JPH08254472A - 圧覚・触覚伝達装置及び圧覚・触覚伝達方法 - Google Patents

圧覚・触覚伝達装置及び圧覚・触覚伝達方法

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JPH08254472A
JPH08254472A JP7058643A JP5864395A JPH08254472A JP H08254472 A JPH08254472 A JP H08254472A JP 7058643 A JP7058643 A JP 7058643A JP 5864395 A JP5864395 A JP 5864395A JP H08254472 A JPH08254472 A JP H08254472A
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JP
Japan
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pressure
tactile
stimulus
sensation
frequency
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Withdrawn
Application number
JP7058643A
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English (en)
Inventor
Takeo Asano
武夫 浅野
Hisashi Nishimura
西村  久
Mineyuki Maezawa
峰雪 前沢
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】対象物との接触状況を検出する圧覚・触覚セン
サの出力信号の変化を、人間の知覚変化に合った形の刺
激の変化として出力することができる圧覚・触覚伝達装
置及び圧覚・触覚伝達方法を提供する。 【構成】基準信号発生部24により基準刺激を圧覚・触
覚呈示デバイス6の被呈示者に発生し、知覚応答入力部
22によりその際の被呈示者からの刺激知覚の回答が入
力される。これら上記基準信号発生部24と知覚応答入
力部22とから、初期設定部20により基準刺激として
の周波数及び振幅と知覚との関係(周波数・振幅−知覚
データ)が格納される。そして、発生刺激自動設定部3
0により、圧覚・触覚呈示デバイス6を駆動する際に発
生する刺激の強度が自動的に設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物との接触情報を
検出するセンサの出力信号を利用して、人間の触覚器官
にその接触情報を代替的に表現して伝達するための圧覚
または触覚(以下、圧覚・触覚)の伝達装置及びその圧
覚・触覚伝達方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】圧覚・触覚伝達装置を備えたマニピュレ
ータは、直接触れることができない微細な対象物や極限
環境にて作業を行う場合に使用される装置であって、操
作者が操作を行う操作部と、それによってマニピュレー
タ等が対象物に対して直接作業を行う動作部の2つの部
分に大きく分類される。上記動作部として、対象物を間
接的に取り扱う操作装置には、例えば以下のようなもの
が存在する。
【0003】図8は顕微鏡に設置して用いられるマイク
ロマニピュレータを示す図で、図8(a)はその全体を
示す図であり、図8(b)は作業部分の拡大図である。
この顕微鏡は、受精卵等の微細な細胞をピペットによっ
て吸引し固定しておき、刺針によって細胞内に試薬を注
入したり、異なる遺伝情報を持った遺伝子を注入する等
の作業を行うものである(「計測と制御」;Vol.2
3,No.9,P32〜38,「細胞微細操作」:鹿
野,参照)。
【0004】図8を参照して詳細に説明すると、この顕
微鏡の顕微鏡本体110aには、細胞110bを固定す
るピペット110cと、この細胞110bに対して作業
を行う刺針110dとが操作可能に取り付けられてい
る。さらに顕微鏡本体110aには、上記ピペット11
0c、及び刺針110dをそれぞれ手元で操作するため
のジョイスティック110e,110fが取り付けられ
ている。
【0005】そして、操作者は細胞110bを顕微鏡で
観察しながら、ピペット110c及び刺針110dをジ
ョイスティック110e,110fにて操作して、上記
細胞110bの把持や切断、また上記細胞110bへの
遺伝子注入等の作業を行う。
【0006】このような作業、すなわち細胞や生体高分
子等への操作は細胞操作技術として、近代のバイオテク
ノロジの研究にはなくてはならない支援技術といえる。
また、図9はロボットのマニピュレータシステムを示す
図である。
【0007】このロボットのマニピュレータシステム
は、センサを備えた複数の関節120aと処置部120
bを有するスレイブアーム120cと、このスレイブア
ーム120cの構成に対応して、センサを備えた複数の
関節120dと処置部120eを有するマスタアーム1
20fと、このマスタアーム120fと操作者の腕の動
作自由度の整合を取るためマスタアーム120fに操作
者の腕を固定するよう設けられた固定部材120gと、
そしてマスタアーム120fの動作とスレイブアーム1
20cの動作が同じになるよう処置を行う信号処理回路
を含む制御系120hとから構成されている。(機械技
術研究所所報;Vol.46(1992),No.2,
P170〜182,「インピーダンス制御型マスタ・ス
レーブ・システム−基本原理と伝送遅れへの応用」:
舘、榊,参照) 上述のように構成されたロボットのマニピュレータシス
テムでは、操作者がマスタアーム120fに腕を固定
