JPH06293273A - 車両の制御装置 - Google Patents
車両の制御装置Info
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- JPH06293273A JPH06293273A JP5047747A JP4774793A JPH06293273A JP H06293273 A JPH06293273 A JP H06293273A JP 5047747 A JP5047747 A JP 5047747A JP 4774793 A JP4774793 A JP 4774793A JP H06293273 A JPH06293273 A JP H06293273A
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- driver
- vehicle
- heart rate
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- Steering-Linkage Mechanisms And Four-Wheel Steering (AREA)
- Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
- Feedback Control In General (AREA)
- Steering Controls (AREA)
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Control Of Driving Devices And Active Controlling Of Vehicle (AREA)
- Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
- Testing Or Calibration Of Command Recording Devices (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ドライバーの両手から心電位を検出すること
により走行中のドライバーの実際心拍数を検出するに当
り、その両手が運転操作のために活動中であるという特
殊性に起因する不都合を解消して、的確な実際心拍数の
検出を行う。そして、実際心拍数に基いて各種走行環境
下におけるドライバーの要求を車両の運動特性の制御に
反映させる。 【構成】 車両を制御する制御手段1と、ドライバーの
両手間の電位差から心拍信号を取り出してドライバーの
実際心拍数を計測する実際心拍数検出手段2と、実際心
拍数検出手段からの信号を受けて上記実際心拍数に基い
て制御手段の制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段
3とを備える。実際心拍数検出手段に電位差からドライ
バーの手の筋電位を除去するローパスフィルタ7a、電
位差から接触不良に伴う低周波信号成分を除去するハイ
パスフィルタ7b、もしくは、両者を除去するバンドパ
スフィルタ7cを心拍信号の取出経路8に介在させる。
により走行中のドライバーの実際心拍数を検出するに当
り、その両手が運転操作のために活動中であるという特
殊性に起因する不都合を解消して、的確な実際心拍数の
検出を行う。そして、実際心拍数に基いて各種走行環境
下におけるドライバーの要求を車両の運動特性の制御に
反映させる。 【構成】 車両を制御する制御手段1と、ドライバーの
両手間の電位差から心拍信号を取り出してドライバーの
実際心拍数を計測する実際心拍数検出手段2と、実際心
拍数検出手段からの信号を受けて上記実際心拍数に基い
て制御手段の制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段
3とを備える。実際心拍数検出手段に電位差からドライ
バーの手の筋電位を除去するローパスフィルタ7a、電
位差から接触不良に伴う低周波信号成分を除去するハイ
パスフィルタ7b、もしくは、両者を除去するバンドパ
スフィルタ7cを心拍信号の取出経路8に介在させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の運動特性をドラ
イバーの心理状態に応じて変化させる制御装置に関する
ものである。
イバーの心理状態に応じて変化させる制御装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両の運動特性を車両の走行
環境に応じて変化させることにより、車両の運動特性を
ドライバーの要求に合致したものに変更制御しようとす
るものが提案されている。このような車両の制御装置と
して、道路状況に応じてスロットルゲインを変化させる
ものが提案されている(例えば、特開平2−24193
5号公報参照)。この制御装置は、道路状況を市街地
路、高速道路、登坂道路および渋滞道路に分類して、各
種道路状況に応じて定めたスロットル開度をスロットル
開度特性記憶手段に予め記憶させ、道路状況設定手段に
予め設定した上記道路状況の中から特定の道路状況を選
択指定することにより、その選択指定ごとにスロットル
開度を変更しようとするものである。
環境に応じて変化させることにより、車両の運動特性を
ドライバーの要求に合致したものに変更制御しようとす
るものが提案されている。このような車両の制御装置と
して、道路状況に応じてスロットルゲインを変化させる
ものが提案されている(例えば、特開平2−24193
5号公報参照)。この制御装置は、道路状況を市街地
路、高速道路、登坂道路および渋滞道路に分類して、各
種道路状況に応じて定めたスロットル開度をスロットル
開度特性記憶手段に予め記憶させ、道路状況設定手段に
予め設定した上記道路状況の中から特定の道路状況を選
択指定することにより、その選択指定ごとにスロットル
開度を変更しようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、自動車の走行
環境は、上記の各種道路状況だけで定まるものではな
く、同じ道路状況であってもその時の交通流の状態によ
っても種々変化する。このため、各種道路状況によって
のみ車両を制御しても、車両の運動特性に実際の走行環
境を必ずしも反映させることはできない。その上、上記
走行環境に対してドライバーの望む車両の運動特性、す
なわち、ドライバーの要求は、その時の走行環境下で運
転操作するドライバーの緊張度合いなどで表される心理
状態によっても変化する。そして、この心理状態はドラ
イバーの主として運転習熟度合いなどの相違に起因して
ドライバー各人で相違する。従って、たとえ走行環境の
把握を各種センサなどを用いて行ったとしても、それら
車両や道路の側からのみの検出情報によって車両の運動
特性を画一的に制御するだけでは、ドライバーの内面的
要求と必ずしも合致せず、個々のドライバー各人にとっ
て、車両の運動特性を必ずしも実際の走行環境に適応し
たものとすることができない。
環境は、上記の各種道路状況だけで定まるものではな
く、同じ道路状況であってもその時の交通流の状態によ
っても種々変化する。このため、各種道路状況によって
のみ車両を制御しても、車両の運動特性に実際の走行環
境を必ずしも反映させることはできない。その上、上記
走行環境に対してドライバーの望む車両の運動特性、す
なわち、ドライバーの要求は、その時の走行環境下で運
転操作するドライバーの緊張度合いなどで表される心理
状態によっても変化する。そして、この心理状態はドラ
イバーの主として運転習熟度合いなどの相違に起因して
ドライバー各人で相違する。従って、たとえ走行環境の
把握を各種センサなどを用いて行ったとしても、それら
車両や道路の側からのみの検出情報によって車両の運動
特性を画一的に制御するだけでは、ドライバーの内面的
要求と必ずしも合致せず、個々のドライバー各人にとっ
て、車両の運動特性を必ずしも実際の走行環境に適応し
たものとすることができない。
【0004】このため、実際の走行環境における生体で
あるドライバーの要求を検出し、このような要求に応じ
て車両の運動特性を変化させることが考えられるが、そ
のようなドライバーの要求、すなわち、ドライバーの心
理状態を表す生体信号を検出し、これを制御用コンピュ
ータに入力することは困難であり、従来、実現されては
いない。
あるドライバーの要求を検出し、このような要求に応じ
て車両の運動特性を変化させることが考えられるが、そ
のようなドライバーの要求、すなわち、ドライバーの心
理状態を表す生体信号を検出し、これを制御用コンピュ
ータに入力することは困難であり、従来、実現されては
いない。
【0005】ところで、上記ドライバーの心理状態を表
す生体信号の一つとして心拍数があり、この心拍数を用
いてドライバーの要求を検出することが考えられる。こ
の場合、走行の度にドライバーに心拍数検出のための計
測機器を装着させるのはドライバーに過度の負担となり
非現実的であり、採用することはできない。このため、
走行中、生体であるドライバーと直接接触するステアリ
ングホイールを電極としてドライバーの手の掌から心電
位を検出し、この心電位の時間的変化である心電図(心
電位の波形)より心拍数を計測することが考えられる。
す生体信号の一つとして心拍数があり、この心拍数を用
いてドライバーの要求を検出することが考えられる。こ
の場合、走行の度にドライバーに心拍数検出のための計
測機器を装着させるのはドライバーに過度の負担となり
非現実的であり、採用することはできない。このため、
走行中、生体であるドライバーと直接接触するステアリ
ングホイールを電極としてドライバーの手の掌から心電
位を検出し、この心電位の時間的変化である心電図(心
電位の波形)より心拍数を計測することが考えられる。
【0006】しかしながら、ステアリングホイールとド
ライバーの手とは単に接触しているのではなく、ドライ
バーが手の掌や腕の筋肉を使ってステアリングホイール
を握っているため、検出した電位差に手の掌の筋肉の活
動による筋電位が混入するおそれがある。通常、心電図
による心拍数の計測は、図5に示すように、心電図の波
形の内のR波が所定のトリガーレベルを超える回数を計
測することにより行われるが、上記筋電位が混入する
と、図9に示すように、心電図にノイズとなって表れる
上、ドライバーが強く握る程そのノイズが大きくなるた
め、そのノイズと上記R波との区別が困難となるおそれ
がある。
ライバーの手とは単に接触しているのではなく、ドライ
バーが手の掌や腕の筋肉を使ってステアリングホイール
を握っているため、検出した電位差に手の掌の筋肉の活
動による筋電位が混入するおそれがある。通常、心電図
による心拍数の計測は、図5に示すように、心電図の波
形の内のR波が所定のトリガーレベルを超える回数を計
測することにより行われるが、上記筋電位が混入する
と、図9に示すように、心電図にノイズとなって表れる
上、ドライバーが強く握る程そのノイズが大きくなるた
め、そのノイズと上記R波との区別が困難となるおそれ
がある。
【0007】また、ドライバーがステアリングホイール
を握る態様は一定ではなく、軽く握ったり強く握ったり
することによってドライバーの手とステアリングホイー
ルとの接触不良が生じるおそれがある。そして、接触不
良が生じると、図10に示すように、検出した心電位に
