JPH06278658A - フェンダライナー - Google Patents

フェンダライナー

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JPH06278658A
JPH06278658A JP6826993A JP6826993A JPH06278658A JP H06278658 A JPH06278658 A JP H06278658A JP 6826993 A JP6826993 A JP 6826993A JP 6826993 A JP6826993 A JP 6826993A JP H06278658 A JPH06278658 A JP H06278658A
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fender liner
resin
less
wall thickness
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JP6826993A
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Inventor
Junji Koizumi
順二 小泉
Katsushi Ito
克志 伊藤
Kiyoshi Suenaga
清 末永
Junichi Sato
純一 佐藤
Akemi Ozawa
朱美 小沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R13/00Elements for body-finishing, identifying, or decorating; Arrangements or adaptations for advertising purposes
    • B60R13/08Insulating elements, e.g. for sound insulation

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  • Acoustics & Sound (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】安価で製造すること及び優れた防音性能を発揮
することが可能で、容易にかつ確実に取付けることの可
能なフェンダライナーを提供する。 【構成】自動車1のホイールハウス2内部における車輪
3のトレッドに対向する部分にはフェンダライナー4が
設けられている。フェンダライナー4は、30重量%以
上95重量%未満のポリエチレン樹脂及びポリプロピレ
ン樹脂の少なくとも一方と、5重量%以上70重量%未
満のポリブテン−1樹脂とを有している。また、その肉
厚は0.5mm以上2.0mm未満であり、そのショア
D硬度は50以上、損失係数は0.05以上となってい
る。従って、取付に際し、撓んだりすることにより取付
に支障を来すことがない。また、小石等があたったとし
ても、その際の衝撃力は十分に吸収され、車両室内にお
いて響く音量が低いものとなる。更に、厚肉であること
に起因しての騒音の増大のおそれが緩和される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のホイールハウ
スの内部に設けられる樹脂製のフェンダライナーに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のホイールハウスの内部には、泥
避け、防錆等を主目的とした樹脂製のフェンダライナー
が設けられている場合がある。このフェンダライナー
は、ある程度の衝撃吸収性が要求されるとともに、低コ
ストでの成形が要求されている。このため、従来では、
ポリエチレン又はポリプロピレンといった汎用の樹脂素
材によって形成されている。
【0003】ところで、フェンダライナーには、ホイー
ルによって撥ね飛ばされた小石や、雪道走行中に撥ね上
げられた雪塊等があたる。このため、近年では、小石や
雪塊等がフェンダライナーにあたった場合でも、そのと
きの衝撃音を吸収して、車両室内における静粛性を十分
に確保することが要求されるようになってきている。こ
のための方策として、例えば、低密度ポリエチレン等の
軟質樹脂や、EPDM(エチレン−プロピレン−ジエン
共重合ゴム)等のゴム材料からなる衝撃吸収性能に優れ
た素材によって、フェンダライナーを形成することが考
えられる(特開昭60−139573号公報参照)。こ
の技術によれば、ある程度の衝撃吸収性能を確保するこ
とができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のフェンダライナーは、ゴム材料等の軟質素材が
配合されているため、剛性に欠けるという点で問題があ
った。すなわち、フェンダライナーは自動車用外装部品
としては比較的大きいものである。そのため、フェンダ
ライナーを取付ける際には、同ライナーが大きく撓んで
しまい、取付けることが非常に困難となってしまってい
た。その結果、取付作業の能率が低下し、生産性が低下
してしまうという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、安価で製造すること及
び優れた防音性能を発揮することが可能で、しかも、取
付時においては、容易にかつ確実に取付けることの可能
なフェンダライナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明においては、30重量%以上95重量%未満
のポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の少なくと
も一方と、5重量%以上70重量%未満のポリブチレン
樹脂とからなり、ショアD硬度が50以上で、損失係数
が0.05以上で、かつ、肉厚が0.5mm以上2.0
mm未満の条件を満足するフェンダライナーをその要旨
としている。
【0007】ここで、ポリエチレン樹脂としては、結晶
性を有するものであって、高密度ポリエチレン、中密度
ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン及びこれらの混合物を適用することが可能であ
る。
【0008】また、ポリプロピレン樹脂としては、結晶
性を有するものであって、ポリプロピレンのホモポリマ
ーはもちろんのこと、その外にも、エチレン−プロピレ
ンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共
重合体及びこれらの混合物を適用することが可能であ
る。
【0009】さらに、ポリブチレン樹脂としては、結晶
性を有するものであって、ポリブテン−1のホモポリマ
ーはもちろんのこと、その外にも、エチレン−ブチレン
共重合体及びこれらの混合物を適用することが可能であ
る。特に、上記ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂
との相溶性を向上させる目的からは、エチレン含量が、
0.5重量%以上20重量%未満のエチレン−ブチレン
共重合体を用いることが好ましい。
【0010】併せて、その他の成分として、結晶化度が
10%以下のエチレン−αオレフィン共重合体(αオレ
フィンとしては、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−
1、ヘキセン−1等が挙げられる)を必要量添加しても
よい。なお、エチレン−αオレフィン共重合体として
は、無定形のものを用いるのがより一層好ましい。
【0011】また、本発明のフェンダライナーは、ショ
アD硬度が50以上で、損失係数が0.05以上で、か
つ、肉厚が0.5mm以上2.0mm未満の条件を満足
する必要がある。ショアD硬度は、ASTM(アメリカ
材料試験協会)の規格による「ASTM D2240
(Dスケール)」の測定法により測定される値である。
このショアD硬度の値が50未満の場合には、フェンダ
ライナーが、その取付に際して撓んでしまって取付が困
難となるおそれがある。また、損失係数が0.05未満
の場合には、十分な衝撃吸収性能が得られず、防音性に
欠けるものとなってしまうおそれがある。さらに、肉厚
が0.5mm未満の場合には、金型での成形が困難なも
のとなってしまい、成形性に欠ける。併せて、肉厚が
2.0mm以上の場合には、成形性の面では優れるもの
の、重量の増大を招くとともに、防音性に欠けるものと
なってしまう。
【0012】
【作用】上記の構成によれば、フェンダライナーを構成
する樹脂材料が、30重量%以上95重量%未満のポリ
エチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の少なくとも一方
と、5重量%以上70重量%未満のポリブチレン樹脂と
を有している。これらの樹脂はいずれも汎用樹脂であ
り、安価に入手することが可能となる。そのため、製造
に際してのコストの上昇を招くおそれがない。
【0013】また、ショアD硬度が50以上であるの
で、取付に際し、撓んだりすることにより取付に支障が
生じることがなく、十分な取付剛性が確保される。さら
に、損失係数が0.05以上であるので、仮に小石等が
あたったとしても、その際の衝撃力は十分に吸収され、
車両室内において響く音量が低いものとなる。
【0014】併せて、肉厚が0.5mm以上であるの
で、成形に際し、樹脂は金型内で容易に流動し、成形性
が損なわれることはない。加えて、肉厚が2.0mm未
満であるので、重量が増大することなく、しかも厚肉に
起因しての騒音の増大のおそれが緩和される。
【0015】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例について、
図1〜5に基づいて説明する。図1,2に示すように、
自動車1の各ホイールハウス2内部には、車輪3が配設
されている。このホイールハウス2における車輪3のト
レッドに対向する部分にはフェンダライナー4が設けら
れている。
【0016】このフェンダライナー4は、30重量%以
上95重量%未満のポリエチレン樹脂及びポリプロピレ
ン樹脂の少なくとも一方と、5重量%以上70重量%未
満のポリブテン−1樹脂とを有している。また、フェン
ダライナー4は公知の射出成形法又は射出圧縮成形法に
より形成され、その肉厚が0.5mm以上2.0mm未
満となっている。そして、フェンダライナー4において
は、そのショアD硬度が50以上、損失係数が0.05
以上となっている。
【0017】このフェンダライナー4によれば、用いら
れる樹脂素材が、いずれも汎用の樹脂であり、安価に入
手することができる。そのため、製造に際してのコスト
の上昇を招くおそれがなく、安価に製造することができ
る。
