JP2024067076A - エアーブラスト機、及びエアーブラスト方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】鋳物等の比較的大きな形状のワークに対して均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことを課題とする。【解決手段】ワークに対して表面処理を行うエアーブラスト機であって、エアーとともに研磨材を噴射するノズル1a、1bと、前記ノズル1a、1bを少なくとも一の方向に移動させる移動機構と、前記ノズルを揺動方向に揺動させる揺動機構と、前記ワークを載置して回転可能なターンテーブル6と、を備えたことを特徴とするエアーブラスト機100とした。【選択図】図4
Description
本発明は、ワーク表面を均等に表面処理できるエアーブラスト機、及びエアーブラスト方法に関するものである。
錆のついた金型等のワークに対して、錆の除去、彫刻、穴あけ等の表面処理をするためにノズルから微小な研磨材をエアーとともに噴射するエアーブラスト処理が行われている。
エアーブラスト処理においては、ワーク全面にできるだけ均等に研磨材を噴射するため、ノズルを揺動させたりする工夫が行われている。
特許文献1には、極微小なワークを回転テーブルに載置して回転させるとともに、研磨材を噴射するノズルを揺動させる事項が記載されている。
特許文献1:特開2002-113662号公報
しかしながら、特許文献1に記載のものは、極微小なワークに対しては効果を発揮するが、ワークが鋳物など比較的大きく立体的な形状の場合等では、十分にワーク全面に均等に研磨材を噴射することができない恐れがあるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決して、鋳物等の比較的大きく立体的な形状のワークに対して均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことを課題とする。
上記課題を解決するために本発明は、ワークに対して表面処理を行うエアーブラスト機であって、
エアーとともに研磨材を噴射するノズルと、
前記ノズルを一の方向に移動させる移動機構と、
前記ノズルを揺動方向に揺動させる揺動機構と、
前記ワークを載置して回転可能なターンテーブルと、を備えたことを特徴とするエアーブラスト機を提供するものである。
エアーとともに研磨材を噴射するノズルと、
前記ノズルを一の方向に移動させる移動機構と、
前記ノズルを揺動方向に揺動させる揺動機構と、
前記ワークを載置して回転可能なターンテーブルと、を備えたことを特徴とするエアーブラスト機を提供するものである。
この構成により、鋳物等の比較的大きく立体的な形状のワークに対して均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
エアーブラスト機であって、前記ノズルの前記揺動方向は、前記一の方向と交差する方向である構成としてもよい。
この構成により、表面処理の速度を向上させるとともに、より均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
エアーブラスト機であって、前記ターンテーブルは、正逆いずれの方向にも回転可能である構成としてもよい。
この構成により、ノズルの揺動方向とターンテーブルの回転方向とが順方向か逆方向かに起因する立体物に対する研磨材噴射の偏りや濃淡をなくし、さらに均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
エアーブラスト機であって、前記移動機構が前記ノズルを移動させることにより、前記ターンテーブルの半径に相当する範囲に前記研磨材を噴射可能である構成としてもよい。
この構成により、ターンテーブルの回転と連携して効率的にワークに対して研磨材を噴射することができる。
さらに、上記課題を解決するために本発明は、ワークに対して表面処理を行うエアーブラスト方法であって、 回転するターンテーブルに載置した前記ワークに対して、移動機構により一の方向に移動するノズルからエアーとともに研磨材を噴射するとともに、 前記ノズルが揺動方向に揺動することを特徴とするエアーブラスト方法を提供するものである。
この構成により、鋳物等の比較的大きく立体的な形状のワークに対して均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
本発明のエアーブラスト機、及びエアーブラスト方法により、鋳物等の比較的大きく立体的な形状のワークに対して均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
