JPH06277910A - 遠心力補償チャック - Google Patents

遠心力補償チャック

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Publication number
JPH06277910A
JPH06277910A JP5090698A JP9069893A JPH06277910A JP H06277910 A JPH06277910 A JP H06277910A JP 5090698 A JP5090698 A JP 5090698A JP 9069893 A JP9069893 A JP 9069893A JP H06277910 A JPH06277910 A JP H06277910A
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JP
Japan
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lever
chuck
chuck body
top jaw
support shaft
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Application number
JP5090698A
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English (en)
Inventor
Kojiro Ota
康二郎 太田
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Kitagawa Iron Works Co Ltd
Original Assignee
Kitagawa Iron Works Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】チャックの回転増加前の所定チャック回転数時
の把握力と、チャックの回転増加後再度減少した時の前
記所定チャック回転数時の把握力を一定に保ち、ワーク
に歪が生ずることのない遠心力補償チャックを提供す
る。 【構成】チャックボディ302内には、レバーピン30
4に軸支されるレバー306が3つ揺動自在に配設さ
れ、トップジョウ310が固着されている。プランジヤ
ー314の前後進によりレバー306が揺動しチャック
は開閉される。チャックボディ302の回転に際して、
レバーピン304よりも反トップジョウ側でレバーピン
304回りに発生するモーメントと、レバーピン304
よりもトップジョウ側でレバーピン回りに発生するモー
メントとが等しくなる様に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークを把握するトッ
プジョーが取り付けられたチャックが回転することによ
りトップジョー及びチャックボディに対して生ずる遠心
力の影響を補償し、把握力の変動分を減ずることができ
る遠心力補償チャックに関する。
【従来の技術】
【0002】従来から、ワークをチャックのトップジョ
ーにより把握して、特に仕上げ加工を行う場合には、ワ
ークを高精度に加工する必要がある。ここで、チャック
の回転によりそのチャックの各構成部材に作用する遠心
力が、ワークを把握するトップジョーにも作用すること
になる。
【0003】このため、ワークを把握する把握力が増加
することによるワークに生ずる歪を小さくし、または、
表面粗さ向上による高速切削のための高速回転によるワ
ークを把握する把握力の低下を防止する要求がある。更
に、単位時間あたりのワークの生産性を向上させるた
め、チャックを高速回転させ、加工時間を短縮するとい
う要求がある。
【0004】従って生産性、あるいは、表面粗さを向上
しようとすればチャックの回転数を上げなければならな
いが、高精度に加工しようとすれば、遠心力による影響
を少なくするためにチャックの回転数を下げざるを得な
いという矛盾がある。
【0005】このため従来から、チャックの回転によ
り、その各構成部材に作用する、遠心力による影響を補
償するために、このチャックボディ内に担持されたレバ
ーピンを中心として所定量搖動するレバーの一方に、ト
ップジョーを固着するマスタ−ジョウと係合し、他の一
方につり合い錘を有するカウンターバランス型の遠心力
補償チャックが知られている。この従来技術の第一の例
として、三爪の遠心力補償チャックの構成及び動作を以
下に図8を参照して説明する。
【0006】図8において規定する所定X軸を回転中心
軸として回転するチャックボディ102の中心には、周
囲を略三等分する位置ごとに後述するレバー106のレ
バー受動部106aを嵌合する嵌合孔114aを備えた
プランジャ114が嵌合摺動するプランジャ嵌合孔11
6が所定X軸に沿って開口する。この三爪の遠心力補償
チャック100の場合、チャックボディ102内の前記
プランジャ嵌合孔116の周囲の略3等分した位置ごと
に以下の構成が配置されているが、この構成は全く同一
なのでその内の一箇所のみについて説明する。
【0007】このプランジャ嵌合孔116の外側にはレ
バー106が収容されるレバー室118が所定X軸に沿
って開口しており、このレバー室118の略中央には、
チャックボディ102の径方向に搖動可能に、レバーピ
ン104に担持されるレバー106が取り付けられてお
り、このレバー106の内方に延出するレバー受動部1
06aはプランジャ114の外周に設けられた嵌合孔1
14aに嵌合しており、また、このレバー106の図で
右方に延出するレバー作動部106bは、チャックボデ
ィ102の前面102aの径方向に削設されたアリ溝1
08に嵌合摺動するマスタージョウ110の受動部11
0aに嵌合しており、このマスタージョウ110にはワ
ークWを把握するトップジョー112が固着されてい
る。
【0008】次に、上記記載の構成の遠心力補償チャッ
