JPH062790B2 - 非水分散型樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

非水分散型樹脂組成物の製造方法

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JPH062790B2
JPH062790B2 JP27998985A JP27998985A JPH062790B2 JP H062790 B2 JPH062790 B2 JP H062790B2 JP 27998985 A JP27998985 A JP 27998985A JP 27998985 A JP27998985 A JP 27998985A JP H062790 B2 JPH062790 B2 JP H062790B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、非水分散型樹脂組成物の製造方法に関する。
更に詳しくは、ビニル系重合体の非水溶媒分散物からな
る非水分散型樹脂組成物の製造方法に関する。
(従来の技術) 近年、塗料分野においても、省資源、ならびに無公害化
の要求が大いに高まっている。
とりわけ、省資源型塗料として組成物中の溶剤の含有量
を少なくし、固形分を高濃度化したハイソリッド型塗料
は、従来の塗料製造方法あるいは塗装設備がそのまま使
用できるという利点から、好適に使用されているようで
ある。
また、大気汚染の問題からくる溶剤の使用規制への対策
を考えると、芳香族やエステル系溶剤を多量に使用する
通常のハイソリッド型塗料も、産業的に好ましいもので
はにないようである。
更に、近年強化されつつある溶剤の使用規制、広義の無
公害化ならびに省資源化の観点から、脂肪族炭化水素系
溶剤を主たる溶媒とする非水分散型塗料及びその非水分
散型組成物の製造方法も種々提示されている。
例えば、特公昭47−19404号公報、及び特開昭5
2−138584号公報があり、これらにおいてはエチ
レン−ビニルエステル共重合体を分散安定剤とし、その
存在下でα,β−モノエチレン性不飽和単量体を重合
し、安定な非水分散型樹脂組成物を得ることが提案され
ている。
しかしながら、これらの組成物は、低温貯蔵時に疑似ゲ
ルを作り易く、また安定剤として使用されるエチレン−
ビニルエステル共重合体の量が重合体粒子に対し3〜4
重量%以下では安定な分散液が得られないという問題点
があった。
さらに本発明者等はα,β−モノエチレン性不飽和カル
ボン酸アミドのN−アルコキシメチル化単量体を一成分
とする非水分散型樹脂組成物を提案した(特開昭60−
127344号公報)。該組成物においては安定な分散
組成物を得るため、安定剤/重合粒子=30〜80/7
0〜20(重量比)であった。つまり、安定な分散組成
物を得るには、安定剤量が最低30重量%必要であり、
そのため該組成物は高顔料濃度で塗料化して得られる組
成物を被塗物上に刷毛塗りで塗装を行った際などに、刷
毛ムラ(ツヤムラ)現象が生じる場合があった。
(発明が解決しようとする問題点) そこで本発明者等は、前記欠点を改良すべく鋭意検討し
た結果、分散安定剤の一成分として、分散粒子成分中の
官能基と架橋反応する特定の官能基を含有させ、かつ少
量のエチレン−酢酸ビニルエステル共重合体を混合させ
て得られた安定剤の存在下で、ビニル系単量体を重合さ
せる製造方法又は、分散安定剤の一成分として、分散粒
子成分中の官能基と架橋反応する特定の官能基を含有さ
せた安定剤の存在下で、ビニル系単量体と、少量のエチ
レン−酢酸ビニルエステル共重合体の混合物を、重合さ
せる製造方法により、高温貯蔵時あるいは低温貯蔵時で
も安定性が良好で、かつ刷毛ムラ性等のない組成物の得
られることを見い出し本発明に到達したのである。
(問題点を解決するための手段) 即ち、本発明は、 〔I〕単量体(i)〜(iv)を夫々溶解するが、単量体
(iii)と(iv)から得られるビニル共重合体は溶解し
ない脂肪族炭化水素系溶媒中で、 (A)(i)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸ア
ミドのN−アルコキシメチル化単量体と、(ii)前記
(i)以外のα,β−モノエチレン性不飽和単量体とを
共重合して得られた溶媒可溶性ビニル樹脂安定剤 ……99〜90重量%と、 (v)エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体……1〜
10重量%、 の割合で、かつ最終非水分散型樹脂組成物における該エ
チレン−酢酸ビニルエステル共重合体の含有量が0.2〜
2.0重量%になるように混合して得られる混合物15〜
35重量%の存在下で、 (B)(iii)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の
ヒドロキシアルキルエステル単量体と、 (iv)前記(iii)以外のα,β−モノエチレン性不飽
和単量体とから成る、単量体混合物………85〜65重
量%、 を共重合することを特徴とするビニル系重合体の非水分
散型樹脂組成物、及び 〔II〕単量体(i)〜(iv)は溶解するが、単量体(ii
i)と(iv)から得られるビニル共重合体は溶解しない
脂肪族炭化水素系溶媒中で、 (C)(i)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸ア
ミドのN−アルコキシメチル化単量体と、(ii)前記
(i)以外のα,β−モノエチレン性不飽和単量体とを
共重合して得られた溶媒可溶性ビニル樹脂安定剤 ………15〜35重量%の存在下で、 (D)(iii)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の
ヒドロキシアルキルエステル単量体と、 (iv)前記(iii)以外のα,β−モノエチレン性不飽
和単量体とから成る、単量体混合物……99.7〜97重
量%と、 (v)エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体………0.
