JPH0629281Y2 - 構造部材の接合装置 - Google Patents

構造部材の接合装置

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JPH0629281Y2
JPH0629281Y2 JP9366388U JP9366388U JPH0629281Y2 JP H0629281 Y2 JPH0629281 Y2 JP H0629281Y2 JP 9366388 U JP9366388 U JP 9366388U JP 9366388 U JP9366388 U JP 9366388U JP H0629281 Y2 JPH0629281 Y2 JP H0629281Y2
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screw
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克彦 今井
弘 中條
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川鉄建材工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は構造部材の接合装置に係り、詳しくは、複数の
長尺な鋼管などの構造部材を、その先端において節点部
材に容易かつ強固に接合する装置に関するものである。
これは、トラス構造などを形成する構造部材の継手の分
野で利用される。
〔従来の技術〕
長尺な鋼管などの構造部材を多数使用して、大きい立体
構造物を構築する場合には、各構造部材の先端を節点部
材(ノードと称される)に接合し、トラス構造を構成さ
せることが多い。そして、1つの多面体の節点部材に対
して幾本かの構造部材を接合するのはボルトなどによっ
ている。しかし、構造部材を節点部材に固定する際ボル
トを十分に締め付けることは容易でないことが多い。一
例を挙げると、ナット状のスパナ係合片に半径方向の孔
を開け、その孔を挿通するピンを介して、そのピンが植
設されているボルトを回転するようにしている。その結
果、ピン強度に制約されて大きいトルクを作用させるこ
とができない難点がある。また、接合装置によって切欠
きや開孔などによる断面欠損があり十分なトルクを作用
させることができなかったり、機械的強度を高くするこ
とができない欠点がある。加えて、耐力上重要な部分で
あるボルトねじ部の一部が露出するなどして、構造上腐
蝕に対する配慮に欠ける。そのため、ボルトに過剰な強
度や品質が要求され、コスト高とならざるを得ない。な
お、特公昭56-29064号公報などには、接合ボルトをスリ
ーブ状のもので覆い、それによって接合ボルトを回転さ
せるようにしたものが記載されている。これは、長尺な
構造主材の端部で溶接などされたエンド部材に接合ボル
トなどが取付けられているので、製作の仕上げ工程にお
いて構造部材の正確な寸法出しもしくは寸法手直し作業
が物理的に不可能となる問題がある。
ところで、本出願人は、構造部材を節点部材に強力に接
合することができ、接合ボルトの露出を避けて腐蝕し難
い構造とし、寸法出しの容易かつ断面欠損のない簡単で
強固な構造を有する接合装置を、特開昭62-55347号にお
いて提案した。これは、第11図に示すように、構造部
材2を節点部材3のねじ孔5へ接合する接合ボルト6に
ボス部7が形成され、その両側端部のねじ部6a,6b
が互いに逆ねじであり、構造部材2は構造主材2Aとエ
ンド部材2Bとからなり、その構造主材2Aの端部に一
体化されたエンド部材2Bの内部に、接合ボルト6の基
部側に螺合されるアンカーナット8の径より大きい径の
雌ねじ部9が形成されている。そして、その雌ねじ部9
に螺合する支持部材11には接合ボルト6の軸部6mを
挿通して支持する摺動孔25が形成され、ボス部7の外
面に係合して回転を接合ボルト6に伝達するスリーブ体
4があり、そのスリーブ体4はボス部7の軸方向変位を
可能にしたものである。
〔考案が解決しようとする課題〕
上述の装置によれば、接合強度が高くしかも接合状態に
あってボルトの露出が避けられ、機械加工による寸法出
しも容易となる。ところで、接合作業において接合ボル
