JPH06273676A - 光走査型顕微鏡 - Google Patents

光走査型顕微鏡

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JPH06273676A
JPH06273676A JP6655193A JP6655193A JPH06273676A JP H06273676 A JPH06273676 A JP H06273676A JP 6655193 A JP6655193 A JP 6655193A JP 6655193 A JP6655193 A JP 6655193A JP H06273676 A JPH06273676 A JP H06273676A
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JP
Japan
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optical fiber
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light
optical
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JP6655193A
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Inventor
Hiroshi Shudo
広 首藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 近視野現象を観察することができる高分解能
の光走査型顕微鏡を提案する。 【構成】 試料4を照射するレーザ光を光ファイバ3で
導いて反射光又は透過光を受光し、若しくはレーザ光で
照射された試料4の反射光又は透過光を光ファイバ3で
受光し、この反射光又は透過光の光強度を検出しながら
試料4に対する光ファイバ3の相対位置を走査させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光走査型顕微鏡に関
し、特に近視野で試料を観察する場合に適用して好適な
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、顕微鏡には、光学顕微鏡とレーザ
走査型顕微鏡とがある。このうち光学顕微鏡において
は、面光源を形成する光源の射出光を集光レンズで試料
に照射する。これにより、この種の光学顕微鏡において
は、試料表面を二次元的に照射し、その反射光又は透過
光を対物レンズで結像して像を形成するようになされて
いる。
【0003】これに対してレーザ走査型顕微鏡において
は、レーザ光源から射出したレーザ光を集光することに
より、点光源状の光を形成し、このレーザ光をガルバノ
ミラー等で二次元走査する。さらに、このレーザ走査型
顕微鏡においては、二次元走査するレーザ光を試料表面
に照射し、その反射光の強度を所定の受光系で受光す
る。
【0004】これにより、レーザ走査型顕微鏡において
は、試料表面に二次元走査して得られる反射光の光強度
に基づいて、試料表面の形状等を観察し得るようになさ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光学顕微鏡
及びレーザ走査型顕微鏡においては、開口に相当するレ
ンズと試料表面との間隔が光の波長に比してはるかに大
きいことにより、近視野現象の観察が困難な問題があ
る。つまり、光の波長とレンズによる物理的限界によ
り、光学顕微鏡では0.5ミクロン以下は解像すること
ができない。また、光学顕微鏡においては、光の回析現
象により、原理的にも近視野現象を観察し得ない特徴が
ある。
【0006】これに対して、このような近視野の現象を
観察することができれば、産業上、学問上種々の観察に
適用して利用分野を拡大することができる。例えば、ビ
デオテープレコーダ等に搭載される磁気ヘッドのギャッ
プ幅を測長する場合、0.1ミクロン以下の分解能が欲
しい。
【0007】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、近視野現象を観察することが
できる光走査型顕微鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明は、レーザ光を生成するレーザ光源2と、
上記レーザ光を導いて該レーザ光を試料4に照射し、若
