JPH06279097A - ガラスセラミック焼結体の製造方法及びガラスセラミック焼結体 - Google Patents

ガラスセラミック焼結体の製造方法及びガラスセラミック焼結体

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JPH06279097A
JPH06279097A JP5068399A JP6839993A JPH06279097A JP H06279097 A JPH06279097 A JP H06279097A JP 5068399 A JP5068399 A JP 5068399A JP 6839993 A JP6839993 A JP 6839993A JP H06279097 A JPH06279097 A JP H06279097A
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JP
Japan
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glass
ceramic
sintered body
substrate
alkaline earth
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JP5068399A
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English (en)
Inventor
Masahide Okamoto
正英 岡本
Hironori Kodama
弘則 児玉
Koichi Shinohara
浩一 篠原
Hideo Suzuki
秀夫 鈴木
Akira Kato
加藤  明
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 焼結温度が銅導体ペ−スト並に低く、強度が
高く、熱膨張係数、比誘電率が従来技術並で、かつ基板
材料として適用可能なガラスセラミックス焼結体及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】 酸化物に換算して少なくとも1種類以上のア
ルカリ土類金属酸化物9〜30wt%、B2335〜58
wt%、Al2315〜37wt%、SiO20〜23wt%を
主成分とするガラス組成物粉末を成形、脱バインダ、焼
成して緻密化した後、結晶化処理し、結晶相として主に
2Al23・B23及び/又はAl23・B23を析出させ
る。 【効果】 焼成温度が850℃以下で、曲げ強度が150MPa
以上、熱膨張係数が4.0×10~6/℃以下、比誘電率6以下
の特性を有する基板材料が得られ、さらに銅導体ペ−ス
トと収縮温度域が良く一致するために、この材料を用い
るとスル−ホ−ル近傍にクラック等がない同時焼結基板
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック配線基板等
として利用されるガラスセラミック焼結体に係り、特に
半導体部品を取り付けたり、電気信号の入出力のための
ピンを取り付けて機能モジュ−ルを構成するのに好適な
セラミック多層回路基板の材料となるガラスセラミック
焼結体の製造方法及びガラスセラミック焼結体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】セラミック配線基板等に適用されている
従来のガラスセラミック絶縁材料には、特開平1−24
8589号公報に記載されている、結晶相を主体とし、
且つ主結晶がアルカリ土類金属酸化物とB23とからな
る化合物、2Al23・B23及びSiO2の3成分を含有
する焼結体や、特開平4−17394号公報に記載され
ている結晶化ガラスと耐熱性フィラの複合材料であり、
結晶化ガラスの組成が少なくとも1種以上のアルカリ土
類金属酸化物が10〜30モル%、Al23が20〜3
5モル%、B23が35〜55モル%、焼結促進成分が
10〜20モル%であるものがある。
【0003】また、ホウケイ酸ガラスとアルミナ・フィ
ラの複合剤をセラミック基板の絶縁材料とした従来技術
が日本セラミックス協会学術論文誌、98(1990
年)第812頁から816頁に記載されている。また、
コ−ジェライト析出型の結晶化ガラスをセラミック基板
の絶縁材料とした従来技術が第42回エレクトロニック
・コンポ−ネンツ・アンド・テクノロジ−・コンファレ
ンス(1992年)予稿集 第678頁から第681頁(42nd ELE
