JPH06278955A - エレベーターの振動抑制装置 - Google Patents
エレベーターの振動抑制装置Info
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- JPH06278955A JPH06278955A JP5067869A JP6786993A JPH06278955A JP H06278955 A JPH06278955 A JP H06278955A JP 5067869 A JP5067869 A JP 5067869A JP 6786993 A JP6786993 A JP 6786993A JP H06278955 A JPH06278955 A JP H06278955A
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Abstract
ベーター乗りかごの機械系振動の抑制方法を提供するこ
とにある。 【構成】エレベーターモデルをエレベーターの速度制御
装置内に持ち、このモデルの出力などに基づいて決定さ
れる振動抑制信号によって電動機を制御するよう構成に
した。 【効果】エレベーター乗りかごの振動成分を抽出し、こ
の脈動信号を用いて振動抑制制御ができるので、縦ゆれ
の少ない良好な乗心地を実現することができる。
Description
に係り、特に、良好な乗心地を提供しうるエレベーター
振動抑制制御装置に関する。
には、操作量指令値に応じて制御対象を操作する操作機
構と、制御対象の制御量を検出する検出器と、検出器の
出力である制御量検出値と制御量指令値とを入力して操
作量指令値を出力する制御演算部とを備えた制御装置に
おいて、制御演算部が、制御量検出値を任意の伝達関数
Gx(s)を介して得られる値Aと、制御量検出値と制御
量指令値とを入力とする制御増幅器の出力に操作量指令
値から制御量検出量までの伝達関数GL(s)を模擬した
伝達関数GLH(s)と伝達関数Gx(s)の積の伝達関数
Gx(s)・GLH(s)に1を加えた伝達関数(Gx(s)
・GLH(s)+1)を介して得られる値Bとの差(B−A)
を操作量指令値として出力することにより、指令値応答
を変化させることなく外乱応答を改善する提案がなされ
ている。
3081号,特開昭62−211277号などではエレベーター乗り
かごの振動成分を直接検出し、これを速度制御装置に帰
還し、乗りかごの振動を抑制しようとする提案がなされ
ている。
いるコンペンロープをピット方向にひっぱるコンペンプ
ーリを設け、このコンペンプーリの支持部とピットとの
間に摺動部やダッシュポットを設け、乗りかごと釣合い
錘が同相振動する際にコンペンプーリも上下動する現象
(主に、乗りかごが中間階付近に存在するとき発生す
る)を抑制することにより機械的に乗りかご振動を抑制
する手法が高速エレベーター以上の機種を中心にとられ
ている。
は、制御量指令値と制御量検出値との偏差信号を入力と
し、操作量指令から検出値までのモデルを通した演算結
果として得られる制御量の推定値と制御量検出値との偏
差を操作量指令値部に加算することにより外乱への性能
を改善しようとしたものである。
に対する入力信号である操作量指令値に振動外乱成分も
混入している為、モデルを通した演算結果として得られ
る制御量の推定値は、制御量指令に対する推定値成分と
外乱成分に対する推定値成分が入っていることになり、
制御量検出値との差信号を求めても、その値は、制御量
検出部において外乱をゼロにする指令とは直接ならな
い。つまり、仮に、制御量の推定値と制御量検出値との
位相関係が理想的に一致している場合を考えても、外乱
抑制信号のもととなる成分は(制御量の推定値ー制御検
出値)となり、本来抑制信号に使用するべきものよりも
その値は小さくなってしまい、ゲイン補正等が必要とな
る。さらに、制御量の推定値と制御量検出値との位相関