しくは上記試料4に上記レーザ光を照射して得られる反
射光又は透過光を受光する光ファイバ3と、この光ファ
イバ3を介して照射した上記レーザ光の反射光又は透過
光を受光し、若しくは上記光ファイバ3で受光した上記
反射光又は透過光を受光し、上記反射光又は上記透過光
の光強度に応じて信号レベルが変化する受光結果を出力
する反射光検出手段15と、上記光ファイバ3及び上記
試料4の相対位置を順次変化させ、上記試料4に対する
上記光ファイバ3の相対位置を走査させる光走査手段
6,7,9とを備えてなることを特徴とする。
【0009】光走査手段6,7,9は、光ファイバ3の
試料4側端面を試料4に近接して保持する。
【0010】光走査手段6,7,9は、試料4を透過す
る所定のレーザ光を撮像して干渉縞を撮像することによ
り、この撮像結果に基づいて光ファイバ3の試料4側端
面を試料4に近接して保持する。
【0011】光走査手段6,7,9は、撮像結果を所定
の表示手段22に表示し、該表示手段22の表示結果に
基づいて、光ファイバ3の試料4側端面の形状を判断し
得るようにする。
【0012】光ファイバ3は、先端部に金属被覆24を
有し、その先端部に1ミクロン以下の微小開口25を有
する。
【0013】その微小開口25は、金属被覆24された
光ファイバ先端と走査型トンネル顕微鏡の探針31の先
端位置を光学顕微鏡40で観察しながら該探針31の光
ファイバ3に対する位置決めを行い、上記探針31への
パルス状のバイアス電圧の印加又は探針先端の押し当て
により形成される。
【0014】
【作用】試料4を照射するレーザ光を光ファイバ3で導
いて反射光又は透過光を受光し、若しくはレーザ光で照
射された試料4の反射光又は透過光を光ファイバ3で受
光し、この反射光又は透過光の光強度を検出しながら試
料4に対する光ファイバ3の相対位置を走査すれば、光
ファイバ3を近接して試料4に配置して近視野の現象が
観察される。
【0015】また、光学的な分解能は光の出入りする径
で決まるので、金属被覆された光ファイバの先端部に1
ミクロン以下の微小開口を形成することにより、さらな
る近視野の現象が観察される。
【0016】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。本実施例の光
走査型顕微鏡1は、図1に示すように、レーザ光源2か
ら射出されたレーザ光を光ファイバ3で試料4に導くと
共に、その結果得られる反射光をこの光ファイバ3を介
して受光するように構成されている。
【0017】この種の光走査型顕微鏡1においては、近
視野現象を観察するために、レーザ光の開口又は受光系
の開口を試料4表面の近視野内に配置する必要がある。
すなわち、この実施例においては、試料4表面を走査す
るレーザ光の点光源を試料4に極めて近接して配置する
必要がある。
【0018】このため、この実施例において、光走査型
顕微鏡1は、レーザ光源2から射出されたレーザ光を光
ファイバ3で導くことにより、この光ファイバ3の端面
を試料4に極めて近接配置して開口を近視野に配置す
る。すなわち、かかる光走査型顕微鏡1においては、試
料4を試料台5に載置し、この試料台5を所定の可動機
構6,7で可動する。
【0019】可動機構6,7は、所定のベース8上に試
料粗動用ステージ6を載置し、この試料粗動用ステージ
6で試料微動機構7を粗動する。試料微動機構7は、圧
電素子からなるピエゾ素子を使用して試料台5を微動し
得るようになされている。
【0020】これにより、光走査型顕微鏡1において
は、可動機構6,7を制御装置9で駆動して試料4を光
ファイバ3に対してX方向及びY方向に可動し、光ファ
イバ3から出射されるレーザ光を試料4表面に二次元走
査するようになされている。
【0021】これに対して光ファイバ3においては、可
動機構10,11に支持され、これにより該光ファイバ
3の端面が試料4表面に近接して保持されるようになさ
れている。すなわち、可動機構10,11においては、
ベース8上に光ファイバ粗動用ステージ11を搭載し、
この光ファイバ粗動用ステージ11で光ファイバ微動機
構10を粗動する。
【0022】光ファイバ微動機構10は、圧電素子から
なるピエゾ素子を使用して光ファイバ3を微動し得るよ
うになされている。これにより、光走査型顕微鏡1にお
いては、可動機構10,11を制御装置9で駆動して光
ファイバ3の端面を上下に可動し、この端面を試料4表
