JPH06271Y2 - プリズム付カップホルダ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、車両のインストルメントパネルに組込まれた
スイッチパネルの操作面を夜間に直接照明すると共に、
自らの車室側表示面を光らせることのできるプリズム付
カップホルダに関する。

従来の技術 近年の車両、特に乗用車においては、インストルメント
パネルの限られた狭いスペースを有効に活用して商品性
や利便性の向上をはかる工夫が種々なされ、引き出し式
のカップホルダもそのひとつである。このカップホルダ
は、操作性やスペース等の都合上、ヒータやオーディオ
機器等のスイッチパネルの上に並んで配置されているの
が一般的で、その照明が夜間の操作を容易にするため必
要となった。

そして、カップホルダの操作面を照明するにはスイッチ
パネルの照明のプリズムとは別個に専用のプリズムが設
けられて光源より直接専用プリズムが用いられて行わ
れ、専用のプリズムが使用されて照明する例を第７図で
示すと、スイッチ13を配列したスイッチパネル１の操作
面14上方にスイッチパネル照射専用のプリズム05の照射
面010が配設されており、スイッチパネル１内に設けら
れた光源７を夜間点灯させると光が矢印で示すようにプ
リズム05の入射面06から導入されて照射面010より出光
してスイッチパネルを照明していた。

考案が解決しようとする課題 ところで、前述の従来例によれば、カップホルダについ
ても別個に専用のプリズムを用いなければならず、ひと
つのプリズムでは、カップホルダの照明ならばその操作
面しか、またスイッチパネルの照明ならばその操作面を
照明することしかできず、しかも、スイッチパネルの場
合にはその上面にプリズム専用のスペースを配設する必
要があって、スペースを有効活用するには不利であっ
た。

そこで、本考案はスイッチパネルと共にインストルメン
トパネルに配置される引き出し式のカップホルダの照明
がスイッチパネルの操作面を照明するのに用いられるプ
リズムでカップホルダの前面も同時に照明し、限られた
スペースでの有効利用が実現し、低コストで利便性及び
商品性の高くされることを目的とする。

課題を解決するための手段 本考案は、前述の課題を解決するもので、車両のインス
トルメントパネルに組込まれたスイッチパネルの上に並
設されたスライド式のカップホルダにおいて、該カップ
ホルダがカップ挿入孔の穿孔されたカップホルダ枠を形
成する表皮部材と、その内部に組込まれた透明樹脂製等
のプリズムとで構成され、該プリズムに入射されたスイ
ッチパネルの内部に配設された光源からの光が分光され
るＶ字型分光面を車室側端に形成し、該分光面にて分光
された光でスイッチパネルの操作面を照明する照射面と
カップホルダ車室側端の表示を照明する表示面とが形成
されたことを特徴とするプリズム付カップホルダであ
る。

作用 前述の手段によれば、カップホルダに組込まれたプリズ
ムで光源の光を入射面から導入し、プリズムのＶ字型分
光面でカップホルダ前面の表示面とスイッチパネルの操
作面上方とに分光して照射し、１個だけのプリズムで同
時にこれらの器具の照明をすることが可能となる。

実施例 本考案の一実施例を第１図ないし第４図に基づいて説明
すると、スイッチパネル１と共に車両のインストルメン
トパネルに組込まれたカップホルダ２はカップ挿入孔３
の穿孔されたカップホルダ枠を形成する表皮部材４と、
その内部に組込まれた透明樹脂製等のプリズム５とで構
成され、該カップホルダ２を使用する際のために、図示
省略のスライド機構によってこれが車室側へ引き出さ
れ、車室内に表れたカップ挿入孔３へカップを挿入して
保持できるようになっている。そして、カップホルダ２
が使用されずに格納されている状態でのカップホルダの
表示面９やスイッチパネル１の操作面14を照明するため
に、プリズム５の入射面６がスイッチパネル１内部に設
けられた光源７よりの光を射出させる光供給孔８上部に
位置するように設けられ、入射面６から車室側での出光
面となるカップホルダ２の表示面９及びスイッチパネル
１の照射面10までが一体のプリズムに形成されている。
そして、車室に面する表示面９の中ほどにはプリズム５
がＶ字型に切込まれて表面部材11を充填し、入射面６か
ら導入した光がカップホルダの表示面９とスイッチパネ
ル１のスイッチ13の配列した操作面14の上方に位置する
照射面10とへ分光するＶ字型分光面12を形成している。

