JPWO2007119603A1 - 触覚ディスプレイ装置、多自由度アクチュエータ、及び、ハンドリング装置 - Google Patents

触覚ディスプレイ装置、多自由度アクチュエータ、及び、ハンドリング装置 Download PDF

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Abstract

触知ピン33を用いる構成であって、物体の表面性状感及び物体のトルク感に相当する触覚を呈示することができる触覚ディスプレイ装置を提供する。触覚ディスプレイ装置1は、触覚呈示部材31と、触知ピン33を備える。触覚呈示部材31は、所定の第1面上にヒトの手7の指を配置し、第1面に複数の孔を形成する。触知ピン33は、触覚呈示部材31の複数の孔からそれぞれ突出し、少なくとも触覚呈示部材31の第1面に平行な方向に移動可能で、突出端をヒトの手7の指に当接させ、ヒトの手7の指に物体の表面性状感及び物体のトルク感に相当する触覚を呈示する。

Description

本発明は、触覚ディスプレイ装置、多自由度アクチュエータ、及び、ハンドリング装置に関するものである。
近年、遠隔地の環境やコンピュータ内部に構成された仮想の世界に、実際に自分が存在しているかのような感覚を呈示するバーチャルリアリティーの技術が高い注目を集めている。例えば、ロボットなどの産業機器、医療機器、ゲーム機器などに適用が検討されている。
そして、このバーチャルリアリティー技術の一つに、触覚ディスプレイ装置がある。この触覚ディスプレイ装置としては、例えば、特許文献1に開示された技術がある。この触覚ディスプレイ装置は、触覚呈示プレートから突出量が異なるように動作する触知ピンが、アレイ状に集約的に配列されている。つまり、ヒトの指を触覚呈示プレートの表面に配置した場合に、指表面に対して垂直方向に触知ピンを動作させる。これにより、触覚呈示プレートの表面に配置した指に対して、擬似的に凹凸感に相当する触覚を呈示することができる。
しかし、指表面に対して垂直方向に触知ピンを動作させるのみでは、ザラザラ感・ツルツル感などの物体の表面性状感に相当する触覚を擬似的に呈示することは困難であった。
このような物体の表面性状感に相当する触覚を擬似的に呈示する触覚ディスプレイ装置としては、例えば特許文献2に開示されたものがある。特許文献2には、触覚呈示面に静電吸引力を発生させることで、触覚呈示面に物体の表面性状感に相当する触覚を呈示することが記載されている。
特開平10−187025号公報 特開2003−248540号公報
しかし、特許文献2に開示された触覚ディスプレイ装置のような静電吸引力によるものでは、より正確な物体の表面性状感に相当する触覚を呈示することは困難である。さらには、物体のトルク感に相当する触覚を呈示することも困難である。ここで、物体のトルク感とは、例えば、ヒトの指で物体を把持している場合に、物体が接触している指表面に垂直な軸回りに物体が指表面に対して相対的に回転する際の感覚である。
従って、複数の触知ピンを用いる構成において、物体の表面性状感及び物体のトルク感に相当する触覚を呈示することが望まれる。そして、特許文献2に開示された触覚ディスプレイ装置は、複数の触知ピンを用いる構成とは異なる構成からなるため、複数の触知ピンを用いる構成からなる触覚ディスプレイ装置に、特許文献2に開示された技術を適用することはできない。
また、触知ピンを用いる構成からなる触覚ディスプレイ装置では、触知ピンがアレイ状に集約的に配列されている。従って、触知ピンを動作させるアクチュエータには、小型化、及び、配列のし易さなどが要求される。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、触知ピンを用いる構成であって、物体の表面性状感及び物体のトルク感に相当する触覚を呈示することができる触覚ディスプレイ装置を提供することを目的とする。さらに、当該触覚ディスプレイ装置に用いることが可能な新規な構成からなる多自由度アクチュエータ、及び、当該多自由度アクチュエータを用いたハンドリング装置を提供することを目的とする。
(1)第1発明
(1.1)触覚ディスプレイ装置の全体構成
そこで、本発明者はこの課題を解決すべく鋭意研究し、試行錯誤を重ねた結果、触知ピンをヒトの皮膚に対してせん断方向に移動させるようにする構成にすることを思いつき、本発明を完成するに至った。
すなわち、第1発明の触覚ディスプレイ装置は、触覚呈示部材と、複数の触知ピンとを備えることを特徴とする。ここで、触覚呈示部材は、ヒトの皮膚に対し、接触可能な第1面に複数の孔を備える。触知ピンは、複数の孔からそれぞれ突出し、少なくとも触覚呈示部材の第1面に平行な方向に移動可能で、突出端をヒトの皮膚に当接させ、ヒトの皮膚に物体の表面性状感及び物体のトルク感に相当する触覚を呈示する。
ここで、触覚呈示部材の第1面に平行な方向とは、ヒトの指を触覚呈示部材の第1面上に配置した場合に、指表面に対してせん断方向(水平方向)となる。このように、指表面に対してせん断方向に触知ピンを移動させることができるので、物体の表面性状感に相当する触覚を呈示することができる。例えば、複数の触知ピンを指表面に対して同一せん断方向に同一量移動させることにより、物体の表面性状感に相当する触覚を呈示できる。
さらに、触知ピンは、複数配列されている。従って、これら複数の触知ピンを指表面に対してせん断方向に移動することにより、物体のトルク感に相当する触覚(回転触覚)を呈示することもできる。物体のトルク感とは、上述したように、例えば、指で物体を把持している場合に、物体に接触している指表面に垂直な軸回りに、物体が指表面に対して相対的に回転する場合の触覚である。この物体のトルク感に相当する触覚を呈示するためには、例えば、指元側に配置される触知ピンのせん断方向の移動量と指先側に配置される触知ピンのせん断方向の移動量とを異なるようにすればよい。これは、物体が回転する際に、回転中心は全く移動せず、回転中心から遠ざかるほど移動量が大きくなる。そこで、このことを触知ピンにて呈示することにより、物体のトルク感に相当する触覚を呈示することができる。
ここで、例えば、触覚呈示部材の第1面に平行な1軸方向のみに触知ピンが移動可能である場合には、ヒトの皮膚と仮想物体とが相対的に一方向に移動する場合における物体の表面性状感に相当する触覚を呈示できる。さらには、触覚呈示部材の第1面に平行な1軸方向のみに触知ピンが移動可能である場合には、ヒトの皮膚と仮想物体との回転角度が微小である場合における物体のトルク感に相当する触覚を呈示できる。
しかし、より複雑にヒトの皮膚と仮想物体とが相対移動する場合、及び、ヒトの皮膚と仮想物体との回転角度が大きくなる場合には、触覚呈示部材の第1面に平行な1軸方向のみに触知ピンが移動するのでは、十分に上記触覚を呈示できない場合がある。
そこで、触知ピンは、触覚呈示部材の第1面に平行な直交2軸方向に移動可能な第1触知ピンを備えるようにするとよい。これにより、上記の場合であっても、十分に物体の表面性状感及びトルク感に相当する触覚を呈示することができる。
ここで、物体の表面性状感に相当する触覚をより正確に呈示するには、ヒトの皮膚に対して触知ピンがせん断方向及び垂直方向への移動の組み合わせが必要となる。具体的には、直値ピンのせん断方向の移動量と垂直方向の移動量との比を変化させることで、種々の物体の表面性状感に相当する触覚を呈示できると考えられる。例えば、物体の表面性状感のうちザラザラ感に相当する触覚は、触知ピンのせん断方向の移動量に対する垂直方向の移動量の割合が大きい場合であると考えられる。また、物体の表面性状感のうちツルツル感に相当する触覚は、触知ピンのせん断方向の移動量に対する垂直方向の移動量の割合が小さい場合であると考えられる。
そこで、触知ピンは、触覚呈示部材の第1面に平行な直交2軸方向に移動可能な第1触知ピンと、触覚呈示部材の第1面に垂直方向に移動可能な第2触知ピンとを備えるようにするとよい。このように第1触知ピンと第2触知ピンとにより、全体として直交3軸方向へ移動することができるので、より正確に物体の表面性状感に相当する触覚を呈示できる。
この場合、第1触知ピン及び第2触知ピンは、それぞれ複数からなり、複数の第1触知ピン及び複数の第2触知ピンは、それぞれ市松模様状に配列されるようにするとよい。市松模様状とは、第1触知ピンと第2触知ピンが交互に配列された状態である。これにより、触知ピンのせん断方向の移動と垂直方向の移動とをバランス良く行うことができる。
また、表面性状感のうち、ヒトの皮膚と仮想物体とが相対的に一方向に移動する場合における物体の表面性状感のみに相当する触覚をすればよいケースがある。このような場合に、触知ピンは、触覚呈示部材の第1面に平行な第1の軸方向及び第1面に垂直方向に移動可能な第3触知ピンを備えるようにすればよい。すなわち、第3触知ピンは、触覚呈示部材の第1面に平行な第1の軸方向及び触覚呈示部材の第1面に垂直方向に移動するので、ヒトの皮膚と仮想物体とが相対的に一方向に移動する場合には、より正確に物体の表面性状に相当する触覚を呈示できる。
この場合、触知ピンは、触覚呈示部材の第1面に平行な第1の軸方向に移動可能な第3触知ピンと、第1面に平行であって前記第1の軸方向に垂直な第2の軸方向及び前記第1面に垂直方向に移動可能な第4触知ピンと、を備えるようにするとよい。つまり、第3触知ピンと第4触知ピンとにより、ヒトの皮膚に対して全体として直交3軸方向へ移動することができる。従って、より複雑にヒトの皮膚と仮想物体とが相対移動する場合における物体の表面性状感、及び、ヒトの皮膚と仮想物体との回転角度が大きくなる場合の物体のトルク感に相当する触覚を呈示できる。
この場合、第3触知ピン及び第4触知ピンは、それぞれ複数からなり、複数の第3触知ピン及び複数の第4触知ピンは、それぞれ市松模様状に配列されるようにするとよい。これにより、触知ピンのせん断方向のうちの直交2軸方向への移動をバランス良く行うことができる。
また、上述において、ヒトの皮膚に対して全体として触知ピンを直交3軸方向へ移動する構成としては、移動方向が異なる複数種類の触知ピンを組み合わせることとした。この他に、触知ピンは、第1面に平行な直交2軸方向及び第1面に垂直方向に移動可能な第5触知ピンを備えるようにしてもよい。つまり、第5触知ピン自身が、直交3軸方向へ移動することができるようにしている。これにより、より正確な物体の表面性状感及びトルク感に相当する触覚を呈示することができる。
(1.2)触覚ディスプレイ装置のアクチュエータ構成
また、上述した触覚ディスプレイ装置は、さらに、基台に対して少なくとも直交2軸方向に移動可能な作用部材を有する複数の多自由度アクチュエータを備え、触知ピンは、それぞれの作用部材に連結され、作用部材の基台に対する動作に伴い触覚呈示部材に対して移動するようにしてもよい。
この場合の多自由度アクチュエータは、アクチュエータ部材を複数備える。そして、それぞれのアクチュエータ部材は、たわみ変形可能な基部と、基部の少なくとも一方面に配置され且つ電圧が印加されることにより基部の一端側に対して他端側を揺動自在に駆動する圧電素子とを備える。
ここで、アクチュエータ部材の動作は、次のようになる。圧電素子に電圧を印加することで、圧電素子の長手方向が収縮する。また、圧電素子の長手方向とは、基部の延在方向、すなわち基部の一端側から他端側への方向である。そして、圧電素子の長手方向が収縮することに伴って、基部のうち圧電素子が配置されている面が収縮する。従って、基部は、圧電素子が配置されている面の方にたわむ。そして、圧電素子の収縮量は、印加電圧に応じて異なる。つまり、圧電素子への印加電圧に応じて、圧電素子の収縮量が変化し、その結果、基部のたわみ量が異なる。従って、圧電素子への印加電圧に応じて、基部の一端側から他端側を見た場合には、揺動していることになる。
なお、圧電素子を基部の両面に配置するようにしてもよい。この場合には、一方の圧電素子に電圧を印加する場合に、当該一方の圧電素子側に基部が揺動し、他方の圧電素子に電圧を印加する場合に、当該他方の圧電素子側に基部が揺動する。つまり、圧電素子を基部の両面に配置した場合には、圧電素子を基部の片面に配置した場合に比べて、基部の一端側に対する他端側のたわみ量が2倍に増大する。
このように、圧電素子への電圧印加により、一つのアクチュエータ部材は、基部の一端側に対して他端側が、揺動軸回りに揺動する。そして、多自由度アクチュエータは、このアクチュエータ部材を複数備えるので、複数の自由度、特に直交2軸方向に移動可能とすることができる。なお、アクチュエータ部材の揺動軸とは、アクチュエータ部材の基部の他端側が一端側に対して揺動する回転軸を意味する。
そして、このアクチュエータ部材は、全体として、非常に薄いプレート状とするとよい。具体的には、アクチュエータ部材を構成する基部及び圧電素子が、何れも肉厚の薄いシート状からなるようにする。従って、近年の半導体製造に用いられているナノ構造形成技術を適用すれば、このような薄型のアクチュエータ部材により多自由度アクチュエータを構成することで、多自由度アクチュエータの小型化を図ることができ、且つ、配列の自由度が増す。
さらに、アクチュエータ部材は、微少な動作を制御することができる。つまり、触知ピンの微少な動作を制御することができる。つまり、当該多自由度アクチュエータは、複数の触知ピンを駆動するための多自由度アクチュエータに適用することができる。
ここで、多自由度アクチュエータの詳細な構成としては、いわゆるシリアル型とパラレル型の2種類がある。
(1.3)シリアル型の多自由度アクチュエータ
