JPH06274977A - テープ記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明によれば、キャプスタン間欠駆動の制
御アルゴリズムを２種類用意し、使用者がどちらかの制
御アルゴリズムに対応したヘッドトレースシーケンスを
選択することができるようにしたテープ記録再生装置を
提供することを目的としている。 【構成】キャプスタンの間欠駆動タイミングを、ヘッド
スイッチングパルスの周期に基づいて切り換えること
で、２種類のキャプスタン制御アルゴリズムを用意し、
外部操作によりどちらかの制御アルゴリズムに対応した
ヘッドトレースシーケンスを選択することができるよう
に構成している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、例えば民生用ＶＴＲ
（ビデオテープレコーダ）等のテープ記録再生装置に係
り、特にそのスロー再生時やスチル再生時におけるヘッ
ドトレースシーケンスを任意に切り替えることができる
ようにしたものに関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、首記の如きテープ記録再
生装置では、回転ヘッドがテープの記録トラック上を正
確にトレースするように、キャプスタンサーボループが
構成されている。特に民生用ＶＴＲには、映像トラック
に重疂されたパイロット信号を用いてキャプスタンサー
ボをかけるＡＴＦ（オートマティック・トラック・ファ
インディング）サーボシステムと、２フィールドの記録
フレームに同期したＣＴＬ（コントロール）パルスをコ
ントロールトラックに記録し、それを再生することでキ
ャプスタンサーボをかけるＣＴＬサーボシステムとがあ
る。

【０００３】図３は、ＡＴＦサーボシステムを採用した
従来のテープ記録再生装置における間欠スロー再生の起
動から停止までのタイミングチャート及びヘッドトレー
ス軌跡を示している。すなわち、図３（ａ）はヘッドス
イッチングパルスを示し、図３（ｂ）はキャプスタン制
御電圧を示し、図３（ｃ）はキャプスタンの動作状態を
示し、図３（ｄ）はヘッドトレース軌跡を示し、図３
（ｅ）は画面内容を示している。

【０００４】また、図３では、図４に示すようなＷアジ
マス４ヘッド構成で、停止（スチル）時に片アジマスフ
ィールドのみ再生する、いわゆるフィールドスロー再生
及びスチル再生のタイミングの一例を示している。この
場合、一般に、Ｗアジマス４ヘッド構成では、通常モー
ド用ヘッドＡ，Ｂのヘッド幅ＨA ，ＨB に対して、長時
間モード用ヘッドＡ´，Ｂ´のヘッド幅ＨA'，ＨB'は、
幅狭つまりＨA ，ＨB＞ＨA'，ＨB'となっている。

【０００５】ここで、図３を参照して間欠スローモード
におけるキャプスタン制御の概略を説明すると、まず、
ヘッドスイッチングパルスの立上り点Ｐ１からＴ１秒後
にキャプスタンを駆動させ、ＡＴＦサーボをかける。ヘ
ッドが正規のトレース状態になった後、次のスイッチン
グパルスの立下り点Ｐ２からＴ２秒後にブレーキをかけ
始め、Ｔ３秒後に停止（スチル）モードに入る。このス
チル状態を数フレーム間保持した後に、再度キャプスタ
ンの起動，定速，停止といった一連の間欠動作が繰り返
される。なお、１回の間欠送りで移動する量は、２トラ
ック（１フレーム）となる。

【０００６】ところで、上記のような従来のテープ記録
再生装置では、ブレーキタイミングＴ２つまりスロート
ラッキング量と、起動から次の起動までの時間つまりス
ロースピードと称されるものだけが、使用者によって調
整することが可能となっている。なお、一般的には、ブ
レーキタイミングＴ２に応じて起動タイミングＴ１も変
化するように制御されている。このため、スチル再生時
において、Ａアジマス側を再生するのかＢアジマス側を
再生するのかは、ＶＴＲによって一義的に決まってしま
っており、例えば図３（ｄ）に示すようにトレースした
場合は、スチル再生時にヘッドＢ，Ｂ´によりＢアジマ
ス側だけが再生されることになり、Ａアジマス側のトラ
ックが再生されるのはＡＴＦ区間の１回だけとなる。