し、任意に操作することによりその動作状態がセンサの
情報を制御し、対応するスレイブアーム120cを駆動
する。そして、操作者の動作をマスタアーム120fを
介してスレイブアーム120cで再現し、また、スレイ
ブアーム120cが受ける外力をマスタアーム120f
を介して操作者が直接力として受ける。
【0008】このような一連のマニピュレータシステム
は、ロボットのマニピュレータシステムを始めとして、
現在数多くの製品に用いられている。図10は医療用の
処置具である把持鉗子を示す図で、図10(a)はその
全体を示す図であり、図10(b)はその先端部を拡大
した図である。
【0009】この把持鉗子は、トラカール等を介して体
腔内に挿入される挿入部130aと、この挿入部130
aの先端に設けられた鉗子部130bと、挿入部130
aの基端部に設けられた操作部130cとから構成され
ている。
【0010】上記鉗子部130bは回動自在に支持され
た一対の鉗子部材130d,130eを有し、また、上
記操作部130cは鉗子部材130d,130eを開閉
操作するための挿入部130aの基端部に固定された固
定操作ハンドル130fと、回動自在に取り付けられた
可動操作ハンドル130gとで形成されている。
【0011】そして、可動操作ハンドル130gを回動
操作することにより、不図示の挿入部130a内部の操
作軸が前後方向にスライドし、不図示のリンク機構を介
して鉗子部材130d,130eが開閉するように駆動
される。
【0012】ところで、上述したような従来の装置にお
いては、以下のような問題点が存在する。まず、図8に
示した顕微鏡において、動作部が細胞等の試料に正確に
接触しているか否かの情報は、動作部の動作は3次元で
あるにもかかわらず、顕微鏡の観察画像は2次元的で奥
行き方向の情報は像のピント情報でしか得られない。こ
のために、観察画像からでは動作部がどのような状況で
対象物に接触しているか等の判断には相当な技術が要求
され、熟練者しか使用できないというような問題点が現
実には存在している。
【0013】さらに、医療やバイオ分野等の研究対象は
細胞から細胞内物質へと、より微細なものへと変化して
きている。これにより対象物の観察及び操作部位はます
ます微小化する傾向にあり、これに伴ってマニピュレー
タの操作も、より高度で正確な操作が要求されるように
なってきた。
【0014】また、図9に示したロボットのマニピュレ
ータシステムに関しては、対象物の把持時に抵抗感が増
加することにより、把持を認識するものであり、対象物
の硬さ、柔らかさ等の情報を主体として表現するといっ
たような、通常の人間が物体を把持する場合に得る状況
を再現しようとするものではない。このため、対象物の
搬送等のおおまかな動作時にはこの程度の感覚表示で十
分であるが、精密で微細な動作や判断が要求されるマイ
クロマニピュレータ等において、抵抗感の表示による操
作性向上や、把持対象物の硬さ、柔らかさ等の情報の正
確な認識を望むには不十分である。
【0015】さらに、図10に示した把持鉗子に関して
も、その機構上微妙な操作感が得られないため、熟練し
た操作者であっても、腹腔鏡の観察像を見ながら鉗子部
130bの開度と細胞組織等の把持、剥離状況を確認す
るという非常に慎重で正確な操作が要求され、手術等に
誰にでも使用できるものではないのが現状である。
【0016】また、鉗子だけでなく体腔内に挿入して観
察、治療を行う内視鏡の操作においても、上記把持鉗子
の操作と似たような問題点があると考えられる。すなわ
ち、図11に示すような内視鏡140においては、現
在、先端部から観察される画像情報と挿入抵抗のみを頼
りに挿入操作を行っているため、内視鏡140の外壁が
患者の器官内壁142を圧迫して生じる苦痛を予測しな
がら内視鏡140を操作、挿入することは現状では困難
である。
【0017】また、現状の内視鏡の装置構成では、操作
情報としてどの程度の圧迫を与えると患者は苦痛を感じ
るのかという圧迫のレベルと、患者の感じる苦痛との相
関関係を操作者が入手することは不可能である。
【0018】このように、上述のような従来の装置で
は、操作時に動作部のマニピュレータが対象物、例えば
細胞組織等にどのような状況で接触しているのか、ある
いは、対象物をどれくらいの力量で把持しているのかと
いうような、接触もしくは把持状態を認識すること、及
び対象物の表面粗さや表面温度等の各種の接触情報を得
ることはできなかった。
【0019】すなわち、従来の装置においては、対象物
に対する触覚情報や把持状態、対象物の表面粗さや表面
温度等の各種の触覚情報を操作者にフィードバックする
ことは行われておらず、そのため、人間の触覚に基づく
ような微妙でかつ正確な操作を行うことは不可能であっ
た。
【0020】このような状況に鑑みて上記問題点を解決
するため、本出願人らは、特願平5−7196号により
以下に示すような提案を行った。これは、操作者が自分
の手によってあたかも実際に対象物を操作しているよう
な感覚を、操作者に触覚として伝達することにより、現
状で問題となっている操作において、実際の操作との疎
外感をなくして装置の機能向上と、より正確で操作性の
良い装置を提供することを目的とした触覚伝達装置(触
覚呈示装置)に関するものであり、そのシステムと、特
に触覚伝達部(触覚呈示部)、ユニット構造について提
案している。
【0021】この触覚伝達装置は、図12に示すような
台座150a、コイル150b、磁石150c、ストッ
パ150d、触覚伝達部150eから構成された電気−
機械変換トランスデューサである。そして、この電気−
機械変換トランスデューサは、コイル150bと磁石1
50cで構成されたボイスコイルにて触覚伝達部150
eを駆動させ、触覚伝達部150e上に置いた操作者の
指先に、対象物の操作状況を振動を用いた疑似触覚とし
