JPH06273596A - X線光学素子 - Google Patents

X線光学素子

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JPH06273596A
JPH06273596A JP5063790A JP6379093A JPH06273596A JP H06273596 A JPH06273596 A JP H06273596A JP 5063790 A JP5063790 A JP 5063790A JP 6379093 A JP6379093 A JP 6379093A JP H06273596 A JPH06273596 A JP H06273596A
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JP
Japan
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multilayer film
reflectance
compound
layer
element layer
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JP5063790A
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Inventor
Hisataka Takenaka
久貴 竹中
Tomoaki Kawamura
朋晃 川村
Yoshiichi Ishii
芳一 石井
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 重元素層と軽元素層とを交互に積層して構成
されるブラッグ回折効果を有する多層膜分光反射鏡など
の多層膜分光素子において、平滑で整った形状の多層膜
からなり、軟X線反射率が高く耐熱性に優れた多層膜分
光素子を提供する。 【構成】 重元素層と軽元素層とを交互に積層して構成
されるブラッグ回折効果を有する多層膜分光素子におい
て、重元素層にCoもしくはCoを主成分とするCo化
合物を用いたX線光学素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体材料など各種の材
料の化学状態、化学組成、不純物濃度、中でも軽元素を
高感度で分析する装置に必要な軟X線を選択する多層膜
分光素子あるいは微細加工、X線顕微鏡、X線望遠鏡な
どに好適に用いられるX線光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】単色あるいは純単色の軟X線やX線を選
択するために、多層膜が使用されるようになってきた。
多層膜はシリコンや石英などの基板の上に、一般には軽
元素層と重元素層とをそれぞれ所定の厚さで規則正しく
積層して形成される。このような多層膜は、特に軟X線
波長領域で回折格子や結晶に比べて反射率が高いという
利点を有している。例えば、波長が4.5nmでは重元
素層にNiを使用し、軽元素層にCを使用し、Ni層厚
とC層厚の比率が1:2、両者を加えた厚み(周期長)
が2.3nmで、100ペア層積層させたNi/C(N
iとCを交互に積層)多層膜で計算上約37%という高
い反射率が得られるなど、Ni/C多層膜は波長4.5
nm直上で反射率が高いことが知られていた。なお、従
来の多層膜分光素子に関する公知例として、例えば放射
光,第5巻,第1号,(1992年),第34頁が挙げられ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
4.5〜10nm程度の波長の軟X線を直入射(多層膜
の垂線方向からの入射)あるいは直入射に近い角度(多
層膜の垂線から0度〜50度方向の入射角度)で分光・
反射させるNi/C多層膜においては当然ながらNiの
層厚が数nm以下と薄くなる。Niの融点が約1450
℃と低いこと、また、一般に物質は数nmの膜厚以下で
は超微粒子などと同様にバルクの融点よりも更に融点が
下がるためにAuなどの薄膜のように島状に凝集する。
このため、Ni層を平滑な薄層状で0.5nmから1.5
nm程度の厚みに形成することが困難であった。また、
Niが凝集することで、Ni/C多層膜の界面の平滑性
が乱れ、X線反射率が大幅に低下し、直入射に近い角度
の反射では反射率がほとんど得られず、例えば周期長
3.3nmでNi層の厚みが1.1nmのNi/C多層膜
では全く軟X線反射率が得られないという大きな問題が
あった。しかも、Ni層とC層の1層の厚みがそれぞれ
1.5nm以上あるNi/C多層膜においても、高強度
のX線や軟X線がこの多層膜に照射されると照射部の温
度が上昇するため、この部分の積層構造が簡単に乱れ、
この影響で反射率が低下してしまう。この反射率が低下
すると分析応用の場合には、積層構造が変化しただけ精
度や確度が悪くなり、またX線リソグラフィーなどに適
用した場合にはレジストを適性時間露光することが困難
となる。更には、多層膜そのものの寿命が短くなるなど
様々な問題があった。
【0004】本発明の目的は、上記従来技術における問
題点を解決するものであって、重元素層にCo、もしく
はCoを主成分とする化合物を用い、平滑で整った積層
構造の多層膜を形成して軟X線反射率が高く、しかも耐
