JPH062763B2 - ゲル化能を有する物質の製造方法 - Google Patents

ゲル化能を有する物質の製造方法

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JPH062763B2
JPH062763B2 JP62216450A JP21645087A JPH062763B2 JP H062763 B2 JPH062763 B2 JP H062763B2 JP 62216450 A JP62216450 A JP 62216450A JP 21645087 A JP21645087 A JP 21645087A JP H062763 B2 JPH062763 B2 JP H062763B2
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JP
Japan
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seaweed
substance
porphyran
alkali
producing
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JP62216450A
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實 原
一俊 西澤
秀之 島
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Kikkoman Soyfoods Co
Kibun Foods Inc
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Kibun Food Chemifa KK
Kibun Foods Inc
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアマノリ属の海藻、例えば海苔を原料とする新
規なゲル化能を有する物質の製造方法に関する。
[従来の技術] 従来、テングサなどの紅藻類が、寒天(ゲル化剤)の主
原料として広く利用されているにもかゝわらず、アマノ
リ属の海藻、例えばその代表である海苔はもっぱら食用
として利用されるだけでゲル化剤等の利用はなされてい
なかった。
一方、我国で養殖されている海苔(大部分がスサビノリ
である)は、その養殖技術の進歩にともなって生産量が
増大し、今や食用としてだけではその生産が過剰になり
つつある。
そこでこの海苔の有効利用の一環としてゲル化剤もしく
は増粘剤としての利用を図る試みがなされているのであ
るが、残念なことに今迄はこれに応える技術が出現して
いなかった。
[発明が解決しようとする問題点] すなわち、寒天を製造するには原料とするテングサ等を
煮熟し、寒天質を溶出させ、その液を冷却して凝固すれ
ばいいのであるが、海苔の場合はこれと同じようなこと
をやっても液は凝固せず粘稠な液のまゝにとどまるとい
う問題点があったからである。
本発明はこの問題点を解決し海苔類から寒天様のゲル化
能を有する物質を製造する技術を完成することを目的と
している。
[問題点を解決するための手段] 本発明者らは上記目的を達成するため研究を重ねた結
果、アマノリ属海藻中に含まれるポルフィランの利用に
着目するところとなり、これを適切にアルカリ処理する
ことによって目的とするゲル化能を有する物質を製造す
ることが可能になることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明はアマノリ属の海藻に含まれているポル
フィランをアルカリで処理し脱硫酸せしめることを特徴
とするアマノリ属海藻からゲル化能を有する物質を製造
する方法及び、この方法によって得られたゲル化剤もと
くは増粘剤を提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明で原料とする海藻はスサビノリ、アサクサノリ、
マルバアマノリ、等のアマノリ属の海藻である。
このうち、前述の通り大規模に養殖されている海苔(ほ
んどとがスサビノリである)は生産量が大きく、その有
効利用の面からも好ましい原料である。
これらのアマノリ属海藻にはボルフィランと呼ばれる粘
性硫酸多糖類が含まれている。このポルフィランはD−
ガラクトース(以下D−Galと略記する)、3,6-アンヒ
ドロ−L−ガラクトース(以下3,6−A−L−Galと略
記する)、6−O−メチル−D−ガラクトース(以下6
−O−Me−Galと略期する)を含み、構造上は寒天に
類似しているが、ガラクトース−6−硫酸(以下Gal−
6−硫酸と略記する)が多く、寒天のようなゲル化能を
持っていない。
本発明はこのGal−6−硫酸に着目し、これを適切にア
ルカリ処理することにより、その全体もしくは部分を脱
硫酸して3.6−A−L−Galに変換せしめ、もって構造
上より一層、寒天に近づけ、ポルフィランにゲル化能を
付与せしめることに成功したものである。
したがって、アルカリ処理は本発明に於て極めて重要な
要件であるが、これを実施するにあたってはポルフィラ
ンが藻体内に含まれている状態下に行う場合と、あらか
じめポルフィランを海藻から抽出しておき、これを処理
する場合とでは条件をかえて行った方がよりよい結果が
得られる。
すなわちポルフィランが藻体内に含まれている状態、い
いかえればポルフィランの抽出前にアルカリ処理を施す
場合には原料の海藻を0.5〜12.5モル、より好ましくは
0.5〜4モルのアルカリ溶液に浸漬し、室温(約20℃)
〜50℃で1〜14日間置いておくという方法で行うのがよ
い。
なおアルカリは通常アルカリ溶液として使用されている
ものならいづれも使用できるが、NaOH,KOH等が
使いやすい。
又、上記アルカリ処理をした後は、処理済みの海藻を取
り出し、水でよくアルカリを洗い落とした後、酢酸等で
塾酸性(pH5〜6)に調整された70〜100℃の温水もし
くは熱水を用いて抽出し更に後処理工程を通すことによ
り目的物を得ることができる。
一方、海藻中からポルフィランをあらかじめ抽出してお
