JPH06297383A - 触覚呈示装置 - Google Patents

触覚呈示装置

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Publication number
JPH06297383A
JPH06297383A JP8450593A JP8450593A JPH06297383A JP H06297383 A JPH06297383 A JP H06297383A JP 8450593 A JP8450593 A JP 8450593A JP 8450593 A JP8450593 A JP 8450593A JP H06297383 A JPH06297383 A JP H06297383A
Authority
JP
Japan
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piezoelectric element
elastic member
piezoelectric
operator
vibration
Prior art date
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Application number
JP8450593A
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English (en)
Inventor
Takeo Asano
武夫 浅野
Hisashi Nishimura
西村  久
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH06297383A publication Critical patent/JPH06297383A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、操作者が対象物を最適な操作力で
操作、あるいは判断できるように、滑べり感や粗さ等の
表面情報を含めて、操作者に伝達することにより、現状
で問題となっている操作の乖離感を無くして装置の機能
向上と、より正確で操作性の良い触覚呈示装置を提供す
る。 【構成】 圧電素子と、直接触れることのできない対象
物に対する操作状態を検出する検出手段と、前記検出手
段からの検出信号に応じて前記圧電素子に屈曲振動を励
起する駆動手段と、前記圧電素子の屈曲振動によって該
圧電素子との間に共振運動が励起される弾性部材とを具
備し、前記圧電素子と弾性部材との共振運動を前記直接
触れることのできない対象物に対する操作状態を示す触
覚情報として呈示可能に構成したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、直接触れることができ
ない対象物を操作する場合に、その対象物の触覚情報を
人間の触覚器官に呈示する触覚呈示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】直接触れることが出来ない微細対象物や
極限環境にて作業を行う装置であって、操作者が操作を
行う操作部と、それによってマニピュレータ等が対象物
に対して直接作業を行う動作部の2つの部分に大きく分
類され、その対象物を間接的に取り扱う操作装置として
例えば以下のようなものが存在する。
【0003】図1は顕微鏡に設置して用いられるマイク
ロマニピュレータを示す図で、図1(a)は全体を示す
図であり、図1(b)は部分拡大図である。
【0004】図1(b)は、受精卵等の微細な細胞をピ
ペットによって吸引して固定しておき、刺針によって細
胞内に試薬を注入したり、異なる遺伝情報を持った遺伝
子を注入する状況の概略を示したものである(計測と制
御;Vol.23,No.9P32−38 細胞微細操
作:鹿野 参照)。
【0005】当該顕微鏡は、顕微鏡本体1aに細胞1b
を固定するピペット1c及び、その対象物に対して作業
を行う刺針1dとが操作可能に取り付けられている。
【0006】また、顕微鏡本体1bには、前記ピペット
1c及び刺針1dをそれぞれ手元で操作するためのジョ
イスティック1e,1fが取り付けられている。
【0007】そして、細胞1bを顕微鏡で観察しながら