本発明の実施例1のエアーブラスト機について、図1~図3を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1におけるエアーブラスト機を説明する図であり、(a)は研磨材回収分離部を説明する正面図、(b)は研磨材噴出部を説明する正面図、(c)は研磨材噴出部を説明する右側面図である。図2は、本発明の実施例1におけるノズルの動きを説明する正面図である。図3は、本発明の実施例1におけるノズルの動きを説明する側面図である。図4は、本発明の実施例1における研磨材噴射領域を説明する図である。図5は、比較例における研磨材噴射領域を説明する図である。
実施例1におけるエアーブラスト機100は、研磨材をエアーとともにワークWに噴射して表面処理を行う研磨材噴出部10と、噴射した研磨材を回収して粉塵を分離し再度の噴射に備える研磨材回収分離部20とを備えている。
ワークWを載置して回転するターンテーブル6は図1(c)に示すように一方の方向(図1におけるY方向)に引き出すことができる。そして、引き出したターンテーブル6の上にワークWを載置して研磨材噴出部10に押し込む。研磨材噴出部10内で研磨材を噴射するときは、ターンテーブル6を回転させてできるだけ均等に研磨材がワークWに当たるようにする。研磨材はルーツブロア23から噴射されたエアーとともに揺動するノズル1a、1bから噴出させるが、詳細は後述する。なお、実施例1においては、ルーツブロア23によってエアーを噴射するようにしたが、コンプレッサを用いてエアーを噴射するようにしてもよい。
なお、実施例1における研磨材は、アルミナ、ガラスビーズ、スチールショット等の主に0.1mm以下からなる微小片で構成される。また、ワークWは、錆のついた鋳物等であり、研磨材により錆を除去するように表面処理を行う。
噴射された研磨材は、ワークに当たったものも当たらなかったものも粉塵といっしょに図示しないダクト等を経由して研磨材回収分離部20に導かれる。研磨材回収分離部20に導かれた粉塵と研磨材は集塵ダクトホース24を経由してサイクロン状の下部ホッパー21に導かれる。下部ホッパー21では、重い研磨材は下に落下するとともに、軽い粉塵は上昇して図示しない集塵フィルターで捕集され、クリーンなエアーのみ外部に排出される。落下した研磨材は下部ホッパー21の下に設けられた研磨材タンク22に蓄えられ、再度の噴射に備える。
研磨材タンク22の研磨材は、エアーと合流して自動ブラスト側ブラストホース25を経由してノズル1a、1bからエアーとともにワークWへ噴射される。実施例1におけるエアーブラスト機においては、自動ブラスト側ブラストホース25以外に手作業側ブラストホース26を備えており、研磨材噴出部10内において手動で研磨材をエアーとともに噴出させることができるが、手作業側ブラストホース26は必ずしも備えていなくてもよい。
次に、研磨材噴出部10内における研磨材噴射について説明する。図2、図3に示すように、研磨材を噴射するノズル1a、1bはX方向に離れた位置から内側に向かって噴射するように傾斜して設けられている。実施例1における傾斜角αは30°であるが、必ずしも30°でなくてもよく適宜変更が可能である。
ノズル1a、1bは、ノズル移動駆動部4とX軸スライダー2からなる移動機構によりX軸方向にターンテーブル6の半径に相当する距離だけ移動することができる。これにより、ターンテーブル6の端部から中心までの半径に相当する範囲に研磨材を噴射させることができ、後述のように効率よくワークWにまんべんなく研磨材を噴射することができる。図2におけるノズル1a´、1b´は、+X方向に移動してターンテーブル6の中心位置にあることを示すものである。ノズル1a、1bは、+X方向の移動機構端部まで移動すると、折り返して逆方向のーX方向に移動するように制御することができる。
図3に示すように、ノズル1a、1bはノズル揺動駆動部5とリンク機構3a、3bからなる揺動機構により揺動させることができる。揺動方向は、移動機構によりノズル1a、1bが移動される方向とは交差(実施例1においては略直交。)するY方向である。これにより、ワークWに対してより均等に研磨材を噴射させることができる。実施例1における揺動角θは60°であるが、必ずしも60°でなくてもよく、適宜変更が可能である。ワークWに適した揺動角を選択することができる。
また、前述したように、研磨材を噴出しているときには、ターンテーブル6を反時計方向に回転させて載置されたワークWに均一に研磨材を噴射できる。
なお、実施例1においては、ノズル1aを1個、ノズル1bを1個備えるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。ノズル1aを複数備え、ノズル1bを複数備えるようにしてもよく、ノズル1aの個数とノズル1bの個数を異ならせてもよい。