より描かれる心電図のベース電位が本来のものから変動
するというドリフトが生じ、これに伴いR波の頂点の電
位も変動する結果、R波が発生しても上記トリガーレベ
ルに到達しなかったりR波以外の波もトリガーレベルを
超えてしまったりして心拍数の計測に誤差が生じるおそ
れがある。
を握る態様は一定ではなく、軽く握ったり強く握ったり
することによってドライバーの手とステアリングホイー
ルとの接触不良が生じるおそれがある。そして、接触不
良が生じると、図10に示すように、検出した心電位に
より描かれる心電図のベース電位が本来のものから変動
するというドリフトが生じ、これに伴いR波の頂点の電
位も変動する結果、R波が発生しても上記トリガーレベ
ルに到達しなかったりR波以外の波もトリガーレベルを
超えてしまったりして心拍数の計測に誤差が生じるおそ
れがある。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、ドライバーの
両手から心電位を検出することにより走行中のドライバ
ーの実際心拍数を検出するに当り、その両手が運転操作
のために活動中であるという特殊性に起因する不都合を
解消して、正確な実際心拍数の検出を行うことにある。
そして、このドライバーの実際心拍数に基いて各種走行
環境下におけるドライバーの要求を車両の運動特性の制
御に反映させることにある。
たものであり、その目的とするところは、ドライバーの
両手から心電位を検出することにより走行中のドライバ
ーの実際心拍数を検出するに当り、その両手が運転操作
のために活動中であるという特殊性に起因する不都合を
解消して、正確な実際心拍数の検出を行うことにある。
そして、このドライバーの実際心拍数に基いて各種走行
環境下におけるドライバーの要求を車両の運動特性の制
御に反映させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、運転者の両手間の電位差を
例えばステアリングホイール4に配設した電極5により
検出する場合を引用した図1に示すように、車両を制御
する制御手段1と、運転者の両手間の電位差から心拍信
号を取り出して運転者の実際心拍数を計測する実際心拍
数検出手段2と、この実際心拍数検出手段2から入力さ
れる実際心拍数に基いて上記制御手段1の制御ゲインを
変更する制御ゲイン変更手段3とを備える。そして、上
記実際心拍数検出手段2に上記電位差から運転者の手の
筋電位を除去するよう高周波側カットオフ周波数が設定
されたローパスフィルタ7aを備え、このローパスフィ
ルタ7aを上記心拍信号の取出経路8に介在させる構成
とするものである。
に、請求項1記載の発明は、運転者の両手間の電位差を
例えばステアリングホイール4に配設した電極5により
検出する場合を引用した図1に示すように、車両を制御
する制御手段1と、運転者の両手間の電位差から心拍信
号を取り出して運転者の実際心拍数を計測する実際心拍
数検出手段2と、この実際心拍数検出手段2から入力さ
れる実際心拍数に基いて上記制御手段1の制御ゲインを
変更する制御ゲイン変更手段3とを備える。そして、上
記実際心拍数検出手段2に上記電位差から運転者の手の
筋電位を除去するよう高周波側カットオフ周波数が設定
されたローパスフィルタ7aを備え、このローパスフィ
ルタ7aを上記心拍信号の取出経路8に介在させる構成
とするものである。
【0010】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の発明において、ローパスフィルタ7aに代え、運転者
の両手間の電位差を検出する際の接触不良に伴い発生す
る低周波信号成分を除去するよう低周波側カットオフ周
波数が設定されたハイパスフィルタ7bとする構成とす
るものである。
の発明において、ローパスフィルタ7aに代え、運転者
の両手間の電位差を検出する際の接触不良に伴い発生す
る低周波信号成分を除去するよう低周波側カットオフ周
波数が設定されたハイパスフィルタ7bとする構成とす
るものである。
【0011】また、請求項3記載の発明は、上記請求項
1記載の発明において、ローパスフィルタ7aに代え、
運転者の両手間の電位差から運転者の手の筋電位と上記
電位差を検出する際の接触不良に伴い発生する低周波信
号成分とを除去して心拍信号を取り出すよう高周波側お
よび低周波側のカットオフ周波数が設定されたバンドパ
スフィルタ7cとする構成とするものである。
1記載の発明において、ローパスフィルタ7aに代え、
運転者の両手間の電位差から運転者の手の筋電位と上記
電位差を検出する際の接触不良に伴い発生する低周波信
号成分とを除去して心拍信号を取り出すよう高周波側お
よび低周波側のカットオフ周波数が設定されたバンドパ
スフィルタ7cとする構成とするものである。
【0012】さらに、請求項4記載の発明は、上記請求
項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、フィル
タ7a,7bもしくは7cの高周波側カットオフ周波数
を100Hz 以上に、低周波側カットオフ周波数を0.
08Hz 以下にそれぞれ設定する構成とするものであ
る。
項1〜3のいずれか一つに記載の発明において、フィル
タ7a,7bもしくは7cの高周波側カットオフ周波数
を100Hz 以上に、低周波側カットオフ周波数を0.
08Hz 以下にそれぞれ設定する構成とするものであ
る。
【0013】
【作用】上記の構成により、請求項1記載の発明では、
運転者の両手間の電位差による心拍信号の取出経路8に
ローパスフィルタ7aが介在されているため、上記運転
者の手の掌の筋肉活動による筋電位が混入しても、その
高周波である筋電位がローパスフィルタによりカットさ
れる。このため、上記筋電位混入に伴うノイズが除去さ
れて心電位におけるR波の検出が確実となり、このR波
に基き検出される心拍数によりドライバーの実際心拍数
が的確に得られる。そして、このドライバーの実際心拍
数に基いて制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更され
て車両の運動特性が変更制御される。これにより、車両
の制御に、生体であるドライバーの緊張度合いとしてあ
らわれる心理状態が反映されて、個々のドライバーの内
面的要求に合致させた車両の制御が可能となる。
運転者の両手間の電位差による心拍信号の取出経路8に
ローパスフィルタ7aが介在されているため、上記運転
者の手の掌の筋肉活動による筋電位が混入しても、その
高周波である筋電位がローパスフィルタによりカットさ
れる。このため、上記筋電位混入に伴うノイズが除去さ
れて心電位におけるR波の検出が確実となり、このR波
に基き検出される心拍数によりドライバーの実際心拍数
が的確に得られる。そして、このドライバーの実際心拍
数に基いて制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更され
て車両の運動特性が変更制御される。これにより、車両
の制御に、生体であるドライバーの緊張度合いとしてあ
らわれる心理状態が反映されて、個々のドライバーの内
面的要求に合致させた車両の制御が可能となる。
【0014】請求項2記載の発明では、運転者の両手間
の電位差による心拍信号の取出経路にハイパスフィルタ
が介在されているため、運転者の両手間の電位差を取り
出す際にそのドライバーの手との接触不良が生じても、
その接触不良に伴う低周波信号が上記ハイパスフィルタ
によりカットされる。このため、上記低周波混入に伴う
ベース電位のドリフト発生が防止されてベース電位の安
定化が図られ、心電位におけるR波の検出が確実とな
り、このR波に基き検出される心拍数によりドライバー
の実際心拍数が的確に得られる。そして、このドライバ
ーの実際心拍数に基いて、上記請求項1記載の発明と同
様に、制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更されて車
両の運動特性が変更制御される。これにより、車両の制
御に、生体であるドライバーの緊張度合いとしてあらわ
れる心理状態が反映されて、個々のドライバーの内面的
要求に合致させた車両の制御が可能となる。
の電位差による心拍信号の取出経路にハイパスフィルタ
が介在されているため、運転者の両手間の電位差を取り
出す際にそのドライバーの手との接触不良が生じても、
その接触不良に伴う低周波信号が上記ハイパスフィルタ
によりカットされる。このため、上記低周波混入に伴う
ベース電位のドリフト発生が防止されてベース電位の安
定化が図られ、心電位におけるR波の検出が確実とな
り、このR波に基き検出される心拍数によりドライバー
の実際心拍数が的確に得られる。そして、このドライバ
ーの実際心拍数に基いて、上記請求項1記載の発明と同
様に、制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更されて車
両の運動特性が変更制御される。これにより、車両の制
御に、生体であるドライバーの緊張度合いとしてあらわ
れる心理状態が反映されて、個々のドライバーの内面的
要求に合致させた車両の制御が可能となる。
【0015】請求項3記載の発明では、運転者の両手間
の電位差による心拍信号の取出経路にバンドパスフィル
タが介在されているため、上記運転者の手の掌の筋肉活
動による筋電位が混入しても、その高周波である筋電位
が上記バンドパスフィルタの高周波側域によりカットさ
れ、かつ、運転者の両手間の電位差を取り出す際にその
ドライバーの手との接触不良が生じても、その接触不良
に伴う低周波信号が上記バンドパスフィルタの低周波側
域によりカットされる。このため、上記筋電位混入に伴
うノイズが除去される上、上記低周波混入に伴うベース
電位のドリフト発生の防止がされてベース電位の安定化
が図られ、両者により心電図でのR波の検出がより確実
となり、このR波に基き検出される心拍数によりドライ
バーの実際心拍数がより的確に得られる。そして、この
ドライバーの実際心拍数に基いて、上記請求項1記載の
発明と同様に、制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更
されて車両の運動特性が変更制御される。これにより、
車両の制御に、生体であるドライバーの緊張度合いとし
てあらわれる心理状態が反映されて、個々のドライバー
の内面的要求に合致させた車両の制御が可能となる。
の電位差による心拍信号の取出経路にバンドパスフィル
タが介在されているため、上記運転者の手の掌の筋肉活
動による筋電位が混入しても、その高周波である筋電位
が上記バンドパスフィルタの高周波側域によりカットさ
れ、かつ、運転者の両手間の電位差を取り出す際にその
ドライバーの手との接触不良が生じても、その接触不良
に伴う低周波信号が上記バンドパスフィルタの低周波側
域によりカットされる。このため、上記筋電位混入に伴
うノイズが除去される上、上記低周波混入に伴うベース
電位のドリフト発生の防止がされてベース電位の安定化
が図られ、両者により心電図でのR波の検出がより確実
となり、このR波に基き検出される心拍数によりドライ
バーの実際心拍数がより的確に得られる。そして、この
ドライバーの実際心拍数に基いて、上記請求項1記載の
発明と同様に、制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更
