JPH06320425A - 硬脆質薄板の端面加工方法 - Google Patents

硬脆質薄板の端面加工方法

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JPH06320425A
JPH06320425A JP13415593A JP13415593A JPH06320425A JP H06320425 A JPH06320425 A JP H06320425A JP 13415593 A JP13415593 A JP 13415593A JP 13415593 A JP13415593 A JP 13415593A JP H06320425 A JPH06320425 A JP H06320425A
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brittle thin
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JP13415593A
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Minehisa Imazato
峰久 今里
Akihito Fukutani
亮人 福谷
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Sony Corp
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 端面加工の後続工程におけるチッピング又は
バリの再発生を防止し、これにより、製品形状の安定化
及び歩留りの向上を図ることができる硬脆質薄板の端面
加工方法を提供する。 【構成】 被切断面を有する硬脆質薄板2の積層体6に
対して、気流に砥粒を同伴させたブラストSを当て、硬
脆質薄板2及び接着剤層4の端面3、5に砥粒を直角に
衝突させる。端面5が端面3よりも窪んだ位置に予め位
置する接着剤層4、或いは、相対的に軟質な材質からな
る接着剤層4は、硬脆質薄板2の端面3のエッジ部を露
出させ、露出したエッジ部は、ブラストSによって研削
されて、チッピング又はバリ等の不定形破断片が除去さ
れ、そこに丸みが付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬脆質薄板の端面加工
方法に関するものであり、より詳細には、硬脆質薄板の
端面に形成されたチッピング及びバリを効果的に研削、
除去すると共に端面の周縁エッジに丸み(アール)を形
成するようにした硬脆質薄板の端面加工方法に関するも
のである。尚、本明細書で硬脆質薄板とは、硬質で脆い
材料、例えば水晶等の化合物結晶を薄く板状にスライス
して形成した薄板を意味する。
【0002】
【従来の技術】硬脆質薄板、例えば水晶振動子を製作す
るための素材として形成した薄板状水晶を個々に機械加
工、特に切断加工するのは、技術的に極めて難しく、工
業的には得策な方法ではない。そこで、かかる硬脆質薄
板を所定の寸法に切断する際には、一般に、接着剤を介
して多数枚の硬脆質薄板を重ね合わせた積層体を形成
し、その積層体を一括して所定寸法に切断する方法が採
用されている。積層体を切断すると、図5に示すよう
に、各硬脆質薄板の端面の周縁エッジに不定形破断片、
即ち、チッピング又はバリが生じる。このような不定形
破断片は、鋭い角或いは鋭い尖頭を有していて、切断工
程に続く後の処理工程において、他の硬脆質薄板を損傷
する可能性が大きい。図5は、切断された積層体の切断
面を模式的に示す断面図であって、図中、1は切断工程
で切断した積層体、2は硬脆質薄板、3は硬脆質薄板の
端面、4は接着剤層、5は接着剤層の端面、6は積層体
1の切断面、7は切断工程において硬脆質薄板2に発生
したチッピング又はバリ等の不定形破断片、及び8は硬
脆質薄板の端面3の周縁エッジ又は周縁角部を意味す
る。
【0003】そこで、従来は、切断工程後、次の工程に
