JPH06289547A - 写真感光材料の処理液および該処理液を用いた処理方法 - Google Patents

写真感光材料の処理液および該処理液を用いた処理方法

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JPH06289547A
JPH06289547A JP7657093A JP7657093A JPH06289547A JP H06289547 A JPH06289547 A JP H06289547A JP 7657093 A JP7657093 A JP 7657093A JP 7657093 A JP7657093 A JP 7657093A JP H06289547 A JPH06289547 A JP H06289547A
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JP
Japan
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processing
solution
acid
sensitive material
silver halide
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Application number
JP7657093A
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English (en)
Inventor
Masahito Hirano
雅人 平野
Mitsunori Hirano
光則 平野
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】感光材料の処理工程において、現像工程以後の
処理液中及び自動現像機の器壁やローラーに析出、沈析
を発生させない処理液を提供する。 【構成】現像処理後の工程で用いられる処理液(例えば
定着液)に下記一般式(I)で表される化合物の少なく
とも一種を含有させる。 一般式(I) 【化1】 式中、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキ
シル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルフォン酸基、
アミノ基、炭素数が2以下のアルキル基、アルデヒド基
を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料の処理液および処理方法に関する。さらに詳しくは現
像工程以後の工程に用いられる処理液であって、析出お
よび沈澱の発生が防止された処理液および処理方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀感光材料を現像処理した
後、チオ硫酸塩を用いた定着液で定着処理することは広
く行われており、また水溶性アルミニウム化合物を定着
液に添加して、定着工程においてハロゲン化銀感光材料
を硬膜処理し、後続の安定化および/または水洗工程、
乾燥工程における負荷の減少、搬送性の改良をはかるこ
とも周知であり、広く行われている。ハロゲン化銀感光
材料の処理システムは、近年、環境保全の立場から補充
量の低減が求められ、処理量の増大により迅速処理化が
進んだ結果、定着液のチオ硫酸塩の濃度は極めて高いレ
ベルまで引き上げられている。
【0003】一般にハロゲン化銀感光材料の処理工程で
使用する水は水道水、工業用水が特別な前処理を施すこ
となく使用されており、かなり高濃度のカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオンなどを含有している。また、感
光材料中にも同種のイオンが含まれており、これらが定
着液に溶出してくる。また前工程の現像液からも同様な
持込みがある。その結果、これらのイオンの持込みによ
る多量の白色浮遊物が発生したり、定着ローラーやタン
ク壁に白色沈澱物が付着したりして、場合によっては感
光材料を汚すこともある。また、定着液中に持ち込まれ
る現像液のアルカリ成分によって、微量の水酸化アルミ
ニウムが生成し、白色沈澱の原因になることもある。
【0004】これを防止するために定着液などにホウ酸
を添加することが行われているが、その効果は充分では
なく、むしろ後続の水洗工程に持ち込まれた場合に、廃
水中に混入する点で好ましくない。クエン酸、酒石酸な
どの多塩基酸を添加する方法も知られているが、効果は
充分ではない。またサリチル酸、スルフォサリチル酸な
どを現像液あるいは定着液に添加する方法もあるが、充
分な対策とは言いがたい。
【0005】安定化工程、水洗工程においても使用する
水、あるいは定着工程から持ち込まれる液の影響によ
り、沈澱の生成や沈着の問題は同様に発生する。このよ
うな沈澱が発生すると、感光材料に転写して表面の汚れ
の問題となったり、液と空気の界面で発生した沈澱がタ
ンクの器壁を伝わって隣接浴に混入するという問題を起
こすこともあり、その解決が強く望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、感光
材料の処理工程において、現像工程以後の処理液中及び
自動現像機の器壁やローラーに析出、沈析を発生させな
い処理液を提供することにある。さらに本発明の目的は
上記処理液を提供することにより、現像工程以後の工程
において、析出や沈析のない処理方法を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下のハロゲ
ン化銀感光材料の処理液および処理方法により達成され
た。 (1) 下記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一
