JPH06277990A - セルコントローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各装置に対して処理データを出力するセルコ
ントローラにおいて、処理データが消去された場合のシ
ステム運転の再開を容易にする。 【構成】 セルコントローラ１は、図示されていないホ
ストコンピュータからの指令に応じて加工セル内の複数
の装置Ｍ１〜Ｍｎを制御する。装置Ｍ１〜Ｍｎの何れ
か、例えば装置Ｍ１の電源を点検等のために一時切断し
たとすると、点検後に動作を再開する場合には、その工
程を実行するために必要な処理データをセルコントロー
ラ１から得る必要がある。この場合、オペレータは、セ
ルコントローラ１のキーボードやモニタ等からなる再出
力指示手段２によって、処理データの再出力の指示を行
う。これを受けたセルコントローラ１は、処理データ再
出力手段３によって装置Ｍ１に必要な処理データを出力
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はホストコンピュータから
の指令に従って加工セルを制御するセルコントローラに
関し、特に各装置に対して動作データを出力するセルコ
ントローラに関する。

【０００２】

【従来の技術】ＦＡ（ファクトリー・オートメーショ
ン）システムは、主に、工場全体を管理するホストコン
ピュータと、ホストコンピュータからの指令に従って加
工セルを制御するセルコントローラとから構成されてい
る。加工セル内には数値制御装置、段取りステーショ
ン、およびパレット搬送制御装置等の多数の装置が設け
られている。

【０００３】これらの装置は、動作に必要な動作デー
タ、例えば数値制御装置であれば加工パレットデータや
起動条件データ等をセルコントローラから予め加工開始
前に受け取り、それらの動作データに従って工作機械等
の下位の機械を動作制御する。

【０００４】この動作データは、その加工を終了するの
に必要な時期まで各装置で記憶しておく必要がある。し
かし、異常点検あるいは異常の回復のため電源が一度切
断されたりすると、実行中の動作データの記憶は消去さ
れてしまう。この場合、動作を再開するときには、その
工程で必要な動作データをセルコントローラから再び出
力させる必要がある。

【０００５】この再出力を行うために従来は、ワークが
取り付けられるパレットを一度棚に戻し、それに伴いパ
レット状態記憶テーブル（トラッキング）の内容を修正
し、その工程の最初の状態から運転を再開させることに
より、セルコントローラからの動作データの再出力を待
つようにしていた。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかし、このような方
法では、動作データの再出力を行う度にパレットの移動
やトラッキングの修正等を行う必要があるため、動作復
帰に無駄な時間を要していた。

【０００７】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、装置側の処理データの記憶が消去された場
合、システム運転を容易に再開することのできるセルコ
ントローラを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明では上記課題を解
決するために、ホストコンピュータからの指令に従って
加工セルを制御するセルコントローラにおいて、前記加
工セル内の特定の装置に対して処理に必要な処理データ
を再出力するように手動で指示する再出力指示手段と、
前記再出力の指示があると、対応する前記装置に前記処
理データを再出力するデータ再出力手段と、を有するこ
とを特徴とするセルコントローラが提供される。

【０００９】

【作用】処理データの再出力を必要とする場合には、加
工セル内の特定の装置に対して動作に必要な処理データ
を再出力するように再出力指示手段により手動で指示
し、この再出力の指示があると、処理データ再出力手段
により、対応する装置に処理データが再出力される。

【００１０】このため、各機械の位置等を初期状態に戻
すことなく、システムの運転を容易に再開することがで
きる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図１は本実施例のセルコントローラの主要機能
の概念を示すブロック図である。セルコントローラ１
は、図示されていないホストコンピュータからの指令に
応じて加工セル内の複数の装置Ｍ１〜Ｍｎを制御する。
装置Ｍ１〜Ｍｎのうち、例えば装置Ｍ１の電源を点検等
のために一時切断したとすると、点検後に動作を再開す
る場合には、その工程を実行するために必要な動作デー
タをセルコントローラ１から得る必要がある。

【００１２】この場合、オペレータは、セルコントロー
ラ１のキーボードやモニタ等からなる再出力指示手段２
によって、処理データの再出力の指示を行う。これを受
けたセルコントローラ１は、処理データ再出力手段３に
よって装置Ｍ１に必要な処理データを出力する。

【００１３】図２は工場における加工セルの概略構成を
示す図である。セルコントローラ１１は、ホストコンピ
ュータ１０からの指令に従って各装置を制御し、製品を
加工する。セルコントローラ１１には、段取りステーシ
ョン２１，２２、数値制御装置（ＮＣ）３１，３２、補
機５１，５２、およびパレット搬送制御装置１２等が接
続されている。なお、段取りステーション２１等の設置
個数については加工セルの規模に応じてその都度変更で
きる。