移る前に、砥粒による端面加工、代表的には所謂ラッピ
ング加工を硬脆質薄板に施して、硬脆質薄板を切断した
時に切断面に生じた、このような不定形破断片を除去し
ている。ラッピング加工は、研磨剤を介在させて被研磨
体を回転円盤上に載せ、回転円盤を回転させながら、回
転する被研磨体を研磨剤により研磨する加工方法であ
る。研磨剤としては、微細な砥粒、例えば、炭化珪素系
又は酸化アルミニウム系の砥粒を使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
のラッピング方式により研磨された硬脆質薄板は、その
端面の角が概ね90°角のエッジの形態に形成される。
そのため、ラッピングによる端面加工工程に続いて、溶
剤を用いて積層体から硬脆質薄板を分離しつつ超音波洗
浄方法にて洗浄する工程において、硬脆質薄板の直角な
エッジが他の硬脆質薄板の端面に衝突したとき、その端
面に再びチッピング又はバリを生じさせる可能性が高
い。しかも、分離に際し、硬脆質薄板同士の衝突は、し
ばしば生じる現象である。このため、従来のラッピング
方式により硬脆質薄板に端面加工を施していたのでは、
チッピング又はバリが形成されていない安定した形状の
無傷な製品が得難く、製品の歩留りを向上させるのが困
難であった。そこで、従来の方法に替わる硬脆質薄板の
新規な端面加工方法が要望されていた。
【0005】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、硬脆質薄板の積層体に
端面加工を施した後の分離、洗浄工程において、硬脆質
薄板にチッピング又はバリが再発生することがないよう
に硬脆質薄板に端面加工を施す方法であって、製品形状
の安定化及び製品歩留りの向上を図ることができる硬脆
質薄板の端面加工方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る硬脆質薄板の端面加工方法は、気流に
砥粒を同伴させたブラストを硬脆質薄板の切断端面に吹
付け、該端面に形成されたチッピング又はバリを除去す
るとともに、該端面の周縁エッジに丸みを付けることを
特徴としている。
【0007】本発明で使用する望ましい砥粒としては、
炭化珪素系又は酸化アルミニウム系の砥粒である。尚、
砥粒の材質、粒径、噴射圧力、噴射速度等を含むブラス
トの端面加工条件は、硬脆質薄板の材質、硬度、厚さ等
により相違するので、テストピースの予備実験により最
適な条件を定める。本発明方法の実施では、既知のブラ
スト発生装置、例えばパウダービーム加工機と称される
ような装置を使用してブラストを発生させる。
【0008】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る別の硬脆質薄板の端面加工方法は、硬脆質薄板
と、研削性の良い接着剤層とを交互に重ね合わして積層
体を形成し、硬脆質薄板の端面と接着剤層の端面とから
なる積層体の側面に、気流に砥粒を同伴させたブラスト
を吹付け、それによって、接着剤層を磨損させて、積層
体側面から硬脆質薄板の各端面の周縁エッジを露出さ
せ、該端面に形成されたチッピング又はバリを研削、除
去するとともに、該周縁エッジに丸みを付けることを特
徴としている。
【0009】本発明で「研削性の良い接着剤層」とは、
気流に砥粒を同伴させたブラストによって硬脆質薄板よ
り一層速く研削されるような接着剤層と言う意味であ
る。本発明方法では、接着剤層の研削速度が硬脆質薄板
のそれより速いことが必要であること、及び端面加工工
程に続く次の分離、洗浄工程において溶剤により接着剤
層を溶解して積層体から硬脆質薄板を分離するために、
溶剤に対する接着剤の溶解性が高いことが必要であるこ
とを考慮すると、望ましい接着剤は、例えば溶剤に溶け
易く軟質なワックス系の接着剤である。
【0010】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る更に別の硬脆質薄板の端面加工方法は、硬脆質薄
