JPH06271728A - 耐候性樹脂組成物 - Google Patents

耐候性樹脂組成物

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JPH06271728A
JPH06271728A JP6198093A JP6198093A JPH06271728A JP H06271728 A JPH06271728 A JP H06271728A JP 6198093 A JP6198093 A JP 6198093A JP 6198093 A JP6198093 A JP 6198093A JP H06271728 A JPH06271728 A JP H06271728A
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JP
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resin composition
styrene
weight
polycarbonate
titanium oxide
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Application number
JP6198093A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Okuzono
敏昭 奥園
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 押出成形や射出成形の際にロールや金型への
付着物がなく、また射出成形時にガスベントの閉塞や、
突き出しピンなどへの付着物がなく、さらに成形品を風
雨や太陽光、あるいは蛍光灯の光に長期間暴露しても、
成形品表面の変退色が著しく少ない、外観、機械的性
質、耐熱性が良好である耐候性に優れた成形品を与える
ことができる樹脂組成物を提供するにある。 【構成】 粘度平均分子量が10000〜35000の
ポリカーボネート10〜100重量部、スチレン系ポリ
マー0〜200重量部、および一次粒子の平均粒径が
0.06μm以下である微粒子の酸化チタンおよび/ま
たは酸化亜鉛0.05〜20重量部を含有してなる樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐候性樹脂組成物に関
し、さらに詳しくは、本発明はシートやフィルムなどの
押出成形時に紫外線吸収剤等の揮散がなく、また押出成
形や射出成形の際ロールや金型などへの付着物の発生が
ない樹脂組成物であり、成形品外観、機械的性質、耐熱
性を損なうことなく、特に風雨および太陽光、蛍光灯の
光などに長時間にわたって暴露されたとき、成形品表面
の変退色が著しく少なく、電気・電子部品、自動車部
品、機械部品、雑貨などの幅広い分野で使用できるもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリカーボネートは、電気的
性質、機械的性質、耐熱性、耐寸法精度などに優れてい
るので、電気・電子部品、自動車部品、機械部品、雑貨
などの広い分野で使用されている。
【0003】しかしながら、ポリカーボネートは、溶融
粘度が比較的高いことから、 1)大型成形品や薄肉成形品などの成形が少し困難であ
る。2)厚肉成形品のアイゾット衝撃強度にやや難点が
あるなどの問題に遭遇することがある。これらの問題点
を解決する目的で、溶融粘度の低いスチレン系ポリマー
や、ゴム質含有スチレン系ポリマーをポリカーボネート
に添加することがしばしば行われている。これらのスチ
レン系ポリマーを添加したポリカーボネート組成物にお
いては、これらを添加しないポリカーボネートに比べて
耐候性が低下するという新たな問題点が起こる。
【0004】すなわち、ポリカーボネートまたはスチレ
ン系ポリマーを添加したポリカーボネート組成物から成
形したシートやフィルム、その他の成形品が、長時間に
わたって太陽光や風雨、蛍光灯の光などに暴露されたと
き、成形品表面の変退色が生じるという問題があり、用
途が制限されることがある。従って、ポリカーボネート
またはスチレン系ポリマーを添加したポリカーボネート
樹脂組成物からの成形品について、これらを風雨や各種
の光に暴露したときの成形品表面の変退色の防止が強く
望まれていた。
【0005】ところで、ポリカーボネートの耐候性は、
スチレン系ポリマーやPPE、ナイロンなどに比較する
とかなり優れているが、さらに耐候性を向上させる方法
として、他の熱可塑性樹脂同様、有機低分子量化合物で
あるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤などが添加されている。
【0006】しかしながら、ポリカーボネートは溶融加
工温度が260〜340℃と高く、溶融加工時に紫外線
吸収剤が揮散し易い。このため、シートやフィルムの押
出成形時に、ダイス先端から紫外線吸収剤が揮散し、環
境汚染の原因になる。さらには、揮散した紫外線吸収剤
がロールに付着し、その付着物が部分的にシートやフィ
ルムに転写され、外観不良を引き起こす原因ともなって
いる。また、射出成形時には、金型のガスベントや突き
出しピン、成形品表面に紫外線吸収剤が付着するという
問題点がある。
【0007】スチレン系ポリマーを添加したポリカーボ
ネート樹脂組成物の耐候性を改良方法として、特開平4
