると、表面
全体が均一に粗面化される。
【0032】一方、大量に処理する場合、図8および図
9に示すように、前記本発明に係る投射ガン1、1…を
たとえば搬送ローラー20群により構成される搬送路を
横切るように、その上方に搬送路に対向して千鳥状に、
たとえば架台21に固定して配設することができる。パ
ネル化されたパネル石材22群は、ストッカー23から
順次切り出して搬送ローラー20上を、図8の左方向に
移動させる過程で、各投射ガン1から高圧水を投射させ
て処理することができる。この場合、処理残しを防止す
るために、図10に示すように、処理領域(ハッチング
で示す個所)がラップするまたは少なくとも離間しない
で隣接するように、前述のように、ヘッド13群をたと
えば千鳥配置することが望まれる。
【0033】他方、図11に示すように、一つの投射ガ
ン1を用いてそのヘッド13を、蛇管状に移動させるこ
とで、一枚のパネル石材22を処理し、その処理が終了
したならば、たとえばそのパネル石材22を左方に移動
させて、右方に待機していたパネル石材22をその長手
方向長さだけ移動させて、当初の位置に復帰した投射ガ
ン1により処理できる。この場合、投射ガン1に対し
て、幅方向(Y方向)の移動手段と、搬送方向(X方
向)の移動手段の両者を必要とするので、たとえば幅方
向(Y方向)の移動手段のみを設け、その代わりに、搬
送路をピッチL分ごと移動させると、結果としては、一
枚のパネル石材22に対してヘッド13を蛇管状に移動
させることになる。
【0034】本発明の投射ガンとしては、たとえば作業
員が操作する場合には、握持する際の反動を考慮する
と、噴射ノズルの開口形としては、0.05〜0.5 mm、送液
流量(各噴射ノズルからの吐出流量の総和)は1.5 〜20
リットル/分以下、ヘッドの回転数が800 〜4000rpm が
望ましい。しかし、図8の生産ラインに乗せる場合に
は、架台21に固定されているため、送液流量は20リ
ットルを超える流量とすることができる。また、ノズル
形をさらに大きくして、高圧水の圧力をさらに高めるこ
ともできる。
【0035】次いで、他の据付け型投射ガン装置例を図
12〜図13に示す。すなわち、図1の機構に代えて、
油圧モーター80を使用したもので、ベースプレート8
1を介して保持架台等に固定される。投射ヘッド13と
して先の実施例と同じものを使用し、固定型であるため
大きな反動を取ることができ、図7に示すノズル数24
の投射ヘッド13Aの場合で全吐出量を30〜100 リット
ル/分程度、図3に示すノズル数48の投射ヘッド13
の場合で30〜300 リットル/分程度とできる。
【0036】この場合も、投射ヘッド13の長手方向を
ラインの幅方向に一致させて、基本的に図1に示す動力
伝達機構により、偏心回転させる運動軌跡を取らせるこ
とにより、対象石材を処理するようになっている。
【0037】他方、図示していないが、前記投射ヘッド
13を、直線でなく、サイクロイド曲線などの曲線を描
かせる、あるいは一方方向に揺動させながら処理するこ
とができる。
【0038】(実験例)赤御影石のガングソーによる切
断面、丸のこ裁断機による切断面、これらの切断面をさ
らにビシャン叩きした面、または直接各切断面を小叩き
した面、ビシャン叩きした後小叩きした面、あるいはビ
シャン叩きした後バーナー仕上げした面もしくはビシャ
ン叩きすることなく直接バーナー仕上げした各面に対し
て、図8に示す態様で、処理したところ、図14に示さ
れるように、針状に突出することなく、滑らかな凹凸が
形成され、かつ自然石の風合いに近い表面に加工でき
た。
【0039】また、白っぽさは全くなかった。赤御影石
のほか、白御影石および大理石に対して、処理を施した
が、同様に良好な表面に加工できた。
【0040】他方、白っぽい丸のこ裁断機による赤御影
石の切断面に、図15のように、所定の形状の、たとえ
ば星形の透孔41aを有する鋼板製マスク板41を当て
がい、その上方から高圧水を投射した。その結果、透孔
41aの部分が、図16に示すように、本来の赤御影石
の面が現れ、周囲との対比の下で、明確な模様が現出し
た。この結果、模様タイル石としての利用が可能となっ
た。
【0041】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、自然石の
状態を容易に再現でき、きわめて外観に優れ、しかも滑
らかな凹凸を有し、歩行に充分適するとともに、凹凸感
による重厚感を示し、さらに加工処理コストが著しく低
減するなどの利点がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の処理に適した投射ガンの概要断面図
である。
【図2】投射ヘッドの縦断面図(図3のII−II線矢視
図)である。
【図3】投射ヘッドの正面図(図2のIII-III 線矢視
図)である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】噴射ノズルの取付状態拡大縦断面図である。