種を含有する、現像後の処理工程で用いられるハロゲン
化銀写真感光材料の処理液。 一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】式中、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン原
子、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、スル
フォン酸基、アミノ基、炭素数が2以下のアルキル基、
アルデヒド基を表す。 (2) 上記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一
種を含有する処理液が定着液、漂白定着液、リンス液、
水洗液および安定液のいずれかである上記(1)記載の処
理液。 (3) 上記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一
種を含有し、かつホウ素化合物を0.01モル/リット
ルを越えては含まない定着液である上記(1) 記載の処理
液。 (4) 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀感光層を
有するハロゲン化銀写真感光材料を、露光、現像したの
ち、上記一般式(I)で表される化合物の少なくとも一
種を含有する処理液で処理することを特徴とするハロゲ
ン化銀写真感光材料の処理方法。
【0010】次に本発明について詳しく説明する。一般
式(I)においてR1 からR4 のアミノ基は置換基を有
するものを含み、置換基としては炭素数3までのアルキ
ル基、アシル基、アルキルスルフォニル基、アルコキシ
カルボニル基、アルキルアミノカルボニル基などがあ
る。R1 からR4 のアルキル基は置換基を有するものを
含み、置換基としてはヒドロキシル基、カルボキシル
基、スルフォン酸基、ハロゲン原子などがある。
【0011】本発明の処理液に含有される一般式(I)
で表される化合物の具体例を以下に示すが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】
【化5】
【0015】これらの塩類としては、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、アンモニウムなどのそれぞれの塩類が
挙げられる。
【0016】一般式(I)で表される化合物のうちで、
好ましい化合物はカテコール−3−スルフォン酸、カテ
コール−4−スルフォン酸、カテコール−3,5−ジス
ルフォン酸およびその塩であり、さらに好ましい化合物
としては処理液への溶解性の点でカテコール−3,5−
ジスルフォン酸およびその塩が挙げられる。処理液中へ
の添加量は特に制限はないが、実用的には処理液1リッ
トルあたり、0.1g〜100g、好ましくは0.5g
〜60g、さらに好ましくは1g〜30gの範囲内の値
が白色沈澱の生成を抑制する効果を得る上で望ましい。
本発明の処理液は上記一般式(I)で表される化合物を
1種類のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよ
い。
【0017】ハロゲン化銀感光材料の処理工程において
は、定着液、漂白液、漂白定着液、安定液、リンス液
(現像と定着の間、定着と水洗または安定化の間等の各
処理間に感光材料に供される液)、水洗液および安定化
液があげられ、これらの工程の順序はハロゲン化銀感光
材料により適宜選択される。本発明の処理液は、現像工
程以後の工程であればいかなる工程に用いるものでもよ
いが、定着液、漂白定着液に用いられるのが好ましく、
さらに好ましくは定着液に用いられるのが好ましい。本
発明の処理液は独立の処理槽を並べた手動処理に利用し
てもよいし、自動現像機を用いた自動処理に用いてもよ
い。自動現像機を用いた場合の方が本発明の効果をより
発揮することができる。
【0018】本発明に用いる定着液はチオ硫酸塩を含む
水溶液であり、pH3.8以上、好ましくは4.2〜
7.0を有する。定着剤としてはチオ硫酸ナトリウム、
チオ硫酸アンモニウムなどがあるが、定着速度の点から
チオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。しかし、近年の
環境保全の観点からすると、チオ硫酸ナトリウムの使用
が望まれる。定着剤の使用量は適宜変えることができ、
一般には約0.1〜約6モル/リットルである。定着液
には硬膜剤として作用する水溶性アルミニウム塩を含ん
でおり、それらには、例えば塩化アルミニウム、硫酸ア
ルミニウム、カリ明ばんなどがある。定着液には、酒石
酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、グルコン酸および
これらの塩、あるいはこれらの誘導体を単独であるいは
2種以上用いることができる。これらの化合物は定着液
1リットルにつき0.005モル以上含むものが有効
で、特に0.01モル/リットル〜0.03モル/リッ
トルが特に有効である。定着液には所望により保恒剤
(例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩)、pH緩衝剤(例え
ば、酢酸)、pH調整剤(例えば、硫酸)、硬水軟化能
のあるキレート剤や特開昭62−78551号記載の化
合物を含むことができる。また、水溶性アルミニウム塩
の析出を防止する目的でホウ酸やホウ砂などの化合物が
用いられるのが通例であるが、本発明の定着液ではその
必要はなく、使用するにしても0.01モル/リットル
以下にするのが好ましい。
【0019】本発明の漂白液には、酸化剤として3価の
鉄や4価のコバルト化合物、過酸類、キノン類、ニトロ
ソ化合物などの公知の化合物を含有した処理液が挙げら
れる。本発明の漂白定着液は、漂白液と定着液の機能を