3〜3重量%、 の割合で、かつ最終非水分散型樹脂組成物中における該
エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体の含有量が0.2
〜2.0重量%になるように混合して得られる混合物 ………85〜65重量%、 を重合することを特徴とするビニル系重合体の非水分散
型樹脂組成物の製造方法に関する。
本発明に使用される前記「脂肪族炭化水素系溶媒」は次
のような特性を有するものである。すなわち、後述する
α,β−モノエチレン性不飽和単量体(i),(ii)、
(iii)及び(iv)は溶解するが、前記単量体(iii)と
(iv)とから得られる共重合体は溶解しないようなもの
である。
具体的には、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン、シ
クロヘキサン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサ
ン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサンな
どの脂肪族系炭化水素、その他、ミネラルスピリット、
脂肪族ナフサ等を主成分とする混合物が挙げられる。
本発明の分散安定剤として使用される「溶媒可溶性ビニ
ル樹脂分散安定剤」は、概括的に云うと、前記脂肪族炭
化水素系溶媒中で、 (i)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸アミド
のN−アルコキシメチル化単量体と、 (ii)前記(i)以外のα,β−モノエチレン性不飽和
単量体とを重合することにより得られるものである。
尚、本明細書中、“溶媒可溶性”という用語は、前記脂
肪族炭化水素系溶媒に溶解もしくは一部溶解する性質を
いう。
本発明において、(i)α,β−モノエチレン性不飽和
カルボン酸アミドのN−アルコキシメチル化単用体は、
単量体混合物〔(i)+(ii)〕中、5〜30重量%、
好ましくは8〜25重量%の割合で反応せしめることが
好ましい。前記範囲に於て、該成分が5重量%未満にな
ると、本発明組成物を熱硬化性組成物として使用する場
合、後述する分散粒子成分中のα,β−モノエチレン性
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル成分と
の架橋反応が不十分となり、塗膜の耐溶剤性が低下する
傾向になる。又、非水分散型樹脂組成物製造時の重合反
応過程で、分散粒子成分中のα,β−モノエチレン性不
飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル成分との
化学結合反応が乏しくなり、安定な分散組成物が得られ
にくくなる。一方、30重量%を越えると、溶媒可溶性
ビニル樹脂分散安定剤製造時の重合反応工程でゲル化を
伴うために好ましくない。
該成分(i)の具体例としては、N−メトキシメチル
(メタ)アクリルアミド、N−エトシキメチル(メタ)
アクリルアミド、N−n−プロポキシメチル(メタ)ア
クリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アク
リルアミド、N−n−ブトキシメチル(メタ)アクリル
アミド、N−sec−ブトキシメチル(メタ)アクリルア
ミド、N−t−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミ
ド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、
等のα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸アミドの
N−アルコキシメチル化物;あるいはこれらのN−メチ
ロール化物などが挙げられる。
これらは、1種もしくは2種以上の混合物として用いて
もよい。
該成分(i)は、非水分散型樹脂組成物製造時の重合反
応過程で、分散粒子の一成分として使用するα,β−モ
ノエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエ
ステル成分とで化学結合反応を起こし、安定な分散組成
物を得るのに必要不可欠なものである。
また、本発明の方法により得られる組成物を熱硬化性組
成物として使用する場合も、前記と同様に、分散粒子の
一成分として使用するα,β−モノエチレン性不飽和カ
ルボン酸のヒドロキシアルキルエステル成分(iii)と
の架橋反応に必要なものである。
次に 本発明に於て使用する(ii)成分、すなわち前記
(i)以外のα,β−モノエチレン性不飽和単量体(i
i)としては、分散安定剤としての溶媒可溶性ビニル樹
脂を前記脂肪族炭化水素系溶媒に可溶もしくは半可溶性
ならしめるものであれば、いずれの単量体であっても使
用することができる。
なお、一具体例では特に一般式 (式中RはH又はCH、nは6〜18の整数を示す) で示されるα,β−モノエチレン性単量体を一部使用す
ることが好ましい。
該単量体は分散安定剤を、前記溶媒に可溶もしくは半可
溶性ならしめるため特に好ましいものである。
このような特定の一般式を有する単量体は、α,β−モ
ノエチレン性不飽和単量体混合物〔(i)+(ii)〕
中、5〜90重量%の割合で使用する。前記範囲に於
て、5重量%より少ない場合には、分散安定剤の溶媒に
対する溶解性を向上せしめる効果が低下する傾向にあ
り、好ましくない。一方、90重量%を越える場合に
は、硬度、耐衝撃性等の塗膜性能が低下する傾向を示す
ため同様に好ましくない。
具体例としては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレ
ート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート等のエステルが挙
げられる。これらは、一種もしくは二種以上の混合物と
して使用することができる。
尚、前記α,β−モノエチレン性不飽和単量体混合物
〔(i)+(ii)〕としては、前記α,β−モノエチレ
ン性不飽和カルボン酸アミドのN−アルコキシメチル化
単量体及び前記一般式で示された単量体以外の、その他
の単量体((ハ)成分)を、単量体混合物〔(i)+
(ii)〕中に、5〜90重量%の範囲で使用しうる。
かかる単量体の具体例としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β−
モノエチレン性不飽和カルボン酸類;メチル(メタ)ア
クリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピ
ル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリ
レート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチ
ル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート等のアクリル酸
又はメタクリル酸のアルキルエステル類;其の他N,
N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、グ
リシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メ
タ)アクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジル
メタクリレート、フマル酸ジ−ブチルなどのフマル酸の
ジアルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、α
−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、ビニル
アセテート等の単量体が挙げられる。これらは一種もし
くは二種以上の混合物として使用してもよい。
本発明において、分散安定剤である溶媒可溶性ビニル樹
脂と混合されるか、もしくは分散粒子成分である単量体
混合物と混合されるエチレン−酢酸ビニルエステル共重
合体(v)は、常温において前記脂肪族炭化水素系溶媒
に可溶もしくは半可溶なものが好ましい。
具体的には、酢酸ビニル含有量が30〜50重量%であ
るエチレン−酢酸ビニルエステル共重合体が特に好まし
い。該エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体は、前記
(i)及び(ii)からなる単量体混合物を共重合して得
られる溶媒可溶性ビニル樹脂安定剤99〜90重量%に
対して1〜10重量%の範囲内で、もしくは前記(ii
i)及び(iv)からなる粒子成分としての単量体混合物
99.7〜97重量%に対して0.3〜3重量%の範囲内
で、かついずれの場合においても最終の非水分散型樹脂
組成物中に0.〜2.0重量%になるような割合で使用す
る。
前記範囲において、0.2重量%より少ない場合には、ワ
ニスの安定性及び刷毛ムラ性を向上せしめる効果が低下
する傾向となり、好ましくない。一方、2重量%を越え
る場合には、低温下で保管する場合に、疑似ゲルを作り
易く、低温貯蔵時のワニス安定性が低下する傾向を示す
ために、同様に好ましくない。
尚、エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体は、常温に
おいて、脂肪族炭化水素系溶媒に可溶もしくは半可溶な
ものであればすべてのものが使用可能である。該成分の
具体例としては、三井・デュポンポリケミカリ(株)製
商品名エバフレックス150、同40、同40X、東洋曹
達工業(株)製商品名ウルトラセン750、同760、
住友化学工業(株)製商品名スミテートMB−11、同
RB−11等が挙げられる。
本発明に於いて、溶媒可溶性ビニル樹脂分散安定剤は、
通常の溶液重合法により製造される。
例えば、単量体(混合物)の一部及び重合溶媒の混合物
中に、残りの単量体(混合物)と重合開始剤を滴下、重
合する方法、あるいは重合溶媒中に単量体(混合物)及
び重合開始剤を滴下、重合する方法などが適用可能であ
る。
何れにしろ、本発明に於ては、特定の方法、たとえば溶
液重合方法に制限する意図はない。
かかる溶液重合法に使用される溶媒としては、前記脂肪
族炭化水素系溶媒が用いられる。また重合開始剤として
は、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパ
ーベンゾエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
t−ブチルパーオキシオクトエート、ラウロイルパーオ
キサイド等の有機過酸化物あるいは、アゾビスイソブチ
ロニトリルなどのアゾ化合物を使用する。またこれらの
重合開始剤は一種もしくは二種以上を適宜混合して使用
しうる。
本発明に於ては、さらに必要ならば、分子量を調整する
ため、連鎖移動剤、例えばドデシルメルカプタン、チオ
グリコール酸−2−エチルヘキシル、四塩化炭素等を使
用してもよい。
本発明は、前記の如くにして得られた脂肪族炭化水素系
溶媒中に溶解(もしくは一部溶解)している分散安定剤
としてのビニル樹脂と、エチレン−酢酸ビニルエステル
共重合体の混合物の存在下で、α,β−モノエチレン性
不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル単量体
(iii)と、その他のα,β−モノエチレン性不飽和単
量体(iv)との混合物を共重合せしめる方法、又は前記
の如くにして得られた脂肪族炭化水素系溶媒中に溶解
(もしくは一部溶解)している分散安定剤としてのビニ
ル樹脂の存在下で、α,β−モノエチレン性不飽和カル
ボン酸のヒドロキシアルキルエステル単量体(iii)
と、その他のα,β−モノエチレン性不飽和単量体(i
v)との単量体混合物とエチレン−酢酸ビニルエステル
共重合体との混合物を重合する方法を包含する。
単量体(iii)及び(iv)の混合物と、混合使用される
エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体は、予め、重合
溶媒の一部で溶解したものを使用してもよい。
前記の如くして得られるビニル系重合体の非水溶媒分散
物は、前述の分散安定剤に含有されているα,β−モノ
エチレン性不飽和カルボン酸アミドのN−アルコキシメ
チル化単量体、すなわち(i)成分と化学結合反応する
ために、その分散粒子中に水酸基を含有することが必要
である。このため前記単量体混合物〔(iii)+(i
v)〕中の一成分として、α,β−モノエチレン性不飽
和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル単量体(ii
i)を使用する。
ところで該単量体(iii)は極性の強いものである。そ
れ故、この単量体を一成分とした共重合体は、脂肪族炭
化水素系溶媒に溶解しにくく、そのため分散粒子を形成
せしめるのに好適である。
尚、このような単量体は、ビニル系重合体の非水溶媒分
散物の水酸基価が、約10〜90になるようにα,β−
モノエチレン性不飽和単量体混合物〔(iii)+(iv)
中、3〜30重量%の範囲で使用する。
〔尚、前記ビニル系重合体の非水溶媒分散物の「水酸基価」とは、分散粒子(即ち、単量体(ii)と単量体(iv)との共重合体)中の水酸基価と、分散安定剤成分の水酸基価との総計を云う。〕
前記重量比率の範囲に於て、該単量体が3重量%未満の
場合、本発明の方法により得られる組成物を熱硬化性組
成物として使用するとき、架橋性単量体(i)との反応
過程で、架橋密度が小さくなるため、塗膜の耐溶剤性が
低くなるので好ましくない。またビニル重合体の非水分
散型樹脂組成物の製造時、とくに重合反応過程で、架橋
性単量体(i)との化学結合反応が乏しくなり、それ故
得られた最終分散組成物の安定性が低下するので、好ま
しくない。
一方、30重量%をこえて使用すると、ビニル系重合体
の非水溶媒分散物が高粘度となり、作業性の面で支障を
きたすようになる。加えて熱硬化反応後の塗膜の架橋密
度が高くなり過ぎて、塗膜の可撓性、耐水性等が低下す
る傾向があり、同様に好ましくない。
本発明に於て使用するこの種の単量体(iii)の具体例
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3
