JPH0629138Y2 - 駆動力制御装置 - Google Patents

駆動力制御装置

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JPH0629138Y2
JPH0629138Y2 JP1987193400U JP19340087U JPH0629138Y2 JP H0629138 Y2 JPH0629138 Y2 JP H0629138Y2 JP 1987193400 U JP1987193400 U JP 1987193400U JP 19340087 U JP19340087 U JP 19340087U JP H0629138 Y2 JPH0629138 Y2 JP H0629138Y2
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brake
driving force
throttle
force
negative pressure
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浩之 浅野
裕一 阿部
晴彦 飯塚
和明 清水
吉男 深井
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) この考案は車両ブレーキの制動力を確保する駆動力制御
装置に関する。
(従来の技術) 一般に油圧式ブレーキに併用して使用される制動倍力装
置が知られている。この制動倍力装置には種々の型式が
あり、その一例としてマスタバック等と呼ばれる真空式
のものがよく知られている(昭和54年2月15日株式
会社山海堂発行の「シャツの構造P226〜P236参
照)。このマスタバックはプッシュロッドを介してマス
タシリンダのハイドロリックピストンを押すパワーピス
トンを備えている。そして、例えばエンジンのインテー
クマニホールド内に発生した負圧がチェックパルブを通
ってパワーピストンの一側に作用し、更にパワーピスト
ンのバキューム通路を通ってパワーピストンの他側にも
作用する。そしてブレーキペダルが踏み込まれると、ブ
レーキ液はハイドロリックピストンのチェックバルブを
通ってホイールシリンダに送られ、同時にバキュームバ
ルブが閉じられると共に、パワーピストン両側の一側に
大気が導入され、パワーピストンの圧力差によってハイ
ドロリックピストンを押すことになる。これによって強
力な油圧を各ホイールシリンダに伝えることができる。
(考案が解決しようとする問題点) ところで、一般にアクセルペダルを踏み込むとインテー
クマニホールド内は負圧が小さくなるか、正圧になる。
このようなインテークマニホールド内の負圧変化の影響
を防ぐためにマスタバックとインテークマニホールドと
の間にチェックバルブを設け、パワーシリンダにおける
負圧を保つようにしている。しかしながら、ヒルアンド
トーのようにブレーキーペダルを踏みながらアクセルペ
ダルを踏込み、更にブレーキペダルの踏込み強弱を繰り
返すような時にインテークマニホールドからの新たな負
圧の導入は小さく、かつパワーピストン一側への大気導
入、大気遮蔽の繰返しによるポンピング作用によりパワ
ーピストン他側での負圧が徐々に小さくなり、マスタバ
ックの充分な作動が得られなくなる恐れがある。このよ
うな場合、マスタバックが適正に作動する通常時に比べ
てブレーキペダルの踏込み量を大きくすることにより充
分な制動力を得るようにするために運転者の疲労度が高
くなる恐れがあった。
そこでこの考案は、ブレーキペダルの踏込み時に制動倍
力装置の充分な作動が得られない場合でも車両の走行駆
動力を低下することでブレーキペダルの踏込み量を大き
くすることなく有効な制動力を確保することのできる駆
動力制御装置の提供を目的とする。
[考案の構成] (問題を解決するための手段) 上記問題を解決するために請求項1の考案は、車両ブレ
ーキの操作状態を検出するブレーキ操作手段と、スロッ
トルバルブの開閉状態を検出するスロットル検出手段
と、走行駆動力を低減させる駆動力低下手段と、前記ブ
