JPH06278056A - 触覚呈示装置 - Google Patents

触覚呈示装置

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JPH06278056A
JPH06278056A JP6806193A JP6806193A JPH06278056A JP H06278056 A JPH06278056 A JP H06278056A JP 6806193 A JP6806193 A JP 6806193A JP 6806193 A JP6806193 A JP 6806193A JP H06278056 A JPH06278056 A JP H06278056A
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Takeo Asano
武夫 浅野
Hisashi Nishimura
西村  久
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、操作者が対象物を最適な操作力で操
作、あるいは判断できるように、滑り感や表面粗さ等の
表面情報を含めて、操作者に伝達することにより、現状
で問題となっている操作の乖離感を無くして、装置の機
能向上と、より正確で操作性の良い装置を提供すること
を目的とする。 【構成】対象物との接触状態を検出してその触覚状態信
号を出力する検出手段51と、その接触状態信号を触覚
情報に変換する信号処理手段52、及び触覚呈示手段5
3とから構成され、その触覚呈示手段53は圧電素子
と、その圧電素子の振動を伝達する弾性部材、及びその
弾性部材の振動を操作者の指先に伝達する伝達部材から
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接触れることができ
ない対象物を操作する場合に、その対象物の触覚情報を
人間の触覚器官に伝達する触覚呈示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直接触れることができない微細試料や極
限環境にて作業を行なう装置であって、操作者が操作を
行なう操作部と、それによってマニピュレータ等が対象
物に対して直接作業を行なう動作部の2つの部分に大き
く分類され、その対象物を間接的に取り扱う操作装置と
して例えば以下のようなものが存在する。
【0003】図14は顕微鏡に設置して用いられるマイ
クロマニピュレータを示す図で、図14(A)は全体を
示す図であり、図14(B)は部分拡大図である。この
顕微鏡は、顕微鏡本体131に操作対象物132を支持
するピペット133及び、その対象物に対して作業を行
うマニピュレータ134とが操作可能に取り付けられて
いる。そして顕微鏡本体には、前記ピペット133及び
マニピュレータ134をそれぞれ手元で操作するための
ジョイスティック135,136が取り付けられてい
る。(計測と制御;Vol.23,No.9,P32-38細胞微細操作:
鹿野参照) このような構成により対象物132を顕微鏡で観察しな
がらピペット133及びマニピュレータ134とをジョ
イスティック135,136を操作することにより、受
精卵等の微細な細胞をピペット133によって吸引して
固定しておき、刺針によって細胞内に試薬を注入した
り、異なる遺伝情報の注入等を行う。
【0004】図15はロボットのマニピュレータシステ
ムを示す図である。実際に作業動作を行う動作部は、セ
ンサを備えた複数の関節141及び処置部142を有す
るスレイブアーム143とからなる。また、操作者が動
きを与えるための操作部は、そのスレイブアーム143
と操作者の腕の動作自由度の整合をとるべく、スレイブ
アーム143の構成に対応した、センサを備えた複数の
関節144及び処置部145を有するマスタアーム14
6と、動作を直接伝えるようにマスタアーム146に操
作者の腕を固定する固定部材147とから成る。そし
て、スレイブアームとマスタアームとの両者の動きを制
御する各種の処理を行う信号処理回路を含む制御系14
8が接続されている。
【0005】このような構成により、操作者がマスタア
ームに固定部材147によって腕を固定し、任意に操作
することによりその動作状態がセンサの情報を制御し対
応するスレイブアーム143を駆動する。そして、操作
者の動作をマスタアーム146を介してスレイブアーム
143で再現し、また、スレイブアーム143が受ける