ピペット1c及び刺針1dとをジョイスティック1e,
1fを操作することにより、把持,切断,注入等の作業
を行う。
【0008】上記の作業は、細胞や生体高分子等の操作
は細胞操作技術として、近代のバイオテクノロジーの研
究にはなくてはならない支援技術といえる。
【0009】また、図2はロボットのマニピュレータシ
ステムを示す図で、センサを備えた複数の関節2a及び
処置部2bを有するスレイブアーム2c、スレイブアー
ム2cの構成に対応して、センサを備えた複数の関節2
d及び処置部2eを有するマスタアーム2f、マスタフ
ーム2fと操作者の腕の動作自由度の整合を採るため、
マスタアーム2fに操作者の腕を固定するよう設けられ
た固定部材2g、そして、マスタアームの動作とスレイ
ブアームの動作が同じになるよう処置を行う信号処理処
理回路を含む制御系2hより構成されている(機械技術
研究所所報;Vol.46(1992),No.2P1
70−182 インピーダンス制御型マスタ・スレーブ
・システム−基本原理と伝送遅れへの応用:舘、榊 参
照)。
【0010】操作者がマスタアーム2fに腕を固定し、
任意に操作することによりその動作状態がセンサの情報
を制御し、対応するスレイブアーム2cを駆動する。
【0011】そして、操作者の動作をマスタアーム2f
を介してスレイブアーム2cで再現し、また、スレイブ
アーム2cが受ける外力をマスタアーム2fを介して操
作者が直接力として受ける。
【0012】上記のような、一連のマニピュレータシス
テムは、ロボットのマニピュレータシステムを初めとし
て現在数多く発表されている。
【0013】ところで、上記したような従来の装置に於
ては、以下のような問題点が存在する。
【0014】まず、図1の従来例に於て動作部が試料に
正確に接触しているか否かの情報は、動作部の動作は3
次元であるにもかかわらず、顕微鏡の観察画像は2次元
的で奥行き方向の情報は像のピント情報でしか得られな
いために、観察画像からでは動作部がどのような状況で
対象物に接触しているか等の判断には相当な技術が要求
され、熟練者しか使用できないような状況が現実には存
在する。
【0015】更に、医療やバイオ分野等の研究対象は細
胞から細胞内物質へ、より微細なものへと変化してきて
いる。
【0016】これにより対象物の観察及び操作部位はま
すます微小化する傾向にあり、これに伴ってマニピュレ
ータの操作も、より高度で正確な操作が要求されるよう
になってきた。
【0017】また、図2のロボットマニピュレータに関
しては、これらの対象物の把持時に抵抗感が増加するこ
とにより、把持を認識するもので、対象物の硬さ、柔ら
かさ等の情報をマスタア−ムに表現するといったような
通常の人間が物体を把持する場合に得る状況を再現しよ
うとするものではないため、対象物の搬送等のおおまか
な動作時にはこの程度の感覚表示で十分であるが、精密
で微細な判断が要求されるマニピュレータ等に於ては、
抵抗感の表示による操作性向上や把持対象の正確な認識
を望むには不十分である。
【0018】このように、上述のような従来の操作装置
は操作時に対象物、或は組織に動作部のマニピュレータ
がどのような状況で接触しているのか、或は、対象物を
どれくらいの力量で把持しているのかという、接触もし
くは把持状態を認識すること、及び対象物の表面粗さや
表面温度等の各種の接触情報を得ることはできなかっ
た。
【0019】つまり、従来例においては、対象物に対す
る触覚情報や把持状態、対象物の表面粗さや表面温度等
の各種の触覚情報を操作者にフィードバックすることは
行なわれておらず、そのため、人間の触覚に基づく微妙
でかつ正確な操作を行なうことは不可能であった。
【0020】このような状況を鑑みて、本発明者らは、
上記問題を解決するため、以下に示すような提案を行な
った(特願平05−007196号)。
【0021】それは、操作者が自分の手によって、あた
かも実際に対象物を操作しているような感覚を操作者に
触覚として伝達することにより、現状で問題となってい
る操作の乖離感を無くして装置の機能向上と、より正確
で操作性の良い装置を提供することを目的とした、触覚
呈示装置に関して、そのシステムと、特に触覚呈示部、
デバイス構造についてである。