レーキ操作検出手段とスロットル検出手段との検出信号
により、所定以上の制動力の要否を判定し、所定以上の
青銅力が必要であるとの判定がなされブレーキによる制
動力が所定以下の時に前記駆動力低下手段を作動させる
制御手段とよりなる構成とした。
請求項2の発明は、ブレーキ操作手段として、ブレーキ
ペダルストローク、ブレーキ踏力、ブレーキマスターシ
リンダ吐出圧のいずれかを用いたことを特徴とする。
請求項3の発明は、スロットル検出手段として、エンジ
ン回転数,スロットル開度,マスターバック負圧のいず
れかを用いたことを特徴とする。
請求項4の発明は、駆動力低下手段として、点火時期リ
タード,燃料カット,高ギア位置への変速,ウエストゲ
ートの開のいずれかを用いたことを特徴とする。
(作用) ブレーキ操作検出手段と、スロットル検出手段との検出
信号により所定以上の制動力の要否を判定し、所定以上
の制動力が必要であるとの判定によりブレーキによる制
動力が所定以下の時に駆動力低下手段を作動させ、車両
走行駆動力を低減させることができる。従って、ブレー
キペダルの踏込み量を格別に大きくしなくても十分な制
動力を確保することができる。
(実施例) 以下この考案の実施例を説明する。
第2図はこの考案の第1実施例に係る駆動力制御装置の
全体構成図である。
まず、車両ブレーキの概要から説明すると、この車両ブ
レーキはブレーキペダル1の踏込みによって作動するマ
スタバック3及びマスタシリンダ5を備え、マスタシリ
ンダ5からフロントブレーキ7及びリヤブレーキ9へ油
圧が供給されるようになっている。前記マスタバック3
にはチェックバルブ11を介してエンジンのインテーク
マニホールド13から負圧が作用するようになってい
る。
一方この考案の実施例では車両ブレーキの操作状態を検
出するブレーキ操作検出手段SCとして、例えばブレー
キ油圧センサ15が設けられ、このブレーキ油圧センサ
15の信号は制御手段CONTとしえマイクロコンピュ
ータで構成された駆動力コントローラユニット17に入
力されるようになっている。また、駆動力コントロール
ユニット17にはマスタバック3に作用する負圧の大小
を検出する負圧センサ19の信号が入力されるようにな
っている。この負圧センサ19の信号によりブレーキに
よる制動力が所定以下かどうかが検出される。
更に走行駆動力を低減させる駆動力低下手段DOWとし
てマイクロコンピュータで構成されたエンジンコントロ
ールユニット21、及び燃料噴射を行なうインジエクタ
23が構成され、駆動力コントロールユニット17から
エンジンコントロールユニット21へフュエルカット信
号が入った時にエンジンコントロールユニット21は各
インジェクタ23からの燃料噴射を行なわないようにコ
ントロールする。従って、ブレーキ液圧センサ15から
の検出が一定時間継続し、ブレーキ操作時間が所定以上
の時、すなわち所定以上の制動力が必要であると判定さ
れた時に駆動力コントロールユニット17からエンジン
コントロールユニット21へフュエルカット信号が出さ
れ、インジェクタ23からの燃料噴射が停止される。前
記所定以上の制動力が必要であるとの判定は以下のよう
に行う。例えばヒルアンドトーを行いブレーキペダル1
を踏みながらアクセルペダルを踏込むとマスターバック
3内の負圧が少なくて十分な倍力を行うことができずブ
レーキ操作時間が長引くこととなる。従って検出したブ
レーキ油圧とマスターバック3に作用する負圧の大小と
から一定の領域(この領域については第3図のステップ
S3において詳述する)にある状態が一定時間継続した
場合に現制動力を上回る所定以上の制動力が必要である
と判定するのである。又スロットルバルブが何らかの理
由により開側に開かれた状態のままである時などには大
きな制動力を必要とするマスターバック負圧がある程度
確保されていてもブレーキ油圧が大きくなり前記領域に
ある時間が一定時間を上回るものであれば現制動力を上
回る所定以上の制動力が必要であると判断されるのであ
る。なおこの場合、所定以上の制動力はヒルアンドトー
