JP2003112920A - シランカップリング剤処理炭酸カルシウム及びポリマー組成物 - Google Patents

シランカップリング剤処理炭酸カルシウム及びポリマー組成物

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JP2003112920A
JP2003112920A JP2001306426A JP2001306426A JP2003112920A JP 2003112920 A JP2003112920 A JP 2003112920A JP 2001306426 A JP2001306426 A JP 2001306426A JP 2001306426 A JP2001306426 A JP 2001306426A JP 2003112920 A JP2003112920 A JP 2003112920A
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silane coupling
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calcium
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Kazuyuki Hosoi
和幸 細井
Shoichi Tsutsui
昌一 筒井
Hirotsugu Ishida
博嗣 石田
Hisaya Ito
壽哉 伊藤
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Shiraishi Kogyo Kaisha Ltd
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SHIRAISHI CHUO KENKYUSHO KK
Shiraishi Central Laboratories Co Ltd
Shiraishi Kogyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シランカップリング剤との結合性に優れ、か
つより簡易な工程で製造することができるシランカップ
リング剤処理炭酸カルシウム及びこれを配合したポリマ
ー組成物を得る。 【解決手段】 炭酸カルシウム粉末表面をか焼して表面
に酸化カルシウム層を形成し、該表面の酸化カルシウム
層を水和することにより表面に水酸化カルシウム層を形
成した炭酸カルシウムに対して、例えば、炭酸カルシウ
ム100重量部に対して0.01〜10重量部のシラン
カップリング剤を表面処理することを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シランカップリン
グ剤が処理された炭酸カルシウム及びこれを含有したポ
リマー組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭酸カルシウムは、ゴムやプ
ラスチック等の増量剤及び補強剤として使用されてい
る。これらの炭酸カルシウムには、各種高分子材料との
親和性を向上させるため、脂肪酸や樹脂酸などの表面処
理剤により表面処理がなされることが多い。これらの表
面処理剤は、マトリックスである高分子との馴染みを良
くするものであり、分散性の向上や、若干の力学的物性
の向上などが認められる。
【0003】しかしながら、カーボンブラックに代表さ
れるような、マトリックスの高分子に対する化学的な結
合を与えるものではなく、力学的物性の向上に限界があ
った。
【0004】マトリックスである高分子との化学的結合
を付与することができるものとして、シランカップリン
グ剤が知られている。シランカップリング剤は、分子の
一方端に設けられたシラノール基が粉体表面のOH基と
反応し、他方端の官能基がマトリックスである高分子と
反応して、粉体とマトリックスポリマーとの間に化学的
な結合を形成させて力学的物性等を向上させるものであ
る。
【0005】シランカップリング剤は、上述のように、
粉体表面のOH基と反応するので、シリカやクレーなど
