JPH0627593A - 写真フイルムパトローネ用容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 側面の少なくとも一部に平面を有するプラス
チック容器において、写真フイルムに要求される充分な
防湿性を持ちながら、開封しやすい写真フイルムパトロ
ーネ用容器を提供する。 【構成】 ポリプロピレン製の容器本体３とポリエチレ
ン製の蓋４とからなる写真フイルムパトローネ用容器２
は、容器本体３の上部内壁に形成された溝５と蓋４の外
壁に設けられた突条とが嵌合している。さらに蓋４のフ
ランジにはタブ７ａ〜７ｄが形成されており、容器本体
３の平面部外壁に設けられた凸部８ａ〜８ｄ（８ｃ，８
ｄは図示されない）を包み込むように側面を外側から内
側に押圧する。また、容器本体３と蓋４が嵌合していな
い状態で、蓋４の嵌合部の外径は容器本体３の嵌合部の
内径より０.2〜０.3ｍｍ大きくなっている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、写真フイルムパトロー
ネを収容するプラスチック容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】未露光の写真フイルムを回動自在なスプ
ールに巻き付けて光密に収納した写真フイルムパトロー
ネは、通常、円筒形の蓋付きプラスチック製防湿容器に
入れられ、さらに直方体の紙箱に包装されて店頭で販売
されている。このプラスチック容器は、容器本体の内壁
上部に設けられた溝と、蓋に設けられたリブが嵌合し、
写真フイルムを湿気から守る構造となっている。一般
に、写真フイルムが許容できる容器の防湿性能は５〜１
０（ｍｇ／２４ｈｏｕｒｓ・個）以下と、非常に高いレ
ベルの防湿性能が要求される。

【０００３】一方、近年になりますます地球環境の破壊
が問題になっており、省資源、ゴミの減量の観点から包
装の合理化が必要とされている。そこでプラスチック容
器の上をさらに包装していた紙箱を無くし、プラスチッ
ク容器だけで写真フイルムパトローネを収納、販売する
方法が提案されている。しかしながら従来のプラスチッ
ク容器では、円筒形をしていたので容器の側面の一部を
平面にしておかないと、店頭での陳列において転がって
しまうなどの問題がある。また、側面の一部を平面にし
た構造の容器では蓋と容器本体との嵌合において、コー
ナー部分は強く嵌合しても、一般に直線部分の圧力が低
下し隙間の発生等により充分な防湿度が得られないこと
が多い。

【０００４】そこで例えば、実開平３−８３３８号公
報、実開昭６４−３２５６５号公報、実開昭６３−１０
７４４１号公報、実公平３−４８５８１号公報等に、防
湿性を考慮した構造もしくは販売時に陳列しやすい構造
について提案されている。前記実開平３−８３３８号公
報や実開昭６３−１０７４４１号公報記載の容器では、
蓋及び容器本体に設けられた凹凸による嵌合以外に、蓋
の嵌合部分の外径を容器本体の嵌合部分の内径より大き
くすることにより防湿性を高めようとしたものである。
また実開昭６４−３２５６５号公報記載の容器では、容
器本体の天面と側壁外面とにおいて蓋と嵌合することに
より防湿性を高めようとしたものである。実開昭６３−
１０７４４１号公報記載の容器では、蓋上部と容器本体
の底とが係合して結合できる構造となっている。実公平
３−４８５８１号公報記載の容器では、容器本体の側面
を一対の平面部で構成するとともに、これら平面部の長
手方向に補強リブを設けている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記実
開平３−８３３８号公報や実開昭６３−１０７４４１号
公報記載の容器の構造でも、側面の一部を平面にした場
合、平面部での蓋と容器本体の間で隙間ができやすくな
り防湿度が悪化しやすい。このような理由から実公平３
−４８５８１号公報記載の容器では、補強リブで隙間を
できにくいようにしているが、金型の形状が複雑となり
成形時の生産性が悪いという欠点があった。また実開昭
６４−３２５６５号公報記載の容器では、蓋の嵌合用の
鍔が容器本体の開口の全周を覆っているので、蓋を開け
にくいという欠点があった。さらに、実開昭６３−１０
７４４１号公報記載の容器のように、縦方向にしか積み
上げられないと、店頭で陳列する際にコンパクトに効率
良く配置することができなかった。