−159354号報では、ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、フェーノール系
抗酸化剤、ホスファイト系抗酸化剤を併用することが開
示されている。しかし、ここで使用されている添加剤類
は、分子量が低いため射出成形時に揮散しやすく、数1
00ショット連続して射出成形した場合、金型のガスベ
ントや突き出しピン、成形品表面に添加剤類が付着する
という問題点がある。
【0008】
【本発明が解決しようとする課題】上記の事情に鑑み、
シートやフィルムの押出成形時に、紫外線吸収剤の揮散
がなく、またロールへの付着もなく、射出成形時に金型
のガスベントの閉塞や、突き出しピンなどへの付着物が
なく長時間にわたって成形することができると共に、成
形品を風雨や太陽光、あるいは蛍光灯の光などに長時間
にわたって暴露したとき、成形品表面の変退色が著しく
少なく、成形品の外観、機械的性質、耐熱性が良好であ
る耐候性に優れた成形品を与える樹脂組成物を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、ポリカーボネートまたはポリカーボネ
ートとスチレン系ポリマーからなる組成物に添加する第
三物質につき多角的に研究を重ねた結果、ポリカーボネ
ートまたはポリカーボネートとスチレン系ポリマーから
なる組成物に、一次粒子の平均径が0.06μm以下の
微粒子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛を配合
し溶融混練した樹脂組成物が良好結果を示すことを見出
し本発明を為した。
【0010】すなわち、本発明は、(A)PC10〜1
00重量部、(B)スチレン系ポリマー0〜200重量
部、(C)一次粒子の平均粒径が0.06μm以下であ
る微粒子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛0.
05〜20重量部からなる耐候性樹脂組成物に関する。
【0011】本発明に使用されるポリカーボネートは、
例えば、反応に不活性な有機溶媒、アルカリ水溶液の存
在下、二価フェノール系化合物およびホスゲンと反応さ
せた後、第三級アミンもしくは第四級アンモニュウム塩
などの重合触媒を添加して重合させる界面重合法や、二
価フェノール系化合物をピリジンまたはピリジンと不活
性溶媒の混合溶媒に溶解し、ホスゲンを導入し直接ポリ
カーボネートを製造するピリジン法等、従来のポリカー
ボネートの製造法により得られるものが使用される。上
記の反応の際、必要に応じて、分子量調節剤、分岐化剤
などが使用される。
【0012】上記の二価フェノール系化合物としては、
例えば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホ
キシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルヒド、ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、1.1−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2.2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2.2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)ブタン、1.1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)シクロヘキサン、2.2−ビス(4−
ヒドロキシ−3.5−ジブロモフェニル)プロパン、
2.2−ビス(4−ヒドロキシ−3.5−ジクロロフェ
ニル)プロパン、2.2−ビス(4−ヒドロキシ−3−
ブロモフェニル)プロパン、2.2−ビス(4−ヒドロ
キシ−3−クロロフェニル)プロパン、2.2−ビス
(4−ヒドロキシ−3.5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、1.1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フ
ェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェ
ニルメタンなどが例示される。
【0013】本発明にされるポリカーボネートは、粘度
平均分子量が10000〜35000のものである。粘
度平均分子量が10000より低いと、ポリカーボネー
ト本来の特性を発揮することができないので好ましくな
い。また粘度平均分子量が35000を越えると、溶融
粘度が高くなり、成形加工が難しくなり好ましくない。
【0014】本発明に使用されるスチレン系ポリマー
は、PS、HIPS、MS、AS,AAS、AES、A
MBS、スチレン・マレイン酸共重合樹脂(例えばアメ
リカ・アーコケミカルからダイラークの商品名で販売さ
れているもの)、SBR、スチレン・ブタジエンブロッ
ク共重合体、水素化スチレン・ブタジエンブロック共重
合体、水添SEBSエラストマー(例えばシェル化学か
らクレイトンGの商品名で販売されているもの)、から
なるコア・シェルタイプのエラストマー(例えば、武田
薬品工業(株)からスタフロイドの商品名で販売されて
いるコア層がゴム質でシェル層が硬質樹脂)、MBS系