のように表面にOH基を有するものに対して上記効果を
発現することができるが、炭酸カルシウムのように表面
にOH基のないような粉体に対しては上記の表面処理の
効果が得られないことが知られている。
【0006】そこで、特許910471号では、炭酸カ
ルシウムの表面をシリカヒドロゾルなどで処理し、表面
にOH基を付与し、このOH基を用いてシランカップリ
ング剤を結合させる方法が提案されている。また、特許
2745033号では、COOH基とOH基の両方を有
するポリマーで炭酸カルシウムの表面を処理し、シラン
カップリング剤を表面処理することが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
シリカヒドロゾルを処理する方法は、炭酸カルシウム粉
末が分散されたスラリー中にシリカヒドロゾルを添加す
る方法であり、炭酸カルシウムとしてサブミクロンオー
ダーの微細な炭酸カルシウム粉末を用いると、乾燥する
際に炭酸カルシウム粉末が凝集し、粉砕が困難になるな
どの問題があった。また、COOH基とOH基の両方を
有するポリマーを炭酸カルシウムに処理する方法では、
ポリマーの骨格となるアルキル基がOH基の上を覆い、
炭酸カルシウム表面のOH基とシランカップリング剤と
が十分に結合できず、シランカップリング剤処理による
表面処理の効果が十分に得られない場合があった。
【0008】本発明の目的は、シランカップリング剤と
の結合性に優れ、かつより簡易な工程で製造することが
できるシランカップリング剤処理炭酸カルシウム及びこ
れを含有したポリマー組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のシランカップリ
ング剤処理炭酸カルシウムは、表面に水酸化カルシウム
層を形成した炭酸カルシウムに対してシランカップリン
グ剤を処理したことを特徴としている。
【0010】本発明においてシランカップリング剤を処
理する炭酸カルシウムは、その表面に水酸化カルシウム
層が形成されている。このため、シランカップリング剤
を処理すると、この水酸化カルシウム層によりシランカ
ップリング剤を炭酸カルシウム粒子表面に強固に結合さ
せることができ、シランカップリング剤による表面処理
の効果を十分に発揮させることができる。従って、本発
明のシランカップリング剤処理炭酸カルシウムを、ゴム
及びプラスチックなどのポリマー中に配合することによ
り、そのポリマーの機械的物性を向上させることができ
る。
【0011】炭酸カルシウムの表面に水酸化カルシウム
層を形成する方法としては、例えば、炭酸カルシウム粉
末表面をか焼して、表面に酸化カルシウム層を形成し、
これを水和することにより水酸化カルシウム層を形成す
る方法が挙げられる。この方法は、炭酸カルシウム自体
の表面を改質する方法であるので、簡易な工程で行うこ
とができ、重質炭酸カルシウム、及びコロイド炭酸カル
シウムのいずれに対しても適用することができる。
【0012】炭酸カルシウム粉末表面をか焼する温度と
しては、炭酸カルシウムの表面部分のみを脱炭酸させて
酸化カルシウムとすることができる温度が好ましく、具
体的には480〜1000℃程度であることが好ましく
は、さらに好ましくは490〜900℃程度であり、さ
らに好ましくは500〜700℃程度である。か焼温度
が低過ぎると炭酸カルシウム表面に酸化カルシウム層が
形成されない場合があり、か焼温度が高過ぎると、炭酸
カルシウム粉末の粒子同士が融着したり、炭酸カルシウ
ム粉末全体が酸化カルシウムになってしまう場合があ
る。か焼時間は、炭酸カルシウム表面のみが酸化カルシ
ウムとなるように適宜調整される。
【0013】表面を酸化カルシウム層とした後、この酸
化カルシウム層を水和することにより水酸化カルシウム
層を形成する。水和方法としては、特に限定されるもの
ではなく、表面に酸化カルシウム層を形成した炭酸カル
シウム粉末をスーパーミキサーやリボンブレンダーなど
で撹拌しながら水蒸気を吹き込む方法、空気中の水分と
反応させる方法、湿度を調整した空気と反応させる方法
などが挙げられる。また、これらの乾式方法以外の湿式
方法で水和してもよい。例えば、表面に酸化カルシウム
