JPH06279851A - 熱間圧延材の材質制御方法 - Google Patents
熱間圧延材の材質制御方法Info
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- JPH06279851A JPH06279851A JP6441693A JP6441693A JPH06279851A JP H06279851 A JPH06279851 A JP H06279851A JP 6441693 A JP6441693 A JP 6441693A JP 6441693 A JP6441693 A JP 6441693A JP H06279851 A JPH06279851 A JP H06279851A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 熱間タンデム圧延におけるスタンド間での熱
延鋼板の十分なγ→α変態を実現する。 【構成】 i−1スタンドとiスタンドの間の張力計測
値と目標張力の差△T(i)に基づいてiスタンドの圧下
位置変更量を算出し、i−1スタンド出側の板厚偏差H
i−Hsiとi−1スタンド出側の圧延材速度V(i-1)に基
づいてiスタンドの圧下位置変更量を算出し、両圧下位
変更量の和△S(i)を算出し、該圧下位置修正量△S(i)
に基づいてiスタンドの圧下位置駆動手段により圧下位
置を修正し、マスフロ−一定則に従がいロ−ル周速を修
正する、ル−パレス熱間圧延において、スタンド間で圧
延材を、それに近接配置した1500 〔Kcal/m2°Chr〕以
上の冷却能力を有する冷却装置により冷却し該スタンド
間で圧延材を80%以上をγ粒からα粒に変態させる。
延鋼板の十分なγ→α変態を実現する。 【構成】 i−1スタンドとiスタンドの間の張力計測
値と目標張力の差△T(i)に基づいてiスタンドの圧下
位置変更量を算出し、i−1スタンド出側の板厚偏差H
i−Hsiとi−1スタンド出側の圧延材速度V(i-1)に基
づいてiスタンドの圧下位置変更量を算出し、両圧下位
変更量の和△S(i)を算出し、該圧下位置修正量△S(i)
に基づいてiスタンドの圧下位置駆動手段により圧下位
置を修正し、マスフロ−一定則に従がいロ−ル周速を修
正する、ル−パレス熱間圧延において、スタンド間で圧
延材を、それに近接配置した1500 〔Kcal/m2°Chr〕以
上の冷却能力を有する冷却装置により冷却し該スタンド
間で圧延材を80%以上をγ粒からα粒に変態させる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱間圧延に関し、特に
タンデム熱間圧延に関する。
タンデム熱間圧延に関する。
【0002】
【従来の技術】熱延鋼板の材質向上は組織の微細化によ
り達成される。微細組織を得る手段として制御圧延およ
び制御冷却が知られている。それらの方法はいずれもγ
の細粒化,γ−α変態中の急冷,α粒成長の抑制を基本
的考えとしている。これを実現するため、熱間圧延直後
0.5秒以内に1000Kcal/m2 hr °C以上の冷却能力で急冷
して熱延鋼板の組織を微細化することが提案された(例
えば特公平4−11608号公報)。
り達成される。微細組織を得る手段として制御圧延およ
び制御冷却が知られている。それらの方法はいずれもγ
の細粒化,γ−α変態中の急冷,α粒成長の抑制を基本
的考えとしている。これを実現するため、熱間圧延直後
0.5秒以内に1000Kcal/m2 hr °C以上の冷却能力で急冷
して熱延鋼板の組織を微細化することが提案された(例
えば特公平4−11608号公報)。
【0003】ところでタンデム熱間圧延では、板厚が目
標値となるように圧下等を制御する板厚制御が実施され
る。板厚制御は例えば、特公平2−31604号公報に
開示され、また、本発明者らは、鋼板圧延中に、圧下位
置をフィードフォワード制御する板厚制御方法を特願平
2−404424号として提案した。この種の熱間圧延
制御装置の一例を図5を用いて以下に説明する。
標値となるように圧下等を制御する板厚制御が実施され
る。板厚制御は例えば、特公平2−31604号公報に
開示され、また、本発明者らは、鋼板圧延中に、圧下位
置をフィードフォワード制御する板厚制御方法を特願平
2−404424号として提案した。この種の熱間圧延
制御装置の一例を図5を用いて以下に説明する。
【0004】図5は、熱間タンデム圧延機であり、7つ
の圧延スタンド,スタンド間のルーパ,圧下制御装置及
びルーパ制御装置により構成されている。図5におい
