JP3073844B2 - 写真フイルムパトローネ用ホルダー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は写真フイルムパトロー
ネ、若しくは、写真フイルムパトローネを収容したパト
ローネ容器を複数個係止して保存するための保存用ホル
ダーに関するものである。

【従来の技術】

【０００２】写真フイルムパトローネは、光密構造のパ
トローネ本体内部に軸着されているスプールに捲回した
ロールフイルムを収納したものである。最近、カセット
感覚でカメラに装填できるように、未使用の状態でもフ
イルムの先端をパトローネ本体内に巻き込んでおき、ス
プールの回転により、フイルムの先端をパトローネ本体
外に送り出せるようにした写真フイルムパトローネが提
案されている。

【０００３】例えば、米国特許第４６３４３０６号明細
書、同第４８３２２７５号明細書では、未使用状態でフ
イルムの先端部をパトローネ本体内に巻き込み、スプー
ルを回転させてフイルムの先端をパトローネ本体外に送
り出す構造とし、写真フイルムパトローネのフイルム排
出口には遮光部材としてパイル等を有する遮光リボンを
備えたものが記載されている。また、特開平３−３７６
４５号公報に記載された、写真フイルムパトローネのフ
イルム排出口を確実に遮光するために、開閉自在な遮光
蓋を用いるようにしたものも公知である。

【０００４】図１１の分解斜視図は、上述のような写真
フイルムパトローネの一例である。パトローネ本体２の
内部には、写真フイルムをロール状に巻きつけるための
スプール４が回動自在に収納されている。スプール４の
両端には、ロールフイルムの巻き緩みを防止するため、
円周部に突条が形成された円形のディスク６ａ、６ｂが
固着され、ロールフイルムの両側面部を包み込むように
なっている。そして、写真フイルムパトローネの上部に
は、前記のようなディスク６ａ、６ｂによるロールフイ
ルムの両側面部の保持を解除するための突起３が、ディ
スク６ａ、６ｂにそれぞれ当接している。

【０００５】パトローネ本体の内壁には、ロールフイル
ムの巻き緩みを規制するためのリブ５が配置されてい
る。そして、ロールフイルムの最外周面と接触するよう
に、フイルム排出口の奥に先端分離爪９がパトローネ本
体の内壁に一体に設けられている。遮光のために設けら
れた遮光蓋８は、カメラ本体へ装填され裏蓋が閉じられ
ると開き、撮影が終了しロールフイルムを完全に巻き込
んだ後、裏蓋を開けるときの初期操作によって閉じられ
るようになっている。

【０００６】上述したような写真フイルムパトローネ
は、スプールの回転により写真フイルムを送り出せる構
造であるため、現像済みの写真フイルムの返却用にも用
いることができる。したがってユーザーは、この写真フ
イルムパトローネごと、あるいは、この写真フイルムパ
トローネをパトローネ容器に入れた状態のままで現像済
みの写真フイルムを保管することができ、整理も簡便に
なる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような形態で現像済みの写真フイルムが返却されたとし
ても、これらの写真フイルムパトローネやパトローネ容
器がバラバラのままであると散逸しやすい欠点があり、
焼増しなどを行なおうとしたときに所望の現像済み写真
フイルムを直ちに用意できないことが懸念される。

【０００８】本発明はこのような背景を考慮してなされ
たもので、写真フイルムパトローネあるいはこれを収容
したパトローネ容器を効率的、かつ利用しやすい形態で
保管、整理することができるようにした写真フイルムパ
トローネ用ホルダーを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、複数個の写真フイルムパトローネ又はパ
トローネ容器をスプール軸方向の両端側から個別に挟持
する対向壁面を備え、複数個の写真フイルムパトローネ
又はパトローネ容器を整列させて収納する保持部本体
と；この保持部本体に開閉自在に取り付けられ、保持部
本体の上面を一体に覆うカバーと；前記写真フイルムの
各コマの画像を１枚の印画紙にプリントしたインデック
スプリントを収納する透明な袋状シートが帯状に複数連
ねられ、一端が前記カバーの内面に連結されるととも
に、インデックスプリントの収納時には袋状シート単位
に葛折りすることによって前記カバーと保持部本体との
間に畳み込まれるシートケースとを備えたものである。