面から所定距離に保持し得るようになされている。
【0023】上記レーザ光源2は、減衰板12を介して
レーザ光の光量を補正した後、ファイバ集光カップラ1
3を介して、このレーザ光を光ファイバ3に出射する。
この光ファイバ3においては、中間に光カップラ14が
配置され、これによりレーザ光源2側から到来するレー
ザ光を試料4側に出射するのに対し、この試料4で反射
して光ファイバ3を介して到来する反射光を受光系15
に導くようになされている。
【0024】なお、光カップラ14においては、分岐し
て設けられる光ファイバ16を介して一端の出射光をイ
ンデックスマッチオイル17に導き終端するようになさ
れている。
【0025】受光系15においては、反射光の光強度に
応じて信号レベルが変化する反射光検出信号S1を制御
装置9に出力する。制御装置9においては、可動機構
6,7及び10,11を駆動することにより、光ファイ
バ3の端面を試料4表面から所定距離に保持した状態
で、この端面に対して試料4を二次元走査する。
【0026】さらに、この制御装置9においては、二次
元走査に同期して反射光検出信号S1を取り込むように
なされ、取り込んだ結果を図2に示すように表示装置1
8で表示する。ちなみに、図2に示す受光結果において
は、Y方向に走査位置を順次変位させてX方向に走査し
た際の反射光強度を表す。この場合、図3に示すように
1cm角の石英ガラス上にCr(クロム)を蒸着して
3.6ミクロン幅で連続するストライプを形成し、光フ
ァイバ3の端面側が蒸着面になるように試料4を配置し
て観察した結果である。
【0027】かくして光ファイバ3を介してレーザ光を
試料4に導くことにより、レーザ光の開口を近視野に配
置し得、これにより近視野の現象を観察することができ
る。
【0028】ところで、この種の光ファイバ3でレーザ
光を導いて試料4を観察する場合、高い解像度を得るた
めには、光ファイバ3の端面から出射されたレーザ光が
ほとんど広がらないように試料4に照射する必要があ
る。このためには、光ファイバ3の端面と試料4表面を
数波長以下のナノメートルオーダーで近接して保持し、
この状態で二次元走査する必要がある。
【0029】さらにこの種の光ファイバ3においては、
コア3aの周囲を同心円状にクラッド3bで覆ってレー
ザ光を導くようになされており、図4に示すように、コ
ア3aの端面からクラッド3bの端面が突出している
と、レーザ光の開口を試料4表面に保持し得なくなる。
光ファイバ3の端面から出射されたレーザ光がほとんど
広がらないように試料4に照射するためには、図5に示
すように、光ファイバ3の先端を凸形状又は平坦な形状
に保持する必要がある。
【0030】なお、この実施例においては、コア3aの
外径が5.6ミクロンの光ファイバ3を使用するように
なされ、この光ファイバ3を近接して配置し、該光ファ
イバ3のコア径に対応した分解能を得るようになされて
いる。
【0031】そして、この光走査型顕微鏡1において
は、試料4の上部に配置した光学系で試料4及び光ファ
イバ3の間隔をモニタし得るようになされている。すな
わち、集光レンズからなる干渉レンズ19を試料4の上
部に配置し、この干渉レンズ19で試料4の透過光を集
光し、光学顕微鏡20に導く。
【0032】さらに、この光走査型顕微鏡1において
は、上記光学顕微鏡20にCCDカメラ21を搭載し、
光学顕微鏡20の像をモニタ装置22でモニタし得るよ
うになされている。なお、このCCDカメラ21におい
ては、カメラコントロールユニットからなる駆動部23
で駆動されるようになされている。
【0033】このように構成された光走査型顕微鏡1で
は、点光源からなる光ファイバ3のコア端面から出射さ
れたレーザ光においては、該コア端面が試料4の表面に
近接して数波長以下の距離になると干渉縞を生成し、こ
の干渉縞図形をモニタ装置22を介して観察することが
できる。
【0034】これにより、この干渉縞図形を一定形状に
保持するように可動機構11を駆動して二次元走査する
ことにより、光ファイバ3の先端を試料4表面に近接し
て保持し得、近視野の現象を高い解像度で観察すること
ができる。さらに、この干渉縞を基準にして光ファイバ
3の端面形状を確認することができる。
【0035】すなわち、光走査型顕微鏡1においては、
始めに光学顕微鏡20を操作して観察する試料4の表面
に焦点を合わせた後、この試料4の表面に光ファイバ3
を徐々に近づける。この状態でモニタ装置22を介して
