JPH06292600A - C型肝炎ウイルスのグルーピング用pcrプライマーセットおよびそれを用いるグルーピング方法 - Google Patents

C型肝炎ウイルスのグルーピング用pcrプライマーセットおよびそれを用いるグルーピング方法

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JPH06292600A
JPH06292600A JP8328993A JP8328993A JPH06292600A JP H06292600 A JPH06292600 A JP H06292600A JP 8328993 A JP8328993 A JP 8328993A JP 8328993 A JP8328993 A JP 8328993A JP H06292600 A JPH06292600 A JP H06292600A
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virus
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Akira Hasegawa
明 長谷川
Kenjiro Yamaguchi
健次郎 山口
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 C型肝炎ウイルス(HCV)のグループI又
はIIのグルーピングに使用するためのPCRプライマ
ー、およびこれを使用するHCVのグルーピング方法。 【効果】 HCVの遺伝子型の分類法において、誤判定
が少なく且つHCV遺伝子の検出率が高い、という利点
をもつため、インターフェロン治療の実施判定に有効に
使用し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、C型肝炎ウイルスのグ
ループI又はIIのグルーピングに使用するためのポリ
メラーゼ連鎖反応(PCR)プライマー、及び、このプ
ライマーを用いるC型肝炎ウイルスのグルーピング方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】C型肝炎ウイルス(または「HCV」と
も称する)の遺伝子が発見され、その遺伝子の発現産物
を用いた抗体検出系の開発によりHCV感染の診断が可
能になった。現在、HCV感染の診断は主に抗体検出系
により行なわれているが、ウイルス蛋白自体を検出する
有効な抗原検出系は開発されていない。これはHCVの
場合血中のウイルス量が少ないために通常のEIA法や
RIA法ではウイルス抗原の検出が難しいためである。
そのため抗原検出系に替わる方法としてPCR法により
HCV遺伝子を検出する方法が使用されている。PCR
法は理論上は1コピーの遺伝子でも検出可能なのでHC
Vのように微量のウイルスしか存在しない場合でも検出
が可能となる。
【0003】最近、HCVによる慢性肝炎の治療にイン
ターフェロン(IFN)が有効であることが示されて来
ている。しかしながら、IFNが有効な症例は、慢性肝
炎の30%〜40%程度であり効果のあるものとないも
のが見られる。この有効性の差はHCVの遺伝子型の差
(Yoshiokaら、Hepatology,16:
293−299,1992;Kanaiら、LANCE
T,339:1543,1992)と考えられている。
このため、HCV遺伝子を分類することがIFN治療の
指針として有用である可能性が大であり注目されてい
る。
【0004】C型肝炎ウイルスはその塩基配列あるいは
アミノ酸配列からタイプ1からタイプ4の4つに分類す
るタイピング法(Okamotoら、J.Gen.Vi
rol,73:673−679,1992;Enomo
to N.ら、Biochem.Biophys.Re
s.com.170(3):1021−1025,19
90)と、タイプ1とタイプ2をグループI、タイプ3
とタイプ4をグループIIとするグルーピング法(本出
願人が平成4年10月30日に出願した特願平4−31
6634号及び特願平4−316635号)とが提唱さ
れている。図1に各タイプと各グループの系統樹を示し
ているが、グループIとグループIIの間の塩基配列の
相同性は70〜75%程度しかなく、塩基配列の上から
もかなり異なるウイルスと考えられるのに対し、グルー
プIの中のタイプ1とタイプ2間及びグループIIの中