熱性に優れた多層膜分光反射鏡などの分光素子を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
するために、本発明は重元素層と軽元素層とを交互に積
層して構成されるブラッグ回折効果を有する多層膜分光
反射鏡等に用いられる多層膜分光素子において、上記重
元素層のNiの代わりにCoあるいはCoにB、C、
N、O、F、Al、Ar、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、P
d、Hf、Ta、W、Os、Ir、Ptのうちから選択
される少なくとも1種以上の元素と化合したCo化合物
を使用するものである。
【0006】
【作用】本発明者らは、重元素層と軽元素層とを交互に
積層して構成した多層膜分光反射鏡等の分光素子におい
て、重元素Co層の厚みが0.8nm、軽元素C層の厚
みが1.6nmの周期長2.4nmで80ペア積層させた
Co/C多層膜の作製を試みたところ、Ni/C多層膜
では作製できなかった短い周期長の多層膜であるにもか
かわらず、平滑で整った形状の積層構造の形成が可能で
あること、波長4.5nmで直入射角3°での反射率が
18%という極めて高い値を示すこと、またAr雰囲気
中で、400℃、1時間の熱処理を行っても反射率は1
6%を維持し耐熱性に優れていることなどを見出した。
一般に、多層膜は屈折率の差の大きな物質の層(通常は
重元素層と軽元素層)が、それぞれ一定の厚みで交互に
積層した構造としている。このような多層膜にX線や軟
X線を入射させると、図1に示すように、各層で散乱し
たX線や軟X線の干渉効果により、入射角と多層膜の周
期長(重元素層1層の厚みと軽元素層1層の厚みを加え
た長さ)とで決る特定の波長のX線を取り出すことがで
きる。この原理により、多層膜はX線や軟X線の分光反
射鏡となる。これから理解されるように、多層膜反射鏡
の反射の原理は全反射ではなくブラッグ反射である。こ
の反射率は、一般にはフレネルの式を用いて計算により
求められる。基板上に、複屈折率nj(λ)=1−σ
j(λ)−iβj(λ)で厚みdjの膜をj=1からmま
で積み重ねたm層膜に、波長λの平面波が真空中から入
射角αで入ってきた場合を想定する。第j層から第j−
1層への界面での複素振幅反射率をRj-1′とすると第
j+1層から第j層への界面での振幅反射率R′は、次
の(数1)式で表わされる。
【0007】
【数1】
【0008】rj′はnj+1層とnj層の界面での複素振
幅反射率であり、次の(数2)、(数3)式で表わされ
るフレネルの式から求められる。
【0009】
【数2】
【0010】
【数3】
【0011】なお、(数1)式のΔjは位相差で、Δj
=4πnjcosαj/λから求められる。また、αjはスネ
ルの法則sinα1=sinα0/njから求められる。したが
って、反射率は第m層から第1層まで、すなわち、基板
上から多層膜の表面まで各界面ごとに、順次R′を計算
することにより求められる。ここで、Co/C多層膜の
波長4.5nmで直入射角3°での反射率を計算したと
ころ、計算上においてもNi/C多層膜よりも高い反射
率が得られることが判明した。また、CoにB、C、
N、O、F、Al、Ar、Ti、V、Cr、Mn、F
e、Ni、Cu、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、P
d、Hf、Ta、W、Os、Ir、Ptのうちから選択
される少なくとも1種以上の元素と化合させたCo化合
物を重元素層として用い軽元素層にCを使用して、Ni
/C多層膜と構造がほとんど同じ多層膜を作製したとこ
ろ、Ni/C多層膜では積層構造の形成が困難であるに
もかかわらず本発明のCo/C多層膜においては積層構
造が容易に形成された。しかも、いずれもNi/C多層
膜よりも実質上の反射率が高く、かつ耐熱性に優れた積
層構造の多層膜が得られた。また、特に高い反射率を必
要とせず、耐熱性の向上、すなわち経時劣化の少ない多
層膜を求める場合は、Coと化合させる元素の含有量の
上限を限定する必要はない。重元素層に、上記のCoま
たはCo化合物を用い、かつ軽元素層にCを用いた多層
膜を、(1)X線・軟X線を利用した各種の分析に適用
した場合には、多層膜の反射率や耐熱性が一方の層にN
iを用いた多層膜よりも向上するので、反射率向上の面
からは感度や精度が向上し、耐熱性向上の面からは反射
率の変化が一方の層にNiを用いた多層膜よりも少なく
なり精度や確度が向上する。また、(2)X線リソグラ
フィーに適用した場合には、一方の層にNiを用いた多
層膜よりも上記(1)と同様の理由でスループットの向
上をはかることができ、反射率の劣化が少なくなり適性
露光時間を正確に決められるようになる。さらに、
(3)多層膜自身の寿命が延びるなどの効果を有するも
のである。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を挙げ、さ
らに詳細に説明する。 〈実施例1〉スパッタ法により軽元素層にCを用い、重
元素層にCoを使用した多層膜を作製した。多層膜の構
造はCo層の厚みが0.8nm、C層の厚みが1.6nm
の周期長2.4nmで80ペア積層させたCo/C多層
膜の作製し、作製した多層膜の軟X線反射率を波長4.