されて車両の運動特性が変更制御される。これにより、
車両の制御に、生体であるドライバーの緊張度合いとし
てあらわれる心理状態が反映されて、個々のドライバー
の内面的要求に合致させた車両の制御が可能となる。
【0016】請求項4記載の発明では、請求項1〜請求
項3に記載にいずれか一の発明において、各フィルタで
のカットオフ周波数が所定値に設定されているため、心
電位以外の筋電位による高周波および接触不良による低
周波のいずれか一方もしくは双方の除去がより確実に行
われる。
項3に記載にいずれか一の発明において、各フィルタで
のカットオフ周波数が所定値に設定されているため、心
電位以外の筋電位による高周波および接触不良による低
周波のいずれか一方もしくは双方の除去がより確実に行
われる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図2以下の図面に基
いて説明する。
いて説明する。
【0018】図2は、4輪操舵車に、本発明の第1実施
例に係る制御装置を適用した車両の概略平面図を示す。
例に係る制御装置を適用した車両の概略平面図を示す。
【0019】まず、上記4輪操舵車の構成について説明
する。同図において、4はステアリングホイール、Fw
は左右の前輪、Rw は左右の後輪、10は上記ステアリ
ングホイール4の操作により左右の前輪Fw ,Fw を操
舵する前輪操舵装置、20はこの前輪操舵装置10によ
る前輪Fw ,Fw の転舵に応じて左右の後輪Rw ,Rw
を操舵する後輪操舵装置である。
する。同図において、4はステアリングホイール、Fw
は左右の前輪、Rw は左右の後輪、10は上記ステアリ
ングホイール4の操作により左右の前輪Fw ,Fw を操
舵する前輪操舵装置、20はこの前輪操舵装置10によ
る前輪Fw ,Fw の転舵に応じて左右の後輪Rw ,Rw
を操舵する後輪操舵装置である。
【0020】上記前輪操舵装置10は、車幅方向に配置
されたリレーロッド11を有し、このロッド11の両端
部は各々タイロッド12、12及びナックルアーム1
3、13を介して左右の前輪Fw ,Fw に連結されてい
る。上記リレーロッド11には、このリレーロッド11
をステアリングホイール1の操作に連動して左右に移動
させるラック・アンド・ピニオン機構14が付設されて
おり、上記ステアリングホイール1の操作時にその操作
量に応じた角度だけ上記左右の前輪Fw ,Fw を操舵す
るようになっている。
されたリレーロッド11を有し、このロッド11の両端
部は各々タイロッド12、12及びナックルアーム1
3、13を介して左右の前輪Fw ,Fw に連結されてい
る。上記リレーロッド11には、このリレーロッド11
をステアリングホイール1の操作に連動して左右に移動
させるラック・アンド・ピニオン機構14が付設されて
おり、上記ステアリングホイール1の操作時にその操作
量に応じた角度だけ上記左右の前輪Fw ,Fw を操舵す
るようになっている。
【0021】一方、上記後輪操舵装置20は、上記前輪
操舵装置10の場合と同様に、車幅方向に配置されたリ
レーロッド21を有し、このロッド21の両端部は各々
タイロッド22、22及びナックルアーム23、23を
介して左右の後輪Rw ,Rwに連結されている。上記リ
レーロッド21には、このロッド21を中立位置に付勢
するセンタリングバネ24が配置されているとととも
に、ラック・アンド・ピニオン機構25が配置されてい
る。この機構25にはクラッチ26、減速機構27、及
びモータ28が連携されており、クラッチ26の締結時
にモータ28の回転駆動によりラック・アンド・ピニオ
ン機構25を介してリレーロッド21を車幅方向に移動
させて、上記後輪Rw ,Rw をモータ28の回転量に応
じた角度だけ操舵するようになっている。そして、上記
モータ28はコントロールユニット29からの制御信号
により所定の回転量だけ駆動されるようになっている。
操舵装置10の場合と同様に、車幅方向に配置されたリ
レーロッド21を有し、このロッド21の両端部は各々
タイロッド22、22及びナックルアーム23、23を
介して左右の後輪Rw ,Rwに連結されている。上記リ
レーロッド21には、このロッド21を中立位置に付勢
するセンタリングバネ24が配置されているとととも
に、ラック・アンド・ピニオン機構25が配置されてい
る。この機構25にはクラッチ26、減速機構27、及
びモータ28が連携されており、クラッチ26の締結時
にモータ28の回転駆動によりラック・アンド・ピニオ
ン機構25を介してリレーロッド21を車幅方向に移動
させて、上記後輪Rw ,Rw をモータ28の回転量に応
じた角度だけ操舵するようになっている。そして、上記
モータ28はコントロールユニット29からの制御信号
により所定の回転量だけ駆動されるようになっている。
【0022】上記コントロールユニット29は上記モー
タ28の駆動を制御することにより車両の4輪操舵特性
を制御する制御手段1を備えており、この制御手段1に
は車速を検出する車速センサ30と、前輪Fw ,Fw の
転舵角を検出する前輪転舵角センサ31と、上記モータ
28により移動されるリレーロッド21の移動量を検出
することにより後輪Rw ,Rw の転舵角を検出する後輪
転舵角センサ32とが接続されている。
タ28の駆動を制御することにより車両の4輪操舵特性
を制御する制御手段1を備えており、この制御手段1に
は車速を検出する車速センサ30と、前輪Fw ,Fw の
転舵角を検出する前輪転舵角センサ31と、上記モータ
28により移動されるリレーロッド21の移動量を検出
することにより後輪Rw ,Rw の転舵角を検出する後輪
転舵角センサ32とが接続されている。
【0023】そして、上記制御手段1は、内部に、前輪
転舵角θF に対するリレーロッド21の移動量SAの基
準特性マップ、すなわち、前輪転舵角θF に対する後輪
転舵角θR の基準転舵比特性マップが予め入力記憶され
ており、上記車速センサ30からの車速検出値に基いて
所定の転舵比fv に対応する上記リレーロッド21の移
動量SAを演算し、この移動量SAに相当する駆動制御
信号を上記モータ28に出力するようになっている。具
体的には、上記車速検出値に対応する転舵比fv が選択
され、このfv に基いて θR =fv ・θF ・k (但し、kは制御ゲイン;通常はk=1.0) によって、後輪転舵角θR が演算されるようになってい
る。
転舵角θF に対するリレーロッド21の移動量SAの基
準特性マップ、すなわち、前輪転舵角θF に対する後輪
転舵角θR の基準転舵比特性マップが予め入力記憶され
ており、上記車速センサ30からの車速検出値に基いて
所定の転舵比fv に対応する上記リレーロッド21の移
動量SAを演算し、この移動量SAに相当する駆動制御
信号を上記モータ28に出力するようになっている。具
体的には、上記車速検出値に対応する転舵比fv が選択
され、このfv に基いて θR =fv ・θF ・k (但し、kは制御ゲイン;通常はk=1.0) によって、後輪転舵角θR が演算されるようになってい
る。
【0024】上記基準転舵比特性マップは、図3に実線
で示すように、車速が所定の設定速度VO 以下の低車速
域で後輪Rw ,Rw が前輪Fw ,Fw とは逆位相とな
り、車速がVO より高い中・高速域で同位相となるよう
設定されている。つまり、低車速域では車両の回転半径
を小さくして小回りや車庫入れなどの容易化に行い得る
ようにする一方、高車速域では後輪の前輪に対するコー
ナリングフォースの位相遅れを短縮してレーンチェンジ
(車線変更)や緩やかな旋回を安定して行い得るように
なっている。加えて、上記車速がVO 以下の低速域の場
合、前輪転舵角θF が増加するほど後輪転舵角θR も逆
位相側に増加するのに対して、上記車速がVO より高い
中・高速域の場合、前輪転舵角θF の大きい領域におけ
る前輪転舵角θF に対する後輪転舵角θR の増加割合
が、前輪転舵角θF の小さい領域における増加割合より
も小さくなるように設定されている。つまり、高速走行
中の車線変更時において前輪転舵角θF がドライバーに
より小さく調整されることにより、その前輪転舵角θF
に対する後輪転舵角θR が同位相側に比較的大きく制御
されて車体横方向の加速度を敏感に応答性よく得て迅速
な車線変更が行い得るようにする一方、高速走行中に車
両の向きを意識的に変えるようドライバーが前輪転舵角
θF を大きく調整した際は、その前輪転舵角θF に対す
る後輪転舵角θRを比較的小さくして前輪が後輪に対し
て相対的に大きく転舵されて回頭性をよくして車両の向
きを素早く変えることができるようになっている。
で示すように、車速が所定の設定速度VO 以下の低車速
域で後輪Rw ,Rw が前輪Fw ,Fw とは逆位相とな
り、車速がVO より高い中・高速域で同位相となるよう
設定されている。つまり、低車速域では車両の回転半径
を小さくして小回りや車庫入れなどの容易化に行い得る
ようにする一方、高車速域では後輪の前輪に対するコー
ナリングフォースの位相遅れを短縮してレーンチェンジ
(車線変更)や緩やかな旋回を安定して行い得るように
なっている。加えて、上記車速がVO 以下の低速域の場
合、前輪転舵角θF が増加するほど後輪転舵角θR も逆
位相側に増加するのに対して、上記車速がVO より高い
中・高速域の場合、前輪転舵角θF の大きい領域におけ
る前輪転舵角θF に対する後輪転舵角θR の増加割合
が、前輪転舵角θF の小さい領域における増加割合より
も小さくなるように設定されている。つまり、高速走行
中の車線変更時において前輪転舵角θF がドライバーに
より小さく調整されることにより、その前輪転舵角θF
に対する後輪転舵角θR が同位相側に比較的大きく制御
されて車体横方向の加速度を敏感に応答性よく得て迅速
な車線変更が行い得るようにする一方、高速走行中に車
両の向きを意識的に変えるようドライバーが前輪転舵角
θF を大きく調整した際は、その前輪転舵角θF に対す
る後輪転舵角θRを比較的小さくして前輪が後輪に対し
て相対的に大きく転舵されて回頭性をよくして車両の向
きを素早く変えることができるようになっている。
【0025】次に、上記制御手段1による4輪操舵特性
の制御をドライバーの実際心拍数に基いて変更する構成
について説明する。上記コントロールユニット29は、
上記制御手段1のほかに、この制御手段1における制御
ゲインを変更する制御ゲイン変更手段3(図2参照)を
備えており、この制御ゲイン変更手段3は実際心拍数検
出手段2により検出されたドライバーの実際心拍数に基
いて上記制御ゲインを変更するようになっている。
の制御をドライバーの実際心拍数に基いて変更する構成
について説明する。上記コントロールユニット29は、
上記制御手段1のほかに、この制御手段1における制御
ゲインを変更する制御ゲイン変更手段3(図2参照)を
備えており、この制御ゲイン変更手段3は実際心拍数検
出手段2により検出されたドライバーの実際心拍数に基
いて上記制御ゲインを変更するようになっている。
【0026】上記実際心拍数検出手段2は、ステアリン
グホイール4の所定の各部位に配設されてドライバーの
左右両手間の電位差を検出するための各一対の+極5
a,5aおよび−極5b,5bからなる電極5と、この
電極5に接続されて上記電位差を増幅する増幅器9と、
この増幅器9により増幅された電位差から筋電位による