のタイプ3とタイプ4間の塩基配列の相同性はそれぞれ
85〜88%及び80〜90%でありタイプ1とタイプ
2、タイプ3とタイプ4のウイルスはかなり近いウイル
スではないかと考えられる。またタイプ1〜4のウイル
スは血清学的に4つに分類する方法はまだ確立されてい
ないが、グループIとグループIIは血清学的にも分類
可能であり(本出願人による特願平4−316634号
及び特願平4−316635号;Machidaら、H
epatology,16:886−891)、血清学
的にもグループIとIIの間にかなりの隔たりがあると
考えられる。
【0005】現在、HCVのタイピングまたはグルーピ
ングを行なう場合、分類基準がその塩基配列あるいはア
ミノ酸配列に拠っているために、HCV遺伝子をクロー
ニングし、クローニングした遺伝子の核酸配列を決定
し、核酸あるいはアミノ酸配列の相同性を検索し、分類
する方法が最も確実な方法である。しかしながら、この
方法は時間も費用も掛り煩雑である。これに替わる方法
として岡本ら(上掲)はHCVのCORE領域に相当す
るプライマーを用いPCR法により4つのタイプに分類
する方法を開発した。この方法は、各タイプに共通なセ
ンス及びアンチセンスプライマーを用い第一段階目のP
CRを行ない、つぎに第2PCRで第1PCRで増幅さ
れた領域の内側に設定した各タイプに共通なセンスプラ
イマーと各タイプのそれぞれ異なる位置に設定したタイ
プ特異的な4種のアンチセンスプライマーを用いPCR
を行なう方法である。また槙ら(特願平4−35916
0号)はHCVのNS5領域に相当する4本のプライマ
ーを用いPCR法によりグループIとグループIIに分
類する方法を開発した。この方法はHCVのグループI
とグループIIのウイルス遺伝子の長さが異なる領域に
着目し、この長さの異なる領域であるNS5の領域をは
さみこむようにプライマーを設定し、4本のプライマー
でグルーピングを可能にした方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】HCV分類のため、従
来行なわれてきた核酸配列を決定し分類する方法は、時
間や手間がかかるため大量の検体を処理することは不可
能である。一方、岡本ら(上掲)のCORE領域のプラ
イマーを用いたPCRによるタイピングは簡便ではある
がつぎのような問題点がある。すなわち、HCVはRN
Aウイルスであるために変異が起こりやすい。岡本ら
は、第2PCRに用いるアンチセンスプライマーは各タ
イプに良く保存された領域のプライマーを選択している
が、各タイプに特異的な4種のプライマーはHCV遺伝
子上の異なる位置に設定されているために変異の起きか
たによっては全く同じウイルスでも二本のPCR産物が
検出されたりあるいは判定不能になる可能性がある。実
際にこのCOREのプライマーを用いた分類では分類不
能であった例が24.1%あるいは12〜20%あると
報告されている(第39回日本臨床病理学会総会講演要
旨集(1992年)、第186頁の演題260;第27
回日本肝臓学会西部会講演要旨集(1992年)、第5
0頁の一般演題13;Moriら、Biochem.B
iophys.Res.Com.183:332−34
2,1992)。一方、槙らのNS5のプライマーを用
いたグルーピング法は判定率の点で岡本らのCOREの
領域プライマーよりもすぐれているが、この方法を用い
てもすべてのHCV RNA陽性の検体を判別できるわ
けではない。
【0007】このような状況下、本出願人は、PCR−
SSCP(Single Strand Conformation Polymorphism
)法によるHCVの遺伝子型の分類法を検討し、HC
V遺伝子の5’UTR配列上にHCVのグループIとグ
ループIIを識別する各々に特異的なヌクレオチド配列
が存在することを見出した。
【0008】したがって、本発明の第1の目的は、HC
VのグループIおよびIIのグルーピングに使用するた
めのPCRプライマーを提供することである。
【0009】本発明の第2の目的は、該PCRプライマ
ーを用いるHCVのグルーピング方法を提供することで
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】一般的にPCR−SSC
P法(Oritaら、Proc.Natl.Acad.