ク100の動作を説明する。プランジャ114に、外部
の回転流体圧シリンダ(図示せず)によって、所定X軸
の左方向に常に一定であるプランジャ推力Nを加える
と、プランジャ114の嵌合孔114aとレバー106
のレバー受動部106aが嵌合しているため、レバー受
動部106aにもプランジャ推力Nの1/3が作用し、
このプランジャ推力Nの1/3をレバー受動部106a
に受けたレバー106はレバーピン104を中心に搖動
する。
【0009】このレバー106の搖動により、マスター
ジョウ110の受動部110aはレバー106のレバー
作動部106bにより押圧され、マスタージョウ110
がアリ溝108に沿ってチャックボディ102の内方へ
摺動する。このマスタージョウ110には、トップジョ
ー112がボルトBにより固着されているため、マスタ
ージョウ110の摺動と共に、トップジョー112も移
動する。他の2つの同一構成のトップジョーも同一動作
を行うため、トップジョー112の摺動方向の面112
aがワークWに接触して把握力Pwが発生し、この把握
力PwでワークWを把握する。
【0010】次に本構成による、遠心力補償の動作を説
明する。所定X軸を中心に遠心力補償チャック100が
回転する際、チャックボディ102全体に加わる遠心力
により、このチャックボディ102が周方向に拡大する
と共にチャックボディ102の半径も拡大する。
【0011】このため、このチャックボディ102の前
面102aに径方向に沿って削設されているアリ溝10
8に嵌合摺動するマスタージョウ110と、これに固着
されたトップジョー112もチャックの外方へ移動する
ことになる。このままでは、トップジョー112がワー
クWを把握する把握力は減少するので、この把握力を維
持するために、アリ溝108とマスタージョウ110と
を相対的に移動させている。
【0012】即ち、チャックボディ102の半径が拡大
すると、その半径方向の拡大量だけマスタージョウ11
0が、アリ溝108内をチャック内方へ摺動することに
より遠心力による影響(即ち、チャックボディ102の
拡大によるワークWを把握している把握力の低下)を補
償している。
【0013】特にアリ溝108によりチャックボディ1
02がセグメントされた部分は、剛性が低くくなり、遠
心力による拡大量が大となり、アリ溝108に嵌合する
マスタージョウ110の移動距離も大となるので、この
遠心力による影響を補償するために、トップジョー11
2がチャック内方へ移動する距離も増加する。
【0014】このチャックボディ102に作用する、遠
心力による影響の補償は、レバーピン104回りに作用
するモーメントにより自己補償している。この自己補償
動作を以下に図9を参照して説明する。
【0015】この遠心力補償チャック100が動作中
(回転中)には、マスタージョウ110と、このマスタ
ージョウ110に固着されているトップジョー112と
の固着体の重心G1に遠心力f1が、レバーピン104
の中心を境にして、レバー106の左側の質量部の重心
G2に遠心力f2が、その右側の質量部の重心G3に遠
心力f3が夫々作用している。
【0016】レバーピン104の中心から遠心力f2、
f3の作用線までの最短距離を夫々L2、L3とする
と、このレバーピン104回りに働く、遠心力f2、f
3による夫々のモーメントは、M2=f2×L2、M3
=f3×L3として表される。
【0017】また、このレバー106はM2>M3とな
るように構成されているので、レバー106に作用する
遠心力f2、f3によりレバーピン104回りにM2−
M3のモーメントが作用し、このモーメントによりレバ
ー106は図において時計回りに搖動しようとするが、
マスタージョウ110の受動部110aにレバー106
のレバー作動部106bが係合し係止されている。
【0018】しかし、遠心力補償チャック100が回転
すると、マスタージョウ110とこのマスタージョウ1
10に固着されているトップジョー112との固着体の
重心G1に作用する遠心力f1は、レバーピン104の
中心からプランジャ推力Nがレバー106のレバー作動
部106bを介してマスタージョウ110の受動部11
0aに作用する力Pが作用する点までの距離Laによる
モーメントM1=f1×Laとして、レバー106を反
時計回りに搖動しようとする。
【0019】故に、モーメントM1と、前記M2−M3
のモーメントの間にM2−M3≒M1の関係となるよう
にレバー106の質量は構成されている。更に、プラン
ジャ推力Nは遠心力補償チャック100の回転中にあっ
ても連続的に加えられているので、前記のようにトップ
ジョウ112が外方へ変位してワークの把握力が減少し
て、力のつり合いがくずれるとレバー106はレバーピ
ン104を中心に更に搖動してマスタージョウ110を
アリ溝108に沿って本チャックの内方へ摺動させる。
【0020】このときのマスタージョウ110に作用す
る力Pはレバー106のレバー比とプランジャ推力Nに
より求められる。次に、トップジョー112がワークW
を把握するとアリ溝108には、L×Pw+L’×Pな
るモーメントが作用する(Lはアリ溝108から把握力
Pwの作用線までの距離、L’はアリ溝108から作用
力P’の作用線までの距離)。このモーメントと、マス
タージョウ110からアリ溝108に作用する力Pmに
よるモーメント2a×Pm(2aは、アリ溝108に作
用する力Pm間の距離)との間にはL’×P+L×Pw
=2a×Pmの関係がある。
【0021】このアリ溝108に作用している力Pm=
(L’×P+L×Pw)/2aから求められる最大静止
摩擦力F1=μ1×Pm(μ1:摩擦係数)が、アリ溝
108とマスタージョウ110の嵌合摺動部に作用す
る。また、レバー106とマスタージョウ110の受動
部110aに作用する前記作用力Pによる最大静止摩擦
力F2=μ2×P(μ2:摩擦係数)がレバー作動部1
06bとマスタージョウ110の受動部110aに作用
する。
