JPH06272047A - 被覆粉体の製造方法及びその装置 - Google Patents

被覆粉体の製造方法及びその装置

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JPH06272047A
JPH06272047A JP5082806A JP8280693A JPH06272047A JP H06272047 A JPH06272047 A JP H06272047A JP 5082806 A JP5082806 A JP 5082806A JP 8280693 A JP8280693 A JP 8280693A JP H06272047 A JPH06272047 A JP H06272047A
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powder
gas
plasma
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reaction
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JP5082806A
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Toshiyuki Baba
俊之 馬場
Hirokazu Kuzushita
弘和 葛下
Kenichi Iwamoto
謙一 岩本
Takashi Sasaki
隆 佐々木
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HIRANO KOUON KK
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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HIRANO KOUON KK
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラズマCVD方式で粉体の熱劣化やプラズ
マによる損傷を防止でき均質なコーティング膜を有する
被覆粉体を製造できる方法及び装置を得ること。 【構成】 原料ガス及び反応ガスを用いて粉体上に原料
ガスの分解反応物からなるコーティング膜を形成するに
あたり、プラズマCVD方式で原料ガス又は/及び反応
ガスをプラズマ化したのちそれを筒体を介し粉体層上に
部分的に供給し、前記の粉体層を吹込ガスを介し粉体が
循環する流動層とする被覆粉体の製造方法、並びに外部
と連通するガス供給管(3)、ガス供給管を包囲する開
口付の反応管(2)、反応管の外側に設けた高周波入力
部(4)、反応管及び高周波入力部を収容する減圧容器
(1)、前記ガス供給管の末端部近傍に粉体を保持する
多孔性支持材(5)及び多孔性支持材にガスを供給して
粉体を循環流動させるガス供給系(8)を有してなる前
記被覆粉体の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コーティング膜を均質
に付与できて粉体の劣化防止性に優れるプラズマCVD
方式による被覆粉体の製造方法及びその製造装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体をコーティング膜で被覆して
なる被覆粉体の製造方法としては、熱CVD法やゾル・
ゲル法でコーティング膜を形成する方法が知られていた
(特開昭61−23678号公報)。被覆の目的は種々
で、例えば蛍光体の場合には水分劣化による発光力や輝
度の低下防止などを目的に被覆される。
【0003】しかしながら、熱CVD法やゾル・ゲル法
ではコーティング膜形成時に加熱反応させる必要があ
り、その熱で粉体が劣化する場合がある問題点があっ
た。ちなみに蛍光体の場合には熱劣化でコーティング膜
で被覆する前よりも輝度が低下したり寿命がより短縮化