【００１４】数値制御装置３１，３２には、それぞれ加
工機４１，４２が接続されている。加工機４１，４２
は、数値制御装置３１，３２からの制御信号に従ってワ
ークを加工する。補機５１，５２は洗浄器や計測器等で
あり、セルコントローラ１１から直接指令を受けて動作
する。これら加工機４１，４２、および補機５１，５２
には、それぞれパレット搬入部４１ａ，４２ａ，５１
ａ，５２ａ、パレット搬出部４１ｂ，４２ｂ，５１ｂ，
５２ｂが設けられており、これらにおいては、それぞれ
ワークの取り付けられたパレットの搬入、搬出が自動的
に行われる。

【００１５】パレット搬送制御装置１２には、ワークを
取り付けるためのパレットを搬送するパレット搬送装置
１３が接続されている。このパレット搬送装置１３は、
パレット搬送制御装置１２からの制御信号に従ってレー
ル１３ａ上を移動する。立体倉庫１４には、様々なワー
クに応じたパレットが収納されている。

【００１６】図３はセルコントローラ１１の構成を示す
ブロック図である。セルコントローラ１１は、ＣＰＵボ
ード１１１を中心に構成されている。ＣＰＵボード１１
１は、プロセッサ、ＲＯＭ、ＲＡＭ等を１枚のボード上
に搭載したものであり、このＣＰＵボード１１１には、
バス１１９を介して以下の諸要素が結合される。

【００１７】ＣＲＴ装置１５およびキーボード１６は、
インタフェース１１２を介してバス１１９と接続されて
いる。ＣＲＴ装置１５には運転状態や、後述の動作デー
タの出力を指示するための画面等が表示される。ＣＲＴ
装置１５の画面操作やその他の操作はキーボード１６に
よって行われる。

【００１８】ホストコンピュータ１０との遣り取りは、
インタフェース１１３を介して行われる。ホストコンピ
ュータ１０から送られたデータは、一旦共有ＲＡＭ１１
４に格納される。この共有ＲＡＭ１１４は、ＤＲＡＭ等
で構成される。ハードディスクメモリ１７は、インタフ
ェース（ＳＣＳＩ）１１５を介してバス１１９と接続さ
れており、製造スケジュールを決定する生産計画データ
や、各パレットの位置情報を示すテーブルであるトラッ
キング等が格納される。

【００１９】インタフェース１１６は加工セル全体の稼
働状態に応じてパレット搬送制御装置１２にパレット搬
送指示データ等を送る。この場合、ＲＳ２３２Ｃ等の通
信回線が使用される。ＤＮＣ（ダイレクトＮＣ) １１７
は、数値制御装置３１，３２に対するＮＣプログラムや
工具データのやり取りに使用される。

【００２０】ＰＭＣ（プログラマブル・マシン・コント
ローラ）１１８は、Ｉ／Ｏリンク等を介して段取りステ
ーション２１，２２、数値制御装置３１，３２、補機５
１，５２等と接続されている。ＰＭＣ１１８は、段取り
ステーション２１，２２に対して、段取り指示データ等
を出力する。また、ＰＭＣ１１８は、数値制御装置３
１，３２の機械部分や、補機５１，５２を管理し、加工
パレットデータや起動条件データ等の加工機制御に必要
なデータを出力する。

【００２１】図２に戻り、このようなセルコントローラ
１１を有する加工セルでは、ホストコンピュータ１０か
ら指令された製品の加工を行うため、セルコントローラ
１１は、自動的に製造スケジュールを作成する。この製
造スケジュールは、指定された種類、個数の部品の加工
を効率よく実行するために、機械やパレット等の資源の
割り振りや動作順序等を決定したものである。

【００２２】セルコントローラ１１は、この製造スケジ
ュールに従って各装置を動作させる。セルコントローラ
１１は、ホストコンピュータ１０から製品の加工を指令
されると、その製品の製造スケジュールを作成し、実行
に移る。ところで、製品の加工を行うには、まずワーク
を加工機側に取り付ける作業が必要である。このため
に、セルコントローラ１１は、パレット搬送制御装置１
２に指令を出してパレット搬送装置１３を移動させ、立
体倉庫１４のパレットを例えば段取りステーション２１
まで搬送させる。