て、S0はロールギャップ(以下、圧下位置と称する)
検出器、LCは圧延荷重計、SMは圧下位置駆動系、A
GCはSOの出力(圧下位置)とLCの出力(圧延荷
重)から圧下位置変更量を算出する自動板内板厚偏差制
御(Automatic Gauge Control)装置であり、SRAはA
GCの指定した量だけ圧下位置を動かす制御系である。
圧延機のワークロールは、駆動用モータMで駆動され、
ルーパは、ルーパモータIMで駆動される。圧延材の張
力とルーパの高さ(角度θ)を制御するために、高さ制
御装置H.C.と張力制御装置C.C.により、ワーク
ロール駆動モータMとルーパモータIMの回転速度の変
更量がそれぞれ算出される。ワークロールの駆動用モー
タMの回転速度の変更量はSRに送られ、SRによりモ
ータMの速度が指定量だけ変更される。なお、SUC
は、サクセッシブと称され、マスフロー制御のための、
ワ−クロ−ル駆動モ−タMの速度変更量である。また、
X−RAYモニタによる検出板厚をフィ−ドバックして
板厚制御し、各スタンドでの圧下位置変更量等の情報を
次段に伝送して、フィードフォワード制御を行ってい
る。 図5に示すように、従来の熱間圧延機は、基本的
に圧下位置制御により圧延材の板厚精度を確保し、ワー
クロールのロール周速度(以下、ロール周速と称する)
とルーパの高さにより圧延材の張力を制御している。
の圧延スタンド,スタンド間のルーパ,圧下制御装置及
びルーパ制御装置により構成されている。図5におい
て、S0はロールギャップ(以下、圧下位置と称する)
検出器、LCは圧延荷重計、SMは圧下位置駆動系、A
GCはSOの出力(圧下位置)とLCの出力(圧延荷
重)から圧下位置変更量を算出する自動板内板厚偏差制
御(Automatic Gauge Control)装置であり、SRAはA
GCの指定した量だけ圧下位置を動かす制御系である。
圧延機のワークロールは、駆動用モータMで駆動され、
ルーパは、ルーパモータIMで駆動される。圧延材の張
力とルーパの高さ(角度θ)を制御するために、高さ制
御装置H.C.と張力制御装置C.C.により、ワーク
ロール駆動モータMとルーパモータIMの回転速度の変
更量がそれぞれ算出される。ワークロールの駆動用モー
タMの回転速度の変更量はSRに送られ、SRによりモ
ータMの速度が指定量だけ変更される。なお、SUC
は、サクセッシブと称され、マスフロー制御のための、
ワ−クロ−ル駆動モ−タMの速度変更量である。また、
X−RAYモニタによる検出板厚をフィ−ドバックして
板厚制御し、各スタンドでの圧下位置変更量等の情報を
次段に伝送して、フィードフォワード制御を行ってい
る。 図5に示すように、従来の熱間圧延機は、基本的
に圧下位置制御により圧延材の板厚精度を確保し、ワー
クロールのロール周速度(以下、ロール周速と称する)
とルーパの高さにより圧延材の張力を制御している。
【0005】前記特公平4−11608号公報の熱延鋼
板の冷却は、図6に示すように、熱間仕上圧延機の最終
スタンド#7と捲取機の間で行なう。
板の冷却は、図6に示すように、熱間仕上圧延機の最終
スタンド#7と捲取機の間で行なう。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記特公平4−116
08号公報の熱延鋼板の冷却は、図6に示すように、熱
間仕上圧延の最終スタンドを出た圧延材に対して行なっ
ているので、熱延鋼板の組織微細化による圧延工程上の
利益、例えば圧延負荷の軽減、は生れない。例えば図7
あるいは図8に示ように最終スタンドより前で、熱延鋼
板の急冷却を行なえば、熱間圧延で得る鋼板の材質の向
上と共に、急冷却処理後のスタンドでの熱間圧延工程上
利益も得られることが考えられるが、上述のようにスタ
ンド間には張力制御のためのル−パがあるので、冷却装
置は熱延鋼板(の搬送基準レベル)から例えば1〜2m
程度離さざるを得ない。これにより十分な冷却を行ない
得ない。例えば従来の冷却では熱延鋼板の温度は図9に
示すように920°Cから867°Cへと55°C程度
しか低下しない。加えてスタンド間隔が例えば5m程度
と短く圧延材の通板速度が速い(例えば1000m/m
in)ので、粗大オ−ステナイトγ粒から仕上圧延中に
再結晶を繰返し再結晶γ粒に細粒化した組織がフェライ
トα粒(α細粒)に細粒化するγ→α変態が不十分とな
る。例えば、上述の従来のスタンド間冷却では変態率
(全体組織に占めるα細粒の割合)は図10に示すよう
に低く、1秒間の冷却で20%程度である。表1に示す
ように、熱延鋼板のスタンド間通過時間は例えば3.42〜