5nmの放射光を用い直入射角3°で評価した。この結
果、上記の光学条件において反射率が18%という極め
て高い値を示した。また、Ar雰囲気中で、400℃、
1時間の熱処理を行った場合、Ni/C多層膜では全く
反射が生じなくなったのに比べ、本実施例のCo/C多
層膜では10%という高い反射率を維持することができ
た。
【0013】〈実施例2〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−B化合物
を使用した多層膜を作製した。Bの濃度は1wt.(重
量)%から20wt.%とした。この多層膜は重元素層の
厚みが0.8nm、C層の厚みが1.6nmの周期長2.
4nmで80ペア積層させた構造とした。作製した多層
膜の軟X線反射率を実施例1と同様に波長4.5nmの
放射光を用い直入射角3°で評価した。この場合、得ら
れた反射率を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表2に示
す。B濃度が多くなるほど耐熱性は向上した。
【0016】
【表2】
【0017】〈実施例3〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−C化合物
を使用した多層膜を作製した。Cの濃度は1wt.%から
20wt.%とした。この多層膜は重元素層の厚みが0.8
nm、C層の厚みが 1.6nmの周期長2.4nmで30
ペア積層させた構造とした。作製した多層膜の軟X線反
射率を実施例1と同様に波長4.5nmの放射光を用い
直入射角3°で評価した。得られた反射率を表3に示
す。
【0018】
【表3】
【0019】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表4に示
す。C濃度が多くなるほど耐熱性は向上した。
【0020】
【表4】
【0021】〈実施例4〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−N化合物
を使用した多層膜を作製した。Nの濃度は1wt.%から
20wt.%とした。重元素層の厚みは0.8nm、C層の
厚みは1.6nmの周期長2.4nmで80ペアとした。
作製した多層膜の軟X線反射率を実施例1と同様に波長
4.5nmの放射光を用い直入射角3°で評価した。得
られた反射率を表5に示す。
【0022】
【表5】
【0023】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表6に示
す。N濃度が多くなるほど耐熱性が向上した。
【0024】
【表6】
【0025】〈実施例5〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−AlN化
合物を使用した多層膜を作製した。AlNの濃度は1w
t.%から20wt.%とした。重元素層の厚みは0.8n
m、C層の厚みは1.6nmの周期長2.4nmで80ペ
アとした。作製した多層膜の軟X線反射率を実施例1と
同様に波長4.5nmの放射光を用い直入射角3°で評
価した。得られた反射率を表7に示す。
【0026】
【表7】
【0027】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表8に示
す。AlN濃度が多くなるほど熱処理前の反射率からの
低下の度合が少なく耐熱性が向上した。
【0028】
【表8】
【0029】〈実施例6〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−F化合物
を使用した多層膜を作製した。Fの濃度は0.2wt.%か
ら5wt.%とした。多層膜の構造も実施例1と同じとし
た。作製した多層膜の軟X線反射率を実施例1と同様に
波長4.5nmの放射光を用い直入射角3°で評価し
た。得られた反射率を表9に示す。
【0030】
【表9】
【0031】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表10に
示す。F濃度が多くなるほど耐熱性が向上した。
【0032】
【表10】
【0033】〈実施例7〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−Ar化合
物を使用した多層膜を作製した。Arの濃度は0.2wt.
