JP2005520871A - 二成分海藻からゲル化性カラギーナン及び非ゲル化性カラギーナンを製造し分別する方法 - Google Patents

二成分海藻からゲル化性カラギーナン及び非ゲル化性カラギーナンを製造し分別する方法 Download PDF

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Abstract

(1)アルカリ濃度、温度及び塩濃度に関して特定の値を有する水性アルカリ媒体中で不均一反応を行う工程;(2)液相から固体材料を分離する工程;(3)水性媒体を用いる処理によって、工程(2)で得られた固体材料からラムダファミリーカラギーナンを分別する工程;及び(4)任意に更に精製する工程に対して海藻を暴露することを含む二成分海藻材料からカラギーナンを製造する方法によって、カッパファミリーカラギーナン及びラムダファミリーカラギーナンそれぞれを効率的に製造及び分離する。

Description

技術分野
本発明は、二成分海藻を加工するための新規な方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、二成分海藻からカラギーナンを製造する方法に関するものであり、前記方法では、カッパを有する植物体及びラムダを有する植物体の双方は加工中は一体化したままであり、その後に、カッパを有する植物体を一体化させたままで、二成分海藻混合物からラムダ成分を選択的に抽出する。更に、本発明は、本方法によって得ることができるカラギーナン生成物に関するものである。
背景技術
カラギーナンは、紅藻類(紅藻)のある種のものを抽出することによって得られるポリマー炭水化物の組を含む。理想的なカラギーナンでは、ポリマー鎖はAモノマー及びBモノマーから交互に形成されている繰り返しダイマー単位から構成されている。しかしながら、粗製海藻(crude seaweed)では、加工され精製されたカラギーナンでも、前記の規則性は、変性構造を有するいくつかのモノマー部分によって破られる。
いくつかのカラギーナンは、ある種のカチオンの存在下で、特に望ましい親水コロイド特性を付与するので、広範な用途において有用な特性を示す。而して、カラギーナンは、例えば乳製品,グミキャンディー、ジャム及びマーマレード、ペットフード、クリーム、ローション、芳香剤、ゲル、ペイント、化粧品、歯磨き剤などのような食品ならびに非食品製品においてゲル化剤及び粘度調整剤として用いられる。
上記用途では、カラギーナンは、精製カラギーナン(RC)生成物として又は他の海藻残留物を含む半精製カラギーナン(SRC)として用いられる。
上記したように、カラギーナンは、交互に繰り返されるAモノマーとBモノマーとを含む。更に詳しくは、カラギーナンは、ある程度変性されたα(1→3)結合D−ガラクトピラノースと、ある程度変性されたβ(1→4)結合D−ガラクトピラノースとの各交互部分から成る鎖を含む。カラギーナンの異なるタイプは、以下の表1に概説したそれらの理想的な構造にしたがって選別される。
Figure 2005520871
通常は、海藻起源のポリマー鎖は、不規則性部分を有する点で、例えば、ある程度の数のスルフェート基を有するポリマー鎖内において単一部分(single moieties)を有する点で理想構造とは異なる。また、2種類のモノマーから成る異なる繰り返しダイマー単位をそれぞれ示している2種類の交互シーケンスを有するカラギーナンのコポリマータイプ(又はハイブリッドタイプ)も、数種類の海藻では存在する。而して、異なる特性を有する異なるカラギーナン材料の膨大な配列が存在する。
異なるタイプのカラギーナンのゲル化能の程度は、とりわけ、ガラクトピラノース環中に存在する親水性基の量、分子量、温度、pH、及び親水コロイドが混合される溶媒中に存在する塩のタイプと濃度によって決まる。
ゲル化、感覚受容性と水結合、ならびに質感と粘度調整のために、最も関心が持たれ且つ広範に用いられているカラギーナンは、カッパ−、イオタ−、シータ−及びラムダ−カラギーナンである。それらは、粗製海藻中にすべて存在しているわけではないが、それらのいくつかは、以下の反応スキーム:
μ−カラギーナン + OH → κ−カラギーナン
ν−カラギーナン + OH → ι−カラギーナン
λ−カラギーナン + OH → θ−カラギーナン
にしたがって、粗製海藻中に存在する前駆カラギーナン(それぞれμ−、ν−及びλ−カラギーナン)のアルカリ変性によって得られる。
而して、粗製海藻のアルカリ処理によって、カラギーナンポリマーのダイマー単位において環部分の一つの中に、分子間エーテル結合が形成され、それによりポリマーの親水性が更に低下するので、ポリマーは更に強力なゲル化剤となる。ゲル化特性は、三次元螺旋構造(tertiary helical structure)で組織化しているカラギーナンによって生じる。
カッパ及びイオタ構造(及びそれらの前駆体)は、1つのスルフェート基だけが異なっており、実際常に、ある海藻材料から同じ分子鎖中においてある程度見出され、そのために、カラギーナン構造の前記群は、カラギーナン構造の「カッパファミリー」と呼ばれる。しかしながら、より等しくバランスがとれているコポリマー又は「ハイブリッド」を提供する海藻が存在するように、ほとんど純粋なカッパ/ミュー及びイオタ/ニューを提供する海藻が存在している。
同様に、文献:すなわちMcCandless,E.L.et al.,Planta(Ben.)112.201−212(1973)によると、クシー及びラムダ(及び加工後におけるその変性構造であるシータ)は、常にではないが主として、カラギーナン構造の前記群、すなわち「ラムダファミリー」と呼ばれる異なる海藻材料から得られる。
単離されたラムダ−及びシータ−カラギーナンは、ほとんどすべての温度及び塩濃度の条件下で水溶性であるのに対して、カリウム塩形態及び/又はカルシウム塩形態のカッパ−及びイオタ−カラギーナンは冷水中で不溶性である。前記カラギーナンのすべてが熱水中で可溶性である。カッパ-及びイオタ-カラギーナンは、K,Ca2+,Mg2+,Ba2+,Sr2+及びNH の存在下で、ゲルを形成できる。一方、ラムダ−及びシータ−カラギーナンはゲルを形成しない。
いくつかの市販の紅藻類又は紅藻固体群(seaweed species or populations)は、ただ1種類のカラギーナンタイプ(及びその前駆体)を含む。それらは、本出願では「一成分海藻」と呼ぶ。市販の海藻のキリンサイ属コットーニィ種(Eucheuma cottonii)は、このカテゴリーに属しており、カラギーナンのただ一つのファミリー、すなわち「カッパファミリー」のみを含んでいる。
市販の一成分海藻の他の例は、キリンサイ属スピノサム種(Eucheuma spinosum)、イバラノリ(Hypnea spp.)及びフルセラリア(Furcellaria spp.)である。
しかしながら、多くの市販の紅藻類又は紅藻固体群は、少なくとも2つのカラギーナンタイプ(それらの前駆体のいくつかを含む)を含む。それを本出願では「二成分海藻」と呼ぶ。文献によると、それらは、現在までのところ、スギノリ目(order Gigartinales)のスギノリ科(Gigartinaceae)及びオキツノリ科(Phyllophoraceae)において見出された。市販の海藻であるヤハズツノマタ(Chondrus cnispus)は、このカテゴリーに属しており、カラギーナン構造の「カッパファミリー」ならびに「ラムダファミリー」を含み、その割合は、カッパが70%及びラムダが30%であると言われている。市販の他の二成分海藻としては、例えばスギノリ属(Gigartina genus)のいくつかの種:すなわち、ギガルティナ・シャミソイ(Gigartina chamissoi)、ギガルティナ・ピィスティラータ(Gigartina pistillata)、ギガルティナ・ラドゥラ(Gigartina radula)が挙げられる。後者の種は、市販の名称:スコッツベルギ[skottsbergii(GSK)]、細葉[Narrow leaf(GNL)]及び広葉[Broadleaf(GBL)]を含む。科学文献では、GNLはマザエラ・ラミナリオイデス(Mazaella laminarioides)としても知られており、及びGBLはサルコサリア・クリスパータ(Sarcothalia crispata)としても知られている。
本発明は、二成分海藻から、特に、カッパファミリーカラギーナンとラムダファミリーカラギーナンとを含むが、実際には前記海藻は一成分海藻の群からの海藻をある割合含んでいる可能性がある植物体からカラギーナンを製造することに関する。而して、二成分海藻植物体、ならびにカッパファミリーカラギーナン及びラムダファミリーカラギーナンを個々に含む植物体材料の混合物を、本発明による方法によって加工できる。
本出願では、「ゲル化性カラギーナン(gelling carrageenan)」という用語は、ゲルを形成することができるカラギーナンタイプについて用いられる。而して、カラギーナンのカッパファミリーは「ゲル化性カラギーナン」であるのに対して、カラギーナンのラムダファミリーはゲル化性カラギーナンであるとは考えられない。「ゲル化性カラギーナン前駆体」という用語は、本出願では、アルカリ変性後にゲル化するカラギーナン前駆体を意味している。
従来、カラギーナン製造用の二成分海藻は熱抽出によって加工してきた。而して、熱抽出それ自体の間に及び後にアルカリ処理を行うために、海藻は、高温の水及び高いpHを用いて熱抽出してきた。次に、液体抽出物を、遠心分離及び/又は濾過によって精製する。その後で、水を蒸発させることによって、又はカリウム塩若しくは例えばイソプロパノールのようなアルコールによって、選択的に沈殿させることによって、親水コロイドを得る。この製造法により、本願明細書において後にRCと呼ぶ精製カラギーナンが生成されるが、そのカラギーナンは原料の二成分海藻のカッパ成分とラムダ成分の両方を含んでいる。以下でSRCと呼ぶ半精製カラギーナンとして、前記成分の1つ又は両方を別々に又は一緒に製造することは、カラギーナン製造の従来法では不可能である。
CA 561,448(Smith)は、スギノリ目の藻類から誘導されるゲロースを分別する方法に関するものである。Smithの方法では、ゲロースは、アンモニウム、カリウム、ルビジウム及びセシウムから選択されるカチオンを含む塩で処理し、沈殿を形成させる。その沈殿は主にカッパカラギーナンを含み、残留溶液は主にラムダカラギーナンを含む。2つの分画は、遠心分離又は濾過によって分離する。しかしながら、個々の分画は純粋形態では得られず、1つの分画は、もう一方の成分を少量含んでおり、逆もまた同様である。分別工程前に海藻に関して行われるアルカリ処理については言及していない。
US3,176,003(Stancioff)は、海藻からラムダ−及びカッパ−分画を選択的に抽出する方法に関するものである。Stancioffの方法は、5℃〜90℃の温度、方程式0>logC>0.03T−2.77(式中、Cはモル/リットル単位のカチオン濃度であり、Tは摂氏温度である)で与えられるカチオン濃度C、及び約0.2モル/リットルを超えないヒドロキシル濃度において、アンモニウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム及びマグネシウムから選択されるカチオンの塩及び水酸化物の水溶液中に海藻を浸漬して、カッパ分画を不溶性のままに維持しながら、ラムダ分画を可溶性に変える工程を含む。最後に、ラムダ分画を含む溶液を、カッパ分画を含む固相から分離する。この明細書では、0.2M未満の水酸化物濃度の使用が開示されている。水酸化物は存在するが、海藻の膨潤を増加させ、生成物の収率を増加させるためだけに機能し、カラギーナンは変性しない。
US 4,816,573 (Whitaker)は、二成分海藻のラムダ−分画及びカッパ−分画を分離する方法に関するものである。前記方法では、カッパ分画に比べてより高度にラムダ分画が水和されるようにラムダカラギーナンを有する植物体とカッパカラギーナンを有する植物体との混合物を水性媒体で処理し、次に2つの分画の含水量の差に基づいて分離を行う。一つの態様では、水性媒体は、5℃〜95℃の温度及び約10を超えるpHを有し、更にアンモニウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、カルシウム、バリウム、ストロンチウム及びマグネシウムから選択されるカチオンを含む。2つの分画の分離は、手動で又は機械で行う。カラギーナンのアルカリ変性が開示されている。
US 3,879,890(Chen ら)は、ほぼ純粋な品質で、カッパカラギーナン及びラムダカラギーナンそれぞれを製造する方法を開示している。前記方法は、例えばツノマタ属又はスギノリ属から得られる胞子の栄養部分(vegetative parts of spores)を、配偶体及び四分胞子体へと分離し、次に植物体材料の各タイプを別々に成長させることによる化学的又は物理的手段によって、収穫後処理を回避している。収穫後に、例えば2−プロパノールを用いて沈殿させることによって多糖類を回収した。カラギーナンのアルカリ処理は開示されていない。
US 3,094,517(Stanley)では、カラギーナンを変性してより高度のゲル強度を得る均一化プロセス(homogenous process)が開示されている。前記プロセスは、アルカリ、好ましくは水酸化カルシウムの使用を含む。海藻中に存在するカラギーナンの40重量%〜115重量%に達する過剰量の水酸化カルシウムは、特に有効であること証明された。次に、海藻とアルカリとの混合物を3〜6時間80℃〜150℃の温度に加熱する。過剰のアルカリは、再利用のために回収することができ、その後で、濾過助剤を加え、任意の適当なタイプの装置によって濾過を行った。混合物は依然として熱い。次に、濾過した抽出物を任意の適当な酸で中和させる。それを濾過して、得られた抽出物を、ドラム乾燥、スプレー乾燥又はアルコールと共に凝固させる。アルコールを用いる場合、得られた凝縮物は従来の方法で乾燥させる。この均一抽出プロセスは、一成分海藻ならびに二成分海藻に関して充分に機能する。しかしながら、二成分海藻に関しては、カッパファミリーカラギーナンからラムダファミリーカラギーナンを分別する方法は開示されていない。
