JP3161861B2 - 生産システム制御方法及び生産システム制御装置 - Google Patents

生産システム制御方法及び生産システム制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複数の加工ステーシ
ョンに、各々自動加工ユニット等が設けられたトランス
ファマシン等の生産システムの制御方法及び制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来のトランスファマシンは、例えば、
実公平2−32370号公報に開示されているように、
各加工ユニット毎の所定の加工プログラムに基づく指令
を行なう個別のシーケンス制御部と電源部とを備えたユ
ニット制御盤と、ユニット制御盤の操作を行なう副操作
箱を備え、上記複数の加工ユニット毎のユニット制御盤
に対して所定のシーケンスを指令するプログラマブルシ
ーケンスコントローラを備えた主制御盤と、この主制御
盤に対して各ユニット制御盤の一括操作を行なうための
主操作箱とを設け、上記ユニット制御盤の個別のシーケ
ンス制御部と主制御盤のプログラマブルシーケンスコン
トローラとをデータ転送可能に接続し、上記各加工ユニ
ットを主操作箱によって一括操作するとともに、副操作
箱によって各加工ユニット毎に個別に操作するように構
成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場
合、主制御盤により各加工ユニットを一括制御している
ので、各加工ユニットから出される加工情報データを全
て一旦主制御盤に集め、主制御盤でそのデータに基づく
所定の判断をして各加工ユニットのユニット制御盤に指
令を出していたので、信号伝達及び判断や指令に要する
時間がかかり、トランスファマシンのサイクルタイムの
短縮の妨げになっていた。さらに、加工ユニットの設置
時には、システム全体を設置し終えた後でないと主操作
盤による全体にかかわる制御の確認及び調整ができず、
この調整作業がきわめて面倒なものであった。しかも、
後に加工ステーションや加工ユニットを追加する場合に
は、主制御盤自体の制御プログラム等も変更しなければ
ならず、システムの自由度がないという問題もあった。
また、主制御盤で全ての各加工ユニット及びトランスフ
ァ装置やワーク保持固定治具等を一括操作する場合に
は、主操作箱の操作ボタンを介して操作しなければなら
ず、作業者は必ず主操作箱が設置してある場所まで行か
なければならないので、トランスファマシン等の大きな
システムになるほど操作性が悪いという問題があった。
【0004】この発明は、上記従来の技術の問題点に鑑
みて成されたもので、生産効率が良く、システムの自由
度も高く、操作性も良好な生産システム制御方法及び生
産システム制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、穴開けや組
み付け等の動作による所定の作業を行なう作業部が各々
に設けられた複数の作業ユニットと、この各作業ユニッ
トに対応しその作業部を運転制御する複数のユニット制
御手段とが設けられた生産システムの制御方法であっ
て、上記各ユニット制御手段毎に記憶手段を設け、各記
憶手段に、その制御対象である自己の作業ユニットの動
作に対応しその作業ユニット自体の動作ポ イントを示す
位置情報やシステムの運転モード情報やユニットの動作
を指示する指示情報等のユニットステイタス情報、及び
自己以外の他の作業ユニットの動作に対応し他の作業ユ
ニット自体の情報である上記ユニットステイタス情報
を、各々自己の記憶手段に常時書き換えつつ記憶させ
て、各作業ユニットの上記ユニット制御手段は自己の記
憶手段に記憶された上記自己及び他の作業ユニットのユ
ニットステイタス情報に基づき、自己の記憶手段に記憶
され自己の作業ユニットを単独で運転操作するための
独運転プログラム及び複数の作業ユニットを制御する共
通の運転プログラムによって自己の作業部を運転制御す
る生産システム制御方法である。また、上記生産システ
ムはトランスファ装置と各種の治具を備え、上記共通の
運転プログラムは、少なくとも上記トランスファ装置の
運転と全治具の一斉運転を含む所定の分割された運転動
作を独立的に行わせるための分割運転プログラムを備え
る。また、上記共通の運転プログラムは、さらに、運転
準備プログラム及び全作業ユニットの一連の動作を実行
するための自動運転プログラムを備える。上記ユニット
制御手段の各記憶手段は、全ての作業ユニットのユニッ
トステイタス情報を記憶しており、全てのユニット制御
手段は常に、各記憶手段のユニットステイタス情報を等
しくする。さらに、各作業ユニットにおいて上記ユニッ
トステイタス情報を自己の記憶手段に逐次書き換えて記
憶させ、また、各作業ユニットにおいて、自己の作業ユ
ニットに対応する自己のユニットステイタス情報及び少
なくともトランスファ装置のユニットステイタス情報
を、各々書き換えて上記記憶手段に記憶させる。上記複
数のユニット制御手段のうちの少なくとも一部は、上記
全作業ユニットのうちの一または複数の作業ユニットに
共用され、その作業ユニットの各作業部を各々個別に制
御するものである。
【0006】また、この発明は、所定の作業を行なう作
業部が各々に設けられた複数の作業ユニットと、この各
作業ユニットに対応しその作業部を制御する複数のユニ
ット制御手段とが設けられた生産システム制御装置であ
って、上記各ユニット制御手段それぞれに、その制御対
象である自己の作業ユニットを含む生産システム全体の
作業ユニットのその作業ユニット自体の位置情報やモー
ド情報や指示情報等のユニットステイタス情報と、自己
作業ユニットを単独で運転操作するための単独運転プ
ログラムと、複数の作業ユニットを制御する共通の運転
プログラムとを各々記憶した記憶手段を設け、さらに、
上記各作業ユニットに跨がったトランスファ装置と、各
種の治具とが設けられた生産システム制御装置である。
そして、自己の作業ユニットに対応するユニットステイ
タス情報及び自己以外の他の作業ユニットのユニットス
テイタス情報を各々自己の記憶手段に常時書き換えつつ
記憶させる情報書換手段を設け、上記自己の記憶手段に
記憶されたユニットステイタス情報及び上記各運転プロ
グラムに基づき少なくとも自己の作業部を制御する制御
部を設けた生産システム制御装置である。また、上記各
ユニット制御手段の各記憶手段に記憶された共通の運転
プログラムは、少なくともトランスファ装置の運転例え
