JPH06273418A - 保存安定剤 - Google Patents

保存安定剤

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JPH06273418A
JPH06273418A JP6181893A JP6181893A JPH06273418A JP H06273418 A JPH06273418 A JP H06273418A JP 6181893 A JP6181893 A JP 6181893A JP 6181893 A JP6181893 A JP 6181893A JP H06273418 A JPH06273418 A JP H06273418A
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antigen
antibody
solution
protease inhibitor
serum
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JP6181893A
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Hisahiko Iwamoto
久彦 岩本
Kayoko Takagi
佳代子 高木
Takashi Maehara
喬 前原
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Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ロイペプチン、アンチパイン、ペプスタチ
ン、キモスタチン等のペプチド性プロテア−ゼインヒビ
タ−を有効成分として含む抗原又は抗体の保存安定剤で
ある。又、抗原又は抗体にロイペプチン、アンチパイ
ン、ペプスタチン、キモスタチン等のペプチド性プロテ
ア−ゼインヒビタ−を共存させて保存することを特徴と
する抗原又は抗体の保存方法である。 【効果】 抗原の保存安定剤として、ペプチド性プロテ
ア−ゼインヒビタ−を用いることで、長期間溶液状態で
抗原を保存しても抗原の特異性は低下せず且つ抗体との
親和性も低下しない。同様にこのペプチド性プロテア−
ゼインヒビタ−は抗体の保存安定剤としても有効であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗原又は抗体の保存安
定剤及びそれを用いた保存方法に関する。
【0002】
【従来の技術】臨床検査の分野では、近年種々の疾患を
正確迅速且つ簡便に診断することが重要視されている。
そして、この診断のためには、極めて特異性が高い、感
度が高い等の利点から抗原抗体反応が臨床検査で広く用
いられている。
【0003】しかし従来、抗原あるいは抗体の特異性又
は親和力、結合力を長期間安定的に維持することが困難
であった。そのため、長期間保存した抗原又は抗体を臨
床検査に用いると、正確に診断できず問題となってい
た。そこで抗原あるいは抗体を凍結乾燥したり、共有結
合法や架橋法で不溶性担体に固定化する方法によって、
安定化させる努力が試みられてきた。
【0004】しかしながら、抗原抗体反応は溶液反応で
ある関係上、凍結乾燥しても使用時には蒸留水、緩衝液
等の溶液で復元しなければならず、溶液状態における長
期間の保存安定性には問題があった。
【0005】また、不溶性担体に抗原あるいは抗体を固
定化する方法においても、同様に溶液状態における長期
間の保存安定性が問題であった。即ち、抗原又は抗体を
共有結合法、架橋法、あるいは包括法にて不溶性担体に
固定化することが試みられているが、保存安定性の観点
から不溶性担体と抗原又は抗体の選択が重要となり、該
不溶性担体のスクリ−ニングや固定化方法等に大変な労
力を費やさなければならなかった。更に、例えば「アフ
ィニティクロマトとアフィニティラベル」(5〜10
頁、昭和55年、共立出版株式会社発行)に示されてい
るように、抗原又は抗体を不溶性担体に結合した後の抗
原又は抗体の特異性或は親和力、結合力が減少すること
もしばしばみられ、抗原あるいは抗体の固定化だけでは
十分に解決できなかった。
【0006】ところで、従来から抗原又は抗体の安定化
剤として塩類、糖類、水溶性高分子等が知られている
