JP2003145213A - 熱間圧延ライン及び熱間圧延方法 - Google Patents

熱間圧延ライン及び熱間圧延方法

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JP2003145213A
JP2003145213A JP2001344117A JP2001344117A JP2003145213A JP 2003145213 A JP2003145213 A JP 2003145213A JP 2001344117 A JP2001344117 A JP 2001344117A JP 2001344117 A JP2001344117 A JP 2001344117A JP 2003145213 A JP2003145213 A JP 2003145213A
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leveler
metal strip
hot rolling
hot
cooling
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JP2001344117A
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Yukihiro Matsubara
行宏 松原
Toshiki Hiruta
敏樹 蛭田
Masanori Kitahama
正法 北浜
Kazuya Miyagawa
和也 宮川
Futoshi Goto
太 後藤
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強度ばらつきの小さい高強度な製品を得るこ
とができる熱間圧延ラインおよび熱間圧延方法を提案す
る。 【解決手段】 金属ストリップの熱間圧延ラインにおい
て、仕上圧延機と、冷却装置と、レベラと、さらにまた
冷却装置とが上流から下流に向かってこの順に配置さ
れ、かつレベラの出側近傍に変態率センサが設置されて
いる熱間圧延ライン、および、金属片に熱間で仕上圧延
を施すと共に、仕上圧延後の金属ストリップにレベラに
より繰り返し曲げ加工を施し、その前後で冷却するに当
たり、レベラの出側近傍での金属ストリップの変態率を
検出し、該変態率が目標変態率となるようにレベラの入
側で金属ストリップを冷却する熱間圧延方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度の金属スト
リップを製造するための熱間圧延ライン及び熱間圧延方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属ストリップは、仕上圧延機を配置し
た熱間圧延ラインにおいて圧延されて製造される。例え
ば、鋼ストリップを製造する熱間圧延ラインにおいて
は、図9に模式的に示すように、加熱されたスラブと呼
ばれる金属片Sを粗圧延機2で粗圧延し、次いで仕上圧
延機3で仕上圧延を施して金属ストリップ1とし、冷却
装置4で所定の冷却を行ない、コイラ5a、5bのいずれか
一方に巻き取られて、金属ストリップ製品とされる。仕
上圧延機3は、ワークロール3aを組み込んだ複数の圧延
スタンドを備えている。なお、3bはバックアップロール
であり、9bはクロップシャである。スラブは、図示しな
い加熱炉で加熱されて抽出される場合や加熱炉を経ずに
上工程から熱間状態で直送される場合もある。また、鋼
ストリップ製品は、場合により、シートーバーが仕上圧
延機3に直接供給されて粗圧延を省略して製造されるこ
ともある。図9中符号5c、5dは、それぞれコイラ5a、5b
に付設されるマンドレルであり、冷却された金属ストリ
ップ1をコイル状に巻き取るものである。
【0003】このような熱間圧延ラインにおいては、製
造する金属ストリップ製品の高強度化のため、従来か
ら、結晶粒の微細化を図る鋼の熱間圧延方法が種々検討
されてきている。その代表的なものとして、特開昭63-2
23124 号公報等に開示されているいわゆる制御圧延法が
ある。
【0004】制御圧延法の原理は、オーステナイト(以
下、単にγと記す)→フェライト(以下、単にαと記
す)変態時のα核の生成場所となる、γ粒界や転位のよ
うな格子欠陥をより多量に導入することにより、γ→α
変態時にα粒を数多く生成して、結晶粒の微細化を実現
しようとするものであるが、仕上圧延前の金属片の厚み
