JPH06281654A - ヘモグロビンの測定方法 - Google Patents

ヘモグロビンの測定方法

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JPH06281654A
JPH06281654A JP7552593A JP7552593A JPH06281654A JP H06281654 A JPH06281654 A JP H06281654A JP 7552593 A JP7552593 A JP 7552593A JP 7552593 A JP7552593 A JP 7552593A JP H06281654 A JPH06281654 A JP H06281654A
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JP
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hemoglobin
albumin
solution
buffer
sample
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JP7552593A
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English (en)
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Tsugi Imai
嗣 今井
Ikuko Morikawa
郁子 森川
Hiroshi Kishioka
洋 岸岡
Shohei Konishi
章平 小西
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KH Neochem Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 被検試料中のヘモグロビンが分解されない状
態で測定できる、ヘモグロビンの定量方法を提供する。 【構成】 アジ化ナトリウム、アルブミンおよび乳酸を
被検試料中に添加することを特徴とする、ヘモグロビン
の分解抑制方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヘモグロビンの分解抑制
方法に関し、生体試料中のヘモグロビンの測定方法に適
用することによって、ヘモグロビンの分解を抑制し、正
確にヘモグロビンを測定することができる。
【0002】
【従来の技術】消化器疾患、例えば大腸癌を検査する方
法として、消化管からの出血に起因する糞便中の潜血成
分(ヘモグロビン)の測定が行われている。糞便中のヘ
モグロビンの測定方法としてはヘモグロビンのパーオキ
シダーゼ活性を利用した酵素化学的測定法と、抗ヘモグ
ロビン抗体を用いた免疫学的測定法があるが、被検液中
で糞便中のヘモグロビンが細菌等により分解されるため
正確にヘモグロビンを測定できない。
【0003】糞便中のヘモグロビンの分解を抑制する目
的でチメロサール、クロルヘキシジン、アジ化ナトリウ
ム等一般的抗菌剤が用いられており、動物血清を用いる
方法も知られている(特開平4−145366号公
報)。ヘモグロビン自身を安定化させるため含窒素複素
環化合物を被検液に添加する方法も知られている(特開
昭60−35270号公報)。また、乳酸が抗菌作用を
示すことが知られている(防菌防黴の化学,堀口博編,
1986年,三共出版刊)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】被検試料中のヘモグロ
ビンの分解抑制方法、さらに正確なヘモグロビンの定量
方法の開発が求められている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、ヘモグロビン
に、アジ化ナトリウム、アルブミンおよび乳酸を共存さ
せることを特徴とするヘモグロビンの分解抑制方法に関
する。ヘモグロビンの分解抑制を適用したヘモグロビン
の測定法について以下に詳述する。該ヘモグロビンの測
定方法は、被検試料中のヘモグロビンにアジ化ナトリウ
ム、アルブミンおよび乳酸を共存させることを特徴とす
る。
【0006】ヘモグロビンに共存させる化合物は、ヘモ
グロビン1に対して重量比でアジ化ナトリウム0.02
〜500万、アルブミン0.02〜5000万、乳酸
0.04〜1億5000万の比率で用いられる。
【0007】ヘモグロビンの測定方法としては、ヘモグ
ロビンの検出法または定量法であればいずれでもよい
が、例えばヘモグロビン抗体を用いた免疫学的測定法等
があげられる。
【0008】ヘモグロビンの免疫学的測定法としては、
抗ヘモグロビン抗体を用いた免疫学的測定法であればど
のようなものでもよく、例えば、寒天平板上で抗ヘモグ
ロビン抗体と被検試料中のヘモグロビンとを反応させる
単純免疫拡散法、二重免疫拡散法等の免疫拡散法や、抗
ヘモグロビンを感作した動物血球を用いる逆受身赤血球
凝集法、酵素で標識した抗ヘモグロビン抗体を用いる酵
素免疫法、抗ヘモグロビン抗体を感作したラテックス粒
子を用いるラテックス凝集法、ラテックス凝集阻止法、
抗ヘモグロビンを感作した金コロイド粒子を用いる金コ
ロイド凝集法等があげられる。
【0009】本発明に用いるアルブミンとしては、動物
血清アルブミン、卵白アルブミン等どのようなアルブミ
ンでもよく、動物血清アルブミンはヒト、ウサギ、羊、
山羊、馬、牛、ブタ等の血清アルブミンがあげられる。
【0010】被検試料は通常緩衝液等に溶解した状態
で、ヘモグロビンの測定に供せられる。緩衝液としては
リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、イミダゾール緩衝液、グ
リシン緩衝液、トリス−塩酸緩衝液などが用いられ、こ
れら緩衝液はpH6.0〜9.0、好ましくは6.5〜
8.5の範囲がよく、塩化ナトリウム等を含んでいても
よい。
【0011】ヒト糞便を試料とするヘモグロビンの定量
に際しては、ヒト糞便1〜20mgを、0.05〜0.
