JPH062923B2 - 溶融還元による低りん高マンガン鉄合金の製造方法 - Google Patents

溶融還元による低りん高マンガン鉄合金の製造方法

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JPH062923B2 JP59145966A JP14596684A JPH062923B2 JP H062923 B2 JPH062923 B2 JP H062923B2 JP 59145966 A JP59145966 A JP 59145966A JP 14596684 A JP14596684 A JP 14596684A JP H062923 B2 JPH062923 B2 JP H062923B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は上底吹転炉型反応容器を用いて溶融還元精錬方
法により、安価にかつ効率よく低りん高マンガン鉄合金
を製造する方法に関するものである。
(従来の技術) 高マンガン鉄合金は鉄鋼精錬において、鉄鋼の性質を向
上させる目的で溶鋼の脱酸剤として、またマンガン分の
添加剤として使用されるものであるが、その際高マンガ
ン鉄合金に不純分として含まれているりんは、最終製品
である鉄鋼の品質に悪影響を及ぼすことが知られている
ため、最近特に出来るだけりん含有量の低い高マンガン
鉄合金が要望されてきている。
従来低りん高マンガン鉄合金を製造する方法として次の
ような2方法が工業的に用いられている。
まず第1にシリコン含有率の高い高マンガン鉄合金(シ
リコンマンガン、Si35%)を電気炉で製造し除滓御撹
拌機能(スターラー、シエーカー)を有する反応容器に
入れ、上部より脱りん剤(CaO,CaC2,CaSi,CaF2等)を装
入撹拌して脱りん処理を行い、更に電気炉などでマンガ
ン鉱石を用いて脱硅処理を行って低りん高マンガン鉄合
金とする方法があり,第2に高炭素高マンガン鉄合金を
電気炉で製造し、除滓後上吹転炉型反応容器に入れ、酸
素吹精により炭素不飽和の高マンガン鉄合金を作り、除
滓後撹拌機能(スターラー、シエーカー)を有する反応
容器に入れ、上部より脱りん剤(CaO,CaC2,CaSi,CaF
2等)を装入撹拌して脱りん処理する方法がある。
しかしこれらの方法は前述の如く電気炉、及び他の反応
容器などを交互に使用して3工程も必要であるという複
雑な方法であり、更に電気炉を使用することにより非常
に高価なものとなる。またこれらの方法において使用さ
れる電力は第1の方法で製品1T当り4500KWH、第2の
方法で製品1T当り2200KWHも要するため、製品価格上
昇の要因となっており、かつ双方とも反応容器の処理に
おいてはマンガン分の損失や熱ロスが大きく且つ脱りん
率も低くなるという欠点がある。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は、上述の欠点のない方法、すなわち加熱熱源と
して安価な一次エネルギー(特に石炭、コークスなどの
石炭系固体炭素質物質の燃焼エネルギー)を利用し、マ
ンガン分の損失や熱ロスが少なく、効率の良い低りん高
マンガン鉄合金の製造方法を提供するものである。
(問題点を解決するため手段) 本発明は電力を使用しないで上底吹き転炉型反応容器を
用いて不活性ガス等を底吹きする事により得られる強撹
拌力を利用し、短時間で効率よく、低りん高マンガン鉄
合金を製造するものであって、上底吹き転炉型反応容器
内に、マンガン鉱石またはその予備還元物のうち少くと
も1つと固体炭素質物質と造滓剤を装入し、酸素または
酸素を含むガスを供給して加熱、溶融、還元することに
より、炭素の飽和した高マンガン鉄合金を生成させ、同
時に生成するスラグの一部を排滓して残留する過剰の炭
素を取り除き、再び酸化性ガスを吹込むことによって前
記高マンガン鉄合金を脱炭し、炭素不飽和高マンガン鉄
合金を製造する第一工程と、次にスラグの全量を取り除
いて、生石灰、炭化カルシウム、カルシウムシリコンの
うち少くとも1種とアルカリ土類金属のハロゲン化物と
の混合物を添加し、不活性ガスを底吹きすることにより