【0018】また、ショアD硬度が50以上であるの
で、取付に際し、撓んだりすることにより取付に支障を
来すことがない。そのため、十分な取付剛性が確保さ
れ、取付時においては、容易にかつ確実に取付けること
ができる。
【0019】さらに、損失係数が0.05以上であるの
で、仮に小石等があたったとしても、その際の衝撃力は
十分に吸収され、車両室内において響く音量が低いもの
となる。従って、優れた防音性能を発揮することがで
き、車両室内における静粛性を確保することができる。
【0020】併せて、肉厚が0.5mm以上であるの
で、成形に際し、樹脂は金型内で容易に流動し、成形性
が損なわれることはない。その結果、公知の成形技術を
用いて容易に成形することができる。
【0021】加えて、肉厚が2.0mm未満であるの
で、重量が必要以上に増大することなく、自身の軽量化
を図ることができる。しかも、厚肉であることに起因し
ての騒音の増大のおそれが緩和される。その結果、車両
室内における静粛性を従来品に比べてより一層確実なも
のとすることができる。
【0022】〔実施例1〜8及び比較例1〜7〕さて、
上記の作用・効果を確認するために、素材として使用す
る樹脂等を変更させて種々の実験を行った。以下にその
実験結果等について説明する。
【0023】(試料の成形)実施例1として、高密度ポ
リエチレン(以下、単に「HDPE」という)〔AST
M D1238による190℃におけるメルトインデッ
クス(MI)=9g/10分〕が70重量%、ポリブテン
−1〔ASTM D1238Eによる190℃における
メルトフローレート(MFR)=1.0g/10分;但
し、本実施例ではエチレン含量2.9重量%のエチレン
−ブチレン共重合体を用いた〕が30重量%それぞれ混
合された材料を用い、肉厚1.0mmのフェンダライナ
ーを成形した。ここで、成形に際しては公知の射出圧縮
成形法を用いた。すなわち、金型内のキャビティの大き
さを幾分大きめにした状態で、樹脂を射出した。そし
て、樹脂がキャビティ内に60〜70%充填された段階
で、型締めを行い、圧縮して成形した。
【0024】実施例2として、HDPEが56重量%、
ポリプロピレン(以下、単に「PP」という)〔AST
M D1238による230℃におけるメルトフローレ
ート(MFR)=45g/10分;但し、本実施例ではエ
チレン含量7重量%のエチレン−ブチレンブロック共重
合体を用いた〕が14重量%、ポリブテン−1が30重
量%それぞれ混合された材料を用い、前記と同様に射出
圧縮成形法により肉厚1.1mmのフェンダライナーを
成形した。
【0025】実施例3として、中密度ポリエチレン(以
下、単に「MDPE」という)〔ASTM D1238
による190℃におけるメルトインデックス(MI)=
20g/10分〕が70重量%、ポリブテン−1が30重
量%それぞれ混合された材料を用い、前記と同様に肉厚
1.1mmのフェンダライナーを成形した。
【0026】実施例4として、線状低密度ポリエチレン
(以下、単に「LLDPE」という)〔ASTM D1
238による190℃におけるメルトインデックス(M
I)=15g/10分〕が60重量%、PPが10重量
%、ポリブテン−1が30重量%それぞれ混合された材
料を用い、前記と同様に肉厚1.0mmのフェンダライ
ナーを成形した。
【0027】実施例5として、PPが70重量%、ポリ
ブテン−1が30重量%それぞれ混合された材料を用
い、前記と同様に肉厚1.3mmのフェンダライナーを
成形した。
【0028】実施例6として、MDPEが20重量%、
LLDPEが40重量%、PPが10重量%、ポリブテ
ン−1が30重量%それぞれ混合された材料を用い、前
記と同様に肉厚1.1mmのフェンダライナーを成形し
た。
【0029】実施例7として、HDPEが40重量%、
PPが10重量%、ポリブテン−1が50重量%それぞ
れ混合された材料を用い、前記と同様に肉厚1.3mm
のフェンダライナーを成形した。
【0030】実施例8として、HDPEが20重量%、
PPが50重量%、ポリブテン−1が30重量%それぞ
れ混合された材料を用い、前記と同様に肉厚1.1mm
のフェンダライナーを成形した。
【0031】また、比較例1として、HDPEが100
重量%の材料を用い、前記と同様に肉厚1.1mmのフ
ェンダライナーを成形した。比較例2として、MDPE
が100重量%の材料を用い、前記と同様に肉厚1.0
mmのフェンダライナーを成形した。
【0032】比較例3として、LLDPEが100重量
%の材料を用い、前記と同様に肉厚1.1mmのフェン
ダライナーを成形した。比較例4として、PPが50重
量%、EPDM〔100℃におけるムーニー粘度ML
1+4 =88、ヨウ素価=15.0、プロピレン含量=2
8重量%〕が48.9重量%、過酸化物〔1,3-Bis(t-bu
tyl peroxy isopropyl)benzene〕が0.1重量%、架橋
助剤(ジビニルベンゼン)が1重量%それぞれ混合され
た材料を用い、前記と同様に肉厚1.3mmのフェンダ
ライナーを成形した。
【0033】比較例5として、PPが100重量%の材
料を用い、前記と同様に肉厚1.0mmのフェンダライ
ナーを成形した。比較例6として、前記実施例8と同一
の素材、すなわち、HDPEが20重量%、PPが50
重量%、ポリブテン−1が30重量%それぞれ混合され
た材料を用い、肉厚2.5mmのフェンダライナーを成
形した。
