JPH06295012A - 写真印画紙用支持体 - Google Patents

写真印画紙用支持体

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JPH06295012A
JPH06295012A JP3088094A JP3088094A JPH06295012A JP H06295012 A JPH06295012 A JP H06295012A JP 3088094 A JP3088094 A JP 3088094A JP 3088094 A JP3088094 A JP 3088094A JP H06295012 A JPH06295012 A JP H06295012A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】抄紙工程におけるワイヤー上の紙料の水切れが
良好であると共にロール汚れが発生しない上、現像時に
おける現像液の浸透が少ない写真印画紙用支持体を提供
すること。 【構成】原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆してな
る写真印画紙用支持体において、前記原紙が、エポキシ
化高級脂肪酸アミド及び/又はアルキルケテンダイマー
と前記エポキシ化高級脂肪酸アミド以外のカチオン性物
質をパルプスラリーに添加し、パルプ濃度を0.1〜
1.5重量%に調整した後、得られたパルプスラリー
に、アニオン性コロイダルシリカ及び/又はアニオン性
ベントナイトを添加し抄紙してなることを特徴とする写
真印画紙用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真印画紙用支持体に関
し、特に、切断面端部からの現像液の浸透を著しく低減
させることができると共に、写真印画紙用支持体の製造
工程におけるワイヤー上での水切れを改善することので
きる原紙を用いた写真印画紙用支持体に関する。
【0002】
【従来技術】近年、写真印画紙用支持体として、写真の
現像・定着処理における処理液の浸透を防止すると共
に、水洗や乾燥等の時間の短縮を図るために、原紙の両
面をポリエチレン等のポリオレフィンにより被覆した、
耐水性写真印画紙用支持体が好んで用いられている。
【0003】一方、原紙に関しては、抄紙工程において
アニオン性サイズ剤、アニオン性紙力増強剤、更に、こ
れらアニオン性薬品をパルプに定着させることを目的と
する安価なアルミニウム塩が紙料に添加され、結果的に
酸性を示す、いわゆる酸性紙が用いられてきた。しかし
ながら、原紙強度の保存性改善、抄紙工程における白水
のクローズド化、設備の腐食防止等の点で有利な中性紙
が、近年一般紙において広く使用されるようになった。
【0004】ところで、印画紙用支持体原紙としては、
現像処理時における該支持体の切断面からの現像液の浸
透を防ぐために、強サイズ紙が必要である。従って、印
画紙用支持体原紙として中性紙を使用する場合には、サ
イズ剤として自己定着性のあるアルキルケテンダイマー
が使用されると共に、紙力剤としてカチオン性ポリアク
リルアミドを用いなければならない。
【0005】この場合、紙料のpHが6.0〜8.5に
おける抄紙は、酸性域(紙料pH=3.5以上、6.0
未満)での抄紙と比べて、ワイヤー上での水切れが劣り
乾燥負荷が増すという問題が生ずる上、アルキルケテン
ダイマーをサイズ剤として用いるために、プレスロール
等のロール汚れが発生したり、抄紙された原紙の表面が
滑り易くなるという欠点を有している。
【0006】上記の欠点を解決すべく鋭意検討した結
果、本発明者等は、サイズ剤として、エポキシ化高級脂
肪酸アミド及び/又はアルキルケテンダイマーと共に、
他のカチオン性物質をパルプスラリーに添加して、パル
プ濃度を0.1〜1.5%の範囲内に調整し、更にアニ
オン性コロイダルシリカ及び/又はアニオン性ベントナ
イトを添加して抄紙することにより、抄紙工程における