脱りんする第二工程とから成ることを特徴とする溶融還
元による低りん高マンガン鉄合金の製造方法を要旨とす
る。
(作用) 高マンガン鉄合金のりん含有量は、主な原料であるマン
ガン鉱石中のりん含有量に大きく左右されるため、りん
の低いものを製造するためには、高マンガン鉄合金を製
造した後、脱りんを行う方法がとられる。
ところが、炭素質物質を還元剤として高マンガン鉄合金
を製造した場合、炭素の飽和したもの(炭素含有量約7
%)となり、この炭素飽和高マンガン鉄合金は脱りんが
非常にむずかしい。
例えばカルシウム化合物を用る高マンガン鉄合金溶湯の
脱りんはカルシウムカーバイドを例にとると次のような
反応式によるとされている。
3CaC2+14Mn→3〔Ca〕+2Mn ……(1) 3〔Ca〕+2P→Ca3P2 ……(2) すなわち(1)式のMn7C3は炭素飽和の場合に相当し炭素飽
和高マンガン鉄合金では(1)式が生起しないため、(2)式
も生じない。したがって高マンガン鉄合金溶湯を炭素不
飽和の状態にして、(1)式を生起させ、溶融フラックス
中に取り込み、低りん品とする方法が有効となってく
る。
本発明者らはまずこの高マンガン鉄合金の炭素含有率と
脱りん率の関係を実験したところ、第3図に示したよう
に、おおよそC4%以下であれば、十分な脱りん率が得
られることがわかった。
次に本発明について詳細に説明する。
本発明で用いる設備概要を第1図に示した。上底吹転炉
型反応容器2は製鋼用上底吹転炉を用いるのが望まし
い。この反応容器の底部には1個または複数個のノズル
3が配置されている。ノズルの数は前記反応の容器の容
量及び吹き込みガス量によって決定される。ノズル3は
2重管とし、内管より酸素または不活性ガス、外管より
冷却用ガスを吹込むことの出来る構造とする。前記冷却
用ガスとしてはプロパンが好適であるがN2,CO2,Arなど
も使用できる。また第二工程である脱りん工程では、か
ならずしも転炉型でなくとも良く、底吹き手段を具備し
た反応容器を用いる事ができる。第1図において1はロ
ータリーキルンで、反応容器から排出されるガスの排熱
を利用し、装入原料の乾燥、予熱、予備還元の事前処理
を行うことができる。
次に第一工程で用いる原料として、マンガン鉱石は、乾
燥した生鉱、または、ロータリーキルン、流動還元炉、
焼結機等の予備処理設備を用いて事前処理を行ったマン
ガン鉱石の予備還元物または焼結鉱を、それぞれ単独ま
たは混合して使用することができる。
固体炭素質物質は、石炭、コークスなどの石炭系の固体
炭素質物質を使用し造滓剤は主として生石灰、石灰石な
どを使用し、すべて乾燥品とする。第二工程で用いる脱
りん用フラックスは生石灰、カルシウムカーバイド、カ
ルシウムシリコン、螢石等であって通常市販品を必要あ
れば、適正粒度に粉砕して使用する。
次に本発明による操業の態様およびその作用について説
明する。
まず第一工程について説明すると、上底吹転炉型反応容
器内には高マンガン鉄合金溶湯と溶滓を残しておき、底
吹ノズルの内管から酸素または酸素を含むガスを外管か
らプロパン、N2,CO2,Arの何れかを吹き込んでおき、そ
こに固体炭素質物質を前記炉内装入し、上吹きランスよ
り酸素または酸素を含むガスの吹き込みを開始する。こ
の場合、上記吹き、底吹きの酸素の割合は例えば97:
3〜80:20とするのが好適である。
つぎにマンガン鉱石および/またはその予備還元物と固
体炭素質物質と造滓剤を前記反応容器内に装入する。こ
の場合、これらの各原料は混合原料として装入しても良
く、また別々に装入することもできる。
これらの各原料を前記上底吹転炉型反応容器に装入する
際、予備処理を行なった原料の場合は予備処理して後冷
却することなく、直接前記反応容器に装入することが、
原料の顕熱を利用出来るので、総エネルギーの節約上有
利である。例えばロータリーキルンでマンガン鉱石の予
備還元を行う場合はマンガン鉱石と炭素質物質を前記キ
ルンに装入し、約1000℃程度で加熱還元を行うの
で、前記キルンと上底吹転炉型反応容器を直結させ直接
1000℃程度の原料を装入する事が出来る。
前記反応容器内の高マンガン鉄合金溶湯の温度は160