て、伝達(または呈示)することを可能にした。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上記特願平5−719
6号にて提案した触覚伝達装置によって、対象物との接
触状況を把握するための装置は実現される。しかし、対
象物との接触状況の変化に対して、その変化に基づいて
装置をどのように駆動し、触覚状況の変化を的確に表現
するかという課題を有していた。
【0023】そこで本発明は、対象物との接触状況を検
出する圧覚・触覚センサの出力信号の変化を、人間の知
覚変化に合った形の刺激の変化として出力することがで
きる圧覚・触覚伝達装置及び圧覚・触覚伝達方法を提供
することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の圧覚・触覚伝達装置は、圧覚・触覚センサ
と、この圧覚・触覚センサからの出力信号を処理する信
号処理手段と、この信号処理手段によって処理された駆
動信号によって動作する圧覚・触覚呈示デバイスとから
なる圧覚・触覚伝達装置であって、上記信号処理手段
は、上記駆動信号を生成するための駆動信号生成関数を
収納し、上記圧覚・触覚センサからの出力信号及び上記
駆動信号生成関数に基づいて、上記駆動信号を生成する
変換手段を具備することを特徴とする。
【0025】また、本発明の圧覚・触覚伝達方法は、圧
覚・触覚センサと、この圧覚・触覚センサからの出力信
号を処理する信号処理手段と、この信号処理手段によっ
て処理された駆動信号によって動作する圧覚・触覚呈示
デバイスとからなる圧覚・触覚伝達装置において、上記
信号処理手段は、基準刺激として周波数及び振幅を上記
圧覚・触覚呈示デバイスに発生させる基準信号発生ステ
ップと、この基準信号発生ステップによる上記基準刺激
に対して上記圧覚・触覚呈示デバイスの被呈示者の応答
を入力する知覚応答入力ステップと、上記基準信号発生
ステップと知覚応答入力ステップとによって得られる上
記周波数及び振幅に対する上記被呈示者の知覚の状態を
格納する初期設定ステップと、この初期設定ステップに
より格納された上記周波数及び振幅に対する上記被呈示
者の知覚の状態に応じて、発生する刺激の強度を自動的
に設定する発生刺激自動設定ステップとを具備すること
を特徴とする。
【0026】
【作用】本発明の圧覚・触覚伝達装置においては、圧覚
・触覚センサからの出力信号が信号処理手段に収納され
た駆動信号生成関数に基づいて、変換手段により駆動信
号として生成される。そして、上記駆動信号により圧覚
・触覚呈示デバイスが駆動される。
【0027】また、本発明の圧覚・触覚伝達方法におい
ては、基準信号発生ステップにより基準刺激を圧覚・触
覚呈示デバイスの被呈示者に発生し、知覚応答入力ステ
ップによりその際の被呈示者からの刺激知覚の回答が入
力される。これら上記基準信号発生ステップと知覚応答
入力ステップとから、初期設定ステップにより基準刺激
としての周波数及び振幅と知覚との関係(周波数・振幅
−知覚データ)が格納される。そして、発生刺激自動設
定ステップにより、圧覚・触覚呈示デバイスを駆動する
際に発生する刺激の強度が自動的に設定される。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明に係る実施例の圧覚・触覚伝達装
置の構成を示す図である。同図において、入出力信号の
処理と各部の制御を行うコンピュータ1には、対象物と
の圧覚・触覚状況から各種の接触情報を検出する圧覚・
触覚センサ2と、検出した接触情報を出力するモニタ3
と、この圧覚・触覚伝達装置を操作するためのキーボー
ド4と、交流電源5とが接続され、さらに、この交流電
源5には対象物の操作状況を疑似触覚として伝達する圧
覚・触覚呈示デバイス6が接続される。
【0029】ここで、交流電源5を用いているのは、圧
覚・触覚センサ2及び圧覚・触覚呈示デバイス6の一例
として、圧覚・触覚センサ2には圧電体を用いて、この
圧電体から交流の周波数情報あるいは電圧情報のどちら
か一方、または両者を出力し、圧覚・触覚呈示デバイス
6にはボイスコイルを用いて交流の周波数及び電圧で駆
動するものだからである。
【0030】図2は、実施例の圧覚・触覚伝達装置の機
能展開図である。この圧覚・触覚伝達装置は、上記圧覚
・触覚センサ2と、この圧覚・触覚センサ2からの出力
信号を受け取り信号処理を行う信号処理部10と、この
信号処理部10からの駆動信号を受けて動作する圧覚・
触覚呈示デバイス6とから構成される。
【0031】信号処理部10の内部構成は図に示す通
り、初期設定部20、発生刺激自動設定部30、周波数
発生部40、振幅発生部50、保護部60から構成され
る。さらに、上記初期設定部20は、知覚応答入力部2
2と、基準信号発生部24とで構成され、また発生刺激
自動設定部30は、演算部32と、パラメータ任意設定
部34、オフセット部36とから構成される。
【0032】以下にフローチャートを用いて、圧覚・触
覚伝達方法としての信号処理部10での処理内容につい
て詳細に説明する。図3は、初期設定部20での処理内
容を示すフローチャートである。
【0033】この圧覚・触覚伝達装置の動作がスタート
すると、初期設定部20は、まず、予め設定されている
周波数と振幅の組み合わせの中から1つの組み合わせ決
定する(ステップS1)。続いて、基準信号発生部24
から基準信号を出力し、圧覚・触覚呈示デバイス6を駆
動する(ステップS2)。
【0034】次に、圧覚・触覚呈示デバイス6の被呈示
者は、この刺激を知覚できたか否かを、キーボード4よ
り知覚応答入力部22へキー入力する(ステップS
3)。ここで、知覚できない旨の入力がされたときはス
テップS1へ戻り、一方、知覚できた旨の入力がされた
ときは、刺激周波数と振幅の組み合わせが配列(周波数