光ファイバ3の先端の像が現れたとき(このことは、光
ファイバ3の先端が試料表面に極めて近接したことを意
味する。)、光ファイバ3の試料4への近接を停止し、
レーザ光源2を発光させる。
【0036】この状態でモニタ装置22のモニタ画像で
コア3a及びクラッド3bを識別し得るように減衰板1
2でレーザ光の光量を弱める。このようにしてレーザ光
の光量を調整すると、この光走査型顕微鏡1において
は、改めて制御装置9で可動機構11を駆動して干渉縞
を生成し、この干渉縞の0次の領域内にコア3aの像が
保持されるように、制御装置9で可動機構11を駆動
し、試料4表面から光ファイバ3先端までの距離を一定
値に保持して二次元走査する。
【0037】かくしてレーザ光の干渉縞の0次の領域内
にコア3aの像が保持されるように、可動機構11で試
料4表面から光ファイバ3先端までの距離を補正して二
次元走査することにより、試料4表面から光ファイバ3
先端までの距離を高い精度で一定値に保持することがで
き、さらにこの距離も数波長以下の距離に保持すること
ができる。これにより、近視野現象を高い解像度で観察
することができる。
【0038】この干渉縞を観察する際、図6に示すよう
に、干渉縞が不均一に現れた場合、光ファイバ3の先端
においては、コア3aの先端よりクラッド3bの先端が
突出していると判断することができる。これに対して図
7に示すように、同心円状に干渉縞が発生した場合、光
ファイバ3の先端が平坦又はコア3aの先端がクラッド
3bの先端より突出している場合と考えられ、この場
合、光ファイバ3の先端形状が正しいと判断することが
できる。
【0039】これにより、光走査型顕微鏡1において
は、図6に示すような干渉縞が発生した場合、光ファイ
バ3の先端を改めて加工し直し、上述の作業を繰り返し
て試料4を観察する。
【0040】以上の構成によれば、レーザ光を光ファイ
バ3を介して試料4に導き、さらにこの光ファイバ3を
介して試料4の反射光を受光することにより、点光源及
び受光系の開口を試料4に近接して配置し得、これによ
り近視野現象を観察することができる。
【0041】なお、上述の例では、光ファイバ3を介し
てレーザ光を試料4に導き、さらにこの光ファイバ3を
介して試料4の反射光を受光する場合について述べた
が、レーザ光の開口又は受光系の開口の何れかを試料4
に近接して保持し得れば近視野の現象を観察し得ること
により、照明系及び受光系を分離して形成するようにし
てもよい。
【0042】また、上述の例では、試料4の反射光を受
光して観察する場合について述べたが、透過光を受光し
て観察するようにしてもよい。さらには、上述の実施例
においては、レーザ光源2から出射されたレーザ光を利
用して試料4及び光ファイバ3先端の間隔を所定値に保
持する場合について述べたが、距離検出用に専用のレー
ザ光源2を配置するようにしてもよい。
【0043】ところで、上述のように構成された光走査
型顕微鏡1においては、より高い分解能を得ることを目
的として、例えば図8及び図9に示すように、光ファイ
バ3の先端部を覆ってAu等をスパッタリングしてなる
金属被覆24を設け、その金属被覆24にコア3aと通
ずる1ミクロン以下の微小開口25を形成する。光学的
な分解能は光の出入りする径で決まるため、通常クラッ
ド3bの直径が125ミクロンに対してコア3aの直径
が5〜10ミクロンであることから、それ以上の分解能
を得るためには光ファイバ3の先端部に金属被覆24を
設け、この金属被覆24に上記コア3aに通ずる極めて
小さな1ミクロン以下の微小開口25を形成することに
より、高分解能を得ることができる。
【0044】微小開口25は、レーザ光源2からのレー
ザ光を試料4に照射し又は試料4の反射光を受光系15
に導く必要性からコア3aの中心線上に形成する必要が
ある。また、上記微小開口25は、コア3aに貫通する
ように形成することが望ましいが、必ずしも貫通穴でな
くてもよい。つまり、レーザ光源2からのレーザ光がコ
ア3aを通して試料4に照射又は試料4の反射光をコア
3aを通して受光系15に導くことができれば、微小開
口25は止まり穴であっても構わない。また、この微小
開口25は、必要に応じて円形状又は任意形状とされ
る。
【0045】本実施例では、クラッド3bの直径が12
5ミクロン,コア3aの直径が5〜10ミクロンで先端
形状が平坦な光ファイバ3を用い、これに膜厚0.2ミ
クロンのAuをスパッタリングして金属被覆24を形成