されるという致命的な問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記に鑑みて本発明者
らは、原料ガスと反応ガスを粉体と共にプラズマ形成雰
囲気下に配置してプラズマ化しコーティング膜を形成す
る方法を試みた。かかるプラズマCVD方式は加熱反応
を要しないので粉体自体の熱劣化を回避できる。しかし
ながらこの場合にも、粉体が劣化し、蛍光体の場合には
熱劣化と同様に寿命短縮化問題のあることが判明した。
従って本発明は、プラズマCVD方式により粉体の熱劣
化を防止しつつ、かつプラズマによる劣化も防止しつつ
コーティング膜を形成できる被覆粉体の製造方法及びそ
の製造装置の開発を課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、原料ガス及び
反応ガスを用いて粉体上に原料ガスの分解反応物からな
るコーティング膜を形成するにあたり、プラズマCVD
方式で原料ガス又は/及び反応ガスをプラズマ化したの
ちそれを筒体を介し粉体層上に部分的に供給すること、
及び前記の粉体層を吹込ガスを介し粉体が循環する流動
層とすることを特徴とする被覆粉体の製造方法を提供す
るものである。
【0006】また本発明は、外部と連通するガス供給
管、そのガス供給管を包囲する開口付の反応管、その反
応管の外側に設けた高周波入力部、前記の反応管及び高
周波入力部を収容する減圧容器、前記反応管内における
ガス供給管の末端部近傍に粉体を保持する多孔性支持
材、及びその多孔性支持材にガスを供給して粉体を循環
流動させるためのガス供給系を有してなることを特徴と
する前記被覆粉体の製造装置を提供するものである。
【0007】
【作用】プラズマCVD方式で原料ガス等を予めプラズ
マ化して粉体上に供給する上記の方法により粉体の劣化
を防止できる。これは、プラズマCVD方式により粉体
の熱劣化を防止できることに加えて、原料ガス等を予め
プラズマ化して粉体上に供給することで粉体自体がプラ
ズマ形成雰囲気に曝されることを回避でき、それによる
粉体の損傷や劣化も防止できることによるものと考えら
れる。
【0008】またコーティング膜の形成にあたり、粉体
を循環流動させ、かつガス供給管等の筒体を介して粉体
層に対し原料ガス等のプラズマ化物を部分的に供給する
ことでプラズマ化物を粉体層の所定部分に供給でき、プ
ラズマ化物が個々の粉体上に順次供給されて均質性に優
れるコーティング膜を個々の粉体上に形成することがで
きる。従って上記と共に蛍光体の場合には、輝度低下等
の劣化速度が向上して寿命が短縮化することを回避で
き、輝度や発光寿命、ないしその維持性に優れる被覆蛍
光体を得ることができる。
【0009】
【実施例】本発明の製造方法は、原料ガス及び反応ガス
を用いて粉体上に原料ガスの分解反応物からなるコーテ
ィング膜を形成するにあたり、プラズマCVD方式で原
料ガス又は/及び反応ガスをプラズマ化したのちそれを
筒体を介し粉体層上に部分的に供給すると共に、その粉
体層を吹込ガスを介し粉体が循環する流動層として被覆
粉体を得るものである。
【0010】また本発明の前記被覆粉体の製造装置は、
外部と連通するガス供給管、そのガス供給管を包囲する
開口付の反応管、その反応管の外側に設けた高周波入力
部、前記の反応管及び高周波入力部を収容する減圧容
器、前記反応管内におけるガス供給管の末端部近傍に粉
体を保持する多孔性支持材、及びその多孔性支持材にガ
スを供給して粉体を循環流動させるためのガス供給系を
有してなる。
【0011】図1に本発明の製造装置を例示した。1が
減圧容器、2が開口付の反応管、3がガス供給管、4が
高周波入力部、5が多孔性支持材、8がガス供給系であ
る。
【0012】減圧容器1は、内部に反応管2を収容した
二重構造の外壁を形成しており、大気に対して真空シー
ルされた状態となっている。また減圧容器1は導電性材
料からなり、これにより電磁波をシールドして別途の高
周波の遮蔽手段が不要な構造となっている。なお導電性
材料としては、減圧容器の耐圧性等の点より一般には金