US 5,801,240においてRideoutらは、半精製された又は粗製のカラギーナンを製造する従来の方法に言及している。US 5,801,240は、前記方法の改良に関するものである。Rideoutらの方法は、多くの工程を含む:まず最初に、原料の海藻を清浄にし、選別する。次に、清浄にされ選別された海藻を、新鮮な水又は再循環された水酸化カリウム洗浄液で周囲温度においてすすぎ。次に、海藻を60℃〜80℃の水酸化カリウム蒸解液(cooking solution)中に置いて(12重量%KOHで2時間又は8重量%KOHで3時間)、カラギーナンを変性し且つアルカリ可溶性糖類のいくらかを溶かす。蒸解後、海藻を取出しドレインし、次に、一連の洗浄工程を行って、pHを低下させ、且つ残留水酸化カリウムを洗い流し、且つ糖類及び塩を溶かす。最後に、得られた半精製カラギーナンを細かく切り、乾燥させ、粉砕した。Rideoutらによる発明方法は、更に、酸化還元電位を測定して反応の進行をモニターし、前記電位が所定の一定値になり平衡に達っしたことが確認されたら反応を停止させる工程を含む。この明細書では、キリンサイ属コットーニィ種以外の他の海藻類の加工に関しては特に言及していないが、他の種類の植物体材料が存在している場合には、典型的には選別中に取り除くと記載してある。而して、この明細書は一成分海藻のみに関するものである。
WO 94/22,922(Larsen)は、とりわけ、水/溶剤アルカリシステム中海藻を加熱して海藻出発材料を変性するカラギーナン生成物の調製方法に関するものである。溶剤の水に対する重量比は、5:95〜50:50であり、アルカリ濃度は0.25M/kg液相〜3.0M/kg液相であり、温度は50℃〜150℃である。反応時間は15分〜30時間である。反応が完了したら、反応媒体をドレインし、1種類以上の溶剤/水混合物で処理した海藻を洗浄する。次に、海藻材料を乾燥させる。この方法にしたがって一成分海藻ならびに二成分海藻を加工することができる。しかしながら、この明細書では、分別については開示していない。
而して、上記説明から明らかなように、従来技術では、二成分海藻の加工を扱う場合、多くのアプローチが企図されてきた。カラギーナンは、特有なカッパカラギーナン及びラムダカラギーナンを有する植物体を含む二成分海藻を選別することによって、大雑把に分離できる。しかしながら、この方法は、2つのタイプの植物体が互いに非常に似ているので、労力が掛かり且つ難しい。にもかかわらず、この方法は、商業的規模で行われているか又は行われていた。選別されたラムダカラギーナンを有する植物体は、GSK及びGBL(「elastico」と呼ばれるグレード)から市販されているか又は市販されていた。その植物体を分離する場合に掛かるコストが原因で、価格レベルは、同じ種の選別されていない海藻の価格に比べて実質的に高い。
カッパ−及びラムダ−分画を分離する他の手段は、栽培条件下で、カッパカラギーナンを有する各植物体とラムダカラギーナンを有する各植物体を分離させる工程を含む(Chen)。この方法は、おそらくは野生の海藻を収穫した場合に比べて、栽培の場合には過剰なコストが掛かるので、一貫して商業的には採用されなかったようである。
カッパカラギーナンを有する植物体とラムダカラギーナンを有する植物体との混合物は、ラムダ植物体を、低膨潤硬質カッパプラントから機械的に分離できる高度に膨潤された粘着性植物体へと転化させる給湿工程後に、商業的に分離することもできる(Whitaker)。
他の方法は、分画を個々に生じさせる前において、抽出プロセス中(Stancioff)又は抽出プロセス後(Smith)に、カッパ分画からラムダ分画を分離する工程中分別を開示している。
カッパファミリー分画及びラムダファミリー分画へとカラギーナンが分離されるすべての上記方法は、分離工程の後に、カッパ植物体分画を個別にアルカリ処理して、化学薬品及び装置のための当然必要となるコストでその完全なゲル化可能性を得なければならない。
一方、従来技術では、二成分海藻をアルカリ処理する方法も開示されている。
二成分海藻のアルカリ変性は、アルカリとしてCa(OH)又は他のアルカリを用いることによって、均一反応として行うことができる(Stanley)。この方法は、工業で広範に用いられているが、おそらくプロセスに過剰のコストが掛かるので、その後の分別と組合せられない。また、この方法は、処理手順の開始から大量の水も用いるので、水の処理及び水の最終的な除去に関連してプロセスコストが上積みされる。更に、得られた工程中二成分カラギーナン溶液は、ラムダ分画又はシータ分画の有意な含量が原因となって、混合物のカッパ分画のみと一緒にゲル化する(アルコールに比して経済的に好ましい)KClによるその後の単離はほとんど不可能である。
しかしながら、二成分海藻のアルカリ変性は、プロセス中にカッパカラギーナンを有する植物体及びラムダカラギーナンを有する植物体の両方を完全体に保つのに役立つアルカリ溶剤/水混合物を用いる(Larsen)ことによって、不均一反応として行うことができる。同じ理由により、溶剤/水混合物は、過剰の化学薬品及び不純物が排除されるその後の洗浄工程のためにも用いられる。この方法には、易燃性と、作業の安全、溶剤の回収及び最終生成物からの溶剤残留物の除去を保証するための当然必要な高コスト手段とのために、溶剤/水混合物を広範に(しばしば高温において)用いるという重大な欠点がある。
しかしながら、後者の2つの明細書のいずれにおいても、カラギーナン材料を、ラムダファミリーカラギーナン及びカッパファミリーカラギーナンへと分別することについては開示されていない。
而して、従来技術にしたがって、高い価値の高含量を有するカッパファミリー分画、変性されたカッパカラギーナン、及びラムダファミリー分画を得るために、二成分海藻の加工は、2つの分離プロセス;すなわち、1つの均一プロセスにおいて海藻をアルカリ変性し、次に分離プロセスにおいて単離分画へと分離することによって、又はまず最初に分離して、次に2つの分離工程においてアルカリ変性することによって、行わなければならない。
而して、一成分海藻の加工から公知のように不均一アルカリ処理からの利得(例えば、変性カッパカラギーナンの未溶解)を含む二成分海藻を加工する方法に関するニーズが存在するが、海藻の完全性を維持するために、且つ高品質のラムダ分画と、高品質のカッパ分画(任意には、半精製形態のカッパ分画)とを別々に得るための低コスト分別工程を任意に許す溶剤/水混合物を用いるという欠点を含んでいる。
驚くべきことに、塩の特有な組成及び濃度によって提供される高い塩濃度を有する水溶液中におけるアルカリ処理に暴露することによって海藻を不均一にアルカリ変性して海藻の完全性を維持し、且つその後で、任意に、前記の処理を行った海藻に関して、そのラムダ分画及びそのカッパ分画へと別々に任意に低コスト分別することができる二成分海藻を加工する方法が設計できることをを見出した。
発明の概要
而して、本発明は、カッパファミリーカラギーナンとラムダファミリーカラギーナンを含む海藻から、特に二成分海藻から、カラギーナンを製造する方法に関するものであり、本発明方法においては、海藻に関して:
1)カッパファミリー前駆体(一種又は複数種)をゲル化性カッパファミリーカラギーナン(1種又は複数種)へと所望の程度まで変性できるOH濃度及び温度を有する水性アルカリ媒体中における不均一反応工程;
2)液相からカラギーナン(一種又は複数種)を含む固体処理材料を分離するための分離工程;
3)工程2)で得られた固体処理海藻材料を、水性抽出媒体で処理して、過剰のアルカリを洗い流し且つラムダファミリーカラギーナン(一種又は複数種)を抽出し;ゲル化性カッパファミリーカラギーナン(一種又は複数種)を含む固体分画及びラムダファミリーカラギーナン(一種又は複数種)を含む液体分画を得る任意の1つ以上の分別工程;
4a)工程3)で得られた固体 分画を任意に乾燥及び任意に粉砕して、半精製カッパカラギーナン(SRC−カッパ)を得る任意の工程;及び/又は
4b)工程3)及び/又は工程4a)で得られた固体分画を更に抽出、精製及び単離して、精製カッパファミリーカラギーナン(RC−カッパ)を得る任意の工程;
5)工程3)で得られた液体分画を更に加工して(精製及び単離の工程を含む)、精製ラムダファミリーカラギーナン(RC−ラムダ)を得る任意の工程;
6)工程2)で得られた固体材料を更に抽出、精製及び単離して、カッパファミリーカラギーナンとラムダファミリーカラギーナンとの精製混合物(RC)を得る任意の工程
を行う。また、本発明方法の特徴は、工程1)で用いる水性アルカリ媒体が、NaCl及び/又はKCl及び任意に他のアルカリ塩の含量及び組成を、海藻の崩壊を実質的に防止し且つその中に存在している該カラギーナンの溶解を実質的に防止するのに充分な最大で飽和濃度まで有する点である。
更に、本発明は、上記方法によって得られるカラギーナン生成物に関するものである。
而して、本発明は、反応媒体のアルカリ濃度、温度、塩濃度及び塩組成の特定の条件下で、カッパファミリー前駆体が所望の程度まで変性される且つ海藻が実質的に崩壊しない且つカラギーナンの溶解が実質的に起こらないという水性不均一反応工程において二成分海藻を加工できるという知見に基づいている。反応工程後に、残留している固体材料(変性カッパファミリーカラギーナン及びラムダファミリーカラギーナンを含む)を、アルカリ媒体から分離し、そして水性媒体で処理することによって、カッパファミリー固体分画とラムダファミリー液体分画とに任意に分別する。次に、分別後に得られる個体カッパファミリー分画を、乾燥させ、次に任意に粉砕して、半精製カッパカラギーナン(SRC−カッパ)を得ることができるか、又は固体カッパファミリー分画を更に抽出し、精製し、そして単離して、精製カッパファミリーカラギーナン(RC−カッパ)を得ることができる。
同様に、精製及び単離によって、ラムダファミリー分画を含む液体分画を更に加工して、精製ラムダファミリーカラギーナン(RC−ラムダ)を得ることができる。ラムダファミリー分画を更に精製する前に、選択肢として、追加のアルカリ変性に暴露してもよい。前記変性は、液体分画を、適度に高温に保ち且つ液体分画中に既に含まれている現に存在しているアルカリと一緒に保持することによって実現でき、又は更なるアルカリを添加してもよい。
本発明による方法の更なる利点は、反応媒体の温度、塩濃度及び塩組成の上記ある種の条件下において、二成分海藻のカッパ分画について広範な所望のアルカリ変性度を得ることができる点であり、また、一緒に製造されるラムダ分画が、増粘剤及び安定剤として製造されている従来技術のカラギーナン生成物に比して、増粘剤及び安定剤としてのその有用性及びコスト/効率に対して実質的に悪影響を与えることが予期され得る観察可能なプロセス関連の変化に影響されない点である。
本発明の重要な有利な面は、本発明の方法を実行するときに湿潤又は乾燥中間物として得られ、そして非ゲル化ラムダ成分から実質的に遊離されるカッパ分画は、最も経済的で望ましい方法でワークアップされるのに適している。最も経済的な方法は、乾燥させ且つ粉砕してSRC最終生成物にすることによって、カッパ分画を単純に生成させる方法であると考えられる。第二の最も経済的な方法は、KClで単離し、ゲルプレス(gel pressing)し、最終的には乾燥させ粉砕してRC最終生成物にすることによって、カッパ分画をワークアップする方法であると考えられる。第三の最も経済的な方法は、アルコールで単離し、プレスし、最終的には乾燥させ粉砕してRC最終生成物にすることによって、カッパ分画をワークアップする方法であると考えられる。単離するための1つ又は他のより経済的な方法を選択した場合のプロセスコストは、アルコールによる単離を用いている現在の方法によって生じるプロセスコストの40%〜70%であることができる。
図面についての簡単な説明
本発明は、添付の図面を参照することにより更に詳細に開示される。
図1は、異なるNaCl濃度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClの条件下で、温度の関数としてGBL−10(チリのX地方産のGigartina radula“broad leaf”)の粘度測定値を記載している図である。粘度は、高温において且つNaCl%が低い場合に、粘度が急激に上昇するということは、カラギーナンが溶解し、続いて、いくらかの海藻の崩壊が起こる( 視覚的に観察される)ことを示唆していることが図1より分かる。
海藻の崩壊に関して図1に示してある測定値及び添付の視覚による観察に基づいて、NaCl濃度のおおよその「閾値」を、各選択した温度について決めることができる。それにより、アルカリ処理に暴露される海藻に関するおおよその「状態図」の外観が得られる。それは図2に示してある。
図2は、異なる温度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClのアルカリ度の条件下で不溶化された異なる二成分海藻においてゲル化性カラギーナンを維持するためのNaClの閾値濃度を示している状態図である。図2には、Chondrus NS(カナダNova Scotia産Chondrus crispus)、Chondrus PEI(カナダPrince Edward Island産のChondrus crispus)、及びGSK、GBL−8(チリVIII地方産)、GBL−10(チリX地方産)及びGNLとして公知の4種類のGigartina radula海藻材料として知られている二成分海藻に関する閾値濃度が記載してある。而して、図2からは、ある種の二成分海藻中に存在するカラギーナンは、対応するNaCl濃度におけるこの海藻に対応する曲線における特定の点未満の温度において5%(w/v)NaOH中に主として未溶解のままであることが分かる。言い換えると、曲線未満の領域は、カラギーナンが溶解している状態(又は温度及びNaCl濃度の組合せ)に相当している。試験した海藻材料の2種類に関して、すなわちGBL−8及びGNLに関して、60℃〜70℃の低い温度範囲でも崩壊/溶解が起こらないということは、NaClで溶液がほとんど飽和していることが指摘される。
