JPH0628669A - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH0628669A
JPH0628669A JP4099381A JP9938192A JPH0628669A JP H0628669 A JPH0628669 A JP H0628669A JP 4099381 A JP4099381 A JP 4099381A JP 9938192 A JP9938192 A JP 9938192A JP H0628669 A JPH0628669 A JP H0628669A
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眞守 曽我
Kazufumi Ogawa
小川  一文
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気記録媒体の表面に気相でシロキサン結合
を介してフルオロカーボン基を含有する化学吸着膜を設
けることにより、滑性耐久性、走行性、耐摩耗性のすぐ
れた磁気記録媒体の製造方法とする。 【構成】 非磁性基板上に設けた強磁性金属薄膜層12
上にSiO2 などの無機酸化物層13を形成した磁気記
録媒体を、ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシラン
14などの化学吸着剤の蒸気にさらし、引き続いて空気
中に放置して水分と反応させることにより、フルオロカ
ーボン基を含むシロキサン結合15(共有結合)を介し
た化学吸着膜16を磁気記録媒体の表面に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は情報産業等で利用され
る高記録密度の磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の塗布型磁気記録媒体に代わって、
メッキ法、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレ
ートティング法等の方法によって強磁性金属薄膜を非磁
性支持体上に設けた磁気記録媒体は、高密度磁気記録媒
体として研究されている。
【0003】しかしながら上述した方法で作られた強磁
性金属薄膜を用いた磁気記録媒体は、その耐摩耗性およ
びその走行性に問題がある。そもそも磁気記録媒体は磁
気信号の記録、再生の過程において、磁気ヘッドとの高
速相対運動の下におかれる。この時磁気記録媒体の走行
が円滑でかつ安定な状態で行わなければならない。
【0004】しかしながら上述したごとき方法で作られ
る強磁性金属薄膜は、磁気記録、再生の過程の過酷な条
件耐えることができず、磁気ヘッド等の摩擦によって走
行が不安定になったり、長時間走行させた場合には摩耗
したり、破損したり、摩耗粉の発生によって著しく出力
が低下することがあった。そのため、強磁性金属薄膜上
に飽和脂肪酸またはその金属塩より成る単分子膜を形成
することが提案されている(特開昭50−75001号
公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この場
合初期の潤滑性は若干改善が見られるが、滑性耐久性が
なく、走行安定性および耐摩耗性についても未だ充分で
あるとはいえない。これは、飽和脂肪酸の単分子層と強
磁性金属薄膜との結合が物理吸着程度の弱いものである
ため、走行中に摺動する磁気ヘッド等により、飽和脂肪
酸がけづり取られるからである。
【0006】本発明はかかる点に鑑みてなされたもの
で、滑性耐久性、走行性、耐摩耗性のすぐれた磁気記録
媒体の製造方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目標を達成するた
め、本発明の第1番目の発明の磁気記録媒体の製造方法
は、非磁性基板上に強磁性金属薄膜を設け、前記強磁性
金属薄膜上または基板の裏面の少なくとも一方に、気相
でハロゲン化シラン系化学吸着剤を接触させ、次に水分
と反応させることにより化学吸着膜を形成するという構
成を備えたものである。
【0008】また、本発明の第2番目の発明の磁気記録
媒体の製造方法は、非磁性基板上に強磁性金属薄膜を設
け、前記強磁性金属薄膜上に無機酸化物層を形成し、前
記無機酸化物層上または基板の裏面の少なくとも一方
に、気相でハロゲン化シラン系化学吸着剤を接触させ、
次に水分と反応させることにより化学吸着膜を形成する
という構成を備えたものである。
【0009】前記1〜2番目の発明においては、化学吸
着膜がフルオロカーボン基を含む化合物であることが好
ましい。また前記1〜2番目の発明においては、化学吸