ワイヤー上での水切れ並びにウェットプレスでの搾水性
を改善することができる上、乾燥の負荷を低減させるこ
とができること、及びこのようにして得られる原紙が平
滑性並びに紙力強度の点で優れ、該原紙の両面をポリオ
レフィン樹脂で被覆して写真印画紙用支持体とした場合
には、その切断面からの現像液の浸透が著しく少なくな
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、抄紙工程におけるワイヤー上の紙料の水切れが良好
であると共にロール汚れが発生しない上、現像時におけ
る現像液の浸透が少ない写真印画紙用支持体を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆してなる写真印
画紙用支持体において、前記原紙が、エポキシ化高級脂
肪酸アミド及び/又はアルキルケテンダイマーと前記エ
ポキシ化高級脂肪酸アミド以外のカチオン性物質をパル
プスラリーに添加し、パルプ濃度を0.1〜1.5重量
%に調整した後、得られたパルプスラリーに、アニオン
性コロイダルシリカ及び/又はアニオン性ベントナイト
を添加し抄紙してなることを特徴とする写真印画紙用支
持体によって達成された。
【0009】本発明で使用するエポキシ化高級脂肪酸ア
ミドはサイズ剤として作用するものであり、その具体例
としては、例えば特公昭38−20601号及び同39
−4507号公報並びに米国特許第3,692,092
号に記載されているような脂肪酸と多価アミンの縮合に
より得られるもの、特開昭51−1705号公報に記載
されているような、アルケニルコハク酸と多価アミンと
の反応により得られるもの等を挙げることができる。
【0010】本発明においては、上記脂肪酸の中でも炭
素数8ないし30の脂肪族モノカルボン酸及び多価カル
ボン酸が好ましく、特に炭素数12〜25のものが好ま
しい。このような脂肪族カルボン酸の具体例としては、
例えばステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミ
チン酸、アラキン酸、ベヘン酸、トール油脂肪酸、アル
キルコハク酸、アルケニルコハク酸等を挙げることがで
きるが、これらの中でも特にベヘン酸が好ましい。
【0011】又、前記多価アミンとしては、ポリアルキ
レンポリアミンが好ましく、中でもアミノ基を2ないし
3個有するものが好ましい。具体例としてはジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレン
ペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ジプロピレン
トリアミン、トリプロピレンテトラミン、アミノエチル
エタノールアミン等が挙げられる。
【0012】反応における脂肪族カルボン酸と多価アミ
ンの量は、カルボキシル基に対してアミノ基が過剰とな
るように行う。この場合、サイズ剤の粒子を細かくする
ために脂肪族カルボン酸と多価アミンの反応後に、必要
に応じて更に尿素、アジピン酸、マレイン酸、フタル
酸、ギ酸、ホルマリン等を反応させることによって変性
させても良く、特公昭42−2922号、同45−28
722号及び特開昭50−116705号の各公報に記
載されているように、脂肪族カルボン酸と多価アミンと
の反応時に、ロジン石油樹脂、α,β−不飽和多塩基酸
付加ロジン、α,β−不飽和多塩基酸付石油樹脂等を共
存させて反応させることによって、変性しても良い。こ
れら脂肪族カルボン酸と多価アミンよりなるカチオン系
サイズ剤の変性のために用いる素材は、白色度の低下や
サイズ性の低下等が生じない範囲で使用される。
【0013】多くの場合、脂肪族カルボン酸と多価アミ
ンとの反応物を水溶性又は水分散性とするため、無機酸
及び有機酸によって塩とするか、ハロゲン化アルキル、
ベンジルクロライド、エチレンクロルヒドリン、エピク
ロルヒドリン、エチレンオキサイド等によって変性し、
第4級塩とすることが必要である。広いpH範囲でカチ
