JPH06271953A - Zn・Pb製錬用フラッシュ還元炉とその操業方法 - Google Patents

Zn・Pb製錬用フラッシュ還元炉とその操業方法

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JPH06271953A
JPH06271953A JP8242093A JP8242093A JPH06271953A JP H06271953 A JPH06271953 A JP H06271953A JP 8242093 A JP8242093 A JP 8242093A JP 8242093 A JP8242093 A JP 8242093A JP H06271953 A JPH06271953 A JP H06271953A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原料が粉状または溶融状またはその両者のい
ずれでも良く、粉状燃料のガス化率が従来のフレームリ
アクターより良く、Zn、Pbの回収率も改善されたZ
n・Pb製錬用還元炉とその操業方法を提供することで
ある。 【構成】 シャフト、セトラー、アップテークからなる
フラッシュ製錬用還元炉であって、シャフト上部に設け
た製練バーナの燃焼筒に粉状燃料と酸化性ガスの予混合
管、副混合管及び原料装入管を設け、製練バーナの燃焼
筒内の全容積を燃焼反応に寄与するように、前記燃焼筒
と前記予混合管とが同心円状に設けられ、また、予混合
管の酸素比を副混合管の酸素比以上とすることを特徴と
する還元炉操業方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ZnまたはPbまたは
その両者の製錬用の還元炉とその操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】非鉄製錬炉は大きくはバス製錬炉とフラ
ッシュ製錬炉に分けることができる。後述の吹込み熔錬
炉とフレームリアクターはそれぞれバス製錬炉とフラッ
シュ製錬炉に分類される。
【0003】バス製錬炉では、主反応が起きる場所が熔
融スラグ中であり、反応温度はスラグ温度に等しくなる
様に規定される。一方フラッシュ製錬炉では、主反応が
ガス中で起こるため、反応温度としてはスラグ温度より
もかなり高い温度を選ぶことができる。
【0004】ZnとPbの酸化物を含有する原料から、
炭素系固体燃料を用いてこれらの金属を蒸気に変えて、
還元性ガスとともに次工程に送る製練炉あるいは還元炉
としては、ISF(ISP熔鉱炉)が良く知られてい
る。しかしISFは、高価な塊コークスならびに生産効
率の悪い焼結工程において製造される焼結塊を必要とす
る。従って、安価な炭素系粉状固体燃料(以下、粉状燃
料という)及び粉状原料を処理することのできる還元炉
が望まれていた。
【0005】この様な還元炉の1つとして、吹込み熔錬
法(特公昭61−28004号)に記載された吹込み熔
錬炉を挙げることができる。この炉は、粉状Zn原料と
粉状還元剤とを、酸素または酸素富化空気とともにラン
スを介して、熔錬炉に貯えられたスラグ中に吹込むもの
である。
【0006】原料と還元剤をスラグ中に吹込む為、熔融
し易い原料の排ガスへの飛散は非常に少ない。しかし次
のような欠点を吹込み熔錬法は有している。すなわち、
還元剤については、主成分のカーボンの融点がスラグ温
度よりもはるかに高く、またカーボンとスラグのぬれ性
も非常に悪い為、ガス化しないカーボンは容易に排ガス
へ飛散する状況にある。
【0007】また、還元剤のガス化はスラグ中で起こる
が、炉体煉瓦の保護の為、スラグ温度は通常1400℃
前後に保たれており、この温度での還元剤のガス化は十
分でない。その結果、多量の未利用還元剤の粉体(投入
量の10〜20%)が次工程に飛散し、そこでの操業に
悪影響を及ぼし、Znの実収率が低い。
【0008】ISFの欠点を解消する他の還元炉として
は、フレームリアクター(米国特許第4654077
号、1987年3月31日)がある。このフレームリア
クターの主要部は第1反応器と第2反応器から構成され
ており、第1反応器は第2反応器の頂部に設置されてい
る。第1反応器には還元剤と酸化性ガスを供給して、原
料の還元に必要な高温還元性ガスを発生させ、次いでこ
の高温還元性ガスを第2反応器へ導入するとともに、第
