JPH0699486B2 - 甲殻類の処理方法 - Google Patents

甲殻類の処理方法

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JPH0699486B2
JPH0699486B2 JP2077030A JP7703090A JPH0699486B2 JP H0699486 B2 JPH0699486 B2 JP H0699486B2 JP 2077030 A JP2077030 A JP 2077030A JP 7703090 A JP7703090 A JP 7703090A JP H0699486 B2 JPH0699486 B2 JP H0699486B2
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章清 元上
仲道 山崎
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財団法人北海道地域開発研究所
章清 元上
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えばカニ、エビ、昆虫類等の甲殻類の処理
方法に関するものである。 特に、本発明は、例えばカニ、エビ、昆虫類等の甲殻類
のクチクラから、クチクラに含有される炭酸カルシウム
等を成分とする無機塩、タンパク質、キチンを脱灰処理
及び脱タンパク質処理、さらには必要に応じて脱アセチ
ル化処理することによりキトサンを生成する方法に関す
るものである。
【発明の背景】
キチンは、N−アセチル−D−グルコサミン残基が多数
β−(1,4)結合した天然高分子であり、キトサンはキ
チンの分子中のアセトアミド基(NHCOCH3)を加水分解
して脱アセチル化(脱CH3COOH)したもので、D−グル
コサミン残基が多数β−(1,4)結合した天然高分子で
ある。 そして、キトサンは、例えば排水浄化凝集剤、化粧品素
材、食品素材、医薬品及び医療品素材として多方面の用
途が期待されているバイオマス資源であると言われてい
る。 現在、キチンやキトサンの原料は、食品加工場で廃棄さ
れているカニやエビの殻(クチクラ)であり、これらの
クチクラは、下記の表1に示す如く、主にキチン、タン
パク質及び炭酸カルシウムの3成分からなり、キチンの
含有量は10〜30%程度である。 ところで、クチクラからキチンを単離する現在の製法
は、第8図に示す如く、クチクラの粉末1に対して50倍
量の希塩酸(2NのHCl)を用い、室温下の条件で〜48時
間かけて反応させることにより無機塩の除去を行い、次
いでこの脱灰物に30倍量のカセイソーダ水溶液(1NのNa
OH)を添加し、そして36時間もの長時間にわたって煮沸
してタンパク質を除き、そのあと水、エタノール、エー
テル等で順次洗浄して、キチンを単離生成している。 しかしながら、このような方法は、長時間かけての希塩
酸、熱希カセイソーダによる処理である為、キチン自体
に解重合、脱アセチル化などの変性を招来し、反応設備
も大型なものである等の問題がある。 尚、このキチンを原料として、40〜60%の濃カセイソー
ダ溶液で3〜5時間加熱すると、脱アセチル化されたキ
トサンが得られる。 又、キトサンの工業的製法を目的として、腐敗防止のた
め除タンパクを先に行ったり、原料の粉砕形状に種々の
考慮が払われたり、そして脱灰処理においては希塩酸の
代わりにEDTAを用いる方法が、又、徐タンパクにおいて
は熱希アルカリの代わりにプロテアーゼ産生菌を用いる
方法が、さらに菌類の細胞壁に含まれるキチン及びキト
サンの存在に着目し、菌類の大量培養によってキトサン
を抽出する方法が試みられているが、実用化には至って
いない。 このようにクチクラからキトサンを生成するには、これ
までの方法では〜数日といったかなりの時間がかかり、
脱灰、脱タンパク質、脱アセチル化の3工程を要し、そ
して反応工程がバッチ式である為、設備が大型化し、制
御性が悪く、生産性も低い。
【発明の開示】
本発明の第1の目的は、甲殻類のクチクラからキトサン
を得るのに長時間を要さず、生産性が高い甲殻類の処理
方法を提供することである。 本発明の第2の目的は、甲殻類のクチクラからキトサン
が高収率で得られ、生産性が高い甲殻類の処理方法を提