オン性を保ち、又、機械的攪拌によりパルプからサイズ
剤が脱落することがないようにするためにも、第4級塩
にすることが望ましい。特に、エピクロルヒドリンとの
反応により第4級塩とした場合にサイズ効果が大きい。
エポキシ化高級脂肪酸アミドの添加量は、対絶乾パルプ
当たり2.0重量%以下、好ましくは0.1重量%〜
2.0重量%の範囲で適宜添加することができる。
【0014】本発明で使用するアルキルケテンダイマー
は、下記化1で表される化合物であることが好ましい。
【化1】 化1式中のRはアルキル基であり、R中の炭素原子数は
8〜30であることが好ましく、特に好ましくは12〜
20であり、最も好ましくは20である。上記のアルキ
ルケテンダイマーは、後述するカチオン化澱粉及び/又
は界面活性剤と共に乳化分散した乳化分散物として、パ
ルプスラリーに添加することが好ましい。上記界面活性
剤は、公知のもの中から適宜選択して用いることができ
る。アルキルケテンダイマーの添加量は、対絶乾パルプ
当たり0.05重量%〜5重量%であり、好ましくは
0.1重量%〜1.5重量%である。
【0015】本発明において、エポキシ化高級脂肪酸ア
ミド及び/又はアルキルケテンダイマーと併用するカチ
オン性物質としては、カチオン性ポリアクリルアミド、
両性ポリアクリルアミド、カチオン性デンプン、水溶性
アルミニウム塩、ポリアミドポリアミンエピクロルヒド
リン等が好ましい。これらは、2種以上を併用しても良
い。アクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合によ
り得られる上記のカチオン性ポリアクリルアミド(以下
共重合タイプのカチオン性ポリアクリルアミドと略す)
は、分子量が50〜150万のものが好ましく、特に7
0万〜100万のものが好ましい。又、そのカチオン価
は1.5〜5.0であることが好ましい。本発明におけ
る分子量は、GPC法(ゲルパーミエーションクロマト
グラフィ)によって測定された分子量である。
【0016】アクリルアミドと共重合するカチオン性モ
ノマーは、下記化2及び化3で表される化合物及びその
塩が好ましい。
【化2】
【化3】 化2及び化3式中、R1 は水素原子又は低級アルキル
基、R2 及びR3 は低級アルキル基、nは1〜5の整数
を表す。
【0017】上記のカチオン性モノマーの具体例を次に
示すが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。 メタクリル酸ジメチルアミノエチル CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 N(CH3
2 メタクリル酸ジエチルアミノエチル CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 N(CH2
3 2
【0018】メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチ
ルクロライド塩 〔CH2 =C(CH3 )COOCH2 CH2 N(C
3 3 〕・Cl ジメチルアミノプロピルアクリルアミド CH2 =CHCONHCH2 CH2 CH2 N(CH3
2 本発明においては、アクリルアミドとカチオン性モノマ
ーに、更に(メタ)アクリル酸を加えて共重合した三元
共重合体を使用することもできる。
【0019】共重合タイプのカチオン性ポリアクリルア
ミドのカチオン価の測定は、試料約0.1gを精秤し、
希釈液(水/メタノール/酢酸=89/10/1容量
比)にて希釈したものを、N/400ポリビニル硫酸カ
リウム(PVSK)水溶液で滴定し、以下の式によって
求めることができる。 滴定値(ml)×(1/400)×ファクター(PVS
K)/試料採取量(g)×(不揮発分(%)/100) 尚、不揮発分は、試料3.0±0.2gをシャーレ(5
0mm×15mm)に均一に広げて精秤し、105±5
℃の循風乾燥機で3時間乾燥した後デシケーターに入
れ、30分間放冷し、それを精秤して乾燥残量を求め、