係が一致していない場合には、外乱成分に関する基本信
号以外の信号成分(位相,大きさが位相差に応じて変化
するような成分等)が外乱抑制信号に混入することにな
り、強力に振動抑制を効かせることは、他の悪影響の発
生と相まって困難ではないかと思われる。
ー乗りかごの振動成分を直接検出し、これを振動抑制制
御の信号に使うための種々の工夫が提案されているが、
加速度センサ自体の信頼性,センサから数百m離れた最
上階の機械室にある制御装置まで配線する信号線に重畳
するノイズの除去など実用化には本質的な課題があると
思われる。
ロープの代りにコンペンチェーンが使われる低速エレベ
ーターなどでは、摺動部やダッシュポットのような機械
的な振動抑制手段を講じることがハード的に困難なため
にこれらの機種ではやや乗りかごは振動的になるのが実
情であった。
解決し、エレベーター乗りかごの縦振動、つまりロープ
系と乗りかご,釣合いおもり,モータなどから決まる機
械系の固有振動周波数帯に発生する不快な乗りかご振動
を抑制しうるエレベーターの振動抑制装置を提供するこ
とにある。
は、エレベーターモデルをエレベーターの速度制御装置
内に持ち、このモデルの出力等に基づいて決定される振
動抑制信号によって電動機を制御することにより達成さ
れる。
作成され、速度制御に使用されるので、外部からのノイ
ズ混入などの悪影響が少なく、特別なコストアップな
く、縦振動の少ないエレベーターの速度制御を実現でき
る。
制御装置の実施例を図面により詳細に説明する。
置の全体構成をブロック図的に示した図である。
令、2はエレベーターシステムの実速度を検出するため
の速度検出器で、ここでは電動機の回転軸に直結ないし
はシーブ6やブレーキドラム(図示していない)でフリク
ション駆動され電動機の速度を検出するパルス発生器、
3は実速度検出器の出力を加工した検出実速度信号、4
は速度指令と検出実速度信号との偏差を求める比較器、
5は速度制御系を構築するための比例積分器などの制御
演算部、7は制御演算部5の出力であるトルク指令8と
振動抑制指令9との加算器、10はインバータやコンバ
ータなどの電力変換器、11は誘導電動機や直流電動機
などのエレベーター駆動用電動機、12はメインロー
プ、13は乗りかご、14は釣合い錘、15は乗りかご
やロープなどの機械系を完全剛体と見なした慣性系と駆
動系や制御系などの電気系を含むエレベーター剛体モデ
ル、16は速度指令1と乗りかごやロープなどの機械系
を完全剛体と見なした慣性系を含むエレベーター剛体モ
デルから得られる電動機の推定速度17との偏差を求め
る比較器モデル、18は制御演算部5を模擬した制御演
算部モデル、19は電力変換器10を模擬した電力変換
器モデル、20は電動機11を模擬した電動機モデル、
21は乗りかごやロープなどの機械系を完全剛体と見な
した慣性系モデル、22はエレベーター剛体モデル15
から得られる推定速度17と、検出実速度信号3又は後
述する乗りかご推定速度26とのいずれかを切り換える
スイッチ36を介した信号との偏差である乗りかご速度
の脈動信号23を求める比較器、24はこの速度脈動信
号23を入力し、脈動抑制信号9を作成する信号変換
器、25は機械系を乗りかごモデル32と釣合い錘モデ
ル33とシーブモデル34の3マスで構成し、電気系と
組み合わせた第二のモデルである。この第二のモデル2
5内の他の要素である制御演算部モデル29,電力変換
器モデル30,電動機モデル31,推定速度27,比較
器28は第一のモデル15と同様の構成としている。こ
のモデル25では、実機エレベーターの機械系のうち、
コンペンチェーン35を簡略した構成であり、実際の機
械系に存在するすべての機械系共振周波数の振動現象を
観測することは出来ないが、少なくともロープ系の1
次,2次の共振について推定する程度のことは可能であ
るといえる。さらに、この第二のモデルの内部には電力
変換器モデル30で通常発生するトルク脈動を簡便に等