し、その金属被覆24にコア3aに貫通する直径0.1
ミクロンの微小開口25を形成した。またこの他、クラ
ッド3bの直径が125ミクロン,コア3aの直径が5
〜10ミクロンで先端形状が緩やかな円弧を描く凸形状
をなす光ファイバ3を用い、これに膜厚0.2ミクロン
のAuをスパッタリングして金属被覆24を形成し、そ
の金属被覆24に直径0.1ミクロン,深さ0.15ミ
クロンの微小開口25を形成した。
【0046】上記微小開口25をコア3aの中心線上に
1ミクロン以下と非常に微小な穴として形成するのは、
極めて困難な作業であるため、以下の微小開口形成装置
を用いて高精度に形成する必要がある。
【0047】かかる微小開口形成装置を用いて微小開口
25を形成するには、先ず、図10に示す光ファイバ3
の先端部を覆ってAuをスパッタリングする。この結
果、光ファイバ3の先端部には、図11に示すように金
属被覆24が形成される。
【0048】次に、この金属被覆24にコア3aに貫通
する微小開口25を形成する。微小開口25を形成する
に際しては、微小開口形成装置を用いる。
【0049】かかる微小開口形成装置においては、図1
2に示すように、軽量で耐久性の高いジュラルミン等に
よって側面形状を略L字状とした第1のベース26を有
してなる。そして、この第1のベース26の垂直面26
aには、POMアイソレーション27を介して絶縁材で
あるマコールプレート28がボルト等によって固定され
ている。このマコールプレート28には、光ファイバ3
の先端に微小開口25を形成する探針のアクチュエータ
ーとなりXY方向(光ファイバ3の表面方向をXY方向
とする。)のスキャニングを行う第1のピエゾ素子29
が配設されている。
【0050】上記第1のピエゾ素子29には、先端部に
ミラー30が取付けられている。かかるミラー30は、
そのミラー面を鉛直方向へ向けて45度傾けた方向に取
付けられており、鉛直方向からの光を反射させて第1の
ピエゾ素子29の軸線方向に進行させるようになってい
る。そして、このミラー30には、光ファイバ3の先端
に微小開口25を形成するための走査型トンネル顕微鏡
(以下、STMと称する。STMは、Scanning Tunneli
ng Microscope の略である。)の探針31が取付けられ
ている。上記探針31は、上記第1のピエゾ素子29の
軸線上に設けられるように、上記ミラー30のミラー面
に取付けられている。
【0051】このようにして取付けられた探針31は、
図12中矢印で示すX方向,Y方向,Z方向に粗動可能
となされた第1のXYZステージ32上に第1のベース
26が取付けられることにより、三次元方向へ粗動する
ようになっている。したがって、上記探針31は、第1
のXYZステージ32によってX方向,Y方向,Z方向
に大きく移動可能となる。
【0052】また、上記第1のベース26と対向した位
置には、この第1のベース26と同様に軽量で且つ耐久
性の高いジュラルミン等によって側面形状を略L字状と
した第2のベース33が設けられている。この第2のベ
ース33の垂直面33aには、POMアイソレーション
を介して絶縁材であるマコールプレート(いずれも図示
を省略する。)がボルト等によって固定されている。そ
して、このマコールプレートには、光ファイバ保持台の
アクチュエーターとなる第2のピエゾ素子34が配設さ
れている。
【0053】上記第2のピエゾ素子34には、例えばジ
ュラルミン等で形成された試料ベース35が設けられて
いる。この試料ベース35には、光ファイバ保持台36
を案内するための2本のガイド棒37,38が互いに平
行となるように取付けられている。そして、これらガイ
ド棒37,38上には、側面形状を略L字状とした光フ
ァイバ保持台36が載置されている。かかるファイバ保
持台36の垂直面には、図13で示すように、先端部が
金属被覆24で覆われた光ファイバ3が取付けられてい
る。上記光ファイバ3の先端は、探針31と相対向する
光ファイバ保持台36の垂直面36aより若干突出する
ようにして設けられている。一方、光ファイバ3の後端
には、微小開口25を加工する際にコア部を照明し、当
該コア3aの位置を明示するためのHe−Neレーザー
49が接続されている。
【0054】そして、上記第2のピエゾ素子34に所定
形状の鋸波電圧を加えることにより、この第2のピエゾ
素子34及びガイド棒37,38は急速な後退及び徐々
の前進を繰り返し、スティックスリップによりガイド棒
37,38上の光ファイバ保持台36は、当該ガイド棒