板の端面が接着剤層の端面より出っ張って外部に露出し
ているように、硬脆質薄板と接着剤層とを交互に重ね合
わして積層体を形成し、硬脆質薄板の端面と接着剤層の
端面とからなる積層体の側面に、気流に砥粒を同伴させ
たブラストを吹付け、それによって、該端面に形成され
たチッピング又はバリを研削、除去するとともに、該端
面の周縁エッジに丸みを付けることを特徴としている。
本発明方法では、当初から硬脆質薄板の端面が露出して
いるので、接着剤は、必ずしも「研削性の良い接着剤
層」である必要はない。
【0011】
【作用】請求項1の発明の構成によれば、ブラストが、
高速度で硬脆質薄板の切断端面に衝突し、気流に同伴さ
れた砥粒が端面の周縁エッジを研削して該端面に形成さ
れたチッピング又はバリを除去するとともに、該端面の
周縁エッジに丸みを付ける。従って、硬脆質薄板の端面
のチッピング又はバリが完全に除去されるとともに、端
面のエッジに丸みが付けられるので、積層体から硬脆質
薄板を分離し、洗浄する後続の工程において、硬脆質薄
板の端面が、他の硬脆質薄板の面に衝突したとしても、
その面を傷付けてチッピング又はバリ等の不定形破断片
を形成するようなことがない。
【0012】請求項2の発明の構成によれば、ブラスト
による研削速度が硬脆質薄板より速い接着剤で、積層体
の接着剤層が形成されているので、接着剤層が硬脆質薄
板よりも早期に研削され、接着剤層の端部は、ブラスト
研磨の早い時期に硬脆質薄板の端面よりも積層体内奥に
引込む。この結果、硬脆質薄板の端面のエッジ部は、外
部に露出し、ブラストにより研磨されて、そこに丸み付
けがなされる。
【0013】請求項3の発明の構成によれば、硬脆質薄
板の端面が接着剤層の端面よりも出っ張っている、換言
すれば、当初から接着剤層の端面が硬脆質薄板の端面よ
り積層体内奥に引き込んだ状態にあって、硬脆質薄板の
端面の周縁エッジが予め外部に露出しており、ブラスト
による周縁エッジの研削によって、硬脆質薄板の端面の
チッピング又はバリの除去及び周縁エッジの丸み付けが
一層迅速かつ完全に進行する。
【0014】
【実施例】以下、添付図面に基づき本発明の好ましい実
施例について詳細に説明する。図1は本発明の端面加工
方法の実施対象である硬脆質薄板の積層体を例示する斜
視図であり、図2は本発明に係る端面加工方法を実施す
るためのブラスト装置の斜視図である。以下に説明する
添付図面において、同じ部位、部品であれば、それらに
図5の符号と同じ符号を付する。先ず、接着剤層4を介
して多数の、通常80乃至100枚程度の硬脆質薄板2
を積層して積層体(図1の積層体1とほぼ同様な構成で
寸法のより大きいもの)を形成する。次いで、切断工程
において、積層体を所定の寸法に切断して図1に示すよ
うな直方体状の積層体1を形成し、ブラスト発生装置に
移送する。積層体1の切断面は、図5に示すように、硬
脆質薄板2の端面3の周縁エッジ8にチッピング又はバ
リ7を有する。図1に示す積層体1において、硬脆質薄
板2は、水晶振動子の素材であって、各々が約0.5乃
至1mmの厚さを有し、接着剤層4の各層は、例えば、5
乃至10μm程度の厚さを有する。接着剤4として、硬
脆質薄板2よりも研削速度が速いものが選ばれており、
好適には、ワックス系の軟質な接着剤が使用される。
【0015】ブラスト発生装置として図2に示すような
市販のパウダービーム加工機10を使用する。パウダー
ビーム加工機10は、微粒子状の砥粒を気流に同伴させ
て被加工物に噴射し、被加工物の研削加工を行うように
構成されていて、裁断された積層体1を所定の位置に位
置決めする左右の枠体12、12と、積層体1の切断面
にブラストを吹き付けるブラスト噴射ノズル部14とを
備えている。パウダービーム加工機10に移送した積層
体1は、切断面を上に向けた状態で、枠体12、12の
間に位置決めされている。
【0016】ブラスト噴射ノズル部14は、吐出チャン
バ16と、吐出チャンバ16に接続された砥粒搬送路1