高周波信号成分および接触不良による低周波信号成分を
除去して心拍信号を取り出すバンドパスフィルタ7c
と、このバンドパスフィルタ7cを通過することにより
取り出された心拍信号(心電位)から心拍数を計測して
制御ゲイン変更手段3に出力する計測部33とを備えて
いる。この実際心拍数検出手段2において、上記電極5
から上記計測部33までの経路によって、ドライバーの
両手間の電位差から心拍信号を取り出す取出経路8が構
成されている。
グホイール4の所定の各部位に配設されてドライバーの
左右両手間の電位差を検出するための各一対の+極5
a,5aおよび−極5b,5bからなる電極5と、この
電極5に接続されて上記電位差を増幅する増幅器9と、
この増幅器9により増幅された電位差から筋電位による
高周波信号成分および接触不良による低周波信号成分を
除去して心拍信号を取り出すバンドパスフィルタ7c
と、このバンドパスフィルタ7cを通過することにより
取り出された心拍信号(心電位)から心拍数を計測して
制御ゲイン変更手段3に出力する計測部33とを備えて
いる。この実際心拍数検出手段2において、上記電極5
から上記計測部33までの経路によって、ドライバーの
両手間の電位差から心拍信号を取り出す取出経路8が構
成されている。
【0027】上記電極5は、図4に詳細を示すように、
ステアリングホイール4の上下左右の各位置に所定幅の
4つの絶縁部4a,4a,…を形成することにより上記
ステアリングホイール4のホイール部を左上、左下、右
下および右上の4つの領域(同図にメッシュ模様で示す
領域)4b,4c,4d,4eに分割し、この各領域4
b,4c,…に+極5aおよび−極5bを交互に配設す
る構成となっている。つまり、ドライバーが相対向した
状態でステアリングホイール4の左右両側の領域4b,
4eまたは4c,4d、すなわち、ドライバーの左右の
各手により握られる左右の領域の一方4b,4dが+極
5a、他方4c,4eが−極5bとなるように配設され
ており、これにより、上記ステアリングホイール4を握
るドライバーの左右両手間の電位差を検出するようにな
っている。このような電極5はステアリングホイール4
の各領域4b,4c,…の表面に導電性ゴムもしくは導
電性プラスチックなどを用いて皮膜を形成することによ
って配設される一方、上記各絶縁部4aが未処理部とさ
れることによりステアリングホイール4自体の材質によ
り絶縁体部分が形成されている。
ステアリングホイール4の上下左右の各位置に所定幅の
4つの絶縁部4a,4a,…を形成することにより上記
ステアリングホイール4のホイール部を左上、左下、右
下および右上の4つの領域(同図にメッシュ模様で示す
領域)4b,4c,4d,4eに分割し、この各領域4
b,4c,…に+極5aおよび−極5bを交互に配設す
る構成となっている。つまり、ドライバーが相対向した
状態でステアリングホイール4の左右両側の領域4b,
4eまたは4c,4d、すなわち、ドライバーの左右の
各手により握られる左右の領域の一方4b,4dが+極
5a、他方4c,4eが−極5bとなるように配設され
ており、これにより、上記ステアリングホイール4を握
るドライバーの左右両手間の電位差を検出するようにな
っている。このような電極5はステアリングホイール4
の各領域4b,4c,…の表面に導電性ゴムもしくは導
電性プラスチックなどを用いて皮膜を形成することによ
って配設される一方、上記各絶縁部4aが未処理部とさ
れることによりステアリングホイール4自体の材質によ
り絶縁体部分が形成されている。
【0028】上記各電極5a,5bはステアリングシャ
フトとステアリングコラムとの間に介在させたスリップ
リング34(図2参照)を介してインピーダンス変換用
増幅器9に接続されており、この増幅器9は生体である
ドライバーからのインピーダンスの極めて高い心拍信号
を増幅し、この増幅した心拍信号を上記バンドパスフィ
ルタ7cを介して上記計測部33に送るようになってい
る。
フトとステアリングコラムとの間に介在させたスリップ
リング34(図2参照)を介してインピーダンス変換用
増幅器9に接続されており、この増幅器9は生体である
ドライバーからのインピーダンスの極めて高い心拍信号
を増幅し、この増幅した心拍信号を上記バンドパスフィ
ルタ7cを介して上記計測部33に送るようになってい
る。
【0029】上記バンドパスフィルタ7cは、そのカッ
トオフ周波数が高周波側で100Hz 、低周波側で0.
08Hz にそれぞれ設定されており、これら両設定値の
間の周波数帯域のものを通過させるようになっている。
上記高周波側のカットオフ周波数はドライバーが手でス
テアリングホイール4の各電極5を握る際の手の筋肉活
動に伴い上記心拍信号に混入する筋電位である高周波信
号成分をカットし得る値に設定され、一方、上記低周波
側のカットオフ周波数は上記ドライバーの手と上記各電
極5との接触不良に伴い上記心拍信号に混入する低周波
信号成分をカットし得る値に設定されている。つまり、
上記高周波および低周波信号成分を除去して心電位をの
み通過させるようになっている。
トオフ周波数が高周波側で100Hz 、低周波側で0.
08Hz にそれぞれ設定されており、これら両設定値の
間の周波数帯域のものを通過させるようになっている。
上記高周波側のカットオフ周波数はドライバーが手でス
テアリングホイール4の各電極5を握る際の手の筋肉活
動に伴い上記心拍信号に混入する筋電位である高周波信
号成分をカットし得る値に設定され、一方、上記低周波
側のカットオフ周波数は上記ドライバーの手と上記各電
極5との接触不良に伴い上記心拍信号に混入する低周波
信号成分をカットし得る値に設定されている。つまり、
上記高周波および低周波信号成分を除去して心電位をの
み通過させるようになっている。
【0030】上記計測部33での心拍数計測の原理は、
心電位の時間的変化の波形である心電図(図5参照)に
おいて表れるP,Q,R,S,TおよびUの各波の内の
R波がベース電位より所定量高く設定されたトリガーレ
ベルを超える1分間当りの回数を計測し、この回数をド
ライバーの実際心拍数とするものである。そして、実際
の計測部33での処理は、上記トリガーレベルを超えた
前回のR波と今回のR波との時間的間隔すなわち、時間
差を検出し、この時間差より1分間当りの心拍数を演算
により求め今回の実際心拍数とするようになっている。
心電位の時間的変化の波形である心電図(図5参照)に
おいて表れるP,Q,R,S,TおよびUの各波の内の
R波がベース電位より所定量高く設定されたトリガーレ
ベルを超える1分間当りの回数を計測し、この回数をド
ライバーの実際心拍数とするものである。そして、実際
の計測部33での処理は、上記トリガーレベルを超えた
前回のR波と今回のR波との時間的間隔すなわち、時間
差を検出し、この時間差より1分間当りの心拍数を演算
により求め今回の実際心拍数とするようになっている。
【0031】上記制御ゲイン変更手段3は比較部3aを
備えており、この比較部3aに予め設定された所定の基
準心拍数と入力される今回の実際心拍数とを比較して心
拍数の増大側変動により、図3に実線で示す基準転舵比
特性を同図に一点鎖線で示すようにより安定側、すなわ
ち、より同位相側に変更するようになっている。具体的
には、上記基準心拍数としてドライバーがリラックスし
た状態で運転操作を継続している状態の実際心拍数が上
記比較部3aに設定されており、この基準心拍数と実際
心拍数との偏差を演算して、偏差が大きい程、上記基準
転舵比特性を同位相側に大きく移行させるための制御ゲ
インkを演算し、この制御ゲインkを上記制御手段1に
出力するようになっている。
備えており、この比較部3aに予め設定された所定の基
準心拍数と入力される今回の実際心拍数とを比較して心
拍数の増大側変動により、図3に実線で示す基準転舵比
特性を同図に一点鎖線で示すようにより安定側、すなわ
ち、より同位相側に変更するようになっている。具体的
には、上記基準心拍数としてドライバーがリラックスし
た状態で運転操作を継続している状態の実際心拍数が上
記比較部3aに設定されており、この基準心拍数と実際
心拍数との偏差を演算して、偏差が大きい程、上記基準
転舵比特性を同位相側に大きく移行させるための制御ゲ
インkを演算し、この制御ゲインkを上記制御手段1に
出力するようになっている。
【0032】次に、上記構成の第1実施例の作用・効果
について説明する。
について説明する。
【0033】車両の走行中、ドライバーの左右両手は、
ステアリングホイール4の中立回転位置における上半部
の左右両側の各領域4b,4e、もしくは、下半部の左
右両側の各領域4c,4dのいずれかを握ることによ
り、ステアリングホイール4を保持している。すなわ
ち、ステアリングホイール4の上半部を握る時は右手で
右上領域4eを、左手で左上領域4bをそれぞれ握り、
ステアリングホイール4の下半部を握る時は右手で右下
領域4dを、左手で左下領域4cをそれぞれ握ることに
なる。従って、上半部もしくは下半部のいずれを握る場
合においても、左右両手の一方が+極5aと接触し、他
方が−極と接触することになる。さらに、上記中立回転
位置から転舵のためにステアリングホイール4を回転さ
せた場合においても、上記各領域4b,4c,4d,4
eには+極5aと−極5bとが交互に配設されているた
め、左右両手の一方が+極5aと接触し、他方が−極と
接触することになる。このため、両電極5a,5bによ
りドライバーの左右両手間の電位差が検出され、この心
拍信号を含む電位差が増幅器9で増幅された後、バンド
パスフィルタ7cで心拍信号以外の余分な周波数域が除
かれた状態で計測部33に送られ、この心拍信号に基い
てドライバーの実際心拍数が計測される。そして、計測
結果が制御ゲイン変更手段3に送られ、比較部3aでの
基準心拍数との偏差の演算結果に基いて制御手段1での
制御ゲインkが変更される。
ステアリングホイール4の中立回転位置における上半部
の左右両側の各領域4b,4e、もしくは、下半部の左
右両側の各領域4c,4dのいずれかを握ることによ
り、ステアリングホイール4を保持している。すなわ
ち、ステアリングホイール4の上半部を握る時は右手で
右上領域4eを、左手で左上領域4bをそれぞれ握り、
ステアリングホイール4の下半部を握る時は右手で右下
領域4dを、左手で左下領域4cをそれぞれ握ることに
なる。従って、上半部もしくは下半部のいずれを握る場
合においても、左右両手の一方が+極5aと接触し、他
方が−極と接触することになる。さらに、上記中立回転
位置から転舵のためにステアリングホイール4を回転さ
せた場合においても、上記各領域4b,4c,4d,4
eには+極5aと−極5bとが交互に配設されているた
め、左右両手の一方が+極5aと接触し、他方が−極と
接触することになる。このため、両電極5a,5bによ
りドライバーの左右両手間の電位差が検出され、この心
拍信号を含む電位差が増幅器9で増幅された後、バンド
パスフィルタ7cで心拍信号以外の余分な周波数域が除
かれた状態で計測部33に送られ、この心拍信号に基い
てドライバーの実際心拍数が計測される。そして、計測
結果が制御ゲイン変更手段3に送られ、比較部3aでの
基準心拍数との偏差の演算結果に基いて制御手段1での
制御ゲインkが変更される。
【0034】上記ドライバーの実際心拍数の検出に際