【０００６】本発明は上記従来技術の問題点を考慮して
なされたもので、側面の少なくとも一部に平面部を有す
るプラスチック容器において、写真フイルムに要求され
る充分な防湿性を持ちながら、なおかつ開封しやすい写
真フイルムパトローネ用容器を提供することを目的とす
る。また、少なくとも一部に曲面を有するプラスチック
容器でも、店頭に効率良く陳列でき、かつ防湿機能のよ
い構造の写真フイルムパトローネ用容器を提供すること
を目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、有底筒形のプラスチック射出成形容器本体とこれと
嵌合して密閉するプラスチック射出成形蓋体とからな
り、その容器本体の少なくとも１側面が平面である写真
フイルムパトローネ用容器において、前記蓋のフランジ
の外周縁部に容器本体の開口縁部の平面部の外周面と当
接し容器本体の外側から内側に向かって押圧するタブを
形成し、角部は容器本体より蓋のフランジを突出させる
ようにしたものである。また、容器同志が蓋の側面また
は容器本体の側面で脱着可能に連結できるようにしたも
のである。更にまた、容器本体は一対の平面部及びこれ
らに連続する一対の同じ曲率の円弧部で側面が形成され
ており、前記曲率をＲとし、一対の円弧部を結ぶ平面部
の長さをＬとしたときに、Ｌを５mm以上にし、かつＬ／
Ｒの値が２．０を越えないようにしている。

【０００８】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。本発明を実施した写真フイルムパトローネ用容器の
外観を示す図１において、写真フイルムパトローネ用容
器２は、ポリプロピレン製の容器本体３とポリエチレン
製の蓋４とからなっている。容器本体３の上部内壁には
溝５が全周に形成され、図２に示すように蓋４の外壁に
設けられた突条６と嵌合する。蓋４のフランジにはタブ
７ａ〜７ｄが形成されており、容器本体３の平面部外壁
に設けられた凸部８ａ〜８ｄ（８ｃ，８ｄは図示されな
い）を包み込むようにして容器本体３の側面を外側から
内側に押圧する。図３に示すように前記フランジは角部
において、その縁部９ａ〜９ｄが容器本体３より外側に
突出するよう形成されている。蓋４と容器本体３が嵌合
していない状態で、蓋４の嵌合する部分の外径は角部に
おいて容器本体３の内径より０.3ｍｍ大きく、同様に平
面部において０.2ｍｍ大きくなっている。

【０００９】上記のように構成された写真フイルムパト
ローネ用容器について説明する。前述のように蓋４の嵌
合部分の外径が容器本体３の外径より角部において０.3
ｍｍ、平面部において０.2ｍｍ大きくなっているので、
蓋４を容器本体３に嵌合させた時には蓋４の外壁に設け
られた突条６が、容器本体３の側壁を内側から外側へ押
圧するように溝５と嵌合する。さらに、平面部において
は蓋４のフランジに形成されたタブ７ａ〜７ｄが、容器
本体３の側面を外側から内側に押圧するようにして凸部
８ａ〜８ｄと係合するので、写真フイルムが許容できる
容器の防湿性能５〜１０（ｍｇ／２４ｈｏｕｒｓ・個）
以下を満たすことができる。また、蓋４の角部において
フランジの縁部９ａ〜９ｄが容器本体３の外壁より突出
しているので、開封するさいの指掛かりとなり容易に蓋
を開けることができる。

【００１０】図４は脱着可能に連結できる構造を持つ、
写真フイルムパトローネ用容器の実施例を示している。
写真フイルムパトローネ用容器１２は、前述の実施例と
同様にポリプロピレン製の容器本体１３とポリエチレン
製の蓋１４とからなっている。この実施例では容器本体
１３をポリプロピレンで形成したが、蓋１４と同じポリ
エチレンで形成してもよい。容器本体１３の上部内壁に
は（図示されない）溝が全周に形成され、蓋１４の外壁
に設けられた（図示されない）突条と嵌合する。さら
に、蓋１４のフランジにはタブ１５ａ〜１５ｆが形成さ
れており、容器本体１３の平面部外壁を包み込むように
して側面を外側から内側に押圧する。タブ１５ｃと１５
ｄの間には凸部１６が形成されており、蓋１４の対向す
る側にはその凸部１６と係合できる形状の凹部１７が、
タブ１５ｅと１５ｆの間に形成されている。このため、
本実施例の写真フイルムパトローネ用容器１２を用いれ
ば、蓋１４に設けられた凸部１６と凹部１７を係合させ
ることにより複数の写真フイルムパトローネ用容器１２
を連結することができ、効果的な陳列が可能となる。