5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%のアジ化ナ
トリウム、0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2
重量%のアルブミン、0.1〜15重量%、好ましくは
0.5〜5.0重量%の乳酸を含有した緩衝液1〜12
00mlに溶解し、免疫測定法の被検液とする。
【0012】被検液はそのままヘモグロビンの測定法に
供してもよいが、4〜40℃で1〜30日間保存した後
にヘモグロビンの測定法に供することも可能である。
【0013】被検液中のヘモグロビンは、上述のヘモグ
ロビンの免疫学的または酵素学的測定法により検出また
は定量されるが、以下にラテックス凝集法を用いた免疫
学的測定方法について例示する。
【0014】通常のポリクローナル抗体の作成方法(実
験生物学講座14,「免疫生物学」,村松繁ら編,19
85年,丸善刊)に従い、ヒトヘモグロビンを抗原とし
てウサギ、羊、山羊、等の抗体産生能のある動物を該抗
原で免疫した後、採血する。採血後、通常用いられる精
製方法(例えば、硫酸アンモニウムによる塩析、DEA
EセルロースでのIgG分画)で精製して抗ヒトヘモグ
ロビン抗体を得る。なお抗ヒトヘモグロビン抗体は常法
(モノクローナルとがん,谷内昭ら編,1985年,サ
イエンスフォーラム社刊;単クローン抗体,岩崎辰夫ら
編,1984年,講談社サイエンティフィック社刊)等
により作製したモノクローナル抗体を用いてもよいし、
市販の抗ヒトヘモグロビン抗体を用いてもよい。
【0015】得られた抗体を物理吸着法または共有結合
法〔タンパク質化学1(アミノ酸、ペプチド),赤堀四
郎ら編,1969年,共立出版刊〕等の常法によりラテ
ックス粒子(粒径0.1〜0.5μm)に結合させ、牛
血清アルブミン等を含む緩衝液などで遠心分離洗浄を行
い抗ヒトヘモグロビン抗体感作ラテックス試薬を作製す
る。
【0016】この様にして得られたラテックス試薬を用
い、スライド板法によりスライド板上での凝集像を判定
する方法や、凝集反応の速度を分光光度計、濁度計等に
より光学的または電気的に測定する方法によってヒトヘ
モグロビンを測定する。
【0017】以下、本発明の実施例を示す。
【0018】
【実施例】
実施例 (1)抗ヒトヘモグロビン抗体感作ラテックス試薬の調
製 ヒトヘモグロビンをウサギに感作して作製したポリクロ
ーナルの抗ヒトヘモグロビン抗体2mgを含む0.2M
トリス緩衝液(pH8.2)2mlと1%のポリスチレ
ンラテックス〔粒径0.35μm;協和醗酵工業社製〕
を懸濁させた0.2Mトリス緩衝液(pH8.2)2m
lとを混合し、4℃で24時間反応させた。その後遠心
分離機を用いてラテックスを上記のトリス緩衝液で洗
い、ラテックスが1%になるように0.5% 牛血清ア
ルブミン(BSA)を含む0.2Mトリス緩衝液(pH
8.2)に懸濁させ、抗ヒトヘモグロビン抗体感作ラテ
ックス試薬を調製した。
【0019】(2)糞便溶解用緩衝液 糞便溶解用緩衝液として、アジ化ナトリウム(Na
3 )0.1%、BSA0.2%、乳酸0.5%が入っ
た0.05Mホウ酸緩衝液(塩化ナトリウム0.85%
含む、pH8.0)を作製した。
【0020】(3)対照用糞便溶解用緩衝液 (2)で作製した糞便溶解用緩衝液の対照として0.0
5Mホウ酸緩衝液(塩化ナトリウム0.85%含む、p
H8.0)〔対照液1〕、アジ化ナトリウム0.1%を
含んだ0.05Mホウ酸緩衝液(塩化ナトリウム0.8
5%含む、pH8.0)〔対照液2〕、牛血清アルブミ
ン0.2%を含んだ0.05Mホウ酸緩衝液(塩化ナト
リウム0.85%含むpH8.0)〔対照液3〕、乳酸
0.5%を含んだ0.05Mホウ酸緩衝液(塩化ナトリ
ウム0.85%含む、pH8.0)〔対照液4〕並びに
アジ化ナトナトリウム0.1%、牛血清アルブミン0.
