JPH0628118U - 防水パンと壁パネルの取付構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 壁パネルを嵌合係止する突起部の位置決めを
高精度に、かつ、容易に行うことができると共に、特別
な防水処理も不要で、防水パンと壁パネルとの取り付け
作業を容易に行うことができる。 【構成】 防水パンの周縁段部に壁パネルの下端部を載
置嵌合することにより防水パンと壁パネルとを連結し取
り付ける構造を技術的前提とし、上記防水パンの周縁段
部外周端部から上方に立ち上がり片部を延設すると共
に、上記周縁段部にはパネルホルダーを配設し、該パネ
ルホルダーは、上記壁パネルの下端部と嵌合する突起部
が形成された水平面部と、該水平面部の外側端部から上
方に立ち上がり形成された取付片部と、から構成され、
該パネルホルダーの取付片部を、上記パネルホルダーの
突起部上面よりも上方の位置で防水パンの立ち上がり片
部にビス止め固定した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、浴室ユニット等の防水パンと壁パネルの取付構造に関する。

【０００２】

【従来技術】

従来、防水パン式浴室ユニットにおける防水パンと壁パネルの取付構造として は、図３に示すように、防水パン１の周縁段部２にダボ３を打ち込み、このダボ ３に壁パネル４の下端部に開設されたダボ穴５を嵌合することにより、壁パネル ４を防水パン１に取り付ける構造が知られている。

【０００３】 しかしながら、このような図３に示す従来の取付構造にあっては、上記ダボ３ とダボ穴５との精度出しが非常に難しく、また、壁パネル４が撓んでいる場合に は、上記ダボ３をダボ穴５に嵌合できなくなり、壁パネル４を防水パン１に取り 付けることができなくなる、という問題を有していた。

【０００４】 このため、近年では、図４に示すように、防水パン１の周縁段部２に、矩形状 に形成された所要数の止着片６を離間してビス７で固着すると共に、上記壁パネ ル４の下端部には断面略逆凹状の係止溝８を形成し、この係止溝８に上記各止着 片６を嵌合することで、壁パネル４を防水パン１に取り付けているのが現状であ る。

【０００５】

【従来技術の課題】

しかしながら、上記図４に示す従来の取付構造にあっては、上記各止着片６を 防水パン１の周縁段部２にビス止め固定するときの精度出しが非常に難しく、均 一の位置に各止着片６を揃えられて固定されていない場合には、壁パネル４の係 止溝８に各止着片６を嵌合することができなくなると共に、各止着片６をビス止 め固定する時に、防水パン１の周縁段部２にビス穴が開設されてしまうため、防 水処理が必要となり、この種の取付作業が非常に煩雑化する、という問題を有し ていた。

【０００６】 この考案は、かかる現状に鑑み創案されたものであって、その目的とするとこ ろは、壁パネルを嵌合係止する突起部の位置決めを高精度に、かつ、容易に行う ことができると共に、特別な防水処理を必要としないので取り付け作業も容易な 防水パンと壁パネルの取付構造を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するため、この考案にあっては、防水パンの周縁段部に壁パネ ルの下端部を載置嵌合することにより防水パンと壁パネルとを連結し取り付ける 構造において、上記防水パンの周縁段部外周端部から上方に立ち上がり片部を延 設するとともに、上記周縁段部にはパネルホルダーを配設し、該パネルホルダー は、上記壁パネルの下端部と嵌合する突起部が形成された水平面部と、該水平面 部の外側端部から上方に立ち上がり形成された取付片部と、から構成され、該パ ネルホルダーの取付片部は、上記パネルホルダーの突起部上面よりも上方の位置 で防水パンの立ち上がり片部にビス止め固定されていることを特徴とするもので ある。

【０００８】

【実施例】

以下、添付図面に示す一実施例に基き、この考案を詳細に説明する。

【０００９】 図１と図２に示すように、この実施例にあっては、防水パン１０の周縁段部１ ２にパネルホルダー１１をビス１３で固着し、このパネルホルダー１１に壁パネ ル１４の裏面側下端部に固着されたパネルフレーム１５を嵌合係止することで、 上記壁パネル１４を防水パン１０の周縁段部１２に取り付けている。

【００１０】 そして、この実施例では、防水パン１０の周縁段部１２の外周端部から上方に 向かって立ち上がり片部１６を延設し、この立ち上がり片部１６に、後記するパ ネルホルダー１１の取付片部１９をビス止め固定するように構成されている。