【００１１】図５，図６は容器の形をＤ字型にし側面の
一部に曲面を持つ写真フイルムパトローネ用容器におい
て、防湿性を持ち脱着可能に連結できる構造の写真フイ
ルムパトローネ用容器の実施例を示している。写真フイ
ルムパトローネ用容器２２は、前述の実施例と同様にポ
リプロピレン製の容器本体２３とポリエチレン製の蓋２
４とからなっており、容器本体２３の上部内壁に設けら
れた（図示されない）溝と蓋２４の外壁に設けられた
（図示されない）突条とが嵌合する。さらに、蓋２４の
フランジにはタブ２５ａ，２５ｂが形成されており、容
器本体２３の平面部外壁を包み込むようにして側面を外
側から内側に押圧する。

【００１２】前記タブ２５ａ，２５ｂと当接する容器本
体２３の側面部に挟まれた平面部２３ａに対応するフラ
ンジには、連結用の係合凹部を兼ねたタブ２５ｃが形成
されている。曲面部に対応するフランジには、前記タブ
２５ｃと係合できる形状の凸部２６が突出形成されてい
る。このため、本実施例の写真フイルムパトローネ用容
器２２を用いれば、蓋２４に設けられたタブ２５ｃと凸
部２６を係合させることにより側面の一部に曲面を持つ
複数の写真フイルムパトローネ用容器１２を連結するこ
とができる。図６は、蓋２４同志で連結した写真フイル
ムパトローネ用容器２２を、ポリプロピレン／アルミ箔
／ポリプロピレンの厚み０.0５ｍｍの防湿フイルム２７
でピロー包装した包装例を示したものである。

【００１３】図７は容器本体３０の一側面に凹部３２を
縦に形成し、反対の側面に前記凹部３２と係合し連結で
きる凸部３３を設けたものである。容器本体３０と蓋３
１は、蓋３１の一辺で結合した開閉自在なヒンジ構造に
なっており、容器本体３０の上部内壁に設けられた溝３
４と蓋３１の外壁に設けられた突条３５とが嵌合する。
前記凹部３２の延長が蓋３１にも形成されており、蓋３
１を閉じた状態でもスムーズに容器同志の連結を行え
る。図７に示した実施例の写真フイルムパトローネ用容
器を用いれば、容器本体３０側面及び蓋３１に設けられ
た凹部３２と、容器本体３０側面に設けられた凸部３３
を縦方向に滑らして連結することができるので、効果的
な陳列が可能となる。

【００１４】図８は前述の実施例を応用して、開閉自在
なヒンジ構造による蓋４１を有する写真フイルムパトロ
ーネ用容器４６の容器本体４０の側面に、別部品として
成形した凹板４２と凸板４３を貼り付けたものである。
この貼り付けには、例えばダイヤボンドＤＡ３０６９Ｊ
〔ノガワケミカル（株）社製〕等のオレフィン系ホット
メルト接着剤を用いる。また、この凹板４２と凸板４３
にはクリックが設けられており、結合時に所定の位置で
停止するように位置決めする。前述の実施例同様に容器
本体４０の上部内壁に設けられた溝４４と蓋４１の外壁
に設けられた突条４５とが嵌合する。

【００１５】図９は、上記のように構成された写真フイ
ルムパトローネ用容器４６を連結した様子を示したもの
である。連結部にあたる凹板４２及び凸板４３は容器本
体４０に貼り付けされたものであるから、蓋４１の外径
より多少大きくなっているので、連結した状態でも蓋４
１の開閉に支障をきたすことはない。写真フイルムパト
ローネ用容器４６同志の結合は図中の矢印Ｘ方向にスラ
イド移動させて行うが、クリックが設けられているので
結合した写真フイルムパトローネ用容器４６の側面が揃
うようになっている。