層を形成した炭酸カルシウム粉末を水に投入して懸濁液
とすることにより、表面に水酸化カルシウム層を形成し
てもよい。
【0014】本発明において、シランカップリング剤を
処理する対象となる、表面に水酸化カルシウム層を形成
した炭酸カルシウムのpHの値は9.5〜12.0であ
ることが好ましい。このpHの測定は、試料炭酸カルシ
ウム5gを蒸留水100mlに懸濁させて、この懸濁液
のpHを測定する方法が挙げられる。
【0015】pHが9.5未満であると炭酸カルシウム
の表面に十分な量の水酸化カルシウム層が形成されてい
ない場合があり、シランカップリング剤の処理による効
果が十分に発揮されない場合がある。また、pHの値が
12.0を超えると、シランカップリング剤の一方端に
設けられたアルコキシ基が、シラノール基へと加水分解
する速度が非常に早くなるため、炭酸カルシウム表面に
到達する前に自己縮合によるゲル化が生じ、炭酸カルシ
ウム表面の水酸化カルシウム層と反応する正味のシラン
カップリング剤量が減少し、ポリマーに対する補強効果
が低減する場合がある。pHのさらに好ましい値は、
9.8〜11.8であり、さらに好ましくは10.0〜
11.0である。
【0016】また、上記のpHの値は、BTB(ブロモ
チモールブルー)指示薬を用いた呈示反応でも測定する
ことができる。BTB指示薬を用いたpHの測定は、上
記の炭酸カルシウム表面をか焼する際のか焼終了の判断
の目安としても用いることが可能である。具体的には、
か焼した炭酸カルシウム粉末約0.5gを時計皿の上に
とり、これにBTB指示薬を数滴加え、スパチュラで2
分間混練し、この時の色調をpH試験用標準変色紙と比
較し、か焼終了のpHとなった時点でか焼を終了するこ
とができる。か焼終了のpHとしては、上記の9.5〜
12.0の範囲内が一般的に設定される。
【0017】本発明に用いる炭酸カルシウムとしては、
上述のように、重質炭酸カルシウム、コロイド炭酸カル
シウムなどを用いることができる。重質炭酸カルシウム
は、一般に、ローラーミル、高速回転ミル(衝撃剪断ミ
ル)、容器駆動媒体ミル(ボールミル)、媒体撹拌ミ
ル、遊星ボールミル、ジェットミルなどを用いて、乾式
または湿式の方法で原石を粉砕して製造する炭酸カルシ
ウムである。
【0018】コロイド炭酸カルシウムは、いわゆる合成
炭酸カルシウムと呼ばれるものであり、炭酸ガス反応法
(石灰乳と呼ばれる水酸化カルシウムの懸濁液に炭酸ガ
スを吹き込んで水酸化カルシウムを炭酸化する方法)に
より得られるものである。より具体的には、石灰石原石
をコークスあるいは石油系燃料(重油、軽油)、天然ガ
ス、LPG等で混焼することによって生石灰とし、この
生石灰を水和して水酸化カルシウムスラリーとし、これ
に混焼時に発生する炭酸ガスをバブリングして反応さ
せ、炭酸カルシウムを製造する方法である。
【0019】本発明における炭酸カルシウムの粉末の平
均粒子径は、特に限定されるものではないが、0.01
μm〜50μm程度が一般的である。なお、平均粒子径
は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、無作為に抽出
した炭酸カルシウム一次粒子30個の粒子径を測定して
得られる平均値である。平均粒子径のさらに好ましい範
囲は、0.04μm〜10μmであり、さらに好ましい
範囲は0.07μm〜1μm程度である。炭酸カルシウ
ムの平均粒子径が小さくなり過ぎると、水酸化カルシウ
ム層となる範囲が相対的に多くなり過ぎ、アルカリ性が
強くなるため、ポリマーに配合した際に悪影響を及ぼす
おそれがある。例えば、ゴムなどにおいては、早期加硫
(スコーチ)が生じる場合がある。また、炭酸カルシウ
ムの平均粒子径が大きくなり過ぎると、ゴムやプラスチ
ックなどのポリマーに配合した場合にポリマーの強度が
低下するおそれがある。
【0020】表面に水酸化カルシウム層を形成した炭酸
カルシウムに、シランカップリング剤を処理する方法と
しては、特に限定されるものではなく、従来から知られ
ている種々の表面処理方法を適用することができる。
【0021】表面に水酸化カルシウム層を形成した炭酸