算出した。
【0020】また、本発明においてカチオン性物質とし
て使用することのできる両性ポリアクリルアミドは、ア
クリルアミド又はメタクリルアミドを主要なモノマー成
分としながら、アニオン性モノマーとカチオン性モノマ
ーを共重合して得られる両性の共重合体であり、GPC
法によって測定される平均分子量が200万〜500万
であることが好ましく、特に200万〜350万である
ことが好ましい。
【0021】上記アニオン性モノマーとしては、例えば
アクリル酸、メタクリル酸及びイタコン酸等を挙げるこ
とができるが、これらの中でも特にイタコン酸を使用す
ることが好ましい。アクリルアミドと共重合するカチオ
ン性モノマーとしては、前記化2で表されるジアルキル
アミノアルキルメタクリレート及びその塩、並びに、前
記化3で表されるジアルキルアミノアルキルアクリルア
ミド及びその塩が好ましい。前記両性ポリアクリルアミ
ドの使用量は、対絶乾パルプ当たり0.01重量%〜
5.0重量%であることが好ましく、特に0.2重量%
〜3.0重量%であることが好ましい。
【0022】本発明においては、アニオン性ポリアクリ
ルアミドを使用しても良い。使用することのできるアニ
オン性ポリアクリルアミドは、アクリルアミドの一部を
アクリルニトリルやアクリル酸エステル、スチレン等に
部分置換した三元共重合体、或いはポリアクリルアミド
の部分加水分解物等であって、GPC法にて測定した分
子量が50万〜200万、好ましくは80万〜140万
の範囲のものを用いる。
【0023】アニオン性ポリアクリルアミドの添加は、
水で希釈したパルプスラリー中に、攪拌しつつアニオン
性ポリアクリルアミドの水溶液を均一に分散させて行
う。又、アニオン性ポリアクリルアミドの添加量は、対
絶乾パルプ当たり0.1〜3.0重量%であることが好
ましく、特に0.3〜1.5重量%であることが好まし
い。上記アニオン性ポリアクリルアミドは、パルプスラ
リーに水溶性アルミニウム塩及び/又はカチオン性ポリ
アクリルアミドを添加することによりパルプに定着され
る。このような水溶性アルミニウム塩としては、特に硫
酸アルミニウム塩及び塩化アルミニウムが好ましい。
【0024】本発明においてカチオン性物質として用い
ることのできるカチオン化澱粉は、通常の澱粉、例え
ば、コーン澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、小麦粉澱
粉、米澱粉、甘薯澱粉等にカチオン基を付与することに
より得られる。カチオン化澱粉の製造方法は公知であ
り、第一級、第二級、第三級アミン及び第四級アンモニ
ウム基の中から選択される一種以上の塩基性窒素を澱粉
に導入することによって容易に得ることができる。本発
明においては、特に塩基性窒素原子が第三級アミン又は
第四級アンモニウム基であるカチオン化澱粉を用いるこ
とが好ましい。
【0025】また、本発明においてカチオン性物質とし
て用いることのできる水溶性アルミニウム塩としては、
特に硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム等の水溶性ア
ルミニウム塩が好ましい。水溶性アルミニウム塩の好ま
しい添加量は、対絶乾パルプ当たり0.1〜2.0重量
%となる量、特に0.2〜1.0重量%となる量である
ことが好ましい。
【0026】これ等の多価金属塩の添加によりパルプス
ラリーのpHが酸性側になる場合には、例えば水酸化ナ
トリウム、炭酸水素ナトリウム、アルミン酸ナトリウム
等のアルカリ性物質を添加して、pHを6.0〜7.5
の中性域にコントロールすることが、原紙の保存性ひい
ては写真印画紙用支持体の保存性を良好にする上で好ま
しい。
【0027】本発明においては、更に、カチオン性物質
としてポリアミドポリアミンエピクロルヒドリンを、対
絶乾パルプ当たり0.1〜1.0重量%添加することが
好ましい。他に染料、蛍光増白剤、消泡剤等を添加して
も良い。又、サイズ剤としては、前述のエポキシ化脂肪