【0022】この触覚呈示装置は、図3に示すような台
座3a、コイル3b、磁石3c、ストッパ3d、触覚呈
示部3eから構成された電気−機械変換トランスデュー
サを備えている。
【0023】これは触覚呈示部3eをコイル3bと磁石
3cで構成されたボイスコイルを用いて、人間の触覚の
時間応答限界以上の周波数で駆動し、触覚呈示部3e上
に置いた操作者の指先に、対象物の硬さ、柔らかさの情
報を伝達し、且つ、ボイスコイルに流れる電流量を変化
させることによって、触覚呈示部3eの保持力を変化さ
せて対象物を潰すような力をかけた場合の対象物からの
反発力をも伝達して、操作者が自分の手によって、あた
かも実際に対象物を操作しているような感覚を得ること
を可能にした。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
既提案の触覚呈示装置では、対象物の硬さ、柔らかさ、
反力感といった知覚しか伝達できず、滑べり感や表面粗
さ等の表面情報を操作者に伝達することは、その構成上
不可能であった。
【0025】また、滑べり感や表面粗さ等の表面情報
も、人間が物を把持し、操作する時の重要な制御パラメ
ータである。
【0026】つまり、通常、人間が物を把持、操作する
時にかける力の最適化は、対象物が指先を滑べる感覚を
も含めてフィードバックすることにより決定されてい
る。
【0027】そのため、対象物とその操作に見合った操
作力を決定するためには、滑べり感や表面情報を伝達す
ることも大変重要である。
【0028】従って、本発明は、操作者が対象物を最適
な操作力で操作、あるいは判断できるように、滑べり感
や表面粗さ等の表面情報を含めて、操作者に伝達するこ
とにより、現状で問題となっている操作の乖離感を無く
して装置の機能向上と、より正確で操作性の良い触覚呈
示装置を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】先ず、本発明に至る原理
的背景について説明する。
【0030】本出願人らは、上記既提案で対象の硬さ、
柔らかさの伝達が可能な触覚呈示装置を提案したが、こ
の提案の中で操作者に伝達する知覚は、指先に対して垂
直な方向の知覚である。
【0031】それに対し、滑べり覚や表面状態の認識
は、指先の皮膚面に沿った方向の知覚であり、また面内
で方向性を持つことに着目したと同時に、滑べり覚や表
面状態の認識には指先と対象物との接触面積にも関係が
あることに本発明では留意した。
【0032】つまり、本発明では単位面積当りに同じ表
面粗さを持つものでも、指先に触れる面積が十分小さい
物と、大きいものとを比較した場合、接触面積が大きい
物の方が粗い、つまり摩擦抵抗が大きいと感じる知覚を
利用するものである。
【0033】そして、本発明ではその作用を表現する手
法として、圧電体の屈曲振動を弾性部材に伝達し、弾性
部材の屈曲振動による表面変位を利用して、操作者の指
先との接触面積を調節する手法が有効であることに着目
した。
【0034】圧電体は、図4(a)、図5(a)、図6
(a)に示すように、その結晶に応力、あるいは歪みを
加えることにより電荷を発生する圧電効果と、逆に図4
(b)、図5(b)、図6(b)に示すように電界を加
えると応力や歪みが発生する逆圧電効果を持つ。
【0035】圧電効果は結晶に加わる応力T、電界E、
結晶に発生する歪みS、電気変位Dが相互に関係する効
果で、今、TとEを独立変数に選ぶとその関係は次のよ
うになる。
【0036】 Si =sij E j +dimm n =dnii +εnm T m (m,n=1,2,3;i,j=1,2,…6) …(1) ここで、Sは歪み、sはコンプライアンス、dは圧電歪
定数、Eは電界、Dは電気変位、εは誘電率である。
【0037】(1)式を圧電基本式(d形式)と呼び、
電界E、電気変位Dはベクトル量で、応力T、歪みは対
称テンソル量で表される。
【0038】また、電圧出力定数gijの添字は応力の加
わる方向(2階のテンソル)jに対して電気変位の方向
ベクトルiを示しており、Dijの添字は歪み方向iに対
して電界の方向がjがであり、εijの添字は電気変位の
方向iに対して、電界強度の方向jを示しており、sE
は電界一定の場合の弾性コンプライアンス、εT は応力