まず、シリアル型の多自由度アクチュエータについて説明する。シリアル型の多自由度アクチュエータは、次のようになる。一のアクチュエータ部材の基部の一端側を他のアクチュエータ部材の基部の他端側に、当該一のアクチュエータ部材の揺動軸が当該他のアクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定する。つまり、複数のアクチュエータ部材が、連続的に連結される。さらに、それぞれのアクチュエータ部材の揺動軸が異なるようにしている。
具体的に、2自由度(ここでは直交2軸方向の自由度)の場合のシリアル型の多自由度アクチュエータは、次のようになる。すなわち、第1のアクチュエータ部材の基部の一端側を基台に固定し、第2のアクチュエータ部材の基部の一端側を第1のアクチュエータ部材の基部の他端側に、当該第2のアクチュエータ部材の揺動軸が第1のアクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、作用部材は、第2のアクチュエータ部材の基部の他端側に固定されるようにして、多自由度アクチュエータは2自由度を有する。このように構成することで、確実に2自由度を有する多自由度アクチュエータとすることができる。
特に、直交2軸方向の2自由度をより容易に有することができる構成としては、次のようにするとよい。すなわち、第2のアクチュエータ部材の基部の一端側を第1のアクチュエータ部材の基部の他端側に、第2のアクチュエータ部材の揺動軸が第1のアクチュエータ部材の揺動軸に対して直交するように固定するとよい。特に、基部の一端側に対する他端側の揺動量が微少の場合には、上述のように構成することで、第1のアクチュエータ部材が1軸方向の自由度を有し、第2のアクチュエータ部材が他の1軸方向の自由度を有するようにできる。これにより、基台に対する作用部材の位置制御が非常に容易となる。つまり、触知ピンの指表面に対する位置を容易に制御することができる。
また、3自由度(ここでは直交3軸方向の自由度)の場合のシリアル型の多自由度アクチュエータは、次のようになる。すなわち、第1のアクチュエータ部材の基部の一端側を基台に固定し、第2のアクチュエータ部材の基部の一端側を第1のアクチュエータ部材の基部の他端側に、当該第2のアクチュエータ部材の揺動軸が第1のアクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、第3のアクチュエータ部材の基部の一端側を第2のアクチュエータ部材の基部の他端側に、当該第3のアクチュエータ部材の揺動軸が第1及び第2のアクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、作用部材は、第3のアクチュエータ部材の基部の他端側に固定されるようにして、多自由度アクチュエータは3自由度を有する。このように構成することで、確実に3自由度を有する多自由度アクチュエータとすることができる。
特に、直交3軸方向の3自由度をより容易に有することができる構成としては、次のようにするとよい。すなわち、第2のアクチュエータ部材の基部の一端側を第1のアクチュエータ部材の基部の他端側に、当該第2のアクチュエータ部材の揺動軸が第1のアクチュエータ部材の揺動軸に対して直交するように固定し、第3のアクチュエータ部材の基部の一端側を第2の前記アクチュエータ部材の基部の他端側に、当該第3のアクチュエータ部材の揺動軸が第1及び第2のアクチュエータ部材の揺動軸に対して直交するように固定するとよい。特に、基部の一端側に対する他端側の揺動量が微少の場合には、上述のように構成することで、第1のアクチュエータ部材が1軸方向の自由度を有し、第2のアクチュエータ部材が他の1軸方向の自由度を有し、第3のアクチュエータ部材がさらに他の1軸方向の自由度を有するようにできる。これにより、基台に対する作用部材の位置制御が非常に容易となる。つまり、触知ピンの指表面に対するせん断方向の位置及び垂直方向の位置を容易に制御することができる。
(1.4)パラレル型の多自由度アクチュエータ
次に、パラレル型の多自由度アクチュエータについて説明する。パラレル型の多自由度アクチュエータは、次のようになる。それぞれのアクチュエータ部材の基部の一端側を基台に固定し、多自由度アクチュエータは、一端側をそれぞれの基部の他端側に回転可能に連結し、他端側を回転可能に相互に連結し合う複数の連結部材をさらに備え、作用部材は、一の連結部材の他端側に固定され、且つ、他の連結部材の他端側に回転可能に連結される。つまり、アクチュエータ部材は何れも基台に固定され、それぞれのアクチュエータ部材は連結部材を介して連結される。
具体的に、2自由度(ここでは直交2軸方向の自由度)の場合のパラレル型の多自由度アクチュエータは次のようにするとよい。すなわち、アクチュエータ部材及び連結部材は、それぞれ2個であり、それぞれのアクチュエータ部材の揺動軸は、平行であり、それぞれの連結部材の一端側は、アクチュエータ部材の揺動軸に平行な軸回りに回転可能に連結され、それぞれの連結部材の他端側は、アクチュエータ部材の揺動軸に平行な軸回りに回転可能に相互に連結し合うようにする。
つまり、2個のアクチュエータ部材の揺動軸、アクチュエータ部材と連結部材との回転軸、2個の連結部材の回転軸が、全て平行となるようにされている。従って、作用部材は、これらの揺動軸又は回転軸に垂直な平面に平行な方向に移動する。すなわち、作用部材は、基台に対して、当該平面上の直交2軸方向に移動することができる。さらに、基台に対する作用部材の位置制御が容易できる。つまり、触知ピンの指表面に対する位置を容易に制御することができる。
また、3自由度(ここでは直交3軸方向の自由度)の場合のパラレル型の多自由度アクチュエータは、次のようにするとよい。すなわち、アクチュエータ部材及び連結部材は、それぞれ3個であり、それぞれの連結部材の一端側は、それぞれの基部の他端側にボールジョイント又はユニバーサルジョイントを介して連結され、それぞれの連結部材の他端側は、ボールジョイント又はユニバーサルジョイントを介して相互に連結し合うようにする。これにより、作用部材は、基台に対して、直交3軸方向に移動することができる。さらに、基台に対する作用部材の位置制御は容易である。つまり、触知ピンの指表面に対するせん断方向の位置及び垂直方向の位置を容易に制御することができる。
ここで、上述したようなパラレル型の多自由度アクチュエータにおいて、以下のようにすることで、基台に対する作用部材のそれぞれの軸方向の変位量を大きく確保することができる。すなわち、アクチュエータ部材の揺動軸回りにおいて、基台面上のうち基部の一端側と基台との固定位置から他の基部に近接する方向を零度と規定し、基部が基台面上に垂直となる状態を90度と規定した場合に、アクチュエータ部材の揺動軸回りにおける基部と基台面とのなす角度は、30〜60度の範囲とするとよい。このように、基部と基台面とのなす角度が30〜60度の範囲とすることで、基台に対する作用部材のそれぞれの軸方向の変位を大きくすることができる。
なお、基台に対する作用部材のそれぞれの軸方向の変位量が最大となる当該なす角度は、圧電素子に電圧を印加していない状態における連結部材の長さに対するそれぞれの連結部材の一端側の離間距離の割合に応じて異なる。例えば、当該割合が1.4付近であれば、当該なす角度が40〜50度の範囲となる場合が、基台に対する作用部材のそれぞれの軸方向の変位量が最大となる。また、当該割合が1.1付近であれば、当該なす角度が30〜40度の範囲となる場合が、基台に対する作用部材のそれぞれの軸方向の変位量が最大となる。また、当該割合が1.7付近であれば、当該なす角度が50〜60度の範囲となる場合が、基台に対する作用部材のそれぞれの軸方向の変位量が最大となる。
また、上述したパラレル型の多自由度アクチュエータにおいて、圧電素子に電圧を印加していない状態(以下、「初期状態」という)において、一の連結部材と他の連結部材とは、屈曲した状態となるようにするとよい。つまり、初期状態において、それぞれの連結部材が直線状に位置していないことになる。仮に、初期状態において複数の連結部材が直線状に位置している場合に、圧電素子に電圧を印加すると、作用部材が基台に近接する方向に移動するか、基台から遠ざかる方向に移動するか不明となる。つまり、初期状態において複数の連結部材が直線状に位置していると、作用部材の位置制御が正確にできないおそれがある。そこで、初期状態において、連結部材が直線状に位置しないようにすることで、圧電素子に電圧を印加した際に、作用部材が移動する方向が決定される。その結果、作用部材の位置制御が正確にできる。
また、圧電素子に電圧を印加していない状態、すなわち初期状態において、連結部材の長さに対するそれぞれの連結部材の一端側の離間距離の割合は、1.0〜2.0の範囲とするとよい。例えば、2個の連結部材を取り上げた場合には、これらの連結部材の一端側と連結部材の他端側とにより、三角形が形成される。そして、これらの連結部材の一端側の離間距離を底辺とした場合に、底辺に対する他の辺の長さの割合が、1.0〜2.0の範囲となる。好ましくは、当該割合は1.3〜1.5であり、最適には、当該割合が1.4である。
圧電素子に最大の電圧を印加した場合において、当該割合が1.4に近づくほど、基台に対する作用部材のそれぞれの軸方向の変位量が近接することになる。例えば、2自由度の多自由度アクチュエータにおいて、当該割合が1.4に近づくほど、圧電素子に最大の電圧を印加した場合、すなわちアクチュエータ部材のたわみ量が最大の場合における所定の1軸方向への変位量と他の所定の1軸方向への変位量の差が小さくなる。つまり、直交2軸方向のそれぞれの方向の剛性差が小さいということになる。
このように、当該割合を上記範囲にすることで、直交移動軸方向のそれぞれの方向の剛性差を小さくすることができる。つまり、例えば、触知ピンを触覚呈示部材の第1面に平行な直交2軸方向に移動させる場合に、移動方向に応じて剛性が異ならないようにすることができる。つまり、触知ピンが指表面に接触している場合であっても、適切に触知ピンを移動させることができる。換言すると、物体の表面性状感及びトルク感に相当する触覚を確実に呈示することができる。
また、シリアル型の多自由度アクチュエータでは、直交移動軸方向のそれぞれの方向の剛性差を小さくすることが困難である。しかし、パラレル型の多自由度アクチュエータを採用し、且つ、当該割合を上記範囲にすることで、直交移動軸方向のそれぞれの方向の剛性差を小さくすることができる。
(1.5)多自由度アクチュエータの制御部
次に、多自由度アクチュエータの制御部について説明する。ここでは、ニューラルネットワークを用いる方法を説明する。すなわち、多自由度アクチュエータを制御する制御部は、作用部材の目標移動量及び圧電素子に印加している現在電圧値に基づいて、ニューラルネットワークを用いて電圧変化量を算出する電圧変化量算出部と、電圧変化量を積分して圧電素子に印加すべき電圧値を算出し、圧電素子に印加する電圧印加部と、を備える。
このように、ニューラルネットワークを用いることで、高い応答性を確保しつつ高精度に作用部材を駆動することができる。特に、電圧変化量を積分することを、ニューラルネットワークによる演算から除外することで、演算の高速性とニューラルネットワークの小規模化を図ることができる。つまり、高度な処理能力を有する演算器を必要とすることなく、処理を行うことができる。
(2)第2発明
上述した第1発明は、触覚ディスプレイ装置とした場合について説明した。ここで、触覚ディスプレイ装置を構成する多自由度アクチュエータは、それ自身においても特徴的である。そこで、第2発明として、多自由度アクチュエータを取り上げた場合について説明する。
第2発明である多自由度アクチュエータは、基台に対して少なくとも2自由度を有する作用部材を備える多自由度アクチュエータであって、アクチュエータ部材を複数備えることを特徴とする。このアクチュエータ部材は、たわみ変形可能な基部と、基部の少なくとも一方面に配置され且つ電圧が印加されることにより基部の一端側に対して他端側を揺動自在に駆動する圧電素子とを備える。
この多自由度アクチュエータは、上述した第1発明の触覚ディスプレイ装置を構成する多自由度アクチュエータと同一である。従って、作用部材は、基台に対して、少なくとも直交2軸方向に移動できる。そして、アクチュエータ部材は、全体として、非常に薄いプレート状とするとよい。このような薄型のアクチュエータ部材により多自由度アクチュエータを構成することで、多自由度アクチュエータの小型化を図ることができ、且つ、配列の自由度が増す。さらに、アクチュエータ部材は、基台に対する作用部材の微少な動作を制御できる。
また、第2発明の多自由度アクチュエータの詳細な構成としては、いわゆるシリアル型とパラレル型の2種類がある。
シリアル型の多自由度アクチュエータは、一のアクチュエータ部材の基部の一端側を他のアクチュエータ部材の基部の他端側に、当該一のアクチュエータ部材の揺動軸が当該他のアクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定する。つまり、複数のアクチュエータプレートが、連続的に連結される。さらに、それぞれのアクチュエータ部材の揺動軸が異なるようにしている。
この第2発明のシリアル型の多自由度アクチュエータには、上述した第1発明の触覚ディスプレイ装置を構成するシリアル型の多自由度アクチュエータにて説明した事項を適用することができる。この場合、上述した同一の効果を奏する。
また、パラレル型の多自由度アクチュエータは、それぞれのアクチュエータ部材の基部の一端側を基台に固定し、一端側をそれぞれの基部の他端側に回転可能に連結し、他端側を回転可能に相互に連結し合う複数の連結部材をさらに備え、作用部材は、一の連結部材の他端側に固定され、且つ、他の連結部材の他端側に回転可能に連結されるようにする。つまり、アクチュエータ部材は何れも基台に固定され、それぞれのアクチュエータ部材は連結部材を介して連結される。