が、糖類、水溶性高分子は凍結又は凍結乾燥時の安定化
剤であり、塩類は蛋白質の3次構造の安定化作用を示す
だけであり、いづれも長期保存に対する安定効果はな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶液
状態で存在する抗原又は抗体の特異性或は親和力、結合
力を減少させず、長期間安定的に保存できる技術を開発
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、抗原又は
抗体を溶液状態で長期間安定的に保存するために、鋭意
研究を重ねた結果、抗原又は抗体にペプチド性のプロテ
ア−ゼインヒビタ−の添加が有効であることを見いだし
本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明は、ペプチド性プロテア−ゼ
インヒビタ−を有効成分として含む抗原又は抗体の保存
安定剤である。他の発明は、抗原又は抗体にペプチド性
プロテア−ゼインヒビタ−を共存させて保存することを
特徴とする抗原又は抗体の保存方法である。
【0010】本発明において用いられるペプチド性プロ
テア−ゼインヒビタ−とは、プロテア−ゼと結合して該
プロテア−ゼの活性を阻害するオリゴペプチドを言う
(出典:生化学辞典、東京化学同人発行)。該ペプチド
性プロテア−ゼインヒビタ−が抗原又は抗体に対して、
長期の保存安定効果があることは全く知られていない。
【0011】該ペプチド性プロテア−ゼインヒビタ−と
しては、例えばロイペプチン、アンチパイン、ペプスタ
チン、キモスタチン等が具体的に挙げられる。
【0012】尚、プロテア−ゼインヒビタ−としては、
例えば大豆トリプシンインヒビタ−、オボインヒビタ−
等の蛋白質性インヒビタ−;パラメルクリ安息香酸、ジ
イソプロピルフルオロリン酸等の有機化合物性インヒビ
タ−などの非ペプチド性プロテアーゼインヒビターが知
られているが、これらのインヒビタ−では保存安定効果
は発現しない。
【0013】本発明の保存安定剤は、該ペプチド性プロ
テア−ゼインヒビタ−を有効成分として含んでいれば良
く、その形態、濃度等については特に制限されるもので
はない。
【0014】例えば、固体(粉体)状の保存安定剤とす
る場合は、基本的には上記ペプチド性プロテア−ゼイン
ヒビターが1種類あるいは2種類以上含有されていれば
よい。 必要に応じて更に抗原又は抗体の安定化のため
に、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、グルタミン酸ナ
トリウム等の塩類、凍結乾燥した牛血清アルブミン、ウ
サギIgG等の蛋白質類、グルコ−ス、デキストラン等
の糖類、ポリエチレングリコ−ル、ポリビニルピロリド
ン等の水溶性高分子等の公知の安定化剤を含有させても
よい。これらの配合比は特に限定されない。
【0015】溶液状の保存安定剤とする場合は、蒸留
水、イオン交換水等の水、リン酸緩衝液、グリシン緩衝
液等の緩衝液あるいはメタノ−ル、エタノ−ル等の水溶
性有機溶媒等に1種類あるいは2種類以上の上記ペプチ
ド性プロテア−ゼインヒビタ−を溶解して含有させる。
この場合も上記種々の安定化剤を必要に応じて添加する
ことができる。該液体中のペプチド性プロテア−ゼイン
ヒビタ−の濃度については、溶解していれば良く何ら制
限されない。
【0016】以下、ペプチド性プロテア−ゼインヒビタ
−を用いて抗原又は抗体を溶液状態で保存する方法につ
いて説明するが、他の安定化剤を含む固体状保存安定剤
の場合、溶液状保存安定剤の場合もこれに準ずる。、抗
原又は抗体は、通常、水または上述の緩衝液に溶解す
る。この抗原溶液又は抗体溶液中に、一般にペプチド性
プロテア−ゼインヒビタ−の濃度が0.01〜10mM
の範囲になるように添加する。これより多すぎると該溶
液に溶解しにくく、少なすぎると抗原又は抗体の保存安
定性が悪いことがある。又、ペプチド性プロテア−ゼイ
ンヒビタ−は、抗原又は抗体1gに対して0.02〜2
0gの添加が好ましく、これより少ないと添加した効果
がなく、多すぎると抗原抗体反応を阻害する場合もあ
る。
【0017】このようなペプチド性プロテア−ゼインヒ
ビタ−の至適濃度は抗原又は抗体の濃度、種類等によっ