2反応器の頂部に近い側壁より第2反応器の中心軸方向
に粉状原料を吹込み、粉状原料中に酸化物として存在す
るZnとPbを高温還元性ガスによって還元揮発させる
とともに、他の成分を熔融してスラグ化させる。
【0009】しかし、フレームリアクターには次の欠点
がある。
【0010】第1に、還元剤のガス化が十分でない。製
錬反応に必要な還元剤と酸化性ガスを全て第1反応器に
供給して高温還元性ガスを作るが、次の理由により還元
剤のガス化が十分でなく、前記吹込み熔錬炉と同様の問
題を有する。すなわち、還元性ガスを作るため、第1反
応器に供給する酸化性ガス中の酸素量は還元剤を完全燃
焼するのに必要な酸素量よりも当然少ない。この様な条
件下で還元剤と酸化性ガスを混合した後第1反応器に供
給すると、次の2つの反応が同時に起こる。
【0011】
【式4】C(S)+O2(g)=CO2(g)
【0012】
【式5】C(S)+CO2(g)=2CO(g)
【0013】式4は発熱反応であるが、式5は吸熱反応
であるからガス温度が低下して、式5の反応に従うカー
ボン量が増加しない。もちろん式4と式5の反応が同時
に起こっても、ガス温度は吹込み熔錬炉のスラグ温度よ
りもはるかに高いが、滞留時間は極めて短い為、還元剤
のガス化率が吹込み熔錬炉に比べて顕著に高いことはな
い。
【0014】還元剤のガス化率を向上するには式5の反
応に従うカーボン量を増やさなければならない。その為
にはガス温度を上げるか、還元剤の第1反応器での滞留
時間を長くする必要がある。ガス温度の上昇について
は、前述の如く全ての還元剤と全ての酸化性ガスを混合
した後、第1反応器に吹込むフレームリアクター方式で
は達成できない。まして酸化性ガスの一部を第1反応器
の下端側壁より第1反応器の中心軸方向に吹込むことも
フレームリアクターの特徴の1つであるが、この場合に
は、式4の反応に従うカーボン量が低下して、さらにガ
ス温度が下がることになる。
【0015】滞留時間の延長についても、フレームリア
クター方式では再循環流の形式が第1反応器の形状と操
業条件によって一意的に定まり、再循環流領域に存在す
る還元剤の量を変化させることができない為、不可能で
ある。
【0016】以上説明したようにフレームリアクターの
欠点の1つは還元剤のガス化が十分でないことである
が、別の表現を用いると、ガス化率を90%以上の水準
に維持した状態では、還元性ガスの還元度(例えばCO
2/CO比)をCO2/CO=0.5〜0.7まで低下す
ることができないと言える。事実、フレームリアクター
の前述の米国特許に記載されている還元剤のガス化率と
CO2 /CO比は(81%、1.70)、(97%、
3.66)、(90%、5.34)である。因みにCO
2 /CO=0.5〜0.7という還元度は、Zn蒸気を
含んだ還元性ガスをPbスプラッシュコンデンサーで処
理して熔融Znを回収する際に、該還元性ガスに要求さ
れる還元度であり、これより高いCo2 /Co比のガス
をPbスプラッシュコンデンサーで処理することは実際
上不可能である。
【0017】第2に、原料からのZn、Pbの回収率が
低い。
【0018】フレームリアクターでは、原料は第2反応
器に吹き込まれる。これは、第1反応器内のガス温度を
できるだけ高く保って、還元剤のガス化率を高くする為
と考えられるが、高温還元性ガスと原料の接触時間を長
くして、ZnとPbの還元揮発を促進する点においては
反対の効果となる。
【0019】第3に、熔融原料を処理できない。ISF
やPb熔鉱炉から生成するZn品位が7〜20%の棄却
スラグに対し、フレームリアクターでは粉状原料しか処
理できないから、熔融スラグを一旦冷却凝固させた後、
粉砕しなければならず、手間と多くのエネルギーの消費
(粉砕)と損失(凝固)を招く。従ってフレームリアク
ターはスラグフューシング炉としては使用できない。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本願発明は、フラッシ
ュ製錬炉を開発の対象とし、粉状燃料のガス化率の向上
が主目的の1つである。
【0021】さらに、前記フレームリアクターの欠点を
解消し、原料が粉状または熔融状またはその両者のいず
れでも良く、粉状燃料のガス化率が90%以上におい
て、生成ガスの還元度(CO2/CO比)がCO2/CO
≧0.5の範囲で任意に調整でき、Zn品位50%程度