酸アミド及びアルキルケテンダイマーの他に、高級脂肪
酸塩、アルケニルコハク酸無水物、高級脂肪酸無水物等
を併用しても良い。
【0028】本発明で使用するアニオン性コロイダルシ
リカ、アニオン性ベントナイトとは、アニオン性無機コ
ロイド類であり、かかるコロイド類としては、コロイド
状のモンモリナイト及びベントナイト、硫酸チタニルゾ
ル、シリカゾル、アルミニウム変性シリカゾル、或い
は、ケイ酸アルミニウムゾル等が挙げられる。
【0029】アニオン性コロイドの量は、対絶乾パルプ
当たり0.005重量%〜1重量%、好ましくは0.0
1重量%〜0.5重量%の範囲である。0.005重量
%未満ではパルプ繊維の凝集力が充分でなく、期待する
効果がほとんど得られない。一方、1重量%を越えると
パルプ繊維の凝集物が発生するので地合が乱れ、製品の
外観のみならず性能を著しく低下させる上、コストアッ
プにもつながるので好ましくない。
【0030】アニオン性コロイダルシリカは、ポリ珪酸
又はコロイド状珪酸ゾルの形態をとるが、特にコロイド
状珪酸ゾルを用いた場合に最良の結果が得られる。ま
た、コロイダルシリカの比表面積は約50〜約1000
2 /gであることが好ましく、平均粒子径は60nm
以下、好ましくは20nm以下であり、特に、約1nm
〜約10nmの平均粒子径のものが最も好ましい。
【0031】アニオン性ベントナイトは、必要に応じ、
適当な塩基で処理するモンモリロナイトを主要鉱物とす
る超微細な粘土であり、水中で膨潤する、層状の珪酸塩
を意味する。本発明で使用するアニオン性ベントナイト
は薄い板状粒子を含んでおり、特に比表面積が約50〜
約1000m2 /gであるものが好ましい。
【0032】エポキシ化高級脂肪酸アミド及び/又はア
ルキルケテンダイマーは、いかなる添加順序においても
良好なサイズ性を示すが、特に前半で添加した方が分散
が良く、サイズ性の点で好ましい。必要に応じて加え
る、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン等の湿潤
紙力剤の添加順序も任意である。
【0033】上記の原紙基体には、各種の水溶性添加剤
を含有する液をサイズプレス、タブサイズ又はゲイトロ
ールコーター等で含浸・塗布しても良い。係る水溶性添
加剤としては、例えば、澱粉、ポリビニルアルコール、
カルボキシ変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチ
ルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン
酸ナトリウム、セルロースサルフェート、ゼラチン、カ
ゼイン等の高分子化合物、塩化カルシウム、塩化ナトリ
ウム、硫酸ナトリウム等の金属塩がある。
【0034】上記水溶性添加剤を含有する液中には、更
にグリセリン、ポリエチレングリコール等の吸湿性物
質;染料、蛍光増白剤等の着色・増白物質;苛性ソー
ダ、アンモニウム水、塩酸、硫酸、炭酸ナトリウム等の
pHコントロール剤を添加しても良い。又、必要に応じ
て顔料等も該水溶液中に添加することができる。
【0035】原紙基体の種類及び厚さは特に限定される
ものではないが、坪量としては、50g/m2 〜250
g/m2 が望ましく、又、写真印画紙の平面性の観点か
ら表面の平滑性及び平面性に優れた原紙が望ましいとこ
ろから、マシンカレンダー及びスーパーカレンダー等で
熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。
【0036】本発明においては、原紙基体の両面に設け
るポリオレフィン樹脂の具体例として、ポリエチレンを
初めとする、ポリオレフィン等のα−オレフィンの単独
重合体及びこれら各種の重合体の混合物を挙げることが
できる。特に好ましいポリオレフィンは、高密度ポリエ
チレン、低密度ポリエチレン及びこれらの混合物であ
る。これらのポリオレフィンは、押し出しコーティング
した被覆層中に、白色顔料や着色顔料、或いは蛍光増白