供することである。 本発明の第3の目的は、甲殻類のクチクラから得られる
キトサンの純度が高い甲殻類の処理方法を提供すること
である。 上記本発明の目的は、甲殻類のクチクラと酸性溶液とを
混合し、約100〜150℃の温度条件下で反応させ、クチク
ラの灰分を脱灰することを特徴とする甲殻類の処理方法
によって達成される。 尚、この甲殻類の処理方法において、反応脱灰後の溶液
を濾過し、残渣を水、アルコールで洗浄することが、
又、さらに反応脱灰物とアルカリ溶液とを混合し、約12
0〜180℃の温度条件下で脱アセチル化反応を行うこと
が、又、脱アセチル化反応後の溶液を濾過し、水、アル
コールで洗浄することが好ましい。 又、上記甲殻類の処理方法において、甲殻類のクチクラ
は粉末状に粉砕されていることが好ましく、そして粉末
状クチクラ1重量部対して酸性溶液、例えば2NのHCl水
溶液が約10〜30体積部用いられる。 又、反応脱灰物とアルカリ溶液との混合に際しては、脱
灰物1重量部対して15NのNaOHが約20〜40体積部用いら
れる。 すなわち、本発明は、高温高圧条件下で反応を行うこと
のできる水熱法をクチクラからキトサンを生成する脱灰
工程に取り入れることで反応時間の短縮化を図れ、又、
除タンパク工程や脱アセチル化の工程にも上記の手段を
取り入れることで、反応時間の短縮、生成工程の簡略化
が図れ、生産性良くキトサンが得られるのである。 そして、水熱条件下における約1時間以内の塩酸処理で
クチクラから無機塩除去がほぼ完全に行え、すなわち脱
灰率がほぼ100%のものとなり、不純物のない高品質の
キトサンが得られる。 又、水熱条件下における約3時間以内のアルカリ処理
で、脱灰物から高い脱アセチル化度のキトサンを高収率
で得ることができ、そして反応温度、反応時間を調整す
ることにより、所望の脱アセチル化度で所望の分子量の
キトサンが得られる。
【実施例】
第1図は、本発明に係る甲殻類の処理方法のフローチャ
ートである。 先ず、第1図に示す如く、エビ、カニ等の甲殻類の甲殻
(クチクラ)を粉末状に粉砕した後、クチクラ粉末1に
対して20倍量の塩酸水溶液(2NのHCl)を添加し、オー
トクレーブ中で約100〜150℃の水熱条件下で約2時間以
内、例えば1時間以内の脱灰反応を行わせる。 これにより、クチクラに30〜70%程度含有されているC
a、Mg、Pを主成分とする無機塩(CaCO3が多い)熱水塩
酸で反応させ、塩化物として塩酸可溶分を溶解し、クチ
クラから脱灰される。 脱灰後、吸引濾過により分離し、この残渣を水及びエタ
ノールの洗浄液で洗浄、分離して脱灰物を得る。 次いで、脱灰物1に対して30倍量の15NのNaOH水溶液を
加え、掻き混ぜながらオートクレーブで約120〜180℃の
水熱条件下で5時間以内の除タンパク、脱アセチル化反
応を行わせ、反応後、吸引濾過し、そして水及びエタノ
ールの洗浄液で洗浄するとキトサンが得られる。 ところで、上記の工程(水熱脱灰反応)における反応温
度と脱灰率との関係を調べると、第2図に示す通りであ
り、反応温度を上げると脱灰率は向上し、例えば反応温
度120℃、反応時間1時間での脱灰率はほぼ100%とな
り、高品質の脱灰物(キトサンの中間原料)を得ること
ができる。すなわち、約100℃以上、より好ましくは約1
10℃以上、さらに好ましくは約120〜150℃の温度で水熱
脱灰反応を行うと、高品質の脱灰物(キトサンの中間原
料)を得ることができる。 又、第3図に、クチクラ、クチクラの室温での脱灰処理
試料、クチクラの120℃での水熱処理試料、試薬キチン
の粉末X線回析図を示す。 このクチクラのX線回析図における2θ=30゜付近にあ
るピークは炭酸カルシウムであり、これに対して室温処
理及び水熱処理の試料では炭酸カルシウムのピークは認
められず、両者とも脱灰できていることが判る。 しかしながら、試薬キチンにみられる2θ=10゜付近の
ピークは、120℃での水熱処理を行った試料には明確に
認められ、結晶性が良いことを示しているのに対し、室
温処理を行った試料ではそのピークがブロードであり、
室温処理を行った試料のものは結晶性が悪いことを示し
ている。 第4図に、水熱処理により生成したキトサンの脱アセチ
ル化度及び収率と反応温度(反応時間1時間)との関係
を示す。 これによれば、反応温度が高くなるにつれて脱アセチル