また、実施例1においては、ターンテーブル6を反時計方向に回転させるようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、時計方向に回転させてもよいし、反時計方向及び時計方向の正逆両方向に回転させるようにしてもよい。正逆両方向に回転させる場合は、一定時間反時計方向に回転させ、その後、一定時間時計方向に回転させるようにし、一定時間は変更が可能にし、また、反時計方向の一定時間と時計方向の一定時間を異なるものにしてもよい。正逆両方向に回転させることにより、ノズルの揺動方向とターンテーブルの回転方向とが順方向か逆方向かに起因する立体物に対する研磨材噴射の偏りや濃淡をなくし、さらに均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
なお、実施例1においては、移動機構によりノズル1a、1bを移動させる方向をX方向とし、ノズル1a、1bが揺動する方向をY方向としたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、移動方向をY方向とし、揺動方向をX方向としてもよく、互いに略直交する方向ではなく斜めに交差する方向としてもよい。
さらに、ノズル1a、1bを揺動方向と交差する方向及び揺動方向と同一方向の2方向に移動させるようにしてもよく、少なくとも一の方向にノズル1a、1bを移動させればよい。
また、実施例1においては、移動機構によるノズル1a、1bの移動はターンテーブル6の半径に相当する距離として、研磨材をターンテーブル6の半径に相当する端部から中心までの範囲に噴射するようにしたが、必ずしもこれに限定されず適宜変更が可能である。例えば、ターンテーブル6の半径に相当する範囲を超える範囲に研磨材を噴射してもよい。
(エアーブラスト方法) まず、ターンテーブル6を研磨材噴出部10の外に一方の方向(図1におけるY方向)に引き出して、ワークWを載置する。ワークWは小さいものであれば、複数載置できる。その場合は、ターンテーブル6の円周端部に沿って載置するとよい。ターンテーブル6にワークWを載置したらターンテーブル6を研磨材噴出部10の中に押し込む。
ターンテーブル6が研磨材噴出部10の中に入ったら、ターンテーブル6を反時計回りに回転させる。回転速度は任意であるが、ノズルの揺動と連携するように回転速度を調整するのがよい。次に、ターンテーブル6に載置した回転するワークWに対して、移動機構によりX方向(一の方向)に移動するノズル1a、1bからエアーとともに研磨材を噴射し、X方向(一の方向)と交差するY方向(揺動方向)にノズル1a及びノズル1bを揺動させる。これにより、図4に示すように、ノズル1aから噴射された研磨材が噴射領域7aに噴射されるとともに、ノズル1bから噴射された研磨材が噴射領域7bに噴射される。
図4を参照して、実施例1における研磨材噴射の様子を説明する。図4は、(a)から(f)まで時系列に研磨材がワークWに対して噴射される様子を示しており、図中のワークWが黒く塗りつぶされた領域は研磨材が命中した領域である。なお、図4においては、ノズル1a、1bをそれぞれ2個有した場合を示し、噴射領域7a、7bをそれぞれ2箇所に記載している。ノズル1aとノズル1bは、それぞれ対向して配置され、各対向したノズルの方向における噴射領域7a、7bにターンテーブル6に向けて研磨材を噴射する。
ターンテーブル6の右端の位置において、ノズル1a、1bが揺動機構により揺動させられながら研磨材が噴射されると、ターンテーブル6が反時計方向に回転を始めるとともに、揺動方向とは交差する方向(ターンテーブル6の中心に向かう方向)にノズル1a、1bが移動機構により移動して噴射領域7a、7bが移動する。図4(a)の位置では、ワークWに2本の線が入ったように噴射領域7a、7bが黒く示されている。
図4(b)では、ターンテーブル6が30°反時計方向に回転するとともに、ノズル1a、1bが左方向(ターンテーブル6の中心に向かう方向)に移動し、噴射領域7a、7bの位置はターンテーブル6の中心と右端部との間にある。このとき、ワークWに研磨材が噴射された領域面積は全体の約4/5程度となっている。
図4(c)では、ターンテーブル6が60°反時計方向に回転した位置で、噴射領域7a、7bはターンテーブル6の中心に近い位置まで移動している。これにより、ほぼターンテーブル6の半径に相当する範囲に研磨材を噴射していることになる。このとき、ワークWに研磨材が噴射された領域は全体の約4/5よりも少し大きい領域となっている。
図示していないが、ノズル1a、1bは、ターンテーブル6の中心付近まで移動すると、今度は移動方向を反転させターンテーブル6の右端方向に向かって移動を始める。そして、ターンテーブル6の右端まで移動すると、また移動方向を反転させターンテーブル6の中心方向に向かって移動を始める(図4(d)―(f)参照)。
そして、図4(e)の位置にノズル1a、1bが移動しターンテーブル6が回転してくると、図4(c)の位置では、白く示されている研磨材未噴射領域にも研磨材が噴射されワークW全域に研磨材が噴射された状態となる。
この