・振幅−知覚データ)に入力される(ステップS4)。
【0035】次に、初期設定部20は、別の周波数及び
振幅の組み合わせで上記ステップS1〜S4の処理を行
うか否かを判定する(ステップS5)。ここで、別の周
波数及び振幅の組み合わせで行うときはステップS1へ
戻り、行わないときは上記配列の周波数・振幅−知覚デ
ータをFileAに格納し(ステップS6)、本処理を
終了する。
【0036】すなわち、この処理は、予め設定されたい
くつかの周波数及び振幅の組み合わせの信号について、
全て終了するまで繰り返し行われ(ステップS1〜S
5)、上記配列の周波数・振幅−知覚データをFile
Aに格納する(ステップS6)ものである。
【0037】この処理は、動作スタート時、あるいは、
圧覚・触覚の被呈示者が変更されたときだけ必要なもの
であり、繰り返し行う必要はない。また、上記配列の周
波数・振幅−知覚データは、FileAに格納されたデ
ータが変更、あるいは、破壊されるまで有効である。
【0038】次に、図2に示した発生刺激自動設定部3
0での処理に移行する。図4は、発生刺激自動設定部3
0での処理内容を示すフローチャートである。まず、発
生刺激自動設定部30は、圧覚・触覚呈示の手法につい
ての入力を要求する(ステップS11)。この圧覚・触
覚伝達装置では、操作状況の表現として疑似的圧覚・触
覚を振動を用いて表現する。そこで、その呈示方式とし
て「周波数が固定で振幅が操作状況(圧覚・触覚センサ
2の出力)によって変化する」呈示方式と、「周波数及
び振幅が操作状況(圧覚・触覚センサ2の出力)によっ
て変化する」呈示方式の2つの方式の選択が可能であ
る。ここで、被呈示者によりその選択が行われ(ステッ
プS12)、それぞれの呈示方式によって別々の処理に
移行する。
【0039】まず、周波数固定で振幅のみを変化させる
呈示方式が選択された場合は、初めに疑似的圧覚・触覚
表現に使用する周波数を入力する(ステップS13)。
この周波数は人間の知覚の性質から40〜200Hz程
度に設定するのが有効である。
【0040】続いて、演算部32において、上述の初期
設定部20での処理においてFileAに格納された周
波数・振幅−知覚データに基づいて刺激−知覚変換関
数、例えば、スティーブンスのべき関数に当てはめて駆
動信号生成関数を作成し(ステップS14)、同時に圧
覚・触覚呈示デバイス6を駆動する際の駆動信号の原点
を設定する。
【0041】なお、刺激−知覚変換関数とは、刺激とそ
の刺激から人間が感ずる知覚レベルの変化について生理
学、あるいは心理物理的に導かれたもので、刺激の強さ
と知覚の強さとの関係を示した関数である。現状では、
スティーブンスが発見したべき関数が最も良く近似する
と考えられている。
【0042】スティーブンスによれば、刺激の強さPと
知覚の大きさSとの間には、S=kPnなる法則が成立
する。ここで、kは触覚呈示部位、nは装着者の個人的
感度によって決定するパラメータである。したがって、
このべき関数を用いて刺激の変化を表現することによっ
て、非常に効果的に状態の違い(刺激の違い)を伝達、
あるいは認識させることが可能である。
【0043】また、ここで圧覚・触覚呈示デバイス6を
駆動する際の駆動信号の原点を設定する理由は、以下の
通りである。人間はある強度の刺激に対して、知覚をす
るわけであるが、刺激の強度が小さい場合は、実際に刺
激があっても、その存在を認識できない。この最低限必
要な刺激の大きさを「閾値」と呼ぶが、本圧覚・触覚伝
達装置の場合は必ず知覚を誘発することが目的であり、
常に「閾値」以上の強度の信号を用いる必要がある。
【0044】本圧覚・触覚伝達装置の場合、操作状況を
検出するのは圧覚・触覚センサ2であるが、対象物との
接触がない場合はその出力は0であり、このときの圧覚
・触覚呈示デバイス6からの刺激の伝達は0でなければ
ならない。ところで、上述したようにこのときに圧覚・
触覚呈示デバイス6の駆動信号が閾値以下の駆動信号で
あれば、実質的に知覚できないので刺激は0となり、圧
覚・触覚呈示デバイス6を駆動していても差し支えない
ことになる。
【0045】逆に、圧覚・触覚呈示デバイス6の駆動信
号が0の状態から、圧覚・触覚センサ2の出力に対応し
て駆動信号を上昇させていくことは、圧覚・触覚センサ
2からの突入的な信号の出力があった場合には、急峻に
圧覚・触覚呈示デバイス6の駆動信号を発生させねばな
らず、圧覚・触覚呈示デバイス6のアクチュエータのオ
ーバーシュート成分が大きくなり、正確な刺激伝達(表
現)ができない可能性がある。
【0046】そこで、この処理によって最適な原点(こ
の場合は、圧覚・触覚センサ2の出力が0の場合の圧覚
・触覚呈示デバイス6の駆動信号強度)を求め、そこを
原点として、圧覚・触覚センサ2からの信号の変化を刺
激−知覚変換関数に当てはめて圧覚・触覚呈示デバイス
6を駆動できるような、駆動信号生成関数を設定する。
【0047】そして、発生刺激自動設定部30は、決定
された駆動信号生成関数のデータをFileBに格納す
る。一方、上記ステップS12にて、周波数及び振幅の
両方を変化させる呈示方式が選択された場合は、演算部
32により、上述の初期設定部20での処理にてFil
eAに格納された周波数・振幅−知覚データに基づいた
知覚の等感度曲線を用いて駆動信号生成関数が作成され
る。この処理系では、操作状況が圧覚・触覚呈示デバイ
ス6の振動の周波数と振幅の両方を変化させて表現され
る。
【0048】なお、同一の振幅を有する振動でも周波数
が変化すると知覚の強さは変化するものであり、上記等
感度曲線とは同一の知覚の強さを呈する振動の周波数と
振幅の組み合わせを、周波数と振幅のそれぞれを軸にと
ってグラフに描いた曲線をいう。等感度曲線の一例を図
5に示す。図5では、横軸に刺激周波数を、縦軸に変位