し、本実施例では、走行中、ドライバーの左右両手がス
テアリングホイール4と直接接触している点に着目し、
そのステアリングホイール4に配設した各電極5を介し
てドライバーの両手間の電位差を検出することによりド
ライバーの実際心拍数の検出を行うようにしているた
め、ドライバーの実際心拍数の検出をドライバー自身に
特別な計測装置の装着を強制することなくかつドライバ
ーに負担をかけることなく容易に行うことができる。し
かも、上記電極5はステアリングホイール4ホイール部
に被覆された状態で配設されているため、ステアリング
ホイール4の機能を損なうことなく、かつ、ドライバー
に意識させることなく、実際心拍数の検出を行うことが
できる。
し、本実施例では、走行中、ドライバーの左右両手がス
テアリングホイール4と直接接触している点に着目し、
そのステアリングホイール4に配設した各電極5を介し
てドライバーの両手間の電位差を検出することによりド
ライバーの実際心拍数の検出を行うようにしているた
め、ドライバーの実際心拍数の検出をドライバー自身に
特別な計測装置の装着を強制することなくかつドライバ
ーに負担をかけることなく容易に行うことができる。し
かも、上記電極5はステアリングホイール4ホイール部
に被覆された状態で配設されているため、ステアリング
ホイール4の機能を損なうことなく、かつ、ドライバー
に意識させることなく、実際心拍数の検出を行うことが
できる。
【0035】また、信号源であるドライバー(生体)か
らのインピーダンスの極めて高い信号が上記増幅器9に
より増幅されるため、インピーダンスが高いゆえにノイ
ズを拾い易いという不都合を解消することができ、ドラ
イバーの実際心拍数のより的確な計測を行うことができ
る。
らのインピーダンスの極めて高い信号が上記増幅器9に
より増幅されるため、インピーダンスが高いゆえにノイ
ズを拾い易いという不都合を解消することができ、ドラ
イバーの実際心拍数のより的確な計測を行うことができ
る。
【0036】さらに、取出経路8にバンドパスフィルタ
7cを介在させているため、高周波側および低周波側の
両カットオフ周波数間の周波数帯域の心拍信号をのみ取
り出すことができ、各電極5で検出された電位差から的
確な心拍信号を取り出すことができる。すなわち、ステ
アリングホイール4を握るドライバーの手の掌の筋肉活
動による筋電位が上記電位差に混入しても、その高周波
である筋電位が上記バンドパスフィルタ7cの高周波側
のカットオフ域によりカットされる一方、ドライバーの
ステアリングホイール4の握り不良によって上記電極5
とドライバーの手との接触不良が生じても、その接触不
良に伴う低周波信号が上記バンドパスフィルタ7cの低
周波側のカットオフ域によりカットされる。このため、
上記筋電位混入に伴うノイズを除去することができる一
方、上記低周波混入に伴うベース電位のドリフト発生を
防止してベース電位を安定化させることができ、これら
により、心拍信号のR波の検出を容易かつ的確に行うこ
とができドライバーの実際心拍数をより的確な検出を行
うことができる。
7cを介在させているため、高周波側および低周波側の
両カットオフ周波数間の周波数帯域の心拍信号をのみ取
り出すことができ、各電極5で検出された電位差から的
確な心拍信号を取り出すことができる。すなわち、ステ
アリングホイール4を握るドライバーの手の掌の筋肉活
動による筋電位が上記電位差に混入しても、その高周波
である筋電位が上記バンドパスフィルタ7cの高周波側
のカットオフ域によりカットされる一方、ドライバーの
ステアリングホイール4の握り不良によって上記電極5
とドライバーの手との接触不良が生じても、その接触不
良に伴う低周波信号が上記バンドパスフィルタ7cの低
周波側のカットオフ域によりカットされる。このため、
上記筋電位混入に伴うノイズを除去することができる一
方、上記低周波混入に伴うベース電位のドリフト発生を
防止してベース電位を安定化させることができ、これら
により、心拍信号のR波の検出を容易かつ的確に行うこ
とができドライバーの実際心拍数をより的確な検出を行
うことができる。
【0037】そして、車両の走行環境が、例えば走行車
両の比較的少ない高速道路などの交通流の変動が極めて
小さい場合、ドライバーは比較的リラックスした状態で
運転操作を継続しており、そのドライバーの実際心拍数
はほぼ基準心拍数に保たれている。このため、制御ゲイ
ン変更手段3での制御ゲインkの変更は行われず(k=
1)、後輪操舵装置20は基準転舵比特性に基き転舵制
御される。
両の比較的少ない高速道路などの交通流の変動が極めて
小さい場合、ドライバーは比較的リラックスした状態で
運転操作を継続しており、そのドライバーの実際心拍数
はほぼ基準心拍数に保たれている。このため、制御ゲイ
ン変更手段3での制御ゲインkの変更は行われず(k=
1)、後輪操舵装置20は基準転舵比特性に基き転舵制
御される。
【0038】一方、上記走行環境が上記の場合から、例
えば走行車両が増加して車間距離が極めて小さくなった
り、もしくは、交通流の変動が激しくなったりした状態
に変化した場合、ドライバーは上記のリラックス状態か
ら緊張状態に移行し、これに伴いドライバーの実際心拍
数も増加する。この結果、制御ゲイン変更手段3に入力
される実際心拍数の計測値も増大して、基準心拍数との
偏差が生じる。そして、この偏差に対応して制御ゲイン
kが変更されて上記基準転舵比特性がより同位相側に変
更される。すなわち、それまでの後輪Rw ,Rw の転舵
角が、逆位相側もしくは同位相側であるに拘らず、より
同位相側に変更される結果、回頭性がさがる側に変更さ
れてドライバーの転舵操作に対する車両の旋回運動特性
をより安定側に変更することができる。つまり、緊張状
態にあるドライバーが行う転舵操作に対しては、車両の
転舵特性をより安定側に変更することができ、車両の急
激な運動を回避してドライバーの要求に沿わせることが
できる。
えば走行車両が増加して車間距離が極めて小さくなった
り、もしくは、交通流の変動が激しくなったりした状態
に変化した場合、ドライバーは上記のリラックス状態か
ら緊張状態に移行し、これに伴いドライバーの実際心拍
数も増加する。この結果、制御ゲイン変更手段3に入力
される実際心拍数の計測値も増大して、基準心拍数との
偏差が生じる。そして、この偏差に対応して制御ゲイン
kが変更されて上記基準転舵比特性がより同位相側に変
更される。すなわち、それまでの後輪Rw ,Rw の転舵
角が、逆位相側もしくは同位相側であるに拘らず、より
同位相側に変更される結果、回頭性がさがる側に変更さ
れてドライバーの転舵操作に対する車両の旋回運動特性
をより安定側に変更することができる。つまり、緊張状
態にあるドライバーが行う転舵操作に対しては、車両の
転舵特性をより安定側に変更することができ、車両の急
激な運動を回避してドライバーの要求に沿わせることが
できる。
【0039】そして、上記ドライバーの緊張状態が高く
なる程、実際心拍数も高くなり、その結果、制御ゲイン
kがより大きい値に変更されて上記同位相側への変更が
より大きく行われる。このため、走行中のドライバーの
緊張度合い、すなわち、走行環境に応じて変化するドラ
イバーの心理状態の変化度合いに応じて車両の運動特性
をより安定側に変更することができ、車両の走行環境の
緩急度合いに基いて変化する、車両の運動特性に対する
ドライバーの要求を的確に車両に反映させることがで
き、より高度な安全走行状態の実現を図ることができ
る。
なる程、実際心拍数も高くなり、その結果、制御ゲイン
kがより大きい値に変更されて上記同位相側への変更が
より大きく行われる。このため、走行中のドライバーの
緊張度合い、すなわち、走行環境に応じて変化するドラ
イバーの心理状態の変化度合いに応じて車両の運動特性
をより安定側に変更することができ、車両の走行環境の
緩急度合いに基いて変化する、車両の運動特性に対する
ドライバーの要求を的確に車両に反映させることがで
き、より高度な安全走行状態の実現を図ることができ
る。
【0040】このように、本実施例では、ドライバーの
心理状態に基く要求を車両の制御に直接的に反映するこ
とができ、車両の運動特性を車両の運転状態として表れ
る車速値などのパラメータによってドライバーの要求を
推測して間接的に変更制御する従来装置と比べ、車両の
運動特性をドライバーの要求により合致したものに制御
することができる。
心理状態に基く要求を車両の制御に直接的に反映するこ
とができ、車両の運動特性を車両の運転状態として表れ
る車速値などのパラメータによってドライバーの要求を
推測して間接的に変更制御する従来装置と比べ、車両の
運動特性をドライバーの要求により合致したものに制御
することができる。
【0041】図6は上記第1実施例における増幅器9の
配設位置についての他の態様が示されている。すなわ
ち、同図において、4f,4g,4hはステアリングホ
イール4のホイール部をステアリングシャフトに連結す
る3本のスポーク部であり、この内の1つのスポーク部
4hに増幅器9aが内蔵されている。すなわち、増幅器
9aを電極5の直近位置、具体的にはスリップリング3
4(図2参照)よりも電極5側である前段位置のスポー
ク部4hに設けている。この場合、上記第1実施例の如
く増幅器9を上記スリップリング34からハーネスを延
ばしてコントロールユニット29との中間位置に配設す
る場合と比べ、電極5から増幅器9aまで接続するハー
ネスの長さを最小限に制限することができる。これによ
り、上記電極5から増幅器9aまでの途上で入るノイズ
を最小限に抑えることができ、より的確な実際心拍数の
検出を行うことができる。なお、図6には3本スポーク
のものを示したが、スポーク部の本数には関係なく、図
4に示す2本スポーク4i,4jのものであればその内
の1つのスポーク部に増幅器を配設すればよい。また、
上記増幅器9aは1つに限らず、一対の電極5a,5b
ごとに増幅器を設けてもよい。
配設位置についての他の態様が示されている。すなわ
ち、同図において、4f,4g,4hはステアリングホ
イール4のホイール部をステアリングシャフトに連結す
る3本のスポーク部であり、この内の1つのスポーク部
4hに増幅器9aが内蔵されている。すなわち、増幅器
9aを電極5の直近位置、具体的にはスリップリング3
4(図2参照)よりも電極5側である前段位置のスポー
ク部4hに設けている。この場合、上記第1実施例の如
く増幅器9を上記スリップリング34からハーネスを延
ばしてコントロールユニット29との中間位置に配設す
る場合と比べ、電極5から増幅器9aまで接続するハー
ネスの長さを最小限に制限することができる。これによ
り、上記電極5から増幅器9aまでの途上で入るノイズ
を最小限に抑えることができ、より的確な実際心拍数の
検出を行うことができる。なお、図6には3本スポーク
のものを示したが、スポーク部の本数には関係なく、図
4に示す2本スポーク4i,4jのものであればその内
の1つのスポーク部に増幅器を配設すればよい。また、
上記増幅器9aは1つに限らず、一対の電極5a,5b
ごとに増幅器を設けてもよい。
【0042】図7は上記第1実施例の実際心拍数検出手
段2とは異なる態様のものを備えた第2実施例を示し、
35は実際心拍数検出手段である。
段2とは異なる態様のものを備えた第2実施例を示し、
35は実際心拍数検出手段である。
【0043】上記実際心拍数検出手段35は、所定の各