【００１０】

【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。本発明を実施したホルダーを示す図１において、ホ
ルダー１２は全体の寸法がＶＨＳタイプのビデオカセッ
トと同一サイズになっており、保持部１１、カバー１
３、および、シートケース１４から構成されている。カ
バー１３はコの字型に２箇所で屈折自在に折り曲げられ
て、底部１３ａ、背部１３ｂ、上部１３ｃをそれぞれ成
しており、カバー１３全体は表面を樹脂シートでラミネ
ート加工した０．３ｍｍ程度の厚さの紙でできている。
このようなカバー１３の底部１３ａに貼付されている保
持部１１は、全体が厚み０．１５ｍｍ程度のポリエチレ
ンフイルムシートを型押し成形して作製されており、パ
トローネ容器２０が１０個まで係止できるようになって
いる。個々のパトローネ容器２０が係止される間隔は、
それぞれ１．５ｃｍとなっており、パトローネ容器２０
の取り出しを容易にしている。

【００１１】なお、前述したカバー１３は、本実施例で
は表面を樹脂シートでラミネート加工した紙となってい
るが、これ以外にも、例えば厚手のプラスチックシート
などを使用することもできる。このような場合、着色し
たプラスチックシートや、予めエンボス加工したプラス
チックシートであってもよい。また、前述した本実施例
の保持部１１の材質はポリエチレンフイルムシートとな
っているが、塩化ビニルシート、ポリプロピレンシー
ト、ポリカーボネートシート、ポリスチレンシート等各
種樹脂も、もちろん同様に使用できる。

【００１２】パトローネ容器２０は、図２に示すとお
り、本体２４と蓋２５から構成されている。本体２４の
上部には突条２３が４つの側面にそれぞれあり、蓋２５
の４辺にそれぞれ一体形成された係止爪２２と係合し
て、本体２４と蓋２５は密着する。本体２４の底部の中
心と蓋２５の上部の中心には、図１の保持部１１の突起
１１ａ、１１ｂとそれぞれ係合する係合穴２５ａ、２４
ａがそれぞれ形成されている。

【００１３】前項で説明したようなパトローネ容器２０
は、図１の保持部１１に一体で形成された突起１１ａ、
１１ｂと係合穴２５ａ、２４ａでそれぞれ係合して挟持
されるような形で係止される。なお、保持部１１は復元
力のある柔軟な樹脂製のため、パトローネ容器２０は容
易に着脱でき、なおかつ確実に係止される。

【００１４】カバー１３と保持部１１との間には、シー
トケース１４が収納されている。シートケース１４は、
透明な袋状シートを帯状に複数連ねられ、その一端がカ
バー１３の上部１３ｃの内側に接着されている。袋状シ
ートには、パトローネ容器２０に収納された現像済み写
真フイルムの各コマの画像を１枚の印画紙に縮小してプ
リントしたインデックスプリント１６が収納される。イ
ンデックスシートの収納時には、袋状シート単位に葛折
りすることによってシートケース１４がカバー１３と保
持部１１との間で折り畳まれる。袋状シートは、保持部
１１に保存できるパトローネ容器２０と同じ数だけ設け
られている。