上述したプリズム付のカップホルダとすることにより、
車両の夜間走行時でスイッチパネル１内の光源８が点灯
された場合にはその光源８よりの光は光供給孔８からプ
リズム５の入射面６に導入され、プリズム５の内部を矢
印の方向へ導かれてＶ字型分光面12に到達する。Ｖ字型
分光面12で分光された光の一方は反射面を経由してカッ
プホルダの表示面９へ導かれ、他方はスイッチパネルの
操作面14を照射する照射面10へ導かれる。従って、照射
面10から出光する光はスイッチパネルの上方から操作面
14を照明して夜間のスイッチ操作を容易にし、表示面９
から出光する光はカップホルダ２の存在位置を示すこと
ができ、特に、第２図に示す如く、表示面９の表示を
「ＰＵＳＨ」のように特定の文字やマークに限定すれ
ば、さらに効果的で使いやすい。

なお、第３図及び第４図は表示面９に特定の文字やマー
クを形成する手段の一例が示されており、第３図では文
字やマークを型抜きした表面部材11の貼付けられた場合
が示され、第４図では文字やマークをマスク印刷したマ
スク印刷シート15の貼付けられている場合を示す。

また、第５図及び第６図はいずれもカップホルダ２全体
をプリズム（透明樹脂）で形成した他の実施例を示して
おり、第５図ではカップホルダの使用で引き出された場
合にもカップホルダの表示面が照明されるように、カッ
プホルダ２を引き出した状態でのプリズムの入射面６が
対応する位置に光供給孔８′及び光源７′が付加されて
いる。このため、カップホルダ２′を引き出してカップ
16が保持されている場合でも光源７′から導入した光で
カップホルダ２′全体が明るく映り、位置を容易に知る
ことができて便利である。そしてまた、第６図は上面を
ダイヤカット面にして輝面としたカップホルダ２′に沿
って延伸させた輝面付プリズム17が光供給孔８に嵌込ま
れ、該輝面付プリズム17よりカップホルダ２′に出光供
給して表示面９を照明する。

そして、カップホルダ２′を引き出した状態でも輝面付
プリズム17の輝面より光が供給される。

なお、以上、カップホルダについて説明したが、インス
トルメントパネルに組込まれたトレイ等についても適用
されることは言うまでもない。

考案の効果 前述の本考案によれば、カップホルダを構成するプリズ
ムでスイッチパネルの操作面及びカップホルダ自体の表
示面を同時に照明することができるので部品点数を低減
することになり、部品点数が少ない為、インストルメン
トパネルの限られた狭いスペースでも有効にして、且つ
低コストで利便性及び商品性の高いインストルメントパ
ネルの器具の照明を可能にし、ひいては、車両全体とし
ての商品性の向上にも貢献できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２図は第１
図のII−II線に沿って見た図、第３図及び第４図は表示
面への表示手段を示し、第３図は型抜きした表面部材を
貼付けた状態を示す断面図、第４図はマスク印刷シート
を貼付けた状態を示す断面図、第５図及び第６図はいず
れも他の実施例を示す断面図であって、第５図は２個の
光源を有する断面図、第６図は輝面付プリズムを設けた
断面図、第７図は従来のプリズムを利用したスイッチパ
ネル操作面の直接照明を示す断面図である。 １・・スイッチパネル、２・・カップホルダ、３・・カ
ップ挿入孔、４・・表皮部材、５・・プリズム、６・・
入射面、７・・光源、８・・光供給孔、９・・表示面、
10・・照射面、11・・表面部材、12・・Ｖ字型分光面、
13・・スイッチ、14・・操作面、15・・マスク印刷シー
ト、16・・カップ、17・・輝面付プリズム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車両のインストルメントパネルに組込まれ
   たスイッチパネルの上に並設されたスライド式のカップ
   ホルダにおいて、該カップホルダがカップ挿入孔の穿孔
   されたカップホルダ枠を形成する表皮部材と、その内部
   に組込まれた透明樹脂製等のプリズムとで構成され、該
   プリズムに入射されたスイッチパネルの内部に配設され
   た光源からの光が分光されるＶ字型分光面を車室側端に
   形成し、該分光面にて分光された光でスイッチパネルの
   操作面を照明する照射面とカップホルダ車室側端の表示
   を照明する表示面とが形成されたことを特徴とするプリ
   ズム付カップホルダ。