【0022】上記最大静止摩擦力F1、F2の作用によ
り、チャックの回転数を増加し、その後に減速する際、
回転数増加前の所定の回転数時の把握力と、回転数増加
後再度減少した時の前記所定の回転数時の把握力Pwに
差が生じる。この把握力の差が生ずるのは以下の理由に
よる。
【0023】即ち、チャックの回転により、チャックボ
ディ102が周方向に拡大するのに伴い、チャックボデ
ィ102の半径も拡大するが、この半径の拡大分だけマ
スタージョウ110を本チャックの内方へアリ溝108
に沿って摺動させるように、レバー106はレバーピン
104を中心に搖動する。そして、チャックの回転数の
減少、又は、停止により、チャックボディ102の半径
の拡大量が縮小、又は、なくなるので、マスタージョウ
110は再びアリ溝108に沿って半径の拡大の縮小
分、外方へ摺動しなければならないことになるが、前記
摩擦力F1、F2が大きいため、内方へ留まったままと
なる。
【0024】結果として、本チャックの回転数増加前の
所定の回転数時のマスタージョウ110のアリ溝108
への嵌合位置と、チャックの回転数増加後再度減少した
時の前記所定の回転数時のマスタージョウ110のアリ
溝108への嵌合位置とが異なるため、把握力に差が生
ずる。故に、回転数と把握力Pwとの間には図12に示
す通りの関係がある。
【0025】また、図10に示すように、このプランジ
ャ114の代わりに、外周を略三等分した位置ごとに形
成され、所定X軸右方向に向けて拡大する楔状の傾斜面
204aを備えたフローティングカム204の内径側に
所定の環状隙間を形成して、その環状隙間分自由に動く
ように嵌合するプランジャ208、また、レバー106
の代わりにレバー作動部206bとジョウ取付部206
aからなるレバー206を夫々用いた遠心力補償チャッ
ク200も知られている。このレバー206のレバー作
動部206bは、フローティングカム204の傾斜面2
04a上を摺動可能であり、双方は接している。
【0026】上記構成の遠心力補償チャックの動作を以
下に説明する。図11に示すように、上記フローティン
グカム204とレバー206を備えた遠心力補償チャッ
ク200を回転させると、レバー206のレバーピン2
12を境に左側の質量部の重心G1に作用する遠心力f
1によりレバーピン212回りに作用するモーメントM
1と、右側の質量部とレバー206に固着されるトップ
ジョー210とその取付ボルトの固着体の重心G2に作
用する遠心力f2によりレバーピン212回りに作用す
るモーメントM2の間に、M1=M2の関係となるよう
にレバー206は構成されている。
【0027】更に、チャックボディ202全体に加わる
遠心力により、このチャックボディ202が周方向に拡
大すると共に、チャックボディ202の半径も拡大す
る。このため、レバーピン212の半径方向位置も移動
することによりレバー206全体が外方へ移動すること
となり把握力Pwも減少する。しかしながら、プランジ
ャ推力Nはチャックの回転中にあっても連続的に加えら
れているので、フローティングカム204の傾斜面20
4aにより増力され、レバー206のレバー作動部20
6bの作用力Pによりレバーピン212を中心に図10
においてレバー206を時計回りに搖動して、トップジ
ョー210がワークWを把握する所定の把握力を維持す
る。
【0028】次に、この本チャックの回転数が減少し
て、遠心力補償チャック200へ働く遠心力が小さくな
ると、チャックボディ202の半径の拡大が縮小、又
は、なくなるので、レバーピン212が再び半径の拡大
の縮小分、内方へ移動するようにレバー206が移動す
る。
【0029】しかし、レバー206のレバー作動部20
6bとフローティングカム204の傾斜面204aとの
間に楔作用が発生しているため、チャックの回転数が減
少、または、停止して、レバー作動部206bがバネ2
20の働きにより反時計回りに搖動しようとしても、こ
の傾斜面204aの楔作用により、この楔作用が作用し
ないときに比べてレバー206の搖動する量は少なくな
る。
【0030】即ち、プランジャ推力Nを所定X軸左方向
へ加えられているプランジャ208、及び、それに嵌合
するフローティングカム204を所定X軸右方向へ移動
させることができない。このため、ワークWを把握する
把握力Pwは、上記の楔作用により、チャックの回転数
を増加して、その後減少する際、回転数増加前の所定の
回転数時の把握力と、回転数増加後再度減少した時の前
記所定の回転数時の把握力Pwに差が生じる。つまり、
図12に示す関係となる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】以上述べたように、チ
ャックの回転を増加して減少する際に、チャックの回転
増加前の所定チャック回転数時の把握力と、チャックの
回転数増加後再度減少した時の所定チャック回転数時の
把握力は、チャックの各構成部材間に作用する摩擦力に
より、一定に保つことができなかった。即ち、把握力が
増加することにより、結果としてワークに歪が生じ、精
密な加工が出来なかった。
【0032】本発明は、上述した事情に鑑みなされたも
ので、チャックの回転を増加し、その後減少する際に、
チャックの回転増加前の所定チャック回転数時の把握力
と、チャックの回転数増加後再度減少した時の前記所定
チャック回転数時の把握力を、チャックの各構成部材に
作用する、遠心力による影響を補償することにより一定
に保ち、ワークに歪が生ずることのない遠心力補償チャ
ックを提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
遠心力補償チャックは、円筒状に形成され、一方の端面
に少なくとも2つの開口が同心円上に位置する様に形成
され、回転駆動されるチャックボディと、このチャック
ボディ内に嵌入され、これの外周面に前記開口の配設数
だけ嵌合孔が形成され、前記チャックボディの回転軸線
