JPH0629097Y2 - 車両用表示装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は車両のインストルメントパネル上のメータ類に
替って、発光表示手段が、内装品であるダッシュボード
コアなど基盤部材に配設され、特に、配設するに当っ
て、基盤部材の裏面に点滅ランプを配設し、表面に塩化
ビニールシートをラミネートしたメッシュ状の表皮材で
覆って、演出効果が向上されるようにする車両用表示装
置に関する。

従来の技術 従来、運転中の各種スイッチの操作性及びメータ類の視
認性など人間工学的の十分な配慮により、各種機能を集
中化したインストルメントパネルがある。そして、運転
中のメータ類の確認頻度の高いことより、各種メータ及
びゲージの文字を１枚のメータパネルに収めたコンビネ
ーションメータが使用されていた。

以上よりなるコンビネーションメータが設置されたイン
ストルメントパネル構成を第４図に示すと、インストル
メントパネル11の運転席前方にコンビネーションメータ
12が配置され、タコメータ13、スピードメータ14、ヒュ
ーエルゲージ15及びウォータテンプレチャゲージ16等が
視認性、判読性の向上を図って取付けられていた。

考案が解決しようとする問題点 ところが、インストルメントパネル11に設置されたコン
ビネーションメータ12は運転中のメータ類の確認の頻度
の高いこと、及び視認性向上より集中化された関係で、
レイアウト上、メータ類の表示装置のパターンを大きく
イメージチェンジすることが出来なかった。まして、メ
ータ類の取付け位置を変更したり、クローズアップする
ことは困難なことで、自由度が阻害されていた。

そこで、本考案は、インストルメントパネルによるメー
タ類のレイアウトパターンを変えて、新規な車両用表示
装置が得られるようにすることを目的とする。

問題点を解決するための手段 本考案はメータ類など発光表示手段に基ずく車両用表示
装置において、ダッシュボードコアなる基盤部材に穿孔
されたスリットを設け、該スリットには半透明アクリル
板を挿入し、該半透明アクリル板に光が投射するよう基
盤部材の裏面に点滅ランプを配設し、基盤部材の表面に
は着色塩化ビニールシートがラミネートされたメッシュ
状の表皮シートを設け、該表皮シートで上記塩化ビニー
ルシートと基盤部材との貼付けにより基盤部材を覆った
その表皮シートのメッシュ状穴より点滅ランプの点灯に
よる半透明アクリル板によって拡散された光で映る着色
塩化ビニールシートを視認することを特徴とする車両用
表示装置である。

作用 従って、本考案の車両用表示装置は基盤部材裏面の点滅
ランプの点灯の場合には基盤部材のスリットに挿入され
た半透明アクリル板で光を拡散し、拡散された光が、着
色塩化ビニールシートをラミネートしたメッシュ状表皮
シートのメッシュ状穴より、光の拡散された範囲の着色
塩化ビニールシートを映す。しかしながら、点滅ランプ
の消灯の場合には、通常のメッシュ状表皮シートで覆わ
れた内装品として視認されるのみとなる。そこで、点滅
ランプの点滅速度、基盤部材のスリットの形状及び大き
さ、表皮シートにラミネートされた着色塩化ビニールの
色彩等によって、自由度の高い車両用表示装置の設計が
される。

実施例 以下、本考案の実施例を図面によって説明すると、第１
図はダッシュボードコアなど多数の穴が配設され、メッ
シュ状にした表皮シートを施して車両内装品とし、該内
装品の基盤部材であるダッシュボードコアに発光表示手
段が設けられた車両用表示装置の配置状態を示し、第２
図は、その車両用表示装置の構造を示し、第３図は、車
両用表示装置の構造組成を示す。

先ず、第１図において、１は基盤部材であるダッシュボ
ードコア、２は、多数の穴３を配設したメッシュ状の表
皮シートであってダッシュボードコア１表面にメッシュ
状表皮シート２を接着して、ダッシュボードコアが覆わ
れて内装品を形成している。４は蜂鳥などのシンボルマ
ークであって、表皮シート２の表面に溶着されていて、
該シンボルマークの存在する位置には、ダッシュボード
コア１に車両用表示装置である発光表示手段が設けられ
ている。

なお、５は、他のメータ類などの表示装置であり、17は
ステアリングコラムの通し穴である。

次に、第２図及び第３図において、６は基盤部材である
ダッシュボードコア１に穿孔されたスリットであって、
該スリット６には半透明アクリル板７が挿入されてい
る。そして、メッシュ状表皮シート２には、着色塩化ビ
ニールシート８がラミネートされ、該着色塩化ビニール
シート８とダッシュボードコア１とを貼付けて表皮シー
トでダッシュボードコア１の表面が覆われる。また、ダ
ッシュボードコア１裏面のスリット６が存在する場所に
は点滅する点滅ランプ10が配設され、点滅ランプ10を取
付板９に数個取付けて、点滅ランプ10の点滅をスリット
６に沿って中央に寄ったり離れたりする（白抜き矢印）
のように走らせる。点滅ランプ10の点灯においては、光
が半透明アクリル板７で拡散し、拡散した光で、メッシ
ュ状表皮シート２にラミネートされている着色塩化ビニ
ールシート８が映る。一方、映った着色塩化ビニールシ
ート８の表面には多数の穴３を配設したメッシュ状表皮
シート２が存在する為に、視認されるのは、上記穴３の
部分のみとなり、半透明アクリル板７で拡散された光の
範囲の映っている着色塩化ビニールシート８がメッシュ
状の穴３から視認されることになる。しかし、点滅ラン
プ10が消灯している場合には着色塩化ビニールシート８
が映っていないのでメッシュ状表皮シート２で覆われた
通常の内装品として視認されるだけである。