CTRONICCOMPONENTS & TECHNOLOGY CONFERENCE(1992)pp6
78-681)に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術ではセラミック配線基板に適用されている絶縁材
料として、ガラス以外に一般的に耐熱性のフィラを添加
しているため、焼結しにくく、焼結温度は銅の融点10
83℃以下であるが、950℃以上と、銅導体ペ−スト
の焼結温度約800℃と比べて非常に高い。そのため、
焼成収縮曲線が大きく異なり、銅を配線導体とした多層
配線基板を作製する同時焼結の際、収縮のミス・マッチ
によるクラックが生じるという問題点があった。このた
め収縮をマッチさせるために銅導体ペ−ストに焼結阻害
剤を添加するという方法が採用されているが、この方法
では銅導体の電気抵抗が上がり、本来の銅の低抵抗の利
点を充分に生かしきれないという問題点があった。さら
に、低誘電率化のためにα石英等の比較的強度の小さい
フィラを添加していたり、主結晶としてアルカリ土類金
属酸化物とB23とからなる化合物を含んでいるため、
強度が低いという問題点があった。
【0005】また、上記の他の従来技術には925℃の
高温で焼結後、925〜1000℃で結晶化処理を行っ
てコ−ジェライトを析出させるという方法があるが、ガ
ラスとフィラの複合材料同様、銅導体ペ−ストと焼成収
縮曲線が大きく異なり、銅を配線導体とした多層配線基
板を作製する同時焼結の際、収縮のミス・マッチによる
クラックが生じ易いという問題点があった。また収縮を
マッチさせるために銅導体ペ−ストに焼結阻害剤を添加
すると、銅導体の電気抵抗が上がり、信号伝播速度の高
速化及び配線の高密度化が達成されなくなってしまうと
いう問題点があった。
【0006】本発明の目的は、上記の従来技術の欠点を
改良し、焼結温度が銅導体ペ−スト並に低く、かつ強度
が高く、熱膨張係数、比誘電率が上記従来技術並で、低
温焼結用基板材料として最適なガラスセラミック焼結体
の製造方法及びガラスセラミック焼結体、更にその焼結
体から成る粉末、セラミック基板、セラミック多層回路
基板及び半導体実装装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、種々の材料を研究した結果、酸化物に換算して少な
くとも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物を9〜30
wt%、B23を35〜58wt%、Al23を15〜37w
t%、SiO2を0〜23wt%を主成分とするガラス組成
物粉末を成形し、焼結して緻密化した後、結晶化処理し
て大部分を結晶相とし、主に2Al23・B23もしくは
Al23・B23を析出させたものが最適であることを発
見した。
【0008】アルカリ土類金属酸化物・B23・Al2
3系ガラスは、結晶化ガラスとして知られている。この
3元系にSiO2を加えた4元系ガラスの組成を種々変化
させたガラス組成物粉末を作製し、成形し、脱バインダ
し、焼成して緻密化した後、950℃で結晶化処理を行
った試料の析出結晶について調べたところ、Al23
23系、アルカリ土類金属酸化物・B23系及びアル
カリ土類金属酸化物・B23・Al23系等の多種の結
晶の析出が見られた。さらに、これらの試料の強度及び
微構造について調べた結果、2Al23・B23又はA
23・B23のみが選択的に析出している試料のみが
ボイドが少なく、緻密化し、強度が大きいことを見出し
た。これらの試料の強度は150MPa以上である。
【0009】本発明の特徴は、結晶相とガラス相から成
り、結晶相の割合が20〜65wt%で、かつ結晶相のう
ちの主成分が2Al23・B23及び/又はAl23・B2
3であることを特徴とするガラスセラミック焼結体に
ある。すなわち焼成温度が850℃以下で、曲げ強度が
150MPa以上、熱膨張係数が4.0×10~6/℃以
下、比誘電率が6以下であるガラスセラミック焼結体に
ある。当該ガラスセラミック焼結体におけるガラス相の
割合は上記説明から35wt%以上となるが、これ以下で
は焼結温度が850℃の低温にできないものと思われ
る。
【0010】焼成温度が850℃以下であると、焼結温
度が約800℃の銅導体と同時焼結を行って多層配線基
板を作製する際、焼成収縮曲線がほぼ一致し、収縮のミ
ス・マッチによるクラックが生じない。曲げ強度が15
0MPa以上であると、基板作製の後工程における種々
の熱処理の際に生じる熱応力による基板破壊のおそれが
ほとんどない。また、熱膨張係数が4.0×10~6/℃