1液にしたものであり、上記の定着液成分と漂白液成分
を併せ持った組成の液が挙げられる。
【0020】本発明の安定液には、燐酸、酢酸などの酸
およびそれらの塩類、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、コ
ハク酸などの有機酸およびそれらの塩類、アミノポリカ
ルボン酸などの硬水軟化能を有するキレート剤、アルデ
ヒド類、ジエチレングリコールなどのグリコール類、蛍
光増白剤などを、単独或いは混合して含有した処理液が
挙げられる。
【0021】本発明のリンス液、水洗液には水道水や蒸
留水をそのまま用いてもよいが、亜硫酸塩、燐酸塩、E
DTAやDTPA、TTHAなどのキレ−ト剤、クエン
酸、酒石酸、酢酸などの有機酸を含有していてもよい。
【0022】本発明のハロゲン化銀感光材料の現像工程
には現像主薬としてジヒドロキシベンゼン系現像主薬を
用い、補助現像主薬としてp−アミノフェノール系主薬
又は3−ピラゾリドン系現像主薬を用いるのが好まし
い。本発明に用いるジヒドロキシベンゼン系現像主薬と
してはハイドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロモ
ハイドロキノン、イソプロピルハイドロキノン、メチル
ハイドロキノン、2,5−ジクロロハイドロキノン、
2,3−ジブロモハイドロキノン、2,5−ジメチルハ
イドロキノン等があるが、なかでも特にハイドロキノン
が好ましい。補助現像主薬としての1−フェニル−3−
ピラゾリドン又はその誘導体の例としては1−フェニル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4,4−ジメチル
−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−メチル−4−
ヒドロキシメチル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−
4,4−ジヒドロキシルメチル−3−ピラゾリドン、1
−フェニル−5−メチル−3−ピラゾリドン、1−p−
アミノフェニル−4,4ジメチル−3−ピラゾリドン、
1−p−トリル−4−メチル−4−ヒドロキシメチル−
3−ピラゾリドンなどがある。p−アミノフェノール系
補助現像主薬としてはN−メチルーp−アミノフェノー
ル、p−アミノフェノール、N−(β−ヒドロキシエチ
ル)−p−アミノフェノール、N−(4−ヒドロキシフ
ェニル)グリシン、2−メチル−p−アミノフェノ−
ル、p−ベンジルアミノフェノール等があるが、なかで
もN−メチル−p−アミノフェノールが好ましい。
【0023】ジヒドロキシベンゼン系現像主薬は通常
0.01モル/リットル〜1.5モル/リットルの量で
用いられるのが好ましい。より好ましくは0.05モル
/リットル〜1.2モル/リットルである。またジヒド
ロキシベンゼン類と1−フェニル−3−ピラゾリドン類
又はp−アミノフェノール類との組合せを用いる場合に
は、後者を通常0.00005モル/リットル〜0.2
モル/リットル、好ましくは0.001モル/リットル
〜0.1モル/リットルの量で用いるのが好ましい。
【0024】現像液に用いられる亜硫酸塩保恒剤として
は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウ
ム、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸カリウム、ホル
ムアルデヒド重亜硫酸ナトリウム等がある。亜硫酸塩は
0.2モル/リットル以上で用いられる。好ましくは
0.3モル/リットル以上である。また、上限は現像濃
縮液で2.5モル/リットルまでとするのが好ましい。
本発明の現像処理に用いる現像液のpHは9から13ま
での範囲のものが好ましい。さらに好ましくはpH9.
7から12.0までの範囲である。pHの設定のために
用いるアルカリ剤には水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどがある。本発明
の現像液にはその他、ケイ酸塩、第三リン酸ナトリウ
ム、第三リン酸カリウムの如きpH緩衝剤を用いること
ができる。緩衝剤の濃度は0.3モル/リットル以上が
好ましい。ホウ酸、ホウ砂などのpH緩衝剤は環境保全
の観点から用いるのは好ましくない。
【0025】臭化カリウム、沃化カリウムの如き現像抑
制剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチル
セロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタ
ノールの如き有機溶剤、5−ニトロインダゾールなどの
インダゾール系化合物、2−メルカプトベンツイミダゾ
ール−5−スルホン酸ナトリウム、5−メチルベンツト
リアゾールなどのベンツトリアゾール系化合物等のカブ
リ防止剤を含んでもよく、Research Disclosure 第17
6巻、No. 17643、第XXI項(12月号、197
8年) に記載された現像促進剤を含んでもよい。また米
国特許4,269,929号、特開昭61−26775
9号及び米国特許5039591号に記載されているア
ミン化合物を含有してもよい。更に必要に応じて色調
剤、界面活性剤、硬膜剤などを含んでもよい。
【0026】本発明の現像液には銀汚れ防止剤、例えば
特開昭56−24347号に記載の化合物を用いること
ができる。本発明の現像液には、ヨ−ロッパ特許公開1
36582号、英国特許第958678号、米国特許第
3232761号、特開昭56−106244号に記載
のアルカノールアミンなどのアミノ化合物を現像促進、
コントラスト上昇などの目的で用いることができる。
【0027】本発明における処理方法では、現像、定着
工程、あるいは漂白、定着工程、あるいは漂白定着工程