【００１５】上述のような構成のホルダーについて、そ
の作用を説明する。ユーザーから依頼され、現像された
写真フイルムを巻き収めた写真フイルムパトローネは、
パトローネ容器２０に入れられたのち、ユーザーに返却
される。ユーザーは写真フイルムパトローネを整理、保
管するために、写真フイルムパトローネを入れられたパ
トローネ容器２０をホルダー１２の保持部１１に押し込
む。すると、保持部１１は復元力のある柔軟な樹脂製の
ため、容易に湾曲して突起１１ａ、１１ｂとパトローネ
容器２０の係合穴２５ａ、２４ａとそれぞれ係合する。
このとき、パトローネ容器２０は保持部１１に挟持さ
れるような形で係止されるので、ホルダー１２を持ち歩
いたりしても、不用意にパトローネ容器２０が脱落する
ことはない。また、保持部１１に係止されている複数の
パトローネ容器２０は、相互に１．５ｃｍ程度離れてい
るので、保持部１１から取り外すときも、パトローネ容
器２０を指でつまみやすく、便利なようになっている。

【００１６】また、カバー１３の上部１３ｃに貼付され
ている、シートケース１４は、個々の写真フイルムパト
ローネに対応したインデックスプリント１６が、合計１
０枚収容可能であり、シートケース１４が透明な樹脂で
あるので、インデックスプリント１６をシートケース１
４から引き出さなくとも、保持部１１に収容されている
パトローネ容器２０に入った写真フイルムパトローネの
内容が、カバー１３の上部１３ｃを開くだけで容易に確
認できる。

【００１７】なお、ホルダー１２の保持部１１に収納さ
れるパトローネ容器の形状は、図２に示したパトローネ
容器２０のような角形でなくとも、保持部１１の突起１
１ａ、１１ｂと係合が可能であれば、どのような形状で
も構わない。例えば図３（Ａ）に示す連結用の爪のある
パトローネ容器３８のようなＤ字型のものや、前記パト
ローネ容器３８から連結用の爪を取り去った、図３
（Ｂ）に示すようなパトローネ容器３９などでも、もち
ろん同様に使用できる。

【００１８】このようなホルダー１２は、全体の寸法が
ＶＨＳタイプのビデオカセットテープと同様であるた
め、例えば図４に示したような、市販のＶＨＳタイプの
ビデオカセットテープ用の整理棚４０を利用して、複数
個のホルダー１２を、新たな形の専用整理棚等を購入し
なくとも、ローコストで整理、収納することができる。

【００１９】さらに、図５に示したような、Ａ４版のプ
リント整理シート４５を利用すれば、Ｌプリント４２
（８９×１２７ｍｍ）や、ハイビジョンプリント４３
（８９×１５８ｍｍ）、パノラマプリント４４（８９×
２５２ｍｍ）などの異なるサイズのプリントを同時に収
容できるので、ホルダー１２との併用により、写真フイ
ルムパトローネがさらに便利に整理できる。なお、図中
の斜線部は、台紙４０と透明シート４１との接着部を表
しており、Ｌプリント４２や、ハイビジョンプリント４
３はプリント整理シート４５の右側から挿入し、ハイビ
ジョンプリント４３は上側から挿入するようになってい
る。

【００２０】図６、図７はパトローネ容器を係止する保
持部の別な実施例であり、図６は保持部全体の斜視図、
図７はこの保持部にパトローネ容器を係止した状態の断
面図を示している。この実施例では、パトローネ容器の
本体２４の底部における係止方法は、保持部２８の突起
２８ａと図２のパトローネ容器の本体２４の係合穴２４
ａによるもので、図１の実施例と同様であるが、パトロ
ーネ容器の蓋２５の上部の係止方法は、保持部２８の突
起２８ｂと図２の溝２６による係合であり、この場合、
パトローネ容器の蓋２５の上部の係合穴２５ａの有無は
どちらでもよい。

【００２１】また図８、図９は写真フイルムパトローネ
をパトローネ容器に入れずに、直接係止できるようにし
た実施例であり、図８は保持部にパトローネ容器を係止
した状態の断面図、図９は保持部に写真フイルムパトロ
ーネを係止した状態の外観斜視図を示している。この実
施例では、写真フイルムパトローネ３１の内部に回動自
在に収納されているスプール３２の両端部の穴３２ａ、
３２ｂに、保持部３５の突起３５ａ、３５ｂがそれぞれ
係合して、写真フイルムパトローネ３１が係止される。