%から3wt.%とした。多層膜の構造も実施例1と同じ
とした。作製した多層膜の軟X線反射率を実施例1と同
様に波長4.5nmの放射光を用い直入射角3°で評価
した。得られた反射率を表11に示す。
【0034】
【表11】
【0035】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表12に
示す。Ar濃度が多くなるほど耐熱性が向上した。
【0036】
【表12】
【0037】〈実施例8〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−Ti化合
物を使用した多層膜を作製した。Tiの濃度は2wt.%
から30wt.%とした。多層膜の構造も実施例1と同じ
とした。作製した多層膜の軟X線反射率を実施例1と同
様に波長4.5nmの放射光を用い直入射角3°で評価
した。得られた反射率を表13に示す。
【0038】
【表13】
【0039】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表14に
示す。Ti濃度が多くなるほど耐熱性が向上する傾向が
確認された。
【0040】
【表14】
【0041】〈実施例9〉実施例1と同様にスパッタ法
により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−TiN化
合物を使用した多層膜を作製した。TiNの濃度は2w
t.%から30wt.%とした。多層膜の構造も実施例1と
同じとした。作製した多層膜の軟X線反射率を実施例1
と同様に波長4.5nmの放射光を用い直入射角3°で
評価した。得られた反射率を表15に示す。
【0042】
【表15】
【0043】また、上記の多層膜をAr雰囲気中で、4
00℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表16に
示す。TiN濃度が多くなるほど耐熱性が向上すること
が確認された。
【0044】
【表16】
【0045】〈実施例10〉実施例1と同様にスパッタ
法により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−V化合
物を使用した多層膜を作製した。Vの濃度は2wt.%か
ら30wt.%とした。多層膜の構造も実施例1と同じと
した。作製した多層膜の軟X線反射率を実施例1と同様
に波長4.5nmの放射光を用い直入射角3°で評価し
た。この場合、得られた反射率を表17に示す。また、
これらの多層膜をAr雰囲気中、400℃、1時間の熱
処理を行った後の反射率を表18に示す。V濃度が多く
なるほど熱処理前の反射率に比較して熱処理後の反射率
の低下の割合が少なくなる傾向が認められ耐熱性が向上
することが確認された。
【0046】
【表17】
【0047】
【表18】
【0048】〈実施例11〉実施例1と同様にスパッタ
法により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−Cr化
合物を使用した多層膜を作製した。Crの濃度は1wt.
%から99wt.%とした。多層膜の構造および評価法も
実施例1と同じとした。得られた反射率を表19に示
す。また、これらの多層膜をAr雰囲気中で、400
℃、1時間の熱処理を行った後の反射率を表20に示
す。この材料系の場合、Cr濃度が20%程度で熱処理
前の反射率に比較して熱処理後の反射率の低下の割合が
少なくなる傾向を示すことが確認された。
【0049】
【表19】
【0050】
【表20】
【0051】〈実施例12〉実施例1と同様にスパッタ
法により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−Mn化
合物を使用した多層膜を作製した。Mnの濃度は2wt.
%から30wt.%とした。多層膜の構造および評価法も
実施例1と同じとした。得られた反射率を表21に示
す。この多層膜も同一構造のNi/C多層膜に比べて高
い反射率を示した。
【0052】
【表21】
【0053】〈実施例13〉実施例1と同様にスパッタ
法により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−Fe化
合物を使用した多層膜を作製した。Feの濃度は2wt.
%から30wt.%とした。多層膜の構造および評価法も
実施例1と同じとした。得られた反射率を表22に示
す。この多層膜も同一構造のNi/C多層膜に比べて高
い反射率を示した。
【0054】
【表22】
【0055】〈実施例14〉実施例1と同様にスパッタ
法により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−Cu化
合物、Co−Zr化合物を使用した多層膜を作製した。
これらのCoとの化合物質の濃度は2wt.%から30wt.