【００１６】図１０は写真フイルムパトローネ用容器を
側面方向で脱着可能に連結できる構造を持つ、さらに別
の実施例を示している。写真フイルムパトローネ用容器
５０は、図１に示した実施例と同様にポリプロピレン製
の容器本体５１とポリエチレン製の蓋５２とからなって
いる。容器本体５１の上部内壁には（図示されない）溝
が全周に形成され、蓋５２の外壁に設けられた（図示さ
れない）突条と嵌合する。さらに、蓋５２のフランジに
はタブ５３ａ〜５３ｄが形成されており、容器本体５１
の平面部外壁を包み込むようにして側面を外側から内側
に押圧する。蓋５２の角部の一つには突起５４が形成さ
れており、その対角には前記突起５４が挿入できる形状
の穴部５５が形成されている。このため、本実施例の写
真フイルムパトローネ用容器５０を用いれば、蓋５２に
設けられた突起５４と穴部５５を係合させることにより
複数の写真フイルムパトローネ用容器５０を連結するこ
とができ、効果的な陳列が可能となる。

【００１７】図１１，図１２は、脱着可能に連結できる
構造を持つ写真フイルムパトローネ用容器の集合包装の
実施例である。図１１の写真フイルムパトローネ用容器
６０は、図７に示した写真フイルムパトローネ用容器と
同様に容器本体６１の１側面に凹部６２を縦に形成し、
反対の側面に前記凹部６２と係合し連結できる凸部６３
を設けたものである。これをそれぞれ凹部６２と凸部６
３を係合させ連結し、写真フイルムパトローネ用容器６
０を３連にしてスリーブ材料６４でまとめたものであ
る。このようにスリーブ材料６４でまとめることによ
り、写真フイルムパトローネ内に収納されている写真フ
イルムの各種情報をスリーブ材料６４に書き込むことが
できる。

【００１８】図１２の写真フイルムパトローネ用容器７
０は、図１０に示した写真フイルムパトローネ用容器５
０と同様に蓋７１には突起７２と、それが挿入できる形
状の穴部７３が形成されている。写真フイルムパトロー
ネ用容器７０をそれぞれ突起７１と穴部７２を係合させ
３連結し、カード７３にソフトブリスター７４で組み付
けたものである。カード７３には前記スリーブ材料６４
と同様に、写真フイルムの各種情報やその他販促情報を
書き込むことができる。また、図１１，図１２どちらの
集合包装を行う場合でも、必要な個数だけ連結させた状
態で搬送されて包装工程に送られて来るようにできるの
で、包装が非常にしやすくなる。

【００１９】図１３，図１４は、現像後の写真フイルム
のネガ等をパトローネに収納し、さらに写真フイルムパ
トローネ用容器に入れてユーザーに返却する際の整理、
保存機能について説明したものである。図１４に示すよ
うに、写真フイルムパトローネ用容器８０は容器本体８
１と蓋８２とからなり、開閉自在なヒンジ構造により容
器本体８１の一側面が蓋８２となっている。蓋８２には
連結用の凹部８３が形成され、対向する容器本体８１の
側面に前記凹部８３と係合する凸部８４が設けられてい
る。保存用ファイル８５の内側には、複数本のスライド
レール８６が張り付けられており、スライドレール８６
の形状は前記凸部と係合するようになっている。図１３
中の８７は、分類用のシール等を収める透明ポケットを
示している。

【００２０】ユーザーは、現像後のネガフイルム等を収
めたパトローネを写真フイルムパトローネ用容器８０に
収納して、図１３に示すように保存用ファイル８５に保
存することができる。保存用ファイル８５のスライドレ
ール８６には２ないし３個の写真フイルムパトローネ用
容器８０が連結でき、さらに一冊の保存用ファイル８５
に複数本のスライドレール８６が設けられるので効率良
く保存できる。さらに、スライドレール８６に写真フイ
ルムパトローネ用容器８０を連結した状態で、蓋８３の
開閉が自在にできるのでパトローネの出し入れも容易で
ある。このような写真フイルムパトローネ用容器８０及
び保存用ファイル８５を用いれば、整理しにくかったネ
ガフイルム等が容易に保存でき、容器または写真フイル
ムパトローネを保存せずにゴミに出してしまうようなこ
とも減らすことができる。