【００２３】パレット搬送装置１３が搬送を開始する
と、セルコントローラ１１は、段取りステーション２１
に段取り指示データを出力する。一方、段取りステーシ
ョン２１へのパレットの搬送が終了した場合には、セル
コントローラ１１はトラッキングの内容を更新する。

【００２４】段取りステーション２１では、搬送された
パレットに作業者がワークを取り付ける。作業者は、セ
ルコントローラ１１から送られた段取り指示データを付
属の図示されていないモニタ画面等の表示器で確認し、
その内容に従って作業を行う。ワークの取り付け作業が
終了すると、作業者は、終了ボタンを押し、これにより
段取りステーション２１からセルコントローラ１１に作
業完了信号が送られる。

【００２５】作業完了信号を受けたセルコントローラ１
１は、ワークの取り付けられたパレットをパレット搬送
装置１３によって、例えば加工機４１のパレット搬入部
４１ａの位置まで搬送させる。この搬送が終了すると、
セルコントローラ１１はトラッキングの内容を更新す
る。

【００２６】また、これと同時に、セルコントローラ１
１は、加工機４１を制御する数値制御装置３１に加工パ
レットデータを出力する。数値制御装置３１側でこの加
工パレットデータの読み取りが完了すると、今度は起動
条件データを送る。加工パレットデータおよび起動条件
データを受け取った数値制御装置３１は、それらのデー
タに基づいて加工機４１を制御し、パレットを指令通り
の位置にセッティングしワークの加工を行う。

【００２７】加工が終了すると、数値制御装置３１は、
加工終了信号をセルコントローラ１１に送るとともに、
加工済みのワークの取り付けられたパレットをパレット
搬出部４１ｂに送る。加工終了信号を受けたセルコント
ローラ１１は、パレット搬送装置１３を動作させ、加工
済みのワークの取り付けられたパレットをプログラムで
設定された場所、例えば段取りステーション２１，２
２、立体倉庫１４、あるいは補機５１，５２等に搬送す
る。

【００２８】このように、段取りステーション２２や数
値制御装置３２等でも同様の作業が繰り返され、多数の
ワークが次々と加工されていく。ところで、加工作業中
には、一部の装置に異常が生じることが多々ある。この
ような場合には、異常点検のためその装置の電源を一時
切断することがある。段取りステーション２１，２２や
数値制御装置３１，３２は、電源が切断されると、セル
コントローラ１１から送られた加工パレットデータ等の
動作データの動作データの記憶を消去してしまう。

【００２９】このため、点検後に作業を再開するときに
は、作業途中の工程に必要な動作データをセルコントロ
ーラ１１から再び受け取る必要がある。このような場
合、従来は、パレット搬送装置１３の位置等を工程の初
期状態に戻して作業を最初からやり直すようにしてい
た。したがって、時間や手間がかかっていた。

【００３０】そこで、本実施例では、電源切断後に作業
を再開する場合には、セルコントローラ１１のＣＲＴ装
置１５の画面とキーボード１６とを使用して動作データ
の要求を行うようにした。

【００３１】図４は動作データ要求を行うためのトラッ
キング・メンテナンス画面を示す図である。トラッキン
グ・メンテナンス画面１５１には、段取りステーション
や加工機等のメンテナンスデータが表示されている。こ
こで、例えば段取りＳＴ１にカーソル１５１ａを合わせ
た状態で、画面右下に表示されているＤＯ出力選択部１
５１ｂをソフトキーで選択すると、トラッキング・メン
テナンス画面１５１の下半分が段取り指示データ出力画
面に切り替わる。

【００３２】図５は切り替わり後のトラッキング・メン
テナンス画面１５１を示す図である。段取り指示データ
出力画面１５１ｃには、図４の画面で選択された段取り
ステーションの段取り指示データと、メッセージ１５１
ｄとが表示される。作業者は表示されたデータを確認
し、データの出力を行いたい場合には、メッセージ１５
１ｄの横のカーソル１５１ａの上に「Ｙ」をキー入力す
る。これにより、画面の段取り指示データが対応する段
取りステーションに出力される。これにより、直ちに作
業を再開することができる。

【００３３】なお、他の段取りステーションや加工機に
対しても、図４の画面でカーソル指定すれば、同様に動
作データを出力することができる。図６は段取りステー
ション２１，２２の作業を行うためのセルコントローラ
１１側の主な制御手順を示すフローチャートである。 〔Ｓ１〕立体倉庫１４のパレットを段取りステーション
２１，２２側に搬送させるため、パレット搬送装置１３
の移動を開始する。 〔Ｓ２〕段取りステーション２１，２２に対して、段取
り指示データを出力する。