て異なる。例えば、蒸留水、イオン交換水等の水あるい
はリン酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、グリシン緩衝液等
の緩衝液1000mlに抗原又は抗体が1g溶解してい
たとき、ペプチド性プロテア−ゼインヒビタ−の1つで
あるペプスタチンを加える場合、水又は緩衝液を基準に
した至適添加量は0.007〜7gであり、抗原又は抗
体を基準にした至適添加量は0.02〜20gであるこ
とから、この場合のペプスタチンの水又は緩衝液及び抗
原又は抗体から見た至適添加量は0.02〜7gとな
る。
【0018】かかる条件を満たしていればペプチド性プ
ロテア−ゼインヒビタ−の添加は1種類でも2種類以上
でも良く、その添加方法についても何ら制限されない。
【0019】例えば、抗原又は抗体が溶解している水溶
液にペプチド性プロテア−ゼインヒビタ−を添加する方
法、抗原又は抗体が溶解している水溶液にペプチド性プ
ロテア−ゼインヒビタ−を添加した後凍結乾燥し次いで
水溶液に復元する方法、凍結乾燥した抗原又は抗体を復
元するための水溶液にペプチド性プロテア−ゼインヒビ
タ−を添加する方法等が挙げられる。
【0020】また、抗原又は抗体の保存時にペプチド性
プロテア−ゼインヒビタ−の他に、例えば塩化ナトリウ
ム、塩化カリウム、塩化マグネシウム等の塩類、グルコ
−ス、サッカロ−ス、デキストラン等の糖類、あるいは
ポリエチレングリコ−ル、ポリビニルアルコ−ル、ポリ
ビニルピロリドン等の水溶性高分子などの公知の抗原又
は抗体の安定化剤を含有させてもよい。
【0021】本発明の保存安定化剤、及び保存方法は、
固定化されていない抗原又は抗体にだけでなく、公知の
方法で不溶性担体に担持された抗原にも抗体にもその効
果を発揮する。
【0022】抗原は、抗体を産生させて体液性免疫や細
胞性免疫を誘発する物質であれば特に制限されず、例え
ば蛋白質、糖蛋白質、脂質蛋白質、脂質、核酸等が挙げ
られるが、特に疎水性に富んだ抗原に対して、ペプチド
性プロテア−ゼインヒビタ−を添加したときの長期間の
保存安定性により大きな効果をもたらす。
【0023】抗体は、抗原と特異的に結合する活性を持
つものであれば特に制限されずIgG,IgM,Ig
A,IgD,IgE等が挙げられる。
【0024】
【作用】ペプチド性プロテア−ゼインヒビタ−が抗原又
は抗体の保存安定剤として有効である理由は明確ではな
い。しかし、例えばセリンプロテア−ゼのインヒビタ−
として知られるジイソプロピルフルオロフォスフェ−
ト、フェニルメタンスルフォニルフルオリド等の有機化
合物性インヒビタ−は保存安定性の効果がみられなかっ
たのに対して、同じくセリンプロテア−ゼのペプチド性
プロテア−ゼインヒビタ−であるロイペプチンは抗原又
は抗体の保存安定剤として有効であったことから、プロ
テア−ゼインヒビタ−としての働きではなく、抗原又は
抗体とプロテア−ゼインヒビタ−との相互作用と推測さ
れる。
【0025】
【発明の効果】抗原の保存安定剤として、ペプチド性プ
ロテア−ゼインヒビタ−を用いることで、長期間溶液状
態で抗原を保存しても抗原の特異性は低下せず且つ抗体
との親和性も低下しない。同様にこのペプチド性プロテ
ア−ゼインヒビタ−は抗体の保存安定剤としても有効で
ある。
【0026】
【実施例】本発明を以下に示す実施例により具体的に説
明するが、本発明は、その実施例により何ら限定される
ものではない。
【0027】実施例1 抗原の保存安定性を評価するために、抗原と反応する抗
体を感作した粒子にて凝集反応の抑制試験を実施した。
【0028】梅毒の病原菌であるトレポネ−マ・パリダ
ム1×109個を1mlの0.15M塩化ナトリウム水
溶液に分散させた。次いで、このトレポネ−マ・パリダ
ムを超音波破砕器により200Wで30分間破砕し、
0.22μmの限外濾過膜(ミリポア社製)で濾過した
後、280nmに於ける吸光度を測定し、該溶液中の蛋
白質濃度を求めたところ5mg/mlであった。該溶液
1mlにペプスタチンA(シグマ社製)を0.0001
g添加し、よく攪拌した後、この超音波破砕によって得
られた蛋白質の活性(抗体価)を以下に示すように測定
した。
【0029】被検液として梅毒患者血清を用い、該血清
の10倍希釈液を原液として、倍数希釈法に従って0.