【0034】比較例7として、ポリブテン−1が100
重量%の材料を用い、前記と同様に肉厚1.7mmのフ
ェンダライナーを成形した。 (性能等の評価)上記のように作製した試料に基づい
て、曲げ弾性率、ショアD硬度、損失係数、騒音レベル
及び成形性についての評価を行った。
【0035】(1)曲げ弾性率については、ASTM
790に従い、曲げスピード2mm/分で測定した。 (2)ショアD硬度については、ASTM D2240
(Dスケール)に従って測定した。
【0036】(3)損失係数については、上記試料を1
20mm×210mmの平板に切断し、その中央部を
0.1(G)の加速度で加振し、2次共振点から半値幅
法(ハーフパワー法)により計算した。
【0037】(4)騒音レベルについては、上記試料を
120mm×210mmの平板に切断し、このテストピ
ースを用いて、以下のように測定した。すなわち、図3
に示すように、騒音測定装置11は、防音室内に配備さ
れる。装置11の前後には一対の台座12,13が配置
されており、各台座12,13には、左右一対の支柱1
2A,12B,13A,13Bが立設されている。後部
の支柱13A,13Bには、テストピースPの両側部
が、ボルト14(図4参照)の締付けに伴うPP製の板
15によって挟持固定されている。また、前部の支柱1
2A,12Bには、逆T字状の支持棒16が取付けら
れ、その先端部にはマイク17及びデジタルフィルタ1
8が装備されている。さらに、両台座12,13間に
は、中央支柱19が立設され、その略上端部には、振り
子の原理により揺動可能なアルミニウム製の打撃治具2
0がその基端部において取付けられている。
【0038】そして、測定時においては、この打撃治具
20を所定高さから揺動させる。この揺動に伴い、テス
トピースPの中央部には、打撃治具20先端部があた
る。そのときの衝撃音がマイク17により増幅され、デ
ジタルフィルタ18により周波数分析が行われる。本実
施例では、この分析結果に基づいて騒音レベル(dB)
を測定した。
【0039】(5)成形性については、成形に際しての
金型内での樹脂の流動性の良悪に鑑み、得られた試験片
の形状、外観品質等により評価した。以下に、上記の評
価結果を表1〜表3に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】これらの表に示すように、比較例1では、
HDPEを100%用いている。この場合、損失係数が
小さく、しかも騒音レベル高い。従って、防音性の点で
問題があるといえる。
【0044】比較例2では、MDPEを100%用いて
いる。この場合にも、損失係数が小さく、しかも騒音レ
ベル高い。従って、上記と同様、防音性の点で問題があ
るといえる。
【0045】比較例3では、LLDPEを100%用い
ている。この場合、損失係数は大きく、騒音レベルに関
してはさほど問題がないものの、ショアD硬度が低い。
そのため、撓みやすく、組付作業性が悪いといえる。
【0046】比較例4では、EPDMが50%近く混入
されている。この場合、損失係数及び騒音レベルに関し
ては十分満足するものの、曲げ弾性率及びショアD硬度
が著しく低くなってしまう。そのため、組付作業性が悪
いといえる。
【0047】比較例5では、PPを100%用いてい
る。この場合、損失係数がやや小さく、騒音レベルが高
い。そのため、防音性の点で問題があるといえる。比較
例6では、後述する実施例8と同等の素材を用いている
が、肉厚が2.5mmと厚いため、騒音レベルが著しく
大きいものとなってしまう。そのため、防音性の点で問
題があるといえる。
【0048】比較例7では、ポリブテン−1を100%
用いているが、成形性が著しく悪い。すなわち、成形時
において、金型内に十分に樹脂が充填されない、いわゆ
るショートショット部が発生してしまった。
【0049】一方、実施例1〜8においては、本発明の
要件を全て充足するものである。例えば、図5は、前記
実施例1〜8及び比較例1〜7の各ショアD硬度と、騒
音レベルとの関係をプロットしたグラフである。同図か
らも明らかなように、実施例1〜8においては、ショア
D硬度が50以上で、しかも、騒音レベルも66.3d
B(実施例7)以下であった。なお、このグラフにおい
ては、ショアD硬度が低い方が、取付剛性に優れている
といえる。また、騒音レベルの低い方が防音性に優れて
いるといえる。
【0050】このように、実施例1〜8における試験片
のショアD硬度はいずれも50以上である。従って、取
付に際し、撓んだりすることにより取付に支障を来すこ
とがない。そのため、十分な取付剛性が確保され、取付
時においては、容易にかつ確実に取付けることができ
る。
【0051】また、実施例1〜8における試験片の肉厚
はいずれも0.5mm以上である。従って、成形に際
し、樹脂は金型内で容易に流動し、成形性が損なわれる
ことはない。その結果、公知の成形技術を用いて容易に
成形することができる。また、肉厚が2.0mm未満で
あるので、重量が必要以上に増大することなく、自身の
軽量化を図ることができる。しかも、厚肉であることに
起因しての騒音の増大のおそれが緩和される。その結
果、車両室内における静粛性を従来品に比べてより一層
確実なものとすることができる。
【0052】さらに、実施例1〜8における試験片の損
失係数はいずれも0.05以上である。従って、仮に小
石等があたったとしても、その際の衝撃力は十分に吸収