(振幅)をとっている。
【0049】人間は、刺激の強度を知覚する際に、例え
ば、振動の周波数が異なっていてもそれぞれの振幅を最
適に選ぶことによって、同一の刺激強度を認識すること
が知られている。この関係を表したものが等感度曲線で
あるが、本圧覚・触覚伝達装置では、圧覚・触覚センサ
2の出力変化を圧覚・触覚呈示デバイス6からの刺激の
変化として確実に表す必要がある。そこで、周波数と振
幅の両方をパラメータとする場合には、圧覚・触覚セン
サ2の出力の増加分に対応した知覚強度を実現するため
に、単に2つのパラメータを変化させるのではなく、こ
の等感度曲線に基づいて2つのパラメータを変化させな
ければならない。
【0050】ここでは、発生刺激自動設定部30は、各
知覚強度別に計算された等感度曲線と、触覚呈示に利用
する周波数軸との交点を結んで得られる駆動信号生成関
数を作成する(ステップS16)。そして、この駆動信
号生成関数をFileCに格納し(ステップS17)、
本処理を終了する。
【0051】図6は、信号処理部10での処理内容を示
すフローチャートである。図4に示した発生刺激自動設
定部30での処理において、選択された圧覚・触覚呈示
方式が周波数固定の呈示方式か否かを判定する(ステッ
プS21)。ここで、周波数固定の呈示方式である場合
はステップS22へ移行し、一方、周波数及び振幅の両
方を変化させる呈示方式である場合はステップS23へ
移行する。
【0052】上記ステップS22では、圧覚・触覚セン
サ2の出力信号に応じて、FileBの駆動信号生成関
数に基づき、圧覚・触覚呈示デバイス6の駆動信号を生
成する。上記ステップS23では、圧覚・触覚センサ2
の出力信号に応じて、FileCの駆動信号生成関数に
基づき、実際の圧覚・触覚呈示デバイス6の駆動信号を
生成する。
【0053】その後、信号処理部10はこの駆動信号の
周波数及び振幅を周波数発生部40、及び振幅発生部5
0に入力し、これら周波数発生部40及び振幅発生部5
0からの出力により、実際に圧覚・触覚呈示デバイス6
を駆動し、圧覚・触覚を疑似的に表現する。
【0054】この際、圧覚・触覚センサ2の出力結果よ
り求められた駆動信号の周波数及び振幅が、圧覚・触覚
呈示デバイス6への最大入力値を越えたか否か、すなわ
ち、許容入力値を越えたか否かを判定する(ステップS
25)。ここで、許容入力値を越えた場合は、保護部6
0により許容入力値まで出力を落とし(ステップS2
6)、許容入力値を越えない場合はそのまま圧覚・触覚
呈示デバイス6へ出力する(ステップS27)。この許
容入力値まで出力を落とす処理は、圧覚・触覚呈示デバ
イス6の破壊を未然に防止するための処理である。
【0055】なお、上記ステップS27では、圧覚・触
覚呈示デバイス6へ出力したが、圧覚・触覚呈示デバイ
ス6用とは別に、音声または視覚的なデータの表現が可
能なように、そのための出力用の端子を有し、それらの
端子に出力してもかまわない。
【0056】図7は、図4に示した発生刺激自動設定部
30での処理におけるステップS15,S17にてそれ
ぞれFileB,Cに保存された各駆動信号生成関数の
パラメータ変更の処理を示すフローチャートである。
【0057】実際に圧覚・触覚呈示を行ってみると、圧
覚・触覚呈示デバイス6の被呈示者の好みや、あるいは
操作の状態によっては、必ずしも自動設定された駆動信
号生成関数による刺激の生成度合いが最良とは限らな
い。
【0058】そこで、選択された圧覚・触覚呈示方式が
周波数固定の呈示方式か否かを判定する(ステップS3
1)。ここで、周波数固定の呈示方式である場合はステ
ップS32へ移行し、一方、周波数及び振幅の両方を変
化させる呈示方式である場合はステップS33へ移行す
る。
【0059】上記ステップS32では、FileBに格
納された駆動信号生成関数のパラメータの変更を行い、
上記ステップS33ではFileCに格納された駆動信
号生成関数のパラメータの変更を行って本処理を終了す
る。これにより、より細かな被呈示者のニーズに合わせ
こむことが可能になる。
【0060】以上実施例に基づいて、本発明を説明した
が、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
く、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能で
ある。ここで、本発明の要旨をまとめると以下のように
なる。
【0061】(1) 圧覚・触覚センサと、この圧覚・
触覚センサからの出力信号を処理する信号処理手段と、
この信号処理手段によって処理された駆動信号によって
動作する圧覚・触覚呈示デバイスとからなる圧覚・触覚
伝達装置において、上記信号処理手段は、上記駆動信号
を生成するための駆動信号生成関数を収納し、上記圧覚
・触覚センサからの出力信号及び上記駆動信号生成関数
に基づいて、上記駆動信号を生成する変換手段を具備す
ることを特徴とする圧覚・触覚伝達装置。
【0062】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
圧覚・触覚センサからの出力信号を駆動信号生成関数に
基づいて変換し、この変換した信号を圧覚・触覚呈示デ
バイスの駆動信号とする。
【0063】これにより、対象物との接触状況の変化
を、より人間の知覚に合致した変化として表すことがで
きる。 (2) 上記信号処理手段は、基準刺激として周波数及
び振幅を上記圧覚・触覚呈示デバイスに発生させる基準
信号発生手段と、この基準信号発生手段による上記基準
刺激に対して上記圧覚・触覚呈示デバイスの被呈示者の
応答を入力する知覚応答入力手段と、上記基準信号発生
手段と知覚応答入力手段とによって得られる上記周波数
及び振幅に対する上記被呈示者の知覚の状態を格納する