ト6の先端を節点部材3のねじ孔5にまず一致させる必
要があるが、その構造上スリーブ体4が接合ボルト6の
大部分を覆うことになるので、接合前の状態である第1
2図に示すように、接合ボルト6の先端をスリーブ体4
の先端より少なくとも呼び込み可能長さlだけ突出させ
ておかなければならない。その突出量は例えば3〜5mm
といったように短いが、立体トラスを組み進めると節点
部材間の距離が正寸となってくるため、接合ボルトの突
出量が節点部材間への介装作業を阻害する。したがっ
て、組立て順序を入念に考慮するかまたは組立済みの個
所に油圧ジャッキで力を掛け、節点部材間を正寸より少
し広げながら組込まなければならない。これらの作業は
大変手間を要し、そのための準備も大層煩わしい。他
方、一つの構造物に使用される構造部材の本数は非常に
多く、寸法の異なる構造部材を組込むといった間違いは
避けられない。その場合に所望外の構造部材を取り外さ
なければならないが、かなり組上った状態で組込まれた
1本を外すことは至難の技である。
本出願人は、上述の課題を解決するための装置として特
開昭63-51539号に記載の構造部材の接合装置を提案して
いる。その接合装置には第13図に示すようにスプリン
グ26が介在され、節点部材のねじ孔に接合ボルト6が
対面するとき、そのスプリング26の圧縮でねじ部6b
をスリーブ体4内へ退避させ(図示せず)、正寸の出て
いる節点部材間に寸法精度よく製作された構造部材2と
接合装置1とを簡単に組み込むことができるようにして
いる。ところで、この接合装置ではスプリングが構成部
品として第11図の場合より多くなり、また、スプリン
グを収容するための空間も確保する必要がある。そのた
め、装置の部品点数が多くなく、低廉かつコンパクト化
が図られ、立体構造物を能率的に構築することができる
装置の出現が望まれる。
本考案は上述の問題や要望に鑑みなされたもので、節点
部材間が正寸となったときも極めて簡単かつ能率的に構
造部材を組込みまたは取外すことができ、しかも構造部
材の寸法出しが容易で節点部材に強力に接合でき、ボル
トの露出を避けて腐蝕し難く強固な構造とすることがで
きる接合装置を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は、各構造主材の端部にエンド部材が一体化さ
れ、そのエンド部材を介して、上記構造主材をねじ孔の
形成された節点部材に接合する接合ボルトを備えた接合
装置に適用される。その特徴とするところを第1図を参
照して説明すると、以下の通りである。
上記の接合ボルト6にはボス部7が形成されると共に、
その両側端部のねじ部6a,6bが互いに逆ねじに形成
され、ボス部7と接合ボルト6の基部側のねじ部6aと
の間には、ねじ部6aより大きい径の軸部6mが形成さ
れ、エンド部材2Bの内部には、接合ボルト6の基部側
のねじ部6aに螺合されるアンカーナット8の径より大
きい径の取付孔9が穿設される。その取付孔9に挿通さ
れると共にエンド部材2Bに固定される支持部材11の
内面には、接合ボルト6の反基部側のねじ部6bと同一
螺旋方向および同一ピッチの雌ねじ部12が形成され、
軸部6mにはその雌ねじ部12部に螺合する雄ねじ部6
cが形成される。そして、ボス部7の外面に係合して回
転を伝達する一方、ボス部7の軸方向摺動を可能にする
スリーブ体4が設けられ、そのスリーブ体4の外面に
は、ボス部7を回転するための回転力作用部13が形成
されていることである。
〔作用〕
接合ボルト6の基部側から支持部材11を挿入し、その
内面に形成された雌ねじ部12を軸部6mの雄ねじ部6
cに螺合させて、支持部材11をボス部7の端面に当接
させる。続いて、同じく接合ボルト6の基部側からアン
カーナット8をねじ部6aに螺合させて軸部6mに当接
させて締め込むと、接合ボルト6と支持部材11とアン
カーナット8とが一体化される。そして、各構造主材2
Aの端部に一体化されたエンド部材2Bの取付孔9へ、
一体化後の接合ボルト6を挿入すると共に固定する。
このように、支持部材11を介して接合ボルト6をエン
ド部材2Bに固定した後、ボス部7の外面に係合させる
ようにしてスリーブ体4を嵌める。接合ボルト6は正確