ば小ストローク搬送等及び全治具の一斉クランプ・アン
クランプ動作等の一斉運転を含む所定の分割された運転
動作を独立的に行わせるための分割運転プログラムを有
する。また、共通の運転プログラムは、さらに、運転準
備プログラム及びトランスファ装置、全作業ユニット、
ローディング、アンローディング等の生産システム全体
の一連の動作を実行するための自動運転プログラムを有
するものである。さらに、この発明は、上記情報書換手
段が、全ユニット制御手段の各記憶手段のユニットステ
イタス情報を等しくするものであり、また、各作業ユニ
ットにおいて自己の作業ユニットに対応する自己のユニ
ットステイタス情報または自己以外のある特定の作業ユ
ニットに対応する特定のユニットステイタス情報を、自
己のユニット制御手段の上記記憶手段に記憶させる生産
システム制御装置である。
【0007】
【作用】この発明の生産システム制御装置は、各作業ユ
ニット毎の記憶手段に、システムとして共通のユニット
ステイタス情報及び各種運転プログラムが記録され、各
ユニット制御手段において、各自の記憶手段のユニット
ステイタス情報を見ながら各自の判断で、生産システム
の自動運転、又はトランスファ装置の運転や全治具の一
斉運転等の分割運転、あるいは各作業ユニット毎の単独
の運転に際して、各自の作業部を制御するようにしたも
のである。
【0008】また、各ユニット制御手段の記憶手段に記
憶されたユニットステイタス情報が他と等しく書き換え
られるため、任意の作業ユニットから他の作業ユニット
に対して所定の制御を行うことを可能にするものであ
る。
【0009】
【実施例】以下この発明の実施例について図面に基づい
て説明する。図1〜図8はこの発明の第一実施例を示す
もので、この実施例の生産システム制御装置は、トラン
スファマシンについてのもので、図3に示すように、右
から左へのワークの搬送方向に沿って、一連の工程にお
ける所定の機能を各々有した作業ユニットである複数の
加工ユニット12が並設されている。加工ユニット12
には、各々のステーションに対応して、作業部である1
台又は2台の加工装置13とワーク14を保持固定する
治具15が設けられている。トランスファマシン10の
先頭部には、ワーク14をトランスファマシン10に載
せるローディングユニット16が設けられ、終端部には
加工されたワーク14をトランスファマシン10から移
すアンローディングユニット18が設けられている。ロ
ーディングユニット16とアンローディングユニット1
8との間には、ワーク14を一工程づつ次ステーション
へ移動させる搬送手段を構成する図示しないトランスフ
ァバーが設けられている。この発明の本実施例では作業
部としてのトランスファ装置11を含むトランスファユ
ニットも一つの作業ユニットを構成している。そして、
作業ユニットであるトランスファユニット、各加工ユニ
ット12、ローディングユニット16、アンローディン
グユニット18には、起動停止その他の操作を行なう操
作盤20と、各種制御回路が設けられた制御装置21と
が各々に設けられている。
【0010】操作盤20には、図4に示す作動状態表示
ランプ22が設けられた表示パネル24が設けられてい
る。表示パネル24には各作動状態表示ランプ22の表
示内容を記述した記述部26と、トランスファマシン1
0の各ユニット番号表示部28とが設けられている。こ
の作動状態表示ランプ22及び記述部26は、図4に示
した状態で、トランスファマシン10の各加工ユニット
12、及びローディングユニット16、アンローディン
グユニット18の全ての作動状態が表示可能なものであ
り、これを各ユニットの操作盤20に各々取り付けても
良く、各ユニットに合わせて不要な表示を削除して必要
なもののみを取り付けても良い。
【0011】さらに、操作盤20には、トランスファ動
作や加工動作等の各種指示、操作を行なう操作ボタン3
0が取り付けられた操作パネル32が設けられている。
この操作パネル32には、運転準備指示、自動運転指
示、分割運転指示用のボタンを含み、トランスファマシ
ン10に共通の指示を与える共通指示ボタン34と、単
独運転指示用のボタンを含む各ユニット毎に個別の操作
を行うための個別指示ボタン36とが設けられ、個別指
示ボタン36に対応して表示ランプ38が設けられてい
る。この操作パネル32は、パネル本体及び共通指示ボ
タン34は各ユニットに共通であり、個別指示ボタン3
6及び表示ランプ38を各ユニット毎に付け替えて組み
立てるものである。ただし、共通指示ボタン34は、各
ユニットに合わせて不要な表示を削除して必要なものの
みを取り付けても良い。
【0012】各制御装置21内には、図2に示すよう
に、各加工ユニット12等の各種制御を行うユニット制
御手段であるプログラマブルコントローラからなるユニ
ットコントローラ40と、情報書換手段であり、各作業
ユニットのユニットステイタス情報を交換するための通
信制御装置42が設けられている。ユニットコントロー
ラ40には、RAM等の書き換え可能な記憶手段として
の共通データメモリ44と、制御部として、例えばCP
U46と、各作業ユニット毎の作業部の駆動制御を行う
ためのプログラムが記録されたRAM等の専用のプログ
ラム用メモリ48及び、外部機器との接続部であるI/
O制御部50が設けられている。ユニットコントローラ
40は、I/O制御部50を介して、当該作業ユニット
が加工ユニット12の場合には作業部であるNCコント
ローラ52等に接続され送りモータ54等を制御すると
ともに、表示パネル24に接続され、このトランスファ
マシンの各種の作動状態等を表示させる。さらに、ユニ
ットコントローラ40は、I/O制御部50を介して操
作パネル32にも接続され、操作パネル32の操作ボタ
ン30の指示を受け、所定の動作を指定されたNCコン
トローラ52や治具15或はトランスファ装置11等の
作業部に指示し、操作パネル32の表示部38の表示も
制御している。また、共通データメモリ44には、当該
ユニットコントローラ40が制御する作業部のユニット
ステイタス情報が書き込まれるとともに、他の作業ユニ
ットのユニットステイタス情報も書き込まれる。
【0013】ここで、ユニットステイタス情報として
は、例えばユニットの移動端、クランプ治具の動作端等
の動作ポイントを示す位置情報や、システムの運転モー
ドが自動運転モード、あるいは所定の分割された運転動
作を独立的に行わせる分割運転モード、あるいは特定の
ユニットを単独で動作させる単独運転モードの何れに選
択されているか等のモード情報や、また、例えば運転準