属や合金などが用いられるが、これに限定されない。
【0013】反応管2は、開口を有しており、その開口
にフィルター22付きの蓋21が装着されている。反応
管2の内部にはガス供給管3が配置されており、それら
は石英ガラス等の絶縁材料で形成されている。ガス供給
管3の一端31は蓋21及び減圧容器1を貫通して外部
に連通し先端部にバルブ32を有しており、他端33は
開放状態にあってそこにフィルター34が装着されてい
る。フィルター34はガス供給管内の圧力を反応管内よ
りも高くしてプラズマがガス供給管内により発生しやす
くする。高周波入力部4は、別体に形成された電極4
1,42からなり、それらがガス供給管3の中間部位に
対応させて反応管2の外周に間隙を設けて配置されてい
る。
【0014】粉体層7を保持するための多孔性支持材5
は、反応管2の内部におけるガス供給管3の末端の下位
部分に装着されている。多孔性支持材としては、ガラス
製フィルター等からなる適宜な部材を用いることがで
き、その孔を介して粉体が漏れないものが用いられる。
ガス供給系8は、原料液80の貯蔵容器82と減圧容器
1の底部孔16に接続した供給管89等からなる。
【0015】なお実施例において、減圧容器1は真空ポ
ンプ(図示せず)に連通する排気管11からバルブ12
を介して減圧できるようになっており、13はバイパス
バルブ、14はリークバルブ、15はシャッター付きの
覗き窓である。バイパスバルブ13は反応管2の上下に
おける圧力差を制御しながら排気して粉体の飛散を防止
すると共に、フィルター22への負荷を低減するための
ものである。高周波入力用の電極41,42は、減圧容
器1に取り付けた導入端子43,44に接続されてい
る。導入端子43,44は、アース回路45を設けた電
源回路46に接続されている。
【0016】実施例の装置を用いたプラズマCVD方式
による被覆粉体の製造は、多孔性支持材5上に保持した
粉体層7を粉体が循環する流動層としつつ、その流動層
に原料ガス又は/及び反応ガスをガス供給管3とガス供
給系8を介し、かつガス供給管3内でプラズマ化した状
態で供給して粉体上に原料ガスの分解反応物からなるコ
ーティング膜を形成することにより行うことができる。
【0017】前記において原料ガス又は/及び反応ガス
の供給は、ガス供給管3又はガス供給系8の一方又は双
方を利用して適宜に行うことができるが、以下、矢印の
如く反応ガスをガス供給管3から供給し、原料ガスをガ
ス供給系8から供給する場合を例に説明する。
【0018】図1において、減圧容器1を介してその内
部に減圧雰囲気を形成しつつ内部の反応管2内をその開
口を介し減圧状態とし、その反応管内のガス供給管3に
反応ガスを供給し、そのガスに高周波入力部4を介して
高周波を与えることによりガス供給管3内にプラズマが
発生する。これにより、反応ガスを予めプラズマ化して
粉体上に供給することができ、粉体をプラズマ形成雰囲
気に曝すことを回避できる。なお反応ガスは、ボンベ
(図示せず)よりバルブ32を介してガス供給管3内に
供給される。
【0019】一方、原料ガスは、貯蔵容器82内に溜め
た原料液80の気化物として形成され、キャリアガスを
介して移送される。キャリアガスは、バルブ86を介し
てボンベ(図示せず)より供給され、流路84を介し貯
蔵容器82内の原料液80中を通過させたのち原料ガス
との混合ガスとして流路85を介し供給管88に供給さ
れる。
【0020】なお貯蔵容器82は、蓋83を介し密閉さ
れると共に、その周囲に原料液80の気化を促進するた
めヒータ配備の加熱手段81を有している。またバルブ
87を設けた流路は、キャリアガスを介して前記の混合
ガスの流量を制御するためのものである。
【0021】供給管88に供給された混合ガスは、次に
分岐の供給管89を介し減圧容器1の底部孔16より反
応管2の内部に供給される。反応管2は、その底部の突
出管23が底部孔16にOリング24を介しシール装着
されて連通しており、これにより混合ガスの取込みが可
能となっている。なおストップバルブ90、バイパスバ