0℃を超えないよう上吹き用ランスパイプの高さおよび
吹き込みガス量を調節する。
このようにして、一定の吹酸量および原料の装入が終了
した後、溶融原料中のマンガン酸化物が過剰の炭素によ
り還元され、炭素の飽和した高マンガン鉄合金(C含有
量約7%)が生成する。
この還元期においては、底吹きノズルの内管から吹込む
ガスを酸素または、酸素を含むガスからプロパン,N2,A
rCO2,COなどの中から選ばれる何れか少なくとも1つの
ガスに切り換えることが好適である。これは、マンガン
が鉄、クロムなどに比較して酸化されやすいためであ
る。一定時間吹酸を行った後、生成されたスラグの一部
を反応容器より除去し、残したスラグおよび炭素の飽和
した高マンガン合金に再び吹酸し、脱炭する。この段階
における酸素吹精の初期には溶湯中のマンガンが酸化さ
れ、溶湯温度は急速に上昇し、引続いて炭素の酸化が始
まって溶湯温度は上昇を続けるが溶湯温度を1650〜
1850℃に制御して溶湯中の炭素含有量を制御する。
すなわち溶湯の最終到達温度が1750〜1780℃の
場合は生成する溶融金属中のC含有量は2%以下とな
り、前記温度が1820〜1850℃の場合は1%以下
となるが、前述した如く、C2%以下で次工程において
十分な脱りん率が得られること(第3図参照)及び次工
程の処理温度を考慮すると1750〜1780℃附近の
温度で十分である。なお溶湯温度が1650℃より低い
炭素の酸化よりマンガンの酸化が優先し、一方1850
℃より高いとマンガンの蒸発が活発になってマンガンの
損失が激しくなるので、溶湯温度は1650〜1850
℃の範囲内で精錬する必要がある。溶湯温度を制御する
には高マンガン鉄合金の冷材あるいはフラックスを装入
することのほか、酸素吸込み量を調整することによって
行うことができる。
このようにして溶湯中の炭素含有量を所定値に低下させ
ると、マンガンの一部が酸化されて酸化マンガンとして
マンガン含有量30〜50%含有するスラグが生成する
が、このスラグは第二工程に入る前に溶融高マンガン鉄
合金と分離し、溶融状態のまま、または冷材でも良い
が、次回の第一工程原料としてマンガン鉱石の代りに使
用される。
次に第二工程について説明する。
第一工程が終了した後、生成したスラグをほとんど全量
除去し、残った炭素不飽和高マンガン鉄合金溶湯に脱り
ん用フラックスを適正量添加し、不活性ガスをを底吹き
して強制撹拌する。
脱りん用フラックスは生石灰、カルシウムカーバイド、
カルシウムシリコンのうちから選ばれる何れか少なくと
も1種とアルカリ土類金属のハロゲン化物の混合物が使
われるが、生石灰、カルシウムカーバイド、カルシウム
シリコンは高マンガン鉄合金中のマンガンと反応して容
易にカルシウム単体を生成し、この発生期のカルシウム
はりんと容易に結合し、Ca3P2となる。前にも述べた
が、その反応式はそれぞれ次の通りである。
3〔Ca〕+2P→C3P2 ……(2) 更に(2)式で生成したCa3P2をフラックス中に溶解して安
定に存在させるためにアルカリ土類金属のハロゲン化物
をフラックス中に含有させる必要がある。そのためには
前記ハロゲン化物はフラックス中に5%以上含まれてい
ることが必要で、10〜30%含有されている場合が最
適であり、そのような比率になるように添加する。なお
前記ハロゲン化物は塩化物でも良い吸湿性があるため、
螢石(CaF2)が最も好適である。
次に添加するフラックスの量は脱りん可能な量であれば
十分であるが、高マンガン合金の場合は溶湯が表面まで
露出すると溶湯中のマンガン分の蒸発損失が大きくなる
ので、適当な厚さの溶融スラグ層で溶融金属を覆ってや
ることが好結果を与える。
それについて底吹き撹拌時間とマンガン分の蒸発損失の
関係を実験した結果第2図に示したとおりであり、メタ
ル表面を40cm以上の溶融スラグ層で覆うことが有効で
あることがわかった。更にそのスラグが脱りん能をもつ
必要があるため第一工程のスラグを全量排出し、新たに
脱りん用フラックスを添加するものである。脱りん用フ
ラックスは固体粒状あるいは粉末状のものが使用される
が、炭素不飽和高マンガン鉄合金溶湯の熱で加熱溶解
し、脱りん反応が生起する。この場合効果的な撹拌を行