【００２１】上記保存用ファイル８５に固定する方法と
して他に、クリックを付けて蓋の凹部と嵌合させたり、
マジックテープや粘着テープを使用したりすることもで
きる。また保存用ファイル８５のサイズは、ビデオカセ
ットのＶＨＳサイズと合わせることで、普及しているビ
デオカセット用ラックに収納することができる。また、
写真フイルムパトローネ用容器に入れなくても写真フイ
ルムパトローネをそのままファイルに収納するようにす
れば、ファイルもより薄型で小型のものをつくれ、収納
スペースを小さくすることができる。

【００２２】別発明の写真フイルムパトローネ用容器の
外観を示す図１５において、写真フイルムパトローネ用
容器９０は、ポリプロピレン製の容器本体９１とポリエ
チレン製の蓋９２とからなる。容器本体９１の側面は図
１６に示すように、曲率半径Ｒが１０．８mmの半円弧状
の一対の曲面部９１ａ，９１ｂ、及びこれらの端部に連
なる長さＬが９．４mmの一対の平面部９１ｃ，９１ｄか
らなる。容器本体９１の底面には、パトローネのスプー
ル軸に嵌合する係合突起９３が形成されている。

【００２３】容器本体９１の内壁には全周にわたって、
図中破線で示すように溝９４が設けられている。この溝
９４は図１７に示すように容器本体９１の上部に形成さ
れており、蓋９２が装着されたときに、蓋９２に設けら
れた突条９６と嵌合し、容器本体９１内部に湿気が進入
するのを阻止する。この蓋９２には外周に沿ってＶ字型
の溝９７が形成されている。この溝９７は蓋９２の外周
部９８を中心に向かって凹ますようにし、容器本体９１
の内径より若干外径を大きく形成した外周部９８を容器
本体９１に装着し易いようにしている。また蓋９２の外
周には図１８に示すように、容器本体９１より外側に突
出するタブ９９が形成されており、このタブ９９は蓋９
２を容器本体９１から外すときに用いられる。なお、符
号１００は蓋９２に形成された係合部を示す。

【００２４】上記のように構成された写真フイルムパト
ローネ用容器について説明する。上述のように外周部９
８の嵌合部分の外径が容器本体９１の内径より若干大き
くなっているので、蓋９２を容器本体９１に嵌合させた
時には、突条９６が容器本体９１の側壁を内側から外側
へ押圧するように溝９４と嵌合する。このとき、Ｌ／Ｒ
の値が２．０を越えないように、平面部９１ｃ，９１ｄ
の長さＬと曲率半径Ｒとが設定されているから、平面部
９１ｃ，９１ｄは蓋９２を挟みつけるようになる。この
ため、突条９６と溝９４とは曲面部９１ａ，９１ｂだけ
でなく、平面部９１ｃ，９１ｄでも密着するようにな
り、容器本体９１と蓋９２との間に隙間ができなくな
る。

【００２５】したがって、写真フイルムパトローネ用容
器９０では、湿気が内部に進入しないので、写真フイル
ムが許容できる容器の防湿性能５（ｍｇ／２４ｈｏｕｒ
ｓ・個）以下を満たすことができる。なお、パトローネ
は収納時に、容器本体９１に蓋９２が嵌合されると、ス
プール軸には係合突起９３及び係合部１００が嵌入され
るので、容器本体９１内部でガタつくようなことがな
い。また、この写真フイルムパトローネ用容器９０はタ
ブ９９が容器本体９１の外壁より突出しているので、蓋
９２を開封する際にタブ９９を指掛かりとして用いるこ
とができるから、容易に蓋９２を開けることができる。

【００２６】写真フイルムパトローネ用容器９０は、容
器本体９１の側面に、一対の平面部９１ｃ，９１ｄを形
成したから、写真フイルムパトローネ用容器９０が横に
倒れても転動することがない。更にまた、容器本体９１
を積み重ねるときに、これらが安定するには、平面部の
長さが少なくとも５mm以上長いことが必要であるが、こ
の容器本体９１の平面部９１ｃ，９１ｄは上述したよう
に、９．４mmであるので、写真フイルムパトローネ用容
器９０は平面部同士を密着させて山積みが可能である。
このため、写真フイルムパトローネ用容器９０は陳列時
や運搬時にかさ張ることがないので、陳列適性や運搬適
性に優れたものとなる。