以下であると、通常のLSI素子(熱膨張係数 3.5
×10~6/℃前後)との接続信頼性が高く、温度サイク
ルにより接続部が破壊されることがないという利点があ
る。さらに、比誘電率が小さいほど信号伝播遅延が小さ
く、信号伝播速度の高速化が可能であるので、比誘電率
6以下の値は従来のセラミック基板材料に比較して有利
である。
【0011】またこれらの材料は、ガラス組成に微量の
アルカリ金属酸化物を添加することによって2Al23
・B23もしくはAl23・B23の析出温度760℃
以下で十分に緻密化することがわかった。さらに熱膨張
係数、比誘電率も上記従来技術の材料並であり、耐水性
も優れているため、グリ−ンシ−トを作製しても、ガラ
ス中のB23が溶けだして、ホウ酸を析出する等の問題
点も生じないことがわかった。
【0012】本発明のガラスセラミック焼結体におい
て、原料ガラス組成物粉末を、酸化物に換算して少なく
とも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物を9〜30wt
%、B23を35〜58wt%、Al23を15〜37wt
%、SiO2を0〜23wt%を主成分とする組成としてい
るのは、高強度化且つボイドレス化に最適な2Al23
23もしくはAl23・B23を主な析出結晶とするた
めである。
【0013】またガラス成分として上記の主成分以外
に、結晶析出温度より低温で十分に焼結を行わせ、緻密
化するために、アルカリ金属酸化物を5モル%以下含有
するのがよい。5モル%以上含有すると、絶縁性、耐水
性共、悪くなり、好ましくない。またアルカリ金属酸化
物以外に、PbO、Tl2O、Bi23、CdO等の焼結促
進成分を微量含有していてもよい。さらに、TiO2、Z
rO2、Fe23、V25等の、結晶化のための核形成成
分を微量含有していてもよい。原料粉末は、Na2O、K
2O等、不安定なものに関しては、炭酸塩その他の塩で
添加しても良い。その場合は酸化物換算で所定量を添加
する。
【0014】ガラス組成物粉末の作製方法は特に限定さ
れるわけではないが、一例を挙げると上記のような所定
量の原料酸化物粉末を、白金もしくはアルミナ製のるつ
ぼ中で1400〜1500℃で溶融混合したものを、水
中もしくは熱伝導性の良い金属板上にあけるか、低温の
2本のロ−ル間に流し込むかすることによって急冷し
て、ガラスの塊もしくはカレットを作製し、これをらい
かい機等の乾式粉砕及びボ−ルミル等を用いた湿式粉砕
後、乾燥することによって得られる。ガラス組成物粉末
の平均粒径は10μm以下であり、特に3μm以下であ
ることが望ましい。ガラス組成物粉末の平均粒径が10
μmを超えると、緻密な焼結体が得られない。
【0015】成形方法としては、プレスによる金型成形
法、グリ−ンシ−ト法等がある。プレスによる金型成形
法は、原料粉末に溶剤及び樹脂を添加し、らいかい機等
で混合撹拌したものをふるい等で造粒した後、金型内に
入れて荷重を加えて製造する方法である。
【0016】主な用途である基板及び多層回路基板を作
製する際には、回路の形成しやすさ、取扱いの容易さな
どからグリ−ンシ−ト法を用いるのが望ましい。グリ−
ンシ−トは、原料粉末と樹脂、溶剤等を混合撹拌して得
たスラリ−を脱気した後、グリ−ンシ−ト作製機によっ
て作製される。この方法においては、スラリ−の粘度及
びドクタ−ブレ−ドの間隙等の調整によってグリ−ンシ
−トの厚さを変えることが可能であるが、割れ等のない
シ−トを作るためにシ−トの厚さは0.1〜1.0mm
が望ましい。このシ−トを用途に応じて、穴明け、導体
ペ−スト充填、配線を印刷した後、複数枚積層し、焼成
する。
【0017】配線用導体としては、銅、金、銀及びそれ
らの合金が好ましい。これらの金属は、電気抵抗が小さ
いために、信号伝播速度の高速化及び配線の高密度化が
可能である。特に、銅は最も電気抵抗が小さく、安価
で、本発明のガラスセラミックス焼結体と焼成収縮曲線
が良く一致しているため、最適である。焼成雰囲気とし
ては、酸化性雰囲気、非酸化性雰囲気、真空中いずれで
もよいが、導体との同時焼結の際は、導体が酸化しない
雰囲気中で焼成を行うのが好ましい。雰囲気圧は、通
常、常圧でよいが、必要に応じて加圧してもよい。焼結
温度は、740〜900℃である。焼結時間は、通常
0.5〜3時間である。
【0018】
【作用】本発明の組成のガラスは、フィラを添加しない
ので焼結温度を850℃以下にすることがてきる。特に
微量のアルカリ金属酸化物を添加すると一層低温焼結化
する。そのため平均粒径2〜3μmの粉末で650〜7