37,38の急速な後退時には、スリップして後退せ
ず、徐々の前進時には摩擦力により同時に前進し、これ
により光ファイバ保持台36が探針31に近づく。一
方、他の形状の鋸波電圧を加えることにより、第2のピ
エゾ素子34及びガイド棒37,38は、急速な前進及
び徐々の後退を繰り返し、これにより光ファイバ保持台
36を探針31から遠ざけることができる。
【0055】また、上記探針31は、図12中矢印で示
すX方向,Y方向,Z方向に粗動可能となされた第2の
XYZステージ39上に第2のベース33が取付けられ
ることにより、三次元方向へ粗動するようになされてい
る。したがって、上記光ファイバ保持台36は、第1の
XYZステージ32によってX方向,Y方向,Z方向に
大きく移動可能となる。
【0056】そして、上記ミラー30の真上には、探針
31によって光ファイバ先端の所定位置に所望形状の微
小開口25を高精度に形成するために、前記各ステージ
で探針31に対する光ファイバ3の位置を目視により観
察しながら加工するための光学顕微鏡40が設けられて
いる。光学顕微鏡40のレボルバ41には、10倍の対
物レンズ42、20倍の対物レンズ43、40倍の対物
レンズ44が取付けられている。これら対物レンズ4
2,43,44は、レボルバ41を回すことにより、い
ずれの対物レンズ42,43,44もミラー30上に対
向させることができる。なお、これら対物レンズ42,
43,44には、超長作動距離レンズが用いられてい
る。
【0057】また、これら対物レンズ42,43,44
は、光学顕微鏡40に設けられるレバー(図示は省略す
る。)を回すことにより、ミラー30に対して近接する
方向と離間する方向とに進退可能となされている。した
がって、対物レンズ42,43,44からの光路は、ミ
ラー30により45度曲げられて、第1のピエゾ素子2
9の軸線上に焦点を結び、対物レンズ42,43,44
とミラー30との距離を調節することにより、探針31
の先端に焦点を結ぶことができる。また、対物レンズ4
2,43,44をミラー30に対して前進させて、探針
31の前方に配置してある光ファイバ3の先端部表面に
焦点を結ぶこともできる。
【0058】そして、このように構成された光走査型顕
微鏡1においては、上記探針31と光ファイバ3の微細
な隙間に流れるトンネル電流を増幅するためのトンネル
電流増幅回路45と、探針31と光ファイバ3間に印加
するパルス状のバイアス電流を発生するためのバイアス
回路46(ファンクションゼネレータ)と、探針31を
XYZ方向に粗動させるための探針XYZ制御回路47
とを有し、それぞれの回路で各々制御するようになされ
ている。また、上記バイアス回路46と探針XYZ制御
回路47とは、パソコン48によって制御されるように
なされている。また、上記パソコン48は、バイアス回
路46と探針XYZ制御回路47の制御のみならず、光
ファイバ3の先端に微小開口25が形成されたか否かを
画像表示する役目をするようになっている。
【0059】以上のように構成された微小開口形成装置
によって光ファイバ3の先端に微小開口25を形成する
には、先ず、光ファイバ保持台36に光ファイバ3を取
付ける。そして、図14(a)に示すように、倍率の低
い対物レンズ42をミラー30の真上に位置せしめ、該
対物レンズ42を上下動させて焦点を探針31の先端上
に結ぶ。
【0060】次に、光学顕微鏡40で観察しながら第1
のXYZステージ32を動かし、且つ第1のピエゾ素子
29の軸線方向を平行に保ちながら探針31の先端が視
野の中心となるようにする。
【0061】次いで、図14(b)に示すように、対物
レンズ42を降下して焦点を光ファイバ3の先端部表面
上に結ぶ。実際には、金属被覆24の表面上に焦点を結
ぶことになる。そして、光学顕微鏡40で観察しながら
第2のXYZステージ39を動かし、且つガイド棒3
7,38の方向を平行に保ちながら光ファイバ3の測定
部位が視野の中心となるようにする。
【0062】次に、探針31と光ファイバ3との位置関
係を図14(b)の状態に保って対物レンズ42を上昇
し、焦点を再び探針31の先端に結ぶ〔図14(c)参
照〕。
【0063】次いで、レボルバ41を回して倍率が20
倍の対物レンズ43をミラー30に対向して、上述と同
様の動作を再び繰り返す。このときには、焦点を光ファ
イバ3の先端部表面に移動したときに、該光ファイバ3
の測定部位の部分が、前回の位置決めによりすでに視野