剤を添加することが可能である限りその分子量に特に制
限はないが、通常は、分子量が20,000〜200,
000の範囲にあるポリオレフィンが用いられる。
【0037】ポリオレフィン樹脂被覆層の厚さについて
は特に制限はなく、従来の印画紙用支持体のポリオレフ
ィン層の厚さに準じて決めることができるが、一般にそ
の厚さは15〜50μmである。ポリオレフィン樹脂被
覆層中には、白色顔料、着色顔料或いは蛍光増白剤、フ
ェノール、ビスフェノール、チオビスフェノール、アミ
ン類、ベンゾフェノン、サリチル酸塩、ベンゾトリアゾ
ール及び有機金属化合物といった安定化剤を添加するこ
とができる。特に、写真乳剤がその上に塗布される側の
ポリオレフィン樹脂被覆層には、白色顔料及び着色顔料
を添加することが好ましい。
【0038】尚、ポリオレフィンを押し出しコーティン
グする際の押し出しコーティング設備としては、通常の
ポリオレフィン用押し出し機とラミネーターが使用され
る。本発明の写真印画紙用支持体は、その光沢面に写真
乳剤層が塗布乾燥されて写真印画紙となるが、他面に、
例えば特開昭62−6256号公報に開示されている印
字保存層を設けることができる等、様々な態様が可能で
ある。
【0039】
【発明の効果】本発明の写真印画紙用支持体は、エポキ
シ化高級脂肪酸アミド及び/又はアルキルケテンダイマ
ー、カチオン性物質並びにアニオン性コロイダルシリカ
及び/又はアニオン性ベントナイトを含有する原紙を用
い、その両面をポリオレフィン樹脂で被覆したものであ
るので、切断面端部からの現像液の浸透を著しく低減さ
せることができる。又、写真印画紙用支持体の製造工程
においては、ワイヤー上の水切れが改善されるのみなら
ず、製造コストを低減することもできる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
尚、添加量の重量%は対絶乾パルプ当たりの重量%を示
す。
【0041】実施例1.木材パルプの混合物(LBKP
/NBSP=2/1)を叩解し、カナディアンフリーネ
スが250mlのパルプスラリーを得た。次いで、この
パルプスラリーを濃度約3.5重量%に調整し、アニオ
ン性ポリアクリルアミド(アクリル酸10モル、アクリ
ルアミド90モル、平均分子量約110万)1.0重量
%、硫酸アルミニウム1.0重量%、ポリアミドポリア
ミンエピクロルヒドリン0.1重量%及びエポキシ化ベ
ヘン酸アミド0.5重量%を添加・攪拌し、パルプスラ
リーのpHが7.0となるように水酸化ナトリウムを添
加した。
【0042】次いで、カチオン性ポリアクリルアミド
(分子量90万、カチオン価2.8ml/g)0.5重
量%及び消泡剤0.1重量%を添加・攪拌し、パルプス
ラリーの濃度を1.0重量%とした後、アニオン性コロ
イダルシリカ(BMA−O;日産エカノーベル社製の商
品名)0.05重量%を添加・攪拌した。次いで、脱水
・乾燥し、支持体を得た。尚、原紙の坪量は180g/
2 となるように操作した。
【0043】実施例2.実施例1と同様にして、パルプ
スラリーを濃度約3.5重量%に調整し、両性ポリアク
リルアミド(イタコン酸2モル%、ジメチルアミノプロ
ピルアクリルアミドの硫酸塩5モル%、アクリルアミド
93モル%、平均分子量250万)1.5重量%、硫酸
アルミニウム0.3重量%、ポリアミドポリアミンエピ
クロルヒドリン0.1重量%及びエポキシ化ベヘン酸ア
ミド0.75重量%を添加・攪拌し、パルプスラリーの
pHが7.0となるように水酸化ナトリウムを添加し
た。次いで、パルプスラリーの濃度を0.5重量%とし
た後、アニオン性ベントナイト(オーガノソーブ;アロ
イドコロイド社製の商品名)0.2重量%を添加・攪拌
した。次いで、脱水・乾燥し、支持体を得た。尚、原紙
の坪量は180g/m2 となるように操作した。
【0044】実施例3.実施例1と同様にして、パルプ
スラリーを濃度約3.5重量%に調整し、アニオン性ポ
リアクリルアミド0.5重量%、硫酸アルミニウム0.
