JPH06279017A - 珪酸カルシウム水和物の処理方法および処理装置 - Google Patents

珪酸カルシウム水和物の処理方法および処理装置

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JPH06279017A
JPH06279017A JP6500193A JP6500193A JPH06279017A JP H06279017 A JPH06279017 A JP H06279017A JP 6500193 A JP6500193 A JP 6500193A JP 6500193 A JP6500193 A JP 6500193A JP H06279017 A JPH06279017 A JP H06279017A
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JP
Japan
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treatment
calcium silicate
crushing
carbonation
silicate hydrate
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Withdrawn
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JP6500193A
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English (en)
Inventor
Masaru Nomura
野村  勝
Tadashi Akiyama
肇志 秋山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 珪酸カルシウム水和物の粉砕、炭酸化、表面
処理の3種の処理を簡便かつ短時間に行い、また、製品
性能の均一化を可能とする処理方法を提供する。 【構成】 珪酸カルシウム水和物の粉砕の際、同時に炭
酸化、表面処理の少なくとも1種類以上の処理を行うこ
とで得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、珪酸カルシウム水和物
をゴム、プラスチック、紙等の充填剤、またはその他の
用途に利用するための処理方法及びその為の装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまでゴム、プラスチック、紙等の充
填剤としては炭酸カルシウム、クレー類等の無機化合物
が使用されていた。炭酸カルシウムは、沈降性(軽質)
炭酸カルシウムの製造方法により製造されており、クレ
ーに関しては適当粒径に粉砕する事により製造されてい
た。これらの充填剤は製法によって相応の機能を発揮す
る。
【0003】一方、珪酸カルシウム水和物を種々の用途
に利用する方法が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが充填剤として
必要な機能を兼ね備えるために、従来の充填剤に種々の
複雑な加工が施されているものの、例えばゴム充填剤と
して使用する場合、加硫開始までの加工性、加硫速度、
強度等の力学的物性等の全ての機能を発揮する充填剤が
得られていない。また、炭酸カルシウム、クレー類は、
原料として石灰石等を採掘等により入手しており、環境
破壊、原料枯渇という点からも問題がある。
【0005】このため本発明者等は、工業的に得られる
珪酸カルシウム水和物を利用して充填剤を得る方法を検
討したところ、珪酸カルシウム水和物に炭酸化処理、表
面処理等の処理を行うと、上記の欠点の解決された充填
剤を得ることができるという知見を得た。例えば、ゴム
充填剤として珪酸カルシウム水和物を使用する場合、充
填剤の分散性を良好にする手段として5μm以下にまで
粉砕する必要がある。また、珪酸カルシウム水和物は高
アルカリでありpHが10以上あるため、加硫開始まで
のスコーチ時間が短く、加工性に若干問題がある。そこ
でpHの低下を目的とした炭酸化を必要とする。また、
力学的物性の向上のため、表面処理を施すと良いという
ことも判明した。そこでこれらの処理を簡便に短時間で
行うことができ、製品性能の均一化を可能とする珪酸カ
ルシウム水和物の処理方法が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、珪酸カルシウ
ム水和物を粉砕すると同時に、炭酸化及び表面処理のう
ち少なくとも1種類以上の処理を行うことを特徴とした
珪酸カルシウム水和物の処理方法、及び粉砕装置に、表
面処理剤及び/又は炭酸化処理剤の供給部を有すること
を特徴とする珪酸カルシウム水和物処理装置である。
【0007】すなわち、本発明の処理方法は、粉砕、炭
酸化、表面処理の作業を、粉砕処理と、炭酸化及び/又