うことが操業時間の短縮のために必要であるが、本発明
で用いられる底吹きによる強制撹拌は、従来のスターラ
ーとかシエーカーによる方法に比較すると1/2〜2/3の撹
拌時間で十分である。このように撹拌時間を短縮できる
ことは、前述のマンガン分の蒸発損失も少なくすること
が出来ることが第2図よりも明らかである。
更にこの底吹きガスによる強制撹拌と合わせて一部のフ
ラックスを粉末状として底吹きガス中に混合して溶湯下
部より吹き込み込む事も撹拌時間の短縮及び脱りん率の
向上にとって有効な手段である。
次に第二工程の溶湯温度については、前記脱りんの反応
式において(1),(2)の反応を順調に進める為には1300〜
2200℃の温度範囲が必要である。この理由は、この範囲
の温度でないと(1)式が進行しないためである、しかし
脱りん処理中のマンガン分の蒸発損失を少なくするた
め、また反応容器のライニング材の脱りん用フラックス
による損傷を少なくするためには出来るだけ低い温度で
処理することが望ましく、一方温度が低すぎると溶湯の
粘性が増し撹拌が順調に出来なくなるため、1400〜
1500℃の温度範囲が最適である。
以上のような工程において、反応容器は第一工程で用い
た上底吹転炉をそのまま用いることが出来る。すなわち
第一工程で生成したスラグを取り除いた後直ちに脱りん
用フラツクスを添加して脱りんを行う。
また、別の底吹き装置を具備する反応容器に第一工程で
生成した高マンガン鉄合金溶湯のみを取り、第二工程を
行うこともできる。この場合、第一工程で用いた上底吹
転炉では、直ちに次回の第一工程が実施できるため生産
性が向上する。
実施例 反応容器は、5t小型転炉の底部に二重管ノズルを中心
に取付けたものを使用した。原料及びその品位は第1表
に示した通りである。
使用したマンガン鉱石はロータリーキルンで還元剤とし
てコークスとともに1000℃にて加熱還元した。この時マ
ンガンの酸化度(4価のマンガンに換算されたマンガン
の全マンガンに占める割合)は5%であった。
上底吹転炉には予め、高マンガン鉄合金溶湯1トンを装
入し、その表面に20mm厚さになるように溶融スラグを
装入した。この時底吹ノズルよりは3kg/cm2の圧力
で、内管よりは酸素を、外管よりは冷却用ガスとしてア
ルゴンを各々200/minで吹き込んでいる。
以上のような準備が完了した後、先ず第一工程として乾
燥してコークスを上底吹転炉内に30kg投入し、上吹ラ
ンスより5kg/cm2の圧力でNm3/minで酸素を吹き込ん
で着火させた。着火確認後前記転炉内に、前記予備還元
されたマンガン鉱石を冷却することなく連続的に投入
し、コークス及び石灰原石は間欠的に40分の間にマン
ガン鉱石420kg、コークス200kgおよび石灰原石30k
gを投入した。この間、溶湯温度は1600℃を越えない様
ランス高さ、吹酸量を随時調整した。
原料投入完了後スラグ中のマンガンを回収するためコー
クスを10kg投入し、ランス位置を上げ吹酸条件を4kg
/cm2,4Nm3/minに変更し10分間吹酸を実施した。
この時マンガンの再酸化防止のため底吹きの酸素はArに
切替えた。そして、上吹ランスより吹酸を停止し、ラン
スを巻き上げ過剰の炭材を除去し、又スラグを約半分取
り出し、再び上吹きランスより吹酸を開始した。同時に
底吹の内管よりのArは溶湯温度保持のため再び酸素に切
り替えた。その時の着火は容易であり脱炭反応は開始さ
れた。
上吹酸素の送酸速度は最初の10分間は40Nm3/min、その
後の15分間は3.0Nm3/minであり、底吹きは引き続き
200/minで行っており酸素使用量は上吹底吹合計
で92Nm3であった。送酸速度の変更は、容易温度をみ
ながら行った。即ちマンガンの酸化が炭素のそれよりも
優先して進行する1650℃になるまでは40Nm3/minで行
った。そして1770℃で上吹き吹酸を停止した。
つづいて第二工程として第一工程で得られた溶湯からス
ラグのほぼ全量を除去し残留した高マンガン鉄合金溶湯
の温度が1650℃になった時点(上吹き停止したのちスラ
グ除去の時間も入れて約10分後)に転炉上部よりCaC2
60kg、CaF210kg(粒度5〜15mm、温度200℃)