図3は、NaClの代わりにKClを用いる他は図2と同じ方法で作成された状態図である。各海藻に関する図2及び3を個々に比較すると、KClは、体積濃度あたりの当量を基準にして、NaClに比して一般的により大きな溶解抑制効果を有することが認められる。上記したのと同じ2種類の需要の多い(demanding)海藻材料、すなわちGBL−8及びGNLに関して、KClを用いて60℃〜70℃低い温度における崩壊/溶解を無くすには、ほんの15%〜25%(w/v)のKCl濃度、すなわち実質的に飽和未満の濃度が必要なだけであることが注目される。試験した海藻材料のそれぞれについて、海藻の崩壊させずに且つカラギーナンを溶解させずに、二成分海藻混合物のアルカリ変性を行うことができる温度、塩濃度及び塩組成の適当な「領域」を見出し得ることが示されている。
図4は、本発明の方法を実行するための1つのモードを記載している単純な流れ図である。図4では、海藻は、固定反応タンク(SW)に配置し、本発明による様々な工程で用いられる異なる液体を、このタンクへと且つこのタンクから移動させる。而して、アルカリ変性工程及び次に、処理した海藻を用いた反応媒体から分離する工程である工程1)及び工程2)を、反応ゾーン(RZ)で行う。Rは、工程1)で用いられる水性アルカリ媒体を含むタンクを表している。更なるワークアップゾーン(FWZ)では、任意の工程3)を行う。すなわち、海藻を分別液で抽出/分別して、ラムダファミリーカラギーナンを溶解又は抽出する。分別は、1つ以上の分別工程によって行うことができる。図4では、W,W,…Wは、工程3)で用いられる分別液を含む異なるタンクを表している。これらの工程後、それ自体公知の方法で、固体カッパを有する海藻材料を加工して、半精製カラギーナン(SRC)又は精製カラギーナン(RC)を得ることができる。また、ラムダファミリーカラギーナン抽出物を更に加工することができる。
図5は、反応ゾーンと更なるワークアップゾーンとの間に対向流機構が確立される本発明による方法を実行する好ましいモードを示している図である。対向流は、反応ゾーンと更なる生成ゾーンとの間にあるアルカリ液回収ゾーン(LRZ)を導入することによって得られる。アルカリ液回収ゾーン(LRZ)では、L,L,…Lは、アルカリ液回収溶液を含むタンクを表している。図5における矢印及び添付の数は、本発明による方法を実行するこの対向流モードにおける流れの向き及び時系列順を示している。この機構は、システムにおいてアルカリ及び塩の上流での移動を提供し、而して、用いられる化学薬品の消費をかなり減らすことができる。本発明による方法を実行するこのモードは、例えば、海藻が乾燥状態で反応工程において導入されることを保証することによって、又は例えば蒸発によってこの工程から水を選択的に除去することによって、水の欠乏が反応工程で創出されることが求められる。本発明による方法を実行するこのモードは、反応工程における塩濃度及び組成が、完全に又は部分的に、アルカリ液の添加(典型的にはKOH及び/又はNaOH)から生じる塩の濃度と反応工程中に導入されるときに海藻を伴う塩の濃度とを積み増すのに役立つ対向流機構の結果であることを意味していることに留意すべきである。而して、塩混合物は、海藻中に存在しているカチオンのアルカリ液タイプと量と種類(identity)とに左右されるある割合におけるKイオンとNaイオンによって支配され、それにより、図2及び3に示してあるKイオンとNaイオンとの間における状態を最もしばしば表している。
図6は、異なるアルカリ濃度における、GSK及びGBLのラムダカラギーナンの水及びミルク中における粘性を示している図である。
本発明の適用可能性の程度は、以下の詳細な説明から明らかとなる。しかしながら、詳細な説明及び特定の実施例は、好ましい態様を説明するためだけに含まれていること、また、保護の範囲内にある様々な変更及び改良は、詳細な説明に基づいて当業者には明らかであることが理解されるべきである。
発明を実行するための最良モード
本発明によると、二成分海藻材料を加工して、アルカリ変性カッパファミリー分画及びラムダファミリー分画を含む固体未崩壊性海藻材料を効率的且つ簡便な方法で得ることができる。本発明の好ましい態様では、これらの分画は、その後の分別工程で分離できる。又は、カッパファミリーカラギーナンとラムダファミリーカラギーナンとの混合物を含むカラギーナン生成物が得られるように、この固体材料を加工できる。
以下、本発明による方法を図4を参照しながら説明する。この方法は、分別工程を含む。
図4では、海藻は、適当な攪拌手段と、処理される海藻と共にタンクへと且つタンクから移動される液体とを備えている固体タンク中に配置する。図4は、本発明による方法を実行する1つの単純な方法のみを説明するのに役立ち、而して本方法における各工程がどのように行うことができるかを示すのに役立つ。而して、当業者には、図4のプロセス機構を他のタイプの機構に、例えば海藻は固定されていないが、1つのタンクから別のタンクへと移動されるプロセス機構に適合させる方法が分かる。
図4のプロセス機構は、2つのゾーン;すなわち反応ゾーン(RZ)及び更なる生成ゾーン(FWZ)を含む。これらのゾーンは、各工程で用いられる液体を含む多くのタンクを含む。図4では、矢印及び矢印の添付の数字は、プロセスにおける流れの方向及び時系列順を示している。好ましくは、海藻及び液体は、各工程で攪拌して、完全且つ効率的な反応/抽出を得る。
各工程におけるタンクは、各工程におけるプロセスを効率的に行うのに充分であるサイズ及び含量を有しているべきである。而して、各工程で必要な液体量を含むのに充分でない容積を有するタンクは避けるべきである。
反応ゾーン
反応ゾーンでは、特定のアルカリ濃度及び特定の塩濃度と組成を有する反応媒体タンク(R)中に配置されたアルカリ水性媒体を、矢印(1)によって示されているように海藻タンク(SW)へと移動させ、そしてその海藻に関して、所望の程度までカラギーナンを変性するのに充分な時間反応を行う。
更なるワークアップゾーン
反応工程の後、使用したアルカリ媒体を海藻からドレインし、次のバッチを処理するときに再利用するために反応タンクへと戻すことができる。それは矢印(2)で示してある。2つ以上のバッチ(R)を処理するために、次に、矢印(3)で示してある適当なアルカリ及び塩を加えることによって、元の組成物を実質的に調整することができる(明らかに、この調整は、この特有な時点で行う必要はないが、調整はバッチを処理する前に行わなければならない)。続いて、海藻に関して1つ以上の分別工程を行う。分別工程は更なるワークアップゾーンで行う。更なるワークアップゾーンは、各分別工程で用いられる水性「抽出媒体」をそれぞれ含む多くのタンク(W),(W),…(W)を含む。更なるワークアップゾーンでは、抽出媒体は、第一抽出媒体タンク(W)から海藻タンク(SW)へと移動させる。それは矢印(4)で示してある。適当な加工時間の後、矢印(5)で示してあるように、使用した分別媒体をドレインさせる。この分画は抽出されたラムダファミリー分画を含む。
次に、矢印(6)で示してあるように(W)からの抽出媒体を海藻タンク(SW)に移動させ、適当な時間量の後、矢印(7)で示してあるように、使用した抽出媒体をドレインさせる。(SW)に抽出媒体を加え、適当な時間量の間の加工し、使用した抽出媒体をドレインさせるという繰り返しサイクルが企図される。それは、それぞれ矢印(8)及び矢印(9)によって、n回の分別工程として示してある。通常は、第一工程は典型的にはラムダファミリーカラギーナンの最大の抽出量を提供するので3つの分別工程を用いるが、ただ1つの分別工程ならびに4,5又は6つ以上の分別工程も企図される。適当な数の分別工程の後、カッパファミリー分画を含む固体海藻材料は、矢印(10)で示してあるように、半精製カッパカラギーナン(SRC−カッパ)又は再精製カッパカラギーナン(RC−カッパ)へと更に加工される加工ラインに移動させ加工を続けることができる。
上記セクションは、図4に示してある本発明方法による液体の流れの時系列順に主に焦点をあててきた。以下のセクションでは、本発明方法による反応と更なるワークアップそれぞれに関する単一工程の様々な条件に関して更に詳細に説明する。
不均一反応工程
本発明よる方法における反応工程では、様々なパラメーターのバランスをとって、許容可能な結果を提供する条件を得なければならない。すなわち、海藻材料が崩壊又は溶解するのを防止し、なお且つカッパファミリーの変性を提供するために、特定の条件が必要である。これらのパラメーターとしては、用いられる海藻の特定の種、アルカリのタイプ及び濃度、非アルカリ塩のタイプ及び濃度、水性アルカリ媒体の温度、反応時間、攪拌の程度などが挙げられる。
本願明細書における用語「水性媒体」、「水溶液」及び「水性液体」は、水を含む液体物質を含み、而して、例えばアルコールのような他の溶剤のある量も含む。水以外の、例えばアルコールのような他の溶剤の量は、重量/重量に基づいて、0%〜50%であり、例えば0%〜20%、0%〜10%又は0%〜5%である。
反応条件に関する一つの要求条件は、用いられる温度においてカラギーナンが溶解するのを抑制又は実質的に防止し、且つ更に海藻材料の崩壊を防止するために、反応媒体中に充分な塩濃度が存在していることである。充分な塩濃度は、NaCl及び/又はKCl、任意には1種類以上の他の非アルカリ塩を加えることによって提供される。而して、本発明方法による反応工程では、用いられる水性媒体としてはアルカリが挙げられ、また任意には、更にNaCl及び/又はKClが挙げられる。而して、充分な塩濃度は、反応媒体に対して、1種類以上の他の非アルカリ塩、例えばナトリウム、カリウム及びカルシウムの硫酸塩及びCaClから選択される塩が挙げられる。安価な塩、すなわちNaClは、反応媒体に対して充分な塩濃度を付与するために有用であることを見出した。
図2及び3は、カッパファミリーカラギーナン及びラムダファミリーカラギーナンが不溶性のままであり且つ海藻材料が未崩壊性のままである、塩のタイプ、塩濃度、アルカリ濃度、海藻の温度及びタイプの可能な組合せを示している。当業者は、他の条件下で、すなわち他のアルカリ及び非アルカリ塩の使用条件下での海藻類に関する;又は他の海藻類に関する溶解及び崩壊の閾値を示す対応図を得るために、同様な単純な実験を行う方法を知っている。更に詳細に説明するために、実施例1を参照されたい。
不均一反応工程の目的は、カッパファミリーカラギーナン前駆体(一種又は複数種)をアルカリ変性することである。文献(例えば、Ciancia et al.,Carbohydrate Polymers 20(1993),pp.95−98を参照されたい)の知見に基づいて、カラギーナンの均一アルカリ変性反応は全二次反応速度論(overall 2nd order reaction kinetics)にしたがうと仮定することができる。不均一反応に関して同様なことを仮定すると:
−r = k*C*C
(式中、r=反応体A(=カラギーナン前駆体)の反応速度
=速度定数(温度の関数)
=反応体Aの濃度(=カラギーナン前駆体)
=反応体Bの濃度(=ヒドロキシルイオン))が得られる。
上記の式は、温度とアルカリ度との多くの異なる組合せによって、任意の1種類の前駆体カラギーナンタイプのある程度の変性を得ることができるという実際の経験を示している。
海藻
本発明による方法で用いられる海藻は、カッパファミリーカラギーナンならびにラムダファミリーカラギーナンを含む海藻、特に二成分海藻である。而して、二成分海藻類ならびに一成分海藻類と二成分海藻類との混合物の加工が企図される。
而して、ヤハズツノマタ(Chondrus crispus)、ギガルティナ・シャミソイ(Gigartina chamissoi)、ギガルティナ・ピィスティラータ(Gigartina pistillata)、ギガルティナ・ラドゥラ(Gigartina radula)のような種は、本発明による方法における出発材料として特に有用である。海藻は比較的乾燥形態で市販されており、乾燥物質含量70%〜90%が普通である。海藻は、乾燥状態又は湿潤状態で反応工程に導入できる。しかしながら、以下で説明する対向流プロセス機構を適用するときは、乾燥状態で反応工程に導入して、この機構によって得られる利点、例えばプロセスで用いられる化学薬品の消費量の節約を利用するべきである。海藻の水性アルカリ媒体に対する割合は、海藻中に存在する液体量に左右される。好ましくは、海藻の水性アルカリ媒体に対する割合は、乾燥海藻の重量を基準として1:10〜1:40である。
アルカリのタイプ
本発明にしたがって、水性アルカリ媒体中で反応工程を行う。水性アルカリ媒体中において、カッパファミリーカラギーナン前駆体(一種又は複数種)を変性するために必要とされるOH濃度は、KOH、NaOH、NaCO、燐酸ナトリウム、KCO、燐酸カリウム及びアンモニアから選択される1種類以上のアルカリを含む、任意には他の適当なアルカリも含むアルカリ溶液を用いることによって得られる。アルカリに対する要求条件は、用いられる温度において、所望の程度まで海藻中に存在するカッパファミリーカラギーナン前駆体を変性するのに充分な量で存在していることである。いくつかの用途にとっては、ラムダファミリー前駆体を変性することは望ましいかもしれない。ラムダファミリーカラギーナン前駆体の変性は、より高いアルカリ度で海藻を加工することによって得ることができる。又は、ラムダファミリーは、その分別後ではあるがその精製前に、アルカリ変性処理に暴露してもよい。
同様に、粘度増加特性又は溶解特性を含いくつかの望ましい品質を精製後に有するラムダファミリー分画の製造を可能にするが、いくつかの目的のためには更に変性されなければならないだろう変性カッパファミリー分画を生成させるプロセスパラメーターの領域が存在し得る。而して、この場合、分離工程の後ではあるが更なるワークアップの前に、更なるアルカリ処理にカッパファミリー分画を暴露することが望ましい。
好ましいアルカリとしては、KOH、NaOH、NaCO、燐酸ナトリウム、KCO、燐酸カリウム及びアンモニア又はそれらの混合物が挙げられる。本発明方法の特有な態様では、反応工程で海藻に供給されるアルカリ溶液中のアルカリは、実質的に、KOH、NaOH、NaCO、燐酸ナトリウム又はそれらの混合物からのみ成る。
NaOHをアルカリ源としてのみ用いる場合、アルカリ濃度Cは0.1%<C<12%(w/v)、好ましくは0.2%(w/v)<C<10%(w/v)、最も好ましくは0.3%(w/v)<C<8%(w/v)であることができる。別のアルカリ、又は他のアルカリの混合物を用いる場合、この/これらのアルカリ(一種又は複数種)の濃度は、上記範囲内の濃度を有するNaOH溶液の変性力に相当する変性力を有する溶液が得られるように調整すべきである。他のアルカリ、又はアルカリの混合物に必要な濃度は、単純な実験で見出すことができる。