【００２７】また、この写真フイルムパトローネ用容器
は、突条９６と溝９４とを密着させるために、容器本体
９１及び蓋９２に補強用のリブを用いないから、これら
を成形するときに使用する金型をシンプルにして、加工
コストを低減することができる。更には金型がシンプル
なので、成形時間を短縮することができ、生産性を高め
ることができる。

【００２８】図１９及び図２０は容器本体と蓋とを差し
込み方式で結合する実施例を示すものである。この実施
例では蓋１０５の外周部９８に、かつタブ９９に対向す
る位置に、図２０に示す薄肉部１０６を介して、先端に
フック１０７を一体化した連結片１０８を一体に設けて
いる。容器本体１０９の外壁には連結片１０８が挿入さ
れる係止部１１０が形成されている。このように構成さ
れた写真フイルムパトローネ用容器では、連結片１０８
が係止部１１０に挿入されて、蓋１０５と容器本体１０
９とが結合される。結合後は、フック１０７は連結片１
０８が係止部１１０から外れるのを阻止するため、蓋１
０５が紛失するようなことがない。

【００２９】図２１及び図２２は容器本体と蓋とを差し
込み方式で結合した別の実施例を示すものである。この
実施例では蓋１１５及び容器本体１１６にそれぞれ形成
された係止部１１０に、フック１０７を両端に形成した
連結片１１７を図２２に示すように挿通して、蓋１１５
及び容器本体１１６を結合したものである。

【００３０】図２３及び図２４は蝶番方式で容器本体と
蓋とを結合した実施例を示すものである。この実施例で
は蓋１２０の外周部９８には、切欠き１２１及び軸１２
２を形成し、また容器本体１２３には軸１２２の周方向
に摺動するフック部１２４を形成している。容器本体１
２３と蓋１２０とは、軸１２２及びフック部１２４を介
して結合されている。このように構成された写真フイル
ムパトローネ用容器では、蓋１２０が開かれるときに
は、フック部１２４は軸１１２の周方向に回動する。

【００３１】図２５及び図２６は嵌め込み方式で容器本
体と蓋とを結合した実施例を示すものである。この実施
例では容器本体１３０に一対の支柱１３１，１３２を介
して軸１３３が形成されている。また蓋１３４には軸１
３３が嵌着される凹部１３５が形成されている。凹部１
３５に軸１３３が嵌着されると、容器本体１３０と蓋１
３４とが結合される。蓋１３４は軸１３３を中心に回動
される。

【００３２】図２７及び図２８は容器本体と蓋とを溶着
して結合した実施例を示すものである。この実施例では
容器本体１４０及び蓋１４１に、フイルム状の溶着シロ
１４２，１４３を一体に形成し、これらを図２８に示す
ように熱溶着して、結合したものである。これら溶着シ
ロ１４２，１４３が変形するので、蓋１４１を開くこと
ができる。

【００３３】図２９は３個の写真フイルムパトローネ用
容器を連結した実施例を示すものである。この実施例で
は容器本体１５０の装着される蓋１５１に、一対のタブ
１５２，１５３を形成し、その形状をＤ字型にしてい
る。そして、タブ１５２に係止用の爪１５４を、またタ
ブ１５３に爪１５４と同じ形状の切欠き１５５をそれぞ
れ形成している。このように構成された写真フイルムパ
トローネ用容器１５６では、爪１５４を切欠き１５５に
嵌合することにより、平面部を互いに密着させてコンパ
クトに連結することができるので、携帯が便利となる。