の原料を処理した場合に、棄却スラグのZn品位を3%
以下にできるZn・Pb製錬用還元炉とその操業方法を
提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、Zn及び/またはPbの酸化物を含有する粉体原料
または熔融スラグを処理して、前記粉体原料または熔融
スラグ中のZnとPbを蒸気として還元性ガスとともに
炉外に取り出すZn・Pb製錬用フラッシュ還元炉にお
いて、該フラッシュ還元炉は、セトラー及びその頂部に
配置されたシャフト及びアップテークからなり、前記シ
ャフトの天井部に製錬バーナーを1基以上設置し、前記
製錬バーナーが燃焼筒と予混合管と副混合管と装入管と
からなり、燃焼筒の天井の中央部に予混合管用孔と、そ
の周りに1つ以上の原料装入用孔と副混合管用孔が設け
られ、予混合管の上端に装入口が設けられ、上部側面に
ノズルが設けられ、且つ下端が前記予混合管用孔に接合
され、装入管の下端が前記原料装入用孔に接合され、副
混合管の下端が前記副混合管用孔に接合され、粉体原料
または熔融スラグは装入管から燃焼筒に入れられ、還元
剤及び粉状固体燃料が予混合管の上端装入口から燃焼筒
に入れられ、酸化性ガスが予混合管のノズルから燃焼筒
に入れられ、該副混合管から粉状固体燃料もしくは酸化
性ガスもしくはその両者が燃焼筒に入れられるようにな
っていて、該予混合管と前記燃焼筒とが同心円的に設け
られ、予混合管の下端が予混合管の中心軸に対して実質
的に直角をなすように配置され、予混合管の内形をdm
m、予混合管上部側面のノズルの中心線と予混合管の中
心線との交点より予混合管下端までの距離をlmmと
し、燃焼筒の内径をDmm、長さをLmmとしたときに
l≧5dとなり、下記式6により求めたαが5〜20度
となることを特徴とする。
【0023】
【式6】tanα=(D−d)/2/L
【0024】前記還元炉は、前記製錬バーナーの燃焼筒
の天井において燃焼筒外周と予混合管との間に、予混合
管と同心円状に対称的となるように複数の副混合管と装
入管を配置したことを特徴とする。
【0025】前記還元炉の操業方法は、酸素比mを式7
で得られる値としたときに、前記予混合管の酸素比mを
前記副混合管の酸素比m以上とすることを特徴とする。
【0026】
【式7】m=(実際に供給する酸素量)/(燃料中のC
とHとを全量CO2とH2Oとに酸化するのに必要とされ
る酸素量)
【0027】前記還元炉の操業方法は、酸素比mを式7
で得られる値としたときに、酸化性ガスの少なくとも大
部分を前記予混合管に供給し、予混合管における酸素比
mが前記副混合管の酸素比m以上で0.9〜1.0とな
るように粉状固体燃料を予混合管に供給し、酸化性ガス
の残部と粉状固体燃料の残部とを副混合管に供給するこ
とを特徴とする。
【0028】
【作用】本願発明のフラッシュ製錬炉は、基本的には、
ZnとPbの還元揮発が起こるシャフト、生成したスラ
グを貯えるセトラー、そしてZnとPb蒸気を含んだ還
元性ガスを次工程に導く為のアップテークから成り立っ
ている。
【0029】乾式還元炉では燃料の発熱量が酸化炉に比
べて少ない為、特に炉体の放散熱を少なくする必要があ
る。そこで、シャフト、セトラー、アップテークの内面
を耐火物で覆うが、シャフト側壁やセトラー天井あるい
は側壁等に耐火物や煉瓦受鉄板等を守るために水冷ジャ
ケットや水冷銅管を使用する場合でも、これらの表面は
キャスター等の耐火物の施工によって直接炉ガスと接触
しないようにする。炉ガス温度を下げないためである。
【0030】シャフト天井部には、粉状または溶融状ま
たはその両者の原料を粉状燃料と酸化性ガスと一緒に処
理する製錬バーナーが1基以上設置されている。製錬バ
ーナーは、燃焼筒、燃焼筒天井部の予混合管及び原料装
入管から構成されている。燃焼筒は予混合管と同心円状
に接続され、且つ径が大きい。さらに、予混合管の周囲
に副混合管を設けるのが好ましい。
【0031】酸化性ガスとは、純酸素、工業用酸素、空
気、酸素富化空気をいう。
【0032】粉状燃料と酸化性ガスは、予混合管、ある
いは予混合管と副混合管に供給され、予混合管や副混合
管を介して燃焼筒へ装入される。
【0033】一方、Zn・Pb原料は装入管を通じて燃
焼筒に供給される。燃焼筒シャフト空間でZn・Pb原
料中のZnとPbが還元し、ZnとPbとの混合蒸気が
セトラーを通り、アップテークから炉外へ排出され、コ