初期設定手段とを具備することを特徴とする上記(1)
に記載の圧覚・触覚伝達装置。
【0064】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記基準信号発生手段により基準刺激を圧覚・触覚呈示
デバイスの被呈示者に発生し、その際の被呈示者からの
刺激知覚の回答を上記知覚応答入力手段に入力する。こ
れら上記基準信号発生手段と知覚応答入力手段とから、
基準刺激としての周波数及び振幅と知覚との関係(周波
数・振幅−知覚データ)を知覚応答入力手段に格納す
る。
【0065】これにより、初期設定時に基準刺激を発生
させ、その知覚の有無によって、振動知覚における個人
的なばらつきを補正することができるため、圧覚・触覚
呈示デバイスの被呈示者の知覚特性にあった刺激呈示を
行うことが可能となる。
【0066】(3) 上記信号処理手段は、上記初期設
定手段により格納された上記周波数及び振幅に対する上
記被呈示者の知覚の状態に応じて、発生する刺激の強度
を自動的に設定する発生刺激自動設定手段を具備するこ
とを特徴とする上記(2)に記載の圧覚・触覚伝達装
置。
【0067】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
発生刺激自動設定手段により圧覚・触覚呈示デバイスを
駆動する際の発生刺激を設定する。これにより、上記基
準信号発生手段によって、発生された刺激の知覚の認識
度合から、圧覚・触覚呈示デバイスの被呈示者の刺激知
覚の個人的な差を補正し、確実に被呈示者に刺激を伝達
することができる。
【0068】(4) 上記発生刺激自動設定手段は、上
記周波数及び振幅に対する上記被呈示者の知覚の状態を
もとに、上記被呈示者が同一の知覚の強さを呈する振動
の周波数と振幅の組み合わせに相当する等感度曲線を導
出し、この等感度曲線に基づいた上記駆動信号生成関数
を作成する演算手段を具備することを特徴とする上記
(3)に記載の圧覚・触覚伝達装置。
【0069】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記圧覚・触覚センサの出力信号を、人間の振動知覚に
関する等感度曲線に当てはめて、圧覚・触覚呈示デバイ
スの駆動周波数信号を生成する。
【0070】これにより、人間の知覚変化に基づいた最
適な刺激強度変化を実現することができる。 (5) 上記信号処理手段は、上記等感度曲線による上
記駆動信号生成関数において、上記圧覚・触覚呈示デバ
イスへの呈示周波数の帯域とその際の振幅を任意に設定
できるパラメータ任意設定手段を具備することを特徴と
する上記(4)に記載の圧覚・触覚伝達装置。
【0071】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記圧覚・触覚呈示デバイスへの呈示周波数の帯域とそ
の際の振幅を閾値の何倍にするかを任意に操作できる。
これにより、圧覚・触覚呈示デバイスからの刺激伝達
を、アプリケーションに合わせて最適化することができ
る。
【0072】(6) 上記発生刺激自動設定手段は、人
の振動知覚に関する任意の周波数における刺激−知覚変
換関数に基づいた駆動信号生成関数を作成する演算手段
を具備することを特徴とする上記(3)に記載の圧覚・
触覚伝達装置。
【0073】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記圧覚・触覚センサの出力信号を、人の振動知覚に関
する任意の周波数における刺激−知覚変換関数に当ては
めて、圧覚・触覚呈示デバイスの駆動振幅信号を生成す
る。
【0074】これにより、人間の知覚変化に基づいた最
適な刺激強度変化を実現することができる。 (7) 上記信号処理手段は、任意の周波数における上
記刺激−知覚変換関数による駆動信号生成において、上
記圧覚・触覚センサの出力信号の増幅度合いを任意に設
定できる上記刺激−知覚変換関数のパラメータの任意設
定手段を具備することを特徴とする上記(6)に記載の
圧覚・触覚伝達装置。
【0075】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記刺激−知覚変換関数のパラメータを任意に操作でき
る。これにより、圧覚・触覚呈示デバイスからの刺激伝
達を、アプリケーションに合わせて最適化することがで
きる。
【0076】(8) 上記信号処理手段は、上記圧覚・
触覚センサの出力信号をもとに上記圧覚・触覚呈示デバ
イスの駆動周波数を発生する周波数発生手段を具備する
ことを特徴とする上記(1)に記載の圧覚・触覚伝達装
置。
【0077】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記圧覚・触覚センサの出力より、上記圧覚・触覚呈示
デバイスを駆動する周波数信号を発生する。これによ
り、振動による圧覚・触覚呈示において、対象物との接
触状態の変化を上記圧覚・触覚呈示デバイスの振動の周
波数変化として表現することができる。
【0078】(9) 上記信号処理手段は、上記圧覚・
触覚センサの出力信号をもとに上記圧覚・触覚呈示デバ
イスの駆動振幅を発生する振幅発生手段を具備すること
を特徴とする上記(1)に記載の圧覚・触覚伝達装置。
【0079】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記圧覚・触覚センサの出力より、上記圧覚・触覚呈示
デバイスを駆動する振幅信号を生成する。これにより、
振動による圧覚・触覚呈示において、対象物との接触状
態の変化を上記圧覚・触覚呈示デバイスの振動の振幅変
化として表現することができる。
【0080】(10) 上記信号処理手段は、上記圧覚
・触覚呈示デバイス以外の音声、あるいは視覚的な情報
を出力するための出力手段を具備することを特徴とする