温度
温度は、約3時間未満の反応工程を実施できるように選択すべきである。しかしながら、より長い抽出時間が可能であるが、実用的な問題を考慮すると、あまり好ましくない。反応温度を選択する場合、カラギーナンの溶解度を考慮すべきである。而して、用いられる反応温度は、カッパファミリーカラギーナン及びラムダファミリーカラギーナンが実質的に溶液中に溶解しない値及び海藻の崩壊が実質的に起こらない値に限定される。これらの値は、水性アルカリ媒体の塩濃度と組成とに左右される。水性アルカリ媒体の温度は、典型的には30℃〜95℃である。NaOHをアルカリとして用いる場合は、40℃〜90℃、好ましくは50℃〜85℃、最も好ましくは55℃〜80℃を施用できる。カラギーナンの溶解度は、一般的に、温度が上昇すると共に増加し、温度が低い場合は、塩濃度が低いことが必要であり、逆もまた同様である。好ましくは、水性アルカリ媒体は、海藻と混合する前に、反応温度まで加熱するが、海藻と混合した後に加熱してもよい。いくつかの用途では、ラムダファミリー前駆体を変性することも望ましいかもしれない。ラムダファミリー前駆体の変性は、より高い温度で海藻を加工することによって得ることができる。
非アルカリ塩
本発明による方法の一つの特徴は、水性アルカリ媒体中において、ある量の塩濃度を保証することによって、海藻の崩壊を回避できる点である。その塩濃度は、水性アルカリ媒体に非アルカリ塩を供給することによって達成される。それらの非アルカリ塩としては、NaCl及び/又はKClが挙げられ、任意には更に塩を用いることができる。それらの追加の塩は、原則的には任意のタイプであることができるが、コストを考えれば、もちろん、実際に有用な塩のタイプは限定される。適当な塩に関する別の制限係数は、媒体の塩基性度を低下させる酸として作用すべきではないということである。而して、適当な追加の非アルカリ塩は、ナトリウム、カリウム及び/又はカルシウムの硫酸塩、ならびに塩化カルシウムから選択できる。用いられる非アルカリ塩の量は、加工しようとする海藻と、塩のタイプとに左右される。NaClを塩として用いる場合、NaCl濃度は典型的には7%〜35%(w/v)である。他の種類の非アルカリ塩を用いる場合は、それらは、NaClに関して記載した範囲においてNaClの溶解抑制(未崩壊)効果に相当する濃度で、水性アルカリ反応媒体に含有させるべきである。当業者は、NaCl以外の他の非アルカリ塩の必要な濃度を明らかにする実験を容易に行うことができる(実施例1を参照されたい)。
様々な反応パラメーターのバランスをとる
上記のセクションから明らかなように、カラギーナンを溶解さないままで且つ海藻材料を崩壊させないままで、二成分海藻のカッパファミリーカラギーナン前駆体を変性するために提供する反応条件を得るために、いくつかのパラメーターのバランスをとらなければならない。海藻材料を崩壊させずに、反応工程を不均一に行うことができる条件を提供する反応パラメーターのそのような組合せの例は、いくつかのコンドラス(Chondrus)及びギガルティナ(Gigartina)海藻類に関しては、図2及び3から推論できる。
而して、Chondrus PEI類は、NaCl濃度が15%(w/v)以上であるときに、最大85℃の温度まで、1%KClを含む5%(w/v)溶液中で未溶解のままであることが図2から認められる。図3からは、溶液が、ChondrusPEIに関してNaClに比べてKClをより良好な溶解性抑制塩にするほんの15%(w/v)濃度でKClを更に含むとき、同じ種が、最大90℃の温度まで、5%(w/v)NaOH溶液中に未溶解のままであることが認められる。
高度の反応(カッパファミリーカラギーナンの変性)が望ましいときは、速い反応速度を与えるプロセスパラメーター値の組合せ:すなわち、全反応時間中において高いアルカリ度、及び高い温度が通常は選択される。例えば>5%(w/v)NaOH、60℃、3時間、及びこれらの条件下においてカラギーナンの溶解と海藻の崩壊とを抑制する塩濃度(状態図から決定される)。高度のカラギーナンの変性により、高いゲル度を有するカッパファミリーカラギーナンが得られる。
不完全なアルカリ変性
しかしながら、いくつかの場合では、海藻中のカッパファミリーカラギーナンの不完全アルカリ変性を達成するためのニーズが存在する。アルカリ変性を制限することによって、ゲル化力が劣るカラギーナンを製造できる。そのようなカラギーナンは、水の滲出又は離液が少ない低ゲル度のゲルを生成し、また、塗布性とクリーミーな食感が増しているゲルを製造するのに有利である。これらのカラギーナンは、乳製品のデザートを製造する場合に特に重要である。本出願では、これらのカラギーナンも、「ゲル化性カラギーナン」と選別される。そのような制限されたアルカリ変性は、低減アルカリ度、短縮された反応時間及び/又は低減温度の反応条件を用いることによって、提供できる。
低い反応度(カッパファミリーカラギーナンの変性)が望ましいときは、遅い反応速度を与えるプロセスパラメーター値の組合せ:すなわち、低い初期アルカリ度及び(更に重要なことには)低い最終アルカリ度が通常は選択され、必要ならば、温度も低下させ且つ及び時間も短縮させることができる。例えば、<1%(w/v)NaOH、60℃、2時間、及びこれらの条件下においてカラギーナンの溶解と海藻の崩壊とを抑制する塩濃度(状態図から決定される)。
対向流モード
本発明による方法を実行する好ましい仕方は、対向流プロセス機構を用いることである。そのような対向流プロセス機構により、プロセスで用いられる化学薬品が後のバッチを処理するときに再利用されるので、いくつかのバッチを処理するときに実質的なコストの低減が提供される。対向流プロセスを行うときには、反応媒体中に導入される海藻が乾燥していることが好ましい。又は、上流移動媒体の体積を低減させるための手段、例えば蒸発手段を提供して、上流移動媒体の体積を必要なだけ低減させることができる。対向流モードについて、図5を参照しつつ短く説明する。しかしながら、対向流プロセスを用いることによって、化学薬品を再利用する方法の完全な説明は、本出願人の同時継続特許出願WO…において開示されている。
図5において、アルカリ液回収ゾーン(Lye Recovery Zone)(LRZ)は、反応ゾーン(RZ)と更なる生成ゾーン(FWZ)との間に導入される。アルカリ液回収ゾーンは多くのタンクを含む。アルカリ液回収ゾーンにおける単一工程も可能であるが、一般的には、2,3又は4工程を通常は用いて、反応ゾーンで用いられるアルカリ塩及び非アルカリ塩を充分に回収する。始動時の状態では、本出願ではアルカリ液回収溶液と呼んでいる、アルカリ液回収ゾーンのタンクで用いられる水性液体は、高い塩濃度を有する水を含むことができる。多くのバッチを処理した後、定常状態に近づく。その状態では、各タンクは、それ以前のタンク中液体に存在していた濃度を下回るアルカリ及び他の溶質の濃度を有するアルカリ液回収溶液を含む。用いられるアルカリ液回収溶液ガラス転移温度、カラギーナンの溶解及び海藻の崩壊を抑制するのに充分である塩濃度を有することは不可欠である。そのような充分な塩濃度に関する情報を得るために状態図を再び参照する。図2及び3の状態図を見れば、簡便でコスト効率の良いアプローチは、温度が高過ぎないアルカリ液回収溶液を用いることである。
反応ゾーンでは、特定のアルカリ濃度及び特定の塩濃度を有する反応媒体タンク(R)中に配置された水性アルカリ媒体を、矢印(1)で示してあるように海藻タンク(SW)に移動させ、所望の程度までカラギーナンを変性するのに充分な時間、海藻に関して反応を実行する。その後で、使用した液体を矢印(2)で示してあるようにタンク(R)へと戻した。
アルカリ液回収ゾーンでは、アルカリ液回収溶液を、矢印(3)で示してあるように(L)から海藻タンク(SW)供給する。適当な時間海藻を加工する。反応工程では、海藻は、矢印(1)で示してあるように海藻に供給されたアルカリ溶液のいくらかを吸収したので、タンク(R)におけるアルカリ溶液の量は、元の量に比べて少ない。而して、(R)には、第一アルカリ液回収工程から、使用されたアルカリ液回収溶液を供給して、矢印(4)で示してあるように、(R)において、アルカリ溶液を元の量に戻す。その後で、矢印(5)で示してあるように、アルカリを加えることによって、必要ならば、非アルカリ塩を加えることによって、(R)におけるアルカリ度及び非アルカリ塩濃度を調整する(明らかに、この調整は、この特有な時点では行う必要はないが、バッチを処理する前には調整は行わなければならない)。次に、第一アルカリ液回収工程からの使用されたアルカリ液回収溶液の残りを、海藻タンク(SW)から(L)へと再循環させる。
次の工程では、アルカリ液回収ゾーンにおいて、アルカリ液回収溶液を、矢印(7)で示してあるように、(L)から海藻タンク(SW)へと供給する。適当な時間加工した後、矢印(8)で示してあるように、使用されたアルカリ液回収溶液を第二アルカリ液回収工程から(L)へと供給することによって、(L)におけるアルカリ液回収溶液の量を元の値まで戻す。次に、矢印(9)で示してあるように、使用されたアルカリ液回収溶液の残りを、第二アルカリ液回収工程から(L)へと再循環させる。
これらのアルカリ液回収工程の繰り返されるサイクルは、同様な方法で行うことができ、その方法では、アルカリ液回収工程における使用されたアルカリ液回収溶液の一部を、前の工程からのアルカリ液回収溶液が発生するタンクへとアルカリ液回収溶液を移動させ、且つ該アルカリ液回収工程における使用されたアルカリ液回収溶液の残りを、それが発生するタンクへと再循環させる。それは、n回のアルカリ液回収工程に関して矢印(10),(11)及び(12)で示してある。上記したように、2,3又は4アルカリ液回収工程で通常は充分である。しかしながら、わずか1回のアルカリ液回収工程、ならびに5つ、6つ又はそれ以上の工程が企図される。最後のアルカリ液回収工程の後、海藻は、本出願に記載されている更なる生成ゾーン(FWZ)において、更に加工及び分別できる。それは矢印(13)で示してある。システムにおける液体の上流移動に起因して、タンク(Ln)は補給が必要である。この補給のための液体源は、矢印(14)で示してあるように、例えば新鮮なアルカリ液回収溶液の外部供給源を用いることができる。
多くのバッチを加工すると、各アルカリ液回収タンク中のアルカリ度及び塩濃度が、更なるバッチの連続加工中に実質的に一定のままである定常状態に近づく。
分別工程(単数又は複数)
カラギーナン(一種又は複数種)を変性するための反応を達成するときは、本発明による方法のこの好ましい態様において、1つ以上の分別工程を更なる生成ゾーン(FWZ)において行って(図4に図示してある)、海藻材料中に依然として存在しているラムダファミリーを抽出する。
抽出媒体は水又は塩溶液であることができる。
しかしながら、比較的高含量のナトリウムイオンを反応工程で用いる場合、また水を抽出媒体として用いる場合、本発明方法のカッパファミリーカラギーナン最終生成物、すなわち半精製カラギーナン(SRC−カッパ)又は精製カラギーナン(RC−カッパ)は、スルフェート基に対する対イオンとしてかなりの程度のナトリウムイオンを有するカラギーナン生成物であることができる。これらのタイプのカラギーナンは、いくつかの目的のためには、そのゲル化特性の故にあまり望ましくないかもしれない。而して、そのような状態では、最終生成物を得る前に、イオン交換を行うことが望ましい。そのようなイオン交換は、ゲル化性カラギーナンがカッパカラギーナンである場合、典型的には、例えばKCl又はKSOのようなカリウム塩を用いて行って、ポリマースルフェート基に対する対イオンとしてかなりの程度のカリウムイオンを有する最終生成物を得る。
イオン交換が企図される場合には、海藻材料は、この場合における水性「抽出媒体」がイオン交換に必要とされるイオンを含むことを除いて、分別工程と同じ方法で行われる少なくとも1つの洗浄工程に暴露できる。而して、抽出媒体を含むタンクの1つ以上は溶液中にカリウムを含むことができる。
時々、更なる加工の前に、海藻を漂白することが望ましいかもしれない。前記漂白は、酸化剤を、例えば次亜塩素酸塩又は過酸化水素を、好ましくは最後の洗浄工程において、洗浄溶液に加えることによって、行うことができる
時々、アルカリ処理されたカッパファミリーを有する海藻を更に加工してカッパファミリーカラギーナン生成物(一種又は複数種)にする前に、すべてのアルカリを確実に洗い流すことが望ましいかもしれない。アルカリを洗い流すことは、分別工程の1つにおいて、好ましくは最後の分別工程において、弱酸性溶液で海藻を処理することによって行うことができる。
抽出媒体の温度は、海藻源のタイプに左右される。一般的には5℃〜70℃、通常は10℃〜50℃の温度を用いる。しかしながら、カッパカラギーナンを可溶化できる非常に高い温度は避けるべきである。
好ましくは、抽出媒体を加え、攪拌し、使用した抽出媒体を取り出すというサイクルの繰り返しを行って、所望の品質と満足のいく収率の最終生成物を得る。
SRC−カッパ又はRC−カッパを得るための更なるワークアップ
反応工程及び分離工程の後に、工程2)の後に得られた材料を含む固体カッパファミリー又は工程3)の後に得られた分画を含む固体カッパファミリーを、回収することができ、任意には、それ自体公知の方法で更にワークアップできる。而して、本発明による方法では、カッパカラギーナン生成物の半精製カラギーナン(SRC)タイプならびに精製カラギーナン(RC)タイプを製造できる。
精製カラギーナン(RC)を製造するための1つの方法は、抽出によって従来の精製を行う方法であって、該方法では、処理された海藻材料に水を加え、酸で中和して適当なpHにし、その後に加熱して海藻中に含まれているカラギーナンを溶解し、適当な固体/液体分離によって海藻を取り出し、例えばイソプロパノールによって選択的にカラギーナンを沈殿させ、その沈殿から水を除去し、乾燥させ、そして粉砕する。