0.34秒であり、したがってスタンド間での従来の冷却装
置を用いる冷却では、十分なγ→α変態が実現しない。
08号公報の熱延鋼板の冷却は、図6に示すように、熱
間仕上圧延の最終スタンドを出た圧延材に対して行なっ
ているので、熱延鋼板の組織微細化による圧延工程上の
利益、例えば圧延負荷の軽減、は生れない。例えば図7
あるいは図8に示ように最終スタンドより前で、熱延鋼
板の急冷却を行なえば、熱間圧延で得る鋼板の材質の向
上と共に、急冷却処理後のスタンドでの熱間圧延工程上
利益も得られることが考えられるが、上述のようにスタ
ンド間には張力制御のためのル−パがあるので、冷却装
置は熱延鋼板(の搬送基準レベル)から例えば1〜2m
程度離さざるを得ない。これにより十分な冷却を行ない
得ない。例えば従来の冷却では熱延鋼板の温度は図9に
示すように920°Cから867°Cへと55°C程度
しか低下しない。加えてスタンド間隔が例えば5m程度
と短く圧延材の通板速度が速い(例えば1000m/m
in)ので、粗大オ−ステナイトγ粒から仕上圧延中に
再結晶を繰返し再結晶γ粒に細粒化した組織がフェライ
トα粒(α細粒)に細粒化するγ→α変態が不十分とな
る。例えば、上述の従来のスタンド間冷却では変態率
(全体組織に占めるα細粒の割合)は図10に示すよう
に低く、1秒間の冷却で20%程度である。表1に示す
ように、熱延鋼板のスタンド間通過時間は例えば3.42〜
0.34秒であり、したがってスタンド間での従来の冷却装
置を用いる冷却では、十分なγ→α変態が実現しない。
【0007】本発明は、熱間タンデム圧延における熱延
鋼板のスタンド間での十分なγ→α変態を実現すること
を目的とする。
鋼板のスタンド間での十分なγ→α変態を実現すること
を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ル−パレス圧
延を行う熱間タンデム圧延において、タンデム圧延のス
タンド間で圧延材を、それに近接配置した1500 〔Kcal/
m2°Chr〕以上の冷却能力を有する冷却装置により冷却
し該スタンド間で圧延材を80%以上をγ粒からα粒に変
態させる。
延を行う熱間タンデム圧延において、タンデム圧延のス
タンド間で圧延材を、それに近接配置した1500 〔Kcal/
m2°Chr〕以上の冷却能力を有する冷却装置により冷却
し該スタンド間で圧延材を80%以上をγ粒からα粒に変
態させる。
【0009】
【作用】熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能,熱延鋼板
の板厚、および、熱延鋼板の組織が80%以上γ粒からα
粒に変態するに要する時間、の三者の関係の一例を図1
に示す。図1より、例えば、熱板鋼板の板厚が5mm以
下の場合は熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能が1500
〔Kcal/m2°Chr〕以上であれば、1.1秒の冷却で80%以上
のα粒変態が実現することが分かる。また、熱間タンデ
ム仕上圧延(#1〜#7スタンド)のスタンド間での熱
延鋼板の板厚,板速度およびスタンド間通過速度の一例
を表1に示す。
の板厚、および、熱延鋼板の組織が80%以上γ粒からα
粒に変態するに要する時間、の三者の関係の一例を図1
に示す。図1より、例えば、熱板鋼板の板厚が5mm以
下の場合は熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能が1500
〔Kcal/m2°Chr〕以上であれば、1.1秒の冷却で80%以上
のα粒変態が実現することが分かる。また、熱間タンデ
ム仕上圧延(#1〜#7スタンド)のスタンド間での熱
延鋼板の板厚,板速度およびスタンド間通過速度の一例
を表1に示す。
【0010】
【表1】
【0011】表1に示す熱間タンデム仕上圧延では、図
1に示す条件より、熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能
が1500 〔Kcal/m2°Chr〕以上であれば、これを#3−
#4スタンド間又は#4−#5スタンド間に適用してそ
こで熱延鋼板を80%以上α粒に変態させることができ
る。熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能が2000 〔Kcal/
m2°Chr〕以上であれば、これを#4−#5スタンド間
又は#5−#6スタンド間に適用してそこで熱延鋼板を
80%以上α粒に変態させることができる。