【００３４】図３０は平面部をメモ欄として利用する写
真フイルムパトローネ用容器の実施例を示すものであ
る。この写真フイルムパトローネ容器１６０は容器本体
１６１や蓋１６２の平面部に、シートフイルム１６３を
貼着したものである。このシートフイルム１６３には、
容器本体１６１や蓋１６２と同じ材料に、マット剤（シ
リカ粒子，二酸化チタン粒子等）を分散させたものを用
いるので、この写真フイルムパトローネ用容器１６０は
使用年月日等を鉛筆やボールペン等の筆記具で記入する
ことができる。なお、この実施例では容器本体１６１や
蓋１６２にシートフイルム１６３を貼着したが、マット
剤を分散させた樹脂を塗工するようにしても、メモ欄を
作成することができる。

【００３５】図３１は写真フイルムパトローネ用容器を
外装体で包装した実施例を示すものである。この実施例
では省資源、ゴミの減量の観点から写真フイルムパトロ
ーネ用容器１７０の一部を外装体１７１から露出させて
いる。このように包装の合理化を行うと、図３２や図３
３に示す展開図から分かるように、外装体１７１の材料
を節約することができる。なお、図中に示す破線は折り
込み線であり、また符号１７２は開口を示すものであ
る。

【００３６】

【発明の効果】以上のように、本発明の写真フイルムパ
トローネ用容器によれば、従来プラスチック製の防湿ケ
ースを覆っていた紙箱を無くしても店頭における効果的
な陳列が可能な角型プラスチック容器において、写真フ
イルムに要求される高度の防湿性能を確保することがで
きる。また写真フイルムパトローネ用容器同志を、蓋も
しくは容器本体において連結できるようにしたので、店
頭での積み上げが可能となるとともに、ユーザーが整
理、保管しやすくなるので写真フイルムの保存や現像後
のネガ等の保存に利用でき、簡単に捨てられることがな
くなる。また、本発明の実施例の容器本体の材質にはポ
リプロピレンを使用したが、ポリエチレンを使用して
も、またこれらをプレンドしたものを使用してもよい。

【００３７】更にまた、容器本体は一対の平面部及びこ
れらに連続する一対の同じ曲率の円弧部で側面が形成さ
れており、前記曲率をＲとし、一対の円弧部を結ぶ平面
部の長さをＬとしたときに、Ｌを５mm〜２５mm，好まし
くは６mm〜２０mm，特に好ましくは７mm〜１５mm，最も
好ましくは８mm〜１３mmにし、かつＬ／Ｒの値が２．０
を越えないようにしたから、店頭に効率良く陳列でき、
かつ防湿機能のよい構造の写真フイルムパトローネ用容
器を安価に提供することができる。また本発明では一対
の平面部としたが、容器本体と蓋の嵌合部のみを前記平
面部が、側面の前記曲率Ｒよりも大きな曲率を持つ円弧
で形成されても、同様の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施した写真フイルムパトローネ用容
器の分解斜視図である。