Sci.USA 86:2766−2770,198
9)は、遺伝子の変異が一塩基でもあれば検出可能であ
る。そのためRNAウイルスのように変異が起こりやす
い遺伝子を分類する場合には、PCRで増幅される領域
の中に一塩基でも変異が起きると電気泳動後の移動度に
差が出てしまい分類が不可能になる可能性がある。C型
肝炎ウイルス(HCV)はRNAウイルスであるためこ
のような問題が起こる可能性がある。そこで、本出願人
はPCRで増幅する領域を選択するポイントとして、
(i)変異が起こりにくい領域であること、及び(ii)
グループIとグループIIでは必ず異なる塩基配列(塩
基配列の違いは一塩基以上であれば構わない)を含む領
域であることに着目した。
【0011】(i)と(ii)の条件にあてはまるような
領域を探した結果、HCV5’UTRの前半部分に適当
な領域を見い出した。すなわち、図2に示した種々のH
CV5’UTR塩基配列中HCJ6(II)のヌクレオチ
ド番号107とヌクレオチド番号119の配列がグルー
プ内でよく保存されており107番目はグループIで
G,グループIIでA,119番目がグループIでA,
グループIIでCとなっており、グループ内でよく保存
されている。またこの領域の前後はグループIでもグル
ープIIでも全く同じ配列であり、PCR−SSCP法
でのグルーピングに非常に適した領域だと考えられる。
【0012】したがって、本発明は、配列番号1に示さ
れるヌクレオチド番号29〜97の配列中に存在する少
なくとも10マーのヌクレオチド配列を有するセンスプ
ライマーと、配列番号1に示されるヌクレオチド番号1
11〜166の配列中に存在する少なくとも10マーの
ヌクレオチド配列に相補的で且つ逆向きの配列を有する
アンチセンスプライマーとを含む、C型肝炎ウイルスの
グループI及びIIを識別するためのPCRプライマー
セットを提供する。
【0013】この場合、上記定義のセンス及びアンチセ
ンスプライマーを用いたPCR産物を、後述のSSCP
法で分析し、グループを分類するが、1段階のPCRで
分析可能な量までPCRが増幅された場合は、上記定義
のセンス及びアンチセンスプライマーでのPCR産物を
用い分析を行なう。
【0014】しかしながら、1段階のPCRで分析可能
な量までPCR産物が増幅されない場合は、上記定義の
プライマーは2段階目のPCRのプライマーとして用
い、この2段階目のPCR産物をSSCP法での解析に
用いることとなる。この場合第1段階目のPCRは他の
プライマーを用いて予め第2段階目のPCRで増幅され
る領域を含む遺伝子を一定量まで増幅させなければなら
ない。この第1段階目のPCRで用いる他のプライマー
とは、第1センスプライマーは、第2段階目のPCRで
用いる選択したセンスプライマー配列の5’側に位置す
るプライマーで第2アンチセンスプライマーは第2段階
目のPCRで用いる選択したアンチセンスプライマー配
列の3’側に位置するプライマーであり、第1と第2の
プライマーはある程度重なっていてもよい。また、第1
PCRに用いるプライマーはグループIとグループII
の間で全く同じ配列の場所を選ぶ必要はなく、PCRで
の増幅が可能な領域であればかまわない。
【0015】下記にプライマーセットの非限定的具体例
を示す。
【0016】第1PCR: センスプライマー(YOC−3): 5’−CACTCCACCATAGATCACTC−
3’、 アンチセンスプライマー(YOC−4): 5’−CACTCGCAAGCACCCTATCA−
3’、 第2PCR: センスプライマー(YOC−1): 5’−TTCACGCAGAAAGCGTCTAG−
3’、 アンチセンスプライマー(YOC−2): 5’−AATTCCGGTGTACTCACCGG−
3’。
【0017】ここで、YOC−1およびYOC−3はそ
れぞれ配列番号1中ヌクレオチド番号54〜73および
ヌクレオチド番号14〜33の配列に対応し、また、Y
OC−2およびYOC−4はそれぞれヌクレオチド番号
147〜166およびヌクレオチド番号285〜304
の配列と相補的で且つ逆向きの配列に対応している。
【0018】プライマーのサイズは、PCRのアニーリ
ング段階の温度及び検出特異性に依存して変化させ得る
が、好ましくは少なくとも10マー、より好ましくは1
5〜30マーである。しかし、10マー未満のプライマ
ーサイズも使用可能である。本発明のプライマー類は、
当業者に公知の手法、特にDNAシンセサイザー法で合
成し得る。
【0019】本発明はさらに、上記定義のPCRプライ