内に入っているので、容易に真の測定部位をさらに正確
に視野の中心に位置させることができ、測定部位の絞り
込みを行うことができる。
【0064】さらに、レボルバ41を回して倍率が40
倍の対物レンズ44をミラー30に対向して設け、上述
の動作を順次繰り返してより高精度な絞り込みを行う。
【0065】そして、上記第1のXYZステージ32と
第2のXYZステージ39とによって、数ミクロンのコ
ア3a面内に探針31を確実に位置決めする。次に、探
針31と光ファイバ3の先端に設けられた金属被覆24
とを10オングストローム程度の隙間に保持し、数ボル
ト数ミリ秒の電気パルスを印加する。このときの印加パ
ルスの最大値は100V,最小値は1V、印加時間は最
大1秒,最小100マイクロ秒程度が望ましい。
【0066】この結果、高電界によりトンネル電流の流
れている金属被覆24に極めて小さな穴又は凹みが形成
される。この微細な穴又は凹みからなる微小開口25の
径は、トンネル電流の径に対応するので数nm程度とな
る。そして、探針31を第1のXYZステージ32でX
方向及びY方向に二次元的に走査することによって、任
意の形と大きさに微小開口25を形成することができ
る。
【0067】この際、対物レンズ44の焦点位置には、
探針31の先端及び金属被覆24の表面の双方が位置し
ているので、穴あけ加工を行っている際の光学像を同時
に光学顕微鏡40により観察することができる。
【0068】以上、本発明を適用した具体的な実施例に
ついて説明したが、本発明は、上述の実施例に限定され
ることなく種々の変更が可能である。例えば、光ファイ
バ3の先端に設けた金属被覆24に微小開口25を形成
するのに、トンネル電流によって加工を行ったが、これ
を機械的に金属被覆24の表面に浅く押し当てることに
より微小開口25を形成するようにしてもよい。探針3
1の先端径は、0.1ミクロン程度であることから、こ
れと同程度の径の穴や凹みが形成できる。
【0069】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の光走査型顕微鏡においては、試料を照射するレーザ
光を光ファイバで導いて反射光又は透過光を受光し、若
しくはレーザ光で照射された試料の反射光又は透過光を
光ファイバで受光し、この反射光又は透過光の光強度を
検出しながら試料に対する光ファイバの相対位置を走査
させることにより、光ファイバを近接して試料に配置し
て、近視野の現象を観察することができる。
【0070】また、本発明の光走査型顕微鏡において
は、先端部に形成した金属被覆24に1ミクロン以下の
微小開口を形成した光ファイバを用いているので、その
微小開口径に応じた高い分解能を得ることができ、さら
なる近視野の現象を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した光走査型顕微鏡の構成図であ
る。
【図2】光走査型顕微鏡による検出結果を示す特性図で
ある。
【図3】光走査型顕微鏡により検出される試料を示す斜
視図である。
【図4】コアの両側が突出した光ファイバの先端部分を
示す要部拡大断面図である。
【図5】先端形状が円弧状とされた光ファイバの先端部
分を示す要部拡大断面図である。
【図6】光ファイバの先端が異常な場合の干渉縞を示す
模式図である。
【図7】光ファイバの先端が正常な場合の干渉縞を示す
模式図である。
【図8】光ファイバの先端部に金属被覆が形成され、そ
の金属被覆に微小開口が形成された光ファイバの先端部
分を示す要部拡大断面図である。
【図9】光ファイバの先端部に金属被覆が形成され、そ
の金属被覆に微小開口が形成された光ファイバの先端部
分を示す要部拡大平面図である。
【図10】光ファイバの先端部分を示す要部拡大斜視図
である。
【図11】光ファイバの先端部分に金属被覆が形成され
た光ファイバの先端部分を示す要部拡大斜視図である。
【図12】光ファイバの先端部に微小開口を形成するの
に用いた微小開口形成装置の斜視図である。
【図13】微小開口形成装置の探針部分と光ファイバと
の位置関係を示す要部拡大正面図である。
【図14】(a)は探針に焦点を結んだ状態の探針部分
と光ファイバとの位置関係を示す要部拡大正面図及び探
針先端像を示す図であり、(b)は光ファイバの表面に
焦点を結んだ状態の探針部分と光ファイバとの位置関係
を示す要部拡大正面図及び光ファイバ表面像を示す図で
あり、(c)は再び探針に焦点を結んだ状態の探針部分