な長さ寸法で製作されたスリーブ体4内に納まり、その
先端がとびだした状態にはならない。一体化された構造
部材2および接合装置1を、正寸の出ている2つの節点
部材3,3間に配置した後、スリーブ体4の外面に形成
された回転力作用部13を利用して回転を与え、ボス部
7を介して接合ボルト6を回転させる。そのとき、ねじ
部6bとねじ孔5とはいまだ螺合状態にないが雄ねじ部
6cが支持部材11から進出するので、接合ボルト6は
スリーブ体4内を変位する。その結果、接合ボルト6が
節点部材3へ向けて進出し、ねじ部6bがねじ孔5に螺
合する。双方のねじは同一螺旋方向および同一ピッチで
あるので、接合ボルト6の進出は阻害されない。雄ねじ
部6cが雌ねじ部12から外れても、スリーブ体4の回
転でねじ部6bはねじ孔5内へ進出する。
接合ボルト6が所定量進出すると接合ボルト6に螺合さ
れたアンカーナット8が支持部材11に当接する。アン
カーナット8の螺合するねじ部6aと節点部材3に螺合
するねじ部6bとは逆ねじとなっているので、節点部材
3への捩じ込み作動によって、アンカーナット8とねじ
部6aとの噛み込みが助長される状態にあり、アンカー
ナット8がねじ部6aから外れることなく、接合ボルト
6のそれ以上の進出が阻止される。
一方、節点部材3間に組込まれた構造部材2を外すとき
は、スリーブ体4を逆方向に回転させる。ねじ部6bと
ねじ孔5が螺合状態にある接合ボルト6が後退し、その
後退量が大きくなると雄ねじ部6cが支持部材11の雌
ねじ部12と螺合する。そして、ねじ部6bがねじ孔5
から外れた後は、雄ねじ部6cの後退力でねじ部6bの
先端が確実にねじ孔5から抜け出し、スリーブ体4の内
部に退避する。したがって、正寸の出ている節点部材
3,3間にある構造部材2は、極めて簡単に取り外され
る。
〔考案の効果〕
本考案によれば、上述のようにして構造部材が接合ボル
トを介して節点部材に接合されるが、機械加工により正
確な寸法出しの行なわれている構造部材を、正寸の出て
いる2つの節点部材間に確実かつ極めて容易に配置する
ことができる。そして、接合ボルトを締め付けるため
に、スリーブ体の回転力作用部を使用して大きいトルク
を簡単に掛け、強く節点部材に固定することができる。
接合状態にあっては、スリーブ体がエンド部材と節点部
材の間に介在され、接合ボルトの露出が避けられ、耐力
上重要なボルトねじ部の腐蝕が抑制される。また、組み
込まれた構造部材の正寸状態からの取り外しも容易とな
る。
〔実施例〕
以下、本考案をその実施例に基づいて詳細に説明する。
第1図は接合装置1の全体断面図で、構造部材2の先端
が節点部材3に放射状(本例では十字)に接合されるよ
うになっている。その構造を順に述べると、構造部材2
は長尺な鋼管などが採用される構造主材2Aとエンド部
材2Bとよりなり、その構造主材2Aの端部に厚板状の
エンド部材2Bが溶接などで一体化され、そのエンド部
材2Bを介して、構造主材2Aをねじ孔5の形成された
節点部材3に接合する接合ボルト6が設けられている。
なお、構造部材2は、それに一体化された両端部のエン
ド部材2Bを含む全長が正確でなければならず、エンド
部材2Bには次後的に螺合や接着剤などで組付けられる
ものがあっても、予め溶接などで一体化されるものはな
いので、エンド部材2Bの端面2nから他端のエンド部
材の端面までの長さが、工場内で機械加工によって正確
に寸法出しされる。
上述の接合ボルト6にはボス部7が形成されると共に、
その両側端部のねじ部6a,6bが互いに逆ねじに形成
されている。ボス部7を境にして節点部材3側である反
基部側に形成されるねじ部6bは例えば右ねじであり、
構造部材2を節点部材3に取り付ける場合、基部側に取
り付けられたアンカーナット8が接合ボルト6の回転に
伴って構造部材2内で外れないように、ねじ部6aが左
ねじとなっている。そして、ボス部7と接合ボルト6の
基部側のねじ部6aとの間には、ねじ部6aより大きい
径の軸部6mが形成され、さらに、エンド部材2Bの内
部には、ねじ部6aに螺合されるアンカーナット8の径
より大きい径の取付孔9を形成する雌ねじ部が刻設さ
れ、このエンド部材2Bの雌ねじ部9には、スリーブナ