1に示す条件より、熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能
が1500 〔Kcal/m2°Chr〕以上であれば、これを#3−
#4スタンド間又は#4−#5スタンド間に適用してそ
こで熱延鋼板を80%以上α粒に変態させることができ
る。熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能が2000 〔Kcal/
m2°Chr〕以上であれば、これを#4−#5スタンド間
又は#5−#6スタンド間に適用してそこで熱延鋼板を
80%以上α粒に変態させることができる。
【0012】1500 〔Kcal/m2°Chr〕以上の冷却能は大
きな冷却能であるが、本発明では張力制御のための従来
のル−パがないので、冷却装置を熱延鋼板に近接(例え
ば鋼板から4〜5cm)して配置して1500 〔Kcal/m2°
Chr〕以上の冷却能を実現した。冷却能は熱延鋼板との
距離の2乗に反比例するので、従来の、鋼板から1m程
度の、例えば1000 〔Kcal/m2°Chr〕程度の冷却能の冷
却装置を用いることができる。 本発明では、このよう
に近接急冷により熱間圧延材の材質を制御し、さらに、
冷却したスタンド間よりも下流の数段の圧延スタンド
で、α細粒化の状態で所定の厚みまで圧延した直後に捲
取を行い、その後に空冷する事で焼鈍と同じ効果をもた
らし、さらに、焼鈍処理と冷間圧延を行うことで高品質
の鋼板を製造する。
きな冷却能であるが、本発明では張力制御のための従来
のル−パがないので、冷却装置を熱延鋼板に近接(例え
ば鋼板から4〜5cm)して配置して1500 〔Kcal/m2°
Chr〕以上の冷却能を実現した。冷却能は熱延鋼板との
距離の2乗に反比例するので、従来の、鋼板から1m程
度の、例えば1000 〔Kcal/m2°Chr〕程度の冷却能の冷
却装置を用いることができる。 本発明では、このよう
に近接急冷により熱間圧延材の材質を制御し、さらに、
冷却したスタンド間よりも下流の数段の圧延スタンド
で、α細粒化の状態で所定の厚みまで圧延した直後に捲
取を行い、その後に空冷する事で焼鈍と同じ効果をもた
らし、さらに、焼鈍処理と冷間圧延を行うことで高品質
の鋼板を製造する。
【0013】
【実施例】図2に本発明の一実施態様を示す。この例で
は、#3−#4スタンド間に、熱延鋼板の上,下に熱延
鋼板から5cm離して近接急速冷却装置を配置し、熱延
鋼板を、2.000 〔Kcal/m2°Chr〕の冷却能で冷却した。
圧延条件は表1に示すものであり、この近接急速冷却に
より、熱延鋼板は図3に示す如き温度変化を示す。この
冷却の継続時間と変態率の関係を第4図に示す。表1に
示すように#3−#4スタンド間で熱延鋼板の厚みは5
mmであるので、図1より2000 〔Kcal/m2°Chr〕の冷
却能で、1秒未満で熱延鋼板の組織の80%以上がα粒に
変態する。表1に示すように#3−#4スタンド間で熱
延鋼板の通板時間は1.14であるので、#3−#4スタン
ド間の2.000 〔Kcal/m2°Chr〕の冷却能の近接急速冷却
により、80%以上のα粒変態が実現する。なお、図1よ
り1500 〔Kcal/m2°Chr〕の冷却能で、1.1秒以上で熱延
鋼板の組織の80%以上がα粒に変態するので、また、表
1に示すように#3−#4スタンド間で熱延鋼板の通板
時間は1.14であるので、図2に示す近接急速冷却装置の
冷却能は1500 〔Kcal/m2°Chr〕以上であればよい。
は、#3−#4スタンド間に、熱延鋼板の上,下に熱延
鋼板から5cm離して近接急速冷却装置を配置し、熱延
鋼板を、2.000 〔Kcal/m2°Chr〕の冷却能で冷却した。
圧延条件は表1に示すものであり、この近接急速冷却に
より、熱延鋼板は図3に示す如き温度変化を示す。この
冷却の継続時間と変態率の関係を第4図に示す。表1に
示すように#3−#4スタンド間で熱延鋼板の厚みは5
mmであるので、図1より2000 〔Kcal/m2°Chr〕の冷
却能で、1秒未満で熱延鋼板の組織の80%以上がα粒に
変態する。表1に示すように#3−#4スタンド間で熱
延鋼板の通板時間は1.14であるので、#3−#4スタン
ド間の2.000 〔Kcal/m2°Chr〕の冷却能の近接急速冷却
により、80%以上のα粒変態が実現する。なお、図1よ
り1500 〔Kcal/m2°Chr〕の冷却能で、1.1秒以上で熱延
鋼板の組織の80%以上がα粒に変態するので、また、表
1に示すように#3−#4スタンド間で熱延鋼板の通板