ンデンサーで冷却されて粗亜鉛を得ることができる。
【0034】本願発明に係る製錬バーナーの予混合管と
副混合管の見掛の機能はどちらも同じであり、粉状燃料
と酸化性ガスを燃焼筒に導く為のものである。但し、予
混合管には副混合管よりも多くの粉状燃料と酸化性ガス
が供給される為、それらを燃焼筒に供給するに先立っ
て、互いに良く混ぜ合わせる機能も持たせている。
【0035】副混合管の本来の機能は、以下に説明する
ように、粉状燃料の燃焼筒内の滞留時間を延長して、ガ
ス化率を向上させることである。
【0036】予混合管から燃焼筒内に吹込まれた粉状燃
料と酸化性ガスの2相混合流は、典型的には燃焼筒内で
約25°の頂角(広がり角)をもった円錐体内に分布す
る。燃焼筒内面と円錐体外面で囲まれた空間は再循環流
領域と呼ばれる。円錐体内に分布していた粉状燃料とガ
スの一部が再循環流領域に再び戻ってきて、再循環流を
形成し結局燃焼筒の全容積が粉状燃料と酸化性ガスと燃
焼ガスで占められることになる。
【0037】しかしながら、再循環流領域に存在するこ
とのできる粉状燃料の量は、予混合管と燃焼筒の幾何学
的形状及び操業条件によって一意的に決まり、調整する
ことができないばかりか、実質上再循環流が生じない場
合もある。再循環流が生じない場合は、燃焼筒の実質体
積が減少することを意味し、滞留時間が著しく減少す
る。
【0038】副混合管はこれらの問題を解決する。即
ち、再循環流が生じない場合には、副混合管から供給さ
れた2相混合流は、再循環流が生ずべき空間部分の一部
を占めて、滞留時間の延長に寄与するし、再循環流が生
じている場合には、そこに存在する粉状燃料の量を調整
して、ガス化率の向上に寄与する。
【0039】本発明者らは粉状燃料と酸化性ガスの反応
過程、さらにこれらとZn・Pb原料の反応過程を調
べ、以下の結果を得た。
【0040】第1に、製錬バーナーに供給する粉状燃料
と酸化性ガスを全て予混合管を介して燃焼筒に供給した
処、ガス化率はm値が大きくなる程良くなり、m≧0.
9でガス化率はほぼ100%となった。
【0041】第2に、上記の条件において、燃焼筒内の
水平断面における半径方向のCO2とCO濃度を調べた
処、再循環流領域のCO濃度が一番高かった。
【0042】以上の結果より、製錬バーナーの構造及び
使用法を以下のように構成した。即ち、副混合管に供給
する粉状燃料の流送に使用する以外の酸化性ガスは全
て、予混合管に供給する。予混合管に供給された酸化性
ガスに含まれる酸素量に対して、m値が0.9〜1.0
となる範囲で製錬バーナーに供給する全ての粉状燃料の
一部を予混合管に供給すると、この粉状燃料のガス化率
は前述のように100%となり、COを殆ど含まないC
2 濃度の高い高温ガスが得られる。残った粉状燃料は
全て副混合管を介して再循環流領域に供給すると、前記
高温CO2 ガスとのブルドワ反応式5によりCOガスを
発生し、所望の還元度をもったガスが得られる。
【0043】第3に、上記操業において、Zn・Pb原
料を再循環流領域へ、あるいは再循環流領域を経由し
て、高温CO2 ガス中へ装入しても、ガス化率は悪化し
なかった。
【0044】
【実施例】本願発明に係る実施例について、図1、図
2、図3、図4に基づいて説明する。図1は、本願発明
に係る実施例の中央縦断面図であり、内面が耐火物(煉
瓦6または不定形耐火物7)で覆われたシャフト1、セ
トラー2、アップテーク3からなる還元炉であって、シ
ャフト天井部4に製錬バーナー5が図2の如く4基設置
されている。
【0045】図3は製錬バーナー5の本願発明に係る実
施例についての中央縦断面図である。製錬バーナー5は
予混合管20、燃焼筒21、燃焼筒の天井22に設けら
れた副混合管23及び装入管24から構成されている。
【0046】燃焼筒21と燃焼筒の天井22は水冷ジャ
ケットとなっており、予混合管20も必要に応じて水冷
構造としても良い。
【0047】副混合管23と装入管24の数、取付け角
度等については特に規定はないが、副混合管23につい
ては燃焼筒21の天井面に対して垂直に取付け、装入管
24については垂直または予混合管20の中心軸上の点
であって燃焼筒21の内部に存在する点に全装入管24
の中心軸を一致させるのが良い。
【0048】副混合管23と装入管24の数を一致させ
る必要はないが、燃焼筒天井部22の予混合管20の周
りに対称に設けるのが良い。図4の実施例では各2本の