ットとでも言うべき雄ねじ部10を外周部に形成した支
持部材11が螺合され、ねじ部分にネジロック剤などの
接着材が塗布されて緩み止めが図られている。なお、支
持部材11はエンド部材2B内に完全に収容された状態
にある必要はなく、図示のようにとびだしていてもよ
い。次に述べる雄ねじ部6cとの螺合部すなわち雌ねじ
部12とその基部側の円筒状の案内面11aとを介して
接合ボルト6を保持し、かつ後述のスリーブ体4の回転
を阻害しなければよい。本例の支持部材11の先端がエ
ンド部材2Bより第2図に示す長さLだけ突出するよう
に、組立て時にねじ込み量が調整され、後述するように
接合ボルト6の腐蝕を軽減するためのシール性を高める
配慮が施されている。また、この場合、支持部材11を
エンド部材2Bの雌ねじ部9に捩じ込むのを容易にする
ため、捩じ込みツールを係合させる凹み14aが設けら
れている。なお、雌ねじ部9と雄ねじ部10との螺合に
よりエンド部材2Bと支持部材11とを固定するのに代
えて、ねじ部を有しない取付孔9に支持部材11を挿通
し、接着材で固定してもよい。要は、支持部材11とエ
ンド部材2Bとの確実な一体化が図られていればよい。
支持部材11の内面には、接合ボルト6の反基部側のね
じ部6bと同一螺旋方向および同一ピッチの雌ねじ部1
2が形成され、接合ボルト6の軸部6mにおけるボス部
7と隣接する位置には、雌ねじ部12に螺合する雄ねじ
部6cが形成されている。なお、ねじ部6bと雄ねじ部
6の径が同じ場合には、それらに形成されるねじはピッ
チ角も一致したものとなるが、図示のように雄ねじ部6
cの径がねじ部6bより大きくても、上記のように螺旋
方向とピッチが同じであれば十分である。ちなみに、第
2図の実線で示すように、ねじ部6bの先端6nが節点
部材3に当接しているスリーブ体4の反基部側の端部と
同一面となるように並んだり、スリーブ体4内に退避さ
れると、スリーブ体4が回転され接合ボルト6がねじ部
6bの締め込み方向に回転しても、ねじ部6bがねじ孔
5に螺合されことなく、接合ボルト6は空転するかのよ
うになる。ところが、雌ねじ部12に螺合して回転する
右ねじである雄ねじ部6cからの前進力が接合ボルト6
に働き、接合ボルト6が進出してねじ部6bは節点部材
3のねじ孔5に螺合されるようになっている。このよう
に、雄ねじ部6cは、ねじ部6bをねじ孔5に螺合させ
るために設けられ、その機能からしてねじ長さがねじ部
6bより短く形成されているが、支持部材11の内面全
部に雌ねじ部12が形成されていても差し支えない。ね
じ部6bがねじ孔5に螺合された後、仮想線で示すよう
に両方の前進力で前進し、その後、雄ねじ部6cと雌ね
じ部12との螺合が外れても、ねじ部6bとねじ孔5と
の螺合によって前進することができ、アンカーナット8
がエンド部材2Bに当接する位置でねじ込みを完了させ
ることができるようになっている。
接合ボルト6の外部には、そのボス部7の外面に係合し
て回転を伝達するスリーブ体4が設けられている。それ
は、例えば六角状に形成されたボス部7に嵌る六角筒体
で、その内部はボス部7の軸方向摺動を可能にしてい
る。そして、そのスリーブ体4の外面には、ボス部7を
回転するための回転力作用部13が形成されている。な
お、ボス部7やスリーブ体4は、通常六角状のものが採
用されるが、ボス部7は四角や他の多角形などであって
もよく、スリーブ体4の内部はそれに係合し、外部の回
転力作用部13は例えばスパナなどを噛ませて回転させ
ることができるような構成であれば十分である。
スリーブ体4は構造部材2を節点部材3に組付けた後は
半永久的に接合ボルト6を覆っているが、接合ボルト6
と外気との接触や水分の付着を阻止する機能を向上させ
るために、本例ではスリーブ体4とエンド部材2Bおよ
びスリーブ体4と節点部材3との間に、第2図に示した
シール構造が採用されている。すなわち、スリーブ体4
のエンド部材2B側の内端部に支持部材11の先端が嵌
入する段差部4nが形成され、スリーブ体4の端面4a
がエンド部材2Bの端面に接触するときに、支持部材1
1の端面もスリーブ体4の段差凹面4bに接触するよう
に、段差部分の寸法や支持部材11の上述したねじ込み