−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブ
チル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)ア
クリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、3−ブトキシ−2−ヒドロシキプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシ−1−フェニルエチル(メ
タ)アクリレート、ポリウプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリ
レート等が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上の
混合物として使用してもよい。
また、溶媒可溶性ビニル樹脂分散安定剤の存在下で、共
重合するために使用される、前記(iii)α,β−モノ
エチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエス
テル以外の単量体、すなわち(iv)成分は、単量体混合
物〔(iii)+(iv)〕中、70〜97重量%の範囲で
使用する。
該単量体(iv)の具体例としては、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等のα,β
−モノエチレン性不飽和カルボン酸類;メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロ
ピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブ
チル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリ
レート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシ
ル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラ
ウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリ
レート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアクリル
酸又はメタクリル酸のアルキルエステル類;その他、
N,N′−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、フェニルメタクリレート、ベン
ジルメタクリレート、フマル酸ジブチルなどのフマル酸
のジアルキルエステル類、スチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン、(メタ)アクリロニトリル、ビニ
ルアセテートなどが挙げられる。
上記単量体は得られる塗料用組成物の使用目的、用途に
応じて1種又は2種以上適宜組合せて使用してもよい。
また、単量体混合物〔(iii)+(iv)〕中、5%以下
で多官能性不飽和単量体を使用してもよい。該単量体の
具体例としては、ジビニルベンゼン、ビス(メタ)アク
リロキシエチルフォスフェート、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレート等があげられ、これらは一
種もくは二種以上の混合物として使用してもよい。
本発明に於ける前記ビニル系重合体の非水溶媒分散物の
製造方法は、(I)分散安定剤である溶媒可溶性ビニル
樹脂とエチレン−酢酸ビニルエステル共重合体との混合
物、もしくは(II)溶媒可溶性ビニル樹脂15〜35重
量%の存在下で、前記単量体(iii)と(iv)の混合物
もしくは、単量体(iii)、(iv)及びエチレン−酢酸
ビニルエステル共重合体の混合物85〜65重量%を重
合するものである。前記範囲において、前者の割合が1
5重量%より少なくなると、安定な(最終目的物、非水
溶媒分散物)が得られにくくなる。又、逆に35重量%
より多くなると、該組成物を塗料化後の刷毛ムラ性(ツ
ヤムラ性)が低下する傾向になるので好ましくない。
前記の共重合の温度は、使用する重合開始剤と重合溶媒
の種類により決定される。通常は約50℃〜200℃の
間で行われ、特に約60℃〜150℃の範囲が好適であ
る。
また前記重合開始剤としては、先に示した有機過酸化物
あるいはアゾ化合物が好適に用いられる。尚、分子量を
調整するために、先に示した連鎖移動剤を使用すること
もできる。
このようにして得られた本発明のビニル系重合体の非水
溶媒分散物は、高温貯蔵時あるいは低温貯蔵時でも安定
性が良好で、かつ刷毛ムラ性等の良好なものが出来る。
尚、本発明の方法により得られる非水分散型樹脂組成物
を、熱硬化性組成物として使用する場合、必要に応じて
架橋反応(自己架橋)を促進するための公知の触媒、な
らびにエポキシ樹脂、セルロース系樹脂、ポリエステル
樹脂、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ブロックイソシアネ
ート化合物などの塗膜形成樹脂の一種もしくは二種以上
の併用も可能である。
又、本発明の方法により得られた組成物には各成分に含
有される有機溶媒に加え、必要ならば組成物の安定性を
損なわない程度に、更に有機溶媒を添加することもでき
る。
そのような有機溶媒としては、各成分に含有される有機
溶媒と同じもの、あるいは相異するものが用いられる。
かゝる有機溶剤としては、ヘプタン、オクタン、ミネラ
ルスピリット、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶
剤、プロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール
系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶
剤、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶
剤、アルコールエステル系、エーテルエステル系などの
有機溶剤などであり、非水分散物の安定性を損わない限
り、特に溶剤の種類に制限はない。
加うるに、本発明の方法により得られた非水分散型樹脂
組成物は、必要により無機あるいは有機の着色顔料、ア
ルミニウム片などの金属粉末顔料、体質顔料、および通
常、塗料に用いられる添加剤などを添加し、使用するこ
とができる。
本発明の方法により得られた非水分散型樹脂組成物を塗
装する方法としては、ハケ塗り、スプレー塗装、静電塗
装、カーテンフローコート、シャワーコートおよびロー
ルコート等の周知の各種塗装方法を用いることが出来
る。
さらにまたホットスプレーなど塗料を加温(30〜60
℃)して塗装することも可能である。
このように本発明の方法により得られた非水分散型樹脂
組成物は、塗装後溶媒を蒸発させるだけの、いわゆる常
温乾燥に特に特徴があり、又、良好な塗膜性能も得られ
るが、更に高度な性能を有する塗膜を得るためには、加
熱硬化せしめる。該加熱硬化の条件は、該組成物中の架