備指示、自動運転指示、分割運転指示、単独運転指示、
全治具のアンクランプ指示/クランプ指示等の指示情報
が含まれる。さらに、ユニットステイタス情報として
は、例えば潤滑異常、工具損傷等の異常情報も含まれ
る。
【0014】通信制御装置42には、各作業ユニット間
のユニットステイタス情報の授受を行う通信制御部56
と、通信制御部56と共通データメモリ44間のユニッ
トステイタス情報の授受を制御するCPU58が設けら
れている。通信制御装置42は、所定の通信規格によ
り、各作業ユニットの通信制御部56から通信ライン5
9に流される各作業ユニットのユニットステイタス情報
を取り込んで、現在共通データメモリ44に記憶してい
るユニットステイタス情報を書き換え、自己の現在のユ
ニットステイタス情報を通信ライン59に乗せるもので
ある。
【0015】各作業ユニットのユニットコントローラ4
0内のプログラムメモリ48には、図1に示すように、
主に新旧の工具交換時や異常でのユニットの動作が停止
した後にユニットを復帰させる際に自己の作業ユニット
を単独で運転操作するための単独運転プログラム60、
及び加工途中でシステム全体の動作を一旦停止させてワ
ークの品質のチェックを行う際や全体の異常復帰の際に
おいて例えばトランスファ装置の運転や全治具の一斉運
転等の所定の分割された運転動作を独立的に行わせるた
めの分割運転プログラム62と、全作業ユニットの一連
の動作いわゆるサイクル運転を自動で実行させるための
自動運転プログラム64とが設けられている。自動運転
プログラム64は、トランスファマシン10全体とし
て、一連の加工動作を連続的に行わせるために他の作業
ユニットと連動して自己の作業部を制御するものであ
る。さらに、各作業ユニットを作動可能にする運転準備
プログラム66と、共通データメモリ44の中から、各
作業ユニット毎の独自に必要なステイタス情報のみを取
り出して記憶させるために割り当てられたユニット専用
メモリ68とが各作業ユニット毎に各々設けられてい
る。なお、上記運転準備プログラム66、自動運転プロ
グラム64、及び分割運転プログラム62は、各ユニッ
トコントローラ40に全て共通して設けられている。
【0016】各共通データメモリ44には、自己を含む
当該システムの全ての作業ユニットのユニットステイタ
ス情報がそれぞれ記憶されている。これらのユニットス
テイタス情報は、通信制御部56により制御されて上記
各作業ユニットから例えば新しいユニットステイタス情
報が出される度に書き換えられる。従って、各作業ユニ
ットのユニットコントローラ40に設けられた共通デー
タメモリ44には、常時、通信ライン59を経て、自己
を含む当該トランスファマシンの全作業ユニットのユニ
ットステイタス情報が全て等しく記録されている。
【0017】この実施例のトランスファマシン10の動
作について以下に説明する。この実施例のトランスファ
マシン10は、図6に示すように、公知のトランスファ
マシンと同様に、トランスファラインに沿って、トラン
スファ装置11が作動し、図示しないトランスファバー
が上昇、前進、下降して、ワーク14を次ステーション
に移動させる。また、ワーク14がトランスファ装置1
1のトランスファバーによって一ピッチ隣に移動し、ト
ランスファバーが下降したところで、ローディングユニ
ット16が、ワーク14をトランスファバーの基端に新
たに送り込むために、ワーク14に係合する爪を正転さ
せ、次のステップでプッシャーにより新しいワーク14
をトランファバー上に送り込む。この後プッシャーが後
退し爪が反転して次のワーク14の挿入工程に備える。
【0018】また、トランスファバーが下降したタイミ
ングで、図6に示すように、各加工ユニット12では、
新たに送り込まれたワーク14に所定の加工を施すため
に、当該治具15がワーク14をクランプし、各加工ユ
ニット12の主軸モータが回転するとともに加工装置1
3が前進し、所定の加工を行なって加工装置13が後退
し、主軸モータが停止した後、治具15のクランプが解
除される。さらに、トランスファバーが下降したタイミ
ングで、アンローディングユニット18では、一連の加
工が施されたワーク14がトランスファマシン10か
ら、プッシャー等の作業部により送り出される。トラン
スファマシン10での各工程毎の各作業ユニットの動作
状態は、表示パネル24の作動状態表示ランプ22によ
って表示される。
【0019】この実施例のトランスファマシン10の制
御内容について、図1及び図7、図8のフローチャート
に基づいて説明する。ここで、以下に説明中の判断項目
及び設定内容等は全て、ユニットステイタス情報として
通信制御装置42及び通信ライン59を介して、各作業
ユニットの共通データメモリ44に各々全て等しく書き
込まれ又は書き換えられる内容に基づくものである。ま
た、以下の説明中の各作業ユニットにおける、選択又は
指示は、各操作盤20による操作に基づくものである。
【0020】各作業ユニットに設けられた操作盤20の
うち、何れか一つの操作盤20の共通指示ボタン34の
運転準備用操作ボタン30を押すと、当該作業ユニット
において先ず運転準備プログラム66がスタートする。
運転準備プログラム66では、図7に示すように、自己
の作業ユニットに運転準備指示があるか否かを判断し、
運転準備指示がある場合にはその作業ユニットの共通デ
ータメモリ44の運転準備指示のビットデータをONに
し、通信ライン59を経て他の全ての作業ユニットの共
通データメモリ44も、同一アドレスにおいて運転準備
指示のビットデータがONに書き換えられる。これによ
って、他の作業ユニットも運転準備プログラム66がス
タートし各作業ユニットが個々に運転準備を始める。そ
して、各作業ユニットにおいて非常停止の指示がない場
合には、後述するように、自動運転、分割運転、又は単
独運転が可能となる。また、いずれかの作業ユニットに
おいて非常停止指示が出た場合には、全ての作業ユニッ
トが非常停止する。
【0021】自動運転プログラム64では、図7に示す
ように、自己の作業ユニットが運転準備完了であって、
各作業ユニットにおいて、自己の作業ユニット及び他の
作業ユニットが、全て自動運転モードを選択しているか
否かを、共通データメモリ44のユニットステイタス情
報を見て判断する。共通データメモリ44により、全て
の作業ユニットが自動運転モードを選択している場合
は、自己の作業ユニットに自動運転指示があるか否かを
判断し、指示がある場合は、自己の共通データメモリ4