【００２２】さらに図１０の断面図では、前項で説明し
た図８、図９のような実施例の係合方法に加えて、写真
フイルムパトローネのフイルムを繰り出すための開口部
も保持部に係合させた実施例である。この実施例では、
写真フイルムパトローネ３１のスプール（図示せず）の
両端部の穴３２ｂ（片側は図示せず）に、保持部３５の
突起３５ｂ（片側は図示せず）をそれぞれ係合させ、さ
らに写真フイルムパトローネ３１の開口部３７にも、保
持部３５の突起３５ｃを係合させている。この場合、写
真フイルムパトローネ３１は３箇所で保持部３５と係合
されることになるので、写真フイルムパトローネ３１が
保持部３５に係止された状態で回転してしまうこともな
く、より安定した係止状態となる。

【００２３】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の写真フイ
ルムパトローネ用ホルダーによれば、複数個の写真フイ
ルムパトローネ又はパトローネ容器をスプール軸方向の
両側から個別に保持する対向壁面を備え、複数個の写真
フイルムパトローネ又はパトローネ容器を世列させて収
納する保持部本体と、保持部に保持した写真フイルムに
対応したインデックスプリントを収納するシートカバー
を取り付けた保持部本体開閉用のカバーとを備えたか
ら、写真フイルムパトローネ又はパトローネ容器が保持
部本体から脱落するのを確実に防止することができる。
また、インデックスプリントを一緒に保存することがで
きるので、各コマの画像を簡単に確認することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を実施したホルダーの外観斜視図であ
る。

【図２】本発明を実施したホルダーに収容されるパトロ
ーネ容器の外観斜視図である。

【図３】本発明を実施したホルダーに収容されるパトロ
ーネ容器を、違う形状とした例の外観斜視図である。

【図４】本発明を実施したホルダーを、市販のＶＨＳタ
イプのビデオカセットテープ用整理棚に収容した例の外
観斜視図である。

【図５】各種サイズのプリントを収納できるシートの平
面図である。

【図６】本発明を実施したホルダーの保持部の形状を、
違う形とした実施例の斜視図である。

【図７】図６の実施例にパトローネ容器を係止した状態
の断面図である。

【図８】本発明を実施したホルダーを、写真フイルムパ
トローネが直接係止できるタイプとした場合の実施例の
断面図である。

【図９】図８の実施例の外観斜視図である。

【図１０】本発明を実施したホルダーを、写真フイルム
パトローネが直接係止できるタイプとした場合の、他の
実施例の断面図である。

【図１１】本発明を実施したホルダーに収容される写真
フイルムパトローネの一例の分解斜視図である。

【符号の説明】

１１ 保持部 １２ ホルダー １３ カバー １４ シートケース １６ インデックスプリント ２０ パトローネ容器 ４０ ビデオカセット用収納棚 ４５ プリント整理シート

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現像済み写真フイルムをスプール軸に巻
   回した状態で収納した写真フイルムパトローネ、又はこ
   の写真フイルムパトローネを収納したパトローネ容器を
   複数個収納するための写真フイルムパトローネ用ホルダ
   ーにおいて、 前記複数個の写真フイルムパトローネ又はパトローネ容
   器をスプール軸方向の両端側から個別に挟持する対向壁
   面を備え、複数個の写真フイルムパトローネ又はパトロ
   ーネ容器を整列させて収納する保持部本体と、 この保持部本体に開閉自在に取り付けられ、保持部本体
   の上面を一体に覆うカバーと、 前記写真フイルムの各コマの画像を１枚の印画紙にプリ
   ントしたインデックスプリントを収納する透明な袋状シ
   ートが帯状に複数連ねられ、一端が前記カバーの内面に
   連結されるとともに、インデックスプリントの収納時に
   は袋状シート単位に葛折りすることによって前記カバー
   と保持部本体との間に畳み込まれるシートケースとを備
   えたことを特徴とする写真フイルムパトローネ用ホルダ
   ー。