橋性官能基の含有量、膜厚などにより異なるが、通常約
60〜200℃の温度範囲中で、約10〜40分間加熱処
理すればよい。
(発明の効果) 本発明の方法により得られる非水分散型樹脂組成物は、
高温貯蔵時あるいは低温貯蔵時のワニス安定性に優れか
つ外観(刷毛ムラ性)の優れた塗膜を得ることが出来
る。
以下、具体的実施例により本発明を説明する。
尚、「部」又は「%」は、「重量部」又は「重量%」を
表わす。
〔ビニル樹脂分散安定剤の製造方法〕
(1)攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた
反応容器中に、ミネラルスピリット156部を入れ、温度
を80℃に上げた。ついで下記の単量体および開始剤混
合液を3時間にわたって滴下した。
イソブチルメタクリレート20部、ブチルメタクリレー
ト17部、2−エチルヘキシルメタクリレート20部、
スチレン10部、2−エチルヘキシルアクリレート25
部、N−t−ブトキシメチルアクリルアミド8部、ベン
ゾイルパーオキサイド2部、アゾビスイソブチロニトリ
ル1.0部。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、同反応温度で更に4時間反応を行なった。かくし
て、重量平均分子量44,200、および不揮発分38.4
%の樹脂溶液が得られ、粘度は6.9ストークス/20℃
であった。以下これをSB−1と呼ぶ。
(2)前記SB−1を合成したと同様な反応容器に、ミネ
ラルスピリット157部を入れ、温度を80℃に上げた
後、下記の単量体および開始剤混合液を3時間にわたっ
て滴下した。
ブチルメタクリレート29部、イソブチルメタクリレー
ト30部、2−エチルヘキシルアクリレート30部、N
−n−ブトキシメチルアクリルアミド10部、メタクリ
ル酸1部、ベンゾイルパーオキサイド3.5部。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、反応温度を90℃に昇温させた。次に、更に4時間
反応を行ない、かくて酸価7.2、重量平均分子量48,8
00、および不揮発分37.5%の樹脂溶液を得た。粘度
は5.8ストークス/20℃であった。以下これをSB−
2と呼ぶ。
(3)前記SB−1を合成したと同様な反応容器に、トル
エン31部及びミネラルスピリット125部を入れ、温
度を80℃にあげた後、下記の単量体および開始剤混合
液を3時間にわたって滴下した。
2−エチルヘキシルアクリレート80部、N−n−ブト
キシメチルアクリルアミド20部、ベンゾイルパーオキ
サイド2.5部、アゾビスイソブチロニトリル0.5部。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、反応温度を90℃に昇温させた。次に、更に4時間
反応を行ない、重量平均分子量34,800、および不揮
発分38.7%の樹脂溶液を得た。粘度は、1.6ストーク
ス/20℃であった。以下これをSB−3と呼ぶ。
(4)前記SB−1を合成したと同様な反応容器に、トル
エン23.5部及びミネラルスピリット133部を入れ、温
度を80℃に上げた後、下記の単量体および開始剤混合
液を3時間にわたって滴下した。
2−エチルヘキエシアルクリレート55部、スチレン5
部、ブチルメタクリレート24部、N−n−ブトキシメ
チルアクリルアミド15部、アクリル酸1.0部、ベンゾ
イルパーオキサイド3.5部。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、反応温度を90℃に昇温させた。次いで、更に4時
間反応を行ない、酸価8.0、重量平均分子量38,200
および不揮発分37.8%の樹脂溶液を得た。粘度は2.8ス
トークス/20℃であった。以下これをSB−4と呼
ぶ。
(5)前記SB−2の製造において、N−n−ブトキシメ
チルアクリルアミドを除き、ミネラルスピリット157
部を141部に、ベンゾイルパーオキサイド3.5部をベ
ンゾイルパーオキサイド2.5部に代えた外は、すべて同
様にして反応を行ない、酸価7.6、重量平均分子量32,5
00、および不揮発分37.7%の樹脂溶液を得た。粘度は
2.2ストークス/20℃であった。以下これをSB−5
と呼ぶ。
実施例1 攪拌機、温度計、滴下ロートおよび冷却管を備えた反応
容器に、ミネラルスピリット81部、分散安定剤(SB
−1)107部及びエチレン−酢酸ビニルエステル共重
合体〔ウルトラセン#750(酢酸ビニル含量32%)〕
2.1部を入れ、温度を85℃に上げた後、下記の単量体
および開始剤混合液を3時間にわたって滴下した。
メチルメタクリレート32部、酢酸ビニル22部、エチ
ルアクリレート35部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート10部、メタクリル酸1部、ベンゾイルパーオキ
サイド2.5部。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、同反応温度で更に6時間反応を行った。反応生成物
は乳白色分散で水酸基価31、および不揮発分49.1%
であった。以下これをYD−1と称する。
実施例2 前記YD−1を合成したと同様な反応容器に、ミネラル
スピリット89部、分散安定剤(SB−2)64部およ
びエチレン−酢酸ビニルエステル共重合体〔ウルトラセ
ン#760(酢酸ビニル含量42%)〕1.3部を入れ、
温度を85℃に上げた後、下記の単量体および開始剤混
合液を3時間にわたって滴下した。
ブチルメタクリレート10部、イソブチルメタクリレー
ト9部、メチルメタクリレート32部、ブチルアクリレ
ート10部、エチルアクリレート30部、2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート8部、メタクリル酸1部、ベ
ンゾイルパーオキサイド2.5部。
滴下終了後ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加し、
同温度で更に5時間反応を行った。
反応生成物は乳白色分散物で水酸基価25、および不揮
発分49.5%であった。以下これをYD−2と称する。
実施例3 前記YD−1を合成したと同様な反応容器に、ミネラル
スピリット89部、分散安定剤(SB−2)64部及び
エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体(ウルトラセン
#760)1.3部を入れ、温度を85℃に上げた後、下
記の単量体および開始剤混合液を3時間にわたって滴下
した。
メチルメタクリレート22部、n−ブチルメタクリレー
ト15部、アクリロニトリル8部、スチレン3部、ブチ
ルアクリレート40部、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート12部、ベンゾイルパーオキサイド1.5部、アゾ
ビスイソブチロニトリル1.0部。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、同反応温度で、更に7時間反応を行った。反応生成
物は乳白色分散物で水酸基価42、および不揮発分49.