量が調整され、その接触面に高分子吸収材15などが薄
く塗布される。湿気によってその高分子吸収材15が膨
張すると、極めて高い水密性が得られる。なお、スリー
ブ体4を回転させて節点部材3に構造部材2を固定する
とき、節点部材3からの締結力が上記二個所の接触面を
介して構造部材2側に伝達されるようになっている。
一方、ボス部7のねじ部6b側に弾性パッキン16が装
着され、そのパッキン厚みを大きく選定しておくと、ス
リーブ体4の回転により接合ボルト6を節点部材3のね
じ孔5に噛み合わせる際弾性パッキン16がボス部7で
圧縮され、節点部材3側においても水密性が図られる。
このようにして、スリーブ体4の両端部でシールされる
ので、スリーブ体4内への水液の侵入や外気の侵入が避
けられ、長期の使用に耐える接合装置1とすることがで
きる。
このような構成によれば、次のようにして接合装置1を
形成し、構造部材2と節点部材3との接合を強固にする
ことができる。
まず、所定寸法に切断された構造主材2Aの両端に、エ
ンド部材2Bを溶接などで一体化する。その際、溶接歪
が発生するので構造部材2の寸法に狂いが生じることが
あるが、エンド部材2Bの端面2nを機械加工するなど
して所定の寸法出しを行なうことができる。なお、寸法
出しのために取付孔を形成する雌ねじ部9がやゝ短くな
ったりするが、それによる支障は特に生じない。エンド
部材2Bの雌ねじ部9は比較的大きく開口した状態にあ
り、エンド部材2Bを含む構造部材2の内外面における
防錆のための表面処理、例えば酸洗、塗膜下地のボンデ
処理、焼付塗装、溶融亜鉛メッキなどを、容易に行なう
ことができる。
次に、構造部材2とは独立して、接合ボルト6の基部側
から第3図に示す支持部材11を挿入して、ねじ部6a
を経て軸部6mに形成された雄ねじ部6cに近づけ、第
4図に示すように支持部材11を回転させ、雄ねじ部6
cと雌ねじ部12とを螺合させ、ボス部7の端面に支持
部材11を当接させる。続いて、第5図のようにアンカ
ーナット8を基部側のねじ部6aに螺合させる。
各構造主材2Aの端部に一体化されたエンド部材2Bに
おいて、本例では、その内側の雌ねじ部により形成され
た取付孔(すなわち雌ねじ部9)へ接合ボルト6を挿入
し、第6図に示すように、支持部材11の雄ねじ部10
をエンド部材2Bの雌ねじ部9に螺合する。なお、螺合
するとき、支持部材11の回転用に仮想線で示す捩じ込
みツール17Aを用い、その爪を凹み14aに係合させ
るなどして、回転を助ける。支持部材11をエンド部材
2Bに固定する際エンド部材2Bの端面2nから所定の
長さL〔第2図参照〕だけ突出するようにねじ込み量を
決め、予め塗布されているネジロック剤などでその一体
化を図る。その状態で、第7図に示すようにボス部7の
外面に係合させるようにしてスリーブ体4を嵌める。そ
のスリーブ体4の端面4aならびに段差凹面4bには予
め高分子吸収材が塗布されている。
そして、第7図の接合ボルト6の先端6nが、スリーブ
体4の端面と同一位置となるようにしたり、あるいは、
スリーブ体4内に入るようにした〔図示せず〕接合装置
1と一体の構造部材2を、正寸の出ている2つの節点部
材3,3間に配置する。この操作は作業者が第8図に示
すように接合装置1を節点部材3の位置に運び、接合ボ
ルト6のねじ部6bの先端6nを節点部材3の平坦面3
aに、スリーブ体4の端面と共に当接させる。精密に機
械加工された節点部材3や接合装置1および構造部材2
にあっては、作業者は構造部材2と一体の接合装置1の
移動量や方向を判別でき、容易に接合ボルト6をねじ孔
5に一致させることができる。
通常、ねじ孔5に接合ボルト6が一致したと判断すれ
ば、スリーブ体4の外面に形成された回転力作用部13
を利用して回転を与え、ボス部7を介して接合ボルト6
を回転させる。そのとき、接合ボルト6のねじ部6bと
ねじ孔5とはいまだ螺合していないが、支持部材11の
雌ねじ部12に螺合する雄ねじ部6cの回転による進出
力が接合ボルト6に働く。その進出力によって、接合ボ
ルト6が節点部材3側に移動し、ねじ部6bはねじ孔5
内に進出する。そのときボス部7の外面は軸方向に摺動
変位可能で、第9図のように接合ボルト6が節点部材3