従来技術は、いく種類かの海藻に関して精製の一部を、不均一に洗浄することによって選択的に行うことができる方法を開示している。その方法により、自動的に、海藻から決して溶解されなかった(抽出されなった)半精製カラギーナン(SRC)を低コストで製造することが可能になる。最終加工に関する更に詳細な説明は、U.S.5,801,240を参照されたい。
RC−ラムダを得るための更なるワークアップ
ラムダ含有抽出媒体をワークアップしてRC−ラムダ生成物を得ることができる。それは、抽出物を加熱し、真空下で、例えばパーライトフィルター助剤を用いて濾過することによって行うことができる。濾過後に、蒸発させることによって濾液体積を減少させることができる。次に、その溶液を冷却後にイソプロパノールで沈殿させることができる。次に、繊維状物質を分離させ、プレスし、乾燥させ、そして粉砕して、ラムダ−RC生成物を得ることができる。
(実施例)
ゲル化性能の測定
以下の実施例では、以下の性能評価法(performance grading method)を用いて得られた生成物のゲル化性能を測定した。
「評価法」は、グレード値が、媒体における生成物の機能的性能(functional performance)の値に比例しているという原則に基づいている。すべての方法の中で、グレード強度(grade strength)=100°(又は他の数、その物質に関して)を有する標準として、1つの正確な生成物サンプルを規定しなければならない。
而して、新しいサンプルがグレード強度50°を示す場合、標準と同じ性能を得るためには媒体中に二倍の用量が必要である。すなわち、50°サンプルの(商業的な)値は、100°サンプルの値の50%である。以下に記載した性能評価法のそれぞれにおいて、サンプル(SRC又はRC)のある濃度における機能的効果(例えば、ゲル強度又は粘度)について測定する。サンプルのこれらの濃度(「ターゲットサンプル濃度」)は、規定されたターゲットに近い強度を与えるために経験的に選択され、それにより、「グレード」は、内挿又は外挿によって計算できる。グレード値は、原則的に、媒体中におけるターゲット機能効果を与えるのに必要とされるサンプル濃度に逆比例し、且つ上記したように、規定されたグレード数を有する標準に基づいて規定される。
「グレード」は、サンプルの乾燥物質重量を基準として、次の項:すなわち100/(粉末中D.M.%)を掛けることによって得ることができる。D.M.(乾燥物質)は、105℃で4時間、乾燥キャビネット中で生成物を乾燥させる前と後の重量を測定することによって決まる。
ミルクゲル強度、°MIG−R及び°MIG−B
この方法は、ミルクデザート製品における生成物のゲル化特性を示すことを意図しており、グレード強度:すなわち、°MIG−R(2mm変形におけるミルクゲル剛性グレード)及び°MIG−B(破断点におけるミルクゲルグレード)を計算するのに役立つ。
ターゲットサンプル濃度の測定
サンプルは、例えばX°MIG−Rにおいて機能することが予期される場合、以下の手順で用いられるサンプル粉末のグラム量YはY=1.00g*(100/X)である。而して、例えばX=100°MIG−Rである場合、粉末量は1.00gであるべきであり、例えばX=50°MIG−Rである場合、粉末量は2.00gであるべきである。2つの異なるサンプル濃度Y及びYは、これに基づいて選択し、双方共にYの実測値に接近させて、適当な内挿又は外挿を可能にする。而して、以下で説明する手順は、各サンプル濃度について別々に行う。
この方法のための生成物サンプルの標準は:GENULACTA Carrageenan P−100−J,lot no.02 860−0であり、101°MIG−R(ターゲットR値40.0gにおいて測定された)及び114°MIG−B(ターゲットB値100gにおいて測定された)の各付けである。この標準を基準にしてサンプルのグレードを算出できるように、以下に記載した手順は、2つの異なるサンプル濃度について、またこの標準サンプルについて、別々に行わなければならない。
ミルクゲル調製
スキムミルク粉末50.0g(MILEX 240,MID Foods Ingredients amba)及びサンプルYg(Y=ターゲット濃度、上記のようにして決定される)を、風袋既知の1リットルのガラスビーカーに入れ、スパチュラでその粉末を混合する。攪拌しながら脱イオン水450gを前記ビーカーに加える。その混合物を水浴中で68℃に加熱し、攪拌しながら5分間その温度に保つ。次に、脱イオン水を攪拌しながら混合物に加えることによってビーカーの内容物を総重量500.0gにする。次に、その溶液を、2枚の結晶皿(直径70mm、高さ40mm、それぞれの皿には、皿の高さを50mm超にするために皿の垂直縁上に粘着テープが取り付けられている)の中に注ぐ。溶液の表面は、粘着テープによってなお閉じ込められているが、結晶皿のガラス縁を約10mm超えている。次に、その結晶皿を5℃にサーモスタットで調節された浴中に置く。冷却浴中で2.5時間後、ゲルが形成した。結晶皿を取り出し、粘着テープを縁から取り除き、ワイヤーチーズスライサーによってゲルの上面を同じ高さで水平に細断する。
ゲル測定
プランジャー直径1インチ及びプランジャー速度1mm/秒を用いて、SMS Texture Analyser Type TA−XT2によって、ゲルモジュラス及び破断強度を測定した。剛性R(モジュラス)を、ゲル表面を2mm沈降させるプランジャー圧力として記録する。破壊B(破断)を、ゲルが破断するときのプランジャー圧力として記録する。各測定は、2つのゲル皿のそれぞれについて測定し、平均する(Ravg.及びBavg.)。
グレード強度の計算
サンプル及び標準の双方について、40.0gの規定ターゲットR値を与えるのに要する濃度は、2つの生成物:すなわち、サンプル及び標準のそれぞれに関して得られた2つのRavg.値からの内挿又は外挿によって得られる。これらの計算される濃度は、それぞれYRSA及びYRSTとする。
°MIG−Rは:(YRST*101/YRSA)°MIG−Rと規定される。
同様に、100gの規定ターゲットB値に関して、2つの濃度YBSA及びYBSTそれぞれが見出される。
°MIG−Bは:(YBST*114/YBSA)°MIG−Bと規定される。
チョコレートミルク粘度、°CAM
この方法は、ホットプレスチョコレートミルク製品における製品の安定化性能を示すために意図され、冷チョコレートミルク粘度グレード強度:°CAMを算出するのに役立つ。
ターゲットサンプル濃度の測定
サンプルが、例えばX°CAMにおいて機能することが予期される場合、以下の手順で用いられるサンプル粉末のグラム量YはY=100mg*(100/X)である。而して、例えばX=100°CAMである場合、粉末量は100mgであるべきであり、例えばX=50°CAMである場合、粉末量は200mgであるべきである。3つの異なるサンプル濃度Y,Yは及びYは、これに基づいて選択し、すべてのサンプル濃度
をYの実測値に接近させて、適当な内挿又は外挿を可能にする。而して、以下で説明する手順は、各サンプル濃度について別々に行う。
この方法のための生成物サンプルの標準は:GENULACTA Carrageenan K−100,lot no.82 070−1であり、107°CAM(30cPのターゲット粘度において測定された)において規定される。この標準を基準にしてサンプルのグレードを算出できるように、以下に記載した手順は、3つの異なるサンプル濃度について、またこの標準サンプルについて、別々に行わなければならない。
チョコレートミルクの調製
スキムミルク粉末(MILEX 240,MD Foods Ingredients amba)35.0g及び脱イオン水350gを風袋既知の600mlビーカーに入れ、スパチュラで充分に混合する。次に、そのビーカーを74℃の水浴中に置き、絶え間なく攪拌する。
ココア(ADM ココア,脂肪10−12%,type D−11−MR)4.8g、砂糖24g及びサンプルYg(Y=ターゲット濃度、上記したように測定される)を風袋既知の250mlガラスビーカー中に入れ、その粉末をスパチュラで混合する。再構成したミルクの温度を50℃にしたら、250mlビーカーの粉末内容物をミルクへと定量的に移す。それを加熱し、温度68℃に達したら、その温度にサンプルを15分間保つ。次に、そのビーカーを5℃の冷却浴へと移し、スパチュラで攪拌しながら10℃に冷却する。ビーカー内容物の正味の重量を、徹底した攪拌下で脱イオン水を加えることによって400.0gとしてから、そのビーカーを冷蔵庫(3℃〜4℃)中に一晩置く。
粘度測定
16〜24時間後、ビーカーをサーモスタットで調節された水浴中に入れ5℃に保つ。内容物を穏やかに攪拌した後、チョコレートミルク170mlを粘度ガラス(内径50mm、外径110mm)へと移す。その粘度を、60RPMにおいてスピンドルno.1を用いて、30秒間回転させた後、Brookfield粘度計LVF又はLVTで測定する。引き続いて、連続している2つの読みの差が1.0cP未満になるまで、2〜4時間更に粘度を測定する。平均粘度Vavgが決まる。粘度が20〜50cP範囲の外側である場合、別のサンプル濃度で試験を繰り返す。
グレード強度の計算
サンプル及び標準の双方に関して、規定されたターゲットチョコレートミルクの5℃における粘度30cPを与えるのに要する濃度は、2つの生成物:すなわち、サンプル及び標準のそれぞれについて得られた3つのVavg値からの内挿又は外挿(片対数プロット)によって決定される。これらの計算された濃度は、それぞれYSA及びYSTと呼ぶ。
°CAMは:(YST*107/YSA)°CAMと規定される。
水の粘度、75℃、1%NaCl溶液、°λ(wah)
この方法は、水溶液中でカラギーナンの分子伸長(molecular extension)を仮測定するために開発された。而して、この方法は、溶液中におけるカラギーナン鎖の分子量及び剛性に関する指標を与えるべきである。この方法は、1.5%カラギーナンサンプル濃度を用いて75℃における水溶液粘度を測定するために、食品用公定化学品集によって導入された公知の方法から着想された。本方法における媒体は、サンプルの可変的残留塩含量の発生のための緩衝として作用するように充分に高いイオン強度を有するように選択した。更に、得られた1%NaCl水溶液媒体は、用途に直接関連のある性能を適当な水増粘性能にする様々な食品システムに匹敵するイオン強度も有する。
この方法は、熱水溶液粘度グレード強度:°λ(wah)を計算するのに役立つ。
ターゲットサンプル濃度の決定
サンプルが例えばX°λ(wah)で機能することが予期される場合、以下の手順で用いられるサンプル粉末のg量Yは、Y=1.89g*(100/X)である。而して、例えばX=100°λ(wah)である場合、粉末量は1.89g であるべきであり、例えばX=50°λ(wah)である場合、粉末量は3.78gであるべきである。しかしながら、多くの(最小で2つ)異なるサンプル濃度Y,Y…Yを試験し、すべての値をYの実測値に接近させて、適当な内挿又は外挿を可能にする。Y,Y…Yは、試験媒体として同じ濃度及び温度のNaCl溶液で連続希釈することによって展開される。而して、Yは、上記ターゲット粘度を与えるように選択して、その後の希釈(一回又は複数回)を行うことができる。
この方法のための生成物サンプルの標準は:サンプル乾燥物質重量を基準にして100°l(wah)において規定され、且つ60cPのターゲット粘度において測定されるGENUVISCO Carrageenan X−7055,lot no.14 80 090−0である。この標準を基準にしてサンプルの「グレード」を計算するために、この標準サンプルに関して、下記の手順も行わなければならない。
1%NaCl溶液の調製
磁気攪拌棒が取り付けてある風袋既知の800mlビーカーにNaClを5.00g、脱イオン水を450g及びサンプルをYg(Y=上限ターゲット濃度、上記したようにして測定される)入れる。次に、そのビーカーを80℃の水浴中に入れ、76℃〜77℃に達するまで攪拌し続ける。脱イオン水で最終調整して総溶液重量を500.0gとする。蒸発を防ぐためにカバーをする。
粘度計スピンドル+金属ガード、及び予備1%(w/w)NaCl溶液を有する別のビーカーを上記溶液と同じ温度まで加熱する。
粘度測定
60RPM及び75.0+/−0.2℃において、予熱したスピンドルno.1+ガードを用いているBrookfield LVF又はLVTによって、30秒後に粘度をビーカー中で直接測定する。続いて、2つの連続した読みの差が0.5cP未満になるまで、2〜3回更に示度を読取る。平均粘度V1,avgを求める。粘度が60cP未満である場合、別のサンプル濃度で試験を繰り返す。粘度が100cPを超えている場合、予備のNaCl溶液で適当に希釈し、その新しい濃度において、V1,avgが得られるまで測定を繰り返す。続いて、予備NaCl溶液で適当に希釈し、V2,avgが得られるまで測定を繰り返す。その手順を、最後のVn,avgが60cP未満になるまで続ける。
グレード強度の計算
サンプル及び標準の双方に関して、75℃において60cPの規定ターゲット粘度を付与するのに要する濃度は、2つの生成物:すなわち、サンプル及び標準のそれぞれについて得られた最も近い2つのVavg値からの内挿又は外挿(片対数プロット)によって決定される。これらの計算された濃度は、それぞれYSA及びYSTと呼ぶ。
°λ(wah)は:(YST*100/YSA)°λ(wah)と規定される。
インスタントスラリー粘度、20℃、全乳、°λ(mic)
この方法は、飲料、クリーム及び通気デザート(aerated desserts)のような冷インスタントミルク製品における製品の増粘性を示すことが意図され、且つグレード強度:°λ(mic)を計算するのに役立つ。
ターゲットサンプル濃度の決定
サンプルが例えばX°λ(mic)において機能することが予期される場合、以下の手順で用いられるサンプル粉末のg量Yは、Y=266mg*(100/X)である。而して、例えばX=100°λ(wah)である場合、粉末量は290mg であるべきであり、例えばX=50°λ(wah)である場合、粉末量は580mgであるべきである。しかしながら、多くの(最小で2つ)異なるサンプル濃度Y,Y…Yを試験し、すべての値をYの実測値に接近させて、適当な内挿又は外挿を可能にする。Y,Y…Yは、試験媒体として同じ濃度及び温度のNaCl溶液で連続希釈することによって展開される。而して、Yは、上記ターゲット粘度を与えるように選択して、その後の希釈(一回又は複数回)を行うことができる。