3重量%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン
0.1重量%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.5重量%
及びアルキルケテンダイマー0.25重量%を添加・攪
拌し、パルプスラリーのpHが7.0となるように水酸
化ナトリウムを添加した。次いで両性ポリアクリルアミ
ド1.5重量%を添加・攪拌し、パルプスラリー濃度を
1.5重量%とした後、アニオン性コロイダルシリカ
(BMA−O;日産エカノーベル社製の商品名)0.0
5重量%を添加・攪拌した。次いで、脱水・乾燥し、支
持体を得た。尚、原紙の坪量は180g/m2 となるよ
うに操作した。
【0045】上記のアルキルケテンダイマーは、下記組
成の混合物を使用した。即ち、前記化1式中のRで表さ
れるアルキル基の炭素原子数が20であるアルキルケテ
ンダイマー93重量%、18のもの5重量%及び16の
もの2重量%の組成からなる混合物である。上記組成の
アルキルケテンダイマーは、C2041−CH2 −COO
Hで表される高級脂肪酸93重量%、C1837−CH2
−COOHで表される高級脂肪酸5重量%及びC1633
−CH2 −COOHで表される高級脂肪酸2重量%の組
成からなる混合物を原料として製造した。
【0046】実施例4.実施例1と同様にして、パルプ
スラリーを濃度約3.5重量%に調整し、カチオン性デ
ンプン(Cato−F:王子ナショナル社製の商品名)
2.0重量%、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリ
ン0.2重量%、エポキシ化ベヘン酸アミド0.4重量
%及びアルキルケテンダイマー0.3重量%を添加・攪
拌し、パルプスラリーのpHが7.0となるように水酸
化ナトリウムを添加した。次いでパルプスラリー濃度を
1.0重量%とした後、アニオン性コロイダルシリカ
(BMA−O;日産エカノーベル社製の商品名)0.0
5重量%を添加・攪拌し、更に脱水・乾燥して支持体を
得た。尚、原紙の坪量は180g/m2 となるように操
作した。
【0047】実施例5.エポキシ化ベヘン酸アミドの添
加量0.4重量%を0.2重量%、及びアルキルケテン
ダイマーの添加量0.3重量%を0.6重量%に各々変
えた他は、実施例4と同様にして原紙の坪量が180g
/m2 の支持体を得た。実施例6.エポキシ化ベヘン酸
アミドを使用せずに、アルキルケテンダイマーの添加量
0.3重量%を0.6重量%に変えた他は、実施例4と
同様にして原紙の坪量が180g/m2 の支持体を得
た。
【0048】比較例1.実施例1で使用したアニオン性
コロイダルシリカを添加しなかった他は、実施例1と全
く同様にして支持体を得た。尚、原紙の坪量は180g
/m2 となるように操作した。
【0049】比較例2.実施例1におけるアニオン性コ
ロイダルシリカ添加前のパルプスラリー濃度を3.0重
量%とすると共に、アニオン性コロイダルシリカ添加量
を0.001重量%とした他は、実施例1と全く同様に
して、支持体を得た。尚、原紙の坪量は180g/m2
となるように操作した。
【0050】比較例3.実施例4で使用したカチオン化
デンプンを酸化デンプン(MS#3600:日本食品加
工株式会社製の商品名)に変更し、その添加量を3.0
重量%としたこと、及びアニオン性コロイダルシリカの
添加を行わなかったことの他は、実施例4と全く同様に
して、支持体を得た。尚、原紙の坪量は180g/m2
となるように操作した。
【0051】得られた各パルプスラリーにつき、全ての
薬品を添加した後、60分間紙料を放置して凝集物の発
生状況を調べたところ、何れの場合も凝集物の発生は認
められなかった。又、薬品添加後の紙料を乾燥重量で3
g採取し、濾水度(CSF)をJIS−P8121に準
じて測定したところ、表1に示す結果を得た。
【0052】
【表1】 上記の如く、180g/m2 となるように抄造した原紙
の表面に、次のような溶液をサイズプレスし、液の付着