60℃で焼結し、緻密化した後、組成に応じ740〜7
60℃で結晶化するため、銅導体の焼結温度と良く一致
し、多層配線基板を作製する同時焼結の際、収縮のミス
・マッチによるクラック等が生じない。
【0019】また本発明の組成のガラスは、2Al23
・B23及び/又はAl23・B23結晶のみが選択的
に析出することにより、ボイドが少なくなり、緻密化
し、アルミナのような高強度化のためのフィラを添加し
なくても150MPa以上の強度が得られる。
【0020】本発明の組成のガラスの主な構成成分の酸
化物であるアルカリ土類金属酸化物、Al23、B
23、SiO2は、熱膨張係数因子が小さく、比誘電率
も比較的低くなる成分であるため、熱膨張係数は4.0
×10~6/℃以下、比誘電率は6以下となる。すなわ
ち、高強度化のためにフィラを添加する必要がないの
で、熱膨張係数及び比誘電率が高くなってしまうことが
ない。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。 実施例1 ガラスセラミックス焼結体の製造方法は、まずグリ−ン
シ−トを作製するためのスラリ−を作る。
【0022】スラリ−の製造方法は、アルカリ土類金属
酸化物を9〜30wt%、B23を35〜58wt%、Al2
3を15〜37wt%、SiO2を0〜23wt%を主成分
とし、更にアルカリ金属酸化物が0.1〜5モル%添加
された組成である平均粒径約2μmのガラス粉末100
重量部と、メタクリル酸系のバインダを20重量部、ト
リクロルエチレン124重量部、テトラクロルエチレン
32重量部、n−ブチルアルコ−ル44重量部を加えボ
−ルミルで24時間湿式混合して作製する。次に真空脱
気処理により適当な粘度に調整する。次にこのスラリ−
をドクタ−ブレ−ドを用いてシリコ−ンコ−トしたポリ
エステルフィルム上に0.5mm厚さに塗布し、その後
乾燥してグリ−ンシ−トを作製した。
【0023】次にそのグリ−ンシ−トを50mm角に切
断し、30層積層した後、熱間プレスにより圧着した。
圧着条件は、温度100℃、圧力は100kgf/cm2
である。圧着後、脱脂のため100℃/h以下の昇温速
度で昇温し、500℃×3hの加熱脱脂を行った後、2
00℃/hの昇温速度で昇温し、850℃で2時間焼成
を行うことによって、先ず緻密に焼結した後、結晶化さ
せた。雰囲気は大気中である。
【0024】表1は、得られたガラスセラミックス焼結
体のガラス組成、析出結晶、曲げ強度、熱膨張係数及び
比誘電率を示したものである。比誘電率は1MHzで測
定したものである。本実施例のガラスセラミックス焼結
体の曲げ強度は150〜270MPa、熱膨張係数は
3.1〜4.0×10~6/℃、比誘電率は4.9〜5.
7であった。また、焼結体を構成している主結晶は2A
l23・B23、Al23・B23であった。表1のガラス
組成(モル%)よりガラス中のAl23成分が全て2Al
23・B23結晶相になると、結晶相の割合は15〜3
7.5モル%(20〜50wt%)となり、全てAl23
23結晶相になると20〜50モル%(25〜62wt
%)となる。そして、前記結晶相を除いた残りのガラス
相は、アルカリ土類金属酸化物が10〜45wt%、B2
3が45〜65wt%、SiO2が0〜40wt%及びその
他微量のAl23、アルカリ金属酸化物となる。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2 実施例1のグリ−ンシ−トにパンチで直径100μmの
穴を明け、銅ペ−ストを埋め込んでスル−ホ−ルを作製
した。さらにこのグリ−ンシ−トに銅ペ−ストで印刷に
より、表面層、信号拡大層、シ−ルド層、電源拡大層、
電源層、X,Y配線層、変換層及び裏面層を形成した。
スル−ホ−ルに充填する導体ペ−ストは、平均粒径1μ
mの還元銅粉末を70〜95体積%、平均粒径2μmの
本発明のガラス組成物粉末を30〜5体積%で配合し、
この混合粉末100重量部にエチルヒドロキシエチルセ
ルロ−ス30重量部、ブチルカルビト−ルアセテ−ト1
00重量部を加えたものを、30分らいかい機にて混合
し、適当な粘度に調整して作製した。スル−ホ−ル充填
印刷以外の印刷に使用した銅ペ−ストは、有機物を除い
た成分の95%以上が銅である一般の銅ペ−ストであ
る。
【0027】このようにして作製したグリ−ンシ−トを
30層積層した後、熱間プレスにより圧着した。圧着条
件は、温度100℃、圧力は100kgf/cm2であ
る。圧着後、脱脂のため100℃/h以下の昇温速度で
昇温し、740〜900℃で2時間焼成を行った。雰囲