の場合とスロットルバルブが開側に開きっぱなしになっ
ている時とでは異なってもよいものである。そしてエン
ジンが停止し駆動力が無くなると共に、エンジンブレー
キが働き、走行駆動力が低減される。このためブレーキ
ペダル1を大きく踏込まなくても有効な制動力を確保す
ることができる。特にヒルアンドトーのような運転テク
ニックを行なっている場合にマスタバック3の充分な作
動が得られなくなってもブレーキペダル1を必要以上に
大きく踏込む必要がなく、マスタバック3が適正に作動
しているのと同じような感覚を得ることができ、運転者
の疲労度を著しく軽減することができる。
次に第3図のフローチャートを用いてこの実施例の作用
を説明する。
第3図のフローチャートは一定時間毎に実行されるもの
である。このフローチャートが実行されると駆動力コン
トロールユニット17ではブレーキ油圧センサ15と負
圧センサ19との検知信号からブレーキ油圧Pの読込
み(ステップS1)及びマスタバック負圧Pの読込み
(ステップS2)が行なわれる。
次いでブレーキ油圧Pとマスタバック負圧Pとの関
係が一定の領域に入っているか否かの判断を行なうため
にテーブルマップの読込みが行なわれる(ステムップS
3)。このテーブルマップにおいて両者の関係が斜線部
に入っていることで車両ブレーキ操作状態が検出されて
いることになる。そしてマスタバック負圧Pが不足し
ている場合には、ブレーキ油圧Pが小さくても斜線部
領域に入り走行駆動力を低減させる必要がある。マスタ
バック負圧Pがある程度大きな場合にはマスタバック
3が有効に働くため、ブレーキ油圧Pがある程度大き
くならないと走行駆動力の低減が行なわれないようにな
っている。
検出されたブレーキ油圧Pとマスタバック負圧P
の関係がテーブルマップの斜線部領域に入っていると判
断された場合は(ステップS4)、タイマTがインクリ
メントされ(ステップS5)、このタイマの時間Tが一
定時間TSETを上回ると、換言すればブレーキ操作時
間が所定以上の時であるエンジンコントロールユニット
21とフュエルカット信号が出力される(ステップS
7)。エンジンコントロールユニット21は各インジェ
クタ23へ信号を送り、インジェクタ23からの燃料噴
射が停止される。従って、エンジンは停止し走行駆動力
の低減が行なわれる。
例えばヒルアンドトーを行ないブレーキペダル1を踏み
ながらアクセルペダルを踏込み、スロットル25が開く
とインテークマニホールド13の負圧は無くなる。この
時マスタバック3にはチェックバルブ11の作用で負圧
は残っているが、ブレーキペダル1の踏込みの強弱を繰
返すと、マスタバック3内のバキュームバルブ及びエア
バルブがオンオフを繰返すことによるポンピング作用に
より、マスタバック3内の負圧が消費される。この結果
ブレーキペダル1の踏込みの強弱を続けなけ長らアクセ
ルペダルを踏混むとブレーキ油圧Pの低い所でステッ
プS3の傾斜部領域に入り込む。
この状態が一定時間TSETを上回れば上記のようにフ
ュエルカットが行なわれ、エンジンの駆動力が無くなる
と共にエンジンブレーキが作用しマスタバック3の作用
が低下していても有効な制動力の確保が可能となる。ま
た、マスタバック負圧Pがある程度確保されていても
ブレーキ油圧PがステップS3の斜線部領域に入るほ
ぼ大きくなり、その時間が一定時間TSETを上回るも
のであればより大きな制動力が要求されるものであり、
この場合もフュエルカットが行なわれる。従って、マス
タバック3の作用が低下しているにも係わらず有効な制
動力を確保することができ、ブレーキペダル1の操作は
マスタバック3が有効に働いている時と大差はなく、運
転者の疲労度は著しく軽減される。
ブレーキ油圧Pとマスタバック負圧Pとの関係がス
テップS3の斜線部領域に入っている場合にもブレーキ
ペダル1の踏込みが直ちに解除される等してステップS
5でセットしたタイマのカウント値Tが一定時間T
SETを下回る場合には、フュエルカット信号は出力さ
れない(ステップS6,S8)。
またステップS7でフュエルカット信号が出力された後
ブレーキペダル1の踏込みが解除される等してブレーキ