着膜が単分子膜であることが好ましい。
【0010】また前記2番目の発明においては、無機酸
化物層がSiO2 、TiO2 、Al 2 3 の少なくとも
一つから選ばれる層であることが好ましい。また、前記
2番目の発明においては、無機酸化物層の厚さが、1〜
50nmであることが好ましい。
【0011】
【作用】前記した本発明の製造方法によれば、強磁性金
属薄膜上または基板の裏面上の少なくとも一方に設けた
化学吸着膜は、強磁性金属薄膜または基板とシロキサン
結合を介して化学結合しているので、磁気ヘッドや走行
時に接触する各種部材等の摩擦によって、前記化学吸着
膜が削り落とされることがなく、滑性耐久性、走行性、
耐摩耗性のすぐれた磁気記録媒体が得られる。また、気
相で化学吸着膜を形成するため、基板が有機溶媒に可溶
の基板でも使用できる。これは有機溶媒を使わないから
である。また有機溶媒を使わないので、有機溶媒中の微
細なゴミ(コンタミ)による欠陥の発生を防止できる。
【0012】また、化学吸着膜がフッ化アルキル基を含
有するという本発明の好ましい構成によれば、フッ素系
化合物の低表面エネルギー性を利用してさらに滑性、走
行性を向上することができる。
【0013】また、無機酸化物層がSiO2 、Ti
2 、Al2 3 の少なくとも一つから選ばれる層であ
るという本発明の好ましい構成によれば、これらの無機
酸化物層も耐摩耗性を発揮するから、さらに優れた滑性
耐久性、走行性、耐摩耗性を有する。とくにSiO2
の場合は、シロキサン結合の密度を高くできるので、緻
密な化学吸着膜を形成することができる。
【0014】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。図1〜3は本発明の第1番目の発明の
一実施例における磁気記録媒体の製造方法を示す。図1
〜3において、1は非磁性基板、2は強磁性金属薄膜
層、3はクロロシラン系化学吸着剤、4はシロキサン結
合、5は化学吸着膜である。クロロシラン系化学吸着剤
3の蒸気に強磁性金属薄膜層2を設けた非磁性基板1を
さらすと(図1)、基板表面の水酸基とクロロシラン系
化学吸着剤が脱塩酸反応してシロキサン結合4を介して
化学吸着膜5を形成する(図2)。次に空気中に放置す
ると、空気中の水分と反応して吸着分子間にもシロキサ
ン結合4を形成させる(図3)。
【0015】次に図4〜図6は本発明の第2番目の発明
の一実施例における磁気記録媒体の断面図である。図5
〜図7において、11は非磁性基板、12は強磁性金属
薄膜層、13は無機酸化物層、14はクロロシラン系化
学吸着剤、15はシロキサン結合、16は化学吸着膜で
ある。クロロシラン系活性剤14の蒸気に強磁性金属薄
膜層12を設けた非磁性基板11をさらすと、無機酸化
物層13の水酸基とクロロシラン系化学吸着剤が脱塩酸
反応してシロキサン結合15を介して化学吸着膜16を
形成する。次に空気中に放置すると、空気中の水分と反
応して吸着分子どうしもシロキサン結合15を形成す
る。
【0016】本発明による磁気記録媒体に使用しうる非
磁性基板1、11としては、ポリ塩化ビニル、酢酸セル
ロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリ
アミド等の高分子材料、非磁性金属材料、ガラス、磁器
等のセラミック材料等周知の材料からなるフィルム、デ
ィスクプレート(板)等がある。
【0017】また、本発明の磁気記録媒体の強磁性金属
薄膜層2、12を形成する強磁性材料としては、周知の
任意の材料が使用でき、例えば鉄、コバルト、ニッケル
の1種類以上の合金またはこれらと、他の金属例えばマ
ンガン、クロム、チタン、リン、イトリウム、サマリウ
ム、ビスマス等とを組み合わせた合金があり、また、上
記金属の酸化物等がある。
【0018】非磁性基板1、11上に強磁性金属薄膜層
2、12を形成させるにあたっては、真空蒸着法、スパ
ッタリング法、メッキ法等任意の周知の方法で形成させ
ることができる。
【0019】無機酸化物層13としては、SiO2 、T
iO2 、Al2 3 等が好ましい。また、SiO2 の場
合は、ガラス基板と同じように表面に水酸基が高密度で
存在するので、クロロシラン系化学吸着剤を高密度で形
成できる。無機酸化物層13を形成するにあたっては、
スパッタリング法、真空蒸着法等の方法で形成すること
ができる。
【0020】本発明により、強磁性金属薄膜層12上
に、無機酸化物13を形成する場合、1〜50nmが好
ましい。前記膜厚が50nmを越えると、剥離あるいは
クラックが生じやすくなる。また、1nmより小さくす
ると、ピンホールが生じやすくなって、化学吸着膜を形