気は10〜50体積%の水蒸気を含む窒素中である。
【0028】作製したセラミック多層回路基板1には、
ライン配線2及びスル−ホ−ル3の周りにクラック及び
はがれ等は認められなかった。さらにこのセラミック多
層回路基板1の上面に銅とポリイミドを用いて多層回路
4を形成し、LSIチップ5をはんだ6により装着後、
ピン7付けを行う。このようにしてLSIチップ5との
高精度の接続を図ったモジュ−ルの概略図を図1に示
す。ピン7は銀ろうによりろう付けされ、LSIチップ
5はPb−Snはんだ6により接着される。絶縁材料8
の機械的強度が大きいためピン7のろう付け、LSIチ
ップ5のはんだ付け等によるピン付け部周辺のクラック
は認められなかった。また基板に反り、変形等は認めら
れなかった。
【0029】実施例3 図2は実施例2で作製したセラミック多層回路基板1と
LSIチップ5との間に多層回路基板1と同じ材質のキ
ャリア基板9をはさみ、LSIチップ5とキャリア基板
9を接続しているはんだ6の周りを樹脂等10で覆うこ
とにより、LSIチップ5とセラミック多層回路基板1
とを接続する部分の信頼性を高めることができるもので
ある。キャリア基板9はスル−ホ−ル3のみで、ライン
の印刷を有しないグリ−ンシ−トを多層積層して焼成し
たものであり、その上面にはポリイミドを絶縁材料とし
て銅を配線材料とした薄膜多層配線4が形成されてい
る。また、配線導体が設けられ、LSIチップ5と多層
回路基板1とに各々はんだ6によって接合されている。
【0030】実施例4 図3は実施例2で作製したセラミック多層回路基板1と
LSIチップ5との間に多層回路基板1と同じ材質のキ
ャリア基板9をはさみ、キャップ11をキャリア基板9
の上面端部及びLSIチップ5上面ではんだ6により接
続し、キャリア基板9を封止したものである。またキャ
リア基板9の上面には実施例3同様薄膜多層配線4が形
成されている。LSIチップ5と多層回路基板1との接
続は、実施例3同様各々はんだ6によって接合されてい
る。
【0031】実施例5 実施例1で作製したグリ−ンシ−トを10〜20層積層
し、圧着する。その積層体の上に金、銀、銅の導体ペ−
スト、抵抗体ペ−スト及びガラスを印刷して、850℃
以下の温度で同時焼成した。さらにICチップ等を装着
することにより、民生用のハイブリッドICを作製し
た。図4は、ハイブリッドICに適用した場合の概略図
である。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも1種類以上
のアルカリ土類金属酸化物を9〜30wt%、B23を3
5〜58wt%、Al23を15〜37wt%、SiO2を0
〜23wt%を主成分とするガラス組成物粉末を成形、脱
バインダ、焼成後、結晶化処理することにより、主結晶
が2Al23・B23及び/又はAl23・B23からなる
絶縁材料となる。この絶縁材料は、結晶化以前に十分緻
密化し、前述の結晶析出によりボイドが発生することが
なく、大部分が結晶であるため強度が高く、高強度化の
ためにアルミナ等のフィラを添加する必要がない。
【0033】また、本発明の組成のガラスの主な構成成
分の酸化物であるアルカリ土類金属酸化物、Al23
23及びSiO2は、熱膨張係数因子が小さく、熱膨張
係数は4.0×10~6/℃以下とSiのそれに近いた
め、LSI素子と基板の接続信頼性が高い。また、前述
の構成成分は比誘電率も比較的低くなる成分であるた
め、比誘電率は6以下となり、信号伝播速度の高速化が
可能である。また、高強度化のためにフィラを添加する
必要がないので、熱膨張係数及び比誘電率が高くなって
しまうことがない。
【0034】さらに、緻密化、結晶化含めて、740〜
850℃の低温で焼結可能なため、Cu、Au、Ag-Pd
等の低抵抗導体との同時焼結が可能となり、信号伝播速
度の高速化、配線の高密度化が可能である。また、焼結
温度が従来の低温焼結基板材料と比べて低く、銅導体の
焼結温度と良く一致しているため、同時焼結の際、収縮
のミス・マッチによるクラックが生じない。また収縮を
マッチさせるために、銅ペ−ストに焼結阻害剤を添加す
る必要がないため、銅導体の電気抵抗が高くなってしま
うことがない。すなわち、高強度、低熱膨張、低誘電率
を同時に満足し、さらに低抵抗の銅導体ペ−ストと収縮
温度域が良く一致した基板材料が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック多層回路基板の断面概要図
である。
【図2】本発明の一実施例を示すLSIチップとキャリ
ア基板の間に樹脂を埋め込んだモジュ−ルの断面概要図