マーを用いるC型肝炎ウイルスのグループI又はIIの
グルーピング方法を提供する。
【0020】この方法は、具体的には、該ウイルスを含
有すると思われる検体から該ウイルス由来のRNAを露
出し、該ウイルスRNAに対するcDNAを合成し、グ
ループI又はIIを特異的に識別可能にするための上記
定義のプライマーセットを用いてPCRを行なうことに
より該DNAを増幅し、これをPCR−SSCP法によ
って検出して該ウイルスのグループI又はIIを識別す
ることを包含する。
【0021】本方法で使用するPCR−SSCP法は1
本鎖のDNAが塩基配列に基づいて形成する高次構造の
違いを電気泳動の差として検出するものであり、全く同
じ長さの1本鎖DNAでもその中の1塩基が異なるだけ
で高次構造が変化し、電気泳動を行なうとその移動度に
差が生じることを利用している。このSSCP法とPC
R法を組み合わせることにより微量の試料からでも容易
に塩基配列の違い、特に1塩基の違いまでを検出するこ
とが可能である。このため、本発明においては、HCV
のグルーピングを行なうためにPCR−SSCP法を用
いるのが好適である。
【0022】以下に本発明の方法を説明する。
【0023】HCV RNAは蛋白変性剤であるグアニ
ジンチオシアネートあるいは蛋白質分解酵素であるプロ
ティナーゼKなどを用いて血漿あるいは肝臓の組織など
から抽出可能である。また市販のRNA抽出キット、例
えばISOGEN(ニッポンジーン社)を用いてもよ
い。RNA抽出後、フェノール/クロロホルム等で除蛋
白を行ないエタノール沈殿で濃縮する。これを適当なバ
ッファーあるいは水に溶解し、RNAサンプルとして用
いる。
【0024】RNAサンプルは常法に従いcDNA合成
を行なう(Okamotoら、Jpn.J.Exp.M
ed.60:215−222,1990)。dNTP、
RNase阻害剤、逆転写酵素、さらに第1PCRに用
いる2種のプライマーのうち、アンチセンスプライマー
を加えcDNA合成を行なう。逆転写酵素はAMV−リ
バーストランスクリプターゼやMMLV−リバーストラ
ンスクリプターゼを用いることができる。
【0025】次に遺伝子増幅反応(PCR)を行なう。
PCRは1段階又は2段階のPCRを用い得るが、HC
V遺伝子の場合特に増幅率を高める必要があるため2段
階PCR法が好ましい。2段階PCR法では、まず合成
されたcDNAにPCRバッファー、dNTP、1〜1
00pmoleのセンスプライマーのみ、あるいはセン
ス、アンチセンスプライマーを加え、10〜50サイク
ルの第1PCRを行なう。PCRのプロファイルは、例
えばDNA変性90〜94℃、15秒〜2分、アニーリ
ング37〜60℃、15秒〜2分、伸長反応50〜80
℃、15秒〜2分で行なうことが可能である。次に第1
PCRの産物の1/10〜1/107 を用い第2PCR
を行なう。適当量の第1PCR産物にPCRバッファ
ー、dNTP第2PCR用センス及びアンチセンスプラ
イマーを1〜100pmole程度加えPCR反応を行
なう。PCRのプロファイルは第1PCRと同じでよ
い。
【0026】第1又は第2PCR用センスもしくはアン
チセンスプライマーは、上記定義のHCVグループI又
はIIのグルーピング用プライマーから任意に選択され
る。
【0027】PCR産物は、PCR−SSCP法に基づ
いてアクリルアミドゲルで電気泳動し移動度の差により
グループの違いを検出する。泳動に先立ち、適当量のP
CR産物にホルムアミド、EDTA,色素(ブロムフェ
ノールブルー、キシレンシアノール)を加え80℃〜1
00℃で数分処理し、DNA断片を1本鎖にする。泳動
には尿素等の変性剤を含まない架橋度の低い総濃度5〜
6%程度のアクリルアミドゲルを使用する。ゲルにはグ
リセリンを加えてもよい。泳動する場合、DNAの微妙
な構造の差を検出するため移動度に大きな影響を及ぼす
温度の設定は重要であり、泳動中は温度を一定に保つよ
うにする。このためには恒温の電気泳動槽を用いればよ
い。しかしながら、電圧を掛けすぎないようにし、温度
を一定に保てるような条件を設定できれる場合には、恒
温の電気泳動槽を使用しなくても検出は可能である。電
気泳動後、DNAのバンドを検出するため銀染色を行な
う。このような方法でグループIとグループIIの遺伝
子の判定が可能である。
【0028】
【実施例】本発明を、下記の実施例によりさらに詳しく
説明する。
【0029】実施例1 C型肝炎患者血清からの全RNAの抽出 血清100μlに6MのGTC溶液(6Mグアニジンチ
オシアネート、37.5mMクエン酸ナトリウム、0.