と光ファイバとの位置関係を示す要部拡大正面図及び探
針先端像と光ファイバ表面像を示す図である。
【符号の説明】
1・・・光走査型顕微鏡 2・・・レーザ光源 3・・・光ファイバ 4・・・試料 5・・・試料台 6,7,10,11・・・可動機構 9・・・制御装置 12・・・減衰板 15・・・受光系 19・・・干渉レンズ 20,40・・・光学顕微鏡 21・・・CCDカメラ 22・・・モニタ装置 26・・・第1のベース 29・・・第1のピエゾ素子 30・・・ミラー 31・・・探針 33・・・第2のベース 34・・・第2のピエゾ素子 36・・・光ファイバ保持台 42,43,44・・・対物レンズ 45・・・トンネル電流増幅回路 46・・・バイアス回路 47・・・探針XYZ制御回路 48・・・パソコン

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を生成するレーザ光源と、 上記レーザ光を導いて該レーザ光を試料に照射し、若し
    くは上記試料に上記レーザ光を照射して得られる反射光
    又は透過光を受光する光ファイバと、 上記光ファイバを介して照射した上記レーザ光の反射光
    又は透過光を受光し、若しくは上記光ファイバで受光し
    た上記反射光又は透過光を受光し、上記反射光又は上記
    透過光の光強度に応じて信号レベルが変化する受光結果
    を出力する反射光検出手段と、 上記光ファイバ及び上記試料の相対位置を順次変化さ
    せ、上記試料に対する上記光ファイバの相対位置を走査
    させる光走査手段とを備えてなることを特徴とする光走
    査型顕微鏡。
  2. 【請求項2】 上記光走査手段は、上記光ファイバの上
    記試料側端面を上記試料に近接して保持することを特徴
    とする請求項1記載の光走査型顕微鏡。
  3. 【請求項3】 光ファイバは、先端部に金属被覆を有
    し、その先端部に1ミクロン以下の微小開口を有してい
    ることを特徴とする請求項1記載の光走査型顕微鏡。
  4. 【請求項4】 上記光走査手段は、上記試料を透過する
    所定のレーザ光を撮像して干渉縞を撮像することによ
    り、この撮像結果に基づいて上記光ファイバの上記試料
    側端面を上記試料に近接して保持することを特徴とする
    請求項2記載の光走査型顕微鏡。
  5. 【請求項5】 微小開口は、金属被覆された光ファイバ
    先端と走査型トンネル顕微鏡の探針先端位置を光学顕微
    鏡で観察しながら該探針の光ファイバに対する位置決め
    を行い、探針へのパルス状のバイアス電圧の印加又は探
    針先端の押し当てにより形成されたことを特徴とする請
    求項3記載の光走査型顕微鏡。
  6. 【請求項6】 上記光走査手段は、上記撮像結果を所定
    の表示手段に表示し、上記表示手段の表示結果に基づい
    て、上記光ファイバの上記試料側端面の形状を判断し得
    るようにしたことを特徴とする請求項4記載の光走査型
    顕微鏡。
JP6655193A 1993-01-19 1993-03-25 光走査型顕微鏡 Withdrawn JPH06273676A (ja)

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JP5-24909 1993-01-19
JP2490993 1993-01-19
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004325461A (ja) * 2004-06-07 2004-11-18 Institute Of Physical & Chemical Research 非ヒト由来の生体試料の特定部位検出方法、非ヒト由来の生体試料の生理学的測定方法、生体試料の特定部位検出装置、光ファイバ保持装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004325461A (ja) * 2004-06-07 2004-11-18 Institute Of Physical & Chemical Research 非ヒト由来の生体試料の特定部位検出方法、非ヒト由来の生体試料の生理学的測定方法、生体試料の特定部位検出装置、光ファイバ保持装置

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