4の自動運転指示ビットをONにする。そして他の共通
データメモリの同一アドレスもONに書き換えられる。
また、自己の作業ユニットに自動運転指示がない場合
は、自己の共通データメモリ44の自動運転指示ビット
をOFFにし、他の作業ユニットに自動運転指示がある
か否かを、自己の共通データメモリ44のユニットステ
イタス情報を見て判断する。そして、自己または他の
れかの作業ユニットの操作盤20で自動運転指示が出て
いれば、自己及び他の作業ユニットが自動運転可能か否
かを判断し、可能な場合には、自己の作業ユニットで自
動運転を開始する。これと同時に、自己の共通データメ
モリ44に自動運転であるビットデータONが記録され
る。他の作業ユニットでも同じことが行われるので、
の作業ユニットも一斉に自動運転を開始し、共通データ
メモリ44に自動運転であるビットデータONが記録さ
同様の内容になる。このように、他の全てのユニット
コントローラにおいても同様にプログラムを実行し、結
果として全作業ユニットが自動運転を開始する。また、
何れの作業ユニットでも自動運転指示が出ていない場
合、及び自動運転可能でない場合には、各作業ユニット
は、自動運転は行わず自動運転の停止動作を行う。
【0022】分割運転プログラム62では、図8に示す
ように、自己の作業ユニットが運転準備完了であって且
つ操作盤20が自動運転モードか分割運転モードを兼用
する単独運転モードかの何れを選択しているのかを判断
する。単独運転モードを選択している場合には、他の全
作業ユニットが自動運転モードを選択しているか否かを
判断し、他の全ての作業ユニットが自動運転モードを選
択している場合には、所定の分割運転動作、例えばトラ
ンスファ装置11にワーククランプの指示があるか否か
を判断する。指示の有無により、共通データメモリ44
のビットをON,OFFの何れかに切り替え、指示があ
る場合は、自己の作業ユニットが分割運転の所定動作が
可能か否かを判断する。分割運転による所定の動作が可
能な場合は、共通データメモリ44に自己の作業ユニッ
トが分割運転であるビットデータが書き込まれ、通信ラ
イン59を介して全ての生産ラインの共通データメモリ
44の同一アドレスにおいて、その作業ユニットが分割
運転ビットONであることが書き込まれる。そして他の
全てのユニットコントローラにおいても分割運転プログ
ラムが実行され、分割運転ビットONとなった作業ユニ
ットがワーククランプ等の所定の分割運転動作を行う。
また、分割運転可能でない場合は、分割運転動作を停止
させる。
【0023】また、自己の作業ユニットが自動運転を選
択している場合には、他の何れかの作業ユニットより、
分割運転の指示があるか否かを判断し、分割運転指示が
ある場合には、分割運転動作可能か否かの判断を行っ
て、その作業ユニットが所定の分割運転を開始し、各々
自己の作業ユニットで分割運転動作を行う。
【0024】単独運転プログラムでは、図8に示すよう
に、自己の作業ユニットが単独運転モードを選択してい
るか否かを判断し、単独運転モードを選択している場合
は、さらに、自己の作業ユニットに単独運転モードの指
示があるか否かを判断する。そして、単独運転指示があ
る場合には、自己の作業ユニットにおいて単独運転動作
を行う。
【0025】ここで、各作業ユニットのユニットコント
ローラ40は全て同様の構成及び制御プログラムが設け
られているので、任意の作業ユニットに、他の特定の作
業ユニットに対して所定の動作を行わせるユニットステ
イタス情報を出すための、他ユニット動作指示手段を設
けることも可能である。即ち、他の特定の作業ユニット
として、トランスファマシン10のトランスファバーの
進退動作や、油圧システムの油圧制御、或はアンローデ
ィングユニット18によるワークのアンローディング動
作を行ったりするためのユニットステイタス情報を共通
データメモリ44に記憶可能とし、他の特定の作業ユニ
ットに対して所定の動作を行わせる様に、任意の作業ユ
ニットからユニットステイタス情報を書き換えることが
できる。このユニットステイタス情報に対して、各作業
ユニットが 自己の動作を指示するユニットステイタス
情報か否かを判断し、該当特定ユニットのユニット制御
手段であるユニットコントローラ40が、そのユニット
ステイタス情報に基づき所定の動作をこの作業ユニット
の作動部に行わせるものである。これにより、任意の作
業ユニットの操作盤20から特定の作業ユニットに所定
の動作を行わせることができ、作業性が向上するもので
あり、システムの拡張性も向上させることもできる。
【0026】共通データメモリ内のステイタスデータは
各作業ユニットに対する各種運転指示のビットデータを
含み、運転準備、自動運転、分割運転プログラムでは、
自己の作業ユニットに運転指示があると自己の作業ユニ
ットの運転指示ビットデータをONにし、無い場合は、
他の作業ユニットの運転指示ビットデータに基づいてプ
ログラムが実行される。これにより、自己の作業ユニッ
トから他の作業ユニットへ及び、他の作業ユニットから
自己の作業ユニットへ各種運転指示が可能となり、個々
の作業ユニットにおいて自己または他の作業ユニットに
運転指示の有無に基づいて各自が運転準備、自動運転、
分割運転または単独運転の動作を開始できる。
【0027】この実施例のトランスファマシン10によ
れば、各作業ユニットが、各々上記制御を行うためのユ
ニットコントローラ40及び通信制御装置42を有して
いるので、各自の作業ユニットが各自の持つ共通データ
メモリ44内の自他の作業ユニットのユニットステイタ
ス情報を確認しながら判断し、各自の持つ運転プログラ
ムを実行していくので、処理速度が著しく向上し、トラ
ンスファマシン10のサイクルタイムを大きく短縮する
ことができ、加工時間の大幅な短縮を図ることができ、
従来のような主制御盤は不要となる。即ち、従来の主制
御盤による一括制御の場合、各ユニット毎のユニットス
テイタス情報が、一旦主制御盤内のメモリに集められ、
これを基に主制御盤内の制御装置で判断を行った後、各
ユニット制御盤にユニットの動作指示が伝達されてい
た。従って、個々のユニットのユニットステイタス情報
を全て集めて判断して、判断結果を全てのユニットに伝
達するための通信の往復時間及び判断時間がかかってい
た。これに対し、この実施例の場合、各作業ユニットに
他の作業ユニットのユニットステイタス情報が伝達され
るだけで良いので、通信及び判断にかかる時間は、単に
全作業ユニットにユニットステイタス情報を行きわたら