され、車両室内において響く音量が低いものとなる。実
際に、測定された騒音レベルは、最高でも66.3dB
と低く抑えることができた。従って、優れた防音性能を
発揮することができ、車両室内における静粛性を確保す
ることができるといえる。
【0053】併せて、実施例1〜8においては、用いら
れる樹脂が、いずれも汎用樹脂であり、安価に入手する
ことができる。そのため、製造に際しての材料コストの
上昇を招くおそれがなく、フェンダライナーを安価に製
造することができるといえる。
【0054】加えて、実施例1〜8の組成によれば、流
動性に優れ、その結果成形性に優れる。すなわち、成形
時において、ショートショット等の不具合の発生するお
それがなく、ひいては、確実にフェンダライナーを成形
することができる。
【0055】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、30重量%以上95重量%未満
のポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の少なくと
も一方と、5重量%以上70重量%未満のポリブテン−
1樹脂のみからなる組成を実施例1〜8に例示した。し
かし、その外にもポリアミド、ポリエステル等の汎用樹
脂を若干量添加する程度においては、本発明の趣旨を何
ら逸脱するものではない。また、上記組成のフェンダラ
イナーに対し、硬化剤や着色剤等の各種添加剤を微量混
入してもよいことはいうまでもない。
【0056】(2)前記実施例1〜8では、射出圧縮成
形法を用いてフェンダライナーを成形するようにした
が、その外にも通常の射出成形法を採用してもよいし、
また、真空成形法により成形してもよい。
【0057】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のフェンダ
ライナーによれば、30重量%以上95重量%未満のポ
リエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の少なくとも一
方と、5重量%以上70重量%未満のポリブテン−1樹
脂とを備え、ショアD硬度が50以上で、損失係数が
0.05以上で、かつ、肉厚が0.5mm以上2.0m
m未満の条件を満足する。従って、安価で製造すること
ができるとともに、優れた防音性能を発揮することがで
きる。しかも、取付時においては、容易にかつ確実に取
付けることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した実施例におけるフェンダラ
イナー等を示す斜視図である。
【図2】実施例におけるフェンダライナー等を示す要部
概略断面図である。
【図3】実施例において、騒音レベルの評価測定するた
めの装置を示す斜視図である。
【図4】実施例において、騒音レベルの評価測定するた
めの装置を示す要部正面図である。
【図5】実施例において、ショアD硬度と騒音レベルと
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
4…フェンダライナー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 末永 清 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 佐藤 純一 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内 (72)発明者 小沢 朱美 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成 株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 30重量%以上95重量%未満のポリエ
    チレン樹脂及びポリプロピレン樹脂の少なくとも一方
    と、 5重量%以上70重量%未満のポリブチレン樹脂とから
    なり、 ショアD硬度が50以上で、損失係数が0.05以上
    で、かつ、肉厚が0.5mm以上2.0mm未満の条件
    を満足するフェンダライナー。
JP6826993A 1993-03-26 1993-03-26 フェンダライナー Pending JPH06278658A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6826993A JPH06278658A (ja) 1993-03-26 1993-03-26 フェンダライナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6826993A JPH06278658A (ja) 1993-03-26 1993-03-26 フェンダライナー

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Publication Number Publication Date
JPH06278658A true JPH06278658A (ja) 1994-10-04

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ID=13368871

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