と仕上圧延後の製品厚みが決まっているために、γ→α
変態時までに導入できるひずみ量には制約があり、一般
に、制御圧延法では平均結晶粒径5μmが限界であると
言われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、先に、特願2001-302509 号において、この限界を打
破して、従来以上に高強度製品とするための熱間圧延方
法および熱間圧延ラインを提案した。本発明者らの提案
した方法は、仕上圧延機と、レベラと、冷却設備とが上
流から下流に向かってこの順に配置されている熱間圧延
ラインを用いて、仕上圧延を施された金属ストリップに
レベラにより繰り返し曲げ加工を施し、その後冷却する
熱間圧延方法であり、仕上圧延によるひずみに加えて、
レベラにより付加する曲げひずみにより金属ストリップ
製品の組織の結晶粒を微細化することができるという新
技術である。
【0006】特に、図1に示す熱間圧延ラインは、一段
と高強度な製品を製造できるので好適な設備配置であ
る。すなわち、仕上圧延機3と、冷却装置7と、レベラ
6と、さらにまた冷却装置4とが上流から下流に向かっ
てこの順に配置され、冷却装置7により、繰り返し曲げ
加工を施す前の金属ストリップ1を冷却するようにして
いた。その際、冷却装置7による金属ストリップ1の冷
却制御は、図3に示すように、仕上圧延機最終スタンド
3c出側の金属ストリップ1の温度に基づいてレベラ6出
側の金属ストリップ1の温度がAr3点〜Ar3点−50℃と
なるようにして行っていた。
【0007】なお、図中符号7aは、仕上圧延機最終スタ
ンド3c出側の金属ストリップ1の温度を検出する温度計
であり、7bは、温度計7aで検出した金属ストリップの温
度に基づいて冷却ノズル7cから金属ストリップの表裏面
への冷却水の噴出を制御する冷却制御装置である。上述
したようにして冷却装置7による金属ストリップ1の冷
却制御を行った場合には、予測誤差により、得られる製
品の強度のばらつきをある程度以下とすることが困難
で、この点を改善する必要があった。
【0008】例えば、予測誤差としては、冷却装置7の
冷却ノズル7cから噴出される冷却水の温度や金属ストリ
ップと冷却水の熱伝達係数の推定誤差に起因した金属ス
トリップの温度降下量の予測誤差、レベラ内での金属ス
トリップ1の温度降下量の予測誤差に加えて、制御目標
であるAr3 点温度(γ→α変態開始温度)が変わること
が挙げられる。
【0009】本発明の目的は上記新技術における問題点
を改善することにあり、強度ばらつきの小さい高強度な
製品を得ることができる熱間圧延ラインおよび熱間圧延
方法を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属ストリッ
プの熱間圧延ラインにおいて、仕上圧延機と、冷却装置
と、レベラと、さらにまた冷却装置とが上流から下流に
向かってこの順に配置され、かつ前記レベラの出側近傍
に変態率センサが設置されていることを特徴とする熱間
圧延ラインである。
【0011】その場合、前記熱間圧延ラインには、前記
レベラの入側近傍にも変態率センサが設置されているこ
とを好適とし、そのうえさらに、前記仕上圧延機の上流
に接合設備が配置されていると共に、前記レベラの下流
に配置された冷却設備とコイラとの間に切断設備が配置
されていることを一段と好適とする。また、本発明の熱
間圧延方法は、金属片に熱間で仕上圧延を施すと共に、
仕上圧延後の金属ストリップにレベラにより繰り返し曲
げ加工を施し、その前後で冷却するに当たり、前記レベ
ラ出側近傍の金属ストリップの変態率を検出し、該変態
率が目標変態率となるように前記レベラの入側で金属ス
トリップを冷却することを特徴とする。その際、前記レ
ベラ出側近傍での金属ストリップの変態率を0%以上、
15%以下とすることが好適である。
【0012】尚、本発明にいう金属ストリップは、金属
板をも含む意味とする。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明を適用した熱間圧延
ラインについて説明する。図1は本発明を適用した熱間
圧延ラインの模式図であり、図2は本発明に用いるレベ
ラの作用を説明する図である。図1で粗圧延機2、仕上
圧延機3、冷却装置4及びマンドレル5c、5dをそれぞれ
有するコイラ5a、5bは、従来の熱間圧延ライン(図9参
照)に設置されているものと同じであるので、同一符号
を付して説明を省略する。