この方法のための生成物サンプルの標準は:サンプル乾燥物質重量を基準にして100°λ(mic)において規定され、且つ30cPのターゲット粘度において測定されるGENUVISCO Carrageenan X−7055,lot no.14 80 090−0である。この標準を基準にしてサンプルの「グレード」を計算するために、この標準サンプルに関して、下記の手順も行わなければならない。
全乳ミルクスラリーの調製
低温殺菌された脂肪分3.5%のミルク593gを、長さ3.8cm磁気攪拌棒が取り付けてある風袋既知の1,000mlビーカー(直径90mm、高さ180mm)に入れる。次に、そのビーカーを、サーモスタットで温度調節されている20℃の水浴中に置き、20+/−0.5℃となるまで攪拌し続ける。総溶液重量が600.0gになるまでミルクで最終調整する。微細メッシュで篩い分けられたサンプル(US #200又はDIN80)Yg(Y=上限ターゲット濃度、上記したように測定される)を、スプーン上グリセロール6g中に小さなスパチュラで分散させ、次に、700RPMで攪拌しながら、ミルクの中に定量的に分散させる。測定する前に15分間、同じ速度で攪拌し続ける。
同じミルクバッチの予備ミルク部分を有する別のビーカーを、上記溶液と同じ温度にサーモスタットを用いて保つ。
粘度測定
15分後、ミルクスラリーの粘度を、60RPM及び20.0+/−0.5℃において、予熱したスピンドルno.1+ガードを用いているBrookfield LVF又はLVTによって、回転30秒後にビーカー中で直接測定する。続いて、2つの連続した読みの差が0.5cP未満になるまで、2〜3回更に示度を読取る。平均粘度V1,avgを求める。粘度が30cP未満又は80cPを超える場合、別のサンプル濃度で試験を繰り返す。予備のミルク溶液で適当に希釈し、その新しい濃度において測定を繰り返してV2,avgを得る。V2,avgが55cPを超える場合、予備のミルク溶液で適当に希釈し、その新しい濃度において測定を繰り返してV2,avgを得る。最後のVn,avgが30cP未満となるまで、希釈及び再測定の手順を続ける。
グレード強度の計算
サンプル及び標準の双方に関して、20℃において30cPの規定ターゲット粘度を付与するのに要する濃度は、2つの生成物:すなわち、サンプル及び標準のそれぞれについて得られた最も近い2つのVavg値からの内挿又は外挿(片対数プロット)によって決定される。これらの計算された濃度は、それぞれYSA及びYSTと呼ぶ。
°λ(mic)は:(YST*100/YSA)°λ(mic)と規定される。
実施例1
この実施例では、図1の粘度図及び図2の状態図の作成方法を示す。
GBL−10海藻を約10kg(固形分75%〜80%)を細断して2cm〜4cmの小片にした。それらの小片を完全に混合した。
次に、5%(w/v)NaOHと1%(w/v)KClとを含むアルカリ原液20リットルを調製した。そのアルカリ原液を室温に保った。一連のNaCl溶液を、前記アルカリ原液を元にして調製した。それらのNaCl溶液は、それぞれ 0,5,10,15,20及び25%(w/v)のNaCl濃度を有していた。また、それらの溶液も室温に保った。
上記したそれらの6つのアルカリ溶液それぞれに関して、それらの1.8リットルを、240rpmで動作する実験室用攪拌機(クロスバープロペラ;Φ:50mm)を備えている加熱プレート上に載せられた3リットルビーカー中に入れた。各溶液を60℃まで加熱し、細断された海藻140gを、海藻が完全に浸漬するように加えた。各ビーカーに対して、問題のNaCl濃度を有するNaOH/KCl/NaCl溶液を加えて、総体積を2.0リットルにした。各懸濁液を60℃まで再加熱し、その温度で30分間保った。次に、5分あたり約2℃上昇するように加熱した。5℃毎に、以下のことについて観察した:すなわち、
−視覚による観察:崩壊、着色、溶解;
−粘度測定:問題となっている温度で液体サンプルを集めた。それを粘度ガラス(内部Φ:5050mm、高さ:115mm)の中に満たした。(スピンドル1を)30秒回転させた後、Brookfield LVF粘度計で測定した。
粘度の読みは以下の表2に記載してある。
一番右の欄には、各測定温度に関する「NaClの閾値濃度」が、溶液粘度の読みの上昇によって示されているようにカラギーナンの溶解を回避するために必要とされる最小NaCl濃度として推定されている。すべての場合において、海藻材料の初期崩壊に関する視覚による観察は、上記「閾値NaCl濃度」において又は未満において認められる。図1は、表2からのデータの図による説明である。NaClの5%及び0%の値それぞれに対応するグラフは、海藻の過剰な崩壊及びカラギーナンの溶解の起因して作成できなかったことに留意すべきである。
Figure 2005520871
実施例2
この実施例は、以下の3つの主な工程:すなわち、
1.アルカリ処理
2.洗浄、及び処理された海藻からのラムダ抽出
3.カッパ分画及びラムダ分画のワークアップ
へと分割できるすべて試験的規模の試験手順を説明するのに役立つ。
この実施例では、すべての以下に示す実施例におけるように、アルカリとしてNaOHを用い、アルカリ処理時間は2.5時間であった。本実施例では、海藻GSKを用い、また主要な非アルカリ塩として塩NaClを用いた。
1.アルカリ処理
アルカリ処理液を、5%(w/v)NaOH、23%(w/v)NaCl及び1%(w/v)KClを有する原液として調製した。まず最初に、NaOHを高温で溶かし、続いて塩を溶かした。室温に保った溶液から適当な量を取り、蒸解容器中で63℃に加熱し、その約38リットルを「反応器」中に入れた。反応器は、蓋と、円錐形底部出口(conical bottom outlet)及び出口バルブとが備わっている約50リットルの総容積を有するジャケット付容器であった。
乾燥海藻3.5kg(乾燥物質75%〜80%)を反応器に移し、液体中に完全に浸漬した。次に、アルカリ液を更に加えることによって液体レベルを40リットルに調整した。
アルカリ処理時間は、2.5時間であり、その間、反応器の内容物を時々攪拌し、温度は60℃+/−1℃において一定に保った。処理した後、20℃において、海藻を、ゲルの滲出の兆候について視覚的に観察し、また処理液を粘度について調べた。すべての場合において(その後の実施例において)、海藻は完全体のままであり、液体粘度は低く、すなわち10cP未満であった。
処理時間が終わったら、(対向流回収システムによってアルカリ液回収を行うことの効果を再現するために、同時継続出願No.WO…)処理液を、次の方法で希釈し且つ冷却した:すなわち、処理液24リットルを、底部バルブから抜き出し、廃棄した。その後で、処理液の残りを、抜き出し、10℃の冷たい水道水24リットルで希釈し、それを反応器に戻した。反応器の内容物を、加熱せずに、混合し、20分間静置し、その間反応器の内容物を時々攪拌した。これらの状態下で反応器温度は約30℃になった。
次に、海藻をゲルの滲出の兆候に関して視覚的に観察し、処理液を粘度に関して視覚的に観察し、また崩壊した海藻残留物の兆候をについて観察した。希釈した処理液を抜き取り廃棄した。湿潤し、処理され、またドレインされた海藻を取り出し、計量し、そして膨潤係数を決定した(湿潤出力重量を乾燥入力重量で割る)。
2.洗浄、及び処理した海藻からのラムダ抽出
湿潤処理した海藻を「抽出器」の1つのチャンバーに移した。抽出器の主要な部分は、それぞれ約100リットルの容積を有する3つの独立チャンバーに分割されていて且つ機械的作用を提供するための周縁バッフル(peripheral baffles)が備わっている円筒形回転バレルであった。追加の機械的衝撃を提供するために、約2kgのゴムコーティングされた砂袋も備わっていた。更に、各チャンバーには、海藻の入力及び出力を視認する窓、及びそれぞれに海藻保持グリッドとバルブが取り付けられている液体のための周縁出口スタブ(peripheral outlet stubs)が備わっている。抽出器は:Food Machinery Company A/S,Koge,Denmarkから供給されている"Fomaco vacuum tumbler in trisection"であり、元々は塩漬け肉を混転させために設計されている。
洗浄/抽出液(又は抽出媒体)は、水道水中1.0%(w/v)KClで調製し、約45℃まで加熱した。洗浄/抽出液30リットルを反応器に移し、回転を最大(14rpm)で開始させた。混転処理を40分間続け、その後で、液体を反応器から取り出し、保管した。
第二の洗浄/抽出工程を、新しい洗浄/抽出液を用いて、上記のようにして行った。
第三の洗浄/抽出工程も上記のようにして行った。しかしながら、第三の工程では、希釈硫酸を、pHが8.5〜9.0に低下するまで徐々に加えて、カッパ海藻中残留アルカリを中和させた。
最後には、使用された抽出液の3つの部分すべてを一緒にして:ラムダ抽出液を得た。
洗浄され、抽出され、中和され、そしてドレインされたカッパファミリー含有海藻を反応器から取り出した。いくつかの場合では(その後の実施例では)、中和は、実際的な理由から、最後のラムダ抽出工程で行わなかったが、その代わりに、その後の工程で、カッパファミリー海藻を80%イソプロパノール中にスラリーにし、硫酸を加えることによってpH8.0〜8.5まで中和し、最後にドレインした。前記工程から得られた生成物を:湿潤「SRC−カッパ」と呼ぶ。
3.カッパ分画及びラムダ分画のワークアップ
湿潤SRC−カッパ海藻を、最後に、乾燥するまで、60℃〜70℃の循環乾燥空気が備わっている乾燥キャビネットで乾燥させた。その後で、それを計量し、乾燥物質含量を測定し、そして残った材料を粉砕して、250ミクロンの篩(US#60又はDIN24)を通過する粉末を得た。得られた粉末は、乾燥「SRC−カッパ」と呼称され、約95%(w/w)の乾燥物質含量を有していた。
上記手順から得られた乾燥SRC−カッパを、以下の方法で、精製カッパ分画を調製するための原料として用いた:すなわち、乾燥SRC−カッパ200gを、約20リットルの総容積を有し且つ攪拌機が備わっている蒸気ジャケット付蒸解容器へと移す。総体積が18リットルに達するまで水道水を導入した。蒸解容器中の内容物を、攪拌しながら95℃に加熱し、次に、更に2時間、同じ温度で攪拌せずに保つ。次に、熱カッパ抽出液を真空を施用しながらパーライトフィルター助剤層を用いて熱濾過した。全量を濾過した後、濾過ケークを、濾液に加えられる熱水でフラッシュした。次に、全濾液を周囲温度まで冷却し、そして約1:3の体積比で80%(w/w)イソプロパノールを用いて、周囲温度において沈殿させた。繊維状沈殿を分離させ、ブレスし、そして60%(w/w)イソプロパノール中で洗浄すると、はじめに用いた量の1/3になった。その洗浄した沈殿を再びプレスし、次に、乾燥するまで、60℃〜70℃の循環乾燥空気が備わっている乾燥キャビネットで乾燥させた。その後で、それを計量し、乾燥物質含量を測定し、そして残った材料を粉砕して、250ミクロンの篩(US#60又はDIN24)を通過する粉末を得た。得られた粉末は、乾燥「RC−カッパ」と呼称され、約95%(w/w)の乾燥物質含量を有していた。
ラムダ抽出液を、約60℃まで加熱し、真空を施用しながらパーライトフィルター助剤層を用いて熱濾過した。全量を濾過した後、濾過ケークを、濾液に加えられる熱水でフラッシュした。次に、全濾液を、元の体積の約1/3に達するまで真空下で蒸発濃度にする。次に、周囲温度まで冷却し、そして約1:3の体積比で80%(w/w)イソプロパノールを用いて、周囲温度において沈殿させた。繊維状沈殿を分離させ、ブレスし、そして60%(w/w)イソプロパノール中で洗浄すると、はじめに用いた量の1/3になった。その洗浄した沈殿を再びプレスし、次に、乾燥するまで、60℃〜70℃の循環乾燥空気が備わっている乾燥キャビネットで乾燥させた。その後で、それを計量し、乾燥物質含量を測定し、そして残った材料を粉砕して、75ミクロンの篩(US#200又はDIN80)を通過する粉末を得た。得られた粉末は、「ラムダ分画」と呼称され、約95%(w/w)の乾燥物質含量を有していた。
本発明の方法と従来の方法との間のカラギーナン品質(グレード)及び海藻から得られる相対的カラギーナン量(収率)を比較できるように、カッパ成分とラムダ成分の両方を含む同時抽出(co-ex)生成物を生成させる従来の方法の一形態も次のようにして実行した:すなわち、乾燥海藻200g(乾燥物質含量75%〜80%)を、約20リットルの層容積を有し且つ攪拌機が備わっている蒸気ジャケット付圧力蒸解容器に移した。そこに水道水10リットルと一緒にCa(OH)を40gを加えた。蒸解容器を閉じ、容器の内容物を110℃まで加熱し、その温度で35分間攪拌しながら保持した。その後で、容器を95℃まで冷却し、排気し、18時間同じ温度で攪拌せずに保持した。次に、熱抽出液を、その中にCOを泡立たせることによってpH8.5〜9.0まで中和させ、そして真空を施用しながらパーライト濾過助剤層で濾過した。全量を濾過した後、濾液に加えられる熱水で濾過ケークをフラッシュした。次に、すべての濾液を、周囲温度まで冷却し、約1:3の体積比で80%(w/w)イソプロパノールを用いて、周囲温度において沈殿させた。繊維状沈殿を分離させ、ブレスし、そして60%(w/w)イソプロパノール中で洗浄すると、はじめに用いた量の1/3になった。その洗浄した沈殿を再びプレスし、次に、乾燥するまで、60℃〜70℃の循環乾燥空気が備わっている乾燥キャビネットで乾燥させた。その後で、それを計量し、乾燥物質含量を測定した。その残った材料を粉砕して、250ミクロンの篩(US#60又はDIN24)を通過する粉末を得た。得られた粉末は、乾燥「Co−ex RC」と呼称され、約95%(w/w)の乾燥物質含量を有していた。
その結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は3.6であった。RC−カッパの「カッパグレード」は、同時抽出の「カッパグレード」にほぼ等しいことが注目される。2つの比較した方法から得られる総収率は等しいように思われる。
Figure 2005520871
Figure 2005520871
実施例3