外力をマスタアーム146を介して操作者が直接力とし
て受ける。(機会技術研究所所報;Vol.46(1992),No.2
P,170-182インピーダンス制御型マスタ・スレーブ・シ
ステム−基本原理と伝送遅れへの応用:舘、榊 参照)
【0006】このように現在では、上述したような一連
のマニピュレータシステムは、顕微鏡やロボットのマニ
ピュレータシステムを始めとして数多く発表されてい
る。
【0007】しかし、上述したような従来の装置では、
操作時に対象物や組織に動作部のマニピュレータがどの
ような状態で接触しているのか、あるいは、対象物をど
れくらいの力量で把持しているのかという、接触もしく
は把持状態を認識すること、及び対象物の表面粗さや表
面温度等の各種接触情報を得ることはできなかった。つ
まり、従来の装置においては、上記各種触覚情報を操作
者にフィードバックすることは行われておらず、人間の
触覚に基づく微妙でかつ正確な操作を行うことは不可能
であった。
【0008】そのため、例えば上述した従来の装置にお
いては、顕微鏡に設置して用いられるマイクロマニピュ
レータでは、2次元画像で得られる情報により動作部が
どのように対象物に接触しているかの判断、あるいは、
対象物や操作部位の微小化の傾向等に対応すべく相当な
技術が要求された。また、ロボットのマニピュレータシ
ステムでは、対象物の搬送等のようにおおまかな動作に
対しては、従来の感覚表示で十分であるが、精密で微細
な動作や判断が要求されるマイクロマニピュレータ等に
は、抵抗感の表示による操作性向上や把持対象の正確な
認識を望むには不十分であった。
【0009】そこで本出願人は、このような状況に鑑み
上記問題点を解決すべく、図16に示すような触覚伝達
装置を先に出願している(特願平5−7196号)。こ
れは、台座151上に中心をN極、周りをS極とした円
型の磁石153のN極とS極の間に、上部に触覚伝達部
155と下部にストッパ154を備えた円形のコイル1
52によるボイスコイルから成る触覚伝達手段が構成さ
れている。
【0010】このようなボイスコイルは交流電流を磁気
回路を介して機械的な振動に変換する装置であるため、
コイル152に与える電流を人間の触覚の応答限界を超
える周波数にすると、触覚伝達部155が駆動して操作
者の指先に対象物の硬さや柔らかさの情報を伝達し、さ
らに、ボイスコイルに流れる電流量を変化させることよ
って、触覚伝達部155の保持力を変化させて対象物を
潰すような力をかけた場合の対象からの反発力をも伝達
する。そのため、操作者は、問題となっている操作の乖
離感を無くし、自分の手によってあたかも実際に対象を
操作しているような感覚を得ることが可能となった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記先願の触覚
伝達装置においては、操作者に伝達される情報が対象物
の硬さ、柔らかさ、及び反力感といった対象物の硬さに
関連する情報であり、滑り感や表面粗さ等の表面情報を
操作者に伝達することは行われていなかった。ここで、
滑り感や表面粗さ等の表面情報も人間が物を把持して操
作する時の重要な制御パラメータであり、その時に通常
人間がかける最適な力は、対象物が指先を滑る感覚をも
含めてフィードバックして決定される。そのため、対象
物とその操作に見合った操作力を決定するためには、滑
り感や表面情報を伝達することも大変重要である。従っ
て、本発明は操作者が対象物を最適な操作力で操作、あ
るいは判断できるように、滑り感や表面粗さ等の表面情
報を含めて、操作者に伝達することにより、現状で問題
となっている操作の乖離感を無くして、装置の機能向上
と、より正確で操作性の良い装置を提供することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、対象物との接
触状態を検出してその触覚状態信号を出力する検出手段
と、その検出手段により検出した接触状態に基づき対象
物の触覚情報に変換して出力する信号処理手段と、滑り
振動を与える圧電素子と、その圧電素子からの振動を伝
達するための弾性部材と、伝達された振動を操作者の指
先に触覚情報として伝達する伝達部材とからなり、前記
信号処理手段により出力された信号に応じて表面情報を
伝達する触覚呈示手段とを備えるものである。
【0013】また望ましくは、前記触覚呈示手段を、人
間の触覚の時間応答限界以上の周波数で駆動する駆動手
段と一体としてもよい。