価的に発生させる要素として脈動発生模擬要素37を入
れこみ、加算点38で信号加算し、シーブ34を加振し
て乗りかご32を加振する。この際、加振源となる脈動
発生模擬要素37の発生する信号の周期および位相は電
力変換器10で発生するであろう脈動波形と同期のとれ
たものであることが必要である。具体的な実現手段とし
ては、電力変換器10が例えばインバータ装置の場合に
は、インバータの3相出力の各相ゼロクロスに相当する
ポイントで、つまりインバータ出力に同期してその周波
数の6倍周波数で加振するように電力変換器10内部の
PWM信号発生装置(図示していない)から同期信号を
受けるなどして加振信号を作成し、重畳する。
りかご32は実際の乗りかご13とほぼ同じ揺れを生
じ、信号26は揺れが重畳した乗りかごの移動速度信号
となる。ここで、スイッチ36が信号26側に倒れてい
れば、加算点22で脈動のない第一の推定速度17との
減算が行われ、信号23には乗りかごの推定脈動成分が
流れ込むことになる。一方、スイッチ36が3の側に倒
れていれば、信号23にはモータ軸に生じている脈動成
分を含むモータ速度と脈動成分のない推定速度との差が
とられるので、結果としてモータ軸の脈動成分が流れ込
む。これらの成分は信号変換器24を通過して逆極性で
加算点7に加えられるので、発生脈動成分はメインルー
プである速度帰還ループよりも内側に帰還されることに
なり、脈動成分は効果的に打ち消すことが出来る。
図2を用いて説明する。なお、スイッチ36は図1のよ
うに倒れていることを前提として説明する。図2におい
て、S1は速度指令1の例、S3は検出実速度信号3の
例、S17はエレベーター剛体モデル15から得られる
推定速度17の例、S23は検出実速度信号3と推定速
度17との偏差信号の例、S9は信号変換器24の出力
である脈動抑制信号9の例である。ここで、検出実速度
S3には加減速中に機械系振動に伴う速度脈動が重畳し
ているが、推定速度S17にはモデルが剛体ゆえ、機械
系振動に起因する振動成分は重畳していない。従って、
S3とS17の偏差信号であるS23は機械系振動成分
をそのままの形で忠実に抽出可能である。次に、この信
号S23を信号変換器24を介して、電力変換器10や
電動機11の遅れ要素を補償し、S9のように位相調整
φやゲイン調整を行って加算点7にマイナループとして
入力し、この指令成分によって速度検出器2のポイント
で振動発生を打ち消すような制御系を構築するのであ
る。
同じ方向に揺れるモードのように、シーブ6や電動機軸
端では振動を検出出来ないモード(検出実速度信号3と
エレベーター剛体モデル15から得られる推定速度17
の組合せでは振動抑制制御出来ない振動モード)、ある
いは、検出できてもその値が非常に微小なモードでは、
スイッチ36を下側に倒せば、偏差信号S23は推定電
動機軸速度S17と推定乗りかご速度26との差信号と
なり、この信号を用いて振動抑制制御が行われれば、乗
りかごに生じている振動成分に応じた振動抑制制御が実
行され、抑制制御が可能である。そのような状況の一例
を図3に示す。図からわかるように、乗りかご位置や乗
客量(図示していない)に応じて各部における振動の検出
し易さ、つまり検出ゲインが変化する。ここでは、ある
一つの固有振動数に着目したシミュレーション結果を示
しているが、乗りかご位置が220m付近で電動機部で
はほとんど振動現象を検出できないが乗りかご部では振
動を検出可能であることがわかる。
一般的に用いられているコンペンロープとコンペンプー
リとこのコンペンプーリとピット床面との間に取り付け
られるダンパとの組合せによる機械的制振機構がないシ
ステムを例にして説明した。つまり、乗りかご13と釣
合い錘14とをつなぐものはコンペンチェーン35であ
り、これは乗りかご位置による主ロープのアンバランス
ロードの変化分を補償する機能しか有していない。コン