などを経て、水洗水または安定化液で処理され、次いで
乾燥される。ハロゲン化銀感光材料1m2当たり、3リッ
トル以下の補充量(ゼロ、すなわちため水水洗も含む)
の水洗水または安定化液で処理することもできる。すな
わち節水処理が可能となるのみならず、自現機設置の配
管を不要とすることができる。水洗水の補充量を少なく
する方法として、古くより多段向流方式(例えば2段、
3段など)が知られている。この多段向流方式を本発明
に適用すれば定着後の感光材料は徐々に清浄な方向、つ
まり定着液で汚れていない処理液の方に順次接触して処
理されていくので、さらに効率のよい水洗がなされる。
【0028】上記の節水処理または無配管処理には、水
洗水または安定化液に防ばい手段を施すことが好まし
い。本発明の方法において少量の水洗水で水洗するとき
には特開昭63−143548号のような水洗工程の構
成をとることも好ましい。さらに、本発明の方法で水洗
または安定化浴に防黴手段を施した水を処理に応じて補
充することによって生ずる水洗または安定化浴からのオ
ーバーフローの一部または全部は特開昭60−2351
33号に記載されているようにその前の処理工程である
定着能を有する処理液に利用することもできる。
【0029】水洗(または安定化)された感光材料は水
洗水をしぼり切る、すなわちスクイズローラーを経て乾
燥される。乾燥は約40℃〜100℃で行われ、乾燥時
間は周囲の状況によって適宜変えられるが、通常は約4
秒〜3分でよく、特に好ましくは40℃〜80℃で約5
秒〜1分である。
【0030】本発明の処理液、処理方法はあらゆる種類
のハロゲン化銀写真感光材料の処理に用いることができ
る。本発明において用いられるハロゲン化銀乳剤のハロ
ゲン組成としては、塩化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、沃
臭銀などの組成の中から適当なものを選択して用いるこ
とができる。本発明に用いられる写真乳剤中のハロゲン
化銀粒子は、比較的広い粒子サイズ分布を持つこともで
きるが、狭い粒子サイズ分布を持つことが好ましく、特
にハロゲン化銀粒子の重量または数に関して全体の90
%を占める粒子のサイズが平均粒子サイズの±40%以
内にあることが好ましい。(一般にこのような乳剤は単
分散乳剤と呼ばれる。) 写真乳剤中のハロゲン化銀粒子は立方体、八面体のよう
な規則的(regular)な結晶体を有するものでもよく、ま
た球状、あるいはResearch Disclosure 22534(Ja
n. 1983)に記載された高アスペクト比の平板状の
ハロゲン化銀粒子を用いることができる。また、これら
の結晶形の複合形を持つものであってもよい。ハロゲン
化銀粒子は内部と表層が均一な層からなっていても、異
なる層からなっていてもよい。また、特公昭41−20
68号に記載された内部潜像型ハロゲン化銀乳剤粒子と
表面潜像型乳剤粒子のように別々に形成した2種以上の
ハロゲン化銀乳剤を混合して使用してもよい。本発明に
用いるハロゲン化銀乳剤にはハロゲン化銀粒子の形成ま
たは物理熟成の過程においてカドミウム塩、亜硫酸塩、
鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩もしくはその錯塩など
を共存させてもよい。ハロゲン化銀乳剤は、化学増感を
行わない。いわゆる未後熟乳剤(プリミティブ乳剤)を
用いることもできるが、化学増感されてもよい。化学増
感のためにはH. Frieser,「Die Grundlagen der Photog
raphischen Prozesse mit Silver halogeniden 」Akade
mische Verlagsgesswlschaft,(1968)などに記載
の方法を用いることができる。すなわち、活性ゼラチン
や銀と反応しうる硫黄を含む化合物(例えばチオ硫酸
塩、チオ尿素類、メルカプト化合物、ローダニン類) を
用いる硫黄増感法、還元性物質(例えば第一すず塩、ア
ミン類、ヒドラジン誘導体、ホルムアミジンスルフィン
酸、シラン化合物)を用いる還元増感法、貴金属化合物
(例えば金化合物の他、白金、イリジウム、パラジウム
などの周期律表第VIII族金属の錯塩)を用いる貴金属増
感法などを単独あるいは組み合わせて実施することがで
きる。
【0031】本発明の感光性ハロゲン化銀乳剤は、増感
色素によって比較的長波長の青色光、緑色光、赤色光ま
たは赤外光に分光増感されてもよい。増感色素として、
シアニン色素、メロシアニン色素、コンプレックスシア
ニン色素、コンプレックスメロシアニンシキソ、ホロポ
ーラーシアニン色素、スチリル色素、ヘミシアニン色
素、オキソノール色素、ヘミオキソノール色素等を用い
ることができる。本発明に使用される有用な増感色素は
例えば Research Disclosure Item 17643 IV−A
項(1978年12月、p−23)、同 Item 1831
X項(1979年8月、p−437)に記載もしくは
引用された文献に記載されている。これらの増感色素は
単独に用いてもよいが、それらの組合せを用いてもよ
く、増感色素の組合せは特に、強色増感の目的でしばし
ば用いられる。増感色素とともにそれ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない物
質であって、強色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよ
い。有用な増感色素、強色増感を示す色素の組合せおよ
び強色増感を示す物質はリサーチ・ディスクロージャー
( Research Disclosure )176巻17643(197
8年12月発行)第23頁IVのJ項に記載されている。
【0032】本発明に係わるハロゲン化銀感光材料に