【0014】また望ましくは、前記信号処理手段を、検
出手段からの接触状態信号を知覚信号に変換する機能
と、その知覚信号を発振周波数に変換する機能と、接触
状態信号に基づいて前記触覚呈示手段の駆動状態を調整
する機能とを有する回路から構成してもよい。
【0015】
【作用】このような構成により、検出手段が対象物に接
触した場合、その対象物との接触状態を検出してその接
触状態信号を出力し、接触状態信号を信号処理手段によ
って接触状態に基づく対象物の表面情報に変換する信号
処理を行う。そして、その処理された信号によって圧電
素子から滑り振動を発生し、その振動が弾性部材を介し
て伝達部材を振動させることによって操作者に対象物の
表面情報としての滑り感や表面粗さを知覚させる。
【0016】また、操作者に圧電素子から発生される滑
り振動を弾性部材を介して伝達部材を振動させることに
よって操作者に対象物の滑り感や表面粗さ等の表面情報
を呈示すると同時に、駆動手段を人間の触覚の時間応答
限界以上の周波数で駆動することにより、硬さや柔らか
さ等も知覚させる。
【0017】
【実施例】先ず、本発明に至る経緯とその原理的背景に
ついて説明する。本出願人は、上記の先願で対象の硬さ
や柔らかさの伝達が可能な触覚伝達手段を提案したが、
この提案の中で操作者に伝達する知覚は、指先に対して
垂直な方向の触覚である。それに対し、滑り感や表面状
態の認識は、指先の皮膚面に沿った方向の知覚であり、
また、面内で方向性を持つものである。従って、この2
点に着目して種々検討した結果、この2つの条件を満足
して情報伝達できる有効な手法としては、弾性板を伝達
媒体として圧電体の滑り変形を利用することが有効であ
ることに気が付いた。
【0018】圧電体は、図1(A),図2(A),図3
(A)のように、その結晶に応力、あるいは歪みを加え
ることにより電荷を発生する圧電効果と、逆に図1
(B),図2(B),図3(B)のように電界を加える
と応力や歪みが発生する逆圧電効果を持つ。圧電効果は
結晶に加わる応力T、電界E、結晶に発生する歪みS、
電気変位Dが相互に関係する効果で、今、TとEを独立
変位に選ぶとその関係は次のようになる。
【0019】
【数1】 Si =sij j +dmim n =dnii +enm m (m,n = 1,2,3 ; i,j =1,2...6) …(1)
【0020】ここで、Sは歪み、sはコンプライアン
ス、dは圧電歪定数、Eは電界、Dは電気変位、eは誘
電率である。上記(1) 式を圧電基本式(d形式)と呼
び、電界E、電気変位Dはベクトル量で、応力T、歪み
Sは対称テンソル量で表される。また、電圧出力定数g
ijの添字は応力の加わる方向(2階のテンソル)j に対
して電気変位の方向ベクトルiを示しており、dijの添
字は歪み方向i に対して電界強度の方向j であり、eij
の添字は電気変位の方向i に対して、電界強度の方向j
を示しており、sは電界一定の場合の弾性コンプライ
アンス、eは応力一定の場合の誘電率である。
【0021】この中に含まれる係数の総数は、9×9=
81個であるが、s、eの両マトリックスの対称性
を考慮に入れて、かつ結晶の対称性が高いものとし、圧
電体の分極軸の方向をx軸にとり、これと垂直な面内で
直交する2軸をy、zとすると、圧電基本式の係数マト
リックスは、非常に簡単になる。即ち、0でない独立係
数は、s11 ,s12 ,s13 ,s33 ,s44
15,d31,d33、e11 ,e33 の10個だけとな
る。従って、この10個の係数を用いることにより圧
電、逆圧電効果を表すことができる。
【0022】圧電効果は図4に示すように、圧電体41
に力を加えることにより電荷を発生する効果であり、力
と発生電圧の関係は、
【数2】 Vi =gijj (L/S) …(2) で表される。ここで、Vは発生電圧、Fは加えた力、L
は圧電体41の長さ、Sは圧電体41の断面積、gij
電圧出力定数である。
【0023】電圧出力定数gijは、電気変位0の状態で
単位応力を加えた時に生じる電界の強さを言い、一般に
g定数と呼ばれ次式で求められる。
【数3】 g31=d31/e33 33=d33/e33 15=d15/e11 …(3)
【0024】定数g33は、図1(A)に示すように分極
方向から力が加わり、かつ分極方向に歪んだ時の歪み量
Δxに比例して発生する電圧の比例定数である。発生す
る電圧は分極方向に垂直な面に取り付けた電極1,2に
より検出できる。定数g15は図2(A)に示すように、