せる時間だけでよく、上記従来の技術の場合の半分以下
の時間となるからである。
【0028】次にこの発明の第二実施例について図9、
図10を基にして説明する。ここで上述の実施例と同様
の部材は同一符号を付して説明を省略する。この実施例
では、互いに隣接する2ケ所の作業ユニットを一つのユ
ニットコントローラ40により制御しているものであ
る。従って、通信制御装置42、ユニットコントローラ
40内のCPU46及び共通データメモリ44を共用し
ているものである。しかし、ユニットコントローラ40
のプログラム用メモリ48は、各作業ユニットに対応し
た2種類の単独運転プログラム60、各作業ユニットに
共通の、分割運転プログラム62、自動運転プログラム
64、及び運転準備プログラム66単に2つづつ各々設
けられ、一つの入出力部50を介して各作業ユニット毎
の制御を可能にしている。即ち、CPU46の処理能力
の範囲内で、複数の作業ユニットを個別に制御している
ものであり、共通データメモリ44を基にした各作業ユ
ニットの個別分散制御という点で上記第一実施例と同様
のものである。
【0029】これにより、ユニットコントローラ40の
効率的な使用が可能になり、コスト及びスペース効率も
向上するものである。さらに、通信制御装置42の数も
削減することができ、上記と同様の効果に加えて、デー
タの通信処理も効率化することができる。
【0030】次にこの発明の第三実施例について図11
を基にして説明する。ここで上述の実施例と同様の部材
は同一符号を付して説明を省略する。この実施例は上記
第二実施例と同様に、互いに隣接する2ケ所の作業ユニ
ットを一つのユニットコントローラ40により制御して
いるものであり、通信制御装置42、ユニットコントロ
ーラ40内のCPU46及び共通データメモリ44を共
用するとともに、ユニットコントローラ40のプログラ
ム用メモリ48は、各作業ユニットに対応した2種類の
プログラムを含む単独運転プログラム60を有するとと
もに、各作業ユニットに共通の分割運転プログラム6
2、自動運転プログラム64、及び運転準備プログラム
66を共用している。また、ユニット専用メモリ68
は、その作業ユニット専用のメモリとして各々設けられ
ている。そして、一つの入出力部50を介して各作業ユ
ニット毎の制御を行っているものである。この実施例の
場合も、CPU46の処理能力の範囲内で、複数の作業
ユニットを個別に制御しているものであり、共通データ
メモリ44を基にした各作業ユニットの個別分散制御と
いう点で上記第一実施例と同様のものである。
【0031】この実施例によれば、上記第二実施例と同
様の効果に加えて、プログラム用メモリ48の効率的な
使用が可能になるものである。特に、トランスファマシ
ンにおいて、同様の加工プログラムで順次隣接する加工
ステーションにワークを移動させて加工を行う作業ユニ
ットには、各運転プログラムを共用化すると言う点で有
効なものである。
【0032】次にこの発明の第四実施例について図12
を基にして説明する。ここで上述の実施例と同様の部材
は同一符号を付して説明を省略する。この実施例は上記
第三実施例と同様に、2ケ所の作業ユニットを一つのユ
ニットコントローラ40により制御しているものであ
り、通信制御装置42、ユニットコントローラ40内の
CPU46及び共通データメモリ44を共用している。
ただし、この実施例では、互いに対向した作業ユニット
において、治具15を共用し、NCコントローラ52が
対向して設けられ、これらを制御するユニットコントロ
ーラ40のプログラム用メモリ48は、各作業ユニット
に対応する2種類のプログラムを含む単独運転プログラ
ム60を有するとともに各作業ユニットに共通の分割運
転プログラム62、自動運転プログラム64及び、運転
準備プログラム66が、各NCコントローラ52等に共
用されているものである。また、ユニット専用メモリ6
8は、その各NCコントローラ52の加工ユニット専用
のメモリとして各々設けられている。そして、一つの入
出力部50を介して各NCコントローラ52毎の制御を
行っているものである。この実施例の場合も、CPU4
6の処理能力の範囲内で、対向したNCコントローラ5
2を有した加工ユニットを個別に制御しているものであ
り、共通データメモリ44を基にした各作業ユニットの
個別分散制御という点で上記第一実施例と同様のもので
ある。
【0033】次にこの発明の第五実施例について図13
を基にして説明する。ここで上述の実施例と同様の部材
は同一符号を付して説明を省略する。この実施例は上記
第一実施例と同様に、トランスファマシンについてのも
ので、そのユニット操作盤20が、図13に示すよう
に、CRTや液晶パネル等の表示装置69と、表示装置
69の画面を制御する図示しない画面制御装置とからな
るものである。表示装置69には、画面下部に形成され
たタッチスイッチからなるファンクションキーF1〜F
8と、押しボタンスイッチからなる非常戻しボタン29
aと全停止ボタン29bとが設けられている。ファンク
ションキーF1〜F8は後述するように、表示装置69
の画面内に表示される内容の操作を行うものである。非
常戻しボタン29aは、自動運転中に各作業ユニットを
退避位置に戻すものであり、非常停止ボタン29bは、
運転を停止し、油圧等の全ての機能を停止させるもので
ある。
【0034】表示装置69の表示内容は、図示しない画
面制御装置により制御され、図14に示すメニュー画面
70により所望の画面が選択されるものである。選択で
きる画面は、図15に示すトランスファマシン10の自
動運転用の自動運転操作画面80、図16に示すトラン
スファマシン10の各作業種別で分割した分割運転用の
分割操作画面90、図17に示すトランスファマシン1
0の各加工ユニット12毎に単独で作動させるユニット
単独運転画面100、図18に示すアンローディングユ
ニット18の単独操作画面110、及び図19に示す操
作ガイド画面120等が各々切替表示される。表示画面
の切り替えはモードの選択を意味し、図14に示すメニ
ュー画面70中の機能表示部74の表示内容に対応した
ファンクションキー例えばF1〜F3を押して各画面を
選択するものである。
【0035】次に、メニュー画面70の各項目の表示内
容について説明する。先ず、トランスファマシン10の
自動運転中の自動運転操作画面80には、図15に示す
ように、自動運転中及びその前後のトランスファマシン
10の種々の状態を記述した記述部81と、トランスフ
ァマシン10がその記述部81のある記述内容の状態に