【0014】本発明を適用した熱間圧延ラインは、仕上
圧延機3と、冷却装置7と、レベラ6と、さらにまた冷
却装置4とが上流から下流に向かってこの順に配置さ
れ、上記レベラ6は、千鳥状に配列された3本以上のワ
ークロール6aを備えている(図1、図2参照)。レベラ
6は、図示しない、例えば、ウオーム減速器によって昇
降するスクリューを備えた昇降装置もしくは油圧により
昇降するシリンダロッドを内装した油圧シリンダとシリ
ンダロッドの位置を検出する位置検出器を備えた昇降装
置により、ワークロール6aを回転自在に支持する軸受箱
を装着したフレームを昇降させ、レベラを開放状態とし
たり、またあるいはレベラの押し込みを行ってレベラ押
し込み量δ(図2(a)参照)を調整できるように構成
されている。また、レベラはワークロール6aをそれぞれ
駆動式とするのが望ましく、千鳥状に配列されたワーク
ロール6aをバックアップロール6bによりバックアップす
るのが金属ストリップ1の幅方向に均一に曲げひずみを
付加することができるようになり好ましい。
【0015】以下、レベラ6により金属ストリップ長手
方向に付加する曲げひずみについて、図2(a)、
(b)を用いて詳細に説明する。レベラ6により付加さ
れる曲げひずみを従来のレベラによる曲げひずみより大
きくして、金属ストリップ製品の結晶粒を微細化するに
は、図2(a)に示す隣接するワークロール6a同士の中
心軸間隔2Lを小さくし、ロール押し込み量δを大きく
することが有効である。
【0016】レベラ6により金属ストリップ表面に付加
する一回当たりの曲げひずみεは、近似的に式(1)で
与えられることが知られている。 ε=a×δ/L2 ・・・・・・・・・・(1) ここで、a=2×h、h:金属ストリップ1の厚みロー
ル押し込み量δとは、レベラ6の上下ワークロール6a間
に金属ストリップ1を挟んだ状態を0とし、その状態か
ら上下ワークロール6aを押し込んだ距離である。例え
ば、図2(a)に示すような場合、ロール押し込み量δ
はδ>0であり、一方、図2(b)に示すように、上下
ワークロール間の間隙gが仕上圧延後の金属ストリップ
1の厚みhより大きい場合(レベラが開放状態)、ロー
ル押し込み量δはδ<0である。Rは金属板1の曲率半
径、rはワークロール6aの半径である。
【0017】なお、ロール押し込み量δが過大になる
と、金属ストリップ1がレベラ内を正常に通過できなく
なるレベラ通板トラブルが発生する場合ある。これを防
止するためには、レベラ6のロール押し込み量δを+30
mmに制限するのが望ましい。また、金属ストリップ製品
の結晶粒を微細化する点からロール押し込み量δは+1
mm以上とするのが望ましい。
【0018】また、ワークロール6aの半径rを小さくし
て、隣接するワークロール6aの中心軸間隔2Lを狭め、
かつロール押し込み量δを維持して、金属ストリップ1
表面での曲げひずみを大きくしようとした場合、ワーク
ロール6aが細くなり、ロール押し込みに伴う金属板1か
らの反力に対抗できなくなってしまう場合がある。この
ような場合、ワークロール6aをバックアップロールで補
強したレベラとするのが望ましい。
【0019】ところで、レベラにより繰り返し曲げ加工
を施す温度は、鋼ストリップの場合には、γ→α変態終
了温度以上とするのが望ましい。その際、Ar3点(冷却
過程でのγ→α変態開始温度)を超える温度域において
繰り返し曲げ加工を行うよりも、γ→α変態途中の温度
域においてα粒がわずかに存在し、大部分がγ粒である
2相金属組織の状態で繰り返し曲げ加工を施すようにす
るのが、一段とα粒を微細化できるので好ましい。
【0020】鋼ストリップ製品の場合には、レベラによ
り金属ストリップ1に付加される曲げひずみにより、
一層のγ粒の微細化(γ粒界の増加)、それとともに、
γ粒内への転位などの格子欠陥の導入が図られ、γ→
α変態時にα粒が多数生成されるなどの作用により、α
粒のより一層の微細化が可能となると考えられる。ここ
で、図3に示したようにして、レベラ出側での金属スト
リップ1の温度がAr3点〜Ar3点−50℃となるように冷
却制御を行った場合には、冷却装置7での冷却水による
金属ストリップの温度降下量の予測誤差およびレベラ内
での金属ストリップ1の温度降下量の予測誤差に加え
て、制御目標であるAr3 点温度(冷却過程でのγ→α変
態開始温度)設定値自体の誤差により、得られる製品の
強度のばらつきをある程度以下とすることができなかっ