分極方向に沿うような方向に滑べり応力が加わり、その
方向に歪んだ時の滑べり歪み量Δyに比例して発生する
電圧の比例定数である。発生する電圧は力の加わる面に
取り付けた電極11,12によって検出できる。定数g
31は図3(A)に示すように分極方向に対して垂直方向
から力が加わり、分極方向に対して垂直方向に歪んだ時
の歪み量Δyに比例して発生する電圧の比例定数であ
る。発生する電圧は分極方向に垂直な面に取り付けた電
極21,22により検出を行なう。
【0025】一方、逆圧電効果は、図1(B),図2
(B),図3(B)に示されるような電界を加えると歪
みや力が発生する効果で、発生力は以下のように示され
る。
【数4】 Fi =(S/L)(dij/s)Vj …(4)
【0026】ここで、Sは圧電体の面積、Lは圧電体の
長さ、sはコンプライアンス(弾性定数)である。発生
する変位量は、
【数5】 Li =dijj …(5) で求められる。
【0027】ただし共振時の振幅には圧電素子が設置さ
れる系の機械的品質係数Qmが関与するため、共振時の変
位つまり振幅は、
【数6】 Li =Qm ijj …(6) で与えられる。
【0028】圧電素子に電圧印加するための電極配置
は、圧電効果を得る場合と同様で良い。つまり、分極方
向に垂直な面に取り付けた電極1,2により印加した場
合は、歪みΔxは分極方向に発生し、この時の印加電圧
に対する比例定数はg33である(図1参照)。分極方向
に沿う面に取り付けた電極11,12に印加した場合
は、歪みΔyは分極方向に沿うように発生し、この時の
印加電圧に対する比例定数はg15である(図2参照)。
分極方向に垂直な面に取り付けた電極21,22に印加
した場合は、歪みΔyは分極方向に対して垂直方向に発
生し、この時の印加電圧に対する比例定数はg 31である
(図3参照)。
【0029】本願の触覚呈示装置は、上記で説明した逆
圧電効果を利用して、触覚呈示を行なう。その場合、通
常圧電素子の歪み、つまり変位量はその全長に比べて非
常に微小で、そのままの変位量を人間が知覚するには非
常に困難である。そのため、本願はこの変位を弾性部材
と伝達部材とによって構成される機械的な系の共振を利
用することによって拡大し、人間が楽に知覚できる程度
の変位に増幅する。共振は、系の固有振動との同期によ
って発生する。また、系の機械的な形状によって固有振
動数は変化するが、圧電体の振動とその圧電体を含めて
構成される系の固有振動数は整合を採ることによって共
振は簡単に発現できる。
【0030】特に共振周波数の1次モードは変形は単純
であるが、変位は最大であるため、振動する系にとって
は非常に重要なモードで、この1次モードの発生する周
波数で圧電体を振動させる、あるいは、圧電素子の振動
周波数が系の1次モードに一致するように機械的な系を
構成することによって圧電素子の微小な変位を簡単に拡
大することが可能となる。
【0031】図5は本発明の触覚呈示装置の構成の概略
を示した図である。対象物との接触状態を検出してその
触覚状態信号を出力する検出手段51と、その接触状態
信号を触覚情報に変換する信号処理手段52、及び触覚
呈示手段53とから構成され、その触覚呈示手段53は
圧電素子と、その圧電素子の振動を伝達する弾性部材、
弾性部材の振動を操作者の指先に伝達する伝達部材から
構成されている。
【0032】検出手段51が対象物に接触した場合、そ
の対象物との接触状態を検出してその接触状態信号を出
力し、接触状態信号を信号処理手段52によって接触状
態に基づく対象物の滑べり感や表面粗さ、硬さ、柔らか
さ等の各種の触覚情報に変更する信号処理を行ない、そ
の信号に応じての触覚呈示手段53を駆動することによ
って、触覚情報を操作者に伝達して、対象物と接触した
場合の接触状態と対象の特徴を操作者に知覚させる。そ
して、この時の触覚呈示手段53の駆動は、上記にて説
明した、圧電素子の滑べり振動によって励起される伝達
部の滑べり振動を操作者の指先に呈示することにより、
操作対象を把持した場合の滑べり感、あるいは表面粗さ
等の表面情報を表現する。
【0033】以下、上述した原理に基づいて本発明に係
る触覚呈示手段の具体的実施例について説明する。図6
は、本発明に係る触覚呈示手段の基本構成を示す第1実
施例の斜視図である。これは、滑り振動を発生する直方
体の圧電素子61の長手方向両端部に、圧電素子6aの
振動を伝達する弾性部材62,63が取り付けられ、さ
