JPH0629449Y2

JPH0629449Y2 - ロ−タリピストンエンジンのオイルパン構造

Info

Publication number: JPH0629449Y2
Application number: JP12839787U
Authority: JP
Inventors: 修弘山本; 功清水
Original assignee: Mazda Motor Corp
Current assignee: Mazda Motor Corp
Priority date: 1987-08-24
Filing date: 1987-08-24
Publication date: 1994-08-10
Anticipated expiration: 2002-08-24
Also published as: JPS6434417U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案はロータリピストンエンジンのオイルパン構造に
関し、特にＦＲタイプの４輪駆動車におけるエンジンの
コンパクト化対策に関する。

（従来の技術）従来、この種の自動車として、例えば実開昭６１−４１
８３４号公報に開示されるように、エンジン後方に、エ
ンジン出力を後輪に伝達する伝達装置を配設するととも
に、該伝達装置から分岐した前輪駆動用の推進軸を、エ
ンジン下方に延設して、オイルパン下方に固定したフロ
ント側デファレンシャルユニットに連結したものが知ら
れている。

（考案が解決しようとする問題点）ところが、上記従来のものでは、オイルパン下方にフロ
ント側デファレンシャルユニットを固定しているので、
最低地上高を確保すべくエンジン取り付け位置が高くな
り、コンパクト性に欠けるという問題を有している。

この場合、例えばオイルパンを内方に凹陥させ、該凹陥
部に上記デファレンシャルユニットを配して固定するこ
とが考えられる。しかし、その場合、この凹陥部の形成
によってオイルパン内でのオイルの流動が損なわれる
と、各潤滑部へのオイルリターン機能が充分に発揮され
なくなる。すなわち、ロータリピストンエンジンでは、
高温になる点火プラグ側（反吸・排気ポート側）に冷却
水通路を集中的に設ける関係上、オイルパンにオイルを
戻すためのオイルリターン通路を吸・排気ポート側に形
成することが行われるので、このオイルリターン通路か
らオイルパンのオイル溜り部へのオイルのスムーズな流
動を確保する必要がある。

本考案はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目
的とすることろは、上記オイルリターン通路の出口にオ
イルパンのオイル溜り部を配して各潤滑部へのオイルリ
ターン機能を確保しながら、エンジン下方の上記オイル
溜り部を避けた位置にフロント側デファレンシャルユニ
ット等の推進軸支持部を配してエンジンをコンパクトに
することにある。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案の解決手段は、エンジ
ン本体の後方にエンジン出力を後輪に伝達する伝達装置
が設けられ、該伝達装置から分岐して前方へ延びる前輪
駆動用の推進軸がエンジン本体の下方に設けられ、エン
ジン本体の吸・排気ポート側にオイルリターン通路が設
けられたロータリピストンエンジンのオイルパン構造を
対象とし、上記オイルパンは、エンジン本体の吸・排気
ポート側の下方にのみ設けられ上記オイルリターン通路
の流出口に連通しているオイル溜り部と、エンジン本体
の反吸・排気ポート側の下方に設けられ上記推進軸を支
持する推進軸支持部とを備えている構成である。

（作用）上記の構成により、本考案では、オイルパンのオイル溜
り部を、エンジン本体の吸・排気ポート側の下方にのみ
設け且つ吸・排気ポート側に形成されたオイルリターン
通路の流出口と連通させたので、オイルリターン通路か
らのリターンオイルは直接に且つスムーズに上記オイル
溜り部に入り、該オイル溜り部から各潤滑部へ供給さ
れ、オイルリターン機能が確保される。

また、オイルパンの推進軸支持部を上記オイル溜り部を
避けてエンジン本体の反吸・排気ポート側の下方に配し
たので、エンジンがコンパクトになる。

（実施例）以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図は、本考案の実施例に係るオイルパ
ン構造を備えたロータリピストンエンジンを示す。１は
２ロータタイプのロータリピストンエンジンであって、
該エンジン１の後側にはトランスミッション２が接続さ
れ、該トランスミッション２の後側にはトランスファ３
が接続されている。該トランスファ３にはエンジン出力
を後輪に伝達する後輪駆動用の推進軸４が連結されてい
るとともに、エンジン出力を前輪に伝達する前輪駆動用
の推進軸５が連結されている。そして、該推進軸５はエ
ンジン１下方においてフロント側デファレンシャルユニ
ット６に連結されている。