である。
【図3】本発明の一実施例を示すLSIチップを封止し
たパッケ−ジの断面概要図である。
【図4】本発明の基板をハイブリッドICとして適用し
た場合の概略図である。
【符号の説明】
1 セラミック多層回路基板 2 ライン配線 3 スル−ホ−ル 4 薄膜多層回路 5 LSIチップ 6 はんだ 7 ピン 8 絶縁材料 9 キャリア基板 10 樹脂 11 キャップ 12 導体配線 13 ガラス 14 抵抗体 15ろう材 16 Ti/Pt/Au膜 17 Alワイヤ−
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 秀夫 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 加藤 明 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化物に換算して少なくとも1種類以上
    のアルカリ土類金属酸化物を9〜30wt%、B23を3
    5〜58wt%、Al23を15〜37wt%、SiO2を0
    〜23wt%を主成分とするガラス組成物粉末を成形し、
    焼結し、結晶化することにより、ガラス相中に2Al2
    3・B23及び/又はAl23・B23の結晶相を析出させ
    ることを特徴とするガラスセラミック焼結体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 結晶相とガラス相から成り、結晶相の割
    合が20〜65wt%で、かつ結晶相のうちの主成分が2
    Al23・B23及び/又はAl23・B23であることを
    特徴とするガラスセラミック焼結体。
  3. 【請求項3】 焼成温度が850℃以下、曲げ強度が1
    50MPa以上、熱膨張係数が4.0×10~6/℃以
    下、比誘電率が6以下の特性を有することを特徴とする
    ガラスセラミック焼結体。
  4. 【請求項4】 酸化物に換算して少なくとも1種類以上
    のアルカリ土類金属酸化物を9〜30wt%、B23を3
    5〜58wt%、Al23を15〜37wt%、SiO2を0
    〜23wt%を主成分とすることを特徴とするガラスセラ
    ミック焼結体用のガラス組成物粉末。
  5. 【請求項5】 無機成分を主要構成材料とするガラスセ
    ラミック・グリ−ンシ−ト酸化物において、酸化物に換
    算して少なくとも1種類以上のアルカリ土類金属酸化物
    を9〜30wt%、B23を35〜58wt%、Al23
    15〜37wt%、SiO2を0〜23wt%を主成分とする
    ガラスセラミック焼結体用のガラス組成物粉末を前記無
    機成分の主成分とすることを特徴とするガラスセラミッ
    ク・グリ−ンシ−ト。
  6. 【請求項6】 絶縁体部が請求項2又は3に記載のガラ
    スセラミック焼結体からなることを特徴とするセラミッ
    ク基板。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3に記載のガラスセラミッ
    ク焼結体からなる絶縁体部と導体配線層とが交互に各々
    複数層積層されてなることを特徴とするセラミック多層
    回路基板。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のセラミック基板又は請
    求項7記載のセラミック多層回路基板の上に半導体素子
    を搭載してなることを特徴とする半導体実装装置。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のセラミック基板又は請
    求項7記載のセラミック多層回路基板と、該基板の上に
    搭載された半導体素子との間に前記基板と同じ材質のキ
    ャリア基板を設け、半導体素子と前記キャリア基板との
    接続部分を封止してなることを特徴とする半導体実装装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008085034A (ja) * 2006-09-27 2008-04-10 Kyocera Corp 配線基板
CN115159854A (zh) * 2022-08-30 2022-10-11 重庆大学 一种基于低碳冷烧结工艺制备半透明SiO2玻璃陶瓷的方法

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