この第2発明のパラレル型の多自由度アクチュエータには、上述した第1発明の触覚ディスプレイ装置を構成するパラレル型の多自由度アクチュエータにて説明した事項を適用することができる。この場合、上述した同一の効果を奏する。
(3)第3発明
また、多自由度アクチュエータを用いて、ハンドリング装置を構成することもできる。ハンドリング装置とは、物体を把持し、搬送することができる装置である。すなわち、第3発明であるハンドリング装置は、基台に対して少なくとも直交2軸方向に移動可能な第1作用部材を有する第1の多自由度アクチュエータと、基台に対して少なくとも直交2軸方向に移動可能な第2作用部材を有する第2の多自由度アクチュエータと、第1作用部材に連結される第1把持部材と、第2作用部材に連結される第2把持部材とを備える。そして、第1の多自由度アクチュエータ及び第2の多自由度アクチュエータの少なくとも何れか一方は、アクチュエータ部材を複数備えることを特徴とする。アクチュエータ部材は、たわみ変形可能な基部と、基部の少なくとも一方面に配置され且つ電圧が印加されることにより基部の一端側に対して他端側を揺動自在に駆動する圧電素子とを備える。
このハンドリング装置は、上述した第2発明の多自由度アクチュエータを2個備える。そして、第1、第2の多自由度アクチュエータが2自由度を有するので、第1把持部材と第2把持部材とにより、確実に物体を把持することができ、且つ、搬送することができる。そして、アクチュエータ部材は、全体として、非常に薄いプレート状とするとよい。従って、このような薄型のアクチュエータ部材により多自由度アクチュエータを構成することで、多自由度アクチュエータの小型化を図ることができる。さらに、アクチュエータ部材は、基台に対する作用部材の微少な動作を制御できる。つまり、第3発明であるハンドリング装置により、非常に微少な物体を把持し、搬送することができる。
この第3発明のハンドリング装置を構成する多自由度アクチュエータの詳細な構成としては、いわゆるシリアル型とパラレル型の2種類がある。
ハンドリング装置を構成するシリアル型の多自由度アクチュエータは、一のアクチュエータ部材の基部の一端側を他のアクチュエータ部材の基部の他端側に、当該一のアクチュエータ部材の揺動軸が当該他のアクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定する。つまり、複数のアクチュエータ部材が、連続的に連結される。さらに、それぞれのアクチュエータ部材の揺動軸が異なるようにしている。
この第3発明のハンドリング装置を構成するシリアル型の多自由度アクチュエータには、上述した第1発明の触覚ディスプレイ装置を構成するシリアル型の多自由度アクチュエータにて説明した事項を適用することができる。この場合、上述した同一の効果を奏する。
また、ハンドリング装置を構成するパラレル型の多自由度アクチュエータは、それぞれのアクチュエータ部材の基部の一端側を基台に固定し、多自由度アクチュエータは、一端側をそれぞれの基部の他端側に回転可能に連結し、他端側を回転可能に相互に連結し合う複数の連結部材をさらに備え、第1作用部材及び第2作用部材の少なくとも何れか一方は、一の連結部材の他端側に固定され、且つ、他の連結部材の他端側に回転可能に連結される。つまり、アクチュエータ部材は何れも基台に固定され、それぞれのアクチュエータ部材は連結部材を介して連結される。
この第3発明のハンドリング装置を構成するパラレル型の多自由度アクチュエータには、上述した第1発明の触覚ディスプレイ装置を構成するパラレル型の多自由度アクチュエータにて説明した事項を適用することができる。この場合、上述した同一の効果を奏する。
第1発明の触覚ディスプレイ装置によれば、物体の表面性状感及び物体のトルク感に相当する触覚を呈示することができる。さらに、近年の半導体製造に用いられているナノ構造形成技術を適用すれば、触覚ディスプレイ装置を構成する多自由度アクチュエータ部材は小型化を図ることができ、配列の自由度が増す。さらに、アクチュエータ部材は、微少な動作を制御することができる。つまり、触知ピンの微少な動作を制御することができる。つまり、当該多自由度アクチュエータは、複数の触知ピンを駆動するための多自由度アクチュエータに適用することができる。
第2発明の多自由度アクチュエータによれば、第1発明の触覚ディスプレイ装置を構成する多自由度アクチュエータによる効果と同一の効果を奏する。また、第3のハンドリング装置によれば、非常に微小な物体を把持し、搬送することができる。
図1は、触覚ディスプレイ装置1を用いたゲーム機について説明するための図である。
図2は、図1に示す棒8と指とが棒8の軸方向に相対移動した場合などに生じる触覚について説明する図である。
図3は、ヒトの触覚システムにおいて、横軸を触知ピン33の振動周波数とし、縦軸を触知ピン33の振動振幅とした場合に、ヒトが触知ピン33による刺激を認識できる限界値を示す。
図4は、図1に示す棒8が指に対して、指表面に垂直な軸回りに相対回転する場合などに生じる触覚について説明する図である。
図5は、触覚ディスプレイ装置1を用いた腹腔内手術装置について説明するための図である。
図6は、触覚ディスプレイ装置1を用いた惑星探査機について説明するための図である。
図7は、触知ピン33の配列を示す図である。
図8は、触覚ディスプレイ装置1の概要について説明するための図である。
図9は、触覚ディスプレイ装置1の斜視図である。
図10は、2自由度アクチュエータ32の斜視図である。
図11は、2自由度アクチュエータ32の模式図である。
図12は、第1、第2アクチュエータプレート42、43の上面図である。
図13は、2自由度アクチュエータ32の動作について説明する図である。
図14は、図11の第1連結部材14及び第2連結部材45を含む部分の拡大図である。
図15は、第1アクチュエータプレート42の圧電素子42b、42cに印加する電圧を無次元化した値と、第1アクチュエータプレート42のたわみ量を無次元化した値との関係を示す。
図16は、第2アクチュエータプレート43の圧電素子43b、43cに印加する電圧を無次元化した値と、第2アクチュエータプレート43のたわみ量を無次元化した値との関係を示す。
図17は、制御部100のブロック図を示す。
図18は、なす角度θを60度とした場合において、横軸を割合b/aとし、縦軸を変位量Ux、Uyのそれぞれとした図である。
図19は、割合b/aを1.1、1.4、1.7とした場合において、横軸をθとし、縦軸を変位量Ux、Uyのそれぞれとした図である。
図20は、3自由度アクチュエータ50を示す模式図である。
図21は、シリアル型2自由度アクチュエータ60を示す図である。
図22は、シリアル型2自由度アクチュエータ70を示す図である。
図23は、シリアル型3自由度アクチュエータ80を示す図である。
図24は、ハンドリング装置90を示す図である。
次に、実施形態を挙げ、本発明をより詳しく説明する。
(1)触覚ディスプレイ装置1の適用例
まず、触覚ディスプレイ装置1の適用例について説明する。
(1.1)触覚ディスプレイ装置1を用いたゲーム機の説明
まず、第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1を用いたゲーム機について図1を参照して説明する。図1は、触覚ディスプレイ装置1を用いたゲーム機について説明するための図である。ここでは、当該ゲーム機は、ヒトの指により仮想の棒を持ち、ヒトの手や指を動かすことにより、画面上の棒を穴に挿入する例を挙げる。
このゲーム機は、一対の触覚ディスプレイ装置1、1と、触覚ディスプレイコントローラ2と、データグローブ3と、指関節角度検出装置4と、手位置姿勢検出器5と、コンピュータ6とから構成される。
一対の触覚ディスプレイ装置1、1は、実際のヒトの手7の親指及び人差し指をそれぞれ挿入配置され、親指及び人差し指に当接可能であって、アレイ状に配列された複数の触知ピン33(後述する)を備える。これらの触知ピン33は、触覚呈示プレート31(図2に示す)に対してそれぞれ直交3軸方向に移動可能な構成とする。これらの触知ピン33は、例えば、ピン直径を0.3mm〜0.8mmとし、縦8列、横8列の配列で合計64個用いる。また、これらの触知ピン33のピン間隔は、2mm以内としている。これは、ヒトの手7の指の二点弁別閾が2mm以内であるためである。さらに、ヒトの指先のうち接触すべき面積は、例えば、少なくとも100mm程度とするとよい。触知ピン33を縦8列、横8列とした場合には、ピン間隔を例えば1.5mm程度とすればよい。
そして、これらの触知ピン33は、コンピュータ6の画面上に映された仮想の棒8と仮想の手9の指との相対位置や相対移動に応じて、実際の手7の指表面に対してせん断方向及び垂直方向に移動する。つまり、触知ピン33が実際の手7の指表面に対して移動することで、仮想の棒8の表面性状感及びトルク感に相当する触覚を呈示する。
触覚ディスプレイコントローラ2は、コンピュータ6から出力される指令値に基づいて、一対の触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33を制御する。データグローブ3は、手袋状をなしており、嵌められた実際の手7の指の曲げ角度を検出するためのセンサが埋め込まれている。そして、指関節角度検出装置4は、データグローブ3から出力される信号をデジタルデータに変換する。手位置姿勢検出器5は、CCDカメラ又は磁気センサを用いて、データグローブ3に設置したマーカの位置に基づいて、実際の手7の位置・姿勢を検出する。そして、検出した実際の手7の位置・姿勢の情報をデジタルデータに変換する。
コンピュータ6は、指関節角度検出装置4により検出された実際の手7の指の関節角度、並びに、手位置姿勢検出器5により検出された実際の手7の位置・姿勢を入力する。そして、画面上に映された仮想の手9の位置・姿勢及びそれぞれの手9の指の間接角度を移動させる。さらに、コンピュータ6は、例えば、画面上の棒8が穴10に挿入されることなどによって、仮想の手9と棒8とが相対移動する場合には、その情報に応じた信号を触覚ディスプレイコントローラ2へ出力する。そして、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33が駆動することにより、実際のヒト7の手が仮想の棒8を把持しているような触覚を得ることができる。
ここで、図2を用いて、物体の表面性状感について説明する。図2は、図1に示す棒8と指とが棒8の軸方向に相対移動した場合などに生じる触覚について説明する図である。ここで、図2(a)は、指が実際に棒8に触れている場合を示し、図2(b)は、指が触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33に触れている場合を示す。ここで、図2(b)は、説明及び図示の容易化のため、触知ピン33の個数を少なくしたものを図示している。図2(b)においては、触知ピン33を縦4列、横4列に配列しているが、実際には上述したように例えば縦8列、横8列などとする。
そして、多くの物体の表面は、微細な凹凸状をなしている。この場合、ヒトの手の指がその物体表面上を移動すると、手の指にはザラザラ感に相当する触覚を得る。また、物体の表面が非常に滑らかな場合には、ヒトの手の指がその物体表面上を移動すると、手の指にはツルツル感に相当する触覚を得る。このザラザラ感及びツルツル感を総称して物体の表面性状感という。
そして、棒8の表面性状が図2(a)に示すような凹凸状であると仮定する。このとき、手の指と棒8とが棒8の軸方向に相対移動した場合には、棒8の凸部により手の指表面には、指表面に対して垂直方向の力及び指表面に対してせん断方向の力が作用することが分かった。
そこで、図2(b)に示すように、棒8の凸部により指表面に作用する力と同等の力を、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33により表現するようにしている。すなわち、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33は、手の指表面に対して垂直方向及びせん断方向に移動させる。これにより、より正確な物体の表面性状感に相当する触覚を呈示できる。
ここで、手の指表面に対して触知ピン33を垂直方向及びせん断方向に移動させることの有効性について、図3を参照して、より詳細に説明する。図3は、ヒトの触覚システムにおいて、横軸を触知ピン33の振動周波数とし、縦軸を触知ピン33の振動振幅とした場合に、ヒトが触知ピン33による刺激を認識できる限界値を示す。
ここで、ヒトの触覚システムの感覚受容器には、次の4つあることが知られている。マイスナー小体、パチニ小体、メルケル細胞、及び、ルフィニ終末である。マイスナー小体を感覚受容器とする触覚システム(FAI)は、主として垂直方向の刺激の速度に反応する。パチニ小体を感覚受容器とする触覚システム(FAII)は、主として垂直方向の刺激の加速度に反応する。メルケル細胞を感覚受容器とする触覚システム(SAI)は、主として垂直方向の刺激の速度と一定荷重に反応する。ルフィニ終末を感覚受容器とする触覚システム(SAII)は、せん断方向の刺激に応答すると考えられている。