8とを備えている。砥粒搬送路18は、圧搾エアー源及
び砥粒源に接続され、圧搾エアーによって砥粒を搬送し
て吐出チャンバ16内に導入する。吐出チャンバ16の
下部には、ブラストSを噴出する多数の吐出ノズル20
が、積層体1の上面に対向するように配向されている。
吐出ノズル20は、積層体1に直角方向にブラストSを
吐出するように配位され、かつ積層体1の幅よりも若干
長い長さにわたり、更に吐出チャンバ16の幅(図2で
M方向)にわたって、ほぼ一様に分散配置されている。
吐出チャンバ16に圧送された砥粒は、吐出ノズル20
から噴出する圧搾エアーに同伴されて、ブラストSとし
て吐出し、積層体1の上面に吹付けられる。
【0017】パウダービーム加工機10は又、図2に示
す矢印M方向にブラスト噴射ノズル部14を積層体1の
上方で平行移動させる手段を備え、ブラストSが各硬脆
質薄板2の端面に実質的に直角に当たるように、噴射ノ
ズル部14を移動させる。この平行移動手段として、ブ
ラスト噴射ノズル部14を矢印M方向に走査せしめるノ
ズル走査装置(図示せず)が設けられており、ブラスト
噴射ノズル部14は、所定の速度で矢印M方向に往復動
する。
【0018】図3及び図4は、ブラストSによる積層体
1の端面加工の加工原理を概略的に示す積層体1の部分
縦断面図であって、図3は加工開始直後の状態を示し、
図4は加工終了直前の状態を示す。図3に示す如く、ブ
ラストSは、積層体1の硬脆質薄板2の端面3及び接着
剤層4の端面5に衝突する。加工初期の段階では、両端
面3、5は、連続して実質的に一つの平面を構成してお
り、ブラストSは、端面3、5に対して直角に衝突す
る。ブラストSを端面3、5に衝突させ続けている間
に、研削性の良い接着剤層4の研削が、硬脆質薄板2に
比較して速やかに進行し、図4に示す如く、接着剤層4
の端面5は、えぐり取られて下方に後退し、積層体1内
に引込む。この結果、硬脆質薄板2の端面3の周縁エッ
ジ8(図5参照)が露出するので、砥粒は、端面3の周
縁エッジ8に衝突してそこを研削し、該周縁エッジ8の
チッピング又はバリ7(図5参照)を除去する。かくし
て、図6に示すように、端面3の周縁エッジ8は、ブラ
ストSにより、滑らかな湾曲面Rの形態に成形される。
尚、図6は、本発明に係る端面加工方法を適用した積層
体1の切断面6を模式的に示した断面図である。
【0019】実験例1 図2に示すパウダービーム加工機10を用いて、本発明
に係る硬脆質薄板の端面加工方法を以下の加工条件で実
施し、実験例1とした。本実験例の積層体では、図5に
示すように、積層体の切断面が硬脆質薄板の端面と接着
剤層の端面とが面一になるように切断されている。 硬脆質薄板の材質 :水晶 接着剤 :ワックス系の接着剤 積層体の寸法 :10mm×30mm 砥粒の材質 :炭化珪素(Sic) 砥粒の平均粒径 :3μm 噴射圧力 :約2.0kgf/c
2 (0.2MPa) 単位時間当たりの砥粒の噴射量 :30g/min ブラスト噴射ノズル部の幅 :20mm ブラスト噴射ノズル部の走査速度:30mm/min ブラスト噴射ノズル部の走査回数:6往復(積層体片面
当たり約30秒) なお、試験前における硬脆質薄板の端面の周縁エッジに
は、5乃至10μm程度のチッピングが確認された。
【0020】上記実験の結果は、以下の通りであった。
なお、光学顕微鏡及び触針式表面粗度計(テンコールイ
ンスツルメンツ社製、α─ステップ)にて実験後の硬脆
質薄板の検査を行った。 硬脆質薄板(水晶)の加工量 :約10μm強 硬脆質薄板(水晶)の加工速度 :0.5μm/
秒 ブラスト噴射ノズル部の走査1往復当たりの加工速度
:2μm/約4秒(所要時間約4秒) 端面エッジの湾曲面の曲率半径(R) :約5乃至10
μm また、上記触針式表面粗度計にて、端面3の表面粗度を
検査した結果、試験前の端面3及び試験後の端面3にお
ける表面粗度の実質的な変化は、確認できなかった。
【0021】実験例2 図7に示すように、硬脆質薄板2の端面3が接着剤層4