ルブ92付の管路91やスロー排気バルブ93付の管路
94は、必要に応じて利用される排気系である。バイパ
スバルブ92は前記のバルブ13と同じ目的で設けら
れ、スロー排気バルブ93は粉体の飛散制御等を目的と
する。
【0022】反応管内に供給された混合ガスは、フィル
ター5を透過して粉体層7に到達し混合ガスの吹き込み
で粉体が循環して粉体層7が流動層となり、粉体上でプ
ラズマCVDによるコーティング膜が形成されて被覆粉
体が製造される。すなわちガス供給管3よりフィルター
34を介し粉体層7に供給された、反応ガスのプラズマ
化で生成したラジカルないしプラズマが混合ガス中の原
料ガスを分解しつつ粉体上で反応してコーティング膜を
形成する(プラズマCVD)。
【0023】本発明において、減圧容器内における真空
度は目的に応じて適宜に決定してよいが、一般にはプラ
ズマ化等の点より0.05〜5Torr程度とされる。
プラズマは、反応管内の圧力を外部の減圧容器内よりも
少し高圧の状態とすることでガス供給管内に安定して高
濃度に発生する。その圧力差(真空度差)は、減圧容器
内の真空度や供給ガスの種類、高周波電力等の条件など
により異なるが通例、反応管内が2Torr以下、就中
0.5Torr以下高い状態である。
【0024】減圧容器内と反応管内との間の真空度差の
制御は、例えばガス供給管(3)やガス供給系(8)を
介して反応管(2)内に供給するガス量、反応管におけ
る開口の大きさ、減圧容器内での排気量などの調節によ
り行うことができる。なお反応管の開口に対しては実施
例の如くフィルター22を設けてもよい。このフィルタ
ーは排気系への粉体の飛散防止等を目的とし、そのフィ
ルターとしては適宜なものを用いてよく、前記の真空度
差が小さいことより濾紙等の紙製のものでも充分に目的
を達成することができる。
【0025】高周波入力部は、コイル等の適宜な高周波
入力手段で形成してよい。図例の如く別体の電極を間隔
を設けて配置してなる容量結合型の高周波入力部とした
場合には、活性の高い放電暗部を電極近傍に形成でき、
プラズマの発生位置を電極間を中心とする電極近傍領域
に限定することができて好ましい。また、高周波電力の
供給接続が容易でコンパクトに形成でき形状の自由度も
大きくて二重構造における反応管への高周波入力に有利
であり、大型装置の形成を容易にする利点もある。
【0026】前記した別体の電極は、例えば線材や帯体
などの任意な形態とすることができ、コンパクトなもの
が好ましい。別体の電極は少なくとも2体の電極を用い
て形成されるが3体以上を用いてもよく、その配置間隔
についても任意である。一般には1〜50mm程度の間隔
で配置される。なお電極を形成する導電性材料について
は特に限定はなく、公知物のいずれも用いうる。
【0027】前記の別体電極方式によるプラズマ発生位
置の限定効果は、減圧容器と反応管との二重構造とした
ことによるガス供給管内でのプラズマの安定発生効果と
共にプラズマCVD方式によるコーティング膜の形成に
おいて、粉体を劣化させることなく均質な被覆膜を安定
に効率よく形成することを可能にする。
【0028】なお前記のプラズマ発生位置の限定効果
は、電極の熱膨張等による変形が小さくて高周波入力が
安定化しやすいことによるものと考えられる。またプラ
ズマの安定発生効果は、減圧容器を介した真空引きによ
る緩衝作用で反応管内が揺らぎ等の変化を生じにくくて
反応管内の雰囲気が安定なためと考えられる。
【0029】一方、吹込ガスにより粉体を浮遊循環させ
て粉体層を流動層とする目的は、ガス供給管等の筒体を
介し粉体層の所定部分に原料ガス等のプラズマ化物を効
率的に供給することと共に、プラズマ化物を個々の粉体
上に順次供給して均質なコーティング膜を安定して形成
することにある。従って筒体を介したプラズマ化物の供
給場所を個々の粉体が通過する循環経路部分とすること
が好ましい。またガス供給管等の筒体の先端部を細管と
して粉体層に対するプラズマ等の供給部分を高度に限定