そこで、上述のように点滅をする発光表示手段よりなる
車両用表示装置は、更に、演出効果を上げる為、ダッシ
ュボードコア１のスリット６に、そのスリットと中央で
交差する交差スリット６′に穿孔し、これらスリット
６、交差スリット６′にこれらと形状が同一とする半透
明アクリル板７，７′を挿入する。そして、上記スリッ
ト６、交差スリット６′の交差する位置に該当するメッ
シュ状表皮シート２の表面にシンボルマークである蜂鳥
４などを溶着する。以上の構造のもとで、上記スリット
６に沿って配設された点滅ランプ10の中央へ寄ったり離
れたりする点滅（白抜き矢印）を走らせると、交差スリ
ット６′の半透明アクリル板７′でも光が拡散されて蜂
鳥４などがある場所をも広い範囲に亘って着色塩化ビニ
ールシートが映ることになり、表皮シート２と異なる色
の光が穴３を通して視認でき、しかも点滅ランプ１０が
移動していくので、ドライバーには蜂鳥４がダッシュボ
ードの表面から浮き出て、移動するように見え、この様
子があたかも蜂鳥４が飛翔するように視認される。

従って、例えば、上記発光表示手段よりなる車両用表示
装置をタコメータとして利用すると、点滅ランプ10の点
滅の走り速さで、エンジン回転数を判断出来るようにす
ると、点滅の走りをゆっくり左右に点滅させているとき
はエンジンのアイドリング状態で車が発進出来る状態で
あることを示し、高速時には点滅ランプ10が左右に早く
点滅して動き、その状態を視認する。そして、タコメー
タの機能と点滅ランプ１０とを連動させた場合、エンジ
ンの低回転域ではゆっくりとした点滅移動がなされ、回
転数の上昇に伴ってこの点滅移動速度も上昇していくの
で、生き物の運動量とエンジン回転数とが対応されて、
車があたかも生き物であるかのようにイメージアピール
されることになる。

なお、上記発光表示手段よりなる車両用表示装置はタコ
メータのみならず、表示内容としてスピードメータ、ヒ
ューエルゲージ等、各種インジケータウォーニング類の
表示に使用してもよいことは云うまでもない。

考案の効果 以上の結果、本考案はダッシュボードコアにメッシュ状
の表皮シートを覆った内装品に発光表示手段が設けられ
たことによって、インストルメントパネルの如き、多く
のメータ類によって受ける重圧感を除き、シンプルなス
マートさが感じられ、それでいて必要とする総てのメー
タ表示を可能とし車室内内装品のイメージチェンジを
し、また、発光表示手段による拡散された光を着色塩化
ビニールシートに映して、それをメッシュ状の穴を通し
て視認する。ましてや、蜂鳥の如きシンボルマークが表
皮シートの表面に付けられた車両用表示装置にあっては
蜂鳥の飛翔している状態を視認してメータ類の機能を演
出効果が十分に発揮されて、車が生き物であるかの如き
イメージアピールができる。そして、発光表示手段の取
付け位置及び表示部面積の設定に自由度を有している為
にレイアウトに困難がなく、しかも、自由度が高い上に
更なる視認性の大幅な向上がすることができる。そこ
で、表示部分を大きく設定した場合にあっても、非作動
時には車両用表示装置の存在が、表皮シートを覆った内
装品というイメージであるが故に異和感を与えることが
なく、むしろ美感に優れているなどの効果を奏するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の車両用表示装置配置状態図であり、
第２図は、同車両用表示装置の構造説明図であって、第
３図は同車両用表示装置の構造断面図である。第４図
は、従来のインストルメントパネルによる表示装置の構
造状態図である。 １……ダッシュボードコア、２……表皮シート、３……
穴、４……蜂鳥などシンボルマーク、５……他のメータ
類などの表示装置、６……スリット、６′……交差スリ
ット、７，７′……半透明アクリル板、８……着色塩化
ビニールシート、９……取付板、10……点滅ランプ、11
……インストルメントパネル、12……コンビネーション
メータ、13……タコメータ、14……スピードメータ、15
……ヒューエルゲージ、16……ウォータテンプレチャゲ
ージ、17……ステアリングコラムの通し穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】メータ類など発光表示手段に基ずく車両表
   示装置において、ダッシュボードコアなる基盤部材に穿
   孔されたスリットを設け、該スリットには半透明アクリ
   ル板を挿入し、該半透明アクリル板に光が投射するよう
   基盤部材の裏面に点滅ランプを配設し、基盤部材の表面
   には着色塩化ビニールシートがラミネートされたメッシ
   ュ状の表皮シートを設け、該表皮シートで上記塩化ビニ
   ールシートと基盤部材との貼付けにより基盤部分を覆っ
   た、その表皮シートのメッシュ状穴より点滅する点滅ラ
   ンプの点灯による半透明アクリル板によって拡散された
   光で映した着色塩化ビニールシートを視認することを特
   徴とする車両用表示装置。