油圧Pとマスタバック負圧Pの関係がステップS3
の斜線部領域から外れるとステップS5でセットされる
タイマTはクリアされ(ステップS9)、フュエルカッ
ト信号出力の停止が行なわれる(ステップS8)。
第4図は駆動力低下手段DOWの変形例を示すもので、
この例ではターボ付車両において上記フュエルカットに
代えウエストゲートを強制的に開くようにしたものであ
る。ターボはコンプレッサーインペラ26及びタービン
ロータ27、アクチュエータスプリング29で付勢され
たアクチュエータダイヤフラム31、このアクチュエー
タダイヤフラム31にアクチュエータロッド33を介し
て連結されたウエストゲートバルブアーム35、及びウ
エストゲートバルブアーム35に連動して開閉するウエ
ストゲートバルブ36を備えている。
更にウエストゲートバルブアーム35には第1ドラム3
7が一体的に取付けられ、第1ドラム37にワイヤ39
を介して第2ドラム41が連結され、この第2ドラム4
1はモータ43で駆動されるようになっている。従っ
て、モータ43が駆動力コントロールユニット17から
の指令によって回転すると、第2ドラム41、ワイヤ3
9及び第1ドラム37を介してウエストゲートバルブア
ーム35が引かれ、ウエストゲートバルブ36が開かれ
る。このためタービンロータ27に作用すべき排気圧力
が逃がされてターボ作用がなくなり、エンジン出力が低
下する。従ってこの場合も走行駆動力が低減し、上記同
様の作用効果を奏することができる。
第5図は駆動力低下手段DOWの更に他の変形例で、オ
ートマチック車において上記フュエルカットに代えギア
比を高速側へ強制変更するように回路構成したものであ
る。すなわち、この回路では駆動力コントロールユニッ
ト17からの信号で動作するトランジスタ45が設けら
れ、更にこのトランジスタ45が動作した時に作動する
リレー47が設けられている。そしてリレー47を作動
させることによりソレノイドSOAを励磁させ、ソレ
ノイドSOBを非励磁としてオートマチック制御シス
テム49において第6図の4速を強制的に選択させるよ
うにする。従って、車両の駆動トルクは小さくなり走行
駆動力低減によって上記同様の作用効果を奏することが
できるものである。
第7図は第1実施例の変形例に係り、この変形例では駆
動力コントロールユニット17での判断にスロットル開
度センサ51からの信号を入力するようにしたものであ
る。従って、この変形例では第8図のような二次元領域
判断を加え、スロットルが大きく開いているほど比較的
小さなブレーキ踏力により第8図のテーブルマップの斜
線部領域に入り、フュエルカットを行なうようにしても
のである。この第8図の二次元領域判断の設定は車種の
使用によって変化するが、 (ブレーキ踏力に対応するブレーキ作動力)−(エンジ
ン出力)=(有効ブレーキ力) の基本式により所定値以上のブレーキ踏力においてブレ
ーキ踏力と有効ブレーキ力の関係が大きく相違する領域
においてフュエルカットし、有効な制動力を確保するよ
うにしている。なお、スロットル開度センサ51はエン
ジン出力検出手段として作用するもので、このスロット
ル開度センサ51に代えてエンジン負圧センサの信号を
入力し、あるいはスロットル開度センサとエンジン回転
数センサとの検出信号からエンジン出力算出回路により
エンジン出力を算出し、駆動力コントロールユニット1
7に入力するようにすることもできる。
第9図はこの考案の第2実施例に係り、第1実施例と同
様の構成部分には同一符号を付して説明を行なう。この
第2実施例では駆動力コントロールユニット17にエン
ジン回転数センサ53とスロットル全閉検出スイッチ5
5とオートマチックトランスミッションのシフト位置検
出センサ57とからの信号が入力されるようになってい
る。
次にこの第2実施例の作用を第10図のフローチャート
を用いて説明する。
このフローチャートの実行も上記同様一定時間毎に行な
われるものである。ブレーキ油圧センサ15からの信号
によりブレーキ油圧の読込みが行なわれ(ステップS