らにその弾性部材に支えられるように圧電素子61に平
行に一定の距離をおいて、伝達部材64が固定されてい
る。そして、圧電素子61に滑り振動を発生させると、
その振動を弾性部材62,63を介して伝達部材64を
振動させ、操作者の指先に同じく滑り振動として伝達さ
せる。
【0034】図7は、前記伝達部材64の振動状態を示
す図である。圧電素子61を滑り振動を発生させるよう
に駆動すると、圧電素子61の両端に配置された所定の
弾性を持つ弾性部材62,63が、これに従って倒れ込
むように変位する。すると、この弾性部材62,63に
固定された伝達部材64が、これに追従して変位するこ
とになる。このとき、圧電素子61にかける電圧を周期
的に変化させることによって変位方向が変化し、往復運
動をさせることができる。
【0035】また、前にも示したように、圧電素子の振
動変位は微小である。そこで弾性部材62,63及び伝
達部材64で構成される機械的系の固有振動数が、圧電
素子61の周波数に対して共振が起こる周波数となるよ
うに設計することによって、伝達部材の変位量を大きく
することができる。そのため、指を伝達部材に置けば明
らかに変位していることが知覚でき、変位方向に滑り感
を得ることが可能となる。
【0036】図8は、本発明の触覚呈示手段の第2実施
例を示す斜視図であり、図9は、その動作の一例を示す
図である。これは、第1実施例の触覚呈示手段をさらに
拡張した構成としたものであり、圧電素子71,弾性部
材72,73及び伝達部材74によりなる同様な基本構
成を有する触覚呈示手段を、基板75上に複数個並列さ
せて一つの触覚呈示手段としたものである。各触覚呈示
手段の動作は上述した単数のものと同様であるが、各々
の動きにより滑り感の分解能を向上させることができ、
更に各触覚呈示手段の圧電素子の分極の組み合わせを単
独に駆動できるようにすれば、前後2方向の滑り感を呈
示することも可能である。また、図9に示すように、各
圧電素子71の分極方向を互い違いに配置することによ
って、各伝達部材74に伝達される振動の方向を互い違
い呈示する。これによって、両方向からの滑りを受ける
ことになるため、知覚としては滑り感とは逆の滑りにく
い感覚を認識することが可能となる。
【0037】図10は、本発明の触覚呈示手段の第3実
施例を示す斜視図である。これは、第1実施例の触覚呈
示手段をさらに拡張した構成としたものであり、圧電素
子81,弾性部材82,83及び伝達部材84によりな
る同様な基本構成を有する4つ触覚呈示手段80A,8
0B,80C,80Dを、さらに円形の基板85上に放
射状に構成したものである。各触覚呈示手段は、上述し
た図7で示したような動作を行い、このような構成とし
たことにより、対抗する触覚呈示手段80Aと80C又
は80Bと80Dが同方向に設けられた分極によって同
方向に駆動し、対抗する触覚呈示手段の各組み毎の駆動
による縦または横方向の滑りと、両組みを同時に駆動す
ることによる45°方向の滑り感を呈示することが可能
である。
【0038】図11は、本発明の触覚呈示手段の第4実
施例を示す斜視図である。これは、第3実施例の触覚呈
示手段をさらに拡張した構成としたものであり、第2実
施例で示した基本構成を有する触覚呈示手段を並列させ
たものを1つとして、上述した第3実施例と同様に基板
95上に放射状に4つ設けた触覚呈示手段である。この
ような構成としたことにより、縦または横方向の滑り
と、45°方向の滑り感を高い分解能で呈示することが
可能となるだけでなく、並列された圧電素子の分極方向
を互い違いに配列することによって、呈示する滑り振動
の方向を互い違いにでき、これにより両方向からの滑り
を受けることになるため、知覚としては滑り感とは逆の
滑りにくい感覚を認識することが可能となり、さらに微
妙な感覚の呈示が可能となる。
【0039】図12は、本発明の触覚呈示手段の第5実
施例を示す斜視図である。まず、ベース109上にコイ
ル105を巻いた軸部108を挟んだ永久磁石が固定さ
れたボイスコイルを構成し、その軸部108上には基板
110及び超音波遮断部材12kが重ねられて設けられ
ている。そして、その超音波遮断部材111上に圧電素
子101,弾性部材102,103及び伝達部材104
からなる基本構成を有する触覚呈示手段が設けられてい
る。そこで、このコイル105に直流電流を与えると、
その電流に比例する力がコイル105に上下方向に生じ
て触覚呈示手段を上下方向に変動あるいは突出させ、そ