上記エンジン１は、インタメディエイトハウジング１１
ａと、該インタメディエイトハウジング１１ａの前後に
それぞれ配され、ロータを収容するロータハウジング１
１ｂ、１１ｃと、このフロント側ロータハウジング１１
ｂの前側に配されたフロントハウジング１１ｄと、リヤ
側ロータハウジング１１ｃの後側に配されたリヤハウジ
ング１１ｅとを備えている。上記各ロータハウジング１
１ｂ、１１ｃの右側には、吸気を吸入するための吸気ポ
ート１２と、排気を吐出するための排気ポート１３とが
開口している。一方、各ロータハウジング１１ｂ、１１
ｃの左側には、点火プラグ１４、１４が取り付けられて
いる。また、上記インタメディエイトハウジング１１ａ
およびロータハウジング１１ｂ、１１ｃには、多数の冷
却水通路１５，１５…が前後に貫設され、該各冷却水通
路１５は、フロントハウジング１１ｄおよびリヤハウジ
ング１１ｅ内で互いに連通されている。さらに、フロン
トハウジング１１ｄおよびリヤハウジング１１ｅ内にお
いて、該各冷却水通路１５は上記点火プラグ１４，１４
回りのホットゾーンを取り囲むように拡張形成されてい
る。

また、上記エンジン１の下側には、オイルパン２０が取
り付けられている。そして、フロントハウジング１１ｄ
およびリヤハウジング１１ｅには、エンジン出力軸の軸
受部を覆うようにオイルリターン通路１６が形成され、
該オイルリターン通路１６は吸・排気ポート側下部にお
いて上記オイルパン２０に連通しており、上記軸受部等
からのオイルをオイルパン２０に回収するようにしてい
る。さらに、フロントハウジング１１ｄの左側には一端
がオイルパン２０に連通し、他端がホットゾーンの上側
で上記オイルリターン通路１６に連通するブローバイガ
ス通路１７が設けられている。

さらに、上記オイルパン２０には、下方に膨出してリタ
ーンオイルを溜めるオイル溜り部２１と、エンジン１の
下方に落ちるオイルを該オイル溜り部２１に導く浅皿部
２２とが形成されている。そして、上記オイル溜り部２
１は、吸・排気ポート側の下部にのみ形成されている。
また、上記浅皿部２２は、反吸・排気ポート側の下部に
形成され、上記デファレンシャルユニット６と一体的に
なってこれを支持する推進軸支持部２３に形成されてい
る。

したがって、上記実施例においては、オイルパン２０の
オイル溜り部２１を吸・排気ポート側の下部にのみ配し
たので、吸・排気ポート側に形成されたオイルリターン
通路１６からのリターンオイルは直接にかつスムーズに
上記オイル溜り部２１に入り、該オイル溜り部２１から
各潤滑部へ供給され、オイルリターン機能が確保され
る。

また、オイルパン２０の推進軸支持部２３を上記オイル
溜り部２１を避けて反吸・排気ポート側の下部に配した
ので、エンジン１下方にデファレンシャルユニット６が
一体的に収まり、エンジン１がコンパクトになる。

（考案の効果）以上説明したように、本考案のロータリピストンエンジ
ンのオイルパン構造によれば、オイルパンは、エンジン
本体の吸・排気ポート側の下方にのみ設けられオイルリ
ターン通路の流出口に連通しているオイル溜り部と、エ
ンジン本体の反吸・排気ポート側の下方に設けられ推進
軸を支持する推進軸支持部とを備えているため、オイル
リターン通路からのリターンオイルが直接且つスムーズ
にオイル溜り部に還流されるので、各潤滑部へのオイル
リターン機能を確保しながら、エンジンをコンパクトに
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を例示し、第１図は側面図、第２
図は縦断面図である。１…エンジン、３…トランスファ、５…推進軸、１２…
吸気ポート、１３…排気ポート、１６…オイルリターン
通路、２０…オイルパン、２１…オイル溜り部、２３…
推進軸支持部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】エンジン本体の後方にエンジン出力を後輪
に伝達する伝達装置が設けられ、該伝達装置から分岐し
て前方へ延びる前輪駆動用の推進軸がエンジン本体の下
方に設けられ、エンジン本体の吸・排気ポート側にオイ
ルリターン通路が設けられたロータリピストンエンジン
のオイルパン構造であって、上記オイルパンは、エンジン本体の吸・排気ポート側の
下方にのみ設けられ、上記オイルリターン通路の流出口
に連通しているオイル溜り部と、エンジン本体の反吸・
排気ポート側の下方に設けられ、上記推進軸を支持する
推進軸支持部とを備えていることを特徴とするロータリ
ピストンエンジンのオイルパン構造。