に沿って移動駆動されるプランジャと、前記チャックボ
ディ内に前記開口の配設数だけ配設され、前記プランジ
ャの中心軸線を通る面に直交する軸線回りに夫々揺動自
在に軸支されたレバー本体であって、各々が、レバー本
体と、このレバー本体を前記チャックボディの内面に揺
動自在に軸支する支軸と、このレバー本体の内周部分か
ら前記プランジャの中心に向けて突出し、前記嵌合孔に
各々嵌合する嵌合突起と、前記レバーの前記一方の端面
側の部分から前記チャックボディの前記開口を各々貫通
して前記チャックボディ外に突出した貫通突起とを備え
たレバーと、各レバーに固着され、各々の端部で、前記
プランジャの推力により、ワークを把持する把持力を発
揮するトップジョーとを具備し、前記チャックボディの
回転に際して、前記支軸よりも反トップジョー側で前記
支軸回りに発生するモーメントと、前記支軸よりもトッ
プジョー側で前記支軸回りに発生するモーメントとが等
しくなる様に設定される事を特徴とする構成とする。
【0034】
【発明の実施例】以下、この発明に係る遠心力補償チャ
ックの一実施例の構成を添付図面を参照して説明する。
図1Aは三ツ爪の遠心力補償チャックの斜視図であり、
図1Bはレバー、トップジョーを取り外したときの遠心
力補償チャッックの斜視図、図2は図1Aにおいてワー
クを把握した状態でのA−A’断面図である。
【0035】この遠心力補償チャック300は、この遠
心力補償チャック300の回転中心軸を規定する所定X
軸を回転中心軸として回転するチャックボディ302の
中心に、周囲を略三等分する位置ごとに後述するレバー
306のレバー受動部306bを嵌合する嵌合孔314
aを備えたプランジャ嵌合孔312が所定X軸に沿って
開口する。
【0036】この三爪の遠心力補償チャック300の場
合、チャックボディ302内の前記プランジャ嵌合孔3
12の周囲の略3等分した位置ごとに以下の構成が配置
されているが、この構成は全く同一なのでその内の一箇
所のみを説明する。
【0037】チャックボディ302は所定X軸に沿って
円柱状に所定量延出しており、その半径の略中心付近に
断面が短稜線308a、長稜線308bの略長方形の孔
からなるレバー室316が所定X軸に沿って、チャック
ボディ302の前面302a(図1Bにおいてチャック
ボディ302を所定X軸右方向からみることの出来る
面)からその後面302b(図1Bにおいてチャックボ
ディ302を所定X軸左方向からみることの出来る面)
に渡って、その断面の短稜線308aがチャックボディ
302の径方向と略垂直になる位置に開口する。
【0038】前記レバー室316はチャックボディ30
2の前面302aに貫通して、レバー306のジョウ取
付部306aを突出するジョウ突出孔308を形成して
いる。このジョウ突出孔308の周縁部には、その周縁
部に沿った形状を備えた弾性体からなるパッキン320
が、このパッキン320を支持するために周縁部に設け
た段差308’と、この段差308’と同一形状を備え
たカバー322の間に、カバー322の面とチャックボ
ディ302の前面302aとが面一になるように挟着さ
れる。
【0039】このパッキン320は、チャックボディ3
02の前面302aに開口するジョウ突出孔308から
突出するジョウ取付部306aとジョウ突出孔308と
の間に生ずる隙間を塞いでいるため、ワークの加工によ
り生ずる切粉等が、この隙間からチャックボディ302
内部に侵入することを防いでいる。
【0040】またチャックボディ302の中心には、所
定X軸に沿って、後述するプランジャ314が嵌合摺動
するための円筒形のプランジャ嵌合孔312が所定の径
で、所定X軸に沿ってチャックボディ302の後面30
2bから前面302aに渡って、前記レバー室316と
結合して貫通する。このプランジャ嵌合孔312内側の
チャックボディ302の前面302a側には、後述する
プランジャ314の摺動を係止するための係止部312
aが突出して設けられている。
【0041】この係止部312aは、チャックボディ3
02の前面302aにプランジャ嵌合孔312から貫通
して開口形成される孔H1を、チャックボディ302の
前面302a側から、チャックボディ302の前面30
2aと面一になるように、前記孔H1と略同一の径を備
えたロケータ318で塞ぐ際、このロケータ318を支
持するためのフランジ部としても作用し、このロケータ
318はこの係止部312aにボルトB2により固着さ
れる。
【0042】プランジャ314には、チャックボディ3
02内のプランジャ嵌合孔312に嵌合して、所定範囲
内を摺動可能であり、このプランジャ314の外周に
は、その外周を周方向に略三等分する位置ごとに、後述
するレバー306のレバー受動部306bが横方向に密
着して、下方向には所定の空間Aを開けて嵌合摺動する
ための嵌合孔314aが設けられている。
【0043】プランジャ314の内周側には、プランジ
ャナット330が装着されており、このプランジャナッ
ト330と施盤のスピンドルの後端に取付けられた回転
流体圧シリンダと連結したドローパイプ(いずれも図示
せず)と螺合することにより、プランジャ314を所定
X軸に沿って(図2において左右方向)移動するように
なっている。
【0044】さらに、チャックボディ302の後面30
2bには、中央に所定径の孔H2を開口したバックプレ
ート324を支持するために、その周縁部に沿って段差
302b’が設けてある。この遠心力補償チャック30
0は、チャックボディ302、バックプレート324を
介して、施盤のスピンドル(図示せず)にボルトB1に
より固着される。
【0045】レバー室316内に担持されるレバーピン
304は円形の断面を備えており、チャックボディ30
2内に開口するレバー室316を形成する内側の4面の
うち、長稜線308bを一辺に備える内側両面略中央部
に、所定X軸に離間して垂直になるように、かつ、この