ペンロープを備えたシステムではコンペンプーリが上下
に振動するモード(乗りかごと釣合い錘が同相で上下動
するモード)はダンパによって減衰が期待できるが、コ
ンペンチェーンしか有していないシステムでは従来この
種の振動の抑制はあきらめられていたが、本提案で振動
抑制が可能となった。
ン結果の一例を示す。シミュレーション条件として、ビ
ル高さが230m,乗客数がゼロ,乗りかご位置が最上
階付近で上昇運転を行っているとき駆動電動機が駆動力
のほかトルクリプルを発生している状況を模擬し、乗り
かごに発生する縦振動加速度を計算している。本発明の
補償処理を行わない場合には、乗りかごの縦振動加速度
は約±0.025m/s2 であり、補償処理を行った場
合には、乗りかごの縦振動加速度は約±0.007m/s2
と約1/3に改善されていることがわかる。この方式で
は、機械系の振動成分をエレベーター駆動用電動機部で
検出できさえすればモデルに対する他からの混入信号源
や要素がないため、速度の脈動信号23は振動成分その
ままの形で得ることができ、さらに、信号変換器24で
加算器7から電動機11までの遅れ特性を適切に補償す
ることによって電動機部における脈動発生が抑制される
ため、その先にぶら下がっている乗りかごの不快な縦振
動も抑制出来るのである。また、このエレベーターモデ
ル25を用いる方法でも効果も同様の制振効果がある。
す。図5は加算器7から電動機11までの要素の遅れ特
性を考慮し、電動機部において脈動発生を適切に抑制す
るための位相の進み遅れ調整要素とゲイン調整要素を組
み込んだものである。図6に加算器7から電動機11ま
での周波数特性の一例を示すが、入力振動周波数の変化
にリンクしてエレベーターシステムの特性(ゲインも位
相)も変化する。本願の技術を例えばロープ系1次振動
の例として1.2Hz 前後の周波数帯に効かせる場合に
は、加算点7から速度発生までの遅れは−35°前後で
あるので、信号変換器24ではこの35°分の位相遅れ
を補償すべく約35°の位相進めを設定すれば、速度の
脈動成分の注入による振動抑制は十分な効果が得られ
る。さらに、乗りかご位置などが変化して条件が変わ
り、ロープ系の2次振動の例としてたとえば7Hz付近
の振動が出やすい条件では、位相進め量を約100°程
度に可変するなど運転条件で位相とゲインの補正量を可
変あるいは、切り換えるようにすれば、運転条件によっ
て変化・発生する複数の共振振動現象を効果的に抑制す
ることができる。
系の定常ゲインの低下により発生する低周波脈動を抑制
するためハイパスフィルタを組み込んだものであり、こ
れにより偏差信号をマイナループで帰還することにより
生じる悪影響を排除できるので、通常の振動抑制効果効
果は確保しつつ、良好な過渡応答が得られる他の効果が
ある。
モデル21のイナーシャを現在のエレベーターかご内の
乗客数にリンクさせて可変させたり、総合モデル25内
の機械系で、ロープ長さに対応して変化するバネ定数や
減衰係数、乗りかご内の乗客数にリンクして変化する乗
りかご重量を実機の状況(乗りかご位置や乗客数)に対
応してきめこまかく変化させれば、エレベーター剛体モ
デル15から得られる推定速度17や乗りかご速度の推
定値26の精度を高くすることができ、その結果として
的確な脈動抑制信号9を作成できるので、乗りかごの振
動抑制効果を高めることが出来る。
うに、信号変換器24内に振動抑制の目標とする周波数
帯域f0 以外の成分を遮断するバンドパスフィルタを設
ければ、振動抑制の目標とする周波数以外の周波数帯に
対する本脈動信号注入ルートの作用を無効にすることが
できるので、本ルートの他の周波数帯への悪影響をほと
んどなくすことが出来る。
る振動抑制指令9に相当する信号が通常のエレベーター
システムとして事前に予測される大きさや周波数から逸
脱しているどうかをチェックし、そのような場合には、
出力にリミットを設けることや出力すること自体を阻止