15M塩化ナトリウム水溶液(以下標準液と略す)を用
いて希釈を行い、各希釈液をマイクロタイタ−プレ−ト
のウェル中に25μlずつ加えた。同様にして、該血清
の10倍希釈液を原液として、倍数希釈法に従って前記
ペプスタチンAを添加した蛋白質溶液(以下ペプスタチ
ンA抗原液と略す)を用いて希釈を行い、各希釈液を該
ウェル中に25μlずつ加えた。次いで、能書に従って
復元したイムノティクルスTPの感作粒子(徳山曹達株
式会社製;梅毒病原菌由来の蛋白質(抗原)が担持され
た粒子)を各ウェルに25μlずつ滴下した。1分間の
攪拌の後、室温で放置した。30分後、粒子の凝集状態
を観察し、被検液で粒子リングが明らかに大きく、且つ
リング内に凝集粒子が一様に広がっているのが認められ
るウェルに於ける希釈液の最高希釈倍数を求め活性を評
価した。
【0030】上記標準液、ペプスタチンA抗原液を各々
室温で1年間放置した後、同様に蛋白質の活性(抗体
価)を測定した。先の調製直後の活性と比較することに
より蛋白質(抗原)が良好に保存されているか否か判断
した。
【0031】通常の凝集反応は、梅毒病原菌由来の蛋白
質(抗原)が担持されたイムノティクルスTPの感作粒
子に梅毒患者血清中の梅毒病原菌に対する抗体が反応し
て凝集し、陽性を示す。これに対し、抗原を含む液(抗
原液)を梅毒患者血清の希釈液として用いた場合、該血
清中の梅毒病原菌に対する抗体が、予め抗原液中の抗原
に因って吸収されるので、反応に関与するフリーの抗体
が存在しなくなり、結局イムノティクルスTPの感作粒
子とは反応せず陰性を示す。一方、抗原液中の抗原が保
存中になんらかの原因で劣化し抗原能力が低下すると、
この液を梅毒患者血清の希釈液として用いた場合、該血
清中の梅毒病原菌に対する抗体が抗原液中の抗原に因っ
て吸収されなくなり一部フリーの抗体が系中に残存する
ので、残存抗体とイムノティクルスTPの感作粒子とが
反応して凝集反応を起こし、陽性を示す。
【0032】従って、抗原液中の抗原の特異性や抗体と
の親和力、結合力が変化すると、抗体を吸収する能力が
変化することから活性が変化するので、調製直後と所定
期間保存後の抗原の活性を比較すれば抗原の保存安定性
がわかる。
【0033】更に同様にして、被検液として健常者血清
を用い、調製直後および1年間保存後の活性を評価し
た。表1にこれらの結果を示した。
【0034】
【表1】
【0035】比較例1 実施例1でトレポネ−マ・パリダムを超音波破砕した
後、ペプスタチンAを添加しなかったこと以外はすべて
同様に行った。活性の評価のための梅毒患者血清及び健
常者血清は、実施例1で用いたものを使用した。表2に
これらの結果を示す。
【0036】表1の結果から、ペプスタチンAを添加し
た抗原は、梅毒患者血清中の抗体を吸収する能力が1年
間変化していないことがわかる。これに対し、表2の結
果から、ペプスタチンAを添加していない抗原は、1年
間で抗体を吸収する能力が減少、即ち抗原の特異性が変
化、又は抗原と抗体の親和力、結合力が減少して劣化し
ていることがわかる。
【0037】
【表2】
【0038】比較例2 実施例1でトレポネ−マ・パリダムを超音波破砕した
後、ペプスタチンAの代わりにタンパク質性プロテア−
ゼインヒビタ−である大豆トリプシンインヒビタ−を
0.0001g添加したこと以外はすべて同様に行っ
た。活性の評価のための梅毒患者血清及び健常者血清
は、実施例1で用いたものを使用した。表3にこれらの
結果を示す。表3の結果から、ペプチド性プロテアーゼ
インヒビター以外のプロテアーゼインヒビターを添加し
ても、1年間で抗体を吸収する能力が減少して劣化して
いることがわかる。
【0039】
【表3】
【0040】実施例2 抗体の保存安定性を評価するために、抗体と反応する抗
原を感作した粒子にて凝集反応の抑制試験を実施した。
【0041】市販の抗B型肝炎ウイルス表面抗原溶液
(ミドリ十字社製、蛋白質濃度1mg/ml)1mlに
アンチパイン(シグマ社製)を0.005g添加し、凍
結乾燥した後、0.15M塩化ナトリウム水溶液で溶液
状態に復元した。この復元した蛋白質溶液の保存安定性
を、以下に示す方法で測定した活性を比較することによ
り調べた。。
【0042】被検液としてB型肝炎患者血清を用い、該
血清を原液として、倍数希釈法に従って0.15M塩化