【０００７】したがって、例えば図３（ｅ）に示すゴル
フスウィングのように、カメラコーダで動きの速い被写
体を撮影した後、スチル再生等によりその動きを詳細に
分析するような場合には、Ａ２の画面でスチルしようと
しても、スチル画面は必ずその前後のＢアジマストラッ
クの内容となり、最も見たい場面が見られなくなるとい
う問題が生じることになる。特に、カメラコーダの電子
シャッタを使用した録画内容を、フィールドスチル再生
及びスロー再生する場合には、画面にぶれがないため上
記の現象がより明確となり、機能的に非常に不満足なも
のとなる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】以上のように、ＡＴＦ
サーボシステムを採用した従来のテープ記録再生装置で
は、Ｗアジマスヘッドによるフィールドスチル再生及び
スロー再生時に、再生アジマストラック及びスロー定速
区間の再生トラック等のヘッドトレースシーケンスが１
つに固定されているため、最も見たい場面が見られなく
なるという問題を有している。

【０００９】そこで、この発明は上記事情を考慮してな
されたもので、キャプスタン間欠駆動の制御アルゴリズ
ムを２種類用意し、使用者がどちらかの制御アルゴリズ
ムに対応したヘッドトレースシーケンスを選択すること
ができるようにした極めて良好なテープ記録再生装置を
提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明に係るテープ記
録再生装置は、互いに異なるアジマス角に設定された第
１及び第２の回転ヘッドがテープに形成されたヘリカル
トラックを選択的にトレースし、ヘッドスイッチングパ
ルスに基づいて第１及び第２の回転ヘッドから選択的に
再生信号を得るもので、テープのヘリカルトラックに重
疂されたパイロット信号に基づいてキャプスタンによる
テープの走行速度を制御することで、第１及び第２の回
転ヘッドのヘリカルトラックに対するトレース軌跡を制
御するサーボ手段と、キャプスタンを間欠駆動すること
でテープのスロー再生及びスチル再生を交互に行なう間
欠スロー再生手段とを備えたものを対象としている。

【００１１】そして、間欠スロー再生手段におけるキャ
プスタンの間欠駆動タイミングを、ヘッドスイッチング
パルスの周期に基づいて切り換えることで、２種類のキ
ャプスタン制御アルゴリズムを有する切換手段を備え、
外部操作によりどちらかの制御アルゴリズムに対応した
ヘッドトレースシーケンスを選択することができるよう
に構成したものである。

【００１２】

【作用】上記のような構成によれば、２種類のキャプス
タン制御アルゴリズムを用意し、外部操作によりどちら
かの制御アルゴリズムに対応したヘッドトレースシーケ
ンスを選択することができるようにしたので、スチル再
生時における再生アジマストラックを使用者が任意に選
定することができるようになり、画面内容をアジマスの
関係に制約されることなくスチル及びスロー再生機能を
十分に活用することが可能となる。

【００１３】

【実施例】以下、この発明の一実施例について図面を参
照して詳細に説明する。図１において、１１はＶＴＲの
前面パメル等に設置された切換スイッチで、使用者によ
ってスローモード１とスローモード２とに切換操作され
る。この切換スイッチ１１の切換操作情報は、マイクロ
コンピュータ１２内のモード１／モード２切換回路１３
及びヘッドマトリクステーブル１４に供給される。ま
た、回転ドラム１５に支持された図示しないヘッドから
得られる再生信号は、増幅回路１６で増幅された後、Ａ
ＴＦパイロット検出回路１７でＡＴＦパイロット信号が
検出され、マイクロコンピュータ１２に供給される。

【００１４】ここで、上記モード１／モード２切換回路
１３は、切換スイッチ１１の切換状態によりＡＴＦパイ
ロット信号に基づいて、スローモード１及びスローモー
ド２に対応するフィードバック信号を生成し、キャプス
タンドライブ回路１８に出力することで、キャプスタン
モータ１９の回転速度を制御し、テープ２０の走行速度
を制御している。また、上記ヘッドマトリクステーブル
１４は、切換スイッチ１１の切換状態に応じてヘッドス
イッチングパルスやヘッド選択信号等のヘッド切換信号
を生成して増幅回路１６に出力し、各モードに対応した
ヘッド切換シーケンスを実現している。

【００１５】上記のような構成において、以下、図２を
参照してその動作を説明する。すなわち、図２（ａ）は
ヘッドスイッチングパルスであり、このパルスがＨ（ハ
イ）の区間で図４に示したＷアジマスヘッドにおけるＡ
´／Ｂチャンネル側がテープ２０上の信号を再生するも
のとする。また、図２（ｂ）〜（ｄ）は、スローモード
１におけるキャプスタン制御電圧，ヘッドトレース軌跡
及び画面内容をそれぞれ示し、図２（ｅ）〜（ｇ）は、
スローモード２におけるキャプスタン制御電圧，ヘッド
トレース軌跡及び画面内容をそれぞれ示している。