部位に配設されてドライバーの左右両手間の電位差(心
電位)を検出するための+極5aおよび−極5bからな
る複数の電極5,5,…と、この各電極5と接続されて
各電極5からのドライバーの心電位を増幅する増幅器9
と、この増幅器9により増幅された電位差から筋電位に
よる高周波および接触不良による低周波を除去して心拍
信号を取り出すバンドパスフィルタ7cと、このバンド
パスフィルタ7cを通過することにより取り出された心
拍信号(心電位)から心拍数を計測して制御ゲイン変更
手段3に出力する計測部33とを備えている。上記各電
極5から上記計測部33までの経路によって、ドライバ
ーの両手間の電位差から心拍信号を取り出す取出経路8
が構成されている。
部位に配設されてドライバーの左右両手間の電位差(心
電位)を検出するための+極5aおよび−極5bからな
る複数の電極5,5,…と、この各電極5と接続されて
各電極5からのドライバーの心電位を増幅する増幅器9
と、この増幅器9により増幅された電位差から筋電位に
よる高周波および接触不良による低周波を除去して心拍
信号を取り出すバンドパスフィルタ7cと、このバンド
パスフィルタ7cを通過することにより取り出された心
拍信号(心電位)から心拍数を計測して制御ゲイン変更
手段3に出力する計測部33とを備えている。上記各電
極5から上記計測部33までの経路によって、ドライバ
ーの両手間の電位差から心拍信号を取り出す取出経路8
が構成されている。
【0044】上記各電極5は、ステアリングホイール
4、シフトレバーの操作部であるシフトノブ6a、セン
ターコンソールに設けられたアームレスト6b、ドア内
面に設けられたアームレスト6c、および、パーキング
ブレーキの操作部であるパーキングブレーキノブ6dの
各部位に設けられている。上記ステアリングホイール4
には、第1実施例と同様に、上下左右の各位置に形成さ
れた所定幅の4つの絶縁部4a,4a,…(図4参照)
により分割された4つの領域4b,4c,4d,4eに
+極5aおよび−極5bが交互に配設されており、これ
ら一対の+極5a,5aおよび一対の−極5b,5bに
よってドライバーが左右両手でステアリングホイール4
を握っている場合の左右両手間の電位差を検出するよう
になっている。また、上記シフトノブ6a、両アームレ
スト6b,6c、および、パーキングブレーキノブ6d
の各表面には、+極5aおよび−極5bが絶縁部を介し
て所定幅の列状にもしくは碁盤の目状に交互に配設され
ており、ドライバーが片手でステアリングホイール4を
握り、他方の片手を上記シフトノブ6a、両アームレス
ト6b,6c、もしくは、パーキングブレーキノブ6d
のいずれかに操作もしくは休めるために触れている場合
の左右両手間の電位差を検出するようになっている。こ
れらの各電極5は各表面に導電性ゴムもしくは導電性プ
ラスチックなどを用いて皮膜を形成することにより配設
され、また、絶縁部は上記皮膜を形成しない未処理部と
することにより形成されている。
4、シフトレバーの操作部であるシフトノブ6a、セン
ターコンソールに設けられたアームレスト6b、ドア内
面に設けられたアームレスト6c、および、パーキング
ブレーキの操作部であるパーキングブレーキノブ6dの
各部位に設けられている。上記ステアリングホイール4
には、第1実施例と同様に、上下左右の各位置に形成さ
れた所定幅の4つの絶縁部4a,4a,…(図4参照)
により分割された4つの領域4b,4c,4d,4eに
+極5aおよび−極5bが交互に配設されており、これ
ら一対の+極5a,5aおよび一対の−極5b,5bに
よってドライバーが左右両手でステアリングホイール4
を握っている場合の左右両手間の電位差を検出するよう
になっている。また、上記シフトノブ6a、両アームレ
スト6b,6c、および、パーキングブレーキノブ6d
の各表面には、+極5aおよび−極5bが絶縁部を介し
て所定幅の列状にもしくは碁盤の目状に交互に配設され
ており、ドライバーが片手でステアリングホイール4を
握り、他方の片手を上記シフトノブ6a、両アームレス
ト6b,6c、もしくは、パーキングブレーキノブ6d
のいずれかに操作もしくは休めるために触れている場合
の左右両手間の電位差を検出するようになっている。こ
れらの各電極5は各表面に導電性ゴムもしくは導電性プ
ラスチックなどを用いて皮膜を形成することにより配設
され、また、絶縁部は上記皮膜を形成しない未処理部と
することにより形成されている。
【0045】そして、上記ステアリングホイール4、シ
フトノブ6a、両アームレスト6b,6cおよびパーキ
ングブレーキノブ6dの各電極5a,5bは、インピー
ダンス変換用増幅器9およびバンドパスフィルタ7cを
介して心拍数計測のための計測部33と接続されてお
り、この計測部33での計測値が制御ゲイン変更手段3
に出力されるようになっている。
フトノブ6a、両アームレスト6b,6cおよびパーキ
ングブレーキノブ6dの各電極5a,5bは、インピー
ダンス変換用増幅器9およびバンドパスフィルタ7cを
介して心拍数計測のための計測部33と接続されてお
り、この計測部33での計測値が制御ゲイン変更手段3
に出力されるようになっている。
【0046】なお、図7には、上記シフトノブ6a、両
アームレスト6b,6cおよびパーキングブレーキノブ
6dの各部位に配設された多数の電極5a,5a,…、
5b,5b,…から増幅器9までの配線状態を、図示の
関係上、それぞれ1本の実線で示している。
アームレスト6b,6cおよびパーキングブレーキノブ
6dの各部位に配設された多数の電極5a,5a,…、
5b,5b,…から増幅器9までの配線状態を、図示の
関係上、それぞれ1本の実線で示している。
【0047】また、上記車両の制御装置のその他の構成
は第1実施例のものと同様であるために、同一部材には
同一符号を付して、その説明は省略する。
は第1実施例のものと同様であるために、同一部材には
同一符号を付して、その説明は省略する。
【0048】そして、上記第2実施例の場合、車両の走
行中、ドライバーが左右両手でステアリングホイール4
を握っている場合、第1実施例と同様に、その左右両手
間の電位差が各領域4b〜4eに交互に配設した内の一
対の+極5aおよび−極5bによって検出される。そし
て、検出された電位差が増幅器9で増幅された後、バン
ドパスフィルタ7cを介して計測部33に送られ、増幅
されかつ余分な周波数信号成分が除去された心拍信号に
基いて上記ドライバーの実際心拍数が計測される。そし
て、この計測結果が制御ゲイン変更手段3に送られ、比
較部3aでの基準心拍数との偏差の演算結果に基いて制
御手段1での制御ゲインが、第1実施例と同様に変更さ
れて、後輪Rw ,Rw の転舵特性がドライバーの緊張度
合いに応じて変更される。
行中、ドライバーが左右両手でステアリングホイール4
を握っている場合、第1実施例と同様に、その左右両手
間の電位差が各領域4b〜4eに交互に配設した内の一
対の+極5aおよび−極5bによって検出される。そし
て、検出された電位差が増幅器9で増幅された後、バン
ドパスフィルタ7cを介して計測部33に送られ、増幅
されかつ余分な周波数信号成分が除去された心拍信号に
基いて上記ドライバーの実際心拍数が計測される。そし
て、この計測結果が制御ゲイン変更手段3に送られ、比
較部3aでの基準心拍数との偏差の演算結果に基いて制
御手段1での制御ゲインが、第1実施例と同様に変更さ
れて、後輪Rw ,Rw の転舵特性がドライバーの緊張度
合いに応じて変更される。
【0049】一方、走行途中において、ドライバーの両
手がステアリングホイール4と接触していない場合があ
る。すなわち、例えば、右手でステアリングホイール4
を握り、左手でシフトノブ6aを握ってシフト操作をし
ている場合左手でパーキングブレーキノブ6dを握って
いる場合、もしくは、左手をアームレスト6bに載せて
休めている場合など、または、左手でステアリングホイ
ール4を握り右手をアームレスト6cに載せて休めたり
パワーウインドの開閉スイッチ操作をしている場合など
がある。これらの各場合においても、上記各部位6a,
6b,6c,6dに+極5aおよび−極5bの双方が配
設されているため、ドライバーの片手がステアリングホ
イール4の各領域4b,4c,4d,4eのいずれの部
位を握っていても、その片手は+極5aおよび−極5b
のいずれか一方と必ず接触する結果、ドライバーの左右
両手間の電位差の検出を行うことができる。従って、ド
ライバーがステアリングホイール4から片手を離して他
の動作をする場合においても、ドライバーの両手間の電
位差から実際心拍数の検出をとぎれることなく確実に継
続して行うことができ、ドライバーの緊張度合いの変化
を常に検出することができる。これにより、ドライバー
の緊張度合いに基く車両の運動特性の変更制御を、第1
実施例の場合と比べ、より的確に行うことができる。
手がステアリングホイール4と接触していない場合があ
る。すなわち、例えば、右手でステアリングホイール4
を握り、左手でシフトノブ6aを握ってシフト操作をし
ている場合左手でパーキングブレーキノブ6dを握って
いる場合、もしくは、左手をアームレスト6bに載せて
休めている場合など、または、左手でステアリングホイ
ール4を握り右手をアームレスト6cに載せて休めたり
パワーウインドの開閉スイッチ操作をしている場合など
がある。これらの各場合においても、上記各部位6a,
6b,6c,6dに+極5aおよび−極5bの双方が配
設されているため、ドライバーの片手がステアリングホ
イール4の各領域4b,4c,4d,4eのいずれの部
位を握っていても、その片手は+極5aおよび−極5b
のいずれか一方と必ず接触する結果、ドライバーの左右
両手間の電位差の検出を行うことができる。従って、ド
ライバーがステアリングホイール4から片手を離して他
の動作をする場合においても、ドライバーの両手間の電
位差から実際心拍数の検出をとぎれることなく確実に継
続して行うことができ、ドライバーの緊張度合いの変化
を常に検出することができる。これにより、ドライバー
の緊張度合いに基く車両の運動特性の変更制御を、第1
実施例の場合と比べ、より的確に行うことができる。
【0050】なお、この第2実施例においても、各電極
5はステアリングホイール4などに被覆された状態で配
設され、ドライバー自身に特別な計測装置の装着を強制
するものではないため、第1実施例と同様に、ドライバ
ーの両手間の電位差に基く実際心拍数の検出を容易に行
うことができる。また、増幅器9による心電位の増幅に
より耐ノイズ性の向上を図ることができるという効果
を、さらに、バンドパスフィルタ7cによる筋電位に基
くノイズの除去および接触不良に基くベース電位のドリ
フト防止を図ることができるという効果などを第1実施
例と同様に得ることができる。
5はステアリングホイール4などに被覆された状態で配
設され、ドライバー自身に特別な計測装置の装着を強制
するものではないため、第1実施例と同様に、ドライバ
ーの両手間の電位差に基く実際心拍数の検出を容易に行
うことができる。また、増幅器9による心電位の増幅に
より耐ノイズ性の向上を図ることができるという効果
を、さらに、バンドパスフィルタ7cによる筋電位に基
くノイズの除去および接触不良に基くベース電位のドリ
フト防止を図ることができるという効果などを第1実施
例と同様に得ることができる。