を装入し下部2重管の内管より微粉状のCaC240kg(10
0μm以下)とN2ガス2Nm3とを混合したものを、外管よ
り撹拌用のN2ガス2Nm3を10分間吹き込みを行った。
吹き込み終了後、スラグを除去して製品を鋳造した。
このようにして得られた各工程の高マンガン鉄合金の化
学組成は第2表の通りであった。
(発明の効果) 以上のように、本発明は、溶融還元製錬方法を用いて低
りん高マンガン鉄合金を単一の設備で効率よく製造する
方法であり、下記の如き顕著な効果が奏される。
すなわち、上底吹き転炉型反応容器を用い、マンガン鉱
石、炭素質物質及び造溶剤を原料として酸素を吹き込む
ことにより、炭素の飽和した高マンガン鉄合金を製造し
た後、過剰の炭材を取り除いて再び酸素を吹き込むこと
によって、脱炭し、次いでスラグを除去して脱りん用フ
ラックスを投入し、不活性ガスの底吹きによって撹拌し
て脱りんする方法であって、これらの各工程を単一の設
備で行う方法である。従って、高マンガン鉄合金溶湯を
別の反応容器に移し換えるというような煩雑な作業がな
く、安全性が高く、かつ鋳付きなどによる収率の低下が
ないという顕著な効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するのに用いる設備の1例を示す
縦断面図、第2図は第二工程における種種の溶融スラグ
層の厚さにおける撹拌時間とマンガンの蒸発損失(%)の
関係を示す図、第3図は高マンガン鉄合金中の炭素含有
率(%)と脱りん率の関係を示す図である。 1…ロータリーキルン、2…上底吹き転炉、3…底吹き
ノズル、4…上吹きノズル、6…脱りん用フラックスホ
ッパー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片山 裕之 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1―1 新日本製鐵株式会社第3技術研究所内 (72)発明者 桑原 正年 福岡県北九州市八幡東区枝光1−1―1 新日本製鐵株式会社第3技術研究所内 (72)発明者 嶋貫 孝 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日本 重化学工業株式会社内 (72)発明者 古賀 ▲い▼徳 東京都中央区日本橋小網町8番4号 日本 重化学工業株式会社内 (72)発明者 藤田 正樹 福岡県北九州市八幡東区大字前田字洞岡 2142―3 日本重化学工業株式会社九州工 場内 (56)参考文献 特開 昭54−97521(JP,A) 特開 昭57−98618(JP,A) 特開 昭50−143712(JP,A) 特開 昭57−161039(JP,A) 特開 昭61−3816(JP,A) 特公 昭63−48941(JP,B2)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上底吹き転炉型反応容器内に、マンガン鉱
    石またはその予備還元物のうち少くとも1つと固体炭素
    質物質と造滓剤を装入し、酸素または酸素を含むガスを
    供給して加熱、溶融、還元することにより、炭素の飽和
    した高マンガン鉄合金を生成させ、同時に生成するスラ
    グの一部を排滓して残留する過剰の炭素を取り除き、再
    び酸化性ガスを吹込むことによって前記高マンガン鉄合
    金を脱炭し、炭素不飽和高マンガン鉄合金を製造する第
    一工程と、次にスラグの全量を取り除いて、生石灰、炭
    化カルシウム、カルシウムシリコンのうち少くとも1種
    とアルカリ土類金属のハロゲン化物との混合物を添加
    し、不活性ガスを底吹きすることにより脱りんする第二
    工程とから成ることを特徴とする溶融還元による低りん
    高マンガン鉄合金の製造方法。
JP59145966A 1984-05-28 1984-07-16 溶融還元による低りん高マンガン鉄合金の製造方法 Expired - Lifetime JPH062923B2 (ja)

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