副混合管23と装入管24が交互に配置されている。
【0049】製錬バーナーの使用法の一例を以下に図3
に基づいて説明する。工業用酸素Bは全て装入孔25よ
り予混合管20に供給する。予混合管内のm値が0.9
〜1.0となるように粉状燃料Aを、空気または窒素で
流送して、装入孔26より予混合管20に供給する。粉
状燃料Aと工業用酸素B、及び空気または窒素は予混合
管内で混合された後、燃焼筒21に広がり角(頂角)2
α=約25°で吹き出し、直ちに燃焼して高温CO2
スを生成するとともに再循環流領域27を形成する。
【0050】予混合管20に供給した残りの粉状燃料は
空気または窒素で流送し、あるいはロータリーバルブ等
より切出して、副混合管23から再循環流領域27へ投
入し、そこで前記高温CO2 ガスとブルドワ反応を起こ
させ、所定の還元度をもった高温還元性ガスを発生させ
る。
【0051】一方Zn・Pb原料Cは、粉体の場合は空
気で流送するかロータリーバルブ等により、融体の場合
は樋を経て装入管24を介して、再循環流領域27(垂
直装入管の場合)または再循環流領域を通過して高温C
2 ガス中(傾斜装入管の場合)へ供給される。
【0052】そこで高温還元性ガスから受熱しかつ還元
されながら、シャフト空間8へ放出される。
【0053】Zn・Pb原料Cの還元熔融反応(原料が
熔融している場合は還元反応のみ)及び粉状燃料Aに含
まれる灰分の熔融スラグ化反応はシャフト空間内で完了
し、Zn・Pb蒸気を含む還元性ガスは少量のダスト
(微小スラグ粒、未反応原料粉、未燃料粉、未熔融灰分
等から成る)とともにセトラー空間9へ移行する。ま
た、熔融スラグは、操業条件によって形成されるかもし
れない少量のメタルとともにセトラーに落下し、熔体1
0(主としてスラグ)を形成する。前記ダストは、セト
ラー空間9及びアップテーク3を飛行している間に、そ
の大部分が熔体10上に落下し、アップテーク外にはZ
n・Pb蒸気を含んだ還元性ガスが少量のダストととも
に取り出される。還元性ガスの温度が下がると、次の式
8に従って、蒸気の再酸化が起きる為、炉体の放散熱は
極力少なくしなければならず、シャフト1、セトラー
2、アップテーク3の内面は煉瓦6もしくは不定形耐火
物7で覆われている。
【0054】
【式8】 Zn(g)+CO2(g)=ZnO(S)+CO(g)
【0055】水冷銅管11はシャフト下部の不定形耐火
物を冷却して、シャフト内を降下する熔融スラグ滴によ
る熔損を弱める為に用いられているが、放散熱を少なく
する為、シャフト内のガスと直接には接触しないように
なっている。煉瓦についても同様であり、図には示して
ないが、水冷ジャケット等で煉瓦を冷却するにしても、
該ジァケットが炉内ガスと接しないようにしなければな
らない。
【0056】図1に示す様に、その内側が煉瓦もしくは
不定形耐火物でライニングされた試験炉(シャフト内径
=1.5m、シャフト高さ=2.5m、セトラー内径=
1.5m、セトラー長さ=5.25m)を構成した。そ
して、そのシャフト天井に、図3のバーナー1基を設け
て、表1に示す組成を有する原料等を、表2に示す試験
条件で処理した。Case−1はZn品位の高い粉状原
料を処理した場合、Case−2はZn品位の低い粉状
原料を処理した場合、Case−3は熔融原料を処理し
た場合である。Case−3については、Znを含んだ
熔融スラグ(原料−3)をレードルに溜め、樋を介して
装入管に流し込んだ。この時、窒素を高速で吹き出し
て、熔融スラグが燃焼筒内で粒子状に分散するようにし
た。
【0057】結果を表3に示す。どの場合にも排出スラ
グ中のZn品位がISPスラグ(Zn品位=7〜9%)
よりも低くなっており、本願発明の優位性が確認され
た。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】 *原料−3は熔体の為、実際は50Nm3/hの空気は
何も搬送せずに、予混合管に供給されている。
【0060】
【表3】 ・ISPスラグのZn品位=7〜9%
【0061】
【発明の効果】本願発明によると次のような効果を得
る。
【0062】(1)燃焼筒内の全容積が実質的に燃焼反
応に寄与され、フラッシュ製特性の熱効率を高められ
る。
【0063】(2)粉コークスを用いて、粉状または熔
融またはその両者のZn含有原料から有効にZnをガス