時間は1.14であるので、図2に示す近接急速冷却装置の
冷却能は1500 〔Kcal/m2°Chr〕以上であればよい。
【0014】この実施例では、図2に示す熱間タンデム
仕上圧延の板厚制御は、特願平4−62403号に提示
したもので行なう。すなわち、i−1スタンドとiスタ
ンドの間に設置された張力計の圧延材の張力計測値と目
標張力の差△T(i)に基づいてiスタンドの圧下位置変
更量を算出し、i−1スタンド出側に設置された板厚計
により計測された板厚偏差Hi−Hsiとi−1スタンド
出側に設置された板速度計により計測された圧延材速度
V(i-1)に基づいてiスタンドの圧下位置変更量を算出
し、両圧下位変更量の和△S(i)を算出し、該圧下位置
修正量△S(i)に基づいてiスタンドの圧下位置駆動手
段により圧下位置を修正する、タンデム圧延機の隣り合
うスタンド間に入る圧延材の単位時間あたりの質量と当
該スタンド間から出る圧延材の単位時間あたり圧延材の
質量が等しくなるように圧下位置とロール周速度を制御
する。これによりル−パは省略され、にもかかわらず熱
延鋼板の張力は目標張力に制御され、板厚精度が高い。
このル−パの省略により、上述のように、板厚制御系を
格別に乱すことなく、熱延鋼板から4〜5cm離して冷
却装置を配設することが可能となった。
仕上圧延の板厚制御は、特願平4−62403号に提示
したもので行なう。すなわち、i−1スタンドとiスタ
ンドの間に設置された張力計の圧延材の張力計測値と目
標張力の差△T(i)に基づいてiスタンドの圧下位置変
更量を算出し、i−1スタンド出側に設置された板厚計
により計測された板厚偏差Hi−Hsiとi−1スタンド
出側に設置された板速度計により計測された圧延材速度
V(i-1)に基づいてiスタンドの圧下位置変更量を算出
し、両圧下位変更量の和△S(i)を算出し、該圧下位置
修正量△S(i)に基づいてiスタンドの圧下位置駆動手
段により圧下位置を修正する、タンデム圧延機の隣り合
うスタンド間に入る圧延材の単位時間あたりの質量と当
該スタンド間から出る圧延材の単位時間あたり圧延材の
質量が等しくなるように圧下位置とロール周速度を制御
する。これによりル−パは省略され、にもかかわらず熱
延鋼板の張力は目標張力に制御され、板厚精度が高い。
このル−パの省略により、上述のように、板厚制御系を
格別に乱すことなく、熱延鋼板から4〜5cm離して冷
却装置を配設することが可能となった。
【0015】
【発明の効果】細かい結晶粒をもつ熱間圧延製品が得ら
れ、さらにその後に冷間圧延をほどこせば、焼鈍を行な
ったのと同様な高品質の冷間圧延製品が得られる。該冷
間圧延では熱間圧延での細粒化により所要ミルパワ−が
低減し冷間圧延が容易になる。
れ、さらにその後に冷間圧延をほどこせば、焼鈍を行な
ったのと同様な高品質の冷間圧延製品が得られる。該冷
間圧延では熱間圧延での細粒化により所要ミルパワ−が
低減し冷間圧延が容易になる。
【図1】 熱延鋼板に対する冷却装置の冷却能,熱延鋼
板の板厚、および、80%以上のγ→α変態を生ずるま
での冷却時間の関係を示すグラフである。
板の板厚、および、80%以上のγ→α変態を生ずるま
での冷却時間の関係を示すグラフである。
【図2】 熱間タンデム仕上圧延設備を示すブロック図
であり、本発明の一実施態様を示す。
であり、本発明の一実施態様を示す。
【図3】 図2に示す近接急速冷却装置による熱延鋼板
の冷却時間に対する温度変化を示すグラフである。
の冷却時間に対する温度変化を示すグラフである。
【図4】 図2に示す近接急速冷却装置による熱延鋼板
の冷却時間に対するγ→α変態率の変化を示すグラフで
ある。
の冷却時間に対するγ→α変態率の変化を示すグラフで
ある。
【図5】 従来の、ル−パにより熱延鋼板の張力を制御
する、熱間タンデム仕上圧延設備を示すブロック図であ
る。
する、熱間タンデム仕上圧延設備を示すブロック図であ
る。
【図6】 従来の、γ→α変態をうながす、熱間タンデ
ム仕上圧延設備を示すブロック図である。
ム仕上圧延設備を示すブロック図である。
【図7】 従来の、γ→α変態をうながす、熱間タンデ
ム仕上圧延設備を示すブロック図である。
ム仕上圧延設備を示すブロック図である。
【図8】 従来の、γ→α変態をうながす、熱間タンデ
ム仕上圧延設備を示すブロック図である。
ム仕上圧延設備を示すブロック図である。
【図9】 図8に示す冷却装置による熱延鋼板の冷却時
間に対する温度変化を示すグラフである。
間に対する温度変化を示すグラフである。
【図10】 図8に示す冷却装置による熱延鋼板の冷却