の端面5より20μm程度出っ張って外部に露出してい
るような積層体に対して、同じく、図2に示すパウダー
ビーム加工機10を用いて、本発明に係る硬脆質薄板の
端面加工方法を実施し、実験例2とした。積層体の相違
を除いて、ブラストの条件は、実験例1と同じであっ
た。実験例2の結果は、実施例1の結果とほぼ同じであ
った。
【0022】上記パウダービーム加工機10の端面加工
方法において、加工特性(表面粗度及び加工速度)に影
響を与える因子として、砥粒の材質、砥粒の大きさ、噴
射圧力及び単位時間当たりの砥粒の噴射量が挙げられ
る。また、ブラスト噴射ノズル部14の走査速度及び走
査回数によって、加工量を制御することができる。更
に、砥粒粒子の粒径の増大により、加工速度を増大させ
ることができるが、反面、端面3の表面粗度が粗くなる
と判った。従って、テストピースの予備実験によりブラ
ストの最適な条件を定めることが望ましい。また、上記
試験では、硬脆質薄板2の加工量は約10μm強であっ
たが、加工量を数μm程度に抑制することも可能であ
る。
【0023】以上の如く、上記パウダービーム加工機1
0を用いた本実施例の端面加工方法においては、砥粒を
含む気流ブラストSをブラスト噴射ノズル部14から吐
出して、図3に示すように積層体1の硬脆質薄板2及び
接着剤4の端面3、5に砥粒を直角に衝突させる。その
結果、図5に示すような切断面を有する積層体1では、
ブラストSが軟質で研磨速度の速い接着剤層4を先ず最
初に研削し、図6に示すように硬脆質薄板2の端面3の
周縁エッジ8を露出させ、次いで、ブラストSが露出し
た周縁エッジ8に衝突してそこのチッピング又はバリ7
を除去すると共に研磨して、アール形状Rを付与する。
【0024】また、図7に示すように、接着剤層4の端
面5が、硬脆質薄板2の端面3よりも窪んだ位置に予め
位置するように積層体6を形成した場合には、硬脆質薄
板2の端面3の周縁エッジ8が始めから外部に露出して
おり、ブラストSが露出した周縁エッジ8に衝突して、
そこのチッピング又はバリ7を除去すると共に研磨し
て、図6に示すようにアール形状Rを付与する。
【0025】かくして、ブラストSにより、周縁エッジ
8付近のチッピング又はバリ7が除去されると共に端面
3の周縁エッジ8には図6に示すような丸みRが付けら
れる。周縁エッジ8に丸みRが形成されていると、後続
の工程において、周縁エッジ8が他の硬脆質薄板の端面
に衝突したとしても、その面を傷付けて、チッピング又
はバリを発生させるようなことがない。また、実験例で
示す通り、硬脆質薄板2の端面3の表面粗度は、本発明
に係る硬脆質薄板の端面加工の前後で変化していない。
換言すれば、硬脆質薄板2は、ブラストSにより損傷を
受けていないことが確認された。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明による硬脆質薄板の端面
加工方法では、気流に砥粒を同伴させたブラストを硬脆
質薄板の切断端面に吹付けることにより、該端面に形成
されたチッピング又はバリを除去するとともに、該端面
の周縁エッジに丸みを形成する。これにより、後続の工
程において、硬脆質薄板の端面が、他の硬脆質薄板の面
に衝突したとしても、そこにチッピング又はバリ等の不
定形破断片を形成するようなことがない。請求項2の発
明による硬脆質薄板の端面加工方法では、硬脆質薄板と
研削性の良い接着剤層とを交互に重ね合わして積層体を
形成し、気流に砥粒を同伴させたブラストを積層体の側
面に吹付け、硬脆質薄板と接着剤との硬度等の相違によ
り生じる研磨速度の差をを利用して、能率よく、また硬
脆質薄板自体に損傷を与えることなく、ブラストによっ
て硬脆質薄板の端面のチッピング又はバリを除去すると
ともに、該端面のエッジに丸み形状を付与することがで
きる。請求項3の発明による硬脆質薄板の端面加工方法
では、硬脆質薄板の端面が接着剤層の端面より出っ張っ
て外部に露出しているように、硬脆質薄板と接着剤層と