この実施例は:海藻としてGBL−10を用いた以外は、実施例2で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は6.8であった。RC−カッパの「カッパグレード」は、同時抽出の「カッパグレード」に比べてかなり高いことが注目される。2つの比較した方法から得られる総収率は等しいように思われる。
実施例4
この実施例は:海藻としてGBL−8を用いた以外は、実施例2で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は6.8であった。RC−カッパの「カッパグレード」は、同時抽出の「カッパグレード」に比べてかなり高いことが注目される。2つの比較した方法から得られる総収率は等しいように思われる。
実施例5
この実施例は:海藻としてGNLを用いた以外は、実施例2で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は4.4であった。RC−カッパの「カッパグレード」は、同時抽出の「カッパグレード」に比べてかなり高いことが注目される。本発明の方法から得られる総収率は、従来のタイプの方法に比べて低い。この事実は、図2及び3に示されているように、(好ましくはNaClの代わりにKClに基づく)アルカリ処理中において高い塩濃度を得るためにはこの海藻タイプが極めて必要であること:カラギーナン、おそらくラムダカラギーナンの溶解(及び損失)は、アルカリ処理後の希釈工程中に起こったかもしれないことによって説明できると考えられる。また、カッパ海藻の完全性の問題もラムダ抽出工程中に起こったかもしれない。それにより、ラムダ分画の赤外吸収スペクトルから分かるようにラムダ分画(930cm−1における吸収)中にカッパカラギーナンの含量が生じ、またおそらく、表3で認められるように比較的低いラムダグレード(冷ミルク増粘効果)の原因である。
実施例6
この実施例は:海藻としてChondrus PEIを用いた以外は、実施例3で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は2.5であった。RC−カッパの「カッパグレード」は、同時抽出の「カッパグレード」に比べていくぶん高いことが注目される。2つの比較した方法から得られる総収率は等しいように思われる。
実施例7
この実施例は:海藻としてChondrus NSを用い、またラムダ抽出液温度が25℃であった以外は、実施例3で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は2.7であった。RC−カッパの「カッパグレード」は、同時抽出の「カッパグレード」とほぼ同等であることが注目される。本発明の方法から得られる総収率は、従来のタイプの方法に比べて高い。この事実は、化学分析によっても示されているように、ラムダ分画が高度に(同時沈殿塩によって)汚染されているということで説明できると考えられる。それは、粘度グレードが、ラムダサンプルに関して実際に測定できないという事実によって支持される。
実施例8
アルカリ変性中に23%(w/v)NaCl+1%(w/v)KClの代わりに24%(w/v)KClを用い、またラムダ抽出液温度が30℃ではなく40℃であった以外は、実施例4で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は2.4であり、実施例4で得られた膨潤係数6.8に比べてはるかに低く、Kイオンの優勢を反映している。それは、反応工程で塩濃度を増加させるための対向流回収システムを用いることを企図する場合に重要である(出願人の同時継続出願no WO…)。実施例4のように、GBL−8の別のロットを用いているが、RC−カッパの「カッパグレード」は、同時抽出の「カッパグレード」に比べてかなり高いことが注目される。2つの比較した方法から得られる総収率はほぼ等しいように思われる。この試験では、全部で45%の予期外に高いラムダ収率を得たが、得られた「ラムダグレード」は実施例4に比べて低かった。この試験におけるKイオンの優勢は、総ラムダ抽出収率に関して抑制効果を有していないようであることが注目される。
実施例9
アルカリ変性中に5%(w/v)NaOHの代わりに1.5%(w/v)NaOHを用いた以外は、実施例2で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は、実施例2と同等な3.0であった。プロセス全体において、海藻の完全性が充分であることが観察された。実施例2と比較して、GSKの同じロットを用いると、RC−カッパ及びSRC−カッパの「カッパグレード」は、かなり低いことが注目される。それは、アルカリ変性のためにわずか1.5%のNaOHを用いていることからアルカリ変性が不完全であることに起因している。3つの比較した方法(実施例2+9)から得られる総収率はほぼ等しいように思われる。得られたラムダ収率及び「ラムダグレード」は、実施例2で得られたそれらにほぼ等しい。
実施例10
アルカリ変性中に5%(w/v)NaOH及び23%(w/v)NaCl+1%(w/v)KClの代わりに1.5%(w/v)NaOH及び16%(w/v)KCl+8%(w/v)NaClを用いた以外は、実施例3で説明した手順で行った。結果は表3に示してある。ラムダ抽出前の湿潤SRC−カッパの膨潤係数は、実施例3で得られた膨潤係数6.8に比べてはるかに低い2.5であり、それはKイオンの優勢を反映している。プロセス全体において、海藻の完全性が充分であることが観察された。実施例3と比較して、GBL−10の同じロットを用いていないが、RC−カッパの「カッパグレード」は、かなり低いことが注目される。それは、アルカリ変性のためにわずか1.5%のNaOHを用いていることからアルカリ変性が不完全であることに起因している。3つの比較した方法(実施例2及び9)から得られる総収率は、実施例3で得られたそれにほぼ等しかった。
実施例11
実施例9及び10で示されているように、アルカリ変性プロセスのために用いたアルカリの濃度を5%(w/v)から1.54%(w/v)へと低下させると、試験した海藻の「カッパグレード」がいくらか低下する。そのような低下は、例えば「こく(body)」及び「食感」として知られている感覚刺激特性を向上させることによって、しばしば相殺されるようなある種の用途では望ましいかもしれない。おそらく、前記の低下は、カッパ−イオタハイブリッドカラギーナン鎖の繰り返し単位の一部分を形成しているα−DグルクトースモノマーのC−6の二硫酸化が不完全であることに起因している。ラムダカラギーナン鎖の一部分を形成している対応モノマーのC−6の二硫酸化が同様に減少すると、表3で認められるように、例えば°λ(wah)パラメーターにおいて一時的に反映可能であるような溶液中分子伸長を低下させることが予期されると考えられる。実際に、実施例9を実施例2と、及び実施例10を実施例3と比較すると、低下が認められるが、表面上は劇的ではない。しかしながら、冷ミルクにおいて瞬時増粘効果と関連がある他のパラメーター°λ(mic)は、対応変化をまったく示さない。
上記の結果を考慮にして、アルカリ変性プロセスのために用いられるアルカリ(NaOH)の一連の異なる濃度を、手動で選別されたギガルティナ・ラムダ(Gigartina lambda)植物体の市販の2種類の小さなロット:すなわちGSK−1及びGBL−1に関して試験した。実験手順は、実施例2で概説した一般的な工程を行った。以下で簡単に説明する:
アルカリ処理
すべて23%(w/v)NaCl及び1%(w/v)KClを有するが、NaOHの濃度が異なる原液としてアルカリ処理液を調製した:表4を参照されたい(注:0%NaOHの場合、プロセスの開始時に、NaCOによって処理液のpHを9.5に調整してカラギーナンの崩壊を防止した)。まず最初にNaOHを高温で溶かし、次に、その塩を溶かした。室温に維持した溶液から適当に分取したものを蒸解容器中で63℃に加熱し、その溶液の約17リットルを「反応器」中に入れた。その反応器は、サーモスタットで温度制御された蒸気ジャケット付蒸解容器であり、その総容積は約20リットルであり、攪拌機と、バルブを有する円錐形底部出口とが備わっている。
乾燥ラムダ海藻450g(乾燥物質75%〜80%)を反応器に移し、液体中に完全に浸漬した。続いて、追加のアルカリ液で液体レベルを18リットルに調整した。アルカリ処理時間は2.5時間であり、その間、反応器の内容物を時々攪拌し、温度は60℃+/−1℃に保った。
処理が完了したら、処理液を希釈し、次の方法で冷却する:すなわち、処理液10.8リットルを底部バルブから抜き出し、廃棄した。その後で、処理液の残りを抜き出し、10℃の冷水道水10.8リットルで希釈して、それを反応器に戻した。反応器の内容物を混合し、加熱せずに20分間静置し、その間に時々反応器の内容物を攪拌した。
湿潤した処理海藻を反応器中に入れたままで、希釈した処理液を抜き出し廃棄した。
ラムダ抽出及びワークアップ
洗浄/抽出液は、水道水中1.0%(w/v)KClで調製し、約45℃まで加熱した。洗浄/抽出液を18リットルレベルに達するまで反応器に移し、最大速度で攪拌機を始動させた。抽出を20分間続け、その後で、湿潤処理海藻を反応器中に入れたままで、液体を反応器から抜き出し、保管した。
第二及び第三の洗浄/抽出工程を、新しい洗浄/抽出液を用いて、上記のようにして行った。最後には、使用された抽出液の3つの部分すべてを一緒にして:ラムダ抽出液を得た。固体の抽出されたラムダ海藻残留物を廃棄した。
最後に、ラムダ抽出液をワークアップして、実施例2で説明したように粉末にし、各サンプルについて「ラムダグレード」を測定した。
その結果は表4及び図6に示してある。2つの異なる海藻から得られたデータからは、°λ(wah)パラメーターによって仮に反映されている分子伸長は、アルカリ処理強度が少なくとも0〜2%(w/v)NaOHの範囲で上昇すると低下するが、NaOH濃度が2〜5%(w/v)のときは、ほぼ一定になることが明確に確認される。
対応する°λ(mic)パラメーターも、0〜2%(w/v)NaOHの範囲で変化を示し、NaOH濃度が2〜5%(w/v)のときは、ほぼ一定になる。
このことは、より強いアルカリ溶液(>5%(w/v)NaOH)を、選択した処理温度60℃において、分子伸長にも冷ミルク増粘効果にも更なる有意な影響を与えることなく用いることができることをおそらく意味している。
また図6からは、°λ(wah)及び°λ(mic)は、0〜2%(w/v)NaOHの範囲で処理したとき、そして2種類の異なる海藻を比較すると、逆の傾向を示すことも明らかである。
°λ(wah)又は°λ(mic)又はいくつかの完全に異なるパラメーターであろとも、ラムダ分画に関して最も適当な数値表示品質パラメーター(value−indicative quality parameter)が何であるかは明確ではないことに留意すべきである。いくつもの品質パラメーターが存在しているが、各品質パラメーターが特定の用途に関して適しているならば、その品質パラメーターは、その用途に関して有用な品質パラメーターである。
これらの観察結果は、本発明の方法によって、ユーザーが、一連の異なる潜在的に価値のあるラムダ生成物を、混合海藻(一連の異なる潜在的に価値のあるカッパ生成物もその後に生成させる)に関して異なるアルカリ処理を行うことによって直接に製造できることを示唆している。
表3の「ラムダグレード」を見ると、値が広く分散していることが注目される。本実施例からのデータ(表4)と比較すると、平均レベルにおけるある程度の差は、選別されたGigartinaラムダ植物体に起因している。しかしながら、この差が、海藻サンプルに起因する任意の差のみによるものかどうか、又は本発明の慣れた試験的な分別プロセスに関連付けることができるかどうかは、この段階では分からない。
Figure 2005520871
実施例12
この実施例では、GSK海藻を、図5の設定と同様なバッチタイプのプロセスで加工したが、該プロセスは、1つの反応工程、4つのアルカリ液回収工程、及び1つだけの対向流洗浄工程(図5には図示されていない)を含んでいた。反応器は6mの容積を有し、貯蔵タンクのそれぞれは206mの容積を有していた。反応媒体の温度は60℃であり、アルカリの濃度は5%(w/v)NaOHであり、処理時間は試験中において1〜3時間で変化させた。始動状態における他のパラメーターは以下の表5に示してある。
Figure 2005520871
試験手順
不均一反応
GSK海藻400kg(固形分70%〜75%)を回転有孔ドラム反応器の中に入れ、その反応器を、反応媒体を含むタンクからの5%(w/v)NaOH溶液で満たした。反応は、1〜3時間進行させ、その間、温度は60℃に保った。
反応時間が完了したら、消費されたアルカリ液溶液をポンプで緩衝タンク中に入れ、次に、それを、一定の間隔で混合タンクへと移し、そこで、新しいNaOHペレット及びアルカリ液回収液体を加え、最後に反応媒体貯蔵タンクへと戻す。この方法では、反応媒体貯蔵タンク中のアルカリ溶液は5.0%(w/v)に維持した。
アルカリ液の回収
第一アルカリ液回収工程:第一アルカリ液回収貯蔵タンクからの約25℃に保たれた液体を6000リットルに達するまで反応器中に満たした。有孔ドラムを接触時間10分で回転させた。次に、そのアルカリ液回収液体の一部を上記混合タンクへと上流に移動させて、反応媒体の乾燥海藻の吸収によって生じる液体の不足を補った。そのアルカリ液回収液体の残りは、第一アルカリ液回収セクションのタンクへと再循環させた。
第二アルカリ液回収工程:第二アルカリ液回収貯蔵タンクからの約20℃に保たれた液体を反応器中に満たし、有孔ドラムを接触時間10分で回転させた。次に、そのアルカリ液回収液体の一部を第一アルカリ液回収セクションのタンクへと上流に移動させて、そこで発生した液体の不足を補った。そのアルカリ液回収液体の残りは、第二アルカリ液回収セクションのタンクへと再循環させた。
第三及び第四のアルカリ液回収工程は、第二アルカリ液回収工程で説明したのと同じ方法で行った。
抽出
アルカリ液回収手順が完了したら、海藻を洗浄した。洗浄は、約20℃に維持された抽出媒体貯蔵タンクからの液体を、6000リットルのレベルに達するまで反応器中に導入することによって行った。第一次亜塩素酸ナトリウム及び第二硫酸を加えて、カッパ海藻分画の漂白及びpHを約8.5への中和と、ラムダ溶液分画の崩壊とを達成させながら、第一有孔ドラムを20分間回転させた。次に、この抽出媒体の一部を、第四アルカリ液回収セクションのタンクへと上流に移動させて、そこで生じた液体の不足を補った。その残りはポンプでドレインした。