したり、警報を発するようにすれば、乗心地向上という
本来の目的達成のほか、安全性を損なわないというエレ
ベーターシステムにとっては重要な項目の両立が可能と
なる効果がある。
は第三のモデルとして第二のモデルの変形を使用する。
つまり、第二のモデル25において、速度指令は実エレ
ベーター装置に供給される速度指令1ではなく、ゼロ速
度指令を入力する。一方、脈動発生要素37は実際に電
力変換器および電動機に発生するであろうを脈動成分と
同期して、加算点38を通じて脈動を発生させ、乗りか
ごモデル32を加振する。この同期脈動成分は電力変換
器に与える制御信号、とりわけ、電力変換器がインバー
タ装置などではインバータ周波数の6倍周波数に代表さ
れるモード変化時に同期させて生成する。又、モデル2
5内での速度指令はゼロであるため、乗りかごの推定速
度信号はゼロであり、乗りかごの速度脈動成分だけが推
定信号として検出され、その信号はそのままの形で脈動
信号23となり、信号変換器24を介して、振動抑制信
号9に変換され、加算器7から制御系に注入される構成
である。この実施例では脈動成分は第三のモデルだけで
推定可能であり、第一のモデル計算が不要などマイコン
の計算処理が短くてよく、安価なマイコンの使用が可能
などシステム構築上の他のメリットがある。
こでは、第三のモデルとして第二のモデルを図8よりも
さらに簡略化している。具体的には、乗りかご32が固
定端から主ロープでつり下げられ、その上端部を加振す
る脈動発生要素37の二つの要素から構成されている。
ここでは、図1の第一のモデルと検出速度3との組合せ
で抽出不可能な振動モード(釣合い錘と乗りかごが同方
向に揺れ、揺れに伴って綱車6が左右には回転しないモ
ード)では釣合い錘と乗りかごが同方向に揺れ、綱車6
が固定端になることに着目し、機械系を主ロープと乗り
かごのみの構成とした。この実施例でも脈動成分は第三
のモデルだけで推定可能であり、第一のモデル計算が不
要であり、さらにマイコンの計算処理も一層が短くてよ
く、安価なマイコンの使用が可能などシステム構築上の
他のメリットがある。
15や信号変換器24を通常の速度制御装置とは別置装
置のように示したが、比較器22,4,制御演算部5な
どと同様にエレベーター制御用のマイコン内にソフトウ
ェアで構築すればノイズなどに強い制御系を組むことが
できる。勿論、速度制御系を構築するための比例積分器
などの制御演算部とは独立にアナログ回路などで構築し
ても本願の振動抑制効果は損われないし、この場合に
は、ソフトウェアで問題となる処理速度上の制約が無い
ため、制振対象とする振動の周波数は高周波領域まで拡
大することができという他の効果がある。
信号を検出するため、エレベーターシステムの実速度を
電動機の軸端、あるいは綱車の周上にフリクション駆動
する速度検出器により検出しているので、本来の速度制
御に用いる実速度信号と共通化が図れ、制御回路への信
号取り込みや、信号線が短いことからノイズ混入の可能
性が少なくなり、信頼性などの点でエレベーターに格好
な高信頼度なシステムを構築できる効果がある。
に示した加算器7から電動機11までの周波数特性以外
に図3からわかるように、乗りかご位置や乗客量(図示
していない)に応じて振動の検出し易さ、つまり検出ゲ
インが変化するので、振動抑制制御系を安定に動作させ
るために乗りかご位置や乗客量に応じて図5,図7のゲ
インKを可変とするようにする。このようにすればエレ
ベーターの運転条件のいかんにかかわらず安定した制振
制御がかけられるので良好な乗心地が得られる。具体的
にはKの値を乗りかご位置や乗客量に対してテーブル化
しておき、これを乗りかご位置や乗客量で検索するよう
にすれば処理が短時間に完了できるので、振動抑制制御
の領域を広くとることができる。また、その都度Kの値
を計算するようにすればやや計算時間はかかるもののテ
ーブル化のためのメモリを省略できる他の効果がある。