上記(1)に記載の圧覚・触覚伝達装置。
【0081】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記信号処理手段での演算後の信号を圧覚・触覚伝達装
置以外の装置に出力する。これにより、振動による圧覚
・触覚呈示以外に駆動状態の把握、あるいは他のアプリ
ケーション用に最適な呈示装置を選択することが可能で
ある。
【0082】(11) 上記信号処理手段は、上記駆動
信号生成関数によって生成された駆動信号が、上記圧覚
・触覚呈示デバイスの駆動に関する許容値を越える場合
に、自動的に上記圧覚・触覚呈示デバイスへの最大入力
値まで減衰させる保護手段を具備することを特徴とする
上記(1)に記載の圧覚・触覚伝達装置。
【0083】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
自動的に上記圧覚・触覚呈示デバイスへの過大な出力を
防止する。これにより、上記圧覚・触覚呈示デバイスの
破壊を未然に防ぐことが可能になる。
【0084】(12) 上記信号処理手段は、上記圧覚
・触覚センサの出力信号に対応して上記圧覚・触覚呈示
デバイスを駆動する際の駆動信号の原点を人間の振動知
覚の閾値を考慮してオフセットさせるオフセット手段を
具備することを特徴とする上記(1)に記載の圧覚・触
覚伝達装置。
【0085】このような圧覚・触覚伝達装置によれば、
上記圧覚・触覚センサ出力信号と圧覚・触覚呈示デバイ
スの駆動信号の関係において、圧覚・触覚センサの出力
信号がゼロの場合でも圧覚・触覚呈示デバイスには適当
な駆動信号が入力される。
【0086】ここで、人間は閾値以下の刺激を感じるこ
とはなく、例えば、振動刺激について言えば同一の周波
数でもその刺激強度(この場合は振幅)を減少させてい
くと、ある振幅以下では振動刺激を認識できなくなる。
【0087】そこで、圧覚・触覚センサの出力がゼロで
も、圧覚・触覚呈示デバイスの呈示する刺激が閾値以下
であれば人間は刺激を感じることはない。逆に、閾値を
越えないと刺激を感じることができないため、圧覚・触
覚センサの出力があった場合は、必ず閾値以上の刺激を
呈示できるだけの駆動信号を圧覚・触覚呈示デバイスに
入力する必要がある。したがって、本圧覚・触覚伝達装
置によれば、より的確な刺激呈示を被呈示者に行うこと
が可能になる。
【0088】(13) 圧覚・触覚センサと、この圧覚
・触覚センサからの出力信号を処理する信号処理手段
と、この信号処理手段によって処理された駆動信号によ
って動作する圧覚・触覚呈示デバイスとからなる圧覚・
触覚伝達装置において、上記信号処理手段は、基準刺激
として周波数及び振幅を上記圧覚・触覚呈示デバイスに
発生させる基準信号発生ステップと、この基準信号発生
ステップによる上記基準刺激に対して上記圧覚・触覚呈
示デバイスの被呈示者の応答を入力する知覚応答入力ス
テップと、上記基準信号発生ステップと知覚応答入力ス
テップとによって得られる上記周波数及び振幅に対する
上記被呈示者の知覚の状態を格納する初期設定ステップ
と、この初期設定ステップにより格納された上記周波数
及び振幅に対する上記被呈示者の知覚の状態に応じて、
発生する刺激の強度を自動的に設定する発生刺激自動設
定ステップとを具備することを特徴とする圧覚・触覚伝
達方法。
【0089】このような圧覚・触覚伝達方法によれば、
上記基準信号発生ステップにより基準刺激を圧覚・触覚
呈示デバイスの被呈示者に発生し、上記知覚応答入力ス
テップによりその際の被呈示者からの刺激知覚の回答が
入力される。これら上記基準信号発生ステップと知覚応
答入力ステップとから、知覚応答入力ステップにより基
準刺激としての周波数及び振幅と知覚との関係(周波数
・振幅−知覚データ)が格納される。さらに、発生刺激
自動設定ステップにより圧覚・触覚呈示デバイスを駆動
する際の発生刺激が設定される。
【0090】これにより、初期設定時に基準刺激を発生
させ、その知覚の有無によって、振動知覚における個人
的なばらつきを補正することができるため、圧覚・触覚
呈示デバイスの被呈示者の知覚特性にあった刺激呈示を
行うことが可能となる。さらに、上記基準信号発生ステ
ップにより発生された刺激の知覚の認識度合から、圧覚
・触覚呈示デバイスの被呈示者の刺激知覚の個人的な差
を補正し、確実に被呈示者に刺激を伝達することができ
る。
【0091】(14) 圧覚・触覚センサと、この圧覚
・触覚センサからの出力信号を処理する信号処理手段
と、この信号処理手段によって処理された駆動信号によ
って動作する圧覚・触覚呈示デバイスとからなる圧覚・
触覚伝達装置において、上記信号処理手段は、基準刺激
として周波数及び振幅を上記圧覚・触覚呈示デバイスに
発生させる基準信号発生ステップと、この基準信号発生
ステップによる上記基準刺激に対して上記圧覚・触覚呈
示デバイスの被呈示者の応答を入力する知覚応答入力ス
テップと、上記基準信号発生ステップと知覚応答入力ス
テップとによって得られる上記周波数及び振幅に対する
上記被呈示者の知覚の状態を格納する初期設定ステップ
と、この初期設定ステップにより格納された上記周波数
及び振幅に対する上記被呈示者の知覚の状態に応じて、
上記被呈示者が同一の知覚の強さを呈する振動の周波数
と振幅の組み合わせに相当する等感度曲線を導出し、こ
の等感度曲線に基づいた上記駆動信号生成関数を作成す
る演算ステップとを具備することを特徴とする圧覚・触
覚伝達方法。
【0092】このような圧覚・触覚伝達方法によれば、
上記基準信号発生ステップにより基準刺激を圧覚・触覚
呈示デバイスの被呈示者に発生し、上記知覚応答入力ス
テップによりその際の被呈示者からの刺激知覚の回答が
入力される。これら上記基準信号発生ステップと知覚応
答入力ステップとから、知覚応答入力ステップにより基