は、親水性コロイド層にフィルター染料として、あるい
はイラジエーション防止染料その他種々の目的で水溶性
染料を含有してもよい。このような染料には、オキソノ
ール染料、ヘミオキソノール染料、スチリル染料、メロ
シアニン染料、シアニン染料およびアゾ染料が包含され
る。中でも、オキソノールセンリョウ、ヘミオキソノー
ル染料及びメロシアニン染料が有用である。用いうる染
料の具体例は西独特許616、007号、英国特許58
4、609号、同1、117、429号、特公昭26−
7777号、同39−22069号、同54−3812
9号、特開昭48−85130号、同49−99620
号、同49−114420号、同49−129537
号、PBレポ−ト74175号、フォトグラッフィク・
アブストラクト(Photogr. Abstr.) 128(’21)等
に記載されているものである。
【0033】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤または保護コロイドとしては、ゼ
ラチンをもちいるのが有利であるが、それ以外の親水性
コロイドも用いることができる。例えばゼラチン誘導
体、ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アル
ブミン、カゼイン等の蛋白質、ヒドロキシエチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エ
ステル類などの如きセルロース誘導体、アルギン酸ソー
ダ、澱粉等の糖誘導体、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニルピロ
リドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアク
リルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラ
ゾール等の単一あるいは共重合体の如き多種の合成親水
性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとしては
石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンやブラテイン
・オブ・ザ・ソサエティ・オブ・サイエンティフィック
・フォトグラフィック・ジャパン(Bull. SOC. SCI. Pho
to. Japan) No.16、30頁(1966)に記載された
ような酵素処理ゼラチンを用いてもよく、またゼラチン
の加水分解物や酵素分解物も用いることができる。
【0034】本発明に用いられる写真乳剤には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で種々の化
合物を含有させることができる。すなわちアゾール類、
例えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロイミダゾール類、
ニトロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾー
ル類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾ
ール類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベ
ンズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、ア
ミノトリアゾール類、ベンゾトリアゾーリ類、ニトロベ
ンゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)など、メ
ルカプトピリミジン類、メルカプトトリアジン類、たと
えばオキサドリンチオンのようなチオケト化合物、アザ
インデン類、たとえばトリアザインデン類、テトラアザ
インデン類(特に4−ヒドロキシ置換(1,3,3a,
7)テトラアザインデン類)、ペンタアザインデン類
等、ベンゼンスルホン酸アミド等のようなカブリ防止剤
または安定剤として知られた多くの化合物を加えること
ができる。これらの中で、特に好ましいのはベンゾトリ
アゾール類(例えば5−メチルベンゾトリアゾール)で
ある。また、これらの化合物を処理液に含有させてもよ
い。
【0035】本発明の写真感光材料には、写真乳剤層そ
の他の親水性コロイド層に無機または有機の硬膜剤を含
有してよい。例えばクロム塩(クロムミョウバン、酢酸
クロムナド)、アルデヒド類(ホルムアルデヒド、グリ
オキサル、グルタールアルデヒドなど)、N−メチロー
ル化合物(ジメチロール尿素、メチロールジメチルヒダ
ントインナド)、ジオキサン誘導体(2,3−ジヒドロ
キシジオキサンなど)、活性ビニル化合物(1,3,5
−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジンな
ど)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、ムコフェノキ
シクロル酸など)などを単独または組み合わせて用いる
ことができる。
【0036】本発明を用いて作られる感光材料の写真乳
剤層または他の親水性コロイド層には塗布助剤、帯電防
止、スベリ性改良、乳化分散、接着防止及び写真特性改
良(例えば、現像促進、硬調化、増感)等種々の目的
で、種々の界面活性剤を含んでもよい。例えばサポニン
(ステロイド系)、アルキレンオキサイド誘導体(例え
ばポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール/
ポリプロピレングリコール縮合物、ポリエチレングリコ
ールアルキルエーテル類又はポリエチレングリコールア
ルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールエ
ステル類、ポリエチレングリコールソルビタンエステル
類、ポリアルキレングリコールアルキルアミンまたはア
ミド類、シリコーンのポリエチレンオキサイド付加物
類)、グリシドール誘導体(例えばアルケニルコハク酸
ポリグリセリド、アルキルフェノールポリグリセリ
ド)、多価アルコールの脂肪酸エステル類、糖のアルキ
ルエステル類などの非イオン性界面活性剤、アルキルカ
ルボン酸塩、アルキルスルフォン酸塩、アルキルベンゼ
ンスルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸
塩、アルキル硫酸エステル類、アリキルリン酸エステル
類、N−アシル−N−アリルタウリン酸、スルフォコハ
ク酸エステル類、スルフォアルキルポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアル
キルリン酸エステル類などのような、カルボキシ基、ス
ルフォ基、ホスホ基、硫酸エステル基、リン酸エステル
基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸
類、アミノアルキルスルフォン酸類、アミノアルキル硫
酸またはリン酸エステル類、アルキルベタイン類、アミ
ンオキシド類等の両性界面活性剤、アルキルアミン塩
類、脂肪族あるいは芳香族第4級アンモニウム塩類、ピ
リジウム、イミダゾリウムなどの複素環第4級アンモニ
ウム塩類、及び脂肪族又は複素環を含むホスホニウム又
はスルフォニウム塩類などのカチオン界面活性剤を用い
ることができる。
【0037】本発明に用いる写真感光材料には、写真乳
剤層その他の親水性コロイド層に寸度安定性の改良など
の目的で、水不溶又は難溶性合成ポリマーの分散物を含
むことができる。例えばアルキル(メタアクリレート、
アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル
(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニ
ルエステル(例えば酢酸ビニル)、アクリロニトリル、
オレフィン、スチレンなどの単独もしくは組合せ、また
はこれらとアクリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和
ジカルボン酸、ヒドロキシルアルキル(メタ)アクリレ
ート、スルフォアルキル(メタ)アクリレート、スチレ
ンスルフォン酸等の組合せを単量体成分とするポリマー
を用いることができる。
【0038】本発明の感光材料に用いられる支持体に
は、α−オレフィンポリマ−(例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)等をラミネ
−トした紙、合成紙の可撓性支持体、金属などが含まれ
る。中でも、ポリエチレンテレフタレ−トが特に好まし
い。本発明に用いることので切る下引き層としては特開
昭9−3972号記載のポリヒドロキシベンゼン類和含
む有機溶剤系での下引き加工層、特開昭49−1111
8号、同52−10491号等に記載の水系ラテックス
下引き加工層が挙げられる。又、該下引き層は通常、表
面を科学的ないし物理的に処理することができる。該処
理としては薬品処理、機械委処理、コロナ放電処理、な
どの表面活性化処理が挙げられる。本発明は印刷用、X
−レイ用、カラーを含む一般ネガ用、一般ポジ用、直接
ポシ用等の各種感光材料に適用することができる。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明がこれらによって限定されるものではな
い。
【0040】実施例1 <乳剤の調整> 1液 水 1.0リットル ゼラチン 20g 塩化ナトリウム 20g 1,3−ジメチルイミダゾリン−2−チオン 20mg ベンゼンスルホン酸ナトリウム 8mg 2液 水 400ml 硝酸銀 100g 3液 水 400ml 塩化ナトリウム 27.5g 臭化カリウム 21.0g ヘキサクロロイリジウム(III)酸カリウム 15ml (0.001%水溶液) ヘキサブロモロジウム(III)酸アンモニウム 1.5ml (0.001%水溶液) 38℃、pH4.5に保たれた1液に2液と3液を攪拌
しながら同時に10分間にわたって加え、0.16μm
の核粒子を得た。続いて下記4液、5液を10分間にわ
たって加えた。さらにヨウ化カリウム0.15gを加
え、粒子形成を終了した。 4液 水 400ml 硝酸銀 100g 5液 水 400ml 塩化ナトリウム 27.1g 臭化カリウム 21g ヘキサシアノ鉄(III)カリウム 5ml その後常法に従ってフロキュレーション法によって水洗
し、ゼラチン30gを加えた。
【0041】pHを5.3、pAgを7.5に調整し、
チオ硫酸ナトリウム2.6mgとトリフェニルホスフィン
セレニドを1.0mgと塩化金酸6.2mgを加え、ベンゼ
ンチオスルフォン酸ソーダを4mg、ベンゼンスルフィン
酸ソーダを1mg添加して55℃にて最適濃度を得るよう
に化学増感を施した。安定材として1,3,3a,7−
テトラアザインデン200mg、防腐剤としてフェノキシ
エタノールを加えた。最終的に塩化銀を70モル%含む
平均粒子径0.20μmの沃塩臭化銀立方体粒子乳剤を
得た。(変動係数9%)
【0042】塗布試料の作成 上記の乳剤にオルソ増感色素(下記化合物)を5×10
-4/モルAg加えてオルソ増感を施した。さらにカブリ
防止剤としてハイドロキノン、1−フェニル−5−メル
カプトテトラゾ−ルをAg1モルあたりそれぞれ2.5
g、50mg、可塑剤としてポリエチルアクリレートラテ
ックスをゼラチンバインダー比25%、硬膜剤として2
−ビス(ビニルスルホニルアセトアミド)エタンを86
mg/m2添加し、さらにコロイダルシリカをゼラチンバイ
ンダー比40%添加し、ポリエステル支持体上に銀3.