れに伴って圧電素子101に滑り振動を発生させると、
その振動を弾性部材102,103を介して伝達部材1
04を振動させる。そのため、人間の触覚に関する時間
応答限界以上の周波数でボイスコイルを駆動することに
より、伝達部材104が上下に変動して、対象の硬さや
柔らかさを表現できると共に、コイルに流れる電流によ
って発生する触覚呈示手段を保持する力によって操作対
象を押し込んだ場合の反撥力を表現できる。即ち、本実
施例によれば、操作者に対して対象物の硬さ、柔らか
さ、表面情報、そして滑べり感を伝達することが可能と
なる。
【0040】図13は上記第5実施例に関する回路構成
の概略を示した図であり、本発明に関する代表的な回路
構成である。センサ121にセンサ回路122及び知覚
信号化処理回路123が順に接続され、その知覚信号化
処理回路123にはボイスコイル129を駆動する駆動
回路128と知覚信号−発振周波数変換回路124とが
接続されている。そして、知覚信号−発振周波数変換回
路124には、発振回路125及び圧電素子127を駆
動する選択回路126が順に接続されている。
【0041】このような構成により、センサ121から
の触覚状態信号は、センサの出力を処理するセンサ回路
122に入り、その後、センサ回路の出力を硬さ、柔ら
かさ、滑べり感等の知覚信号への変換や分岐処理する知
覚信号化処理回路123に入る。その後、硬さ、柔らか
さの知覚信号はボイスコイルの駆動回路128へ伝達さ
れ、そこで処理された駆動信号に基づきボイスコイル1
29を駆動する。また、滑べり感、表面粗さの知覚信号
は、その知覚信号を発信周波数に変換する知覚信号- 発
振周波数変換回路124、及び圧電素子を駆動する発振
回路125を経た後、複数配置された圧電素子127の
どの圧電素子を駆動するのか、あるいは、どの方向の滑
べり振動を励起するのかを選択するための選択回路12
6を経て、圧電素子127を駆動して伝達部材に滑べり
振動を呈示する。
【0042】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、操作者
に滑り感や表面粗さ等の表面情報を含めた触覚情報を伝
達することにより、操作者が自分の手によってあたかも
実際に対象を操作しているような感覚を得ることができ
るため、従来技術で示したような装置において、操作の
乖離感を無くして装置の操作性向上と、より正確で操作
性のよい操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】圧電体の厚み方向における基本機能を示す図。
【図2】圧電体の長さ方向における基本機能を示す図。
【図3】圧電体の滑り方向における基本機能を示す図。
【図4】圧電効果を示す図。
【図5】本発明の構成の概略を示す図。
【図6】本発明の触覚呈示手段の第1実施例を示す斜視
図。
【図7】触覚呈示手段の動作状態を示す図。
【図8】本発明の触覚呈示手段の第2実施例を示す斜視
図。
【図9】圧電素子の分極方向を示す図
【図10】本発明の触覚呈示手段の第3実施例を示す斜
視図。
【図11】本発明の触覚呈示手段の第4実施例を示す斜
視図。
【図12】ボイスコイルと一体化した本発明の触覚呈示
手段の第5実施例を示す図。
【図13】本発明の信号処理手段の実施例を示す図。
【図14】顕微鏡に関する従来技術を示す図。
【図15】ロボットマニピュレータに関する従来技術を
示す図。
【図16】本出願人の既提案の触覚呈示装置を示す図。
【符号の説明】
51 検出手段 52 触覚呈示手段 53 信号処理手段 61 圧電素子 62,63 弾性部材 64 伝達部材

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象物との接触状態を検出してその触覚
    状態信号を出力する検出手段と、 その検出手段により検出した接触状態に基づき対象物の
    触覚情報に変換して出力する信号処理手段と、 滑り振動を与える圧電素子と、その圧電素子からの振動
    を伝達するための弾性部材と、伝達された振動を操作者
    の指先に触覚情報として伝達する伝達部材とからなり、
    前記信号処理手段により出力された信号に応じて表面情
    報を伝達する触覚呈示手段とを備えたことを特徴とする
    触覚呈示装置。
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