たのである。
【0021】すなわち、ある冷却速度での金属ストリッ
プのAr3 点温度を目標温度としていたので、仕上圧延の
際に行われる加速圧延によりレベラ内での金属ストリッ
プの冷却速度が時々刻々と変化し、これに伴って実際の
冷却速度での金属ストリップのAr3 点温度が変わってい
るにもかかわらず、ある冷却速度での金属ストリップの
Ar3 点温度を目標温度としていたために、制御目標温度
設定値自体に誤差が生じていたのである。
【0022】そこで、本発明においては、図4に示すよ
うに、レベラ6の出側近傍に変態率センサ7dが設置され
ている熱間圧延ラインとすることにより、上記問題を解
決するようにした。仕上圧延機最終スタンド3cとレベラ
6との間に配置した冷却設備7は、例えば、金属ストリ
ップ1の表裏面に冷却水を噴出する冷却ノズル7c、その
冷却水の噴出を制御する冷却制御装置7bを備え、上記の
変態率センサ7dにより検出されたレベラ6の出側近傍で
の金属ストリップ1の変態率に基づいて冷却ノズル7cか
ら金属ストリップ1の表裏面への冷却水の噴射を冷却制
御装置7bにより制御できるように構成されている。
【0023】このような熱間圧延ラインでは、レベラ6
の出側近傍での金属ストリップ1の変態率を検出し、該
変態率が目標変態率となるようにレベラ6の入側で金属
ストリップ1を冷却するようにでき、上述した冷却装置
7での冷却水による金属ストリップの温度降下量の予測
誤差やレベラ内での金属ストリップ1の温度降下量の予
測誤差が発生しても問題がないうえに、制御目標である
Ar3 点温度設定値自体の誤差が発生しても問題なく、所
望の変態率に抑制できるため、得られる製品の強度のば
らつきを小さくすることができる。
【0024】なお、変態率センサ7dには、一方の電磁誘
導コイルから磁界を発生させ、金属ストリップを通過し
た磁界を他方のコイルで受けてこのコイルに生じる誘導
電流から金属ストリップの変態率を測定するようなセン
サを用いればよい。なお、図4中、変態率センサ7dは熱
間圧延ライン上方に配置してあるが、下方に配置しても
もちろんよい。
【0025】また、本発明では、レベラ6の入側近傍に
も変態率センサを設置し、レベラ6での変形を施される
前の金属ストリップの変態率を測定することにより、冷
却設備7での冷却により、金属ストリップの変態率が過
度に高くなることを防止する効果があるから好適であ
る。レベラ6の入側近傍とは、レベラ6と冷却設備7と
の間の位置である(図4参照)。
【0026】上記のような冷却制御を行う際には、レベ
ラの出側近傍での金属ストリップの変態率を0%以上、
15%以下とすることが好ましい。このようにする理由
は、レベラの出側の金属ストリップの変態率を0%以
上、15%以下とした場合、レベラによる結晶粒の微細化
効果を最大とすることができるからである。結晶粒の微
細化効果が最大となるのは、γ単相組織であるAr3 点を
超える温度域で複数回の曲げひずみを加えた場合より
も、大部分γ粒で、わずかにα粒が存在する変態途中の
温度域で複数回の曲げひずみを加えた場合の方がγ粒に
導入された転位がα粒の核生成サイトとなる作用が大き
いからであると考えられる。
【0027】また、本発明に係る好ましい熱間圧延ライ
ンは、図5に示すように、金属片Sを接合する公知の接
合設備10及び接合部で接合された金属ストリップ1を切
断する切断設備16がさらに配置されている。図5中の接
合設備10は、先行金属片の尾端と後行金属片の先端とを
接合するための設備であって、主としてコイルボックス
11、クロップシャ9a、接合装置12の一群の装置から構成
されるが、さらに点線で示すバリ取り装置13、接合部冷
却装置14、シートバー加熱装置15などがこれに加わって
もよい。このような熱間圧延ラインにおいては、複数の
金属片を接合して仕上圧延を行い、接合部でつながった
金属ストリップとし、続いて接合部でつながった金属ス
トリップにレベラによる繰り返し曲げ加工と冷却とを施
して、金属ストリップ製品の結晶粒を微細にすることが
できる。その際、両端以外は接合部でつながった金属ス
トリップとされているので、レベラ内での通板トラブル
やレベラ内でのスリップ事故を少なくすることができ
る。
【0028】このため、図5に示すような熱間圧延ライ
ンは、高強度製品の強度ばらつきを小さくできるうえ
に、金属片を接合せずに1本ずつ仕上圧延を行って金属
ストリップにレベラにより繰り返し曲げ加工を施すバッ