レバーピン304に嵌合搖動する後述するレバー306
のジョウ取付部306aがジョウ突出孔308から所定
量突出する位置に担持される。
【0046】このレバーピン304に嵌合搖動するレバ
ー306は、図3において示すように、図中左側の錘部
326と、右側のレバー基部328が一体に形成されて
いる。レバー基部328は、その略中央部にレバーピン
304に嵌合搖動するためのレバーピン嵌合孔306c
が、その厚さ方向にレバーピン304と略同一の径を貫
通して開口し、また、その右方向に所定量延出したジョ
ウ取付部306aと、その下方に所定量延出したレバー
受動部306bを備えており、このレバー受動部306
bの側面は所定の曲面を有して形成される。
【0047】錘部326は、レバー基部326の左方向
に所定量延出して形成されている。このレバー基部32
8と錘部326からなるレバー306の厚さは、レバー
室316の短稜線308aと略等しくなるように形成さ
れるため、このレバー306がこのレバー室316内
で、レバーピン304の軸方向へがたつかないようにな
っている。
【0048】次にトップジョー310がワークWを把握
する動作を図2を参照して説明する。ワークWを把握す
るためには、トップジョー310をチャックボディ30
2の外方に向かって開放させなければならないので、予
めプランジャ314に図示しない回転流体圧シリンダに
より所定X軸に沿って右方向へプランジャ推力Nを加え
る。このプランジャ推力Nを受けたプランジャ314
は、プランジャ嵌合孔312を摺動して移動し、プラン
ジャ嵌合孔312に突出して設けられた係止部312a
に係合して係止する。また、前記図示しない回転流体圧
シリンダのストローク規制によりプランジャ314は所
定の位置に移動する。
【0049】このプランジャ314の外周に設けられた
嵌合孔314aには,レバー306のレバー受動部30
6bの表面が所定の曲面を有して密着して嵌合している
ので、摩擦もほとんど発生せず、プランジャ314に加
えられるプランジャ推力Nはタイムラグなく、そのまま
レバー受動部306bに作用する。
【0050】このプランジャ推力Nにより図4に示すよ
うに、レバーピン304回りにはM1=L1×N/3の
モーメントが作用し(但し、L1は、レバー受動部30
6bに作用するプランジャ推力Nの作用線からレバーピ
ン304の中心Cまでの最短距離とする。)、このモー
メントM1によりレバー306はレバーピン304を中
心に図4において反時計回りに搖動する。
【0051】したがって、このレバーピン304のジョ
ウ取付部306aに固着されるトップジョー310もレ
バー306と一体となってレバーピン304を中心とし
て搖動し、この搖動は、トップジョー310がチャック
ボディ302の外方に向かって搖動することとなり、所
謂チャックの開放となる。
【0052】次にトップジョー310によりワークを把
握するために、プランジャ314に前記図示しない回転
流体圧シリンダにより所定X軸に沿って左方向へプラン
ジャ推力Nを加える。プランジャ314の嵌合孔314
aを介してレバー受動部306bにもプランジャ推力N
の1/3が作用するので、レバーピン304回りには前
記M1=L1×N/3のモーメントが作用し、このモー
メントM1によりレバー306はレバーピン304を中
心に図4において時計回りに搖動する。
【0053】したがって、このレバーピン304のジョ
ウ取付部306aに固着されるトップジョー310もレ
バー306と一体となってレバーピン304を中心とし
て搖動し、この搖動は、トップジョー310がチャック
ボディ302の内方に向かって移動することとなり、ト
ップジョー310の把握面310aはワークWの円筒面
に当圧し、このトップジョー310のワーク把握面31
0aとワークWの当接面には、レバー比L1:L2=P
w:N/3(L2はレバーピン304の中心Cから把握
力Pwの作用線までの最短距離)から求められるPw=
L1×(N/3)/L2なる把握力が生じ、このPwに
よりワークWは把握される。
【0054】また、トップジョー310が把握するワー
クWの半径は、以下の理由によりチャックボディ302
の軸心からレバーピン304の中心までの距離以下でな
ければいけない。
【0055】トップジョー310がワークWを把握する
際、トップジョー310はレバーピン304を中心にチ
ャックボディ302の内方に搖動することから、ワーク
の外径(把握径)が、所定X軸からレバーピン304の
中心Cまでの距離r1を半径とする把握径より小さい外
径のワークであるワークW1を把握する場合は、ワーク
W1は図5に示すようにチャックボディ302に取付け
られたロケータ318の面に引き付けられる。
【0056】即ち、図5、図6に示すようにワーク把握
面310aはレバーピン304を中心とした円弧状に搖
動しており、その円弧軌跡に対し接線方向にプランジャ
推力Nの1/3がレバー306を介してワークに作用す
るが、その力は半径方向と軸方向の力に分力化される。
半径方向の分力が把握力Pwとして得られ、軸方向の分
力P’はワークをロケータ318に引き付ける方向に作
用するか、あるいは、引き離す方向に作用するかは、レ
バーピン304の半径方向寸法に対するワークの把握径
寸法により分かれる。
【0057】つまり、図5に示すように、所定X軸とレ
バーピン304の中心Cの間でワークを把握する場合
は、引き付ける方向に分力P’が作用し、図6に示すよ
うにレバーピン304の中心Cより外側でワークを把握
する場合は引き離す方向に分力P’が作用する。このワ
ークW1の把握径の場合は、ワークW1の所定X軸に沿
った寸法はロケータ318の面を基準に決定されること
となり、また、図6で示すワークW2の把握径の場合
は、ワークW2の端面はトップジョー310で把握と同
時に引き離される場合があり、ワークの軸方向寸法を決
定する基準位置が変化する。このため、本チャックにお
けるワークの半径は、所定X軸からレバーピン304の