【0051】図8は、上記第2実施例におけるステアリ
ングホイール4および各電極5の配設位置についての他
の態様が示されている。一般に、ドライバーがシフトノ
ブ6aなどを操作したりアームレスト6bなどに手を休
めたりするためにステアリングホイール36から片手を
離す時は、車両が直進状態にある時であり、この態様例
は、この点に着目したものである。
ングホイール4および各電極5の配設位置についての他
の態様が示されている。一般に、ドライバーがシフトノ
ブ6aなどを操作したりアームレスト6bなどに手を休
めたりするためにステアリングホイール36から片手を
離す時は、車両が直進状態にある時であり、この態様例
は、この点に着目したものである。
【0052】同図において、36はステアリングホイー
ルであり、このステアリングホイール36はホイール部
37とこのホイール部37をステアリングシャフトに連
結する3本のスポーク部38a,38b,38cとから
構成されている。この各スポーク部38a,38b,3
8cは上記ホイール部37の周囲をほぼ3等分割するよ
う配置されており、上記ステアリングホイール36の中
立回転位置、すなわち、直進状態において、スポーク部
38aは上記ホイール部37の下端位置から、スポーク
部38bは上記ホイール部37の右斜め上端位置から、
スポーク部38cは上記ホイール部37の左斜め上端位
置からそれぞれ中心側である上記ステアリングシャフト
上端に延びてY字状となっている。そして、上記の内2
本のスポーク部38a,38bが連結されるホイール部
37の上記下端位置と、右斜め上端位置とには、それぞ
れ所定幅の絶縁部37aが形成され、この一対の絶縁部
37a,37aにより区画されるホイール部37の右斜
め下の領域37bに+極5aが、それ以外の領域37c
に−極5bがそれぞれ形成されている。
ルであり、このステアリングホイール36はホイール部
37とこのホイール部37をステアリングシャフトに連
結する3本のスポーク部38a,38b,38cとから
構成されている。この各スポーク部38a,38b,3
8cは上記ホイール部37の周囲をほぼ3等分割するよ
う配置されており、上記ステアリングホイール36の中
立回転位置、すなわち、直進状態において、スポーク部
38aは上記ホイール部37の下端位置から、スポーク
部38bは上記ホイール部37の右斜め上端位置から、
スポーク部38cは上記ホイール部37の左斜め上端位
置からそれぞれ中心側である上記ステアリングシャフト
上端に延びてY字状となっている。そして、上記の内2
本のスポーク部38a,38bが連結されるホイール部
37の上記下端位置と、右斜め上端位置とには、それぞ
れ所定幅の絶縁部37aが形成され、この一対の絶縁部
37a,37aにより区画されるホイール部37の右斜
め下の領域37bに+極5aが、それ以外の領域37c
に−極5bがそれぞれ形成されている。
【0053】つまり、ドライバーが片手でステアリング
ホイール36を握ることにより車両をほぼ直進状態に保
つ場合、その片手で握るステアリングホイール36の位
置が自然とある領域に限定されるように3本のスポーク
部38a,38b,38cが予め配置されており、これ
により、その片手が接触する電極が+極5aもしくは−
極5bのいずれか一方に限定されるようになっている。
具体的には、3本のスポーク部38a,38b,38c
を上記の如く配置することにより、右手で握る場合、上
記領域37bを握って+極5aとのみ接触し、左手で握
る場合、上記領域37cを握って−極5bとのみ接触す
るようになっている。
ホイール36を握ることにより車両をほぼ直進状態に保
つ場合、その片手で握るステアリングホイール36の位
置が自然とある領域に限定されるように3本のスポーク
部38a,38b,38cが予め配置されており、これ
により、その片手が接触する電極が+極5aもしくは−
極5bのいずれか一方に限定されるようになっている。
具体的には、3本のスポーク部38a,38b,38c
を上記の如く配置することにより、右手で握る場合、上
記領域37bを握って+極5aとのみ接触し、左手で握
る場合、上記領域37cを握って−極5bとのみ接触す
るようになっている。
【0054】そして、このステアリングホイール36の
+極5aおよび−極5bの配置に対応して、シフトノブ
6a、センターコンソールのアームレスト6bおよびパ
ーキングブレーキノブ6dの各表面には−極5bのみ
が、また、ドア側のアームレスト6cの各表面には+極
5aのみが配設されている。
+極5aおよび−極5bの配置に対応して、シフトノブ
6a、センターコンソールのアームレスト6bおよびパ
ーキングブレーキノブ6dの各表面には−極5bのみ
が、また、ドア側のアームレスト6cの各表面には+極
5aのみが配設されている。
【0055】このような構成の態様例において、シフト
ノブ6aもしくはパーキングブレーキノブ6dを左手で
操作する時、もしくは、センターコンソール側のアーム
レスト6b上に左手を休める時、右手はステアリングホ
イール35の領域37bを握って+極5aと接触してい
る。この場合、上記左手は上記各部位6a,6b,6d
で−極5bと接触しているため、ドライバーの左右両手
間の電位差を検出することができる。また、ドア側のア
ームレスト6c上に右手を休める時、左手はステアリン
グホイール35の領域37cを握って−極5bと接触し
ており、上記左手が上記アームレストcで+極5aと接
触しているため、ドライバーの左右両手間の電位差を検
出することができる。従って、上記第2実施例と同様の
効果を得つつ、上記第2実施例と比べ、運転席周りのド
ライバーが触ることのある上記シフトノブ6aなどの各
部位6a,6b,6c,6dに配設する+極5aもしく
は−極5bの一方を省略することができる上、増幅器9
までのハーネスを省略することができる。これにより、
装置の簡略化およびハーネスの低減化によるノイズの低
減化を図ることができる。
ノブ6aもしくはパーキングブレーキノブ6dを左手で
操作する時、もしくは、センターコンソール側のアーム
レスト6b上に左手を休める時、右手はステアリングホ
イール35の領域37bを握って+極5aと接触してい
る。この場合、上記左手は上記各部位6a,6b,6d
で−極5bと接触しているため、ドライバーの左右両手
間の電位差を検出することができる。また、ドア側のア
ームレスト6c上に右手を休める時、左手はステアリン
グホイール35の領域37cを握って−極5bと接触し
ており、上記左手が上記アームレストcで+極5aと接
触しているため、ドライバーの左右両手間の電位差を検
出することができる。従って、上記第2実施例と同様の
効果を得つつ、上記第2実施例と比べ、運転席周りのド
ライバーが触ることのある上記シフトノブ6aなどの各
部位6a,6b,6c,6dに配設する+極5aもしく
は−極5bの一方を省略することができる上、増幅器9
までのハーネスを省略することができる。これにより、
装置の簡略化およびハーネスの低減化によるノイズの低
減化を図ることができる。
【0056】なお、本発明は上記第1および第2実施例
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。すなわち、上記第1および第2実施例
では、取出経路8にバンドパスフィルタ7cを介在させ
ているが、これに限らず、上記バンドパスフィルタ7c
に代えて例えばローパスフィルタを介在させてもよい。
この場合においても、上記ローパスフィルタによって高
周波である筋電位の除去を図ることができ、筋電位混入
に伴うノイズの除去を図ることができる。これにより、
心拍信号のR波を明確な峻別が可能となり、心拍数の検
出を的確に行うことができる。そして、上記ローパスフ
ィルタのカットオフ周波数を上記筋電位に対応した値、
すなわち、筋電位を除去して心電位を通過させ得る値に
設定することにより、上記心拍数の検出をより的確に行
うことができる。
に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含
するものである。すなわち、上記第1および第2実施例
では、取出経路8にバンドパスフィルタ7cを介在させ
ているが、これに限らず、上記バンドパスフィルタ7c
に代えて例えばローパスフィルタを介在させてもよい。
この場合においても、上記ローパスフィルタによって高
周波である筋電位の除去を図ることができ、筋電位混入
に伴うノイズの除去を図ることができる。これにより、
心拍信号のR波を明確な峻別が可能となり、心拍数の検
出を的確に行うことができる。そして、上記ローパスフ
ィルタのカットオフ周波数を上記筋電位に対応した値、
すなわち、筋電位を除去して心電位を通過させ得る値に
設定することにより、上記心拍数の検出をより的確に行
うことができる。
【0057】また、上記第1および第2実施例では、取
出経路8にバンドパスフィルタ7cを介在させている
が、これに限らず、上記バンドパスフィルタ7cに代え
て例えばハイパスフィルタを介在させてもよい。この場
合においても、上記ハイパスフィルタによって、ドライ
バーの手と上記電極5との接触不良に伴う低周波信号成
分を上記ハイパスフィルタによりカットすることがで
き、上記低周波混入に伴うベース電位のドリフト発生を
防止してベース電位の安定化を図ることができる。これ
により、心拍信号のR波の検出を的確に行うことができ
る。そして、上記ハイパスフィルタのカットオフ周波数
を上記低周波に対応した値、すなわち、上記低周波を除
去して心電位を通過させ得る値に設定することにより、
上記心拍数の検出をより的確に行うことができる。
出経路8にバンドパスフィルタ7cを介在させている
が、これに限らず、上記バンドパスフィルタ7cに代え
て例えばハイパスフィルタを介在させてもよい。この場
合においても、上記ハイパスフィルタによって、ドライ
バーの手と上記電極5との接触不良に伴う低周波信号成
分を上記ハイパスフィルタによりカットすることがで
き、上記低周波混入に伴うベース電位のドリフト発生を
防止してベース電位の安定化を図ることができる。これ
により、心拍信号のR波の検出を的確に行うことができ
る。そして、上記ハイパスフィルタのカットオフ周波数
を上記低周波に対応した値、すなわち、上記低周波を除
去して心電位を通過させ得る値に設定することにより、
上記心拍数の検出をより的確に行うことができる。
【0058】上記第1および第2実施例では、制御手段
1で制御する対象を4輪操舵装置における後輪転舵特性
とし、ドライバーの緊張状態が高くなる程(基準心拍数
からの増大側偏差が大きくなる程)、転舵特性をより安
定側に変更制御する場合を示したが、これに限らず、制
御対象を以下に示すものとしてもよい。すなわち、アク
ティブサスペンションの硬軟特性を制御対象とする場
合、上記偏差が大きくなる程よりハード側に、すなわ
ち、操縦安定性の増す側に変更制御すればよい。また、
パワートレインの駆動力伝達特性を制御対象とする場
合、上記偏差が大きくなる程より低出力側に変更制御す
ればよい。さらに、アクセルペダル操作に対するエンジ
ンの出力特性を制御対象とする場合、上記偏差が大きく
なる程より低出力側に変更制御すればよい。
1で制御する対象を4輪操舵装置における後輪転舵特性
とし、ドライバーの緊張状態が高くなる程(基準心拍数
からの増大側偏差が大きくなる程)、転舵特性をより安
定側に変更制御する場合を示したが、これに限らず、制
