JPH0627753Y2 - ロールスクリーン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、屋内での消臭方法に関するものであり、より
詳しく言えば、屋内での消臭機能を兼ね備えたロールス
クリーンに関するものである。

〔従来の技術〕

従来、明礬、第一鉄塩、金属銅、活性炭、硫酸アルミニ
ウム、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチ
レントリアミン、グリコールウリル等の化合物は消臭剤
として公知であり、それらの消臭剤は敷物や壁紙、椅子
張地等の内装材に担持させて屋内消臭に使用すると言う
方法が試みられている（特開昭61-28082、特開昭62-282
926、実公昭62-28957）。

〔考案が解決しようとする技術的課題〕

然るに、これらの消臭剤を含有する内装材は、その使用
中に悪臭を吸収して消臭機能を失うか又は内装材それ自
体が悪臭を放つ様になり随時それを取り替えなければな
らなくなる。

然し、敷物や壁紙等の内装材の取替は、室内全体の改装
を意味し、それを頻繁に行う訳にはいかないのが実情で
ある。

又、悪臭は室内を対流するものであり、悪臭が壁面に吸
収され易いとしても床面に沿って漂うものではないか
ら、敷物に消臭剤を担持させると言う方法は効果的な使
用法とは言い難い。

〔考案の目的〕

そこで本考案は、消臭剤を屋内で日常生活に支障なく効
果的に使用することを目的とする。

〔技術的課題を解決する手段〕

かかる目的をもって室内で悪臭の漂う状態を観察する
に、室内の空気の多くは壁面に沿って上昇し、特に、カ
ーテンを吊した窓際ではカーテンと窓ガラスとの間に出
来る隙間が空気の上昇を促進する煙突作用をなし、その
空気の上昇流路に沿ったカーテン地がポーラス・多孔質
な繊維製品でフイルターの役目をなし、上昇気流に含ま
れる悪臭がカーテン地に吸着し易い。

本考案は、かかる点に着目し、窓際での上昇気流にのっ
て運ばれる悪臭を一旦カーテン地に吸着せしめ、その悪
臭をより一層吸着し易い消臭材へと移行せしめ、それに
よってカーテンを常時クリーンな状態にし、ただ消臭材
を取り替えるだけにしようとするものである。

そして本考案は、かかるアイデアを左右開閉する横開き
カーテンではなく空気の対流する方向に沿って上下昇降
し開閉するロールスクリーンに適用し、消臭材へと悪臭
を運ぶカーテン地の媒体機能を効果的に発揮させようと
するものである。

〔考案の構成〕

本考案に係るロールスクリーン15は、かかる観点に立っ
て完成されたものであり、左右両端をブラケット11・12
に可回転に支持された巻上桿13に上縁の把持されたカー
テン地14を上下昇降して開閉するものであり、それら左
右両端のブラケット間11・12に板状部材16を巻上桿13に
平行に支架し、その板状部材16と巻上桿13の間をカーテ
ン地14の上下昇降通路17とし、その板状部材16のカーテ
ン地14に向き合う面に多孔質層18を設け、その多孔質層
18とカーテン地14との間隔Ｇを50mm以下とし、その多孔
質層18に消臭材を含有させたことを特徴とするものであ
る。

消臭材は、噴霧して付着させ或は塗布するタイプの溶液
状の消臭剤でもよいし、活性炭や消臭機能を有する鉄や
銅等の化合物を繊維高分子に化学的に結合させた消臭性
繊維の様に固体のものであってもよい。

固体の消臭材を使用する場合には、消臭材それ自体によ
って、例えば消臭性繊維のウエブや不織布或はパイル布
帛その他の布帛の形で多孔質層18を形成するとよい。

板状部材16は、ロールスクリーン15が室内装飾品である
ことからして、その美観を損なわない様に、例えば巻上
桿13の前面を覆うカバーの形に作り、その表面をカーテ
ン地14の共布で覆うなどしてロールスクリーン15の一部
材とし作るとよく、又、カーテン地14は消臭材を保有す
るものであってもよい。

〔考案の効果〕

本考案によると、ロールスクリーン15は屋内の空気の対
流し易い窓際に設置されるものであり、その設置された
カーテン地14と窓ガラス19との間に出来る隙間20の煙突
作用によって空気の上昇が促され、而も、カーテン地14
が、空気の上昇方向に沿って上下昇降するものであり、
且つ、ポーラス・多孔質なフイルター機能を有する繊維
製品であるから、その上昇気流に含まれる悪臭を吸収し
易い。そしてカーテン地14が昇降開閉に伴い消臭機能を
有する多孔質層18を通過し、その巻き上げられた状態に
おいて多孔質層18に密着した恰好になるから、そのカー
テン地14に吸着した悪臭は消臭性を有する多孔質層18へ
と移行し、それによってカーテン地14は元のクリーンな
状態に戻されることになる。

又、多孔質層それ自体18も、カーテン地14と窓ガラス19
との上部に空気の上昇流路を塞ぐ恰好で介在するので、
その上昇気流に含まれる悪臭を消去する。

従って、多孔質層18を粘着剤等によって取替自在に板状
部材16に装着し、それを随時取り替えることによって室
内空気のみならずカーテン地14をも常にクリーンな状態
に保ことが出来る訳である。

そして、多孔質層18が悪臭に汚染されても、それがカー
テン地14と板状部材16の間に介在し外側から目につか
ず、又、板状部材16も巻上桿13に平行に取り付けられて
いるのでロールスクリーン装置全体の体裁を損なわず、
却って、それがロールスクリーン15の外観を飾る部材と
して使用し得るから、この様に板状部材16や多孔質層18
を設けることによってロールスクリーン15の室内装飾品
としての商品価値が損なわれることがない。

この様に本考案によると、屋内の消臭に効果的で外観も
従来品と変わらないロールスクリーン15が得られ、従っ
て、本考案は屋内の消臭に頗る実用的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るロールスクリーンの窓際に取り付
けられた状態での側面断面図、第２図は本考案に係るロ
ールスクリーンの背面図である。 11・12…ブラケット、13…巻上桿、 14…カーテン地、15…ロールスクリーン、 16…板状部材、17…通路、 18…多孔質層、19…窓ガラス、 20…隙間。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】左右両端をブラケット11・12に可回転に支
   持された巻上桿13に上縁の把持されたカーテン地14を上
   下昇降して開閉するロールスクリーン15において、左右
   両端のブラケット間11・12に板状部材16を巻上桿13に平
   行に支架し、その板状部材16と巻上桿13の間をカーテン
   地14の上下昇降通路17とし、その板状部材16のカーテン
   地14に向き合う面に多孔質層18を設け、その多孔質層18
   とカーテン地14との間隔Ｇを50mm以下とし、その多孔質
   層18に消臭材を含有させたことを特徴とするロールスク
   リーン。