チ式の熱間圧延ラインに比べて高強度製品の歩留まりを
高めることができるから一段と好ましい。
【0029】
【実施例】本発明の効果を示すために、表1に示す鋼種
について熱間圧延を行って得られた仕上圧延後の厚みが
3〜7mm、幅が1000〜1600mmの製品の引張強度について
調べた。仕上圧延後の厚みが4mm、幅が1200mmの製品に
ついては、結晶粒径についても調べた。引張強度につい
ては、仕上圧延し更にコイラにて巻き取った鋼板を別の
場所で巻き戻して、JIS Z 2201に準拠して5号試験片を
切り出して引張試験を行い、引張強さをその値とした。
結晶粒径については、JIS G 0552に準拠して結晶粒の平
均断面積を求め、それを円形と仮定して平均粒径を算出
した。
【0030】なお、仕上圧延後の厚みが4mm、幅が1200
mmの製品の結晶粒径、引張強さの測定は、仕上圧延機の
圧延速度が設定最高圧延速度となったコイル長手方向の
定常部分で、かつレベラにより繰り返し曲げ加工を施さ
れた部分から測定用サンプルを切り出して行った。その
結果を表2に示す。また、仕上圧延機の圧延速度が設定
最高圧延速度となる前の、仕上圧延機加速中のコイル長
手方向の部分より測定用サンプルを採取して引張強度を
測定し、その結果を図6、図7に示した。
【0031】図6は、仕上圧延機最終スタンド3c出側の
金属ストリップ1の温度に基づいてレベラ6出側の金属
ストリップ1の温度がAr3点〜Ar3点−50℃となるよう
に冷却装置7による金属ストリップ1の冷却制御(図3
参照)を行った比較例の場合であり、図7は、レベラ出
側の変態率センサで検出した変態率に基づいて該変態率
が目標変態率となるように冷却装置7による金属ストリ
ップ1の冷却制御(図4参照)を行った発明例の場合で
ある。なお、比較例では、鋼板の冷却速度によらず、鋼
板のAr3点温度を750 ℃で一定としている。また、熱間
圧延は、仕上圧延機目標出側鋼板温度を 900℃とし、目
標巻取温度を600 ℃として冷却制御を行った。
【0032】発明例、及び従来例共に、仕上圧延後の厚
みが3〜7mm、幅が1000〜1600mmのいずれの場合におい
ても、仕上圧延直後に、ワークロール段数が23、ワーク
ロール直径が190mm のレベラを用い、レベラのワークロ
ールの中心軸間隔を(上側同士、下側同士の間隔)200m
m 、レベラのロール押し込み量を11.5〜20mmとして、レ
ベラで繰り返し曲げ加工を加え、その後、冷却してコイ
ラで巻き取った。その際、仕上圧延機の出側と上記レベ
ラの入側の間に更に配設した冷却装置7は、仕上圧延機
最終スタンドとレベラの間、30mの範囲内に複数バンク
設置し、その冷却水流量は鋼板単位表面積あたり最大で
上下(鋼板表裏相当)毎分3200l/m2と設計しておい
て、仕上圧延後の鋼板に対し、冷却水を噴射するバンク
数を上下両面とも、鋼板の走行に追随して局部的な長手
方向の温度ムラを解消していくようにした。レベラは、
レベラの最上流ロールの中心を仕上圧延機最終スタンド
中心から下流に30mの位置に設置した。
【0033】従来例では、従来の熱間圧延ラインにおい
て、レベラにより繰り返し曲げ加工を行わず、それ以外
の条件は発明例と同じとして、仕上圧延後の鋼ストリッ
プに冷却を行い、コイラで巻き取った。従来例の製品の
定常部での結晶粒径及び引張強さについても表2に示し
た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表2に示した結果から、レベラを用いない
従来例と比較して、レベラを用いてレベラにより繰り返
し曲げ加工を行った発明例及び比較例の方が高強度化を
達成できていることがわかる。そのうえ、図6、図7を
比較してわかるように、発明例の方が比較例より製品の
強度ばらつきを小さくできている。なお、この実施例で
は、発明例の平均引張強度は、比較例の場合より高くな
っている。
【0037】また、図8は、発明例において、レベラ出
側での鋼板の目標変態率を0〜20%まで5%毎に変えて
製造した製品の平均引張強度を示したグラフである。こ
の図から、レベラ出側での鋼板の目標変態率を20%とし
た場合に比べて、レベラ出側での目標変態率を0〜15%
とした場合の方がより高強度の製品を得ることができる
から好ましいことがわかる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、レベラの出側での金属