を交互に重ね合わして積層体を形成し、気流に砥粒を同
伴させたブラストを積層体の側面に吹付けることによ
り、能率よく、また硬脆質薄板自体に損傷を与えること
なく、ブラストによって硬脆質薄板の端面のチッピング
又はバリを除去するとともに、該端面のエッジに丸み形
状を付与することができる。従って、本発明に係る硬脆
質薄板の端面加工方法を実施することにより、後続工程
におけるチッピング又はバリの再発生を防止し、製品形
状の安定化及び製品の歩留りの向上を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の端面加工方法を実施する上で形成した
硬脆質薄板の積層体を例示する斜視図である。
【図2】本発明の端面加工方法を実施するためのブラス
ト装置の斜視図である。
【図3】加工開始直後の端面の状態を概略的に示す積層
体の部分縦断面図である。
【図4】加工終了直前の端面の状態を概略的に示す積層
体の部分縦断面図である。
【図5】積層体の切断面を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明に係る端面加工方法を適用した積層体の
切断面を模式的に示す断面図である。
【図7】別の態様の積層体の切断面を模式的に示す断面
図である。
【符号の説明】
1 積層体(切断後) 2 硬脆質薄板 3 端面 4 接着剤 5 端面 6 積層体の切断面 7 不定形破断片 8 端面の周縁エッジ 10 パウダービーム加工機 12 枠体 14 ブラスト噴射ノズル部 16 吐出チャンバ 18 砥粒搬送路 20 吐出ノズル R 湾曲面、アール S ブラスト

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気流に砥粒を同伴させたブラストを硬脆
    質薄板の切断端面に吹付け、該端面に形成されたチッピ
    ング又はバリを除去するとともに、該端面の周縁エッジ
    に丸みを付けることを特徴とする硬脆質薄板の端面加工
    方法。
  2. 【請求項2】 硬脆質薄板と、研削性の良い接着剤層と
    を交互に重ね合わして積層体を形成し、 硬脆質薄板の端面と接着剤層の端面とからなる積層体側
    面に、気流に砥粒を同伴させたブラストを吹付け、 それによって、前記接着剤層を磨損させて、積層体側面
    から前記硬脆質薄板の各端面の周縁エッジを露出させ、
    該端面に形成されたチッピング又はバリを研削、除去す
    るとともに、該周縁エッジに丸みを付けることを特徴と
    する硬脆質薄板の端面加工方法。
  3. 【請求項3】 硬脆質薄板の端面が接着剤層の端面より
    出っ張って外部に露出しているように、硬脆質薄板と接
    着剤層とを交互に重ね合わして積層体を形成し、 硬脆質薄板の端面と接着剤層の端面とからなる積層体側
    面に、気流に砥粒を同伴させたブラストを吹付け、 それによって、該端面に形成されたチッピング又はバリ
    を研削、除去するとともに、該端面の周縁エッジに丸み
    を付けることを特徴とする硬脆質薄板の端面加工方法。
JP13415593A 1993-05-13 1993-05-13 硬脆質薄板の端面加工方法 Pending JPH06320425A (ja)

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JP2007039287A (ja) * 2005-08-04 2007-02-15 Fujinon Sano Kk 基板の面取り方法及び光学部品の製造方法
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CN113305747A (zh) * 2021-06-25 2021-08-27 天津大学 一种用于不同粗糙度的断层模型的制备设备

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