75%ザルコシル、0.2Mメルカプトエタノール)4
00μlと酵母tRNA(ベーリンガーマンハイム・ヤ
マノウチ社、10mg/ml)を1μl加え撹拌する。
さらに3M酢酸ナトリウム(pH5.2)27μl、T
E飽和フェノール(pH7.5)400μl、クロロホ
ルム/イソアミルアルコール(49:1)80μlを加
え、10秒間撹拌した後、氷中に15分間静置する。微
量高速冷却遠心機(TOMY MR150)で1500
0rpm、20分間、4℃で遠心する。水溶液層を35
0μl分取し、これにイソプロピルアルコールを等量加
え、−20℃で1時間以上置く。
【0030】これを15000rpm、20分間、4℃
で遠心し、沈殿させる。さらに沈殿物を4M GTC溶
液(6M GTC溶液を滅菌水で希釈したもの)100
μlに再溶解し、100μlのイソプロパノールを加え
−20℃で1時間以上静置する。その後、遠心機で15
000rpm、20分間、4℃で遠心し、沈殿物を得
る。70%エタノール1mlで2回洗浄後、室温で風乾
し、10μlの滅菌水に溶解し、RNAとして使用し
た。
【0031】RNAからのcDNA合成及びPCRによ
る遺伝子増幅 cDNA合成は常法に従い、RNA10μlをシリコン
処理を行なったチューブ(0.5ml)に分注後、70
℃、3分間加熱し、氷上で急冷する。次にRNaseイ
ンヒビター(宝酒造)0.25μl(200単位/μ
l)、dNTPs(各2mM)2μl、10×PCRバ
ッファー(0.1M Tris−HClpH8.3、5
00mM KCl)2μl、100mM MgCl2
0.5μl、40mM DTT 0.5μl、第1PC
R用アンチセンスプライマー(5’−CACTCGCA
AGCACCCTATCA−3’(YOC−4))25
pmole、逆転写酵素(生化学工業)0.4μl(2
4単位/μl)を加え、滅菌水で20μlにする。42
℃で1時間保持し、酵素を失活させるために95℃で5
分間加熱する。このcDNAを用いてPCRを行なっ
た。第1PCRとしてcDNA溶液20μlに10×P
CRバッファー8μl、2mM dNTP 8μl、第
1PCR用センスプライマー(5’−CACTCCAC
CATAGATCACTC−3’(YOC−3))25
pmole、Taq DNAポリメラーゼ(ベーリンガ
ーマンハイム・ヤマノウチ社製、5単位/μl)を加
え、滅菌水で100μlにする。これにミネラルオイル
(シグマ社)を2滴重層し、撹拌後軽く遠心する。PC
R反応は、パーキンエルマーシータス社のDNA th
ermal cyclerを用いて行なった。反応のプ
ロファイルはDNA変性94℃、1.5分、アニーリン
グ50℃、1.5分、伸長反応72℃、1.5分で35
サイクルとした。終了後72℃で10分間保持し、4℃
に冷却した。この第1PCR産物中の5μlを、PCR
用チューブ(0.5ml)に分取し、10×PCRバッ
ファー9μl、第2PCR用センス(5’−TTCAC
GCAGAAAGCGTCTAG−3’(YOC1))
及びアンチセンスプライマー(5’−AATTCCGG
TGTACTCACCGG−3’(YOC2))各25
pmole、2mM dNTP 9μl、Taq DN
Aポリメラーゼ(ベーリンガーマンハイム・ヤマノウチ
社製、5単位/μl)を0.5μl加え、滅菌水で10
0μlにする。これにミネラルオイルを重層し、撹拌
後、軽く遠心する。PCR反応は第1PCRの反応条件
と同様の方法で行なった。
【0032】SSCP法による電気泳動バンドの検出 バンドの検出は次のように行なった。2nd PCR産
物2μlにFormamide 溶液(95% For
mamide,20mM EDTA,0.05%BP
B,0.05%xc)8μlを加える。軽くvorte
xで混合し、ヒートブロックで95℃10分間加熱す
る。この工程でDNAは一本鎖になる。加熱後、氷中で