一定の場合の誘電率である。
【0039】この中に含まれる係数の総数は、9×9=
81個であるが、sE ,sT の両マトリックスの対称性
を考慮に入れて且つ、結晶の対称性が高いものとし、圧
電体の分極軸の方向をx軸にとり、これと垂直な面内で
直交する2軸をy,zとすると、圧電基本式の係数マト
リックスは、非常に簡単になる。
【0040】即ち、0でない独立係数は、s11 E ,s12
E ,s13 E ,s33 E ,s44 E ,d15,d31,d33,ε11
T ,ε33 Tの10個だけとなる。
【0041】従って、この10個の係数を用いることに
より圧電、逆圧電効果を表すことができる。
【0042】圧電効果は図7に示すように、圧電体7a
に力を加えることにより電荷を発生する効果であり、力
と発生電圧の関係は、 Vi =gijj (L/S) …(2) で表される。
【0043】ここで、Vは発生電圧、Fは加えた力、L
は圧電体7aの長さ、Sは圧電体7aの断面積、gij
電圧出力定数である。
【0044】電圧出力定数gijは、電気変位0の状態で
単位応力を加えた時に生じる電界の強さを言い、一般に
g定数と呼ばれ次式で求められる。
【0045】 g31=d31/ε33 T ,g33=d33/ε33 T ,g15=d15/ε11 T …(3) 定数g33は、図4(a)に示すように分極方向から力が
加わり、且つ分極方向に歪んだ時の歪み量Δxに比例し
て発生する電圧の比例定数である。
【0046】発生する電圧は分極方向に垂直な面に取り
付けた電極4a,4bにより検出することができる。
【0047】定数g15は図5(a)に示すように、分極
方向に沿うような方向に滑べり応力が加わり、その方向
に歪んだ時の滑べり歪み量Δyに比例して発生する電圧
の比例定数である。
【0048】発生する電圧は力の加わる面に取り付けた
電極5a,5bによって検出することができる。
【0049】定数g31は図6(a)に示すように分極方
向に対して垂直方向から力が加わり、分極方向に対して
垂直方向に歪んだ時の歪み量Δyに比例して発生する電
圧の比例定数である。
【0050】発生する電圧は分極方向に垂直な面に取り
付けた電極6a,6bにより検出を行なう。
【0051】一方、逆圧電効果は、図4(b),図5
(b),図6(b)に示されるような電界を加えると歪
みや力が発生する効果で、発生力は以下のように示され
る。
【0052】 Fi =(S/L)(dij/s)Vj …(4) ここで、Sは圧電体の面積、Lは圧電体の長さ、sはコ
ンプライアンス(弾性定数)である。
【0053】発生する変位量は、 Li =dijj …(5) で求められる。
【0054】ただし、共振時の振幅には圧電素子が設置
される系の機械的品質係数Qm が関与するため、共振時
の変位つまり振幅は、 Li =Qm ijj …(6) で与えられる圧電素子に電圧印加するための電極配置
は、圧電効果を得る場合と同様で良い。
【0055】つまり、分極方向に垂直な面に取り付けた
電極4a,4bにより印加した場合は、歪みΔxは分極
方向に発生し、この時の印加電圧に対する比例定数はg
33である(図4参照)。
【0056】分極方向に沿う面に取り付けた電極5a,
5bに印加した場合は、歪みΔyは分極方向に沿うよう
に発生し、この時の印加電圧に対する比例定数はg15
ある(図5参照)。
【0057】分極方向に垂直な面に取り付けた電極6
a,6bに印加した場合は、歪みΔyは分極方向に対し
て垂直方向に発生し、この時の印加電圧に対する比例定
数はg31である(図6参照)。
【0058】本発明の触覚呈示装置は、上記で説明した
逆圧電効果を利用して、触覚呈示を行なう。
【0059】この場合、通常圧電素子の歪み、つまり変
位量はその全長に比べて非常に微小で、そのままの変位
量を人間が知覚するには非常に困難である。
【0060】また、単に圧電素子に電圧を印加しただけ
では伸縮振動あるいは滑べり振動しか励起しない。
【0061】そのため、本発明は、図8に示すように分
極方向の異なる2つの圧電体を適当に組み合わせたバイ
モルフ構造にするか、あるいは同一の分極方向を持つ圧
電体を適当に組み合せてバイモルフ構造にして電極を適
当に配置することによって圧電体が屈曲振動を励起する