いてこれをアルカリ処理する場合には、まず、原料の海
藻(海苔)に水又は希酢酸などの弱酸(pH2以上)を加
えた後、70〜100℃の温水もしくは熱水でポルフィラン
を抽出する。
次にこれを濾過して藻体類をとり除き、アルカリ(前述
と同じもの)を、0.5〜5モル、好ましくは0.5〜2.5モ
ルの濃度になるよう添加し70〜130℃の温度にて加熱処
理する。
さらにこのもののアルカリを中和し、後述する凝固等の
後処理工程を通すことにより目的物が得られる。
本発明のアルカリ処理を行うことによって、ポルフィラ
ンは修飾され、ゲル化能を持った物質へと変身するので
ある。
なお、アルカリ濃度、処理時間、処理温度の組み合せに
ついては目的とするゲルの強度或いは作業時間にあわせ
て上記した範囲から適宜選択して設定することが望まし
い。
アルカリ処理、抽出後の工程として、寒天と同様に冷却
して凝固させるか、又はアルコールなどの有機溶媒によ
って分画、精製することにより寒天様のゲル又は粉末が
得られる。
このようにして得られた本発明のゲル化能を有する物質
は寒天と同様な使い方ができるものであって、例えば、
食品用として、或いは食品加工、印刷、製紙等の製造工
業分野でゲル化剤、増粘剤として有用に用いられる他、
薬品用、学術研究用のゲル化剤、増粘剤としての用途も
有している。
又、ポルフィランはその構造が寒天に似ているとはいう
ものの寒天とは異なる物質であるから、寒天ゲルとは一
味違ったゲル、即ちより堅くて、弾力性のあるゲルとな
るのでこの面での特性を利用した用途の展開も期待され
る。
さらに、アルカリ処理の程度をコントロールすることに
よりゲル強度が自由に選べるので目的に応じたゲル強度
のゲルが利用できるという利点も本発明は有している。
[実施例] 以下実施例で本発明を具体的に説明する。
実施例1 刻んだ生海苔20gに12%KOH溶液50mlと0.5gKClを加
え、50℃で一晩放置した。翌日該藻体を布などで濾し取
り、水でよく洗浄した。次に水50mlと0.5gKClを加
え、70℃で2hrs抽出した。これを濾過し、濾液にアル
コール(3倍量)を加えて沈澱させ、溶解・沈澱を繰り
返して精製し、目的とするゲルを得た。乾燥原料に対す
る収率は15%であった。
実施例2 市販の干海苔50gをpH3の希酢酸1に加えて膨潤さ
せ、96℃で2hrs抽出する。これを濾過して得た抽出液
にNaOHの濃度が1.5MになるようにNaOHを加
え、96℃30分間加熱した。次にこれを冷却して凝固させ
得られたゲルを水洗してアルカリを洗い落とした後、濾
過し白色の目的とするゲルを得た。収率は11%であっ
た。
実施例3 実施例と同様にして得た抽出物に対し、表1〜表4に示
すアルカリ処理条件で実施した。
得られた結果(物性値)を表1〜表4に示す。
実施例4 粉砕した干海苔15gにpH3の希酢酸200mlを加え、96℃で
1時間煮熟した。
次にNaOHを0.25モルの濃度になるように添加し圧力
鍋で2時間、1.1kg/cm2、120℃の条件下、加圧加熱し
た。その後HClを用いて中和し味を整えてから型に入
れ冷却したところ鮮やかな緑色のトコロテン様の食品が
得られた。
この実施例はポルフィランがゲル化能を持つことを利用
して、海苔をまるごとトコロテン様に固めた食品とした
例を示すものである。
[発明の効果] 以上説明してきたように、本発明によって従来にない新
規なゲル化能を有する物質が提供されることになった。
そして本発明によって製造された該物質は寒天と同様に
食品、食品加工、印刷、製紙、医薬、研究開発等多くの
分野で有効に利用がなされるとともに、寒天にはない堅
さ、弾力性を利用した用途開発が進むことが期待され
る。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アマノリ属の海藻に含まれているポルフィ
    ランをアルカリで処理し脱硫酸せしめることを特徴とす
    るアマノリ属海藻からゲル化能を有する物質を製造する
    方法。
  2. 【請求項2】アルカリ処理をポルフィランが海藻内に含
    まれた状態下で行うことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のゲル化能を有する物質の製造方法。
  3. 【請求項3】アルカリ処理が原料海藻を0.5〜12.5モル
    のアルカリ溶液に浸漬し、室温〜50℃で少なくとも1日
    以上置くことによって行われることを特徴とする特許請
    求の範囲第2項記載のゲル化能を有する物質の製造方
    法。
  4. 【請求項4】アルカリ処理が海藻内から抽出されたポル
    フィランに対し行われることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載のゲル化能を有する物質の製造方法。
  5. 【請求項5】アルカリ処理が抽出されたポルフィランに
    0.5〜5モルのアルカリ溶液を加え、70〜130℃にて加熱
    処理することによって行われることを特徴とする特許請
    求の範囲第4項記載のゲル化能を有する物質の製造方
    法。
  6. 【請求項6】アマノリ属の海藻に含まれたポルフィラン
    をアルカリ処理することによって製造されたアマノリ属
    の海藻を原料とするゲル化剤もしくは増粘剤。
JP62216450A 1987-09-01 1987-09-01 ゲル化能を有する物質の製造方法 Expired - Lifetime JPH062763B2 (ja)

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JP5196075B2 (ja) * 2010-06-07 2013-05-15 不二製油株式会社 高粘弾性かつ高強度寒天及びその製造法
JP7062032B2 (ja) * 2020-07-03 2022-05-02 鈴与株式会社 アマノリ属の海藻を原料とした寒天の製造方法

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