中心Cまでの距離r1以下とする。
【0058】上記半径のワークWを把握した遠心力補償
チャック300が固着された図示しないスピンドルの回
転を増加させると、この遠心力補償チャック300の各
構成部材に遠心力が作用する。特にチャックボディ30
2、レバー306およびトップジョー310に作用する
遠心力はワークを把握する把握力Pwの増減に大きく影
響する。
【0059】遠心力補償チャック300が所定X軸を中
心軸として回転増加すると、円筒状のチャックボディ3
02に作用する遠心力によりチャックボディ302が円
周方向に拡大するので、その半径は増加する。このた
め、チャックボディ302内に貫通し、レバー室316
内に担持されているレバーピン304に嵌合されるレバ
ー306、および、そのジョウ取付部306aに固着さ
れたトップジョー310がともにチャック外方へ移動す
ることになるので、把握力Pwは減少する。
【0060】このためレバーピン304に嵌合揺動する
レバー306、および、これに固着するトップジョー3
10がチャックボディ302の拡大に伴ってチャック回
転外方へ移動した量は、レバー306のトップジョー3
10が固着された側が、本チャック内方へその拡大分だ
け移動するようにレバー306が揺動する。この動作を
以下に示す。
【0061】プランジャ314に図示しない回転流体圧
シリンダ制御装置により制御される図示しない回転流体
圧シリンダにより回転数に応じたプランジャ推力Nを連
続的に所定X軸に沿って左方向に加えることにより、レ
バー嵌合孔314aとレバー受動部306bを介してレ
バー306にプランジャ推力N/3が加わる。
【0062】このプランジャ推力N/3から求められる
レバーピン304回りに作用するモーメントM1=L1
×Nにより、レバー306のジョウ取付部306a側が
レバーピン304を中心に遠心力補償チャック300の
内方に半径の拡大分だけ搖動する。従って、実質的にト
ップジョー310の把握面310aとワークWの円筒面
との距離は変わらないので、トップジョー310がワー
クWを把握する把握力Pwを一定に維持できる。
【0063】次に、上記半径のワークWを把握した遠心
力補償チャック300が固着された図示しないスピンド
ルの回転増加後、再度減少する時、円筒状のチャックボ
ディ302に作用する遠心力が減少し、チャックボディ
302の円周方向の拡大が縮小するので、その半径の拡
大も減少する。
【0064】このため、チャックボディ302内に貫通
し、レバー室316内に担持されているレバーピン30
4に嵌合されるレバー306、および、そのジョウ取付
部306aに固着されたトップジョー310がともに本
チャック内方へ移動することになるので、把握力Pwは
増加する。
【0065】このためレバー306、および、これに固
着するトップジョー310が、チャックボディ302の
拡大が縮小するのに伴って、本チャック内方への移動量
は、プランジャ314に図示しない回転流体圧シリンダ
制御装置により制御される図示しない回転流体圧シリン
ダにより、回転数に応じたプランジャ推力Nを連続的に
所定X軸に沿って左方向に加えつつ、把握力Pwの増加
分によるレバー306を反時計方向に搖動させようとす
るモーメントにより、プランジャ314が右方向へ移動
することにより、プランジャ推力Nによるレバー306
に作用するモーメントと、把握力Pwによるレバー30
6に作用するモーメントとが釣合うようレバー306の
ジョウ取付部306a側をレバーピン304を中心に本
チャックの内方に半径の拡大分だけ搖動する。
【0066】上記チャックボディ302の半径の拡大が
縮小するのに対して、レバー306のトップジョー31
0が固着された側が、本チャック外方へその拡大分の縮
小分だけ移動するようにレバー306が揺動することに
より、実質的にトップジョー310の把握面310aと
ワークWの円筒面との距離は変わらないので、トップジ
ョー310がワークWを把握する把握力Pwを一定に維
持できる。
【0067】ここで本チャックにおいてはレバー306
の搖動を阻止しようとする摩擦力が働く部分を削除した
構成にすることにより、わずかの力によってレバー30
6が搖動する。また、プランジャ314の嵌合孔314
aとレバー306のレバー受動部306b、レバー30
6のレバーピン嵌合孔306cとレバーピン304にお
いて滑り摩擦が夫々生じるのみであるが、その最大静止
摩擦力から生じる回転始めと回転停止時における把握力
Pwの差は微量なものであり許容される範囲にある。
【0068】また、プランジャ推力Nをプランジャ31
4に加えることにより、レバー306を搖動させる場
合、レバー306のレバー受動部306bとプランジャ
314の嵌合孔314aは密着して嵌合しているので、
その嵌合孔314aに増力機構が無いことも重要であ
る。
【0069】次に、遠心力補償チャック300の回転に
より、レバー306とトップジョー310に作用する遠
心力を補償する動作について、即ち、遠心力がレバー3
06に作用しても、この遠心力により、レバーピン30
4回りの回転モーメンが発生しない事について、図4を
参照して説明する。
【0070】レバー306をレバーピン304の中心を
境に、所定X軸に沿って左右に分けた場合、左側の質量
m1は、レバー306のレバー基部328の左半分と錘
部326からなる質量であり、右側の質量m2は、レバ
ー306のジョウ取付部306aを含むレバー基部32
8の右半分と、それに固着されるトップジョー310、
および、両者を固着するボルトB3の質量である。
【0071】質量部m1の重心の位置G1は、所定X軸
からの距離をr2、レバーピン304の中心からの距離
をL3として、質量部m2の重心の位置G2は、所定X
軸の軸心からの距離をr3、レバーピン304の中心C
からの距離をL4とすると、チャックの回転に伴い質量
部m1、m2には、f1、f2なる遠心力が夫々作用