【００１１】 また、上記パネルホルダー１１は、上記壁パネル１４のパネルフレーム１５と 嵌合する突起部１７が形成された水平面部１８と、該水平面部１８の外側端部か ら上方に立ち上がり形成された取付片部１９と、から構成されている。

【００１２】 上記水平面部１８は、図２に示すように、その奥行き方向の寸法が、上記防水 パン１０における周縁段部１２の奥行き方向の寸法よりも若干短く形成されてい と共に、上記取付片部１９は、防水パン１０の立ち上がり片部１６と密着するよ うに形成されている。

【００１３】 さらに、壁パネル１４の裏面側下端部にビス止め固定されたパネルフレーム１ ５の下端部には、上記パネルホルダー１１の突起部１７と嵌合する逆凹状の凹溝 ２０が形成されている。

【００１４】 それ故、上記構成からなるパネルホルダー１１を用いて壁パネル１４を防水パ ン１０に取り付ける場合には、先ず、パネルホルダー１１の水平面部１８を防水 パン１０の周縁段部１２上に載置し、次に、該パネルホルダー１１の水平面部１ ８を上記周縁段部１２の奥行き方向に押し付けて、パネルホルダー１１の取付片 部１９を防水パン１０の立ち上がり片部１６と密着させた後、ビス１３を、防水 パン１０の立ち上がり片部１６とパネルホルダー１１の取付片部１９との重合部 分であって、かつ、上記突起部１７の上面よりも上方の位置に螺着して両者を固 定する。

【００１５】 このように、本実施例では、パネルホルダー１１の水平面部１８を上記防水パ ン１０の周縁段部奥行き方向に押し付けることで、パネルホルダー１１に形成さ れた突起部１７の位置決めができるため、パネルホルダー１１の取り付け作業が 非常に簡略化され、しかも、上記ビス１３の螺着位置は、パネルホルダー１１の 突起部１７の上面よりも上方の位置であるため、水が上記突起部１７を乗り越え て浸入したとしても、水漏れする虞れは全く生じない。

【００１６】 次に、上記のように取り付けられたパネルホルダー１１の突起部１７に、壁パ ネル１４のパネルフレーム１５に形成された凹溝２０を嵌め込む。このとき、壁 パネル１４の奥行き側下端部１４ａ及びパネルフレーム１５の前縁部１５ａは、 上記パネルホルダー１１の水平面部１８の前縁部上面に載置され、その結果、壁 パネル１４の手前側下端部１４ｂと上記周縁段部１２との間に若干の隙間が形成 されるため、該隙間にはシリコンが充填され、防水処理が施される。この場合、 上記隙間は、上記パネルホルダー１１の水平面部１８の前縁部によって均一とな るため、上記シリコンの充填幅も均一化でき、外観品質が向上する。

【００１７】

【考案の効果】

この考案に係る防水パンと壁パネルの取付構造は、以上説明したように構成し たので、壁パネルを防水パンに嵌合係止するパネルホルダーの位置決めを高精度 に、かつ、容易に行うことができるとともに、特別な防水処理を必要としないの で、この種の防水パンと壁パネルの取り付け作業を大幅に簡素化することができ る、という優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例に係る防水パンと壁パネル
の取付構造を示す分解斜視図である

【図２】同取付構造の要部縦断面図である。

【図３】従来の防水パンと壁パネルの取付構造の第１例
を示す分解斜視図である。

【図４】従来の防水パンと壁パネルの取付構造の第２例
を示す分解斜視図である。

【符号の説明】

１０ 防水パン １１ パネルホルダー １２ 周縁段部 １３ ビス １４ 壁パネル １５ パネルフレーム １６ 防水パンの立ち上がり片部 １７ 突起部 １８ 水平面部 １９ 取付片部 ２０ 凹溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 防水パンの周縁段部に壁パネルの下端部
   を載置嵌合することにより防水パンと壁パネルとを連結
   し取り付ける構造において、上記防水パンの周縁段部外
   周端部から上方に立ち上がり片部を延設すると共に、上
   記周縁段部にはパネルホルダーを配設し、該パネルホル
   ダーは、上記壁パネルの下端部と嵌合する突起部が形成
   された水平面部と、該水平面部の外側端部から上方に立
   ち上がり形成された取付片部と、から構成され、該パネ
   ルホルダーの取付片部は、上記パネルホルダーの突起部
   上面よりも上方の位置で防水パンの立ち上がり片部にビ
   ス止め固定されていることを特徴とする防水パンと壁パ
   ネルの取付構造。