11)、エンジン回転数センサ53からの信号によりエ
ンジン回転数Nの算出が行なわれる(ステップS1
2)。次いでシフト位置検出センサ57からの信号によ
りオートマチックトランスミッションのシフト位置の読
込みが行なわれる(ステップS13)。更にスロットル
全閉検出スイッチ55からの信号によりスロットル位置
が読込まれる(ステップS14)。ブレーキ油圧P
所定値PBSETを上回ると判断され(ステップS1
5)、エンジン回転数Nが所定値NESETを上回る
と判断され(ステップS16)、オートマチックトラン
スミッションのシフト位置がパーキングPあるいはニュ
ートラルN位置以外と判断され(ステップS17)、更
に、スロットル位置が全閉でないと判断された場合には
(ステップS18)、エンジンコントロールユニット2
1からフュエルカット信号の出力が行なわれる。従っ
て、 (P≧PBSET)and(N>NESET)an
d(ギアPN以外) においてフュエルカットが行なわれ、これら3つの条件
の1つでも満されない時にはフュエルカット信号の出力
は停止される(ステップS20)。
従って、この第2実施例においてヒルアンドトーにより
マスタバック3の作動が低下してもブレーキペダル1を
強く踏込めば、エンジン回転数Nは所定値NESET
の近傍でハンチングし、過大なクルクを出力せず有効な
制動力を確保することができる。
この実施例の場合、ブレーキ操作検出手段の検出により
ブレーキ操作状態が所定以上の時というのはステップS
15の判断を言い、ブレーキペダル1が強く踏込まれブ
レーキ圧Pが所定値PBSETを上回ると時にはブレ
ーキ操作時間が所定以上になることを前提にしている。
ステップS16での所定値NESETはオートマチック
車においてはストール回転より少し大きい値を選択する
ことが好ましいがこれに限定されるものではない。ステ
ップS17での判断はオートマチックトランスミッショ
ンがエンジン出力を駆動力として伝達する状況か否かを
判断するもので、マニアルトランスミッション車ではシ
フトレバーがニュートラル位置以外にあることの検出に
相当する。更にステップS18の判断によりステップS
15,S16,S17での条件が全て成立していてもス
ロットル25が全閉であれば、エンジン出力そのものが
過大にならないのでフュエルカットをする必要がなく、
ステップS20に移行するようにしている。従って、制
御精度がより高いものとなっている。
なおステップS19でフュエルカットが行なわれると、
エンジン回転数は低下するが、これによるステップS1
6での判断でエンジン回転数Nが所定値NESET
下回る時にはフュエルカットが停止されるため(ステッ
プS20)、エンストを起すことはない。そしてフュエ
ルカットによるショックはもともとブレーキ油圧P
所定値PBSETを上回る状況下であり、体感すること
はなく、悪影響とわならない。オートマチック車におい
て停車状態から急発進を行なう場合、Dレンジにてブレ
ーキペダル1を踏込みながらアクセルペダルを踏込み、
エンジン回転数Nを上げつつ停車状態を維持するよう
にするが(ストール発進)、オートマチック車のトルク
コンバータの特性上車両停止状況(トルクコンバータ出
力軸が無回転)ではエンジンの回転数が前記ストール回
転と呼ばれる所定回転以上には上昇しないため、ステッ
プS16におけるNESETの値をストール回転より少
し大きい値に設定しておけばステップS16での判断が
成立せず、フュエルカットは行なわれない。従って、エ
ンジンのストール回転から車両を急発進させることがで
きる。エンジン空吹かしの時にはオートマチックトラン
スミッションのシフトレバーがパーキングあるいはニュ
ートラルであるためステップS17の判断が成立せず、
同じくフュエルカットはされない。
第11図は第2実施例の他のフローチャートを示すもの
で第10図で示すフローチャートのステップと同一ステ
ップには同符号を付して説明する。ヒルアンドトーのテ
クニックによってブレーキ油圧Pが大きいと同時にエ
ンジン回転数Nが高い時にはフュエルカットが行なわ
れ、有効な制動力を確保することはできるが、ブレーキ