に噛み合わされる。その後、ねじ部6bおよび雄ねじ部
6cの回転による両方の進出力で接合ボルト6が進出
し、雄ねじ部6cと雌ねじ部12との螺合が外れても、
ねじ孔5に螺合しているねじ部6bの回転による進出力
で、接合ボルト6すなわち接合装置1および構造部材2
と、節点部材3との接合が進められる。そして、接合ボ
ルト6が所定距離進出するとボス部7もスリーブ体4内
を移動する一方、接合ボルト6に螺合されたアンカーナ
ット8が支持部材11に当接する。その際、アンカーナ
ット8の螺合するねじ部6aと節点部材3に螺合するね
じ部6bとは互いに逆ねじとなっているので、節点部材
3への捩じ込み作動によって、アンカーナット8とねじ
部6aとの噛み込みが助長される状態にあり、アンカー
ナット8がねじ部6aから外れることなく、接合ボルト
6のそれ以上の進出が阻止される。このようにして、接
合装置1と節点部材3との接合作業が完了する。上述の
スリーブ体4も正確な寸法出しが行なわれているので、
節点部材3,3間が正寸となっていても、構造部材2な
らびにスリーブ体4の正確な寸法に基づき、確実なる組
み立てが手際よく行なわれる。
なお、接合ボルト6を節点部材3に取り付けるための締
結力は、スリーブ体4と支持部材11を介してエンド部
材2Bに伝達され、それが構造主材2Aで受け止められ
ることになる。その際の力の伝達はスリーブ体4の端面
4a〔第2図参照〕と段差凹面4bを介して行なわれ、
しかもその接触面は上述したようにシールが施される。
ボス部7のねじ部6b側に装着された弾性パッキン16
は、スリーブ体4とボス部7と節点部材3に挟まれて圧
縮され、スリーブ体4の左右端部で水密性が図られる。
このような接合状態にあっては、スリーブ体4がエンド
部材2Bと節点部材3との間に介在されることになり、
特にメッキ工場の建屋などで天井梁として使用される場
合に、処理液の蒸気が接合ボルト6に触れのを回避する
ことができる。
一方、構造部材2を誤って組込んだことが判明した場合
には、所定の構造部材と差し換えるために取り外さなけ
ればならない。このときは、まずスリーブ体4を逆方向
に回転させる。ねじ部6bとねじ孔5が螺合状態にある
接合ボルト6が後退し、その後退量が大きくなると雄ね
じ部6cが支持部材11の雌ねじ部12と螺合する。そ
して、ねじ部6bの螺合が外れた後は、雄ねじ部6cの
後退力でねじ部6bの先端が確実にねじ孔5から抜け出
す。接合ボルト6の先端は、第1図に示すように、スリ
ーブ体4の端面と同一位置になったり、スリーブ体4内
へ退避する。したがって、正寸の出ている節点部材3,
3間にある構造部材2も、極めて簡単に取り外される。
以上の説明は第1図に示したような接合装置を例にした
が、第10図のようにエンド部材22Bがエンドコーン
と呼ばれるほぼ円錐状の部材であり、それが構造主材2
Aに溶接などで一体化されている場合でも同様に本考案
を適用することができる。それは構造主材2Aと連なる
円錐部22aと筒部22bとからなり、構造部材2の寸
法出しは筒部22bの端面2nを機械加工することによ
り行なわれる。なお、筒部22bには支持部材11を螺
合させる取付孔9である雌ねじ部が形成されるが、その
外面を六角形にしておくとスリーブ体4を回転させる際
の反力取り部23とすることができ、スリーブ体4に所
定のトルクを掛ける作業が極めて容易となる利点があ
る。
上述の二つの例では、支持部材11とエンド部材2B,
22Bとの螺合個所にネジロック剤が塗布されている
が、これは、接合ボルト6を節点部材3に噛み合わせる
ねじと同じ方向のねじが形成されているからである。そ
こで、ねじ部6bと逆のねじを支持部材11とエンド部
材2B,22Bとのねじ部に形成しておくと、スリーブ
体4が節点部材3とエンド部材2B,22Bに接触した
後所定のトルクを掛けて増締めする場合、スリーブ体4
との接触面から伝わる大きなトルクに対抗させることが
できる。すなわち、ねじ部6bと同じ右ねじである場合
にはネジロック剤が必要とされしかもそれが大きいトル
クで破壊することがあるが、左ねじにしておくとそれを
回避することができるからである。
以上詳細に述べたが、このような構造部材の接合装置に
よれば、構造部材が次々と組立てられ節点部材間が正寸