急冷する。次にこのサンプルを電気泳動する。ゲルは次
の要領で作製する。20%アクリルアミド溶液(重量比
でアクリルアミド49に対しビスアクリルアミド1の割
合で溶解する)2.5ml、5×TBE(0.45M
Tris−borate,10mM EDTA)2.5
mlに純水を加え25mlにする。これに10%Amm
onium persulfate 250μl、N,
N,N’,N’−Tetramethylethyle
nediamide 25μlを加え、軽く撹拌する。
140mm×140mm×0.75mmのゲル板にこの
溶液を流し込み、コームをさしこみ静置する。ゲルが固
まったならば、バッファーを循環させ、温度制御のでき
る泳動槽(アトー:レゾルマックス,2連スラブ)にセ
ットし、2μlのサンプルをアプライし、室温で150
Vの定電流で約180分間電気泳動する。ゲルの温度は
21℃に保つように設定する。電気泳動終了後、ゲル板
をはずし、ポリアクリルアミドゲルを銀染色した。銀染
色は市販のキット(バイオラド:シルバーステインキッ
ト)を用いて行なった。染色はメーカーにより添付され
たプロトコールに従った。また槙ら(特願平4−359
160号)のプライマーでグルーピングを行なったサン
プルについて分類を行なった。図3に電気泳動の結果を
示す。レーン1〜5がグループI、レーン6〜10がグ
ループIIに分類される検体を用いた。レーン11が9
5℃、5分間のDNA変性を行なっていない2本鎖DN
Aをコントロールとして泳動したものである。図3から
明らかなように、グループIとグループIIでは2本の
1本鎖DNA(図中、下端の近接する2本のバンドによ
り示される)の移動度は明らかに異なっており、この方
法でグルーピングが可能であることを示している。
【0033】実施例2 IFNの治療効果とPCR−SSCP法によるグルーピ
ングの相関 IFN治療を行ない、効果の分かっている検体12検体
について実施例1のプロトコールに従ってグルーピング
を行なった。著効例(IFN治療終了後、ALT値の正
常化が持続した症例)5例、一過性有効例(IFN治療
開始後、ALT値が治療前値の50%以下に低下した
が、その後の観察で再上昇をきたした症例)5例、無効
例(IFN治療開始後、ALT値の低下が50%未満で
あった症例)2例である。すべての症例について槙ら
(特願平4−359160号)の方法でのグルーピング
(NS5として示されている)あるいは岡本ら(J. Ge
n.Virol, 73:673-679)の方法でのタイピング(COR
Eとして示されている)も同時に行なった。表1にPC
R−SSCP法でのグルーピングとIFN治療との相関
を示す。本方法で分類された検体のうち、一過性有効例
5例及び無効例2例はグループIと判定された。著効例
5例はグループIIと判定された。これらの結果は、本
方法によるHCVの分類がIFN治療の指針として有用
である可能性を示している。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】C型肝炎ウイルスの遺伝子型の識別にお
いて、5’UTR領域は変異が入りにくい領域であり、
ここでのPCRを行なうことにより誤判定が少なく且つ
該ウイルス遺伝子の検出率が高い、という利点をもつ。
したがって、該ウイルスの検出だけでなくインターフェ
ロン(IFN)治療(グループIIに著効を示す)の実
施判定にも有効に使用し得る。
【0036】