ある場合に、それを表示する表示部83とが設けられて
いる。また画面の下方には、ファンクションキーF1〜
F8に1対1に対応して、自動運転時に所定の機能を行
わせるための操作内容を記述した機能表示部84が設け
られている。ここでは、ファンクションキーF1を押す
と警報ブザーが鳴り、ファンクションキーF2を押す
と、運転準備が指示されこのトランスファマシン10の
運転準備動作に入り、油圧ポンプや潤滑ポンプ等が作動
を開始する。ファンクションキーF3を押すと、自動運
転が指示され一連の加工を連続的に行う自動運転が開始
され、ファンクションキーF4を押すと、この自動運転
が停止される。従って、ここではファンクションキーF
3、F4が自動運転操作手段となる。ファンクションキ
ーF6を押すと、異常発生により停止したトランスファ
マシン10が初期状態にリセットされる。また、ファン
クションキーF7を押すと、その時の状態の詳細な内容
が表示装置69の画面に表示され、ファンクションキー
F8を押すとメニュー画面に戻るものである。
【0036】分割運転は、トランスファマシン10の一
連の動作の中の、例えばトランスファ装置の搬送運転や
全治具の一斉クランプアンクランプ運転等を個別に行う
もので、分割運転中の分割操作画面90には、図16に
示すように、上記と同様に、分割運転中及びその前後の
トランスファマシン10の種々の状態を記述した記述部
91と、表示部93とが設けられている。また画面の下
方には、ファンクションキーF1〜F8に1対1に対応
して、分割運転用の所定の機能を行わせるための操作内
容を記述した機能表示部94が設けられている。さら
に、分割運転時の所定の分割動作を行わせる分割動作表
示部95が、画面中央部に形成され、カーソルが位置し
た個所の分割動作をユニットコントローラ40からの制
御により行うように形成されている。
【0037】ここでは、ファンクションキーF1を押す
と警報ブザーが鳴り、ファンクションキーF2,F3を
押すと、分割動作表示部95のカーソルが矢印方向に移
動する。カーソルは、右方向に移動して右上から左下に
移動し、左方向に移動して左下から右上に移動する。ま
た、ファンクションキーF4を押すと、分割動作表示部
95のカーソルが位置している分割動作を、その戻し方
向に行い、その分割動作の原位置に各作業部を位置させ
る。さらに、ファンクションキーF5を押すと、これと
は逆に、分割運転が指示されカーソルが表示している分
割動作をスタートする。ファンクションキーF6,F
7,F8の機能は自動運転操作画面80と同様である。
【0038】ユニット単独運転は、トランスファマシン
10の各加工ユニット12が単独で所定の動作を行うも
ので、ユニット単独運転画面100には、図17に示す
ように、上記と同様に、ユニット単独運転中及びその前
後のトランスファマシン10の種々の状態を記述した記
述部101と、表示部103とが設けられている。また
画面の下方には、ファンクションキーF1〜F8に1対
1に対応して、ユニット単独運転用の所定の機能を行わ
せるための操作内容を記述した機能表示部104が設け
られている。ユニット単独運転の動作もユニットコント
ローラ40からの制御により行われる。
【0039】ここでは、ファンクションキーF2を押す
と、ユニット単独運転動作の次の工程に移行し、ファン
クションキーF3を押すと、単独運転が指示され単独運
転を開始し、ファンクションキーF4を押すと単独運転
を停止し、ファンクションキーF5を押すと、その加工
ユニット12の加工装置13が原位置に戻る。ファンク
ションキーF1,F6,F7,F8の機能は自動運転操
作画面80と同様である。
【0040】また、ユニット単独操作画面は、図18に
示すように、アンローディングユニット18の単独操作
画面110にも切り換えることができる。この単独操作
画面110にも上記と同様に、単独操作時の操作内容を
記述した記述部111と、表示部113とが設けられて
いる。また、操作内容を選択するタッチスイッチの選択
釦116が画面中央部に設けられ、その横に選択釦11
6の数字に対応した操作内容の記述部115が表示され
ている。そして、ファンクションキーF1〜F8に1対
1に対応して、アンローディングユニット18の単独操
作を行わせる機能表示部114が設けられている。ファ
ンクションキーF2を押すと、前画面に切り換えられ、
ファンクションキーF3を押すと次画面に切り換えられ
る。又ファンクションキーF4を押すと原位置に戻り、
ファンクションキーF5を押すと動作を開始する。ファ
ンクションキーF1,F6,F8の機能は自動運転操作
画面80と同様である。
【0041】また、操作ガイド画面120は、図19に
示すように、記述部121が設けられ、ファンクション
キーF1〜F8に1対1に対応して、機能表示部124
が設けられている。そして、ファンクションキーF2を
押すと、前画面に切り換えられ、ファンクションキーF
3を押すと次画面に切り換えられる。ファンクションキ
ーF1,F6,F8の機能は自動運転操作画面80と同
様である。
【0042】この実施例のトランスファマシン10の操
作は、先ず、各加工ユニット12毎に設けられた複数の
ユニット操作盤20のうちの操作を行う任意のユニット
操作盤20により、メニュー画面70を呼び出し、その
メニュー画面70により所望の作業内容を選択する。
【0043】そして、自動運転を行う場合は、全てのユ
ニット操作盤20の表示装置69の画面を自動運転用の
自動運転操作画面80に切り替えて、先ず、運転準備用
のファンクションキーF2を押す。この運転準備動作
は、自動運転以外の動作時においても、最初の作業時に
必要となる。運転準備動作完了後、自動運転により連続
的に運転をさせる場合には、自動運転用のファンクショ
ンキーF3を押す。これによってトランスファマシン1
0は、所定の工程を繰り返して自動的に連続して動作
し、所定の加工を行う。この自動運転中は、その運転状
態を、表示装置69の画面中の表示部83に常時表示す
る。また、自動運転を停止させる場合は、自動運転停止
ボタンであるファンクションキーF4を押すと停止す
る。
【0044】次に、分割運転を行う場合は、操作を行う
ユニット操作盤20で、表示装置69のメニュー画面か
ら「分割」を選択する。そして、分割運転用の分割操作
画面90に切り替えられた表示装置69の画面上で、フ
ァンクションキーF2又はF3を押して分割動作表示部
95の中から所望の分割動作を選択し、ファンクション