し、この遠心力f1=m1×r2×ω2 、f2=m2×
r3×ω2 (ω:遠心力補償チャック300の回転速
度)により、レバーピン304回りに、時計回りのモー
メントMa=L3×f1と、反時計回りのモーメントM
b=L4×f2が働く。
【0072】また、レバーピン304の中心Cから把握
力Pwの作用線までの距離はL2なので、上記モーメン
トMa,Mbの間に大小の関係があるとすると、レバー
ピン304の中心には、この差のモーメントMc(例え
ば、Mc=Mb−Ma)が作用し、Mc=L2×Pa
(Pa:モーメントMcにより把握力Pwの作用点に発
生して、把握力Pwに影響する作用力)から求められる
Pa=(Mb−Ma)/L2が把握力Pwに増減される
ことになる。
【0073】この作用力Paの発生による把握力Pwの
変化を防ぐために、レバーピン304回りに作用するモ
ーメントMa、Mbが釣り合うようにレバー306と、
トップジョー310は固着構成されている。このため、
モーメントMa、Mbがたがいに相殺すること(Ma=
Mb)でMc=0、作用力Pa=0となり、このレバー
306、及び、これに固着するトップジョー310に作
用する、遠心力による影響を把握力Pwはうけない。
【0074】また、チャックボディ302は円筒型の形
状を具備し、且つ、セグメントしていないため、その剛
性も高く、遠心力によるチャックボディ302の変化
量、即ち、回転周方向への拡大による半径方向の拡大も
少なくなり、結果的に上述したレバー306の搖動量が
小さくなり、加工条件に伴う回転数がステップ状に変化
した場合等でも、回転数を増加して、再度減速する際、
回転数増加前の所定の回転数時の把握力と、回転数増加
後再度減少した時の前記所定の回転数時の把握力を略同
一にすることができる。
【0075】この発明は上述した第一の実施例の構成に
限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々変形可能であることは言うまでもない。以下に他
の実施例を図7を参照して説明する。
【0076】この他の実施例においては、ジョウ取付部
306aに固着するトップジョー310を、異なるトッ
プジョーと交換すると、前記質量部m2の質量が増加、
あるいは減少するため、遠心力補償チャック300の回
転により、レバーピン304回りに作用する前記モーメ
ントMa、Mbの釣合がとれなくなり、前記Paなる作
用力が把握力Pwに影響することになる。
【0077】これを防ぐには、レバー306をこの釣合
を保てる質量を有する錘部326を備えたレバーと交換
する等が考えられるが、レバーの取替えに時間がかか
り、作業効率が低下することから妥当でない。
【0078】そこで、本願他の実施例では、トップジョ
ー310の交換によっても前記モーメントMa、Mbの
釣合が保てるように、このモーメントの釣合いに必要な
質量を備えたバランス錘と交換可能にするため、錘部3
26’と、レバー基部328’とを別々に形成し、ボル
トB4で双方を固着している。このため、トップジョー
を交換しても適当な質量の錘部326’をボルトB4に
より固着することにより、モーメントMa、Mbの釣合
を保つことが簡単にできる。
【0079】また、レバー306のレバー受動部306
bとプランジャ314の嵌合孔314a、レバーピン3
04とレバー306のレバーピン嵌合孔306c、プラ
ンジャ314の外周とプランジャ嵌合孔312の夫々の
間の摩擦を小さくするために、夫々の間に、ころがり軸
受、摩擦係数の小さい材料の使用、潤滑剤の供給等によ
り最大静止摩擦力をさらに小さくすることにより、前記
回転始めと回転後の停止時における把握力Pwの差をさ
らに小さくすることができる。三爪の遠心力補償チャッ
クについて記述したが、二爪の遠心力補償チャックであ
っても同様である。
【0080】
【発明の効果】本願は以上に詳記したように、本発明に
より遠心力補償チャックを、円筒状に形成され、一方の
端面に少なくとも2つの開口が同心円上に位置する様に
形成され、回転駆動されるチャックボディと、このチャ
ックボディ内に嵌入され、これの外周面に前記開口の配
設数だけ嵌合穴が形成され、前記チャックボディの回転
軸線に沿って移動駆動されるプランジャと、前記チャッ
クボディ内に前記開口の配設数だけ配設され、前記プラ
ンジャの中心軸線を通る面に直交する軸線回りに夫々揺
動自在に軸支されたレバー本体であって、各々が、レバ
ー本体と、このレバー本体を前記チャックボディの内面
に揺動自在に軸支する支軸と、このレバー本体の内周部
分から前記プランジャの中心に向けて突出し、前記嵌合
穴に各々嵌合する嵌合突起と、前記レバーの前記一方の
端面側の部分から前記チャックボディの前記開口を各々
貫通して前記チャックボディ外に突出した貫通突起とを
備えたレバーと、各レバーに固着され、各々の端部で、
前記プランジャの推力により、ワークを把持する把持力
を発揮するトップジョーとを具備し、前記チャックボデ
ィの回転に際して、前記支軸よりも反トップジョー側で
前記支軸回りに発生するモーメントと、前記支軸よりも
トップジョー側で前記支軸回りに発生するモーメントと
が等しくなる様に設定される事を特徴とする。
【0081】また、この発明に係る遠心力補償チャック
において、前記レバー本体は、その反トップジョー側
に、前記チャック本体の回転に際して、前記支軸よりも
反トップジョー側で前記支軸回りに発生するモーメント
と、前記支軸よりもトップジョー側で前記支軸回りに発
生するモーメントとを等しくする様に設定されたバラン
ス錘を一体に備えている事を特徴としている。
【0082】また、この発明に係る遠心力補償チャック
において、前記レバー本体は、その反トップジョー側
に、前記チャック本体の回転に際して、前記支軸よりも
反トップジョー側で前記支軸回りに発生するモーメント
と、前記支軸よりもトップジョー側で前記支軸回りに発
生するモーメントとを等しくする様に設定されたバラン