様に構成するか、あるいは、圧電体と弾性体を適当に貼
り合わせてバイモルフ構造にするかして、圧電体の変位
を弾性部材とによって構成される機械的な系の共振を利
用することによって拡大し、人間が楽に知覚できる程度
の変位に増幅すると同時に、その時の弾性部材の変形に
よって、弾性部材と指先との接触面積を変化させること
によって摩擦抵抗を変化させ、人間が通常、摩擦抵抗の
違いとして認識する滑べり感や表面粗さを表現し、操作
者に情報伝達を行うものとする。
【0062】図9は以上の原理に従った本発明の触覚呈
示装置の構成を示したもので直接触れることのできない
対象物に対する操作状態を検出するセンサ9cと、触覚
呈示デバイス9aと、この触覚呈示デバイス部9aをセ
ンサ9cからの出力に応じて動作させる処理回路9b
1、発振回路9b2及び選択回路9b3を含む回路部9
bから構成され、触覚呈示デバイス部9aは圧電素子9
a1と、その圧電素子9a1の振動を伝達する弾性部材
9a2から構成されている。
【0063】つまり、本発明はこの構成によって、上記
にて説明したような圧電素子9a1の屈曲振動によって
励起される弾性部材9a2との共振運動を操作者の指先
に呈示することにより、操作対象物を把持した場合の滑
べり感、或は表面粗さ等の表面情報を表現して、対象物
の材質感を認識させることにより、直接触れることので
きない対象物に対する操作性を向上させることが可能な
触覚装置を提供する。
【0064】すなわち、本発明による解決手段として、
圧電素子と、直接触れることのできない対象物に対する
操作状態を検出する検出手段と、前記検出手段からの検
出信号に応じて前記圧電素子に屈曲振動を励起する駆動
手段と、 前記圧電素子の屈曲振動によって該圧電素子
との間に共振運動が励起される弾性部材とを具備し、前
記圧電素子と弾性部材との共振運動を前記直接触れるこ
とのできない対象物に対する操作状態を示す触覚情報と
して呈示可能に構成したことを特徴とする触覚呈示装置
が提供される。
【0065】
【作用】上記のような解決手段により、検出手段が対象
物に接触した場合、その対象物との接触状態を検出して
その接触状態信号を出力し、接触状態信号を信号処理手
段によって接触状態に基づく対象物の滑べり感や表面粗
さ、硬さ、柔らかさ等の各種の触覚情報に変更する信号
処理を行ない、その信号に応じて本発明の触覚呈示装置
を駆動することによって、触覚情報を操作者に伝達し
て、対象物と接触した場合の接触状態と対称の特徴を操
作者に知覚させることができる。
【0066】
【実施例】以下、図面に従って本発明に係わる触覚呈示
装置の実施例につき詳細に説明する。
【0067】図10は本発明の第1実施例を示す図であ
る。
【0068】図中、10aは屈曲振動を発生する圧電素
子、10bは圧電素子の振動を伝達する弾性部材であ
る。
【0069】このような構成を採り、圧電体10aを屈
曲振動させ、その振動によって弾性部材10bを共振さ
せて表面変位を発生させる。
【0070】この共振は、振動を発生する圧電素子10
aと、圧電素子10aの振動を伝達する弾性部材10b
とで構成される系の固有振動数と加振周波数との同期に
よって発生する。
【0071】例えば、上記の構成の場合は図10で示す
1 とl2 の比を適当にすること、あるいは、弾性部材
10bの形状を適当に選ぶことによって、系の共振モー
ドを最適化することが可能である。
【0072】図11に1次と3次の共振モードの時の弾
性部材10bの変形状況を一例として示すが、このよう
に各モードによって弾性部材10bの変形状態は異な
る。
【0073】そのため、この弾性部材9bの表面に指先
を接触させた場合、各共振モードによって指先との接触
面積が異なることになるので、この共振モードを変化さ
せることによって摩擦抵抗の差を表現することが可能と
なる。
【0074】図12は本発明の第2実施例を示す図であ
る。
【0075】図中、12aは振動を発生する圧電素子、
12bは屈曲振動を促す弾性部材、12cは屈曲振動を
促す弾性部材である。
【0076】ここで、弾性部材12b,12cは異なる
弾性定数を持つものとする。
【0077】このような構成を採ることによって、圧電
素子12a及び弾性部材12b,12cで構成される系