2%および乳酸0.5%を含んだ0.05Mホウ酸緩衝
液(塩化ナトリウム0.85%含む、pH8.0)〔対
照液5〕を作製した。
【0021】(4)即時検出操作 (2)で調製した糞便溶解用緩衝液または(3)で作製
した対照用糞便溶解用緩衝液(対照液1、対照液2、対
照液3、対照液4および対照液5)にヒトヘモグロビン
の濃度を変えて溶解し、更に健常人の糞便を6mg/m
l濃度で溶解させた。この被検液100μlと前記ラテ
ックス試薬25μlをスライド板上に滴下してスライド
板を回転しながら両液を混和してスライド板の円一杯に
広げる。スライド板を前後左右に3分間ゆるやかに動か
した後、ラテックス試薬の凝集像を観察した。その結果
を第1表に示した。
【0022】
【表1】
【0023】第1表によれば、本発明方法のみが最小、
ヒトヘモグロビン量125ng/mlまで測定可能であ
った。
【0024】(5)7日保存後の検出 (2)で調製した糞便溶解用緩衝液または(3)で作製
した対照用糞便溶解用緩衝液(対照液1、対照液2、対
照液3、対照液4および対照液5)にヒトヘモグロビン
を濃度を変えて溶解し、更に健常人の糞便を6mg/m
l濃度で溶解させた。得られた溶液を23℃で7日間保
存した後、(4)と同様の方法で前記ラテックス試薬を
滴下し凝集像を観察した。結果を第2表に示した。
【0025】
【表2】
【0026】第2表によれば、本発明方法のみが7日間
保存した後でも125ng/mlまで、測定可能であっ
た。
【0027】(6)高温保存後の検出 (2)で調製した糞便溶解用緩衝液または(3)で作製
した対照用糞便溶解用緩衝液(対照液1、対照液2、対
照液3、対照液4および対照液5)にヒトヘモグロビン
の濃度を変えて溶解し、更に健常人の糞便を6mg/m
l濃度で溶解させた。得られた溶液を37℃で1日間保
存した後、(4)と同様の方法で前記ラテックス試薬を
滴下し凝集像を観察した。結果を第3表に示した。
【0028】
【表3】
【0029】第3表によれば、本発明方法のみが高温保
存した後でも250ng/mlまで、測定可能であっ
た。以下に試験例で、糞便溶解用緩衝液にアジ化ナトナ
トリウムおよび牛血清アルブミンを加え、これに乳酸ナ
トリウムを加えたときの効果と他の抗菌作用を持つ化合
物を加えたときの効果とを比較した。
【0030】試験例
【0031】アジ化ナトリウム(NaN3 )0.1%、
BSA0.2%を含有した0.05Mホウ酸緩衝液(塩
化ナトリウム0.85%含む、pH8.0)に乳酸0.
5%または比較対照としてホウ酸0.5%(比較液
1)、ホウ酸2%(比較液2)、エタノール2%(比較
液3)、ベンジルアルコール2%(比較液4)、チメロ
サール0.005%(比較液5)を添加して糞便溶解用
緩衝液を作製した〔対照液は無添加〕。得られた糞便溶
解用緩衝液をまたは比較対照用糞便溶解用緩衝液(比較
液1、比較液2、比較液3、比較液4および比較液5)
にヒトヘモグロビンの濃度を変えて溶解し、更に健常人
の糞便を6mg/ml濃度で溶解させた。得られた溶液
を37℃で1日間保存した後、実施例と同様の方法で前
記ラテックス試薬を滴下し凝集像を観察した。結果を第
4表に示した。
【0032】
【表4】
【0033】第4表によれば、乳酸以外の抗菌剤を加え
ると糞便中のヘモグロビンの分解は対照よりも抑制され
ず逆に促進された。
【0034】
【発明の効果】本発明により、糞便中のヘモグロビンの
分解が抑制されより正確にヘモグロビンを定量できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘモグロビンに、アジ化ナトリウム、ア
    ルブミンおよび乳酸を共存させることを特徴とするヘモ
    グロビンの分解抑制方法。
  2. 【請求項2】 被検試料中のヘモグロビンの測定方法に
    おいて、ヘモグロビンにアジ化ナトリウム、アルブミン
    および乳酸を共存させることを特徴とする方法。
JP7552593A 1993-01-27 1993-04-01 ヘモグロビンの測定方法 Withdrawn JPH06281654A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014768A (ja) * 2001-06-29 2003-01-15 Eiken Chem Co Ltd ヘムタンパク質の安定化方法および保存溶液
WO2017038711A1 (ja) * 2015-08-28 2017-03-09 栄研化学株式会社 免疫学的測定用試薬組成物およびその用途

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