【００３４】〔Ｓ３〕パレットの搬送が終了したか否か
を判断し、終了すればステップＳ４に進み、終了してい
なければステップＳ３を繰り返す。 〔Ｓ４〕トラッキングの内容を更新する。 〔Ｓ５〕作業者により段取り指示データ出力の操作があ
ったか否かを判断し、あればステップＳ６に進み、なけ
ればステップＳ７に進む。

【００３５】〔Ｓ６〕段取り指示データを再出力する。 〔Ｓ７〕段取りステーション２１，２２にてパレットへ
のワークの取り付けが完了したか否かを判断し、完了し
ていなければステップＳ５に戻り、完了していれば段取
り制御を終了する。

【００３６】図７は数値制御装置３１，３２によって加
工機４１，４２を制御するためのセルコントローラ１１
側での主な制御手順を示すフローチャートである。 〔Ｓ１１〕ワークの取り付けられたパレットを加工機４
１，４２の搬入部４１ａ４２ａに搬送させるため、パレ
ット搬送装置１３の移動を開始する。 〔Ｓ１２〕パレットの搬送が終了したか否かを判断し、
終了すればステップＳ１３に進み、終了していなければ
ステップＳ１２を繰り返す。

【００３７】〔Ｓ１３〕トラッキングの内容を更新す
る。 〔Ｓ１４〕数値制御装置３１，３２に加工パレットデー
タを出力する。 〔Ｓ１５〕数値制御装置３１，３２に起動条件データを
出力する。 〔Ｓ１６〕作業者により加工パレットデータもしくは起
動条件出力の操作があったか否かを判断し、あればステ
ップＳ１７に進み、なければステップＳ１８に進む。

【００３８】〔Ｓ１７〕加工パレットデータおよび起動
条件データのうち、ステップＳ１６で指示のあった方の
データを再出力する。 〔Ｓ１８〕加工に入るためにパレットを加工機４１，４
２内に搬入するなどの操作を行う。 〔Ｓ１９〕加工が開始されたか否かを判断し、開始され
れば本フローチャートを終了し、開始されていなければ
ステップＳ１６に戻る。

【００３９】このように、本実施例では、段取りステー
ション２１，２２や数値制御装置３１，３２等の各装置
に対して、段取り条件データや加工パレットデータ等の
動作データを作業者による手動操作によって再出力でき
るようにしたので、データが消去してしまった場合で
も、工程を初期状態に戻すことなく、システムの運転を
容易に再開することができる。

【００４０】

【発明の効果】以上説明したように本発明では、加工セ
ル内の特定の装置に対して動作に必要な処理データを再
出力するように手動で指示し、対応する装置に処理デー
タを再出力できるようにしたので、各機械の位置等を初
期状態に戻すことなく、システムの運転を容易に再開す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例のセルコントローラの主要機能の概念
を示すブロック図である。

【図２】工場における加工セルの概略構成を示す図であ
る。

【図３】セルコントローラの構成を示すブロック図であ
る。

【図４】動作データ要求を行うためのトラッキング・メ
ンテナンス画面を示す図である。

【図５】切り替わり後のトラッキング・メンテナンス画
面を示す図である。

【図６】段取りステーションの作業を行うためのセルコ
ントローラ側の主な制御手順を示すフローチャートであ
る。

【図７】数値制御装置によって加工機を制御するための
セルコントローラ側での主な制御手順を示すフローチャ
ートである。

【符号の説明】

１，１１ セルコントローラ ２ 再出力指示手段 ３ 処理データ再出力手段 １０ ホストコンピュータ １２ パレット搬送制御装置 １３ パレット搬送装置 １４ 立体倉庫 ２１，２２ 段取りステーション ３１，３２ 数値制御装置 ４１，４２ 加工機 ５１，５２ 補機

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホストコンピュータからの指令に従って
   加工セルを制御するセルコントローラにおいて、 前記加工セル内の特定の装置に対して処理に必要な処理
   データを再出力するように手動で指示する再出力指示手
   段と、 前記再出力の指示があると、対応する前記装置に前記処
   理データを再出力する処理データ再出力手段と、 を有することを特徴とするセルコントローラ。
2. 【請求項２】 前記装置は数値制御装置であることを特
   徴とする請求項１記載のセルコントローラ。
3. 【請求項３】 前記装置は段取りステーションであるこ
   とを特徴とする請求項１記載のセルコントローラ。