5のうち、慣性系モデル21は乗りかご位置や乗客量に
よって慣性分が変化する可能性がある。この変化分は推
定速度17と検出実速度3との間に速度の非振動成分誤
差を発生させ、速度の脈動信号23にバイアス成分的な
余分な成分を混入させる。そこで、本願ではエレベータ
ー剛体モデル15内の慣性系モデル21の慣性分を乗り
かご位置や乗客量に応じて変化させるようにした。この
ようにすればエレベーターの運転状態とは無関係に安定
した振動抑制を実現できる他の効果がある。
モデル15は速度指令に対する発生速度のうち振動成分
などを含まない、いわゆる基本波成分に相当するものの
みを推定すれば良いので、モデルについては厳密な模擬
性というものが必ずしも要求されない。そこで、電力変
換器モデル19,電動機モデル20を詳細なモデルでは
なく、一次遅れ程度に近似した。その効果として、モデ
ルの記憶に必要なメモリ空間を節約できるばかりではな
く演算を簡単化することができ、安価なマイコンを使用
することが可能となる工業上の効果がある。
る検出実測度検出のインターバルを比較器4で用いる値
の検出インターバルよりも短くすれば、振動抑制指令9
を短い間隔で制御系に供給でき、振動抑制に関する周波
数帯域を高周波側に拡大することが可能となり、より一
層高周波の振動に対しても制振効果を発揮することが可
能となる効果がある。
部からのノイズ混入などの悪影響を受けず、特別な付加
装置によるコストアップをも避けつつ乗りかごの振動現
象を抑制することができるので、ロープ系に伴う乗りか
ごの不快な縦ゆれ等を低減することができる。
成を示す図。
7…加算器、9…振動抑制指令、10…電力変換器、1
1…エレベーター駆動用電動機、13…乗りかご、15
…エレベーター剛体モデル、17…電動機推定速度、1
9,30…電力変換器モデル、20,31…電動機モデ
ル、21…慣性系モデル、22…比較器、23,37,
38…速度脈動信号、24,24−1,24−2…信号
変換器、25…エレベーター総合モデル、26…エレベ
ーター乗りかご推定速度、32〜34…エレベーター機
械系モデル、39…スイッチ、K…信号変換器のゲイ
ン、T1,T2,T3…信号変換器内の伝達要素の時定
数、f0…バンドパスフィルタの中心周波数。
Claims (11)
- 【請求項1】乗りかごと釣合い錘、および両者を結合し
た主ロープと補償チェーンよりなるエレベーター機械系
を駆動するエレベーター駆動装置とこの駆動装置の速度
制御を行うエレベーター制御装置を備えたエレベーター
制御システムにおいて、上記エレベーター制御装置内に
上記駆動装置の速度指令を入力とし、上記駆動装置の推
定速度を出力とする上記乗りかごなど機械系を完全剛体
と見なした慣性系を含む第一のエレベーターモデルと、
上記駆動装置の速度指令を入力とし、上記乗りかごの推
定速度を出力とするエレベーター機械系を含む第二のエ
レベーターモデルを設け、この第一のモデルの出力であ
る駆動装置の推定速度と第二のモデルの出力である乗り
かごの推定速度との偏差信号を求め、これを上記エレベ
ーター制御装置内の速度制御ループよりも内側に入力す
ることを特徴とするエレベーターの振動抑制制御装置。 - 【請求項2】乗りかごと釣合い錘、および両者を結合し
た主ロープと補償チェーンよりなるエレベーター機械系
を駆動するエレベーター駆動装置とこの駆動装置の速度
制御を行うエレベーター制御装置を備えたエレベーター
制御システムにおいて、上記エレベータ制御装置内に上
記駆動装置の速度指令を入力とし、上記駆動装置の推定
速度を出力とする上記乗りかごなど機械系を完全剛体と
見なした慣性系を含む第一のエレベーターモデルと、上
記駆動装置の速度指令を入力とし、上記乗りかごの推定
速度を出力とする第二のエレベーターモデルを設け、こ
の第一のモデルの出力である駆動装置の推定速度と第二
のモデルの出力である乗りかごの推定速度との間の第一