ように、ワークWが載置されたターンテーブル6が回転しノズル1a、1bが揺動しながらワークWに研磨材を噴射するとともに、ノズル1a、1bが移動することでワークW全体にほぼ均一に研磨材を噴射することができる。この図4の例では、わかりやすくするため平坦なワークWで研磨材噴射の様子を説明したが、ワークWは実際には複雑に入り組んだ立体形状のものもあり、その場合には特に効果を発揮することができる。
ように、ワークWが載置されたターンテーブル6が回転しノズル1a、1bが揺動しながらワークWに研磨材を噴射するとともに、ノズル1a、1bが移動することでワークW全体にほぼ均一に研磨材を噴射することができる。この図4の例では、わかりやすくするため平坦なワークWで研磨材噴射の様子を説明したが、ワークWは実際には複雑に入り組んだ立体形状のものもあり、その場合には特に効果を発揮することができる。
なお、ノズル1a、1bを一の方向に移動させることに替えて、この一の方向と交差する方向に多くのノズルを並べて配置し同時に研磨材を噴射してもよく似た効果が得られるが、ノズル数を増やすと、増やした分のエアー量が増加するとともに、噴射後の粉塵と研磨材を回収するための研磨材回収分離部20の回収能力の向上が必要となるため、コスト増や設備面積拡大等のデメリットが大きい。したがって、ノズル1a、1bを一の方向に移動させることがコスト面、設備敷地面積の点において大きなメリットを有している。
次に、従来のノズル1a、1bが移動しない場合の比較例について、図5を参照して説明する。この場合、ノズル1a、1bが移動しない以外は、図4の実施例1と同じ動作を行う。つまり、ノズル1a、1bは揺動しワークWを載置したターンテーブル6は反時計方向に回転する。
図5の比較例では、(a)の位置から(f)の位置まで、ターンテーブル6が回転しながらノズル1a、1bから噴射領域7a、7bに研磨材を噴出しているが、(f)の位置までターンテーブル6が270°回転してもワークWには白く示された領域には研磨材が噴出されていない様子がわかる。つまり従来の場合は、研磨材のワークWに対する噴射むらが発生する。
このように、実施例1においては、ワークに対して表面処理を行うエアーブラスト機であって、 エアーとともに研磨材を噴射するノズルと、 前記ノズルを少なくとも一の方向に移動させる移動機構と、 前記ノズルを揺動方向に揺動させる揺動機構と、 前記ワークを載置して回転可能なターンテーブルと、を備えたことを特徴とするエアーブラスト機により、比較的大きく立体的な形状のワークに対して均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
また、ワークに対して表面処理を行うエアーブラスト方法であって、 回転するターンテーブルに載置した前記ワークに対して、移動機構により少なくとも一の方向に移動するノズルからエアーとともに研磨材を噴射するとともに、 前記ノズルが揺動方向に揺動することを特徴とするエアーブラスト方法により、比較的大きく立体的な形状のワークに対して均等に研磨材を噴射して表面処理を行うことができる。
本発明におけるエアーブラスト機、及びエアーブラスト方法は、錆等の表面処理分野に広く適用することができる。
1(1a、1b):ノズル 1´(1a´、1b´):移動後のノズル 2:X軸スライダー 3(3a、3b):リンク機構 4:ノズル移動駆動部 5:ノズル揺動駆動部 6:ターンテーブル 7(7a、7b):噴射領域 10:研磨材噴出部 11:メンテナンス扉 20:研磨材回収分離部 21:下部ホッパー 22:研磨材タンク 23:ルーツブロア 24:集塵ダクトホース 25:自動ブラスト側ブラストホース 26:手作業側ブラストホース 100:エアーブラスト機 W:ワーク
Claims (5)
- ワークに対して表面処理を行うエアーブラスト機であって、
エアーとともに研磨材を噴射するノズルと、
前記ノズルを少なくとも一の方向に移動させる移動機構と、
前記ノズルを揺動方向に揺動させる揺動機構と、
前記ワークを載置して回転可能なターンテーブルと、を備えたことを特徴とするエアーブラスト機。 - 前記ノズルの前記揺動方向は、前記一の方向と交差する方向であることを特徴とする請求項1に記載のエアーブラスト機。
- 前記ターンテーブルは、正逆いずれの方向にも回転可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアーブラスト機。
- 前記移動機構が前記ノズルを移動させることにより、前記ターンテーブルの半径に相当する範囲に前記研磨材を噴射可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエアーブラスト機。
- ワークに対して表面処理を行うエアーブラスト方法であって、
回転するターンテーブルに載置した前記ワークに対して、移動機構により少なくとも一の方向に移動するノズルからエアーとともに研磨材を噴射するとともに、
前記ノズルが揺動方向に揺動することを特徴とするエアーブラスト方法。
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