キーF5を押す。これによってトランスファマシン10
は、所定の分割運転の動作を行う。また、ファンクショ
ンキーF4を押すと、表示している分割動作の原位置に
各動作部が戻る。この分割運転中も、その運転状態は、
表示部93によって表示装置69の画面中に常時表示さ
れる。
【0045】また、ユニット単独運転を行う場合は、操
作を行うユニット操作盤20の表示装置69のメニュー
画面から「単独」を選択し、単独運転用のユニット単独
運転画面100に切り替える。そして、ファンクション
キーF2〜F4を押してその加工ユニット12の単独の
運転を行う。このユニット単独運転中も、その運転状態
を、表示装置69の表示部103が画面中に常時表示す
る。また、単独運転において、単独操作画面110を呼
び出して行うアンローディングユニット18の単独操作
は、任意の操作盤20から可能である。
【0046】この実施例のトランスファマシンの制御
も、上記第一実施例のトランスファマシンと同様に行わ
れ、同様の効果を奏するものである。さらに、操作盤2
0に設けられた表示装置69により、画面を切り換えて
所望の操作を行うようにしたので、操作盤20を小型化
することができ、しかもより多くの機能を持たせること
ができるものである。
【0047】尚、上記第一実施例の作業ユニットにおい
ては、各作業ユニットに全作業ユニットに対して指令を
出す操作ボタンを設けたが、必要に応じて、操作ボタン
は、選択して各々の操作パネルに取り付ければ良いもの
であり、表示パネルの作動状態表ランプも同様である。
また全作業ユニットに共通する操作を行う操作パネル
は、所定の操作盤に集約して設け、他の作業ユニットの
操作盤には自己の作業部の操作を行うための操作ボタン
のみを設けても良い。ただし、この場合でも、各作業ユ
ニットのユニットコントローラ及び通信制御装置には、
全て同様のプログラム、制御装置及びメモリを設けるも
のである。
【0048】また、適用される生産システムは、トラン
スファマシンのみならず、いわゆるフレキシブルトラン
スファマシンや、他の自動組み立て装置等、複数の作業
ユニットが関連して運転される生産システム全てに適用
可能なものである。
【0049】なお、本実施例においては、加工ステーシ
ョン毎の1台又は2台の加工装置に治具も含めた形で一
つの作業ユニットとしたが、これに限らず、ステーショ
ン毎の1台又は2台の加工装置から治具を切り離してそ
れぞれ一つずつの作業ユニットにしても良く、さらに、
ステーション毎の対向する2台の加工装置それぞれにつ
いても一つずつの作業ユニットしても良い。さらに、各
作業ユニットに設けられた制御手段であるCPUの処理
能力の範囲内において、任意の複数の作業ユニットの制
御を各々個別に一つのCPUにより行っても良いもので
ある。
【0050】
【発明の効果】この発明の生産システム制御方法及び生
産システム制御装置は、各作業ユニットに、自他作業ユ
ニットのユニットステイタス情報を共通して記録される
記憶手段を設け、各記憶手段に自己のユニットステイタ
ス情報を常時書き換えて記憶させるとともに自己以外の
他の作業ユニットのユニットステイタス情報も自己の記
憶手段に常時書き換え、各作業ユニットの上記ユニット
制御手段が、自己の記憶手段に記録されたユニットステ
イタス情報に基づき自己の作業部を単独に又は他の作業
ユニットと連動して制御する様にしたので、各作業ユニ
ットが迅速にユニットステイタス情報を知ることがで
き、制御装置の処理時間が短く生産効率を大幅に向上さ
せることができるものである。
【0051】しかも、各作業ユニットのユニット制御手
段は、各々独立に設けられ、各記憶手段には同じユニッ
トステイタス情報やプログラムが記憶されているので、
各自のユニット制御手段の判断で所定の作業を行うこと
ができ、作業ユニットの追加や削除が容易に可能であ
り、生産システムの立ち上げに際しても、個々の作業ユ
ニットが正常に作動すれば、全生産システムも正常に作
動することになり、立ち上げ時の調整がきわめて容易な
ものになる。
【0052】また、運転操作に際しても、作業者が任意
の作業ユニットの操作盤から他の作業ユニットを動作さ
せるユニットステイタス情報を書き換えることにより、
他の作業ユニットに対しても所定の操作、例えば全自動
運転の指示や停止あるいは分割運転としてのトランスフ
ァ装置や全治具の運転操作を行うことも可能にするもの
であり、大きな生産システム等においては特に操作性の
点でも有効なものである。さらに、システムの融通性や
信頼性を飛躍的に向上させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例の生産システム制御装置
のユニット制御手段の各機能を説明したブロック線図で
ある。
【図2】この実施例の生産システム制御装置のブロック
線図である。
【図3】この実施例の生産システムのトランスファマシ
ンの概略平面図である。
【図4】この実施例の生産システムの操作盤の表示パネ
ルの正面図である。
【図5】この実施例の生産システムの操作盤の操作パネ
ルの正面図である。
【図6】この実施例の生産システム制御装置の動作説明
図である。
【図7】この実施例の生産システム制御装置の制御内容
を示すフローチャートである。
【図8】この実施例の生産システム制御装置の制御内容
を示すフローチャートである。
【図9】この発明の第二実施例の生産システム制御装置
のユニット制御手段の各機能を説明したブロック線図で
ある。
【図10】この発明の第二実施例の生産システム制御装
置のブロック線図である。
【図11】この発明の第三実施例の生産システム制御装
置のユニット制御手段の各機能を説明したブロック線図
である。
【図12】この発明の第四実施例の生産システム制御装
置のユニット制御手段の各機能を説明したブロック線図
である。
【図13】この発明の生産システム制御装置の第五実施
例の操作盤を示した正面図である。
【図14】この発明の第五実施例の表示装置のメニュー
画面を示す正面図である。
【図15】この発明の第五実施例の表示装置の自動運転
操作画面を示す正面図である。
【図16】この発明の第五実施例の表示装置の分割操作
画面を示す正面図である。
【図17】この発明の第五実施例の表示装置の単独運転
画面を示す正面図である。
【図18】この発明の第五実施例の表示装置の単独操作
画面を示す正面図である。
【図19】この発明の第五実施例の表示装置の操作ガイ
ド画面を示す正面図である。
【符号の説明】