%とした。多層膜の構造および評価法も実施例1と同じ
とした。得られた反射率と濃度の関係はいずれもCo−
Fe化合物と同様の値を示し、同一構造のNi/C多層
膜に比べて高い反射率を示した。
【0056】〈実施例15〉実施例1と同様にスパッタ
法により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−Nb化
合物、Co−Mo化合物、Co−Ru化合物、Co−R
h化合物、Co−Pd化合物、Co−Hf化合物、Co
−Ta化合物、Co−W化合物、Co−Zr化合物、C
o−O化合物、Co−Os化合物、Co−Ir化合物、
Co−Pt化合物を使用した多層膜を作製した。これら
のCoとの化合物質の濃度は2wt.%から30wt.%とし
た。多層膜の構造および評価法も実施例1と同じとし
た。得られた反射率と濃度の関係はいずれもCo−Cr
化合物と同様、あるいはわずかに上回る値を示し、同一
構造のNi/C多層膜に比べて高い反射率を示した。ま
た、これらの多層膜をAr雰囲気中で、400℃、1時
間の熱処理を行った場合、Coに化合させた物質の濃度
が多くなるほど熱処理前の反射率に比較して熱処理後の
反射率の低下の割合がCo−AlN化合物の場合よりも
少なくなる傾向が認められ耐熱性が向上することが確認
された。表23、24、25にこれら化合物の熱処理前
後の反射率例を示す。
【0057】
【表23】
【0058】
【表24】
【0059】
【表25】
【0060】〈実施例16〉実施例1と同様にスパッタ
法により軽元素層にCを用い、重元素層にCo−BN化
合物、Co−HfC化合物、Co−HfN化合物、Co
−HfB2化合物、Co−NbC化合物、Co−TaC
化合物、Co−TaN化合物、Co−TiC化合物、C
o−WC化合物、Co−ZrC化合物を使用した多層膜
を作製した。これらのCoとの化合物質の濃度は2wt.
%から30wt.%とした。多層膜の構造および評価法も
実施例1と同じとした。得られた反射率とCoとの化合
物質の濃度の関係はいずれも同一構造のNi/C多層膜
に比べて高い反射率を示した。また、これらの多層膜を
Ar雰囲気中で、400℃、1時間の熱処理を行った場
合、Coに化合させた物質の濃度が多くなるほど熱処理
前の反射率に比較して熱処理後の反射率の低下が少なく
なる傾向が認められ耐熱性が向上することが確認され
た。これらの結果を表26、27に示す。
【0061】
【表26】
【0062】
【表27】
【0063】なお、上記実施例では、軟X線反射率測定
の波長として4.5nmの例のみを述べたが波長は4.5
nm以外でも反射率の向上、耐熱性の向上など、上記の
実施例と同様の効果を示すことは言うまでもない。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したごとく、本発明の重
元素層としてCoまたはCo化合物を用いた多層膜分光
素子は、従来のNi/C多層膜に比較して耐熱性に優
れ、短周期長化が可能となる。このため、本発明の多層
膜を(1)X線・軟X線を利用した各種分析に適用した
場合は多層膜の耐熱性が向上するため反射率の劣化が軽
元素層にSiを用いた多層膜よりも少なくなり精度や確
度が向上する。(2)X線リソグラフィーに適用する場
合は、Ni/C多層膜よりも適性露光時間が正確に決め
られる。さらに、(3)多層膜自身の寿命が延びるなど
の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】多層膜の構造と軟X線反射の原理を示す説明
図。
【符号の説明】
1…入射軟X線 2…反射軟X線 3…物質A(重元素層) 4…物質B(軽元素層) 5…基板

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重元素層と軽元素層とを交互に積層して構
    成されるブラッグ回折効果を有する多層膜分光素子にお
    いて、上記重元素層はCoもしくはCoを主成分とする
    化合物よりなることを特徴とするX線光学素子。
  2. 【請求項2】請求項1において、Coを主成分とする化
    合物層は、CoにB、C、N、O、F、Al、Ar、T
    i、V、Cr、Mn、Fe、Ni、Cu、Zr、Nb、
    Mo、Ru、Rh、Pd、Hf、Ta、W、Os、I
    r、Ptのうちから選択される少なくとも1種以上の元
    素と化合したCo化合物よりなることを特徴とするX線
    光学素子。
JP5063790A 1993-03-23 1993-03-23 X線光学素子 Pending JPH06273596A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6656575B2 (en) * 2000-03-31 2003-12-02 Carl-Zeiss-Stiftung Multilayer system with protecting layer system and production method
US7261957B2 (en) 2000-03-31 2007-08-28 Carl Zeiss Smt Ag Multilayer system with protecting layer system and production method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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