御対象を以下に示すものとしてもよい。すなわち、アク
ティブサスペンションの硬軟特性を制御対象とする場
合、上記偏差が大きくなる程よりハード側に、すなわ
ち、操縦安定性の増す側に変更制御すればよい。また、
パワートレインの駆動力伝達特性を制御対象とする場
合、上記偏差が大きくなる程より低出力側に変更制御す
ればよい。さらに、アクセルペダル操作に対するエンジ
ンの出力特性を制御対象とする場合、上記偏差が大きく
なる程より低出力側に変更制御すればよい。
【0059】上記第2実施例では、ドア側に電極5を配
設する部位としてアームレスト6cを示したが、これに
限らず、例えばドアトリムの上端縁部などを選択し、こ
の上端縁などの部位に電極5を配置してもよい。
設する部位としてアームレスト6cを示したが、これに
限らず、例えばドアトリムの上端縁部などを選択し、こ
の上端縁などの部位に電極5を配置してもよい。
【0060】また、上記第2実施例の態様例である図8
において、37bを+極、それ以外の領域37cを−極
としているが、これに限らず、例えば逆に配設してもよ
い。この場合、シフトノブ6a、アームレスト6bおよ
びパーキングブレーキノブ6dを+極に、ドア側アーム
レスト6cを−極にそれぞれすればよい。また、上記各
領域37b,37cの配置を逆にしてもよい。
において、37bを+極、それ以外の領域37cを−極
としているが、これに限らず、例えば逆に配設してもよ
い。この場合、シフトノブ6a、アームレスト6bおよ
びパーキングブレーキノブ6dを+極に、ドア側アーム
レスト6cを−極にそれぞれすればよい。また、上記各
領域37b,37cの配置を逆にしてもよい。
【0061】さらに、図8においてドライバーが片手で
ステアリングホイール36を操作する場合の握る部位を
限定するスポーク部38a〜38cの配置例を示した
が、これに限らず、4本スポークなどを採用してもよ
い。
ステアリングホイール36を操作する場合の握る部位を
限定するスポーク部38a〜38cの配置例を示した
が、これに限らず、4本スポークなどを採用してもよ
い。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4のい
ずれか一に記載の発明における車両の制御装置によれ
ば、運転者の両手間の電位差による心拍信号の取出経路
にローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、もしくは、バ
ンドパスフィルタを介在させているため、ローパスフィ
ルタによって、上記運転者の手の掌の筋肉活動による筋
電位が上記電位差に混入してもその高周波信号成分であ
る筋電位をカットすることができ、上記筋電位を除去し
た状態での心拍信号を取り出すことができ、ハイパスフ
ィルタによって、上記運転者の両手間の電位差を取り出
す際にその運転者の手との接触不良が生じてもその接触
不良に伴う低周波信号成分をカットすることができ、上
記低周波信号成分を除去した状態での心拍信号を取り出
すことができ、また、バンドパスフィルタによって、上
記高周波信号成分および低周波信号成分の両者を共に上
記筋電位および低周波信号成分の双方を除去した状態の
心拍信号を取り出すことができる。
ずれか一に記載の発明における車両の制御装置によれ
ば、運転者の両手間の電位差による心拍信号の取出経路
にローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、もしくは、バ
ンドパスフィルタを介在させているため、ローパスフィ
ルタによって、上記運転者の手の掌の筋肉活動による筋
電位が上記電位差に混入してもその高周波信号成分であ
る筋電位をカットすることができ、上記筋電位を除去し
た状態での心拍信号を取り出すことができ、ハイパスフ
ィルタによって、上記運転者の両手間の電位差を取り出
す際にその運転者の手との接触不良が生じてもその接触
不良に伴う低周波信号成分をカットすることができ、上
記低周波信号成分を除去した状態での心拍信号を取り出
すことができ、また、バンドパスフィルタによって、上
記高周波信号成分および低周波信号成分の両者を共に上
記筋電位および低周波信号成分の双方を除去した状態の
心拍信号を取り出すことができる。
【0063】このため、ローパスフィルタでは、得られ
る心電図から上記筋電位混入に伴うノイズを除去するこ
とができ、ハイパスフィルタでは、心電図において上記
低周波混入に伴うベース電位のドリフト発生を防止する
ことができてベース電位の安定化を図ることができ、バ
ンドパスフィルタでは上記ノイズの除去とベース電位の
安定化とを共に図ることができ、各フィルタによりR波
検出の確実化を図ることができ、ドライバーの実際心拍
数を的確に検出することができる。
る心電図から上記筋電位混入に伴うノイズを除去するこ
とができ、ハイパスフィルタでは、心電図において上記
低周波混入に伴うベース電位のドリフト発生を防止する
ことができてベース電位の安定化を図ることができ、バ
ンドパスフィルタでは上記ノイズの除去とベース電位の
安定化とを共に図ることができ、各フィルタによりR波
検出の確実化を図ることができ、ドライバーの実際心拍
数を的確に検出することができる。
【0064】そして、このドライバーの実際心拍数に基
いて制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更されて車両
の運動特性が変更制御されるため、車両の制御に、生体
であるドライバーの緊張度合いとしてあらわれる心理状
態が反映されて、個々のドライバーの内面的要求に合致
させた車両の制御が可能となる。
いて制御ゲイン変更手段で制御ゲインが変更されて車両
の運動特性が変更制御されるため、車両の制御に、生体
であるドライバーの緊張度合いとしてあらわれる心理状
態が反映されて、個々のドライバーの内面的要求に合致
させた車両の制御が可能となる。
【図1】本発明を示す概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す全体概略構成図であ
る。
る。
【図3】各種車速に対する転舵比特性を示す関係図であ
る。
る。
【図4】図2のステアリングホイールの拡大図である。
【図5】標準的な心電位に基く心電図である。
【図6】第1実施例のステアリングホイールの他の態様
を示す図4相当図である。
を示す図4相当図である。
【図7】第2実施例を示す全体概略図である。
【図8】第2実施例の他の態様を示す図6相当図であ
る。
る。
【図9】心電位に筋電位が混入した場合の心電図であ
る。
る。
【図10】心電位に接触不良に伴う低周波信号成分が混
入した場合の心電図である。
入した場合の心電図である。
1 制御手段 2,35 実際心拍数検出手段 3 制御ゲイン変更手段 7a ローパスフィルタ 7b ハイパスフィルタ 7c バンドパスフィルタ 8 取出経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01D 21/00 7907−2F G05B 13/02 Z 9131−3H // B60K 41/00 B62D 1/04 9142−3D B62D 101:00 113:00 137:00
Claims (4)
- 【請求項1】 車両を制御する制御手段と、運転者の両
手間の電位差から心拍信号を取り出して運転者の実際心
拍数を計測する実際心拍数検出手段と、この実際心拍数
検出手段からの信号を受けて上記実際心拍数に基いて上
記制御手段の制御ゲインを変更する制御ゲイン変更手段
とを備えており、 上記実際心拍数検出手段は上記電位差から運転者の手の
筋電位を除去するよう高周波側カットオフ周波数が設定
されたローパスフィルタを備えており、このローパスフ
ィルタは上記心拍信号の取出経路に介在されていること
を特徴とする車両の制御装置。 - 【請求項2】 請求項1において、ローパスフィルタに
代え、運転者の両手間の電位差を検出する際の接触不良
に伴い発生する低周波信号成分を除去するよう低周波側
カットオフ周波数が設定されたハイパスフィルタとした
車両の制御装置。 - 【請求項3】 請求項1において、ローパスフィルタに
代え、運転者の両手間の電位差から運転者の手の筋電位
と上記電位差を検出する際の接触不良に伴い発生する低
周波信号成分とを除去して心拍信号を取り出すよう高周
波側および低周波側のカットオフ周波数が設定されたバ
ンドパスフィルタとした車両の制御装置。 - 【請求項4】 高周波側カットオフ周波数が100Hz
以上に、低周波側カットオフ周波数が0.08Hz 以下
に設定されている請求項1乃至3のいずれか一つに記載
の車両の制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047747A JPH06293273A (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 車両の制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5047747A JPH06293273A (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 車両の制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06293273A true JPH06293273A (ja) | 1994-10-21 |
Family
ID=12783948
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5047747A Withdrawn JPH06293273A (ja) | 1993-03-09 | 1993-03-09 | 車両の制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06293273A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7109862B2 (en) * | 2001-05-04 | 2006-09-19 | Robert Bosch Gmbh | Method and device for detecting the contact of hands on a steering wheel |
JP2011037357A (ja) * | 2009-08-10 | 2011-02-24 | Nsk Ltd | 車両用ステアリング装置 |
JP2016107794A (ja) * | 2014-12-05 | 2016-06-20 | 本田技研工業株式会社 | 自動運転制御装置 |
WO2019003461A1 (ja) * | 2017-06-30 | 2019-01-03 | ニチユ三菱フォークリフト株式会社 | 走行制御装置および走行制御方法 |
CN109969248A (zh) * | 2019-04-29 | 2019-07-05 | 延锋百利得(上海)汽车安全系统有限公司 | 一种车辆方向盘 |
-
1993
- 1993-03-09 JP JP5047747A patent/JPH06293273A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20000509 |