【図２】図１に示した写真フイルムパトローネ用容器の
上部角部の部分拡大断面図である。

【図３】図１に示した写真フイルムパトローネ用容器の
上部平面部の部分拡大断面図である。

【図４】連結機能を持つ写真フイルムパトローネ用容器
の外観斜視図である。

【図５】図４に示した写真フイルムパトローネ用容器と
は別の連結機能を持つ実施例を示す外観斜視図である。

【図６】図５に示した写真フイルムパトローネ用容器を
連結してピロー包装したことを示す説明図である。

【図７】図５に示した写真フイルムパトローネ用容器と
はさらに別の連結機能を持つ実施例を示す外観斜視図で
ある。

【図８】図７に示した連結機能を持つ写真フイルムパト
ローネ用容器を応用した実施例を示す外観斜視図であ
る。

【図９】図８に示した写真フイルムパトローネ用容器を
連結したところをしめす斜視図である。

【図10】図５に示した写真フイルムパトローネ用容器と
はさらに別の連結機能を持つ実施例を示す外観斜視図で
ある。

【図11】本発明を実施した写真フイルムパトローネ用容
器の店頭における包装例を示している。

【図12】本発明を実施した写真フイルムパトローネ用容
器の店頭における別の包装例を示している。

【図13】本発明を実施した保存用ファイル及び写真フイ
ルムパトローネ用容器による保管方法を示している説明
図である。

【図14】図12に示した保存用ファイル及び写真フイルム
パトローネ用容器の一部説明図である。

【図15】容器本体に一対の平面部を形成した写真フイル
ムパトローネ用容器の外観斜視図である。

【図16】図１５に示す容器本体を上側から観た図であ
る。

【図17】図１５に示す写真フイルムパトローネ用容器を
一部破断して示す図である。

【図18】図１５に示す蓋を上側から観た図である。

【図19】差し込み方式で結合する容器本体及び蓋の要部
を示す斜視図である。

【図20】容器本体と蓋とを差し込み方式で結合した状態
を示す要部の構造を示す部分拡大断面図である。

【図21】図１９とは異なる差し込み方式で結合する容器
本体及び蓋の要部を示す斜視図である。

【図22】容器本体と蓋とを異なる差し込み方式で結合し
た状態を示す要部の構造を示す部分拡大断面図である。

【図23】蝶番方式で結合する容器本体及び蓋の要部を示
す斜視図である。

【図24】容器本体と蓋とを蝶番方式で結合した状態を示
す要部の構造を示す部分拡大断面図である。

【図25】嵌め込み方式で結合する容器本体及び蓋の要部
を示す斜視図である。

【図26】容器本体と蓋とを嵌め込み方式で結合した状態
を示す要部の構造を示す部分拡大断面図である。

【図27】溶着で結合する容器本体及び蓋の要部を示す斜
視図である。

【図28】容器本体と蓋とを溶着で結合した状態を示す要
部の構造を示す部分拡大断面図である。

【図29】容器本体に一対の平面部を形成した写真フイル
ムパトローネ用容器を連結したところを示す斜視図であ
る。

【図30】写真フイルムパトローネ用容器の平面部にメモ
欄を形成した実施例を示す外観斜視図である。

【図31】外装体で包装した写真フイルムパトローネ用容
器の斜視図である。

【図32】外装体の展開図である。

【図33】外装体の別の展開図である。

【符号の説明】

２ 写真フイルムパトローネ用容器 ３ 容器本体 ４ 蓋 ５ 溝 ６ 突条 ７ａ〜７ｄ タブ ８ａ〜８ｄ 凸部 ９ａ〜９ｄ 縁部 １６ 凸部 １７ 凹部 ２７ 防湿フイルム ４２ 凹板 ４３ 凸板 ５４ 突起 ５５ 穴部 ６４ スリーブ材料 ７３ カード ７４ ソフトブリスター ８５ 保存用ファイル ８６ スライドレール ９１ａ，９１ｂ 曲面部 ９１ｃ，９１ｄ 平面部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｂ６５Ｄ 81/30 Ｂ 9028−3Ｅ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 有底筒形のプラスチック射出成形容器本
   体とこれと嵌合して密閉するプラスチック射出成形蓋体
   とからなり、その容器本体の少なくとも１側面が平面で
   ある写真フイルムパトローネ用容器において、前記蓋の
   フランジの外周縁部に容器本体の開口縁部の平面部の外
   周面と当接し容器本体の外側から内側に向かって押圧す
   るタブが形成され、角部は容器本体より蓋のフランジが
   突出していることを特徴とする写真フイルムパトローネ
   用容器。
2. 【請求項２】 有底筒形のプラスチック射出成形容器本
   体とこれと嵌合して密閉するプラスチック射出成形蓋体
   とからなり、その容器本体の少なくとも１側面が平面で
   ある写真フイルムパトローネ用容器において、容器どう
   しが蓋の側面または容器本体の側面で脱着可能に連結で
   きることを特徴とする写真フイルムパトローネ用容器。
3. 【請求項３】 有底筒形のプラスチック射出成形容器本
   体とこれと嵌合して密閉するプラスチック射出成形蓋体
   とからなり、その容器本体の側面が、一対の平面部及び
   これらに連続する一対の同じ曲率半径の円弧部で形成さ
   れ、更に蓋体に形成されたリブと、容器本体の内周面に
   形成された溝とが嵌合して内部を防湿する写真フイルム
   パトローネ用容器において、 前記曲率半径をＲとし、一対の円弧部を結ぶ平面部の長
   さをそれぞれＬとしたときに、Ｌ／Ｒの値が２．０以下
   で、かつＬを５mm〜２５mmにして、容器本体内部に１個
   の写真フイルムパトローネを収納するようにしたことを
   特徴とする写真フイルムパトローネ用容器。