は表面処理の組み合わせによって行うことが特徴であ
る。本発明の炭酸化の方法に関しては、液相法、気相法
等考えられるが、その手法に関しては特に限定されず、
粉砕装置中で珪酸カルシウム水和物と炭酸化処理剤が接
触するようにすれば良い。また、前記の炭酸化処理剤と
しては、例えば炭酸が豊富に含有されたガスや水等が挙
げられる。炭酸化は、粉砕処理時間のうち始めの方で平
行して行うと、後の粉砕スピードが上がるので好まし
い。
【0008】なお、炭酸化の割合を示す炭酸化度は、カ
ルシウム分が炭酸カルシウムになった割合をいい(水和
物の全てのカルシウム分が炭酸カルシウムになった状態
を炭酸化度100%とする。)、使用される珪酸カルシ
ウム水和物全体での割合をいう。炭酸化度は、サンプル
を塩酸と反応させ、発生した炭酸ガスの量より測定する
ことができる。本発明の処理方法によって得られる珪酸
カルシウム水和物処理物を、例えばゴム充填剤として使
用する場合、炭酸化の割合が大きくなればなるほどスコ
ーチ時間は長くなり大幅に改良される。しかし、スコー
チ時間としては、150℃で4〜5分有れば十分であ
り、炭酸化度40%以上の珪酸カルシウム水和物をゴム
充填剤として使用すれば達成する。また、より好ましい
もは、炭酸化度100%のものである。また、炭酸化度
40%以下の珪酸カルシウム水和物を充填剤として使用
した場合もスコーチ時間を延長する効果はある。
【0009】本発明の表面処理剤としては、一般にカル
シウムの表面処理に使用されているもの、例えば脂肪
酸、樹脂酸、リグニン等がある。また、表面処理剤の添
加量に関しては処理後の珪酸カルシウム水和物の用途に
合わせて決定すれば良い。例えば、表面処理剤としてス
テアリン酸を用いた場合、使用される珪酸カルシウム水
和物全体のカルシウム分に対して1.5mol%以下が
強度を低下させることなく表面処理を行える点で好まし
く、更に好ましくは、0.1mol%〜0.8mol%
が最も適当な範囲である。表面処理を行うことにより、
珪酸カルシウム水和物を、例えば充填用等に用いても、
充填後の強度を維持しつつ上記の効果を得ることができ
る。
【0010】本発明の処理方法においては、上記の粉砕
処理実施中に、同時に、即ち並行して炭酸化及び/又は
表面処理を行う。粉砕処理中であれば、炭酸化と表面処
理を同時に行っても、どちらか一種の処理が終わってか
ら残り一種の処理を続けて行っても良い。前記処理方法
としては、例えば粉砕処理装置の粉砕部(粉砕を行う容
器等)に炭酸化処理剤及び/又は表面処理剤を予め投入
する方法や、粉砕中に前記粉砕部内に各処理剤を供給す
る方法等が挙げられるが、後者の方が必要量の処理剤を
確実に供給できる上、粉砕装置も現状の大きさのものを
使用することができる点から好ましい。
【0011】上記の処理を行う為の装置としては、例え
ば、粉砕機等の粉砕処理装置の粉砕部に炭酸化剤及び/
又は表面処理剤を供給するためにライン等の供給部を備
え付けたもの等があり、現状使用のボールミル等を改造
して使用することも可能である。さらに、供給ラインに
開閉のコックを備えつければ、各処理を同時に行うだけ
でなく、必要な処理のみ行ったり、処理の順番を適宜変
更したり、供給量を調節することが可能となる。
【0012】本発明の処理装置の例を図1に示す。図1
において1は粉砕機の粉砕部であり、この粉砕部1に
は、珪酸カルシウム水和物投入口4と、炭酸処理剤投入
口2及び表面処理剤投入口3が設けてある。各々の投入
口は投入ラインと連結しており、該ラインには開閉のコ
ックが設けられている。処理操作を行う際には、投入口
4から珪酸カルシウム水和物を粉砕機内に供給し、粉砕
処理を始めると同時に、或いは行っている間に、炭酸処
理剤投入口2及び表面処理剤投入口3から、炭酸処理剤
及び表面処理剤を適宜供給しながら、各処理を行えば良
い。
【0013】なお、本発明の原料に用いる珪酸カルシウ
ム水和物には、ゾノトライト、トバモライト、ジャイロ
ライト、フォシャジャイト、ヒレブランダイト等を挙げ
ることができる。これらの珪酸カルシウム水和物は、各
々単独で用いる必要性はなく、2種類以上の混合物で用
いることが出来る。また、これらの多孔性珪酸カルシウ
ムは、完全に純粋なものでなくCSHゲルや未反応の珪
酸質原料等も含まれていても良い。
【0014】珪酸カルシウム水和物を得る方法として
は、例えば、珪酸質原料と石灰質原料を主体とし、これ
らをオートクレーブ中で水熱合成する方法等があげられ
る。また、珪酸カルシウム水和物の中で、軽量気泡コン
クリート、即ちALCと呼ばれ、建築材料として汎用さ
れている材料が入手しやすく、かつ、本発明の組成物と
しても好ましい。特に新品を使用する必要はなく、AL
C製造工程で発生する不良品やビルや住宅などの建設現
状で発生する端材のような従来は廃棄処分されているよ
うなものを使用することもできる。これらの珪酸カルシ
ウム水和物は分散性や強度の面から5μm以下にまで粉