成しにくくなる。
【0021】本発明の磁気記録媒体の製造方法におい
て、化学吸着膜5、16を構成する材料としては、一例
としてフッ化アルキル基を有するクロロシラン系化学吸
着剤を用いることができる。
【0022】フッ化アルキル基を有するクロロシラン系
界面活性剤としては、例えばCF3(CF2 7 (CH
2 2 SiCl3 ,CF3 CH2 O(CH2 15SiC
3,CF 3(CH2 2 Si(CH3 2 (CH2
15SiCl3 ,F(CF2 4 (CH2 2 Si(CH
3 2 (CH2 9 SiCl3 ,F(CF2 8 (CH
2 2 Si(CH3 2 (CH2 9 SiCl3 ,CF
3 COO(CH2 15SiCl3 ,CF3 (CF2 5
(CH2 2 SiCl3 等のようなトリクロロシラン系
界面活性剤を始め、例えばCF3 (CF2 7 (C
2 2 SiCln(CH3 3-n ,CF3 (CF2
7 (CH2 2 SiCln (C2 5 3-n,CF3
2 O(CH2 15SiCln (CH3 3-n ,CF3
CH2 O(CH2 15SiCln (C2 5 3-n ,C
3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 15SiC
n (CH3 3-n ,F(CF2 4 (CH2 2 Si
(CH 3 2 (CH2 9 SiCln (C
2 5 3-n ,F(CF2 8 (CH2 2Si(CH
3 2 (CH2 9 SiCln (CH3 3-n ,CF3
COO(CH 2 15SiCln (CH3 3-n ,CF3
(CF2 5 (CH2 2 SiCln(CH3
3-n (但し式中のnは何れも1又は2)等のような低級
アルキル基置換のモノクロロシラン系あるいはジクロロ
シラン系界面活性剤が挙げられる。
【0023】これらの中でも特にトリクロロシラン系化
学吸着剤は、親水性基と結合したクロロシリル結合以外
のクロロシリル結合が、隣合うクロロシラン基とシロキ
サン結合で分子間結合を形成するため、より強固な化学
吸着膜となる。この、理由からトリクロロシラン系化学
吸着剤は、好ましい化学吸着膜の材料である。また、C
3 (CF2 n CH2 CH2 SiCl3 (但し式中の
nは整数であり、3〜25程度が最も扱いやすい)が、
化学吸着性と潤滑性等の機能性との釣合が取れているた
め好ましい。
【0024】以下、化学吸着剤の一例であるCF3 (C
2 n CH2 CH2 SiCl3 を取り上げて、本発明
の反応プロセスを説明する。容器または槽の中に、表面
に水酸基(−OH)を有する強磁性金属薄膜層を形成し
た非磁性基板を置き、その表面に気相で前記化学吸着の
ガスを接触させると、次式(化1)に示す反応が起こ
る。
【0025】
【化1】
【0026】次に前記化学吸着剤のガスを排気し、水分
を含むガス(大気中の水分でもよい)を導入すると、次
式(化2)に示す反応が起こる。
【0027】
【化2】
【0028】次に基板を空気中にさらすかまたは放置す
ると、次式(化3)に示す反応が起こり、化学吸着単分
子膜が形成される。
【0029】
【化3】
【0030】前記化学吸着剤の分子中にフッ化アルキル
鎖部分にエチレン基(ビニレン基)やアセチレン基(エ
チニレン基)を組み込んでおけば、化学吸着膜形成後5
メガラド程度の電子線照射で架橋できるのでさらに化学
吸着膜自体の硬度を向上させることも可能である。
【0031】本発明に使用できるクロロシラン系化学吸
着剤は、上述したように直鎖状だけでなく、フッ化アル
キル基もしくは炭化水素基が分岐した形状(すなわち
R、R1 、R2 、R3 をフッ化アルキル基または炭化水
素基としての一般式R2 SiCl,R3 SiCl,R1
2 SiCl2 もしくはR1 2 3 SiCl等)であ
ってもよいが、吸着密度を高めるためには一般には直鎖
状が好ましい。
【0032】前記においてはクロロシラン系化学吸着剤
を一例として挙げたが、他のハロゲン化シランとして
は、例えばブロモシラン系吸着剤、ヨードシラン系化学
吸着剤、フロロシラン系化学吸着剤なども同様に使用で
きる。
【0033】さらに、例えば次の化合物を用いて、あら
かじめ内層膜を形成し、その上に前記ハロゲン化シラン
系化学吸着剤を接触させることもできる。このような内
層膜用化合物としては、SiCl4 、SiHCl3 、S
iH2 Cl2 、Cl(SiCl2 O)n SiCl3 (但
し式中nは自然数)、SiClm (CH3 4-m 、Si
Clm (C2 5 4-m (但し式中mは1〜3の整
数)、HSiClp (CH 3 3-p 、HSiClp (C
2 5 3-p (但し式中pは1又は2)等を挙げること