ナトリウム水溶液(以下標準液と略す)を用いて希釈を
行い、各希釈液をマイクロタイタ−プレ−トのウェル中
に25μlずつ加えた。同様にして、該血清を原液とし
て、倍数希釈法に従って前記アンチパインを添加した蛋
白質溶液(以下アンチパイン抗体液と略す)を用いて希
釈を行い、各希釈液を該ウェル中に25μlずつ加え
た。次いで、能書に従って復元したアンティヘブセルネ
オ(国際試薬株式会社製)の感作粒子を各ウェルに25
μlずつ滴下した。1分間の攪拌の後、室温で放置し
た。2時間後、粒子の凝集状態を観察し、被検液で粒子
リングが明らかに大きく、且つリング内に凝集粒子が一
様に広がっているのが認められるウェルに於ける希釈液
の最高希釈倍数を求め活性を評価した。 上記標準液、
アンチパイン抗体液を各々室温で1年間放置した後、同
様に蛋白質の活性(抗原価)を測定した。
【0043】更に同様にして、被検液として健常者血清
を用い、調製直後および1年間保存後の活性を評価し
た。表4にこれらの結果を示した。
【0044】
【表4】
【0045】比較例3 実施例2でアンチパインを添加しなかったこと以外はす
べて同様に行った。活性の評価のためのB型肝炎患者血
清及び健常者血清は、実施例2で用いたものを使用し
た。表5にこれらの結果を示す。
【0046】
【表5】
【0047】比較例4 実施例2でアンチパインの代わりにタンパク質性プロテ
ア−ゼインヒビタ−であるオボインヒビタ−を0.00
5g添加したこと以外はすべて同様に行った。活性の評
価のためのB型肝炎患者血清及び健常者血清は、実施例
2で用いたものを使用した。表6にこれらの結果を示
す。
【0048】
【表6】
【0049】実施例3 抗原の保存安定性を評価するために、抗原と反応する抗
体を感作した粒子にて凝集反応の抑制試験を実施した。
【0050】特開平3−67172に従って調製した成
人T細胞白血病ウイルス由来の抗原溶液(蛋白質濃度1
mg/ml)1mlにロイペプチン(シグマ社製)0.
0025g、及びアンチパイン(シグマ社製)0.00
25gを添加し、よく攪拌した後、該ロイペプチン及び
アンチパインを添加した蛋白質溶液の活性を以下に示す
ように測定した。
【0051】被検液として成人T細胞白血病患者血清を
用い、該血清を原液として、倍数希釈法に従って0.1
5M塩化ナトリウム水溶液(以下標準液と略す)を用い
て希釈を行い、各希釈液をマイクロタイタ−プレ−トの
ウェル中に25μlずつ加えた。同様にして、該血清を
原液として、倍数希釈法に従って前記ロイペプチン及び
アンチパインを添加した蛋白質溶液(以下インヒビタ−
含有抗原液と略す)を用いて希釈を行い、各希釈液を該
ウェル中に25μlずつ加えた。次いで、能書に従って
復元したセロディアHTLV−I(富士レビオ株式会社
製)の感作粒子を各ウェルに25μlずつ滴下した。1
分間の攪拌の後、室温で放置した。2時間後、粒子の凝
集状態を観察し、被検液で粒子リングが明らかに大き
く、且つリング内に凝集粒子が一様に広がっているのが
認められるウェルに於ける希釈液の最高希釈倍数を求め
活性を評価した。
【0052】上記標準液、インヒビター含有抗原液を各
々室温で1年間放置した後、同様に蛋白質の活性(抗体
価)を測定した。
【0053】更に同様にして、被検液として健常者血清
を用い、調製直後および1年間保存後の活性を評価し
た。表7にこれらの結果を示した。
【0054】
【表7】
【0055】比較例5 実施例3でロイペプチン及びアンチパインを添加しなか
ったこと以外はすべて同様に行った。活性の評価のため
の成人T細胞白血病患者血清及び健常者血清は、実施例
3で用いたものを使用した。表8にこれらの結果を示
す。
【0056】
【表8】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペプチド性プロテア−ゼインヒビタ−を
    有効成分として含む抗原又は抗体の保存安定剤。
  2. 【請求項2】 抗原又は抗体にペプチド性プロテア−ゼ
    インヒビタ−を共存させて保存することを特徴とする抗
    原又は抗体の保存方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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