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:332 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to genomic RNA 起源 生物名:C型肝炎ウイルス 配列の特徴 特徴を表す記号:5’UTR 配列 CKRWTRGGGG CGACACTCCR CCATRRAYCA CTCCCCTGTG AGGAACTACT GTCTTCACGC 60 AGAAAGCGTC TAGCCATGGC GTTAGTATGA GTGTCGTRCA GCCTCCAGGY CCCCCCCTCC 120 CGGGAGAGCC ATAGTGGTCT GCGGAACCGG TGAGTACACC GGAATTRCCR GRAMGACYGG 180 GTCCTTTCTT GGAYHAACCC RCTCWRTGYC YGGHSATTTG GGCRYGCCCC CGCRAGMCTG 240 CTAGCCGWGT AGYGTTGGGT YGCGAAAGGC CWTGTGGTAC TGCCTGATAG GGTGCTTGCG 300 AGTGCCCCGG GAGGTCTCGT AGACCGTGCA TC 332
【図面の簡単な説明】
【図1】C型肝炎ウイルス(HCV)の各グループと各
タイプの系統樹を示す。
【図2】異なるC型肝炎患者血清から取得されたHCV
RNAの5’UTR領域のcDNA配列の比較であ
る。図中、ボックスはグループI及びグループIIに特
異的な塩基の存在を示し、また、YOC1及びYOC2
はプライマーの設定部位を示す。これらのプライマーは
該特異的塩基をはさみこむように設定されていることが
分かる。
【図3】本発明のグルーピング方法によるPCR産物の
電気泳動図を示す。レーン1〜5はグループIに属する
検体1〜5の泳動結果、及び、レーン6〜10はグルー
プIIに属する検体6〜10の泳動結果をそれぞれ示
す。また、レーン11は、95℃、5分間のDNA変性
を行なっていない2本鎖DNA(コントロール)であ
る。図中、下端の2本のバンドの移動度がグループIと
IIで互いに異なることが分かる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1に示されるヌクレオチド番号
    29〜97の配列中に存在する少なくとも10マーのヌ
    クレオチド配列を有するセンスプライマーと、配列番号
    1に示されるヌクレオチド番号111〜166の配列中
    に存在する少なくとも10マーのヌクレオチド配列に相
    補的で且つ逆向きの配列を有するアンチセンスプライマ
    ーとを含む、C型肝炎ウイルスのグループI及びIIを
    識別するためのPCRプライマーセット。
  2. 【請求項2】 C型肝炎ウイルスを含有すると思われる
    検体から該ウイルス由来のRNAを露出し、該ウイルス
    RNAに対するcDNAを合成し、請求項1記載のプラ
    イマーセットを用いてPCRを行なうことにより該DN
    Aを増幅し、これをSSCP法によって検出して該ウイ
    ルスのグループI又はIIを識別することを包含する、
    C型肝炎ウイルスのグループI又はIIのグルーピング
    方法。
JP8328993A 1993-04-09 1993-04-09 C型肝炎ウイルスのグルーピング用pcrプライマーセットおよびそれを用いるグルーピング方法 Pending JPH06292600A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010046064A (ja) * 1995-02-01 2010-03-04 Srl Inc C型肝炎ウイルスのジェノタイプの判別方法

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JP2010046064A (ja) * 1995-02-01 2010-03-04 Srl Inc C型肝炎ウイルスのジェノタイプの判別方法

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