そして、図3には、4つの触覚システムに対して、垂直振動刺激(N)を与えた場合と、せん断振動刺激(T)を与えた場合とについて示している。図3に示すように、メルケル細胞を感覚受容器とする触覚システムのせん断振動刺激の場合(SAI−T)の感度特性は、垂直振動刺激の場合(SAI−N)の感度特性に比べて大きく低下する。また、マイスナー小体を感覚受容器とする触覚システムのせん断振動刺激の場合(FAI−T)の感度特性も、垂直振動刺激の場合(FAI−N)の感度特性に比べて大きく低下する。また、パチニ小体を感覚受容器とする触覚システムのせん断振動刺激の場合(FAII−T)の感度特性は、垂直振動刺激の場合(FAII−N)の感度に比べて僅かに低下する。
これに対して、ルフィニ終末を感覚受容器とする触覚システムのせん断振動刺激の場合(SAII−T)の感度特性は、垂直振動刺激の場合(SAII−N)の感度特性に比べて顕著に向上する。
ここで、指を物体表面上で滑らせた場合に、指表面と物体との間で発生するスティック・スリップ現象について説明する。この現象は、指紋のうねりの固有振動数付近の周波数の振動が影響を及ぼしていると考えられる。そして、指紋のうねりの固有振動数は、約250Hzである。つまり、スティック・スリップ現象では、周波数f2(=約250Hz)付近の垂直方向の振動とせん断方向の振動が生じると考えられる。ただし、指を滑らせる物体表面の表面性状などによって、垂直振動刺激とせん断振動刺激の割合が異なる。
そこで、スティック・スリップ現象に相当する触覚を表現するには、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33を、垂直方向及びせん断方向に周波数f2付近で振動させる必要がある。ここで、周波数f2における垂直振動刺激に対しては、特にパチニ小体を感覚受容器とする触覚システムが、最も感度が高い(図3のB点)。例えば、被験者によっては、周波数が250Hz付近において、刺激を認識できる限界の振動振幅が0.02μm程度に達することもあると言われている。また、周波数f2におけるせん断振動刺激に対しては、主として、ルフィニ終末を感覚受容器とする触覚システムが、影響を受ける(図3のA点)。例えば、被験者によっては、周波数250Hz付近において、刺激を認識できる限界の振動振幅が0.1μm程度に達することもあると言われている。
そこで、触知ピン33にせん断方向に図3のA点の振動をさせ、且つ、垂直方向に図3のB点の振動をさせることで、スティック・スリップ現象を表現できる。さらに、指を滑らせる物体表面の表面性状などによる垂直振動刺激とせん断振動刺激との割合に応じて、垂直方向の振動振幅とせん断方向の振動振幅との割合を適宜変更する。
また、指を凹凸面上で滑らせるときには、上述したスティック・スリップ現象とは別に、指表面と物体表面との相対速度に応じた周波数帯の振動が、指に伝えられる。具体的には、当該周波数帯の垂直方向の振動及びせん断方向の振動が指に伝えられると考えられる。そして、例えば、物体表面に対する指の移動速度を次第に増加する場合には、周波数が低い位置から周波数が高い位置へ変化する。さらに、この場合も、上述したスティック・スリップ現象と同様に、指を滑らせる物体表面の表面性状などによって、垂直振動刺激とせん断振動刺激の割合が異なる。
そこで、当該刺激に相当する触覚を表現するには、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33を、垂直方向及びせん断方向に物体表面に対する指の移動速度に応じた周波数帯で振動させる必要がある。例えば、当該移動速度に応じた周波数がf1から次第に増加する場合には、まず、触知ピン33にせん断方向に図3のC点の振動をさせ、且つ、垂直方向に図3のD点の振動をさせる。そして、周波数が大きくなると、せん断方向の振動は、SAII−T上に沿った振幅以上とする。また、垂直方向の振動は、FAI−N、FAII−N、及び、SAI−Nのうち最も感度の高いものの感度特性に沿った振幅以上とする。さらに、指を滑らせる物体表面の表面性状などによる垂直振動刺激とせん断振動刺激との割合に応じて、垂直方向の振動振幅とせん断方向の振動振幅との割合を適宜変更する。
つまり、物体表面上で指を滑らせる場合には、スティック・スリップ現象に重畳させて、上述の指の移動速度に対応して変化する振動を発生させる必要があるため、例えば、A点及びC点に相当するせん断方向の振動と、B点及びD点に相当する垂直方向の振動との両方を重ね合わせた振動を触知ピン33にさせることで、より正確に表面性状感に相当する触覚を呈示できる。
次に、図4を用いて、物体のトルク感について説明する。図4は、図1に示す棒8が指に対して、指表面に垂直な軸回りに相対回転する場合などに生じる触覚について説明する図である。なお、図4(a)は、手7の上方から見た図を示し、図4(b)は、手7の左側方から見た図を示す。
ここで、物体のトルク感とは、図4(a)(b)に示すように、例えば、手7の指で棒8を把持している場合に、棒8に接触している指表面に垂直な軸回り(図4(b)の上下軸回り)に、棒8が指表面に対して相対的に回転する場合の触覚である。図4においては、手7に対して回転中心Oを中心として図4(a)の時計回りに棒8が回転した場合を示す。
そして、手7に対して棒8が上記のように回転し始める瞬間及び回転している間においては、回転中心Oにおける手7に対する棒8の相対位置は変化せず、回転中心Oの周囲における手7に対する棒8の相対位置は図4(a)の時計回り方向に変化する。さらに、回転中心Oから遠ざかるほど、手7に対する棒8の相対位置の変化量は大きくなる。
そこで、図4(a)(b)に示すように、手7の指表面に対する棒8の相対位置に相当する変化量と同等の変化を、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33により表現するようにしている。すなわち、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン33は、手7に対して棒8が上記のように回転し始める瞬間及び回転している間において、回転中心Oに位置する触知ピン33の位置は移動せず、回転中心Oの周囲に位置する触知ピン33は図4(a)の時計回り方向に移動する。特に、回転中心Oから遠ざかる位置の触知ピン33ほど、移動量が大きくする。これにより、より正確に物体のトルク感に相当する触覚を呈示できる。
(1.2)触覚ディスプレイ装置1を用いた腹腔内手術装置の説明
次に、第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1を用いた腹腔内手術装置について図5を参照して説明する。図5は、触覚ディスプレイ装置1を用いた腹腔内手術装置について説明するための図である。ここで、腹腔内手術とは、近年、低侵襲手術として注目を集めている手術の一つである。すなわち、腹腔内手術は、腹腔内顕微鏡の画像を見ながら、患者の腹部の微小穴から挿入したマイクロハンドを操作して行う手術である。ここでは、患者がいる手術現場と、マイクロハンドを操作する医師のいる医療センタとが離れた、いわゆる遠隔手術の場合を例に挙げて説明する。
この遠隔による腹腔内手術装置は、2個の一対の触覚ディスプレイ装置1、1、1、1と、モニタ12と、マイクロハンド13と、腹腔内顕微鏡(図示しない)と、各種センサ(図示せず)を備える。
手術現場にいる患者の腹部に、マイクロハンド13及び腹腔内顕微鏡が挿入されている。図5の左側には、腹腔内顕微鏡の画像を示す。このマイクロハンド13は、医療センタにいる医師の手の操作に従って、遠隔的に駆動する。
一方、医療センタにあるモニタ12には、手術現場にある腹腔内顕微鏡に接続されており、腹腔内顕微鏡画像と同一の画像が映し出されている。そして、医療センタにいる医師は、モニタ12に映し出される画像を見ながら、マイクロハンド13を遠隔操作する。
さらに、医師の両手の親指及び人差し指は、2個の一対の触覚ディスプレイ装置1、1、・・・にそれぞれ挿入されている。この一対の触覚ディスプレイ装置1、1は、上述したゲーム機における触覚ディスプレイ装置1、1と同様である。そして、この触覚ディスプレイ装置1、1、・・・は、手術現場にあるマイクロハンド13に接続されており、マイクロハンド13が受ける触覚に相当する触覚が、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン(図示せず)により医師の手の指に呈示される。
つまり、医師がマイクロハンド13を遠隔操作した場合に、医師は、マイクロハンド13が受ける触覚を触覚ディスプレイ装置1から受けることができる。従って、医師は、あたかも開腹手術を行っているかのような触覚を感じながら、手術を行うことができる。なお、医療センタと手術現場との電気通信の速度を高めることで、手術現場が医療センタから遠隔地に存在する場合にも適用することができる。
(1.3)触覚ディスプレイ装置1を用いたリモート装置の説明
次に、第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1を用いたリモート装置について図6を参照して説明する。図6は、触覚ディスプレイ装置1を用いたリモート装置について説明するための図である。リモート装置は、ヒトが近づくことが困難な空間(ここでは、遠隔地)に、ヒトに代わって送り込まれたロボットに探査させる装置である。
このリモート装置は、一対の触覚ディスプレイ装置1、1と、モニタ22と、多自由度アクチュエータ23を備える探査車とを備える。そして、ヒトが、モニタ22に映し出される画像を見ながら、手を操作することにより、遠隔地にある探査車の多自由度アクチュエータ23を遠隔的に駆動する。
そして、手を挿入した触覚ディスプレイ装置1は、多自由度アクチュエータ23に接続されており、多自由度アクチュエータ23が受ける触覚に相当する触覚が、触覚ディスプレイ装置1の触知ピン(図示せず)によりヒトの手の指に呈示される。
つまり、ロボットが送り込まれた場所に実在しないヒトが、あたかも実際に遠隔地で見たり触ったりしているかのような触覚を感じることができる。従って、調査効率が、従来に比べて飛躍的に高まる。
(1.4)触覚ディスプレイ装置1のその他の用途
上記の他に、例えば、博物館に展示されている観賞用の展示物などを、触覚ディスプレイ装置1を用いて、あたかも観賞用の展示物を触っているような感覚を得ることができる。この場合、例えば、ヒトの手の五指に対応する触覚ディスプレイ装置1を備えるようにするとよい。さらには、手の指以外にも手の平などに対応する触覚ディスプレイ装置1を備えるようにしてもよい。
また、例えば、視覚障害者に対して、景色などを表示した二次元画像や絵画などを、触覚ディスプレイ装置1を用いて、呈示することもできる。この場合、色や形などに応じて触知ピン33を移動させることで、二次元画像や絵画などを実際に鑑賞している感覚を得ることができる。
(1.5)触知ピン33の種類
なお、上述においては、全ての触知ピン33は、触覚呈示プレート31に対して直交3軸方向に移動可能な構成であるとして説明した。この他に、第1の触知ピン33aは、触覚呈示プレート31に平行な直交2軸方向(X、Y方向)に移動可能であって、第2の触知ピン33bは、触覚呈示プレート31に垂直な方向(Z方向)に移動可能としてもよい。また、第3の触知ピン33cは、触覚呈示プレート31に平行な軸方向(X方向)及び触覚呈示プレート31に垂直な方向(Z方向)に移動可能とする。そして、第4の触知ピン33dは、触覚呈示プレート31に平行で第3の触知ピン33cの移動可能な方向に垂直な軸方向(Y方向)及び触覚呈示プレート31に垂直な方向(Z方向)に移動可能としてもよい。
そして、このように、移動方向が異なる2種類の触知ピン33a、33b、33c、33dを備える場合には、図7に示すように、市松模様状に配列するとよい。すなわち、第1の触知ピン33a(図7の白丸)と第2の触知ピン33b(図7の黒丸)とが交互に配列される。若しくは、第3の触知ピン33c(図7の白丸)と第4の触知ピン33d(図7の黒丸)が交互に配列される。
これにより、全体として、直交3軸方向に触知ピン33が触覚呈示プレート31に対して移動するような状態を、バランス良く形成することができる。
(2)第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1
次に、第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1について説明する。
(2.1)第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1の概要説明
第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1は、触知ピン33を直交2軸方向に移動可能な構成としている。この第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1の概要について図8を参照して説明する。図8は、触覚ディスプレイ装置1の概要について説明するための図である。図8に示すように、触覚ディスプレイ装置1は、複数の孔31aが形成された触覚呈示プレート(本発明における触覚呈示部材)31と、それぞれの孔31aから突出する触知ピン33とを備えている。そして、それぞれの触知ピン33は、それぞれの孔31a内をX方向及びY方向に移動可能とされている。
そして、ヒトの指を触覚呈示プレート31の触覚呈示面に配置した場合に、それぞれの触知ピン33がXY方向へ移動する。つまり、触知ピン33は、指表面に接触した状態で、指表面に対してせん断方向へ移動する。このように、触知ピン33を指表面に対してせん断方向(XY方向)へ移動することにより、ザラザラ感・ツルツル感に相当する触覚を呈示することができる。