0%であった。以下これをYD−3と称する。
実施例4 前記YD−1を合成したと同様な反応容器に、ミネラル
スピリット80部、分散安定剤(SB−3)108部及
びエチレン−酢酸ビニルエステル共重合体(ウルトラセ
ン#760)1.2部を入れ、温度を85℃に上げた後、
下記の単量体および開始剤混合液を3時間にわたって滴
下した。
メチルメタクリレート44部、イソブチルメタクリレー
ト10部、エチルアクリレート30部、2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート15部、アクリル酸1部、ベンゾ
イルパーオキサイド1.5部、。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、同反応温度で更に5時間反応を行った。反応生成物
は乳白色分散物で、水酸基価46および不揮発分49.6
%であった。以下これをYD−4と称する。
実施例5 前記YD−1を合成したと同様な反応容器に、ミネラル
スピリット84部、分散安定剤(SB−4)87部及び
エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体(ウルトラセン
#750)0.7部を入れ、温度を85℃に上げた後、下
記の単量体および開始剤混合液を3時間にわたって滴下
した。
メチルメタクリレート21部、イソブチルメタクリレー
ト17部、ブチルアクリレート38部、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート14部、アクリロニトリル10
部、ベンゾイルパーオキサイド2.0部、アゾビスイソブ
チロニトリル1.0部。
滴下終了後、ベンゾイルパーオキサイド1.2部を追加
し、同反応温度で更に7時間反応を行った。反応生成物
は乳白色分散物で、水酸基価41および不揮発分は49.
6%であった。以下これをYD−5と称する。
実施例6 前記実施例1においてミネラルスピリット81部を69
部に代えた。又、反応容器に予め入れたエチレン−酢酸
ビニルエステル共重合体(ウルトラセン#750)2.1
部を除き、代りにこのエチレン−酢酸ビニルエステル共
重合体2.1部を、ミネラルスピリット/トルエン=8/
2(重量比)混合液の15%溶液になるように溶解さ
せ、粒子成分となる単量体混合物に混合させた他はすべ
て同様にして反応を行った。
反応生成物は、乳白色分散物で、水酸基価31、および
不揮発分49.4%であった。以下これをYD−6と称す
る。
実施例7 前記実施例3においてミネラルスピリット89部を81.
5部に代えた。又、反応容器に予め入れたエチレン−酢
酸ビニルエステル共重合体(ウルトラセン#760)1.