する方式なども採ることができる。なお筒体を介したプ
ラズマ等の供給は、粉体の流動層内で行うことが一般に
好ましい。
【0030】吹込ガスによる多孔性支持材を介した粉体
の循環流動は、多孔性支持材における孔の径や密度等に
基づく開口率を制御する方式や吹込ガスの供給圧を制御
する方式、多孔性支持材の形態を平板型に代えて凸型や
凹型等とする方式などの適宜な方式で行ってよい。また
撹拌羽根等の適宜な撹拌手段を併用して粉体の流動状態
の良好化をはかることもできる。実施例においては、羽
根付撹拌棒71が反応管2の蓋21を介して減圧容器1
にOリング17により回転可能にシール装着されてい
る。
【0031】一方、緻密なコーティング膜を形成する点
よりは、粉体を加熱することが好ましい。実施例では反
応管2の外周に粉体層7に対応させてヒータ61と熱反
射板62からなる加熱部6が設けてある。63,64が
減圧容器1に取付けたヒータ用の電源端子である。粉体
を加熱する場合、粉体の種類によっては熱劣化を防止す
る必要がある。ちなみに蛍光体からなる粉体の場合、熱
劣化防止のため300℃以下の温度で一般に行われる。
【0032】本発明の装置を用いた前記のプラズマCV
D方式によれば、プラズマの安定した発生で粉体上にコ
ーティング膜を安定に形成でき均質な被覆粉体を効率よ
く製造することができる。またその場合に、筒体を形成
するガス供給管を介し原料ガス等を予めプラズマ化した
後に粉体層の所定部分に供給でき、粉体自体がプラズマ
形成雰囲気に曝されて損傷したり劣化することを防止で
きる。蛍光体などではプラズマ形成雰囲気に曝されと損
傷等で熱劣化の場合と同様に被覆前よりも輝度低下が促
進され寿命や輝度が低下する。
【0033】なお前記の例においては、製造された被覆
粉体は、反応を停止して減圧容器より取出した反応管よ
り回収されるが、本発明においては、減圧容器の大型化
や分割ユニット化が容易であることに基づき、例えば反
応管等の反応ユニットの複数を一体の減圧容器内に配置
して一度に複数箇所で被覆粉体を製造する方式のほか、
粉体層に相当する部分の反応管及び減圧容器等の分割ユ
ニットを形成し、それをターンテーブル等に複数配置し
て順次反応を行わせる方式などの被覆粉体を効率的に製
造する方式なども採ることができる。
【0034】被覆粉体の製造に用いる粉体としては目的
に応じて種々の材料や粒径等からなるものを用いること
ができ、また形成するコーティング膜についても粉体の
使用目的等に応じて適宜に決定することができる。ちな
みに蛍光体としては、例えば硫化亜鉛や硫化カドミウム
亜鉛を銅、マンガン、アルミニウム、銀、塩素、ホウ素
などで活性化したものや、希土類賦活酸化イットリウム
等の酸化物などが用いられる。また粒径については平均
粒径に基づき1μm以上、就中5〜50μmのものが一般
に用いられる。さらに蛍光体に対して設けるコーティン
グ膜としては、例えば輝度の向上を目的とした高誘電体
膜や、蛍光体の水分劣化防止による長寿命化を目的とし
た水分遮蔽性の膜などがあげられる。
【0035】前記の高誘電体からなるコーティング膜の
具体例としては、Ta25、Al23、ZrO2、TiO2
BaTiO3、PbTiO3、PZT(PbZrO3とPbTiO3
の固溶体)、PLZT(PZTのLa添加物)、SrTi
3などの高誘電率で透光性の金属酸化物系化合物など
からなるものがあげられる。また水分遮蔽性のコーティ
ング膜の具体例としては、SiO2、誘電率を高めたTi
2−SiO2、ZrO2−SiO2の如きガラス系化合物
や、アルミナ、窒化珪素などの水分が透過しにくいセラ
ミックの如き透光性の非晶質体などからなるものがあげ
られる。
【0036】コーティング膜を形成するための原料、反
応ガスとしては、プラズマCVD方式によるガス状態の
原料及び反応ガスの一方又は双方のプラズマ化を介して
原料ガスの分解反応物を形成できる適宜な形態のものを
用いうる。特に原料については、上記例の如き液体のほ
か固体、気体のいずれの形態でも用いうる。なお固体、