0g/m2になるように塗布した。
【0043】
【化6】
【0044】この上に下記組成の保護層下層および保護
層上層を同時塗布した。 <保護層下層> ゼラチン 0.25g/m2 ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム 4mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルデヒド 25mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 125mg/m2
【0045】 <保護層上層> ゼラチン 0.25g/m2 平均2.5μmのシリカマット剤 50mg/m2 化合物(ゼラチン分散物) 30mg/m2 粒径10〜20μmのコロイダルシリカ 30mg/m2 化合物 5mg/m2 ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ 22mg/m2
【0046】
【化7】
【0047】なお本実施例で使用した支持体は下記組成
のバック層およびバック保護層を有する。 <バック層> ゼラチン 3.0g/m2 ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ 80mg/m2 化合物 70mg/m2 化合物 85mg/m2 化合物 90mg/m2 1,3−ジビニルスルフォン−2−プロパノール 60mg/m2
【0048】
【化8】
【0049】 <バック保護層> ゼラチン 0.5g/m2 ポリメチルメタクリレート 30mg/m2 (粒子サイズ4.7μm) ドデシルベンゼンスルフォン酸ソーダ 20mg/m2 前記化合物(ゼラチン分散物) 100mg/m2 前記化合物イル 2mg/m2
【0050】下記現像液と定着液を富士写真フイルム
(株)社製製版用自動現像機FG−680Aにセット
し、現像時間20秒、定着時間18秒、現像温度℃、定
着温度37℃、水洗水量5リットル/分の条件で、上記
ハロゲン化銀感光材料を用いてランニングテストした。
ハーフ露光した大全紙サイズの感材を、1日に40枚を
処理し、6日稼働して1日休むというサイクルを1ラウ
ンドとして4ラウンド行った。補充量は大全紙1枚当た
り現像液が100ml、定着液が120mlとした。
【0051】 <現像液> 亜硫酸カリウム 81.0g ハイドロキノン 25.0g 4−メチル−4−ヒドロキシメチル− 1.2g 1−フェニル−3−ピラゾリドン ジエチレンジトリアミン5酢酸 2.0g 水酸化カリウム 11.0g 炭酸ナトリウム(1水塩) 15.0g 臭化カリウム 3.0g 5−メチルベンツトリアゾール 0.1g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5− 0.1g スルフォン酸 2,3,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−2− 0.04g チオキソ−4−(1H)−キナゾリノン エリソルビン酸 1.5g 水酸化カリウムを加え、水を加えて1リットルとしpH
を10.5に合わせる。
【0052】 <本発明の定着液> チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 5g メタ重亜硫酸ナトリウム 20g 酢酸ナトリウム・3水塩 18g エチレンジアミン四酢酸二Na塩 0.05g 硫酸アルミニウム水溶液(27 wt/wt %) 25g 化合物I−10 3g 水を加えて 1リットル pH 4.8
【0053】 <比較例定着液−1> チオ硫酸アンモニウム 150g 亜硫酸ナトリウム 5g メタ重亜硫酸ナトリウム 20g 酢酸ナトリウム・3水塩 18g エチレンジアミン四酢酸二Na塩 0.05g 硫酸アルミニウム水溶液(27 wt/wt %) 25g ホウ酸 7g 水を加えて 1リットル pH 4.8
【0054】 <比較定着液−2> チオ硫酸アンモニウム 180g 亜硫酸ナトリウム 5g メタ重亜硫酸ナトリウム 20g 酢酸ナトリウム・3水塩 8g エチレンジアミン四酢酸二Na塩 0.05g 硫酸アルミニウム水溶液(27 wt/wt %) 25g 水を加えて 1リットル pH 4.8
【0055】その結果、4ラウンド処理した後でも、本
発明の化合物I−10を添加した定着液を用いた場合に
は定着槽、水洗槽の器壁やローラーの表面に沈澱の析出
や沈積は全く見られなかった。比較例−1の定着液も同
様に沈澱の生成は観察されなかったが、この定着液を用
いると水洗槽に持ち込まれた場合に、水洗水中のホウ酸
濃度が1〜5ppm程度となり、環境保全の点では好ま
しくない。比較例−2の定着液を用いた場合には、定着
槽、水洗槽の器壁やローラー、クロスオーバー部のガイ
ド板等に白色の沈澱が明瞭に観察された。更に本発明の
化合物I−10に代えてI−8、I−9を用いた場合も
同様の効果が得られた。
【0056】実施例2 <乳剤の調製>水1リットル中にゼラチン30g,臭化
カリウム6gを加え、60℃に保った容器中に攪拌しな
がら硝酸銀水溶液(硝酸銀として5g)と沃化カリウム
0.15gを含む臭化カリウム水溶液を1分間かけてダ
ブルジェット法で添加した。さらに、硝酸銀水溶液(硝
酸銀として145g)と沃化カリウム4.2gを含む臭
化カリウム水溶液をダブルジェット法で添加した。この
時の添加速度は、添加終了時の流速が、添加開始時の5
倍となるように流量加速を行った。添加終了後、沈降法
により35℃にて可溶性塩類を除去したのち、40℃に
昇温してゼラチン75gを追添し、pHを6.7に調整
した。得られた乳剤は投影面積直径が0.98μm、平
均厚み0.138μmの平板状粒子で、沃化銀含量は3
モル%であった。この乳剤に、金、イオウ増感を併用し
て化学増感を施した。
【0057】<写真材料の調製>表面保護層として、ゼ
ラチンの他に平均分子量5000のポリアクリルアミ
ド、ポリスチレンスルフォン酸ソーダ、ポリメチルメタ
クリレート微粒子(平均粒子サイズ3.0μm)、ポリ
エチレンオキサイド、および硬膜剤などを含有したゼラ