踏み力を緩めるとスロットル25が開のためマスタバッ
ク3の負圧減がなくなり、2度目にブレーキペダル1を
踏込んでも踏力が非常に大きくないと有効な制動力が得
られず、運転者の疲労が増大する。このため設定回数の
ハンチングにより制動力補助を必要とするものと判断し
てエンストを強制し、有効な制動力を得るようにすると
共に、通常のヒルアンドトー程度のフュエルカットでは
エンストしないようにしたものである。
すなわち、ブレーキ油圧Pが大きくエンジン回転数N
が高い時には(ステップS15,S16)フュエルカ
ットが行われ(ステップS19)、これによってエンジ
ン回転数Nが所定値NESETを下回るとフュエルカ
ットは停止される(ステップS20)。従って、エンジ
ン回転数NはNESET付近でハンチングし、このハ
ンチング回数CNTが所定回CNTSETを上回ると判
断された場合には(ステップS21)フュエルカットし
続け(ステップS19)、結果的にはエンストを強制す
る。なお、ステップS19でのフュエルカットを行なう
と、ステップS22でフラグFGが1にセットされる。
そしてフュエルカットによりステップS16での判断が
成立しなくなるとフュエルカット信号出力が停止され
(ステップS20)、次いでフラグFG=1であるた
め、ハンチングの回転CNTを1つインクリメントする
(ステップ23,S24)。次いでフラグFGをクリア
する(ステップS25)。ステップS19,S20を繰
返すことによりハンチングの回数CNTは増加し、ステ
ップS21で上記のように設定回数以上であると判断さ
れるとフュエルカットし続けられ(ステップS19)、
結果的にエンストが促される。ブレーキペダル1の踏力
を弱めブレーキ油圧PがPBSETを下回ればハンチ
ング回数CNT及びフラグFGの双方がクリアされる
(ステップS26)。
第12図は第9図の構成に同図鎖線図示のように負圧ス
イッチ59を設けた場合のフローチャートを示すもので
ある。前記負圧スイッチ59はマスタバック3の負圧が
設定値以下になると接点が導通するものである。第11
図のフローチャートと同一ステップには同符号を付して
説明する。
第11図の説明のようにブレーキペダル1の2度目の踏
込み時にはマスタバック3の負圧が不足するため2度目
のブレーキペダル1の踏込み時にはブレーキ踏力が相当
に高くなければブレーキ油圧Pが所定PBSETを上
回らず、ステップS15での判断が成立しない。このた
め、運転者の疲労度が高くなる。従って、この場合には
所定値PBSETとしてPBSET1とPBSET2を
セットし、PBSET1をPBSET2よりも小さなも
のとしておく。そしてヒルアンドトーにより1度目のブ
レーキペダル1の踏込み時にはマスタバック3の負圧が
充分であるためステップS27の判断は成立せず、高め
の設定値PBSET2が選択される(ステップS2
8)。そして2度目のブレーキペダル1の踏込み時には
上記のようにマスタバック3の負圧が小さくなってお
り、ステップS27の判断が成立して低目の設定値P
BSET1が選択される(ステップS29)。従って、
ブレーキペダル1の踏力はそれほど大きくなくてもブレ
ーキ油圧PがPBSETを上回り(ステップS1
5)、有効な制動力を確保することができ、運転者の疲
労を軽減することができる。
第11図と第12図のフローチャートは両方合わせて実
行させることもできる。
第13図は第10図に示す実施例に更に別のステップ3
0〜32を加えたもので、ステップ31でマスタバック
の負圧を検出し、該負圧が所定以上の時には油圧が発生
していないものとしてステップ19に進みフュエルカッ
ト信号を出力エンジンを停止させる。又負圧が所定以上
の時は負圧有としてステップ32で一担フュエルカット
した後、エンジン回転数が所定値以下になるとリカバリ
ーを行なっている。このような実施例によれば交差点で
アクセルとブレーキとを同時に踏込んだ状態からブレー
キを離して発進するいわゆるストール発進を行なうこと
ができる。
なおこの考案は上記実施例に限定されるものではない。