量が30g/m2 となるように付着させた。 ポリビニルアルコール: 5.0重量% 塩化カルシウム : 4.0重量% 蛍光増白剤 : 0.5重量% 消泡剤 : 0.005重量% 水 :90.495重量%
【0053】得られたサイズ液付着紙の厚みを、マシン
カレンダーで173μmに調整した後裏面にコロナ放電
処理を施し、次いで、密度0.980g/m2 のポリエ
チレンを約30μmコーティングした。更に、おもて面
(写真乳剤塗布側)にコロナ放電処理を施した後、10
重量%の酸化チタンを含有する密度0.960g/m2
のポリエチレンを約30μmコーティングし、写真印画
紙用支持体を得た。
【0054】得られた各支持体について、10cm×
1.5cmの試験片3本を作製し、35℃のカラーペー
パー用現像処理薬品(CP−40E;富士写真フイルム
株式会社製の商品名)P1液(現像液)に45秒間浸漬
させた後取り出し、表面を素早くふきとった。次いで、
35℃のP2液(漂白・定着)に45秒間浸漬させた
後、同様に表面をふきとった。更に、30℃の水に90
秒間浸漬させた後、同様に表面をふきとり、切断面から
の液体の浸透重量を重量増加分として求め、その重量増
加分をサイズ性の指標として表1に示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 17/37 17/46 17/67 27/00 7199−3B D21H 3/48 7199−3B 3/78 7199−3B 5/00 Z

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原紙の両面をポリオレフィン樹脂で被覆
    してなる写真印画紙用支持体において、前記原紙が、エ
    ポキシ化高級脂肪酸アミド及び/又はアルキルケテンダ
    イマーと前記エポキシ化高級脂肪酸アミド以外のカチオ
    ン性物質をパルプスラリーに添加し、パルプ濃度を0.
    1〜1.5重量%に調整した後、得られたパルプスラリ
    ーに、アニオン性コロイダルシリカ及び/又はアニオン
    性ベントナイトを添加し抄紙してなることを特徴とする
    写真印画紙用支持体。
  2. 【請求項2】 エポキシ化高級脂肪酸アミド以外のカチ
    オン性物質として、アルミニウム塩、ポリアミドポリア
    ミンエピクロルヒドリン、カチオン性ポリアクリルアミ
    ド、両性ポリアクリルアミド及びカチオン性デンプンか
    らなる群の中から選択される少なくとも1種を含む請求
    項1に記載の写真印画紙用支持体。
  3. 【請求項3】 原紙が、pH=6〜8.5のパルプスラ
    リーから抄紙されてなる請求項1に記載の写真印画紙用
    支持体。
  4. 【請求項4】 アニオン性コロイダルシリカ及び/又は
    アニオン性ベントナイトの添加量が、絶乾パルプ当たり
    0.005〜1重量%である請求項1に記載の写真印画
    紙用支持体。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1376222A1 (en) * 2002-06-18 2004-01-02 Fuji Photo Film Co., Ltd. Support for image recording material
JP2004162201A (ja) * 2002-11-12 2004-06-10 Arakawa Chem Ind Co Ltd 紙の製造方法
KR100681327B1 (ko) * 2002-10-31 2007-02-15 주식회사 오병 콜로이달 실리카를 함유하는 고농축 벤토나이트 액상슬러리 및 그 제조방법
WO2007129400A1 (ja) * 2006-05-08 2007-11-15 Pt. Pabrik Kertas Tjiwi Kimia Tbk. 電子写真用紙
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