【００１６】例えば切換スイッチ１１によってスローモ
ード１が選択された場合には、ヘッドスイッチングパル
スに対して図２（ｂ）に示すタイミングでキャプスタン
モータ１９が制御される。これにより、間欠スロー再生
時のスチル画面は、Ｂアジマス側となりＡアジマスを再
生するのはスロー移動中のＡＴＦ区間の１回のみとな
る。すなわち、ヘッドトレースは、……Ｂ−Ｂ−Ｂ−…
…−Ａ−Ｂ−Ｂ−Ｂ……の繰り返しとなる。通常再生状
態からスチル再生及びスロー再生モードに移行するとき
は、スロー中のブレーキ開始タイミングをそのまま用い
ることで最初のスチル位置が決定される。

【００１７】ここで、もし、Ａアジマストラック側に注
目したい場面が記録されている場合には、切換スイッチ
１１によってスローモード２を選択する。すると、図２
（ｅ）に示すようにキャプスタンモータ１９の制御タイ
ミングがヘッドスイッチングパルスの半周期分シフトさ
れ、間欠スロー再生を行なった場合、同図（ｆ）に示す
ヘッドトレースが行なわれ、スチル再生あるいはコマ送
り等で、Ａアジマス側の画面内容を確認することができ
る。すなわち、ヘッドトレースは、……Ａ−Ａ−Ａ−…
…−Ｂ−Ａ−Ａ−Ａ……の繰り返しとなる。このため、
スローモード１では、スロー移動中に一瞬見えるだけで
あった場面が、スローモード２のスチル再生時には常に
再生されることになる。

【００１８】この発明は、ＡＴＦサーボシステムが採用
されたテープ記録再生装置であるから、コントロールパ
ルスの検出タイミング等の問題が存在せず、単なるタイ
ミングシフトだけで実現することができる。一連の制御
アルゴリズムは、一般的には、マイクロコンピュータ１
２内プログラムにより決定されているため、基準タイミ
ングをヘッドスイッチングパルスの立上りから立下り
に、あるいはその逆にするだけで可能となり、マイクロ
コンピュータ１２内のプログラム容量にもほとんど影響
を与えることがない。また、ヘッド切換信号も、マイク
ロコンピュータ１２内のヘッドマトリクステーブル１４
を一部変更するだけで簡単に対応させることができる。
なお、この発明は上記実施例に限定されるものではな
く、この外その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実
施することができる。

【００１９】

【発明の効果】以上詳述したようにこの発明によれば、
キャプスタン間欠駆動の制御アルゴリズムを２種類用意
し、使用者がどちらかの制御アルゴリズムに対応したヘ
ッドトレースシーケンスを選択することができるように
した極めて良好なテープ記録再生装置を提供することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係るテープ記録再生装置の一実施例
を示すブロック構成図。

【図２】同実施例の動作を説明するために示す図。

【図３】従来のテープ記録再生装置の間欠スロー再生動
作を説明するために示す図。

【図４】Ｗアジマス４ヘッドの構成を示す図。

【符号の説明】

１１…切換スイッチ、１２…マイクロコンピュータ、１
３…モード１／モード２切換回路、１４…ヘッドマトリ
クステーブル、１５…回転ドラム、１６…増幅回路、１
７…ＡＴＦパイロット検出回路、１８…キャプスタンド
ライブ回路、１９…キャプスタンモータ、２０…テー
プ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 互いに異なるアジマス角に設定された第
   １及び第２の回転ヘッドがテープに形成されたヘリカル
   トラックを選択的にトレースし、ヘッドスイッチングパ
   ルスに基づいて前記第１及び第２の回転ヘッドから選択
   的に再生信号を得るもので、前記テープのヘリカルトラ
   ックに重疂されたパイロット信号に基づいてキャプスタ
   ンによる前記テープの走行速度を制御することで、前記
   第１及び第２の回転ヘッドの前記ヘリカルトラックに対
   するトレース軌跡を制御するサーボ手段と、前記キャプ
   スタンを間欠駆動することで前記テープのスロー再生及
   びスチル再生を交互に行なう間欠スロー再生手段とを備
   えたテープ記録再生装置において、前記間欠スロー再生
   手段における前記キャプスタンの間欠駆動タイミング
   を、前記ヘッドスイッチングパルスの周期に基づいて切
   り換えることで、２種類の前記キャプスタン制御アルゴ
   リズムを有する切換手段を具備し、外部操作によりどち
   らかの制御アルゴリズムに対応したヘッドトレースシー
   ケンスを選択することができるように構成してなること
   を特徴とするテープ記録再生装置。