化度は高くなり、脱アセチル化度は反応温度130℃では
約80%、150゜では約90%であり、どちらの温度でも収
率はほぼ100%であった。 尚、反応温度180℃では、脱アセチル化度は約96%であ
るが、収率が約86%と低下した。 又、反応温度が約130℃〜150℃で得た生成キトサンは白
色であったのに対し、反応温度が約180℃で得た生成キ
トサンは灰色を呈しており、高温での収率の低下に対応
して分子鎖の亀裂及び分解によってキトサンの構造が一
部変化するものと推察され、分解を起こさない脱アセチ
ル化のための反応温度は約160℃以下、好ましくは約150
℃以下であった。 第5図に、水熱処理時間(反応温度150℃)と脱アセチ
ル化度及び収率との関係を示す。 これによれば、反応時間が長くなるにつれて脱アセチル
化度は上昇し、3時間で約100%に達することが判る。 一方、収率は反応時間が長くなるにつれてやや減少の傾
向を示し、3時間の反応で収率は約98%、5時間で約92
%であった。 それ故、高収率で、脱アセチル化度の高いキトサンを生
成する好適な条件は、反応温度が約120〜180℃、より好
ましくは約130〜150℃、反応時間は約5時間以内、より
好ましくは約3時間以内が望ましいことが判る。 第6図に、アルカリ水熱処理における反応温度(反応時
間1時間)と生成キトサンの分子量並びに重合度の関係
を、第7図に、アルカリ水熱処理における反応時間(反
応温度150℃)と生成キトサンの分子量並びに重合度の
関係を示す。 これによれば、高分子量のキトサンを得る条件は、反応
温度が約130〜150℃、反応時間が約1時間以内であるこ
とが望ましい。
【効果】
本発明に係る甲殻類の処理方法は、甲殻類のクチクラと
酸性溶液とを混合し、約100〜150℃の温度条件下で反応
させ、クチクラの灰分を脱灰するので、クチクラの脱灰
処理が短時間で、かつ、効率よく行え、そして純度が高
く、さらには脱アセチル化度が高く、かつ分子量の大き
なキトサンを収率良く得られるようになり、又、コンパ
クトな設備でキトサンを製造できるようになる等の特長
を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る甲殻類の処理方法のフローチャー
トであり、第2図は水熱脱灰反応における反応温度と脱
灰率との関係を示すグラフ、第3図はクチクラ、クチク
ラの室温での脱灰処理試料、クチクラの120℃での水熱
処理試料、試薬キチンの粉末X線回析図、第4図は水熱
処理により生成したキトサンの脱アセチル化度及び収率
と反応温度(反応時間1時間)との関係をグラフ、第5
図は水熱処理時間(反応温度150℃)と脱アセチル化度
及び収率との関係を示すグラフ、第6図はアルカリ水熱
処理における反応温度(反応時間1時間)と生成キトサ
ンの分子量並びに重合度との関係を示すグラフ、第7図
はアルカリ水熱処理における反応時間(反応温度150
℃)と生成キトサンの分子量並びに重合度との関係を示
すグラフであり、第8図は従来のクチクラからキトサン
を得る工程を示すフローチャートである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】甲殻類のクチクラと酸性溶液とを混合し、
    約100〜150℃の温度条件下で反応させ、クチクラの灰分
    を脱灰することを特徴とする甲殻類の処理方法。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の甲殻類の処理
    方法において、反応脱灰後の溶液を濾過し、残渣を水、
    アルコールで洗浄する方法。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項又は第2項記載の甲
    殻類の処理方法において、反応脱灰物とアルカリ溶液と
    を混合し、約120〜180℃の温度条件下で脱アセチル化反
    応を行う方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項記載の甲殻類の処理
    方法において、脱アセチル化反応後の溶液を濾過し、
    水、アルコールで洗浄する方法。
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