カルシウムが乾燥された粉末である場合には、例えば、
ヘンシェルミキサー中でこの炭酸カルシウム粉末を撹拌
しながら、シランカップリング剤を滴下するか、あるい
はスプレーなどを用いて噴霧することによって、シラン
カップリング剤を表面処理することができる。この場
合、必要に応じて表面処理後に加熱乾燥してもよい。
【0022】また、表面に水酸化カルシウム層を形成し
た炭酸カルシウムが懸濁液として得られる場合には、こ
の懸濁液に水溶性シランカップリング剤を投入し、炭酸
カルシウムの表面にシランカップリング剤を被覆吸着さ
せることにより表面処理することができる。その後濾過
乾燥することにより、シランカップリング剤を処理した
炭酸カルシウムを製造することができる。
【0023】また、表面に水酸化カルシウム層を形成し
た炭酸カルシウム、あるいはこれにシランカップリング
剤を処理した炭酸カルシウムが懸濁液である場合には、
処理を均一に行わせるために、ディスパーのような撹拌
機あるいはダイノーミル、グレンミル、サンドミルのよ
うな湿式磨砕機を使用してもよい。
【0024】本発明において、表面に水酸化カルシウム
層を形成した炭酸カルシウムに対するシランカップリン
グ剤の処理量は、特に限定されるものではないが、炭酸
カルシウム100重量部に対して、0.01〜10重量
部程度であることが好ましく、さらに好ましくは0.0
5〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜3重量部程度
である。また、処理量は、処理の対象となる炭酸カルシ
ウムの粒子径などにより適宜調整される。
【0025】本発明において、炭酸カルシウムに対し処
理するシランカップリング剤の種類は、特に限定される
ものではなく、従来から、ゴムやプラスチックなどに配
合されるシランカップリング剤を用いることができる。
例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β
−メトキシエトキシ)シラン、β−(3,4エポキシシ
クロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β(アミノ
エチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、ビス−(3−〔トリエトキシシリル〕−
プロピル)−テトラサルファンなどを例示できる。これ
らのなかでは、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシランが好ましい。
【0026】本発明のポリマー組成物は、上記本発明の
シランカップリング剤処理炭酸カルシウムをゴムまたは
プラスチックなどのポリマーに配合したことを特徴とす
るポリマー組成物である。ポリマー組成物中のシランカ
ップリング剤処理炭酸カルシウムの配合量は、特に限定
されるものではないが、例えば、ポリマー100重量部
に対し10〜150重量部の配合量が挙げられる。
【0027】本発明のポリマー組成物においては、シラ
ンカップリング剤を処理する前の炭酸カルシウム、すな
わち、表面に水酸化カルシウム層を形成した炭酸カルシ
ウムと、シランカップリング剤を別個にポリマー中に配
合してもよい。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的な実施例に
より説明するが、本発明は、以下の実施例に限定される
ものではない。
【0029】(実施例1)合成炭酸カルシウム(白石工
業社製、商品名「PC」、短径0.5μm、長径1.5
μm、平均粒子径1μm)を500℃でか焼した。か焼
した炭酸カルシウムにスチームを噴霧して、上述のBT
B呈色試験でpHが10.5となるまでか焼を行った。
次に、か焼した炭酸カルシウムをスーパーミキサーで撹
拌しながら、シランカップリング剤としてγ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン(東レ
・ダウコーニング・シリコーン社製、商品名「SH60
20」)を炭酸カルシウム100重量部に対して、0.