の偏差信号と、上記第一のモデルの出力である駆動装置
の推定速度と上記駆動装置の検出実速度との間の第二の
偏差信号とを求め、上記乗りかごが中間階付近に存在す
る場合には上記第一の偏差信号を、上記乗りかごが中間
階付近以外に存在する場合には上記第二の偏差信号を上
記エレベーター制御装置内の速度制御ループよりも内側
に入力することを特徴とするエレベーターの振動抑制制
御装置。 - 【請求項3】乗りかごと釣合い錘、および両者を結合し
た主ロープよりなるエレベーター機械系を駆動するエレ
ベーター駆動装置とこの駆動装置の速度制御を行うエレ
ベーター制御装置を備えたエレベーター制御システムに
おいて、エレベーター機械系モデルとこの機械系モデル
を加振する脈動発生要素を含む第三のモデルを設け、こ
の第三のモデルの出力である乗りかごの推定脈動速度成
分を振動抑制信号として上記エレベーター制御装置内の
速度制御ループよりも内側に入力することを特徴とする
エレベーターの振動抑制制御装置。 - 【請求項4】上記第二又は第三のエレベーターモデルは
乗りかご,駆動装置,釣合いおもりの3マスと主ロープ
のバネ系からなる機械系モデルを含むことを特徴とする
1項,2項又は3項記載のエレベーターの振動抑制制御
装置。 - 【請求項5】上記第二又は第三のエレベーターモデルは
乗りかごの1マスと乗りかごと駆動装置間の主ロープの
バネ系からなる機械系モデルを含むことを特徴とする1
項,2項又は3項記載のエレベーターの振動抑制制御装
置。 - 【請求項6】上記第二のエレベーターモデル内の駆動装
置はトルク脈動の発生を模擬する要素を含み、この出力
信号は上記エレベーターモデル内の機械系の加振源とな
ることを特徴とする1項又は2項記載のエレベーターの
振動抑制制御装置。 - 【請求項7】上記トルク脈動の発生模擬要素は、上記実
エレベーター駆動装置に生じるトルク脈動発生と同期し
た出力信号を出力することを特徴とする3項または6項
記載のエレベーターの振動抑制制御装置。 - 【請求項8】上記偏差信号の利得を上記エレベーターの
運転条件で可変制御とすることを特徴とする1項又は2
項記載のエレベーターの振動抑制制御装置。 - 【請求項9】上記エレベーターの運転条件とは上記乗り
かごの位置または乗客量であることを特徴とする6項記
載のエレベーターの振動抑制制御装置。 - 【請求項10】上記利得の可変制御とは上記乗りかごの
位置が中間階付近にあるとき偏差信号のゲインを高く制
御し、それ以外のとき低く制御することを特徴とする7
項記載のエレベーターの振動抑制制御装置。 - 【請求項11】上記トルク脈動の発生模擬要素は、上記
実エレベーター駆動装置内電力変換器への制御信号と同
期した出力信号を出力することを特徴とする7項記載の
エレベーターの振動抑制制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05067869A JP3112050B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | エレベーターの振動抑制装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05067869A JP3112050B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | エレベーターの振動抑制装置 |
Publications (2)
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1993
- 1993-03-26 JP JP05067869A patent/JP3112050B2/ja not_active Expired - Lifetime
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