液体からなる原料の場合、加熱処理や減圧処理等の適宜
な方式でガス化して原料ガスを形成してよい。
【0037】原料ないし原料ガスの一般的な形態として
は、例えば金属等のコーティング膜形成成分の水素化
物、ハロゲン化物、アセチルアセトネート化物、アルコ
キシド化物、アルキル化物などがあげられる。また反応
ガスとしては、酸素ガス、アンモニアガスなどのコーテ
ィング膜形成成分、ないしかかる成分の含有物が用いら
れる。
【0038】原料ガス、反応ガスのキャリアとして必要
に応じて用いるキャリアガスは、例えばアルゴンガス、
ヘリウムガス、ネオンガス、それらの混合ガスなどの反
応に関与しにくい適宜なガスであってよい。なお粉体を
流動層化する場合にはキャリアガスの併用が好ましい。
【0039】コーティング膜は、2種以上の化合物が混
合してなる複合層や傾斜機能層などとして形成すること
もでき、1層又は2層以上のコーティング膜からなる被
覆構造とすることもできる。ちなみに前記の高誘電体層
と水分遮蔽層を含むコーティング膜構造は、低電圧で高
電界を形成できて蛍光体を高輝度に発光させることがで
き、かつ蛍光体の発光特性を低下させることなく耐水性
を付与できて発光特性が低下しにくい被覆蛍光体とする
ことができる。
【0040】図2、図3に被覆粉体を例示した。70が
粉体、701,702が別種のコーティング膜である。
各コーティング膜の厚さは適宜に決定してよいが、一般
には30μm以下、就中10nm〜1μm程度とされる。な
お水分遮蔽層を含む2層以上のコーティング膜を設ける
場合、水分遮蔽層は外側に設けることが長寿命化等の点
より有利である。
【0041】実施例1 図1に示した装置を用い、反応促進のため加熱手段6を
介して250℃に維持した反応管内のガラスフィルター
5上に平均粒径20μmのZnSを20g保持した。
【0042】次に、貯蔵容器に原料液としてSi(OC2
54を入れてそれにヘリウムガスを73cc/分の速度
で供給しつつ発生した原料ガスと共にZnS部に供給し
て流動層とし、一方、反応ガスに酸素ガスを用いてそれ
を150cc/分の速度でガス反応管に供給しつつ高周波
入力部に50Wの条件で13.56MHzの高周波を印
加して酸素ガスをプラズマ化し、ガス反応管内に発生し
た酸素ラジカル、ないし酸素プラズマを流動層化したZ
nS部に供給する操作を2時間続けて被覆ZnSを得た。
【0043】前記において、減圧容器内の真空度は1〜
2Torrに維持した。また減圧容器内と反応管内(高
圧側)との真空度差は、反応管の蓋の開口に装着した濾
紙製フィルタを介して0.1〜0.2Torrに維持し
た。さらに高周波入力部は、幅6mm、厚さ1.5mmの銅
電極を5mmの間隔で配置することにより形成した。一
方、ZnS層の流動層は、半径方向に開口率を順次増大
させたガラスフィルターを介して粉体が反応管の内壁側
で浮上しガス供給管の末端部に下降する対流状の循環状
態とした。なお得られた被覆ZnSは、厚さ0.2μmの
SiO2層からなるコーティング膜を有するものであっ
た。
【0044】比較例 高周波コイル域からなるプラズマ形成雰囲気にガラスフ
ィルターを介してZnSを保持し、それにヘリウムガス
を介しSi(OC254ガスを供給して流動層としつつ
酸素ガスを供給し、高周波コイル域に13.56MHz
の高周波を印加してZnSの存在下にSi(OC254
ガスと酸素ガスをプラズマ化したほかは実施例1に準じ
て厚さ0.2μmのSiO2コーティング膜を有する被覆
ZnSを得た。
【0045】評価試験 厚さ50μmのポリエステルフィルムからなるベース基
板の片面に、銀粉含有の樹脂ペーストを部分塗布して幅
2mmの集電帯を形成後、ITOを分散含有させたフッ化
ビニリデン系共重合体の酢酸セロソルブ溶液からなる透
明導電塗料を塗布して厚さ約5μmの透明電極層(70
0Ω/□)を形成し、その上にリード電極を付設後、実
施例1又は比較例で得た被覆蛍光体を分散含有するフッ
化ビニリデン系共重合体の酢酸セロソルブ溶液を塗布し
て厚さ約50μmの発光層を形成した。