となってきても、ねじ部6bの先端である接合ボルト6
の先端6nをスリーブ体4の端面もしくはその内部に位
置させ、構造部材2とそれに一体化された接合装置1を
節点部材3,3から簡単に着脱することができる。そし
て、接合装置を傷めたり不必要な応力が作用しなくな
り、設計通りの応力状態が実現でき信頼性の高い構造部
材とすることができる。また、接合状態にあっては接合
ボルトの露出が避けられ、かつ、高分子吸収材などでシ
ール性が向上され、耐力上重要なボルトねじ部の腐蝕は
抑制される。従来のボルト組立て式の接合装置では不可
能であった内部の完全な水密性が実現され、屋外構造物
にも十分に適用できるものとなる。加えて、構造部材は
機械加工による寸法出しの容易な構成であり、表面処理
も容易となる。また、接合ボルトは構造部材の表面処理
時に付随することがなく、メッキによるボルト強度の低
下を回避でき、メッキ不可能な高強度ボルトの使用など
も可能となり、実用的に極めて優れた多くの効果が発揮
される。加えて、第13図のようなスプリングが介在ざ
れた構造に比べて、部品点数を減らすと共にその収容ス
ペースが不要となり、コンパクト化が図られ、低廉な接
合装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例における接合装置の縦断面
図、第2図は接合装置の拡大図、第3図〜第9図は作動
を説明する断面図、第10図は異なる形状のエンド部材
を有する構造部材の接合装置の断面図、第11図は先行
技術における接合装置の断面図、第12図は接合ボルト
の先端がスリーブ体から突出している状態を示す断面
図、第13図はスプリングを備えることにより接合ボル
トを進退させることができるようにした例の断面図であ
る。 1…接合装置、2…構造部材、2A…構造主材、2B…
エンド部材、3…節点部材、4…スリーブ体、5…ねじ
孔、6…接合ボルト、6a,6b…ねじ部、6c…雄ね
じ部、6m…軸部、7…ボス部、8…アンカーナット、
9…取付孔(雌ねじ部)、11…支持部材、12…雌ね
じ部、13…回転力作用部。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】各構造主材の端部にエンド部材が一体化さ
    れ、そのエンド部材を介して、上記構造主材をねじ孔の
    形成された節点部材に接合する接合ボルトを備えた接合
    装置において、 上記接合ボルトにはボス部が形成されると共に、その両
    側端部のねじ部が互いに逆ねじに形成され、 上記ボス部と上記接合ボルトの基部側のねじ部との間に
    は、ねじ部より大きい径の軸部が形成され、 上記エンド部材の内部には、前記接合ボルトの基部側の
    ねじ部に螺合されるアンカーナットの径より大きい径の
    取付孔が穿設され、 上記取付孔に挿通されると共に上記エンド部材に固定さ
    れる支持部材の内面には、上記接合ボルトの反基部側の
    ねじ部と同一螺旋方向および同一ピッチの雌ねじ部が形
    成され、 上記軸部には上記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部が形成さ
    れ、 前記ボス部の外面に係合して回転を伝達する一方、ボス
    部の軸方向摺動を可能にするスリーブ体が設けられ、 そのスリーブ体の外面には、上記ボス部を回転するため
    の回転力作用部が形成されていることを特徴とする構造
    部材の接合装置。
JP9366388U 1988-07-14 1988-07-14 構造部材の接合装置 Expired - Lifetime JPH0629281Y2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101147999B1 (ko) 2011-05-25 2012-05-24 (주)에이스파워텍 입체구조물 시공용 스페이스 트러스
KR101295346B1 (ko) * 2011-07-05 2013-08-09 강현구 스페이스 프레임

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