さらに、トルク感に相当する触覚を呈示することができる。トルク感とは、例えば、指で物体を把持している場合に、物体に接触している指表面に対して垂直な軸回りに、物体が指表面に対して相対的に回転する場合の触覚である。このトルク感を呈示するための触知ピン33の動作について、例えば、物体が指表面に対して時計回りに回転している場合を例に挙げる。この場合、指元側(図8の下方側)に配置される触知ピン33のX正方向(図8の右方向)の移動量と指先側(図8の上方側)に配置される触知ピン33のX正方向の移動量とを異なるようにすればよい。これは、物体が回転する際に、回転中心は全く移動せず、回転中心から遠ざかるほど回転方向への移動量が大きくなるからである。つまり、触知ピン33のXY方向の移動量を異ならせることにより呈示することで、トルク感を呈示することができる。
(2.2)触覚ディスプレイ装置1の詳細構成
次に、触覚ディスプレイ装置1の詳細構成について、図9を参照して説明する。図9は、触覚ディスプレイ装置1の斜視図を示す。図9に示すように、触覚ディスプレイ装置1は、触覚呈示プレート31と、10個の2自由度アクチュエータ32、32、・・・と、10個の触知ピン33、33、・・・とから構成される。
触覚呈示プレート31は、10個の孔31a、31a、・・・がアレイ状に形成されている。具体的には、図8の奥側から手前側に向かって左右方向の孔数が2、4、4、2列となるように形成されている。これらの孔31aは、円形状に形成されている。そして、この触覚呈示プレート31の図8の上面側が、触覚呈示面である。すなわち、触覚呈示プレート31の上面側にヒトの指を配置した場合に、当該指に対して種々の触覚を呈示する面となる。なお、孔31a及び後述する触知ピン33の数は、実際には縦8列、横8列などとすることが望ましいが、説明及び図示の容易化のため、上述したような配列数としている。
それぞれの2自由度アクチュエータ32、32、・・・(本発明における多自由度アクチュエータ)は、全体としての概略形状は、ハの字状からなる。そして、これらの2自由度アクチュエータ32は、ハの字状がXY平面上に延在するように、触覚ディスプレイ装置1の図8の下方側に配置されている。なお、全ての2自由度アクチュエータ32が同一のXY平面上に延在するように配置してもよいし、それぞれの2自由度アクチュエータ32が異なるXY平面上に延在するように配置してもよい。また、これらの2自由度アクチュエータ32は、それぞれの基台41(図10に示す)に対してそれぞれの作用部材46が直交2軸方向に移動可能とされている。ここで、直交2軸方向とは、触覚呈示プレート31に平行な軸方向、すなわちX方向及びY方向である。
さらに、これらの2自由度アクチュエータ32は、それぞれ2個、2個、3個、3個からなる4グループに分けられている。そして、それぞれのグループの2自由度アクチュエータ32がほぼ同一方向を向くように配置されている。つまり、同一グループの2自由度アクチュエータ32のハの字状が、ほぼ同一方向に向くようにされている。そして、それぞれのグループの2自由度アクチュエータ32のハの字の狭くなる側が、触覚呈示プレート31の中央付近の直下に向くように配置されている。例えば、それぞれのグループの2自由度アクチュエータ32の向きが、XY平面において90度回転した状態とする。このように、10個の2自由度アクチュエータ32は、非常にコンパクトに整列した状態で配列されている。なお、2自由度アクチュエータ32の詳細構成については、後述する。
それぞれの触知ピン33、33、・・・は、棒状からなる。これらの触知ピン33は、相互に接触しないように、クランク状に屈曲形成されている。そして、これらの触知ピン33の一端側は、それぞれの2自由度アクチュエータ32の作用部材46に連結固定されている。つまり、触知ピン33は、2自由度アクチュエータ32の作用部材46が基台41に対して移動した場合に、この作用部材46の動作と同様に動作する。また、それぞれの触知ピン33の他端側は、触覚呈示プレート31のそれぞれの孔31aから図8の上側へ突出するように配置されている。つまり、触知ピン33の他端側は、Z方向に伸びるように配置されている。ここで、触知ピン33の外径は、触覚呈示プレート31の孔31aの内径よりも小さく形成されている。従って、触知ピン33の他端側は、触覚呈示プレート31の孔31a内をX方向及びY方向に移動可能である。つまり、触知ピン33は、2自由度アクチュエータ32の作用部材46の基台41に対する移動により、触覚呈示プレート31の孔31a内をX方向及びY方向へ移動する。なお、触知ピン33は、それぞれ移動した場合であっても、相互に接触しないようにしていることはもちろんである。
(2.3)2自由度アクチュエータ32の詳細構成
次に、2自由度アクチュエータ32の詳細構成について図10〜図12を参照して説明する。図10は、触覚ディスプレイ装置1を構成する2自由度アクチュエータ32の斜視図を示す。図11は、2自由度アクチュエータ32の模式図を示す。図12は、第1、第2アクチュエータプレート42、43の上面図を示す。
図10〜図12に示すように、2自由度アクチュエータ32は、基台41と、第1アクチュエータプレート42と、第2アクチュエータプレート43と、第1連結部材44と、第2連結部材45と、作用部材46とから構成される。
基台41は、L字型側面形状をなしている。そして、基台41のうち第1、第2アクチュエータプレート42、43を固定する面41a(以下、「固定面」という)は、XY平面に垂直な面とされている。また、この基台41は、上述した触覚呈示プレート31に固定的に配置されている。
第1アクチュエータプレート42は、基プレート42aと、圧電素子42b、42cとから構成される。基プレート42aは、細長板状の鋼板からなる。この基プレート42aがXY平面上に延在するように、基プレート42aの一端側(図12の右端側)が、基台41の固定面41a(本発明における基台面)に固定されている。さらに、基プレート42aは、XY平面上において、一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるように、基台41に固定されている。つまり、基プレート42aの他端側が、一端側に対してZ軸回りに揺動可能となる。
ここで、基プレート42aと基台41の固定面41aとのなす角度をθとする。なす角度θは、基プレート42aの一端側と基台41との固定位置から基プレート43a(後述する)の一端側と基台41との固定位置に近接する方向に基プレート42aが位置している状態を零度と規定する。つまり、基台41の固定面41aと基プレート42aとが平行な状態が、なす角度θが零度となる。また、基プレート42aが基台41の固定面41a上に垂直となる状態を90度と規定する。
圧電素子(PZT)42b、42cは、基プレート42aの両面に接着されている。これらの圧電素子42b、42cは、細長板状からなる。具体的には、圧電素子42b、42cの長手方向長さは、基プレート42aの長手方向長さより僅かに短く、圧電素子42b、42cの短手方向幅は、基プレート42aの短手方向幅とほぼ同等である。さらに詳細には、圧電素子42b、42cの長手方向長さは、30mm〜50mmであり、その短手方向幅は、1mm〜2mmであり、その厚みは、0.5〜1.0mmである。なお、動作電圧の最大値は、200Vである。
そして、これらの圧電素子42b、42cは、電圧が印加されると、長手方向長さが収縮するように動作する。つまり、図12の上方の圧電素子42bに電圧が印加されると、当該圧電素子42bの図12の左右方向長さが収縮する。そうすると、この圧電素子42bの収縮動作に伴って、基プレート42aの図12の上面側が下面側に対して収縮する。従って、この場合の基プレート42aの他端側(図12の左側)が図12の上側へ移動するように、基プレート42aがたわみ変形する。そして、圧電素子42bへの印加電圧に応じて、基プレート42aの図12の上側へのたわみ量は異なる。
また、図12の下方の圧電素子42cに電圧が印加されると、当該圧電素子42cの図12の左右方向長さが収縮する。そうすると、この圧電素子42cの収縮動作に伴って、基プレート42aの図12の下面側が上面側に対して収縮する。従って、この場合の基プレート42aの他端側(図12の左側)が図12の下側へ移動するように、基プレート42aがたわみ変形する。そして、圧電素子42cへの印加電圧に応じて、基プレート42aの図12の下側へのたわみ量は異なる。
つまり、圧電素子42b、42cは、電圧が印加されることにより、基プレート42a他端側を一端側に対してZ軸回りに揺動自在に駆動することができる。
第2アクチュエータプレート43は、上述した第1アクチュエータプレート42とほぼ同一構成からなる。すなわち、第2アクチュエータプレート43は、基プレート43aと、圧電素子43b、43cとから構成される。基プレート43aは、第1アクチュエータプレート42の基プレート42aと同一形状からなる。そして、基プレート43aがXY平面上に延在するように、基プレート43aの一端側が、基台41の固定面41aに固定されている。さらに、基プレート43aは、基プレート42aと同一XY平面上であって、基プレート42aに対向するように配置されている。そして、この基プレート43aは、XY平面上において、一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるように、基台41に固定されている。つまり、基プレート43aの他端側が、一端側に対してZ軸回りに揺動可能となる。
ここで、基プレート43aと基台41の固定面41aとのなす角度をθとする。なす角度θとは、基プレート43aの一端側と基台41との固定位置から基プレート42aの一端側と基台41との固定位置に近接する方向を零度と規定する。つまり、基台41の固定面41aと基プレート43aとが平行な状態が、なす角度θが零度となる。また、基プレート43aが基台41の固定面41a上に垂直となる状態を90度と規定する。なお、本実施形態においては、第2アクチュエータプレート43の基プレート43aと基台41の固定面41aとのなす角度θと、第1アクチュエータプレート42の基プレート42aと基台41の固定面41aとのなす角度θとは、同一としている。
圧電素子(PZT)43b、43cは、基プレート43aの両面に接着されている。これらの圧電素子43b、43cは、上述した圧電素子42b、42cと同一形状からなり、作用も実質的に同一であるので、説明を省略する。つまり、圧電素子43b、43cは、電圧が印加されることにより、基プレート43aの他端側を一端側に対してZ軸回りに揺動自在に駆動することができる。
第1連結部材44は、鋼材からなり、直方体状をなしている。この第1連結部材44の一端側は、第1アクチュエータプレート42の基プレート42aの他端側に回転可能に連結されている。ここで、当該回転軸は、Z軸に平行とされている。そして、この第1連結部材44の部材長さをaとする。
第2連結部材45は、第1連結部材44と同様の、鋼材からなり、直方体状をなしている。この第2連結部材45の一端側は、第2アクチュエータプレート43の基プレート43aの他端側に回転可能に連結されている。ここで、当該回転軸は、Z軸に平行とされている。そして、この第2連結部材45の部材長さは、第1連結部材44の部材長さと同様にaとする。そして、この第2連結部材45の他端側は、第1連結部材44の他端側に回転可能に連結されている。つまり、第1連結部材44の他端側と第2連結部材45の他端側とは、相互に回転可能に連結されている。そして、当該回転軸は、Z軸に平行とされている。
ここで、図11に示すように、圧電素子42b、42c、43b、43cに電圧を印加していない状態において、第1連結部材44の一端側と第2連結部材45の一端側との離間距離をbとする。そして、図11に示すように、圧電素子42b等に電圧を印加していない状態において、当該離間距離bは第1連結部材44の部材長さaと第2連結部材45の部材長さaとの合計値(=2a)よりも小さくされている。つまり、圧電素子42b等に電圧を印加していない状態において、第1連結部材44と第2連結部材45とが一直線上に位置せず、屈曲した状態とされている。換言すると、第1連結部材44及び第2連結部材45により、辺の長さがa、a、bの二等辺三角形をなすようにされている。さらに、圧電素子42b等に電圧を印加していない状態において、第1連結部材44の他端側及び第2連結部材45の他端側との連結位置は、第1連結部材44の一端側及び第2連結部材45の一端側よりも基台41の固定面41aに近接する側に位置するようにされている。
作用部材46は、第1連結部材44の他端側に固定されている。そして、作用部材46は、第2連結部材45の他端側に対してZ軸回りに回転可能に連結されている。また、この作用部材46は、触知ピン33の一端側に連結固定されている。
(2.4)2自由度アクチュエータ32の動作
次に、2自由度アクチュエータ32の動作について、図13を参照して説明する。図13(a)(b)は、2自由度アクチュエータ32の動作について説明する図である。
まず、図13(a)を用いて説明する。図13(a)は、圧電素子42b、42cに電圧を印加することにより、第1アクチュエータプレート42の他端側が一端側に対して、図13(a)の右側に移動するようにしている。また、圧電素子43b、43cに電圧を印加することにより、第2アクチュエータプレート43の他端側が一端側に対して図13(a)の左側に移動するようにしている。
この場合、第1連結部材44及び第2連結部材45は、第1、第2アクチュエータプレート42、43の基プレート42、43の他端側に対してZ軸回りに回転し、且つ、相互にZ軸回りに回転する。従って、作用部材46の位置は、圧電素子42b等に電圧を印加する前の状態から、Y負方向(図13(a)の下方側)へ移動する。