【0046】他方、前記と同じ材質のベース基板の片面
に銀粉含有の導電性塗料を塗布して厚さ約5μmの背面
電極層を形成してリード電極を付設し、前記で得たベー
ス基板と共にその層付設側を内側にして、チタン酸バリ
ウム含有のフッ化ビニリデン系共重合体の酢酸セロソル
ブ溶液からなる厚さ約30μmの塗布層(絶縁層を兼ね
る接着層)を介して接着し、その接合体の上下に厚さ1
00μmのポリ塩化ビニリデンフィルムを配置し、その
周縁を接着して密封構造とし、EL発光体を得た。
【0047】前記のEL発光体の輝度(駆動電圧:10
0V)を測定後、それを40℃、90%RHの雰囲気
下、かつ100V、400Hzによる駆動状態下に100
時間放置したのち再び輝度を測定して輝度の維持率(初
期の輝度を100とした場合の相対輝度)を調べた。前
記の結果、初期輝度は実施例1の場合100nt、比較例
の場合85ntで、輝度の維持率は実施例1の場合95
%、比較例の場合60%であった。
【0048】
【発明の効果】本発明の方法によれば、プラズマCVD
方式により粉体の熱劣化やプラズマによる損傷を防止で
きて均質性に優れるコーティング膜を有する被覆粉体を
製造することができる。また種々の目的に応じた多種類
のコーティング膜を付与することができる。従って蛍光
体の場合には輝度や発光寿命ないしその維持性に優れる
被覆蛍光体を得ることができる。
【0049】一方、本発明の装置によれば、減圧容器と
反応管との二重減圧雰囲気としたのでガス供給管内にプ
ラズマを安定して発生させることができ、反応管を大気
に対して直接真空シールする必要を回避できて反応管に
高度な耐圧性が要求されず、かつ真空引き経路も省略で
きて構造を簡略化でき大型の反応管も容易に形成でき、
総じて大型の装置を容易に形成することができる。また
外壁が反応管破壊時の防護壁となるため安全性に優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造装置の説明図。
【図2】被覆粉体の拡大断面図。
【図3】他の被覆粉体の拡大断面図。
【符号の説明】
1:減圧容器 2:反応管 3:ガス供給管 4:高周波入力部(41,42:電極) 5:多孔性支持材 7:粉体層(70:粉体 701,702:コーティ
ング膜) 8:ガス供給系
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 11/02 A 9159−4H 11/56 CPC 9159−4H // C01F 17/00 Z 9040−4G (72)発明者 葛下 弘和 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 岩本 謙一 大阪府羽曳野市駒ケ谷148−3 (72)発明者 佐々木 隆 兵庫県明石市魚住町金ケ崎226−12

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料ガス及び反応ガスを用いて粉体上に
    原料ガスの分解反応物からなるコーティング膜を形成す
    るにあたり、プラズマCVD方式で原料ガス又は/及び
    反応ガスをプラズマ化したのちそれを筒体を介し粉体層
    上に部分的に供給すること、及び前記の粉体層を吹込ガ
    スを介し粉体が循環する流動層とすることを特徴とする
    被覆粉体の製造方法。
  2. 【請求項2】 外部と連通するガス供給管、そのガス供
    給管を包囲する開口付の反応管、その反応管の外側に設
    けた高周波入力部、前記の反応管及び高周波入力部を収
    容する減圧容器、前記反応管内におけるガス供給管の末
    端部近傍に粉体を保持する多孔性支持材、及びその多孔
    性支持材にガスを供給して粉体を循環流動させるための
    ガス供給系を有してなることを特徴とする請求項1に記
    載の被覆粉体の製造装置。
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