中に抽出でき、粉コークスのガス化率を90%以上とす
ることができる。
【0064】(3)棄却スラグのZn品位を3%以下に
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施例に係る還元炉中央縦断面図で
ある。
【図2】本願発明の実施例に係る製錬バーナー取付位置
平面図である。
【図3】本願発明の実施例に係る製錬バーナー中央縦断
端面図である。
【図4】本願発明の実施例に係る予混合管、副混合管、
装入管の燃焼筒への取付位置平面図である。
【符号の説明】
1 シャフト 2 セトラー 3 アップテーク 4 シャフト天井 5 製錬バーナー 6 煉瓦 7 不定形耐火物 8 シャフト空間 10 熔体 11 水冷銅管 20 予混合管 21 燃焼筒 22 燃焼筒天井 23 副混合管 24 装入管 25 工業用酸素の装入孔 26 粉状燃料の装入孔 27 再循環流領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Zn及び/またはPbの酸化物を含有す
    る粉体原料または熔融スラグを処理して、前記粉体原料
    または熔融スラグ中のZnとPbを蒸気として還元性ガ
    スとともに炉外に取り出すZn・Pb製錬用フラッシュ
    還元炉において、該フラッシュ還元炉は、セトラー及び
    その頂部に配置されたシャフト及びアップテークからな
    り、前記シャフトの天井部に製錬バーナーを1基以上設
    置し、前記製錬バーナーが燃焼筒と予混合管と副混合管
    と装入管とからなり、燃焼筒の天井の中央部に予混合管
    用孔と、その周りに1つ以上の原料装入用孔と副混合管
    用孔が設けられ、予混合管の上端に装入口が設けられ、
    上部側面にノズルが設けられ、且つ下端が前記予混合管
    用孔に接合され、装入管の下端が前記原料装入用孔に接
    合され、副混合管の下端が前記副混合管用孔に接合さ
    れ、粉体原料または熔融スラグは装入管から燃焼筒に入
    れられ、還元剤及び粉状固体燃料が予混合管の上端装入
    口から燃焼筒に入れられ、酸化性ガスが予混合管のノズ
    ルから燃焼筒に入れられ、該副混合管から粉状固体燃料
    もしくは酸化性ガスもしくはその両者が燃焼筒に入れら
    れるようになっていて、該予混合管と前記燃焼筒とが同
    心円的に設けられ、予混合管の下端が予混合管の中心軸
    に対して実質的に直角をなすように配置され、予混合管
    の内形をdmm、予混合管上部側面のノズルの中心線と
    予混合管の中心線との交点より予混合管下端までの距離
    をlmmとし、燃焼筒の内径をDmm、長さをLmmと
    したときにl≧5dとなり、下記式1により求めたαが
    5〜20度となることを特徴とするフラッシュ還元炉。 【式1】tanα=(D−d)/2/L
  2. 【請求項2】 前記製錬バーナーの燃焼筒の天井におい
    て燃焼筒外周と予混合管との間に、予混合管と同心円状
    に対称的となるように複数の副混合管と装入管を配置し
    たことを特徴とする請求項1に記載の還元炉。
  3. 【請求項3】 酸素比mを式2で得られる値としたとき
    に、前記予混合管の酸素比mを前記副混合管の酸素比m
    以上とすることを特徴とする請求項1または請求項2に
    記載の還元炉の操業方法。 【式2】m=(実際に供給する酸素量)/(燃料中のC
    とHとを全量CO2とH2Oとに酸化するのに必要とされ
    る酸素量)
  4. 【請求項4】 酸素比mを式3で得られる値としたとき
    に、酸化性ガスの少なくとも大部分を前記予混合管に供
    給し、予混合管における酸素比mが前記副混合管の酸素
    比m以上で0.9〜1.0となるように粉状固体燃料を
    予混合管に供給し、酸化性ガスの残部と粉状固体燃料の
    残部とを副混合管に供給することを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載の還元炉の操業方法。 【式3】m=(実際に供給する酸素量)/(燃料中のC
    とHとを全量CO2とH2Oとに酸化するのに必要とされ
    る酸素量)
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