時間に対するγ→α変態率の変化を示すグラフである。
時間に対するγ→α変態率の変化を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 植 山 高 次 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内 (72)発明者 伊 藤 雅 浩 富津市新富20−1 新日本製鐵株式会社技 術開発本部内
Claims (2)
- 【請求項1】ル−パレス圧延を行う熱間タンデム圧延に
おいて、タンデム圧延のスタンド間で圧延材を、それに
近接配置した1500 〔Kcal/m2°Chr〕以上の冷却能力を
有する冷却装置により冷却し該スタンド間で圧延材を80
%以上をγ粒からα粒に変態させることを特徴とする熱
間圧延材の材質制御方法。 - 【請求項2】i−1スタンドとiスタンドの間に設置さ
れた張力計の圧延材の張力計測値と目標張力の差△T
(i)に基づいてiスタンドの圧下位置変更量を算出し、
i−1スタンド出側に設置された板厚計により計測され
た板厚偏差Hi−Hsiとi−1スタンド出側に設置され
た板速度計により計測された圧延材速度V(i-1)に基づ
いてiスタンドの圧下位置変更量を算出し、両圧下位変
更量の和△S(i)を算出し、該圧下位置修正量△S(i)に
基づいてiスタンドの圧下位置駆動手段により圧下位置
を修正する、タンデム圧延機の隣り合うスタンド間に入
る圧延材の単位時間あたりの質量と当該スタンド間から
出る圧延材の単位時間あたり圧延材の質量が等しくなる
ように圧下位置とロール周速度を制御する熱間圧延にお
いて、スタンド間で圧延材を、それに近接配置した1500
〔Kcal/m2°Chr〕以上の冷却能力を有する冷却装置に
より冷却し該スタンド間で圧延材を80%以上をγ粒から
α粒に変態させることを特徴とする熱間圧延材の材質制
御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6441693A JPH06279851A (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 熱間圧延材の材質制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6441693A JPH06279851A (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 熱間圧延材の材質制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06279851A true JPH06279851A (ja) | 1994-10-04 |
Family
ID=13257668
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6441693A Withdrawn JPH06279851A (ja) | 1993-03-23 | 1993-03-23 | 熱間圧延材の材質制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06279851A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008229684A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱延鋼板の製造方法及び製造装置 |
JP2021179414A (ja) * | 2020-05-14 | 2021-11-18 | Jfeスチール株式会社 | 熱間圧延鋼帯の蛇行量測定装置及び熱間圧延鋼帯の蛇行量測定方法 |
-
1993
- 1993-03-23 JP JP6441693A patent/JPH06279851A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008229684A (ja) * | 2007-03-22 | 2008-10-02 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱延鋼板の製造方法及び製造装置 |
JP2021179414A (ja) * | 2020-05-14 | 2021-11-18 | Jfeスチール株式会社 | 熱間圧延鋼帯の蛇行量測定装置及び熱間圧延鋼帯の蛇行量測定方法 |
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