SRC−カッパのワークアップ
一定の湿潤SRC−カッパ分画バッチを、細かく切って、乾燥空気に暴露して、3%〜8%の残留湿度を得た。その乾燥材料を粉砕して、250ミクロンの篩を通過できる粒子サイズを得た。最終生成物は、SRCと呼び、残留含水率は約5%である。
RC−カッパのワークアップ
95℃の水で抽出し、パーライトで濾過して透明な濾液を生成させ、それを冷却し、KClを導入することによってゲル化して約1%(w/v)KClのゲル中濃度を生成させ、そしてゲルプレスしてゲルの含水量の大部分を除去することによって、湿潤SRC−カッパ分画バッチの残りを精製した。ゲルプレスケークを、乾燥させ、粉砕して、250ミクロンの篩を通過できる粒子サイズにした。最終生成物は、RCと呼び、残留含水率は約5%である。
結果
試験から得られた結果は表6に示してある。
Figure 2005520871
RC−カッパの総収率は、海藻を基準として(双方共に乾燥物質基準)約37%であった。消費された洗浄液から得られたサンプルは、アルコール沈殿可能な含量は約0.7%を示した。その含量の大部分はラムダカラギーナンから成っていた。
密度が試験中を通じてほぼ一定であることが注目され、それは、始動状態に関して規定された総溶質濃度レベルが試験中大部分維持されていること、また実質的に定常状態であったことを示している。また、反応媒体の粘度が上昇傾向を有していることも注目され、おそらくそれは、ラムダカラギーナンを含む消費された洗浄液の一部を上流に移動させることに一部起因している。
本願明細書では°CAMとして測定される「カッパグレード」を、実施例2から得られたデータと比較すると、良好な粘稠度(consistency)が存在することが注目される。実施例2で用いたGSK海藻ロットを本試験でも用いた。
而して、実施例としてGSKを用いる本実施例は、実施例2〜10によって示された原則は、反応工程において高い塩濃度を増加させるために、またプロセスのためのアルカリ消費を節約するために、対向流回収システム(出願人の同時継続出願No.WO…も参照されたい)と共に大規模に実行できることを証明している。また、カッパ分画の獲得可能な生成物品質は、実験的規模で行われた実施例2で得られたそれに匹敵することも証明している。
本発明に関する上記説明は、多くの方法で本発明を変化させ得ることが明らかであることを示している。そのような変更は、本発明の範囲から逸脱するものとは考えられない、また、当業者には明らかであるすべてのそのような改良は、上記請求の範囲に包含されるものと考えられる。
図1は、異なるNaCl濃度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClの条件下で、温度の関数としてGBL−10(チリのX地方産のGigartina radula“broad leaf”)の粘度測定値を記載している図である。 図2は、異なる温度において、5%(w/v)NaOH及び1%(w/v)KClのアルカリ度の条件下で不溶化された異なる二成分海藻においてゲル化性カラギーナンを維持するためのNaClの閾値濃度を示している状態図である。 図3は、NaClの代わりにKClを用いる他は図2と同じ方法で作成された状態図である。 図4は、本発明の方法を実行するための1つのモードを記載している単純な流れ図である。 図5は、反応ゾーンと更なるワークアップゾーンとの間に対向流機構が確立される本発明による方法を実行する好ましいモードを示している図である。 図6は、異なるアルカリ濃度における、GSK及びGBLのラムダカラギーナンの水及びミルク中における粘性を示している図である。

Claims (30)

  1. 1)カッパファミリー前駆体(一種又は複数種)をゲル化性カッパファミリーカラギーナン(1種又は複数種)へと所望の程度まで変性できるOH濃度及び温度を有する水性アルカリ媒体中における不均一反応工程;
    2)液相からカラギーナン(一種又は複数種)を含む固体処理材料を分離するための分離工程;
    3)工程2)で得られた固体処理海藻材料を、水性抽出媒体で処理して、過剰のアルカリを洗い流し且つラムダファミリーカラギーナン(一種又は複数種)を抽出し;ゲル化性カッパファミリーカラギーナン(一種又は複数種)を含む固体分画及びラムダファミリーカラギーナン(一種又は複数種)を含む液体分画を得る任意の1つ以上の分別工程;
    4a)工程3)で得られた固体分画を任意に乾燥及び任意に粉砕して、半精製カッパカラギーナン(SRC−カッパ)を得る工程;及び/又は
    4b)工程3)及び/又は工程4a)で得られた固体分画を任意に更に抽出、精製及び単離して、精製カッパファミリーカラギーナン(RC−カッパ)を得る工程;
    5)工程3)で得られた液体分画を任意に更に加工して(精製及び単離の工程を含む)、精製ラムダファミリーカラギーナン(RC−ラムダ)を得る工程;
    6)工程2)で得られた固体材料を任意に更に抽出、精製及び単離して、カッパファミリーカラギーナンとラムダファミリーカラギーナンとの精製混合物(RC)を得る工程
    に海藻を暴露して、特に二成分海藻からカッパファミリーカラギーナンとラムダファミリーカラギーナンとを含む海藻からカラギーナンを製造する方法であって、且つ工程1)で用いられた該水性アルカリ媒体が、海藻の崩壊を実質的に防止するのに充分な、またその中に存在している該カラギーナンの溶解を実質的に防止するのに充分な最大で飽和濃度までNaCl及び/又はKCl及び任意に他のアルカリ塩の含量及び組成を有することを特徴とする前記方法。
  2. 加工される該海藻が、一成分海藻類と二成分海藻類との混合物を含む請求項1〜3記載の方法。
  3. 該海藻が、二成分海藻である請求項1〜2記載の方法。
  4. 該海藻が、スギノリ目(order Gigartinales)のスギノリ科(families Gigartinaceae)又はオキツノリ科(families Phyllophoraceae)の1つに属する請求項3記載の方法。
  5. 該海藻が、 ツノマタ属(genera Chondrus)、スギノリ属(genera Gigartina)又はギンナンソウ属(genera Iridaea)の1つに属する請求項4記載の方法。
  6. 該海藻が、ヤハズツノマタ(Chondrus crispus)、ツノマタ(Chrondrus ocellatus)、ギガルティナ・ラドゥラ(Gigartine radula)、ギガルティナ・シャミソイ(Gigartina chamissoi)、ギガルティナ・ピィスティラータ(Gigartina pistillata)、ギガルティナ・ステラタ(Gigartina stellata)、ギガルティナ・アシキュラリス(Gigartina acicularis)又はギガルティナ・カナリキュラータ(Gigartina canaliculata)の種の1つに属する請求項5記載の方法。
  7. 工程3)で得られた液体分画を、工程5)における精製及び単離の前又は間に、追加の変性アルカリ処理に暴露する請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
  8. 工程3)で得られた固体分画を、工程4)の更なるワークアップの前又は間に、追加の変性アルカリ処理に暴露する請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 加工される海藻がコンドラスNS(Chondrus NS)を含み、該水性アルカリ媒体が、NaOHとして計算されたアルカリ度0〜12%(w/v)、KCl濃度0〜15%(w/v)、NaCl濃度0〜20%(w/v)、又は別の塩混合物及び等価な溶解抑制効果を与える濃度、及び40℃〜90℃の温度を有する請求項6記載の方法。
  10. 加工される海藻がコンドラスPEIを含み、該水性アルカリ媒体が、NaOHとして計算された0〜12%(w/v)のアルカリ度、0〜15%(w/v)のKCl濃度、0〜20%(w/v)のNaCl濃度、又は別の塩混合物及び等価な溶解抑制効果を与える濃度、及び40℃〜90℃の温度を有する請求項6記載の方法。
  11. 加工される海藻がGSKを含み、該水性アルカリ媒体が、NaOHとして計算されたアルカリ度0〜12%(w/v)、KCl濃度0〜15%(w/v)、NaCl濃度0〜25%(w/v)、又は別の塩混合物及び等価な溶解抑制効果を与える濃度、及び40℃〜90℃の温度を有する請求項6記載の方法。
  12. 加工される海藻がGBL−8を含み、該水性アルカリ媒体が、NaOHとして計算されたアルカリ度0〜12%(w/v)、KCl濃度0〜30%(w/v)、NaCl濃度を
    最大で飽和濃度まで、又は別の塩混合物及び等価な溶解抑制効果を与える濃度、及び40℃〜90℃の温度を有する請求項6記載の方法。
  13. 加工される海藻がGBL−10を含み、該水性アルカリ媒体が、NaOHとして計算されたアルカリ度0〜12%(w/v)、KCl濃度0〜25%(w/v)、NaCl濃度0〜30%(w/v)、又は別の塩混合物及び等価な溶解抑制効果を与える濃度、及び40℃〜90℃の温度を有する請求項6記載の方法。
  14. 加工される海藻がGNLを含み、該水性アルカリ媒体が、NaOHとして計算されたアルカリ度0〜12%(w/v)、KCl濃度を最大で飽和濃度まで、NaCl濃度を20%(w/v)〜飽和濃度まで、又は別の塩混合物及び等価な溶解抑制効果を与える濃度、及び40℃〜90℃の温度を有する請求項6記載の方法。
  15. 工程1)、2)及び3)を、用いる該液体を該反応器へと及び該反応器から供給及び取り出すことによって、該海藻を含む単一反応器において実行することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の方法。
  16. 工程1)、2)及び3)を、その中で該海藻を移動させる水性アルカリ媒体と水性抽出媒体とをそれぞれ含む複数のタンクで行う請求項1〜14に記載の方法。
  17. 工程1)と工程2)との間に1種類以上のアルカリ液回収溶液を含む1つ以上のアルカリ液回収工程のシリーズを更に含み、且つ1つのバッチにおいて工程1)で得られた使用した水性アルカリ媒体を、後のバッチを処理するときに工程1)で再利用し、またその場合、該アルカリ液回収工程のそれぞれのために、1つのバッチにおいて得られた使用したアルカリ液回収溶液の少なくとも一部を、後のバッチで処理するときに、この工程以前の工程で再利用し、またその場合、1つのバッチにおいて得られた該使用したアルカリ液回収溶液の残りを、後のバッチを処理するときに同じ工程で再利用し、それにより、該方法で用いられた該水性アルカリ媒体の回収を可能にすることを特徴とする、海藻の、特に乾燥海藻の1つ以上のバッチを加工するための請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
  18. 工程3)における該分別工程の少なくとも1つにおける該水性媒体が、該カラギーナンポリマーに対して結合されたカチオンをカリウムイオンで交換するためのカリウム塩を含む請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
  19. 工程3)における該工程の少なくとも1つにおける該水性媒体が、該海藻を漂白するために、例えば次亜塩素酸塩及び/又は過酸化水素のような漂白剤を含む請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
  20. 該カッパファミリー前駆体(一種又は複数種)の変性度が、完全変性に達していない請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
  21. 該カッパファミリー前駆体(一種又は複数種)の変性のために必要とされるOH濃度が、工程1)における該水性アルカリ媒体中においてKOH、NaOH、NaCO、燐酸ナトリウム、KCO、燐酸カリウム及びアンモニアから選択される1種類以上のアルカリを用いることによって提供される請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
  22. 該カッパファミリー前駆体(一種又は複数種)の変性のために必要とされるOH濃度が、工程1)における該水性アルカリ媒体中でNaOH及び/又はKOHを用いることによって提供される請求項21記載の方法。
  23. 工程1)、工程2)及び工程6)のみを行う請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  24. 工程1)、工程2)、工程3)及び工程4a)のみを行う請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  25. 工程1)、工程2)、工程3)及び工程4b)のみを行う請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  26. 工程1)、工程2)、工程3)、工程4a)及び工程4b)のみを行う請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  27. 工程1)、工程2)、工程3)、工程4a)及び工程5)のみを行う請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  28. 工程1)、工程2)、工程3)、工程4b)及び工程5)のみを行う請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  29. すべての工程、すなわち工程1)、工程2)、工程3)、工程4a)、工程4b)及び工程5)を行う請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
  30. 請求項1〜29のいずれかに記載の方法によって得ることができるカラギーナン生成物。
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