10 トランスファマシン 12 加工ユニット 14 ワーク 20 操作盤 40 ユニットコントローラ 42 通信制御装置 44 共通データメモリ 59 通信ライン

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の動作による作業を行なう作業部が
    各々に設けられた複数の作業ユニットと、この各作業ユ
    ニットに対応しその作業部を運転制御する複数のユニッ
    ト制御手段とが設けられた生産システムの制御方法にお
    いて、 上記各ユニット制御手段毎に記憶手段を設け、各記憶手
    段に、その制御対象である自己の作業ユニットの動作に
    対応しその作業ユニット自体の位置情報やモード情報や
    指示情報等のユニットステイタス情報、及び自己以外の
    他の作業ユニットの動作に対応し他の作業ユニット自体
    位置情報やモード情報や指示情報等のユニットステイ
    タス情報を、各々自己の記憶手段に常時書き換えつつ記
    憶させ、各作業ユニットの上記ユニット制御手段は自己
    の記憶手段に記憶された上記自己及び他の作業ユニット
    のユニットステイタス情報に基づき、自己の記憶手段に
    記憶され自己の作業ユニットを単独で運転操作するため
    単独運転プログラム及び複数の作業ユニットを制御す
    る共通の運転プログラムによって自己の作業部を運転制
    御することを特徴とする生産システム制御方法。
  2. 【請求項2】 上記生産システムはトランスファ装置
    と各種の治具を備え、上記共通の運転プログラムは、少
    なくとも上記トランスファ装置の運転と全治具の一斉運
    転を含む所定の分割された運転動作を独立的に行わせる
    ための分割運転プログラムを備えることを特徴とする請
    求項1記載の生産システム制御方法。
  3. 【請求項3】 上記共通の運転プログラムは、運転準備
    プログラム及び全作業ユニットの一連の動作を実行する
    ための自動運転プログラムを備えることを特徴とする請
    求項2記載の生産システム制御方法。
  4. 【請求項4】 上記ユニット制御手段の各記憶手段は、
    全ての作業ユニットのユニットステイタス情報を記憶し
    ており、全てのユニット制御手段は常に、各記憶手段の
    ユニットステイタス情報を等しくすることを特徴とする
    請求項1,2または3記載の生産システム制御方法。
  5. 【請求項5】 各作業ユニットにおいて上記ユニットス
    テイタス情報を自己の記憶手段に逐次書き換えて記憶さ
    せることを特徴とする請求項1,2,3または4記載の
    生産システム制御方法。
  6. 【請求項6】 各作業ユニットにおいて、自己の作業ユ
    ニットに対応する自己のユニットステイタス情報及び少
    なくともトランスファ装置のユニットステイタス情報
    を、各々書き換えて上記記憶手段に記憶させることを特
    徴とする請求項1,2または3記載の生産システム制御
    方法。
  7. 【請求項7】 上記複数のユニット制御手段のうちの少
    なくとも一部は、上記全作業ユニットのうちの一または
    複数の作業ユニットに共用され、その作業ユニットの各
    作業部を各々個別に制御することを特徴とする請求項
    1,2または3記載の生産システム制御方法。
  8. 【請求項8】 所定の作業を行なう作業部が各々に設け
    られた複数の作業ユニットと、この各作業ユニットに対
    応しその作業部を制御する複数のユニット制御手段と、
    上記各作業ユニットに跨がったトランスファ装置と、各
    種の治具とが設けられた生産システム制御装置におい
    て、 上記各ユニット制御手段それぞれに、その制御対象であ
    る自己の作業ユニットに対応するその作業ユニット自体
    位置情報やモード情報や指示情報等のユニットステイ
    タス情報及び自己以外の他の作業ユニット自体の位置情
    報やモード情報や指示情報等のユニットステイタス情報
    と、自己の作業ユニットを単独で運転操作するための
    独運転プログラムと、複数の作業ユニットを制御する共
    通の運転プログラムとを各々記憶した記憶手段を設け、 自己の作業ユニットに対応する上記ユニットステイタス
    情報及び自己以外の他の作業ユニットの上記ユニットス
    テイタス情報を各々自己の記憶手段に常時書き換えつつ
    記憶させる情報書換手段を設け、 上記自己の記憶手段に記憶されたユニットステイタス情
    報及び上記各運転プログラムに基づき少なくとも自己の
    作業部を制御する制御部を設け、 上記共通の運転プログラムは少なくとも上記トランスフ
    ァ装置の運転と上記全治具の一斉運転を含む所定の分割
    された運転動作を独立的に行わせるための分割運転プロ
    グラムを有したことを特徴とする生産システム制御装
    置。
  9. 【請求項9】 上記各ユニット制御手段の各記憶手段に
    記憶された共通の運転プログラムは、運転準備プログラ
    ム及び全作業ユニットの一連の動作を実行す るための
    動運転プログラムを有することを特徴とする請求項8記
    載の生産システム制御装置。
  10. 【請求項10】 上記各ユニット制御手段の各記憶手段
    は、全ての作業ユニットのユニットステイタス情報を記
    憶し、上記情報書換手段は、全てのユニット制御手段の
    ユニットステイタス情報が等しくなる様に各ユニット制
    御手段の記憶手段を書き換えることを特徴とする請求項
    8または9記載の生産システム制御装置。
  11. 【請求項11】 上記情報書換手段は、各作業ユニット
    において、そのユニットステイタス情報を自己の記憶手
    段に逐次書き換えて記憶させることを特徴とする請求項
    10記載の生産システム制御装置。
  12. 【請求項12】 上記情報書換手段は、各作業ユニット
    において自己の作業ユニットに対応する自己のユニット
    ステイタス情報及び少なくともトランスファ装置のユニ
    ットステイタス情報を、自己のユニット制御手段の上記
    記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項8または
    9記載の生産システム制御装置。
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