ができる。このようなクロロシリル結合を複数個含む物
質を化学吸着させた後、水と反応すると、表面のクロロ
シリル結合が親水性のシラノール結合に変わり、強磁性
金属薄膜層、無機酸化物層や非磁性基板の水酸基濃度を
増加させることができる。
【0034】なお、このクロロシリル基を複数個含む物
質の中でも、テトラクロロシラン(SiCl4 )は反応
性が高く分子量も小さいためより高密度にシラノール結
合を付与できるため好ましい。
【0035】このようにして親水基密度を増加させて、
フッ化アルキルを含むクロロシラン系化学吸着剤を吸着
させると、化学吸着膜をより高密度化されるため、潤滑
耐久性、走行性、耐摩耗性等の機能がより高められる。
【0036】また、本発明の磁気記録媒体に形成される
化学吸着膜は、単分子膜が累積していてもよいことはも
ちろんである。このように、化学吸着膜が累積膜を形成
すると、付与された機能性を示す基が配向し、密度も向
上するためより高機能を発揮できる。
【0037】次に具体的実施例を用いて本発明を説明す
る。 実施例1 厚さ20μmのポリイミドフィルム基板上に、真空蒸着
法によりコバルト(90wt%)−クロム(10wt
%)からなる膜厚150nmの強磁性金属薄膜を作成し
た。この強磁性金属薄膜を形成した基板から100mm
×100mmの大きさの片を切取り、デシケータ中でフ
ッ化アルキル基を含むクロロシラン系化学吸着剤として
ヘプタデカフルオロデシルトリクロロシランの蒸気に1
20分間さらし、フッ化アルキル基を含むシロキサン結
合4を介した化学吸着単分子膜5を強磁性金属薄膜層2
の表面に形成した。引き続いて空気中に60分間放置
し、吸着分子間にもシロキサン結合4を形成させた。
【0038】実施例2 実施例1においてヘプタデカフルオロデシルトリクロロ
シランをトリデカフルオロオクチルトリクロルシランに
変えて、実施例1と同様の実験をした。
【0039】実施例3 実施例1においてヘプタデカフルオロデシルトリクロロ
シランをパーフルオロドデシルトリクロルシランに変え
て、実施例1と同様の実験をした。
【0040】実施例4 実施例1の強磁性金属薄膜を形成した基板をデシケータ
中でテトラクロロシランの蒸気に60分間さらし、引き
続いて空気中に60分間放置した試料を用いて実施例1
と同様の実験をした。
【0041】実施例5 実施例1のヘプタデカフルオロオクチルトリクロロシラ
ンを19−トリメチルシリル−18−ノナデセニルトリ
クロルシランに変えて、実施例1と同様の実験をし、化
学吸着膜形成後、5メガラドの電子線照射を1分間照射
した。
【0042】実施例6 厚さ20μmのポリイミドフィルム基板11上に、真空
蒸着法によりコバルト(90wt%)−クロム(10w
t%)からなる膜厚150nmの強磁性金属薄膜層を設
け、さらにその上にスパッタ法により、膜厚10nmの
SiO2 を無機酸化物層13として形成した。この基板
から100mm×100mmの大きさの片を切取り、デ
シケータ中でフッ化アルキル基を含むクロロシラン系化
学吸着剤としてヘプタデカフルオロデシルトリクロロシ
ランの蒸気に120分間さらし、フッ化アルキル基を含
むシロキサン結合14を介した化学吸着単分子膜15を
無機酸化物層13の表面に形成した。引き続いて空気中
に60分間放置し、吸着分子間にもシロキサン結合14
を形成させた。
【0043】実施例7 実施例6の無機酸化物層をSiO2 からTiO2 に変え
て、実施例6と同様の実験をした。
【0044】実施例8 実施例6の無機酸化物層をSiO2 からAl2 3 に変
えて、実施例6と同様の実験をした。
【0045】実施例9 実施例6において、ヘプタデカフルオロデシルトリクロ
ロシランで処理する前に、まずテトラクロロシランの蒸
気に60分間さらし、さらに空気中に60分間放置した
後、実施例6と同様の実験をした。
【0046】実施例10 実施例5において、ペプタデカフルオロデシルトリクロ
ロシランを9−(ヘプタデカフルオロデシルジメチルシ
リル)ノニルトリクロロシランに変えて、実施例6と同
様の実験をした。
【0047】比較例1 実施例1において化学吸着膜の代わりに、ステアリン酸
Baの単分子膜をLB法(ラングミュア−ブロジェット
法)で1層形成した。
【0048】実施例1〜10、比較例の試料の動摩擦係
数を摩擦摩耗係数計(DFPM形、協和界面科学製)で
測定した。用いたヘッドは直径3mmの鋼球で、ヘッド
荷重100g、ヘッドの走行速度1.0mm/sで測定
した。その結果を(表1)に示す。
【0049】
【表1】
【0050】表1のデータから本発明による実施例1〜
10の磁気記録媒体は初期動摩擦係数はもちろん、20