ス錘を取り替え自在に備えている事を特徴とする請求項
1に記載の遠心力補償チャック。
【0083】従って、本願は以上に詳述したように、チ
ャックの回転を増加して再度減少する際に、チャックの
回転増加前の所定チャック回転数時の把握力と、チャッ
クの回転数増加後再度減少した時の所定チャック回転数
時の把握力は一定に保たれ、ワークの引き付け力を一定
に出来ることから、ワークの軸方向寸法の加工基準面の
変化もなく、また、ワークの把握により、ワークに歪が
生じることなく精密な加工が出来るようになった。
【0084】またチャックの回転を増加して再度減少す
る際に、チャックの回転増加前の所定チャック回転数時
と、チャックの回転数増加後再度減少した時の前記所定
チャック回転数時の把握力に対し、同じ把握力が得られ
るため、回転に対する把握力のコントロールが複雑なシ
ステムなしに行なうことができる。さらに回転に伴うレ
バー及びトップジョーの搖動量を微量とすることにより
ワークの軸方向寸法の加工基準面を確実にロケータとの
当て面とすることができる。
【0085】また、トップジョーの交換によっても、前
記レバーの前記支軸回りに発生するモーメントの釣合が
保てるように、このモーメントの釣合いに必要な質量を
備えたバランス錘と簡単に交換できる。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明に係る遠心力補償チャックの一実施例
の構成を示す斜視図である。
【図1B】本発明に係る三ツ爪の遠心力補償チャックの
一実施例のトップジョー及びレバーを除いた構成を示す
斜視図である。
【図2】図1Aの本発明に係る三ツ爪の遠心力補償チャ
ックがワークを把握した状態で断面A−A’で切断した
断面図である。
【図3】本発明に係るレバーの一実施例の構成を示す平
面図である。
【図4】本発明に係る遠心力補償チャックが回転中にレ
バー、トップジョー及びワークに作用する力及びモーメ
ントを示す平面図である。
【図5】本発明に係る遠心力補償チャックが、所定X軸
からレバーピンの中心までの距離以下の直径を有するワ
ークを把握する際の、ワークの移動方向を示す平面図で
ある。
【図6】本発明に係る遠心力補償チャックが、所定X軸
からレバーピンの中心までの距離より大きい半径を有す
るワークを把握する際の、ワークの移動方向を示す平面
図である。
【図7】本発明に係るレバーの他の実施例の構成を示す
平面図である。
【図8】本発明に係る第一の従来例の構成を示す断面図
である。
【図9】本発明に係る第一の従来例の遠心力補償チャッ
クの回転により、トップジョー、マスタージョウ及びレ
バーに作用する力及びモーメントを示す平面図である。
【図10】本発明に係る第二の従来例の構成を示す断面
図である。
【図11】本発明に係る第二の従来例の遠心力補償チャ
ックの回転により、トップジョー及びレバーに作用する
力及びモーメントを示す平面図である。
【図12】本発明に係る従来例のチャックの回転数と把
握力の関係を示す図である。
【符号の説明】
302 チャックボディ 304 レバーピン(支軸) 306 レバー 306a ジョウ取付部(貫通突起) 306b レバー受動部(嵌合突起) 308 ジョウ突出孔 310 トップジョー 314 プランジャ 314a 嵌合孔 316 レバー室 326 錘部(バランス錘)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状に形成され、一方の端面に少なくと
    も2つの開口が同心円上に位置する様に形成され、回転
    駆動されるチャックボディと、 このチャックボディ内に嵌入され、これの外周面に前記
    開口の配設数だけ嵌合孔が形成され、前記チャックボデ
    ィの回転軸線に沿って移動駆動されるプランジャと、 前記チャックボディ内に前記開口の配設数だけ配設さ
    れ、前記プランジャの中心軸線を通る面に直交する軸線
    回りに夫々揺動自在に軸支されたレバー本体であって、
    各々が、レバー本体と、このレバー本体を前記チャック
    ボディの内面に揺動自在に軸支する支軸と、このレバー
    本体の内周部分から前記プランジャの中心に向けて突出
    し、前記嵌合孔に各々嵌合する嵌合突起と、前記レバー
    の前記一方の端面側の部分から前記チャックボディの前
    記開口を各々貫通して前記チャックボディ外に突出した
    貫通突起とを備えたレバーと、 各レバーに固着され、各々の端部で、前記プランジャの
    推力により、ワークを把持する把持力を発揮するトップ
    ジョーとを具備し、 前記チャックボディの回転に際して、前記支軸よりも反
    トップジョー側で前記支軸回りに発生するモーメント
    と、前記支軸よりもトップジョー側で前記支軸回りに発
    生するモーメントとが等しくなる様に設定される事を特
    徴とする遠心力補償チャック。
  2. 【請求項2】前記レバーは、その反トップジョー側に、
    前記チャックボディの回転に際して、前記支軸よりも反
    トップジョー側で前記支軸回りに発生するモーメント
    と、前記支軸よりもトップジョー側で前記支軸回りに発
    生するモーメントとを等しくする様に設定されたバラン
    ス錘を一体に備えている事を特徴とする請求項1に記載
    の遠心力補償チャック。
  3. 【請求項3】前記レバーは、その反トップジョー側に、
    前記チャックボディの回転に際して、前記支軸よりも反
    トップジョー側で前記支軸回りに発生するモーメント
    と、前記支軸よりもトップジョー側で前記支軸回りに発
    生するモーメントとを等しくする様に設定されたバラン
    ス錘を取り替え自在に備えている事を特徴とする請求項
    1に記載の遠心力補償チャック。
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