3部を除き、代りにこのエチレン−酢酸ビニルエステル
共重合体1.3部を、ミネラルスピリット/トルエン=8
/2(重量比)混合液の15%溶液になるように溶解さ
せ、粒子成分となる単量体混合物に混合された他はすべ
て同様にして反応を行った。
反応生成物は、乳白色分散物で、水酸基価42、および
不揮発分49.2%であった。以下これをYD−7と称す
る。
実施例8 前記実施例5においてミネラルスピリット84部を80
部に代えた。又、反応容器に予め入れたエチレン−酢酸
ビニルエステル共重合体(ウルトラセン#750)0.7
部を除き、代りにこのエチレン−酢酸ビニルエステル共
重合体0.7部を、ミネラルスピリット/トルエン=8/
2(重量比)混合液の15%溶液になるように溶解さ
せ、粒子成分となる単量体混合物に混合させた他はすべ
て同様にして反応を行った。
反応生成物は、乳白色分散物で、水酸基価41、および
不揮発分49.5%であった。以下これをYD−8と称す
る。
比較例1 前記実施例1において、分散安定剤(SB−1)107
部を除き、ミネラルスピリット81部を104部に、ベ
ンゾイルパーオキサイド2.5部をアゾビスイソブチロニ
トリル1.7部におきかえた外はすべて同様にして反応を
行った。その結果、滴下開始40分位から液境界面にポ
リマー(重合体)が析出し、60分後には攪拌棒にかな
りポリマーの結晶物らしきものが付着していた。滴下開
始90分後にモノマー滴下を中止して、系内を確認した
ところ、ポリマーが凝集しており、安定な分散組成物の
得られないことが判った。
以下これをYD−9と称する。
比較例2 前記実施例2において、エチレン−酢酸ビニルエステル
共重合体(ウルトラセン760)1.3部を3.1部にお
きかえた他は、すべて同様にして反応を行った。反応生
成物は、乳白色分散物で水酸基価25および不揮発分4
9.6%であった。以下これをYD−10と称する。
比較例3 前記実施例7において、ミネラルスピリット81.5部を
74部に、又エチレン−酢酸ビニルエステル共重合の1
5%溶液8.7部〔ウルトラセン#760/(ミネラルス
ピリット/トルエン=8/2)=1.3/7.4(重量
比)〕をエチレン−酢酸ビニルエステル共重合体の15
%溶液20.6部〔ウルトエセン#760/(ミネラルス
ピリット/トルエン=8/2)=3.1/17.5(重量
比)〕に各々おきかえた外は、すべて同様にして反応を
行った。反応生成物は乳白色分散物で、水酸基価42及
び不揮発分49.7%であった。以下これをYD−11と
称する。
比較例4 前記実施例4において、分散安定剤(SB−3)108
部を168部に、ミネラルスピリット80部を66部に
おきかえた他はすべて同様にして反応を行った。反応生
成物は乳白色分散物で、水酸基価39及び不揮発分49.
2%であった。以下これをYD−12と称する。
比較例5 前記実施例2において、分散安定剤(SB−2)64部
を67部におきかえ、更にエチレン−酢酸ビニルエステ
ル共重合体(ウルトラセン#760)1.3部を除いた他
はすべて同様にして反応を行った。反応生成物は乳白色
分散物で、水酸基価25及び不揮発分48.9%であっ
た。以下これをYD−13と称する。
比較例6 前記実施例2において分散安定剤(SB−2)64部を
(SB−5)66部に、ベンゾイルパーオキサイド2.5
部を2.0部におきかえ、更にエチレン−酢酸ビニルエス
テル共重合体(ウルトラセン#760)1.3部を除いた
他はすべて同様にして反応を行った。反応生成物は乳白
色分散物で、水酸基価25及び不揮発分49.6%であっ
た。以下これをYD−14と称する。
比較例7 前記実施例4において、エチレン−酢酸ビニルエステル
共重合体(ウルトラセン#760)1.2部を除き、ミネ
ラルスピリット80部を117部に、分散安定剤(SB
−3)108部を酸価11、水酸基価101、油長30
%および不揮発分60%の大豆油変性アルキド樹脂溶液
71.5部に各々おきかえた他は、すべて同様にして反応
を行った。反応生成物は乳白色分散物で水酸基価75お
よび不揮発分50.0%であった。以下これをYD−15
と称する。
原料略号 MMT………………………メチルメタクリレート ST…………………………スチレン i−BMA…………………イソブチルメクリレート n−BAM…………………ブチルメタクリレート VAC………………………酢酸ブニル AN…………………………アクリロニトリル EHA…………………2−エチルヘキシルアクリレート EHMA……………2−エチルヘキシルメタクリレート EA…………………………エチルアクリレート BA…………………………ブチルアクリレート HEMA…………2−ヒドロキシエチルメタクリレート HPMA…………2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト AA…………………………アクリル酸 MAA………………………メタクリル酸 N−n−BMAM…N−n−ブトキシメチルアクリルア
ミド N−t−BMAM…N−t−ブトキシメチルアクリルア
ミド EVA…………エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体 EVA750……同上ウルトラセン750 EVA760……同上ウルトラセン760 前記の如くして得られた本発明の非水分散型樹脂組成物
(YD−1〜8)及び比較例組成物(YD−9〜15)
を下記の如く塗料化した。
非水分散型樹脂組成物54部に、二酸化チタン20部、
タルク6部、沈降性硫酸バリウム10部、ホワイトカー
ボン4部およびミネラルスピリット12部を加え、ペイ
ントシェーカー(1500rpm)で30分間練合分散後、更
にミネラルスピリット8部を加え、攪拌混合したものを
供試塗料とした。
以上の各実施例および比較例で調製した各塗料をスレー
ト板(3×70×150mm)に、刷毛塗りで塗布量1.2
g/枚、回になるように2回塗りし(インターバル2時
間)、室温で7日間乾燥させた。
実施例9及び10 前記実施例−2及び−5で用いた本発明非水分散型樹脂
組成物(YD−2、−5)を下記の如く塗料化した。
非水分散型樹脂組成物70部に、二酸化チタン28部お
よびミネラルスピリット8部を加え、ペイントシェーカ
ー(1500rpm)で30分間練合分散後、更にミネラ
ルスピリット7部を加え、攪拌混合したものを供試塗料
とした。
前記調整した各塗料を磨き軟鋼板(0.8×70×150
mm)に乾燥膜厚が30〜35μmになるようにエアース
プレー塗装し、室温で20分間放置後、160℃で20
分間加熱乾燥させた。得られた試験片の塗膜性能試験結
果を第3表に示した。
前記比較試験結果より、本発明の方法により得られた非
水分散型樹脂組成物は、高温貯蔵時あるいは低温貯蔵時
のワニス安定性が非常に優れているとともに、これから
得られた塗膜は、塗膜外観(刷毛ムラ性)に於て優れ、
かつ一次付着性、耐水性及び耐アルカリ性に於ても非常
に優れたものであることが判明した。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単量体(i)〜(iv)は溶解するが、単量
    体(iii)と(iv)から得られるビニル共重合体は溶解