0回往復後においても動摩擦係数が低く、滑性耐久性に
おいて、比較例よりすぐれていることがわかる。これは
化学吸着膜が下層部分と共有結合によって結合している
からである。
【0051】比較例では、ステアリン酸Baの単分子層
と磁性層との結合が弱いために、ヘッドにより削り取ら
れ、動摩擦係数がヘッドの往復回数が増すにしたがって
大きくなり、滑性耐久性が見られなかった。
【0052】また、これらの磁気記録媒体を直径75m
mの大きさの片に切り取り、市販のフロッピィディスク
と同等の機能を有する試験機で走行させたところ、実施
例1〜10の磁気記録媒体は、100時間後も走行が安
定し、摩耗傷は見られなかった。それに対し比較例の磁
気記録媒体は走行が不安定になり、磁性面に摩耗傷がみ
られた。
【0053】なお、以上の実施例では、磁気ディスクに
ついて示したが、本発明の磁気記録媒体は、磁気テープ
(フィルム)、磁気カード等にも適用できることは明ら
かである。
【0054】
【発明の効果】本発明の磁気記録媒体は、共有結合によ
って結合された化学吸着膜が表面に形成されているの
で、滑性耐久性、走行性、耐摩耗性にすぐれ、かつこれ
らの特性を長期間維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1番目の発明の一実施例の磁気記録
媒体の製造方法を分子レベルまで、拡大した断面モデル
であり、化学吸着反応直前を示す図である。
【図2】同実施例の磁気記録媒体の製造方法を分子レベ
ルまで拡大した断面モデル図であり、化学吸着反応直後
を示す図である。
【図3】同実施例の磁気記録媒体の製造方法を分子レベ
ルまで拡大した断面モデル図であり、水分と反応させた
後の化学吸着膜を示す図である。
【図4】本発明の第2番目の発明の一実施例の磁気記録
媒体の製造方法を分子レベルまで拡大した断面モデルで
あり、化学吸着反応直前を示す図である。
【図5】同実施例の磁気記録媒体の製造方法を分子レベ
ルまで拡大した断面モデル図であり、化学吸着反応直後
を示す図である。
【図6】同実施例の磁気記録媒体の製造方法を分子レベ
ルまで拡大した断面モデル図であり、水分と反応させた
後の化学吸着膜を示す図である。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2 強磁性金属薄膜層 3 クロロシラン系吸着剤 4 シロキサン結合 5 化学吸着膜 11 非磁性基板 12 強磁性金属薄膜 13 無機酸化物層 14 クロロシラン系吸着剤 15 シロキサン結合 16 化学吸着膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に強磁性金属薄膜を設け、
    前記強磁性金属薄膜上または基板の裏面の少なくとも一
    方に、気相でハロゲン化シラン系化学吸着剤を接触さ
    せ、次に水分と反応させることにより化学吸着膜を形成
    する磁気記録媒体の製造方法。
  2. 【請求項2】 非磁性基板上に強磁性金属薄膜を設け、
    前記強磁性金属薄膜上に無機酸化物層を形成し、前記無
    機酸化物層上または基板の裏面の少なくとも一方に、気
    相でハロゲン化シラン系化学吸着剤を接触させ、次に水
    分と反応させることにより化学吸着膜を形成する磁気記
    録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】 化学吸着剤が、フルオロカーボン基を含
    む化合物である請求項1または2に記載の磁気記録媒体
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 化学吸着膜が単分子膜である請求項1ま
    たは2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 無機酸化物層がSiO2 、TiO2 、A
    2 3 の少なくとも一つから選ばれる層である請求項
    2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
  6. 【請求項6】 無機酸化物層の厚さが1〜50nmであ
    る請求項2に記載の磁気記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS6383918A (ja) * 1986-09-26 1988-04-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録媒体

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