3重量部添加し、1500rpmで10分間撹拌し処理
した。
【0030】得られたシランカップリング剤処理炭酸カ
ルシウムを、ゴム(ポリイソプレンゴム)に配合した。
配合量は、ゴム100重量部に対して、75重量部と
し、さらにその他の配合成分として、ゴム100重量部
に対して、亜鉛華5重量部、ステアリン酸2重量部、加
硫促進剤DM1重量部、加硫促進剤D0.3重量部、硫
黄2重量部を配合した。これらを二本ロールで配合混練
して、未加硫ゴムを得た。得られた未加硫ゴムを、オシ
レーティング・ディスク・レオメーターにかけ、最適加
硫時間tc(90)を算出し、この時間でプレス架橋を
行い、プレス加硫シートを得た。
【0031】(実施例2)実施例1において作製した、
表面に水酸化カルシウム層を形成した炭酸カルシウム
を、そのままゴムに配合するとともに、表面処理量と同
等の量のシランカップリング剤をゴム混練時に添加し、
それ以外は上記実施例1と同様にしてプレス加硫シート
を得た。
【0032】(実施例3)実施例1において、シランカ
ップリング剤として、γ−(2−アミノエチル)アミノ
プロピルトリメトキシシランに代えて、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシランを用いる以外は、上記実施
例1と同様にしてシランカップリング剤処理炭酸カルシ
ウムを作製し、これをゴムに配合したプレス加硫シート
を得た。
【0033】(比較例1)実施例1において、炭酸カル
シウムとしてシランカップリング剤処理炭酸カルシウム
を用いずに、か焼する前の炭酸カルシウムを用いる以外
は、実施例1と同様にしてプレス加硫シートを得た。
【0034】(比較例2)実施例1において、シランカ
ップリング剤処理炭酸カルシウムに代えて、シランカッ
プリング剤処理を行う前の、か焼した炭酸カルシウムを
用いる以外は、実施例1と同様にしてプレス加硫シート
を得た。
【0035】(比較例3)実施例1において、炭酸カル
シウムをか焼せずに、炭酸カルシウムに直接シランカッ
プリング剤を処理し、これをゴムに配合する以外は、実
施例1と同様にしてプレス加硫シートを得た。
【0036】(比較例4)実施例3において、炭酸カル
シウムをか焼せずに、炭酸カルシウムに直接シランカッ
プリング剤を処理する以外は、実施例3と同様にしてプ
レス加硫シートを得た。
【0037】〔プレス加硫シートの評価試験〕実施例1
〜3及び比較例1〜4で得られたプレス加硫シートにつ
いて、引張試験を行った。試験結果を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】実施例1と比較例3の比較、実施例3と比
較例4の比較から明らかなように、炭酸カルシウム表面
に水酸化カルシウム層を形成することにより、シランカ
ップリング剤が強固に結合し、シランカップリング剤の
表面処理による効果が著しく高まることがわかる。ま
た、実施例2から明らかなように、シランカップリング
剤はゴムやプラスチックなどのポリマーに配合する際に
添加してもよいことがわかる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、シランカップリング剤
との結合性に優れ、かつより簡易な工程で製造すること
ができるシランカップリング剤処理炭酸カルシウムとす
ることができる。本発明のシランカップリング剤処理炭
酸カルシウムは、シランカップリング剤が炭酸カルシウ
ムと強く結合しているので、これをゴムやプラスチック
等のポリマーに配合した場合、ポリマーの力学的特性を
向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 昌一 神戸市東灘区御影中町1丁目15番18−504 号 (72)発明者 石田 博嗣 神戸市東灘区御影中町1丁目15番18−202 号 (72)発明者 伊藤 壽哉 西宮市高須町1丁目7番8−105号 Fターム(参考) 4G076 AA10 AA16 AB09 BA39 BF01 DA30 4J002 AA001 AC001 AC061 DE236 FB076 FB096

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に水酸化カルシウム層を形成した炭
    酸カルシウムに対してシランカップリング剤を処理した
    ことを特徴とするシランカップリング剤処理炭酸カルシ
    ウム。
  2. 【請求項2】 前記水酸化カルシウム層が炭酸カルシウ
    ム粉末表面をか焼した後、該表面を水和することにより
    形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載
    のシランカップリング剤処理炭酸カルシウム。
  3. 【請求項3】 前記炭酸カルシウム粉末の平均粒子径
    が、0.01μm〜50μmであることを特徴とする請
    求項2に記載のシランカップリング剤処理炭酸カルシウ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記シランカップリング剤の処理量が前
    記炭酸カルシウム100重量部に対して0.01〜10
    重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載のシランカップリング剤処理炭酸カルシウ
    ム。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のシ
    ランカップリング剤処理炭酸カルシウムを配合したこと
    を特徴とするポリマー組成物。
  6. 【請求項6】 表面に水酸化カルシウム層を形成した炭
    酸カルシウムと、シランカップリング剤とを配合したこ
    とを特徴とするポリマー組成物。
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