次に、図13(b)を用いて説明する。図13(b)は、圧電素子42b、42cに電圧を印加することにより、第1アクチュエータプレート42の他端側が一端側に対して、図13(b)の左側に移動するようにしている。また、圧電素子43b、43cに電圧を印加することにより、第2アクチュエータプレート43の他端側が一端側に対して図13(a)の左側に移動するようにしている。
この場合、第1連結部材44及び第2連結部材45は、第1、第2アクチュエータプレート42、43の基プレート42、43の他端側に対してZ軸回りに回転し、且つ、相互にZ軸回りに回転する。従って、作用部材46の位置は、圧電素子42b等に電圧を印加する前の状態から、X負方向(図13(a)の左側)へ移動する。
このように、圧電素子42b等への印加電圧により、基台41に対する作用部材46のXY平面上の位置を変更することができる。そして、作用部材46のXY平面上の移動に伴って、触知ピン33が触覚呈示プレート31の孔31a内のXY平面上にて移動する。
(2.5)2自由度アクチュエータ32の制御
(2.5.1)第1の制御
ここで、上述したように圧電素子42b等に電圧を印加することにより、基台41に対して作用部材46をXY平面上にて移動させ、位置制御できることについて、数式を用いて詳細に説明する。ここで、図11における第1連結部材44及び第2連結部材45を含む部分の拡大図である図14を参照しながら説明する。図14において、圧電素子42b等に電圧を印加していない状態における第1連結部材44の一端側(第1アクチュエータプレート42の他端側)の位置をA1と示し、第2連結部材45の一端側(第2アクチュエータプレート43の他端側)の位置をB1と示し、第1連結部材44及び第2連結部材45の他端側の位置をC1と示す。また、圧電素子42b等に電圧を印加した状態における第1連結部材44の一端側の位置をA2と示し、第2連結部材45の一端側の位置をB2と示し、第1連結部材44及び第2連結部材45の他端側の位置をC2と示す。
まず、数1に、各種記号の意味を記す。
Figure 2007119603
Figure 2007119603
そして、第1連結部材44及び第2連結部材45の幾何学的関係より、A2、B2の位置座標は、数2のようになる。
Figure 2007119603
ここで,a>b/2とする。
次に、C1からC2へのベクトルuを数3とすると、第1連結部材44及び第2連結部材45の部材長さが変化しないという条件から数4の関係式が得られる。
Figure 2007119603
Figure 2007119603
一方、第1アクチュエータプレート42の他端側の位置A1及び第2アクチュエータプレート43の他端側の位置B1の変位は、数5のように表すことができる。
Figure 2007119603
従って、数4に数5を代入することにより、数6が得られる。
Figure 2007119603
次に、数6の関係式の時間微分は、数7に示すようになる。
Figure 2007119603
ここで,A11,A12,A21,A22,h11,h12,h21及びh22は次式で表される。
Figure 2007119603
ここで、数7の第4番目の行列で表された式を直接表記で表すと、数8に示すようになる。
Figure 2007119603
つまり、C1からC2へのベクトルuと、このベクトルuの時間微分値du/dtとが与えられた場合には、数8に基づいて数値積分を実行することにより、次のステップにて出力すべき電圧を算出することができる。このようにして算出した電圧Vに基づいて、第1アクチュエータプレート42の圧電素子42b、42c及び第2アクチュエータプレート43の圧電素子43b、43cに電圧を印加することにより、作用部材46の位置を制御することができる。
(2.5.2)第2の制御
上記第1の制御においては、数5に示したように、アクチュエータプレート42、43のたわみ量U、Uと圧電素子42b、42c、43b、43cへの印加電圧V、Vとの関係は、圧電定数d31に比例するものとして示した。しかし、一般に、圧電素子は、ヒステリシス現象があることに加えて、個体差がある。ここで、ヒステリシス現象について、図15及び図16に示す。図15は、第1アクチュエータプレート42の圧電素子42b、42cに印加する電圧を無次元化した値と、第1アクチュエータプレート42のたわみ量Uを無次元化した値との関係を示す。図16は、第2アクチュエータプレート43の圧電素子43b、43cに印加する電圧を無次元化した値と、第2アクチュエータプレート43のたわみ量Uを無次元化した値との関係を示す。
ここで、図15及び図16において、三角点及び丸点が、圧電素子に所定の電圧を印加する実験を行った結果における第1、第2アクチュエータプレート42、43のたわみ量を示す。三角点は、圧電素子への印加電圧の変動範囲を大きくしたものを示し、丸点は、圧電素子への印加電圧の変動範囲を小さくしたものを示す。また、実線が、後述するニューラルネットワークを用いて圧電素子に電圧を連続的に変化させながら印加した場合における、第1、第2アクチュエータプレート42、43のたわみ量を示す。
図15及び図16の三角点及び丸点に示すように、印加電圧が大きいほど、第1、第2アクチュエータプレート42、43のたわみ量が大きくなっている。ただし、印加電圧を大きくしていく場合に比べて、印加電圧を小さくしていく場合の方が、第1、第2アクチュエータプレート42、43のたわみ量が大きくなっている。これがヒステリシス現象である。
そして、図15と図16とを比較すると、印加電圧を大きくしていく場合と印加電圧を小さくしていく場合とにおけるたわみ量の差が、第1アクチュエータプレート42の方が、第2アクチュエータプレート43に比べて大きくなっている。
そこで、このようなヒステリシス現象及び個体差の影響を補正できるように制御することが望まれる。当該補正をできる制御部について、図17を参照して説明する。図17は、制御部100のブロック図を示す。
図17に示すように、制御部100は、入力情報変換部110と、第1制御部120と、第2制御部130とから構成される。第1制御部120は、極性判定部121と、変位量積分器122と、ニューラルネットワーク演算部123と、電圧積分器124とから構成される。第2制御部130は、極性判定部131と、変位量積分器132と、ニューラルネットワーク演算部133と、電圧積分器134とから構成される。
入力情報変換部110は、作用部材46のXY座標系における位置の目標移動量(dU/dt、dU/dt)を入力し、これらを第1、第2アクチュエータプレート42、43のたわみ量の変化量(dU/dt、dU/dt)に変換する。この変換は、上記数2〜数4より求めることができる。
第1制御部120の極性判定部121は、第1アクチュエータプレート42のたわみ量の変化量dU/dtが、0(ゼロ)より大きいか否かを判定する。そして、当該変化量dU/dtが0より大きい場合には、[1、0]を出力する。一方、当該変化量dU/dtが0より小さい場合には、[0、1]を出力する。つまり、ここで、図15及び図16における、縦軸の無次元化変化が増大している場合と、減少している場合とで、場合分けしている。第1制御部120の変位量積分器122は、第1アクチュエータプレート42のたわみ量の変化量dU/dtを積分する。
第1制御部120のニューラルネットワーク演算部123は、バックプロバゲーションモデルを用いたニューラルネットワークである。このバックプロバゲーションモデルは、多段パーセプトロンとも言われる。このバックプロバゲーションモデルとは、入力層と出力層との間に、中間層を有する点が特徴的である。
そして、具体的には、ニューラルネットワーク演算部123は、極性判定部121から出力される情報[1、0]または[0、1]と、変位量積分器122により算出される変位積分結果情報と、後述する電圧積分器124により算出される電圧積分結果情報とを入力している。そして、これらの入力情報に基づいて、出力情報である圧電素子42b、42cへの印加電圧の時間微分dV/dtを算出する。
ここで、ニューラルネットワーク演算部123は、以下のような手順で予め学習させておく。まず、作用部材46の軌道計画が決定し、この軌道計画において第1アクチュエータ42のたわみ量の変化量dU/dtが時間経過毎に算出できる。そして、この軌道計画において、上記入力情報に対する出力情報を学習する。このように学習した入力情報と出力情報との関係は、ニューラルネットワーク演算部123に記憶されるため、実際に制御する際には、マップ制御のようにして出力情報を出力できる。つまり、非常に高速に処理できる。
そして、第1制御部120の電圧積分器124は、ニューラルネットワーク演算部123により算出された印加電圧の時間微分dV/dtを積分して、印加電圧Vを算出する。この印加電圧Vを圧電素子42b、42cに印加する。
第2制御部130の極性判定部131、変位量積分器132、ニューラルネットワーク演算部133、電圧積分器134は、第1制御部120の極性判定部121、変位量積分器122、ニューラルネットワーク演算部123、電圧積分器124に対して、第2アクチュエータプレート43が対象となることが相違するが、実質的に同一の処理を行う。つまり、第2制御部130は、入力情報変換部110から入力される第2アクチュエータプレート43のたわみ量の変化量dU/dtに基づいて、圧電素子43b、43cへの印加電圧Vを算出し、圧電素子43b、43cに印加する。
このように、ニューラルネットワークを用いることで、圧電素子のヒステリシス現象及び圧電素子の個体差を考慮した上で、圧電素子を駆動することができる。従って、高精度に位置決めができる。さらに、ニューラルネットワークを用いることで、一度学習した後であれば高速処理ができるため、非常に高い応答性を発揮できる。
(2.5)θ、b/aと、Ux,Uyとの関係
次に、なす角度θと、第1連結部材44の部材長さaに対する第1連結部材44の他端側と第2連結部材45の他端側との離間距離bの割合b/aと、作用部材46のX方向の変位量Uxと、作用部材46のY方向の変位量Uyとの関係について図18及び図19を参照して説明する。図18は、なす角度θを60度とした場合において、横軸を割合b/aとし、縦軸を変位量Ux、Uyのそれぞれとした図である。図19(a)〜図19(c)は、それぞれ、割合b/aを1.1、1.4、1.7とした場合において、横軸をθとし、縦軸を変位量Ux、Uyのそれぞれとした図である。まずは、図18及び図19における条件を数9に示す。
Figure 2007119603
なお、電圧V、Vの正負の定義は、図14において、図に示す方向(図14の下方側)にたわみ量U、Uのたわみを生じさせる電圧を正(+)とし、逆方向(図14の上方側)にたわみ量U、Uのたわみを生じさせる電圧を負(−)とする。
図18に示すように、なす角度θが60度の場合には、割合a/bが増加するにつれて、X方向の変位量Uxは減少している。一方、割合a/bが増加するにつれて、Y方向の変位量Uyは増加している。そして、割合a/bが1.4付近にて、X方向の変位量UxとY方向の変位量Uyとが一致している。つまり、割合a/bを1.4付近とすることで、X方向の変位量UxとY方向の変位量Uyとの差を小さくすることができる。従って、X方向の剛性とY方向の剛性との差が小さくなる。その結果、X方向への変位とY方向への変位をより安定的に且つ高精度に位置制御することができ、特に、割合a/bを1.4とした場合が最適であるが、割合a/bを1.3〜1.5の範囲内とすることで、十分な効果がある。
次に、図19(a)に示すように、割合a/bを1.1とした場合には、なす角度θが30〜40度の範囲において、X方向の変位量Ux及びY方向の変位量Uyの何れもが最大値を示す。そして、なす角度θが30度付近より小さくなるに従って、さらには40度付近より大きくなるに従って、変位量Ux、Uyは小さくなる。さらに、割合a/bを1.1とした場合には、なす角度θに関わらず、X方向の変位量UxがY方向の変位量Uyよりも大きい。
また、図19(b)に示すように、割合a/bを1.4とした場合には、なす角度θが40〜50度の範囲において、X方向の変位量Ux及びY方向の変位量Uyの何れもが最大値を示す。そして、なす角度θが40度付近より小さくなるに従って、さらには50度付近より大きくなるに従って、変位量Ux、Uyは小さくなる。さらに、割合a/bを1.4とした場合には、なす角度θが0〜90度の全範囲において、ほぼ一致している。
また、図19(c)に示すように、割合a/bを1.7とした場合には、なす角度θが50〜60度の範囲において、X方向の変位量Ux及びY方向の変位量Uyの何れもが最大値を示す。そして、なす角度θが50度付近より小さくなるに従って、さらには60度付近より大きくなるに従って、変位量Ux、Uyは小さくなる。さらに、割合a/bを1.7とした場合には、なす角度θに関わらず、X方向の変位量UxがY方向の変位量Uyよりも小さい。
このように、割合a/bによって詳細には異なるが、なす角度θを30〜60度の範囲にすることで、変位量Ux、Uyを大きく確保することができる。
(3)第2実施形態
第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1においては、2自由度アクチュエータ32を採用した。そして、この2自由度アクチュエータ32を作用することにより、触知ピン33をX方向及びY方向への移動を可能とした。これに加えて、Z方向への移動をも可能とする触覚ディスプレイ装置1の場合には、以下に説明する3自由度アクチュエータ50を第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1を構成する2自由度アクチュエータ32に置き換えるとよい。そうすると、触知ピン33をX方向、Y方向及びZ方向へ移動させることができるので、指表面に対してせん断方向及び垂直方向へ移動させることができる。これにより、さらに多くの触覚を呈示することができる。