は圧電素子12aが励起する振動によって屈曲振動を行
い、第1実施例で示したと同様の作用効果を奏すること
が可能になる。
【0078】図13は第3実施例を示す図であり、第2
実施例をさらに拡張して構成したものである。
【0079】図中、13aは振動を発生する圧電素子、
13bは屈曲振動を促す弾性部材a、13cは屈曲振動
を促す弾性部材bである。
【0080】ここで弾性部材13b,13cは互いに異
なる弾性定数を持つものとする。
【0081】本実施例は以上のような基本構成を並列に
並べて構成したもので、摩擦抵抗の表現を、より細かい
分解能で実現することがいる利点をもつ。
【0082】図14は本発明の第4実施例を示す図であ
る。
【0083】図中、14aは振動を発生する圧電素子、
14bは屈曲振動を促す弾性部材である。
【0084】この構成を採用することによって、圧電素
子14a及び弾性部材14bで構成される系は圧電素子
12aが励起する振動によって屈曲振動を行い、第1実
施例で示したと同様の作用効果を奏することが可能にな
る。
【0085】また、本実施例の触覚呈示装置は非常に簡
単に製作でき、作用も上記実施例となんらの遜色もない
ものとして構成することが可能である。
【0086】図15は本発明の第5実施例を示す図であ
り、第4実施例をさらに拡張して構成したものである。
【0087】図中、15aは振動を発生する圧電素子、
15bは屈曲振動を促す弾性部材であり、本実施例は以
上のような基本構成を並列に並べて構成したもので、第
3実施例で示した作用を、製造的にも現実的で、より簡
単に実現することが可能である。
【0088】図16は本発明の第6実施例を示す図であ
る。
【0089】図中、16aは振動を発生する圧電素子、
16bは屈曲振動を促す弾性部材、16cは超音波遮断
部材、16dは基板、16eはコイル、16f,16g
は永久磁石、16hは軸、16iはベースを示す。
【0090】圧電素子16aは超音波遮断部材16cを
介して基板16d上に配置され、圧電素子16aの振動
は効率良く16bの弾性部材に伝達されるように構成さ
れている。
【0091】そして、本構成はコイル16e及び永久磁
石16f,16gで構成されたボイスコイルと上記実施
例で述べてきた触覚呈示装置が組合わさった構成になっ
ている。
【0092】弾性部材16bはその下部に構成された上
記回路と共にボイスコイルを構成し、この系にかかる電
流によって弾性部材16bは上下振動、あるいは突出動
作が可能である。
【0093】このボイスコスルによる触覚伝達に関して
は、本発明者らによる既提案と同様の機能であり、人間
の触覚に関する時間応答限界以上の周波数で弾性部材1
6bを駆動することによって、対象物の硬さ、柔らかさ
を知覚し、且つ、弾性部材16bが電流によって保持さ
れる力によって操作対象物を押し込んだ場合の反撥力を
表現することができる。
【0094】そのため、本実施例の構成を採用すること
によって、操作者に対して対象物の硬さ、柔らかさ、表
面情報、そして滑べり感を伝達することが可能となる。
【0095】図17は第6実施例を例にあげた本発明に
関する代表的な回路構成の概略を説明した図である。
【0096】この回路構成はセンサ回路17b、知覚信
号化処理回路17c、知覚信号−発振周波数変換回路1
7d、発振回路17e、選択回路17f、駆動回路17
gから構成され、圧電素子17h、ボイスコイル17i
をそれぞれ駆動する。
【0097】そして、信号の伝達経路としては、センサ
17aからの信号がセンサ17aの出力を処理するセン
サ回路17bに入り、その後、センサ回路17bの出力
を硬さ、柔らかさ、滑べり感等の知覚信号に変換且つ分
岐処理する知覚信号化処理回路17cに入る。
【0098】この後、硬さ、柔らかさの知覚信号はボイ
スコイルの駆動回路17gへ伝達され、そこで処理され
た駆動信号に基づきボイスコイル17iを駆動する。
【0099】また、滑べり感、表面粗さの知覚信号は、
知覚信号−発振周波数変換回路17dから発振回路17
eを介して複数配置された圧電素子17hのうちのいず
れの組み合せにより圧電素子17hを駆動するのか、あ
るいは、何次の共振モードの屈曲振動を弾性部材に励起
するのかを選択するための選択回路17fを経て、圧電