ストリップの変態率が目標変態率となるように、前記レ
ベラの入側で金属ストリップを冷却するようにしたか
ら、強度ばらつきの小さい高強度な製品を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した熱間圧延ラインの模式図であ
る。
【図2】本発明に用いるレベラの作用を説明する図であ
る。
【図3】比較例の冷却制御方法を説明する熱間圧延ライ
ンの要部配置図である。
【図4】本発明に係る冷却制御方法を説明する熱間圧延
ラインの要部配置図である。
【図5】本発明に係る好適な熱間圧延ラインの配置図で
ある。
【図6】比較例の熱間圧延ラインで製造した製品の強度
を示す一例のグラフである。
【図7】本発明に係る熱間圧延ラインで製造した製品の
強度を示す一例のグラフである。
【図8】本発明において好適なレベラ出側での目標変態
率を示す一例のグラフである。
【図9】従来の熱間圧延ラインの模式図である。
【符号の説明】
1 金属ストリップ(鋼ストリップ) 1a 先端 S 金属片(スラブまたはシートバー) 2 粗圧延機 3 仕上圧延機 3a ワークロール 3b バックアップロール 3c 最終圧延スタンド 4、7 冷却装置 5a、5b コイラ 5c、5d マンドレル 6 レベラ 6a レベラのワークロール 6b レベラのバックアップロール 7a 温度計 7b 冷却制御装置 7c 冷却ノズル 7d 変態率センサ 9a、9b クロップシャ 10 接合設備 11 コイルボックス 12 接合装置 13 バリ取り装置 14 接合部冷却装置 15 シートバー加熱装置 16 切断設備 g 上、下ワークロール間の間隔 h 金属ストリップの厚み δ ロール押し込み量 2L 上側同士、下側同士のワークロール中心軸間隔
フロントページの続き (72)発明者 北浜 正法 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 宮川 和也 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 (72)発明者 後藤 太 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社千葉製鉄所内 Fターム(参考) 4E002 AD04 BA01 BD05 BD07 BD20 CB01 4K032 AA05 AA16 AA31 AA35 BA01 CC04 CE02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属ストリップの熱間圧延ラインにおい
    て、仕上圧延機と、冷却装置と、レベラと、さらにまた
    冷却装置とが上流から下流に向かってこの順に配置さ
    れ、かつ前記レベラの出側近傍に変態率センサが配置さ
    れていることを特徴とする熱間圧延ライン。
  2. 【請求項2】 前記レベラの入側近傍にも変態率センサ
    が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の熱
    間圧延ライン。
  3. 【請求項3】 前記熱間圧延ラインには、そのうえさら
    に、前記仕上圧延機の上流に接合設備が配置されている
    と共に、前記レベラの下流に配置された冷却設備とコイ
    ラとの間に切断設備が配置されていることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の熱間圧延ライン。
  4. 【請求項4】 金属片に熱間で仕上圧延を施すと共に、
    仕上圧延後の金属ストリップにレベラにより繰り返し曲
    げ加工を施し、その前後で冷却するに当たり、前記レベ
    ラ出側近傍の金属ストリップの変態率を検出し、該変態
    率が目標変態率となるように前記レベラの入側で金属ス
    トリップを冷却することを特徴とする熱間圧延方法。
  5. 【請求項5】 前記レベラ出側近傍の金属ストリップの
    変態率を0%以上、15%以下とすることを特徴とする請
    求項4に記載の熱間圧延方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101048945B1 (ko) * 2004-03-31 2011-07-12 주식회사 포스코 교정롤 통판 유도장치

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