砕を行うと好ましい。
【0015】
【作用】珪酸カルシウム水和物を粉砕処理する際、ボー
ルミル等の粉砕処理装置を使用するが、5μm以下に粉
砕するには多大な時間を要する。そこで粉砕時の雰囲気
を炭酸ガス雰囲気としたり、表面処理剤を粉砕容器中に
投入することにより、粉砕処理と平行して各処理を行う
ことができ、時間の短縮化だけでなく、十分な処理を行
うことができる。また、粉砕中は粉砕機内で珪酸カルシ
ウム水和物が常に攪拌されている状態であるので、均一
に処理することが可能となる。さらに、炭酸化処理を粉
砕処理の始めの方で行えば、その後の粉砕時間が短縮さ
れる。
【0016】一方、本発明の処理装置を用いれば、原料
投入以外に人為的操作がないため上記方法を非常に簡便
に実施することが可能となる。
【0017】
【実施例】以下に、実施例、比較例を用いて本発明をさ
らに詳しく説明する。実施例に使用した珪酸カルシウム
水和物は、ALCを適当に砕いたものを使用した。処理
装置を用いることによって行った。
【0018】
【実施例1】図1に示したような、各供給口を有した5
3 の小型ボールミルである処理装置に、アルミナボー
ルを7kg、ALCを0.3kgと水0.6リットルを
添加し、蓋をした後、投入口から炭酸ガスを供給するこ
とによって、ボールミル内部の雰囲気を炭酸ガス雰囲気
にした。その後、ALCの粉砕を始め、24時間後、4
8時間後、72時間後にサンプルを取り出し、レーザー
回折式粒度分布計により平均粒径を測定した。また、該
サンプルの炭酸化度(サンプルのカルシウム分に対する
炭酸カルシウムの割合)を測定した。その結果を表1に
示す。
【0019】
【実施例2】実施例1と同様の操作を行い、さらに24
時間後に表面処理剤としてステアリン酸を添加し、その
後48時間粉砕を続けたのち、サンプルを取り出し、ス
プレードライヤーにより乾燥させた。乾燥後のサンプル
は水に浮いたことにより、ALCに表面処理がなされて
いると考認められた。また、実施例1と同様に、平均粒
径と炭酸化度について測定した。その結果を表1に示
す。
【0020】
【表1】
【0021】
【実施例3】実施例2のサンプルを用いて、ゴム充填剤
としての評価を実施した。ゴムの配合重量比は、実施例
2のALC処理物が1に対して、SBR:100、亜鉛
華:5、ステアリン酸:2、促進剤(MBTS、DP
G):1.5、老化防止剤(大内新興科学製NS−
6):1、硫黄:2で行った。評価方法は、レオメータ
ーによる加硫特性と、JIS−K 6031に準じる力
学的物性について測定した。比較サンプルとして、ハー
ドクレー、炭酸カルシウムを充填剤としたものについて
も評価を行った。その結果を表2に示す。また、各充填
剤とも加工性に関しては良好であった。
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明による処理方法では、珪酸カルシ
ウム水和物の粉砕処理とともに炭酸化、表面処理の少な
くとも1種類以上の処理を簡便かつ短時間で行うことが
でき、この処理方法で得られた製品は均一な性能を有し
ている。また、本発明による処理装置は、上記の処理方
法を簡便に実施することが可能であり、現行の粉砕機を
応用すれば容易に提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の処理装置の模式図
【符号の説明】
1 粉砕部 2 炭酸処理剤投入口 3 表面処理剤投入口 4 珪酸カルシウム水和物投入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 珪酸カルシウム水和物を粉砕すると同時
    に、炭酸化及び表面処理のうち少なくとも1種類以上の
    処理を行うことを特徴とした珪酸カルシウム水和物の処
    理方法
  2. 【請求項2】 粉砕装置の粉砕部に、表面処理剤及び/
    又は炭酸化処理剤を供給するための供給部を設けたこと
    を特徴とする珪酸カルシウム水和物処理装置
JP6500193A 1993-03-24 1993-03-24 珪酸カルシウム水和物の処理方法および処理装置 Withdrawn JPH06279017A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520258A (ja) * 2003-02-06 2006-09-07 ビューラー パルテック ゲーエムベーハー 機能的コロイドのケモメカニカル製造

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006520258A (ja) * 2003-02-06 2006-09-07 ビューラー パルテック ゲーエムベーハー 機能的コロイドのケモメカニカル製造
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