素子17hを駆動し、弾性部材(図示せず)に屈曲振動
を呈示する。
【0100】
【発明の効果】上述したように本発明によれば、操作者
に触覚情報を伝達することにより、操作者が自分の手に
よってあたかも実際に対象を操作しているような感覚を
得ることができるため、従来技術で示したような装置に
おいて、操作の乖離感を無くして装置の操作性向上と、
より正確で操作性のよい操作を行うことができる触覚呈
示装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】顕微鏡に関する従来技術を示す図。
【図2】ロボットのマニピュレータに関する従来技術を
示す図。
【図3】本出願人による既提案の触覚呈示装置の説明
図。
【図4】圧電体の厚み方向における基本機能の説明図。
【図5】圧電体の滑べり方向における基本機能の説明
図。
【図6】圧電体の長さ方向における基本機能の説明図。
【図7】圧電効果の説明図。
【図8】屈曲振動を発生する圧電体の構成図。
【図9】本発明の構成説明図。
【図10】本発明の第1実施例を示す図。
【図11】共振モードの説明図。
【図12】本発明の第2実施例を示す図。
【図13】本発明の第3実施例を示す図。
【図14】本発明の第4実施例を示す図。
【図15】本発明の第5実施例を示す図。
【図16】本発明の第6実施例を示す図。
【図17】本発明の代表的回路構成を示す図。
【符号の説明】
1a…顕微鏡本体、1b…細胞、1c…ピペット、1d
…マニピュレータ、1e,1f…ジョイスティック、2
a…関節、2b…処置部、2c…スレイブアーム、2d
…関節、2e…処置部、2f…マスタアーム、2g…固
定部材、2h…制御系、3a…台座、3b…コイル、3
c…磁石、3d…ストッパ、3e…触覚呈示部、4a,
4b…電極、4c…圧電体、4d…電圧計、4e…信号
発生器、5a,5b…電極、5c…圧電体、5d…電圧
計、5e…信号発生器、6a,6b…電極、6c…圧電
体、6d…電圧計、6e…信号発生器、7a…圧電体、
8a…触覚呈示デバイス部、8b…回路部、10a…圧
電素子、10b…弾性部材、12a…圧電素子、12b
…弾性部材、12c…弾性部材、13a…圧電素子、1
3b…弾性部材、13c…弾性部材、14a…圧電素
子、14b…弾性部材、15a…圧電素子、15b…弾
性部材、16a…圧電素子、16b…弾性部材、16c
…超音波遮断部材、16d…基板、16e…コイル、1
6f,16g…永久磁石、16h…軸、16i…ベー
ス、17a…センサ、17b…センサ回路、17c…知
覚信号化処理回路、17d…知覚信号−発振周波数変換
回路、17e…発振回路、17f…選択回路、17g…
駆動回路、17h…圧電素子、17i…ボイスコイル。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子と、 直接触れることのできない対象物に対する操作状態を検
    出する検出手段と、 前記検出手段からの検出信号に応じて前記圧電素子に屈
    曲振動を励起する駆動手段と、 前記圧電素子の屈曲振動によって該圧電素子との間に共
    振運動が励起される弾性部材とを具備し、 前記圧電素子と弾性部材との共振運動を前記直接触れる
    ことができない対象物に対する操作状態を示す触覚情報
    として呈示可能に構成したことを特徴とする触覚呈示装
    置。
JP8450593A 1993-04-12 1993-04-12 触覚呈示装置 Pending JPH06297383A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002529846A (ja) * 1998-11-10 2002-09-10 ロード コーポレーション 磁気的可制御能動触覚インターフェースシステム及び装置
US9292090B2 (en) 2012-01-31 2016-03-22 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Haptic feedback device and haptic feedback method

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