    しない脂肪族炭化水素系溶媒中で、 (A)(i)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸ア
    ミドのN−アルコキシメチル化単量体と、(ii)前記
    (i)以外のα,β−モノエチレン性不飽和単量体とを
    共重合して得られた溶媒可溶性ビニル樹脂安定剤 ……99〜90重量%と、 (v)エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体…………
    1〜10重量%、 の割合で、かつ最終非水分散型樹脂組成物中における該
    エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体の含有量が0.2
    〜2.0重量%になるように混合して得られる混合物15
    〜35重量%の存在下で、 (B)(iii)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の
    ヒドロキシアルキルエステル単量体と、 (iv)前記(iii)以外のα,β−モノエチレン性不飽
    和単量体とから成る、単量体混合物………85〜65重
    量%、 を共重合することを特徴とするビニル系重合体の非水分
    散型樹脂組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体中
    の酢酸ビニルの含有量が30〜50重量%である特許請
    求の範囲第(1)項記載の非水分散型樹脂組成物の製造方
    法。
  3. 【請求項3】溶媒可溶性ビニル樹脂分散安定剤は、 (イ)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸アミドの
    N−アルコキシメチル化単量体 ……5〜30重量% (ロ)一般式 (式中RはH又はCH、nは6〜18の整数を示す) で示されるα,β−モノエチレン性不飽和単量体………
    5〜90重量%、および (ハ)前記(イ)および(ロ)以外のα,β−モノエチレ
    ン性不飽和単量体…5〜90重量体% から得られた共重合体である特許請求の範囲第(1)項記
    載の非水分散型樹脂組成物の製造方法。
  4. 【請求項4】一般式 で示されるα,β−モノエチレン性不飽和単量体は、2
    −エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル
    (メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
    ト、ドデシル(メタ)アクリレートおよびステアリル
    (メタ)アクリレートから選ばれた、少くとも1種の化
    合物である特許請求の範囲第(3)項記載の非水分散型樹
    脂組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】(iii)α,β−モノエチレン性不飽和カ
    ルボン酸のヒドロキシアルキルエステル単量体と、 (iv)前記(iii)以外のα,β−モノエチレン性不飽
    和単量体は、前者(iii)3〜30重量%に対し、後者
    (iv)が70〜97重量%の割合の単量体混合物であ
    る、特許請求の範囲第(1)項記載の非水分散型樹脂組成
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】単量体(i)〜(iv)は溶解するが、単量
    体(iii)と(iv)から得られるビニル共重合体は溶解
    しない脂肪族炭化水素系溶媒中で、 (C)(i)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸ア
    ミドのN−アルコキシメチル化単量体と、(ii)前記
    (i)以外のα,β−モノエチレン性不飽和単量体とを
    共重合して得られた溶媒可溶性ビニル樹脂安定剤 ………15〜35重量%の存在下で、 (D)(iii)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の
    ヒドロキシアルキルエステル単量体と、 (iv)前記(iii)以外のα,β−モノエチレン性不飽
    和単量体とから成る、単量体混合物……99.7〜97重
    量%と、 (v)エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体………0.
    3〜3重量%、 の割合で、かつ最終非水分散型樹脂組成物中における該
    エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体の含有量が0.2
    〜2.0重量%になるように混合して得られる混合物85
    〜65重量%、を重合することを特徴とするビニル系重
    合体の非水分散型樹脂組成物の製造方法。
  7. 【請求項7】エチレン−酢酸ビニルエステル共重合体中
    の酢酸ビニルの含有量が30〜50重量%である特許請
    求の範囲第(6)項記載の非水分散型樹脂組成物の製造方
    法。
  8. 【請求項8】溶媒化溶性ビニル樹脂分散安定剤中のα,
    β−モノエチレン性不飽和単量体混合物は、 (イ)α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸アミドの
    N−アルコキシメチル化単量体 ……5〜30重量% (ロ)一般式 (式中RはH又はCH、nは6〜18の整数を示す) で示されるα,β−モノエチレン性不飽和単量体………
    5〜90重量%、および (ハ)前記(イ)および(ロ)以外のα,β−モノエチレ
    ン性不飽和単量体 ……5〜90重量% から得られる単量体混合物である特許請求の範囲第(6)
    項記載の非水分散型樹脂組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】一般式 で示されるα,β−モノエチレン性不飽和単量体は、2
    −エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル
    (メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
    ト、ドデシル(メタ)アクリレートおよびステアリル
    (メタ)アクリレートから選ばれた、少くとも1種の化
    合物である特許請求の範囲第(8)項記載の非水分散型樹
    脂組成物の製造方法。
  10. 【請求項10】(iii)α,β−モノエチレン性不飽和
    カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル単量体と、 (iv)前記(iii)以外のα,β−モノエチレン性不飽
    和単量体は、前者(iii)3〜30重量%に対し、後者
    (iv)が70〜97重量%の割合の単量体混合物であ
    る、特許請求の範囲第(6)項記載の非水分散型樹脂組成
    物の製造方法。
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