【図6】噴射ノズルの運動軌跡の説明図である。
【図8】連続処理設備例の概要図である。
【図9】その連続処理設備例の概要平面図である。
【図10】その連続処理設備例の各投射ヘッドの処理領
域の説明図である。
【図11】一つの投射ヘッドを移動させる場合の例の運
動軌跡の説明図である。
【図12】他の加工処理装置例の正面図である。
【図13】同装置の左側面図である。
【図14】本発明法によって処理した後の面の模式的断
面図である。
【図15】マスク配設状態断面図である。
【図16】マスク配設により加工した場合に生じる模様
例の平面図である。
【図17】機械加工面の状態の模式的断面図である。
【図18】機械加工面の図16のA部の拡大模式的断面
図である。
【図19】従来の高圧噴射ノズルによる加工面の模式断
面図である。
【図20】石材の加工工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1…投射ガン、10A…ホルダー、11…従動ギア、1
2…偏心シャフト、13…投射ヘッド、13a…噴射ノ
ズル、16…回転駆動手段、20…搬送ローラー、21
…架台、22…パネル石材、40…マスク
【手続補正書】
【提出日】平成6年2月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明法の処理に適した投射ガンの概要断面図
である。
【図2】投射ヘッドの縦断面図(図3のII−II線矢視
図)である。
【図3】投射ヘッドの正面図(図2のIII-III 線矢視
図)である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】噴射ノズルの取付状態拡大縦断面図である。
【図6】噴射ノズルの運動軌跡の説明図である。
【図7】他の投射ヘッド例の正面図である。
【図8】連続処理設備例の概要図である。
【図9】その連続処理設備例の概要平面図である。
【図10】その連続処理設備例の各投射ヘッドの処理領
域の説明図である。
【図11】一つの投射ヘッドを移動させる場合の例の運
動軌跡の説明図である。
【図12】他の加工処理装置例の正面図である。
【図13】同装置の左側面図である。
【図14】本発明法によって処理した後の面の模式的断
面図である。
【図15】マスク配設状態断面図である。
【図16】マスク配設により加工した場合に生じる模様
例の平面図である。
【図17】機械加工面の状態の模式的断面図である。
【図18】機械加工面の図16のA部の拡大模式的断面
図である。
【図19】従来の高圧噴射ノズルによる加工面の模式断
面図である。
【図20】石材の加工工程を示す説明図である。
【符号の説明】 1…投射ガン、10A…ホルダー、11…従動ギア、1
2…偏心シャフト、13・13A…投射ヘッド、13a
…噴射ノズル、16…回転駆動手段、20…搬送ローラ
ー、21…架台、22…パネル石材、40…マスク

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】石のガングソーによる切断面、丸のこ裁断
    機による切断面、これらの切断面をさらにビシャン叩き
    した面、または直接各切断面を小叩きした面、ビシャン
    叩きした後小叩きした面、あるいはビシャン叩きした後
    バーナー仕上げした面もしくはビシャン叩きすることな
    く直接バーナー仕上げした面に対して、この面の直交方
    向より10〜70°傾斜する方向から200 kg/ cm2 以上
    の圧力をもって処理液を投射して、表面の粗面化と結晶
    粒子の露出を行うことを特徴とする石材表面の加工処理
    方法。
  2. 【請求項2】前記面を有するパネル状の石を搬送し、こ
    の搬送路に対向して処理液投射手段を配設し、この処理
    液投射手段から処理液を前記面に投射する請求項1記載
    の石材表面の加工処理方法。
  3. 【請求項3】石のガングソーによる切断面、丸のこ裁断
    機による切断面、これらの切断面をさらにビシャン叩き
    した面、または直接各切断面を小叩きした面、ビシャン
    叩きした後小叩きした面、あるいはビシャン叩きした後
    バーナー仕上げした面もしくはビシャン叩きすることな
    く直接バーナー仕上げした面を有するパネル状の石を搬
    送する搬送手段と、この搬送路に対向して配設された処
    理液投射手段とを有し、 前記処理液投射手段は、本体と、この本体の軸心方向か
    ら10〜70°傾斜する方向に向けて高圧水を噴射する
    噴射ノズルを多数備えた投射ヘッドと、この投射ヘッド
    の軸心を平行する他の軸心回りに偏心回転させる偏心回
    転手段と、前記処理液投射手段を搬送路に対向させて保
    持する手段とを備えたことを特徴とする石材表面の加工
    処理装置。
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