以下に、第2実施形態の3自由度アクチュエータ50について図20を参照して説明する。図20は、第2実施形態の3自由度アクチュエータ50を示す模式図である。図20に示すように、3自由度アクチュエータ50は、基台51と、第1アクチュエータプレート52と、第2アクチュエータプレート53と、第3アクチュエータプレート54と、第1連結部材55と、第2連結部材56と、第3連結部材57と、作用部材58とから構成される。そして、この3自由度アクチュエータ50は、基台51に対して作用部材58をX方向、Y方向及びZ方向へ移動可能とする構成とされている。
ここで、基台51は、第1実施形態における2自由度アクチュエータ32の基台41と実質的に同一である。第1アクチュエータプレート52、第2アクチュエータプレート53、及び、第3アクチュエータプレート54は、それぞれ基台51に固定されている。そして、これら第1〜第3アクチュエータプレート52〜54の詳細構成は、第1実施形態における2自由度アクチュエータ32の第1アクチュエータプレート42と実質的に同一の構成からなる。
第1連結部材55は、鋼材からなり、直方体状をなしている。この第1連結部材55の一端側は、第1アクチュエータプレート52の他端側にボールジョイントを介して連結されている。すなわち、第1連結部材55は、第1アクチュエータプレート52に対して、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りに回転可能とされている。
第2連結部材56は、鋼材からなり、直方体状をなしている。この第2連結部材56の一端側は、第2アクチュエータプレート53の他端側にボールジョイントを介して連結されている。すなわち、第2連結部材56は、第2アクチュエータプレート53に対して、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りに回転可能とされている。
第3連結部材57は、鋼材からなり、直方体状をなしている。この第3連結部材57の一端側は、第3アクチュエータプレート54の他端側にボールジョイントを介して連結されている。すなわち、第3連結部材57は、第3アクチュエータプレート54に対して、X軸回り、Y軸回り、Z軸回りに回転可能とされている。
作用部材58は、第1連結部材55の他端側及び第2連結部材56の他端側に、ボールジョイントを介して連結されている。つまり、作用部材58は、第1連結部材55及び第2連結部材56に対して、X軸回り、Y軸回り、及びZ軸回りに回転可能とされている。さらに、この作用部材58は、第3連結部材57の他端側に固定されている。また、この作用部材58は、触知ピン33の一端側に連結固定されている。
(4)第3実施形態
また、上記第1実施形態における2自由度アクチュエータ32及び第2実施形態における3自由度アクチュエータ50は、何れもいわゆるパラレル型である。つまり、2自由度アクチュエータ32及び3自由度アクチュエータ50を構成する複数のアクチュエータプレート42、43、52〜54が、基台41、51に固定される構成からなる。
これに対して、いわゆるシリアル型のアクチュエータが考えられる。つまり、第1実施形態における2自由度アクチュエータ32をシリアル型2自由度アクチュエータ60、70に置き換えることができる。そこで、シリアル型2自由度アクチュエータ60、70について、図21及び図22を参照して説明する。図21は、シリアル型2自由度アクチュエータ60について示す。図22は、シリアル型2自由度アクチュエータ70について示す。
図21に示すように、シリアル型2自由度アクチュエータ60は、基台61と、第1アクチュエータプレート62と、第2アクチュエータプレート63と、作用部材64とから構成される。第1、第2アクチュエータプレート62、63は、上述した第1実施形態における2自由度アクチュエータ32の第1アクチュエータプレート42と実質的に同一の構成からなる。そして、第1アクチュエータプレート62の一端側が基台61に固定されている。ここで、第1アクチュエータプレート62は、Z軸方向に延在するように、且つ、YZ平面上において一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるように、基台61に固定されている。つまり、第1アクチュエータプレート62の他端側が、一端側に対してX軸回りに揺動可能である。
第2アクチュエータプレート63の一端側が、第1アクチュエータプレート62の他端側に、第1アクチュエータプレート62に直交するように固定されている。具体的には、第2アクチュエータプレート63は、Y軸方向に延在するように、第1アクチュエータプレート62に固定されている。さらに、第2アクチュエータプレート63は、XY平面上において一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるようにされている。つまり、第2アクチュエータプレート63の他端側が、一端側に対してZ軸回りに揺動可能である。
そして、作用部材64は、第2アクチュエータプレート63の他端側に固定されている。また、作用部材64は、触知ピン33の一端側に連結固定されている。
つまり、第1アクチュエータプレート62の圧電素子に電圧を印加することにより、作用部材64が基台61に対してY方向に移動する。また、第2アクチュエータプレート63の圧電素子に電圧を印加することにより、作用部材64が基台61に対してX方向に移動する。
次に、図22に示すように、シリアル型2自由度アクチュエータ70は、基台71と、第1アクチュエータプレート72と、第2アクチュエータプレート73と、第3アクチュエータプレート74と、作用部材75とから構成される。
第1、第2、第3アクチュエータプレート72、73、74は、上述した第1実施形態における2自由度アクチュエータ32の第1アクチュエータプレート42と実質的に同一の構成からなる。そして、第1アクチュエータプレート72の一端側が基台71に固定されている。ここで、第1アクチュエータプレート72は、Z軸方向に延在するように、且つ、YZ平面上において一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるように、基台71に固定されている。つまり、第1アクチュエータプレート72の他端側が、一端側に対してX軸回りに揺動可能である。
第2アクチュエータプレート73は、第1アクチュエータプレート72と平行に配置されている。つまり、第2アクチュエータプレート73の一端側が基台71に固定されている。そして、第2アクチュエータプレート73は、Z軸方向に延在するように、且つ、YZ平面上において一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるように、基台71に固定されている。つまり、第2アクチュエータプレート73の他端側が、一端側に対してX軸回りに揺動可能である。
第3アクチュエータプレート74の一端側が、第1アクチュエータプレート72及び第2アクチュエータプレート73の他端側に、第1アクチュエータプレート72及び第2アクチュエータプレート73に直交するように固定されている。具体的には、第3アクチュエータプレート74は、Y軸方向に延在するように、第1アクチュエータプレート72及び第2アクチュエータプレート73に固定されている。さらに、第3アクチュエータプレート74は、XY平面上において一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるようにされている。つまり、第3アクチュエータプレート74の他端側が、一端側に対してZ軸回りに揺動可能である。
そして、作用部材75は、第3アクチュエータプレート74の他端側に固定されている。また、作用部材75は、触知ピン33の一端側に連結固定されている。
つまり、第1アクチュエータプレート72及び第2アクチュエータプレート73の圧電素子に電圧を印加することにより、作用部材75が基台71に対してY方向に移動する。また、第3アクチュエータプレート74の圧電素子に電圧を印加することにより、作用部材75が基台71に対してX方向に移動する。そして、第1アクチュエータプレート72と第2アクチュエータプレート73とを平行に配置することで、剛性を高めることができる。
また、第2実施形態における3自由度アクチュエータ50をシリアル型3自由度アクチュエータ80に置き換えることができる。そこで、シリアル型3自由度アクチュエータ80について、図23を参照して説明する。図23は、シリアル型3自由度アクチュエータ80について示す。なお、シリアル型3自由度アクチュエータ80において、図21に示すシリアル型2自由度アクチュエータ60と同一構成については同一符号を付して詳細な説明を省略する。
シリアル型3自由度アクチュエータ80は、基台61と、第1アクチュエータプレート62と、第2アクチュエータプレート63と、第3アクチュエータプレート81と、作用部材82とから構成される。第1、第2、第3アクチュエータプレート62、63、81は、上述した第1実施形態における2自由度アクチュエータ32の第1アクチュエータプレート42と実質的に同一の構成からなる。
第3アクチュエータプレート81の一端側が、第2アクチュエータプレート63の他端側に、第1、第2アクチュエータプレート62、63に直交するように固定されている。具体的には、第3アクチュエータプレート81は、X軸方向に延在するように、第2アクチュエータプレート63に固定されている。さらに、第3アクチュエータプレート81は、XZ平面上において一端側に対して他端側がたわみ変形可能となるようにされている。つまり、第3アクチュエータプレート81の他端側が、一端側に対してY軸回りに揺動可能である。
そして、作用部材82は、第3アクチュエータプレート81の他端側に固定されている。また、作用部材82は、触知ピン33の一端側に連結固定されている。
つまり、第1アクチュエータプレート62の圧電素子に電圧を印加することにより、作用部材82が基台61に対してY方向に移動する。また、第2アクチュエータプレート63の圧電素子に電圧を印加することにより、作用部材82が基台61に対してX方向に移動する。また、第3アクチュエータプレート81の圧電素子に電圧を印加することにより、作用部材82が基台61に対してZ方向に移動する。
なお、当該圧電素子を上記第1実施形態の圧電素子と同一の大きさとすることで、確実に、触知ピン33のピン間隔を2mm以内とできる。具体的には、圧電素子の短手方向幅および厚みが起因する。
(5)第4実施形態
次に、上記第1〜第3実施形態においては、触覚ディスプレイ装置1について説明した。ここで、触覚ディスプレイ装置1を構成する2自由度アクチュエータ32、60、70、及び、3自由度アクチュエータ50、80は、以下に説明するハンドリング装置90に適用することもできる。ハンドリング装置90は、物体を把持し、搬送することができる装置である。例えば、ハンドリング装置90が、物体を把持する部分として第1把持部材と第2把持部材とを備える場合には、第1把持部材と第2把持部材との駆動に上述した2自由度アクチュエータ32、60、70又は3自由度アクチュエータ50、80を用いる。
例えば、第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1を構成する2自由度アクチュエータ32をハンドリング装置90に適用した場合について、図24を参照して説明する。図24は、ハンドリング装置90を示す図である。
図24に示すように、ハンドリング装置90は、第1の2自由度アクチュエータ91と、第2の2自由度アクチュエータ92と、第1把持部材93と、第2把持部材94とから構成される。
第1の2自由度アクチュエータ91及び第2の2自由度アクチュエータ92は、上述した第1実施形態の触覚ディスプレイ装置1を構成する2自由度アクチュエータ32である。すなわち、第1の2自由度アクチュエータ91は、基台に対して作用部材を直交2軸方向に移動可能とする。また、第2の2自由度アクチュエータ92は、基台に対して作用部材を直交2軸方向に移動可能とする。
第1把持部材93は、第1の2自由度アクチュエータ91の作用部材に連結されている。また、第2把持部材94は、第2の2自由度アクチュエータ92の作用部材に連結されている。つまり、第1把持部材93は、第1の2自由度アクチュエータ91を駆動することにより、直交2軸方向に移動する。また、第2把持部材94は、第2の2自由度アクチュエータ92を駆動することにより、直交2軸方向に移動する。
そして、第1把持部材93と第2把持部材94とを移動することにより、第1把持部材93及び第2把持部材94との間に物体を挟むように把持することができる。さらに、物体を把持した状態で、第1把持部材93と第2把持部材94とを移動することにより、物体を搬送することができる。

Claims (32)

  1. ヒトの皮膚に対し、接触可能な第1面に複数の孔を備えた触覚呈示部材と、
    前記複数の孔からそれぞれ突出し、少なくとも前記触覚呈示部材の前記第1面に平行な方向に移動可能で、突出端を前記ヒトの皮膚に当接させ、前記ヒトの皮膚に物体の表面性状感及び物体のトルク感に相当する触覚を呈示する複数の触知ピンと、
    を備えることを特徴とする触覚ディスプレイ装置。