チン水溶液を用いた。上記乳剤に増感色素としてアンヒ
ドロ−5,5−ジクロロ−9−エチル−3、3’−ジ
(3−スルフォプロピル)オキサカルボシアニンハイド
ロオキサイドナトリウム塩を500mg/1モルAgの割
合で、沃化カリウムを200mg/1モルAgの割合で添
加した。さらに安定剤として4−ヒドロキシ−6−メチ
ル−1,3,3a,7−テトラザインデンと2,6−ビ
ス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,
3,5−トリアジンおよびニトロン、乾燥カブリ防止剤
としてトリメチロールプロパン、塗布助剤、硬膜剤を添
加して塗布液とし、ポリエチレンテレフタレート支持体
の両側に各々表面保護層と同時に塗布乾燥することによ
り、写真材料を作成した。この写真材料の塗布銀量は片
面当たり2g/m2である。
【0058】下記現像液と定着液を富士写真フイルム
(株)社製FPM−9000型自動現像機にセットし、
現像時間24秒、定着時間25秒、現像温度35℃、定
着温度35℃、水洗水量5リットル/分の条件で、上記
ハロゲン化銀感光材料を用いてランニングテストした。
ハーフ露光した4ツ切りサイズの感材を、1日に30枚
を処理し、実施例1と同様に、6日稼働して1日休むと
いうサイクルを1ラウンドとして4ラウンド行った。補
充量は4ツ切りサイズ1枚当たり現像液が50ml、定着
液が60mlとした。
【0059】 <現像補充液> 亜硫酸カリウム 44.2g メタ重亜硫酸カリウム 12.6g ハイドロキノン 30.0g 1−フェニル−3−ピラゾリドン 1.5g ジエチレンジトリアミン5酢酸 1.0g 水酸化カリウム 29.0g 5−メチルベンツトリアゾール 0.06g 5−ニトロインダゾール 0.2g 氷酢酸 7.5g グルタールアルデヒド 5.0g ジエチレングリコール 20.0g 水酸化カリウムを加え、水を加えて1リットルとしpH
を10.30に合わせる。この現像補充液にスターター
として臭化カリウム3g/リットル、氷酢酸4ml/リッ
トルを添加し、これを現像液(母液)とした。
【0060】 <本発明の定着液> チオ硫酸アンモニウム 125g チオ硫酸ナトリウムム 25g 亜硫酸ナトリウム 18g 酢酸(90%) 19g エチレンジアミン四酢酸二Na塩 0.25g アンモニア水(27%) 8g 硫酸アルミニウム水溶液(27 wt/wt %) 27g 酒石酸 3.5g 化合物I−10 4g 水を加えて 1リットル pH 4.8
【0061】 <比較例定着液−3> チオ硫酸アンモニウム 125g チオ硫酸ナトリウムム 25g 亜硫酸ナトリウム 18g 酢酸(90%) 19g エチレンジアミン四酢酸二Na塩 0.25g アンモニア水(27%) 8g 硫酸アルミニウム水溶液(27 wt/wt %) 27g 酒石酸 3.5g 水を加えて 1リットル pH 4.8
【0062】その結果、4ラウンド処理した後でも、本
発明の化合物I−10を添加した定着液を用いた場合に
は、実施例−1と同様に定着槽、水洗槽の器壁やローラ
ーの表面に沈澱の析出や沈積は全く見られなかった。比
較例−3の定着液も同様に沈澱の生成は観察されなかっ
たが、水洗水中のホウ酸濃度が1〜5ppm程度とな
り、環境保全の点では好ましくない。
【0063】
【発明の効果】本発明の化合物を現像処理以後の工程、
中でも定着液に添加して用いたとき、水中のアルカリ土
類金属や硬膜剤として用いるアルミニウム塩による沈澱
の生成を抑制することができ、同時にホウ酸のように水
洗水の廃液に混入して環境に対して問題を起こすことが
ない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年5月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正内容】
【0044】この上に下記組成の保護層下層および保護
層上層を同時塗布した。 <保護層下層> ゼラチン 0.25g/m2 ベンゼンチオスルフォン酸ナトリウム 4mg/m2 1,5−ジヒドロキシ−2−ベンズアルデヒド 25mg/m2 ポリエチルアクリレートラテックス 125mg/m2 (CH2=CH-SO2-CH2-CONH)2−(CH2)2 110mg/m2

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物の少
    なくとも一種を含有する、現像後の処理工程で用いられ
    るハロゲン化銀写真感光材料の処理液。 一般式(I) 【化1】 式中、R1 〜R4 は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキ
    シル基、ニトロ基、カルボキシル基、スルフォン酸基、
    アミノ基、炭素数が2以下のアルキル基、アルデヒド基
    を表す。
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)で表される化合物の少
    なくとも一種を含有する処理液が定着液、漂白定着液、
    リンス液、水洗液および安定液のいずれかである請求項
    1記載の処理液。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)で表される化合物の少
    なくとも一種を含有し、かつホウ素化合物を0.01モ
    ル/リットルを越えては含まない定着液である請求項1
    記載の処理液。
  4. 【請求項4】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀感光層を有するハロゲン化銀写真感光材料を、露光、
    現像したのち、上記一般式(I)で表される化合物の少
    なくとも一種を含有する処理液で処理することを特徴と
    するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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