準刺激としての周波数及び振幅と知覚との関係(周波数
・振幅−知覚データ)が格納される。さらに、演算ステ
ップにより上記圧覚・触覚センサの出力信号を、人間の
振動知覚に関する等感度曲線に当てはめて、圧覚・触覚
呈示デバイスの駆動周波数信号が生成される。
【0093】これにより、初期設定時に基準刺激を発生
させ、その知覚の有無によって、振動知覚における個人
的なばらつきを補正することができるため、圧覚・触覚
呈示デバイスの被呈示者の知覚特性にあった刺激呈示を
行うことが可能となる。さらに、上記基準信号発生ステ
ップにより発生された刺激の知覚の認識度合から、圧覚
・触覚呈示デバイスの被呈示者の刺激知覚の個人的な差
を補正し、確実に被呈示者に刺激を伝達することがで
き、より人間の知覚変化に基づいた最適な刺激強度変化
を実現することができる。
【0094】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、対象
物との接触状況を検出する圧覚・触覚センサの出力信号
の変化を、人間の知覚変化に合った形の刺激の変化とし
て出力することができる圧覚・触覚伝達装置及び圧覚・
触覚伝達方法を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の圧覚・触覚伝達装置の構成を示す図で
ある。
【図2】実施例の圧覚・触覚伝達装置の機能展開図であ
る。
【図3】初期設定部20での処理内容を示すフローチャ
ートである。
【図4】発生刺激自動設定部30での処理内容を示すフ
ローチャートである。
【図5】等感度曲線の一例を示す図である。
【図6】信号処理部10での処理内容を示すフローチャ
ートである。
【図7】発生刺激自動設定部30での処理にてFile
B,Cに保存された各駆動信号生成関数のパラメータ変
更の処理を示すフローチャートである。
【図8】従来技術の顕微鏡に用いられるマイクロマニピ
ュレータを示す図である。
【図9】従来技術のロボットのマニピュレータシステム
を示す図である。
【図10】従来技術の医療用の把持鉗子を示す図であ
る。
【図11】従来技術の内視鏡の挿入状況を示す図であ
る。
【図12】本出願人により先に出願されている触覚伝達
装置を説明するための図である。
【符号の説明】
1…コンピュータ、2…圧覚・触覚センサ、3…モニ
タ、4…キーボード、5…交流電源、6…圧覚・触覚呈
示デバイス、10…信号処理部、20…初期設定部、2
2…知覚応答入力部、24…基準信号発生部、30…発
生刺激自動設定部、32…演算部、34…パラメータ任
意設定部、36…オフセット部、40…周波数発生部、
50…振幅発生部、60…保護部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧覚・触覚センサと、この圧覚・触覚セ
    ンサからの出力信号を処理する信号処理手段と、この信
    号処理手段によって処理された駆動信号によって動作す
    る圧覚・触覚呈示デバイスとからなる圧覚・触覚伝達装
    置において、 上記信号処理手段は、上記駆動信号を生成するための駆
    動信号生成関数を収納し、上記圧覚・触覚センサからの
    出力信号及び上記駆動信号生成関数に基づいて、上記駆
    動信号を生成する変換手段を具備することを特徴とする
    圧覚・触覚伝達装置。
  2. 【請求項2】 圧覚・触覚センサと、この圧覚・触覚セ
    ンサからの出力信号を処理する信号処理手段と、この信
    号処理手段によって処理された駆動信号によって動作す
    る圧覚・触覚呈示デバイスとからなる圧覚・触覚伝達装
    置において、 上記信号処理手段は、基準刺激として周波数及び振幅を
    上記圧覚・触覚呈示デバイスに発生させる基準信号発生
    ステップと、 この基準信号発生ステップによる上記基準刺激に対して
    上記圧覚・触覚呈示デバイスの被呈示者の応答を入力す
    る知覚応答入力ステップと、 上記基準信号発生ステップと知覚応答入力ステップとに
    よって得られる上記周波数及び振幅に対する上記被呈示
    者の知覚の状態を格納する初期設定ステップと、 この初期設定ステップにより格納された上記周波数及び
    振幅に対する上記被呈示者の知覚の状態に応じて、発生
    する刺激の強度を自動的に設定する発生刺激自動設定ス
    テップと、 を具備することを特徴とする圧覚・触覚伝達方法。
  3. 【請求項3】 圧覚・触覚センサと、この圧覚・触覚セ
    ンサからの出力信号を処理する信号処理手段と、この信
    号処理手段によって処理された駆動信号によって動作す
    る圧覚・触覚呈示デバイスとからなる圧覚・触覚伝達装
    置において、 上記信号処理手段は、基準刺激として周波数及び振幅を
    上記圧覚・触覚呈示デバイスに発生させる基準信号発生
    ステップと、 この基準信号発生ステップによる上記基準刺激に対して
    上記圧覚・触覚呈示デバイスの被呈示者の応答を入力す
    る知覚応答入力ステップと、 上記基準信号発生ステップと知覚応答入力ステップとに
    よって得られる上記周波数及び振幅に対する上記被呈示
    者の知覚の状態を格納する初期設定ステップと、 この初期設定ステップにより格納された上記周波数及び
    振幅に対する上記被呈示者の知覚の状態に応じて、上記
    被呈示者が同一の知覚の強さを呈する振動の周波数と振
    幅の組み合わせに相当する等感度曲線を導出し、この等
    感度曲線に基づいた上記駆動信号生成関数を作成する演
    算ステップと、 を具備することを特徴とする圧覚・触覚伝達方法。
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