  2. 前記触知ピンは、前記第1面に平行な直交2軸方向に移動可能な第1触知ピンを備える請求項1記載の触覚ディスプレイ装置。
  3. 前記触知ピンは、
    前記第1触知ピンと、
    前記第1面に垂直方向に移動可能な第2触知ピンと、
    を備える請求項2記載の触覚ディスプレイ装置。
  4. 前記第1触知ピン及び前記第2触知ピンは、それぞれ複数からなり、
    複数の前記第1触知ピン及び複数の前記第2触知ピンは、それぞれ市松模様状に配列される請求項3記載の触覚ディスプレイ装置。
  5. 前記触知ピンは、前記第1面に平行な第1の軸方向及び前記第1面に垂直方向に移動可能な第3触知ピンを備える請求項1記載の触覚ディスプレイ装置。
  6. 前記触知ピンは、
    前記第3触知ピンと、
    前記第1面に平行であって前記第1の軸方向に垂直な第2の軸方向及び前記第1面に垂直方向に移動可能な第4触知ピンと、
    を備える請求項5記載の触覚ディスプレイ装置。
  7. 前記第3触知ピン及び前記第4触知ピンは、それぞれ複数からなり、
    複数の前記第3触知ピン及び複数の前記第4触知ピンは、それぞれ市松模様状に配列される請求項6記載の触覚ディスプレイ装置。
  8. 前記触知ピンは、前記第1面に平行な直交2軸方向及び前記第1面に垂直方向に移動可能な第5触知ピンを備える請求項1記載の触覚ディスプレイ装置。
  9. 基台に対して少なくとも直交2軸方向に移動可能な作用部材を有する複数の多自由度アクチュエータを備え、
    前記触知ピンは、それぞれの前記作用部材に連結され、前記作用部材の前記基台に対する動作に伴い前記触覚呈示部材に対して移動し、
    前記多自由度アクチュエータは、アクチュエータ部材を複数備え、
    それぞれの前記アクチュエータ部材は、たわみ変形可能な基部と、前記基部の少なくとも一方面に配置され且つ電圧が印加されることにより前記基部の一端側に対して他端側を揺動自在に駆動する圧電素子と、を備える請求項1〜8の何れか一項に記載の触覚ディスプレイ装置。
  10. 一の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を他の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該一の前記アクチュエータ部材の揺動軸が当該他の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定する請求項9記載の触覚ディスプレイ装置。
  11. 第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記基台に固定し、
    第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、
    前記作用部材は、前記第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に固定され、
    前記多自由度アクチュエータは、2自由度を有する請求項10記載の触覚ディスプレイ装置。
  12. 第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記基台に固定し、
    第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、
    第3の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第3の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1及び前記第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、
    前記作用部材は、前記第3の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に固定され、
    前記多自由度アクチュエータは、3自由度を有する請求項10記載の触覚ディスプレイ装置。
  13. それぞれの前記アクチュエータ部材の前記基部の一端側を前記基台に固定し、
    前記多自由度アクチュエータは、一端側をそれぞれの前記基部の前記他端側に回転可能に連結し、他端側を回転可能に相互に連結し合う複数の連結部材をさらに備え、
    前記作用部材は、一の前記連結部材の前記他端側に固定され、且つ、他の前記連結部材の前記他端側に回転可能に連結される請求項1〜8の何れか一項に記載の触覚ディスプレイ装置。
  14. 前記アクチュエータ部材及び前記連結部材は、それぞれ2個であり、
    それぞれの前記アクチュエータ部材の揺動軸は、平行であり、
    それぞれの前記連結部材の前記一端側は、前記アクチュエータ部材の揺動軸に平行な軸回りに回転可能に連結され、
    それぞれの前記連結部材の前記他端側は、前記アクチュエータ部材の揺動軸に平行な軸回りに回転可能に相互に連結し合う請求項13記載の触覚ディスプレイ装置。
  15. 前記アクチュエータ部材及び前記連結部材は、それぞれ3個であり、
    それぞれの前記連結部材の前記一端側は、それぞれの前記基部の前記他端側にボールジョイント又はユニバーサルジョイントを介して連結され、
    それぞれの前記連結部材の前記他端側は、ボールジョイント又はユニバーサルジョイントを介して相互に連結し合う請求項13記載の触覚ディスプレイ装置。
  16. 前記アクチュエータ部材の揺動軸回りにおいて、前記基台面上のうち前記基部の前記一端側と前記基台との固定位置から他の前記基部に近接する方向を零度と規定し、前記基部が前記基台面上に垂直となる状態を90度と規定した場合に、
    前記アクチュエータ部材の揺動軸回りにおける前記基部と前記基台面とのなす角度は、30〜60度の範囲である請求項13〜15の何れか一項に記載の触覚ディスプレイ装置。
  17. 前記圧電素子に電圧を印加していない状態において、一の前記連結部材と他の前記連結部材とは、屈曲した状態となる請求項13〜16の何れか一項に記載の触覚ディスプレイ装置。
  18. 前記圧電素子に電圧を印加していない状態において、前記連結部材の長さに対するそれぞれの前記連結部材の前記一端側の離間距離の割合は、1.0〜2.0の範囲である請求項13〜17の何れか一項に記載の触覚ディスプレイ装置。
  19. 基台に対して少なくとも2自由度を有する作用部材を備える多自由度アクチュエータであって、
    アクチュエータ部材を複数備え、
    前記アクチュエータ部材は、たわみ変形可能な基部と、前記基部の少なくとも一方面に配置され且つ電圧が印加されることにより前記基部の一端側に対して他端側を揺動自在に駆動する圧電素子と、を備えることを特徴とする多自由度アクチュエータ。
  20. 一の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を他の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該一の前記アクチュエータ部材の揺動軸が当該他の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定する請求項19記載の多自由度アクチュエータ。
  21. 第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記基台に固定し、
    第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、
    前記作用部材は、前記第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に固定され、
    前記多自由度アクチュエータは、2自由度を有する請求項20記載の多自由度アクチュエータ。
  22. 前記第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、前記第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1の前記アクチュエータ部材の揺動軸に対して直交するように固定する請求項21記載の多自由度アクチュエータ。
  23. 第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記基台に固定し、
    第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、
    第3の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第3の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1及び前記第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸と異なるように固定し、
    前記作用部材は、前記第3の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に固定され、
    前記多自由度アクチュエータは、3自由度を有する請求項20記載の多自由度アクチュエータ。
  24. 前記第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第1の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1の前記アクチュエータ部材の揺動軸に対して直交するように固定し、
    前記第3の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記一端側を前記第2の前記アクチュエータ部材の前記基部の前記他端側に、当該第3の前記アクチュエータ部材の揺動軸が前記第1及び前記第2の前記アクチュエータ部材の揺動軸に対して直交するように固定する請求項23記載の多自由度アクチュエータ。
  25. それぞれの前記アクチュエータ部材の前記基部の一端側を前記基台に固定し、
    前記多自由度アクチュエータは、一端側をそれぞれの前記基部の前記他端側に回転可能に連結し、他端側を回転可能に相互に連結し合う複数の連結部材をさらに備え、
    前記作用部材は、一の前記連結部材の前記他端側に固定され、且つ、他の前記連結部材の前記他端側に回転可能に連結される請求項19記載の多自由度アクチュエータ。
  26. 前記アクチュエータ部材及び前記連結部材は、それぞれ2個であり、
    それぞれの前記アクチュエータ部材の揺動軸は、平行であり、
    それぞれの前記連結部材の前記一端側は、前記アクチュエータ部材の揺動軸に平行な軸回りに回転可能に連結され、
    それぞれの前記連結部材の前記他端側は、前記アクチュエータ部材の揺動軸に平行な軸回りに回転可能に相互に連結し合う請求項25記載の多自由度アクチュエータ。
  27. 前記アクチュエータ部材及び前記連結部材は、それぞれ3個であり、
    それぞれの前記連結部材の前記一端側は、それぞれの前記基部の前記他端側にボールジョイント又はユニバーサルジョイントを介して連結され、
    それぞれの前記連結部材の前記他端側は、ボールジョイント又はユニバーサルジョイントを介して相互に連結し合う請求項25記載の多自由度アクチュエータ。
  28. 前記アクチュエータ部材の揺動軸回りにおいて、前記基台面上のうち前記基部の前記一端側と前記基台との固定位置から他の前記基部に近接する方向を零度と規定し、前記基部が前記基台面上に垂直となる状態を90度と規定した場合に、
    前記アクチュエータ部材の揺動軸回りにおける前記基部と前記基台面とのなす角度は、30〜60度の範囲である請求項25〜27の何れか一項に記載の多自由度アクチュエータ。
  29. 前記圧電素子に電圧を印加していない状態において、一の前記連結部材と他の前記連結部材とは、屈曲した状態となる請求項25〜28の何れか一項に記載の多自由度アクチュエータ。
  30. 前記圧電素子に電圧を印加していない状態において、前記連結部材の長さに対するそれぞれの前記連結部材の前記一端側の離間距離の割合は、1.0〜2.0の範囲である請求項25〜29の何れか一項に記載の多自由度アクチュエータ。
  31. 前記作用部材の目標移動量及び前記圧電素子に印加している現在電圧値に基づいて、ニューラルネットワークを用いて電圧変化量を算出する電圧変化量算出部と、
    前記電圧変化量を積分して前記圧電素子に印加すべき電圧値を算出し、前記圧電素子に印加する電圧印加部と、
    を備える請求項19〜30の何れか一項に記載の多自由度アクチュエータ。
  32. 基台に対して少なくとも直交2軸方向に移動可能な第1作用部材を有する第1の多自由度アクチュエータと、
    前記基台に対して少なくとも前記直交2軸方向に移動可能な第2作用部材を有する第2の多自由度アクチュエータと、
    前記第1作用部材に連結される第1把持部材と、
    前記第2作用部材に連結される第2把持部材と、
    を備え、
    前記第1の多自由度アクチュエータ及び前記第2の多自由度アクチュエータの少なくとも何れか一方は、
    アクチュエータ部材を複数備え、
    前記アクチュエータ部材は、たわみ変形可能な基部と、前記基部の少なくとも一方面に配置され且つ電圧が印加されることにより前記基部の一端側に対して他端側を揺動自在に駆動する圧電素子と、を備えることを特徴とするハンドリング装置。
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