例えばブレーキ操作検出手段SCとしてはブレーキペダ
ルストロークセンサ、ブレーキペダル踏力センサ、更に
は所定油圧以上で作用する油圧スイッチ等で構成するこ
ともできる。制御手段CONTとして駆動力コントロー
ルユニット17をエンジンコントロールユニット21と
共に一体のマイクロコンピュータで構成することもでき
る。駆動力低下手段DOWとしてはエンジン点火時期の
リタードで構成することもできる。制御倍力装置として
真空式のマスタバックに代えエアマスタ、油圧ブースタ
等を搭載した車両にも同様に適用できるものである。
[考案の効果] 以上より明らかなように、この考案の構成によれば、例
えばヒルアンドトー等の運転操作によりマスターバック
の負圧が低減し、運転者の操作によるブレーキ量では十
分な制動力を得られないと制御手段が判断した場合は、
駆動力低下手段によりエンジンの発生する制動力を低減
することができるため、ブレーキの踏込み量を格別大き
くしなくても十分な制動力を得ることができ、運転操作
性を向上することができる。また、スロットルバルブが
何らかの故障により開度側に引掛るなどして所定以上の
開度が維持され続けた場合でもブレーキを強く踏むこと
で所定以上の制動力が必要なことを判断し、速やかにエ
ンジンの駆動力を低減することができ、車両停止状態に
誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの考案の構成図、第2図はこの考案の第1実
施例に係る全体構成図、第3図は同フローチャート、第
4図、第5図は制動力低下手段の変形例、第6図はギヤ
位置とシフトソレノイドとの関係を示す表、第7図は第
1実施例の変形例に係るブロック図、第8図はエンジン
出力とブレーキ操作量との二次元領域判断を示すテーブ
ルマップ、第9図はこの考案の第2実施例に係る全体構
成図、第10図は同フローチャート、第11図、第12
図、第13図は同変形例に係るフローチャートである。 SC……ブレーキ操作検出手段 DOW……駆動力低下手段 CONT……制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 飯塚 晴彦 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 清水 和明 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 深井 吉男 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−265431(JP,A) 実開 昭58−75068(JP,U)

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両ブレーキの操作状態を検出するブレー
    キ操作検出手段と、スロットルバルブの開閉状態を検出
    するスロットル検出手段と、走行駆動力を低減させる駆
    動力低下手段と、前記ブレーキ操作検出手段とスロット
    ル検出手段との検出信号により、所定以上の制動力の要
    否を判定し、ブレーキによる制動力が所定以下の時に前
    記駆動力低下手段を作動させる制御手段とよりなる駆動
    力制御装置。
  2. 【請求項2】ブレーキ操作手段として、ブレーキペダル
    ストローク、ブレーキ踏力、ブレーキマスターシリンダ
    吐出圧のいずれかを用いたことを特徴とする請求項1記
    載の駆動力制御装置。
  3. 【請求項3】スロットル検出手段として、エンジン回転
    数,スロットル開度,マスターバック負圧のいずれかを
    用いたことを特徴とする請求項1記載の駆動力制御装
    置。
  4. 【請求項4】駆動力低下手段として、点火時期リター
    ド,燃料カット,高ギア位置への変速,ウエストゲート
    の開のいずれかを用いたことを特徴とする請求項1記載
    の駆動力制御装置。
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