エラストマーやBTAエラストマー、ポリスチレン相と
水素添加ポリイソプレン相からなるジブロック(例え
ば、(株)クラレからセプトンの商品名で販売されてい
るもの)、またはトリブロック共重合体などが例示さ
れ、これらは一種または二種以上使用することができ
る。
【0015】本発明に使用される一次粒子の平均粒径が
0.06μm以下、好ましくは0.05μm以下の微粒
子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛は、例え
ば、日本アエロジル、チタン工業、堺化学、本荘ケミカ
ルなどから販売されているものが挙げられる。これらの
微粒子酸化チタンまたは微粒子酸化亜鉛の一次粒子の平
均粒径は、販売元により多少異なるが0.06〜0.0
05μmにあのものが一般的である。
【0016】本発明において、一次粒子の平均粒径が
0.06μm以下、好ましくは0.05μm以下の微粒
子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛は、ガラス
繊維、炭素繊維、マイカなどの無機物の表面を処理する
公知の表面処理剤により処理されているものが好まし
い。
【0017】このような表面処理剤は、チタネート系カ
ップリンク剤、シラン系カップリングザイ、アルミニュ
ウム系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリ
ング剤、シリル化剤など公知のカップリング剤を使用す
ることができる。
【0018】ところで、酸化チタンおよび/または酸化
亜鉛は従来から樹脂への充填剤として使用されてきてい
る。しかしながら従来充填剤として使用されている酸化
チタンおよび/または酸化亜鉛は、平均一次粒子径が
0.10μm以上のものであり、このような粒子径が大
きいものでは、幾らか耐候性の改良はなされるものの、
後述する比較例に示されるように十分な効果は得られな
い。
【0019】本発明の樹脂組成物において、構成成分そ
れぞれの配合比率は、前記したととおりであり、ポリカ
ーボネートの配合量が10重量部よりも少ない場合は、
成形品の耐熱性や機械的強度が低く好ましくない。ま
た、スチレン系ポリマーの配合量が200重量部を超え
ると成形品の機械的性質や熱的性質の低下が大きく好ま
しくない。また、微粒子酸化チタンおよび/または微粒
子酸化亜鉛の配合量が0.05重量部より少ない場合は
耐候性改良効果が小さく、20重量部より多い場合は、
滞留熱安定性や機械的性質の低下が大きく好ましくな
い。
【0020】したがって、本発明においては、ポリカー
ボネートは、10〜100重量部、スチレン系ポリマー
は0〜200重量部、および一次粒子の平均粒径が0.
06μm以下、好ましくは0.05μm以下の微粒子酸
化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛0.05〜20
重量部で配合される。
【0021】本発明の耐候性樹脂組成物には、公知の紫
外線吸収剤、光安定剤を合計量で樹脂成分100重量部
に対し1.5重量部未満添加することにより耐候性をさ
らに改良することができる。その配合量が1.5重量部
を超えると前記のように、押出加工時に、揮散した紫外
線吸収剤やヒンダードアミン系安定剤がロールに付着
し、その付着物が部分的にシートやフィルムに転写さ
れ、外観不良を引き起こす。射出成形時には、金型のガ
スベントや突き出しピン、成形品表面に添加剤が付着す
るので好ましくない。
【0022】公知の紫外線吸収剤としては、サリチル酸
系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤あるいはシアノアクリレ
ート系紫外線吸収剤などが例示される。
【0023】サリチル酸系紫外線吸収剤としては、p−
t−ブチルフェニールサリシレート、p−オクチルフェ
ニルサリシレートなどがある。ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤としては、2.4−ジヒドロキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノ
ンなどを使用できる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤としては、2−(2´ヒドロキシ−5´−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2´ヒドロキシ−5
´−ターシャリブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2´ヒドロキシ−3´.5´−ジターシャリブチ
ルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどを使
用できる。シアノアクリレート系紫外線吸収剤として
は、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3.3´−ジフ
ェニールアクリレート、エチル−2−シアノ−3.3´
−ジフェニールアクリレートなどがある。
【0024】また光安定剤としては、紫外線安定剤とし
て、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、
ニッケルコンプレックス−3.5−ジターシャリーブチ
ル−4−ヒドロキシベンジル・リン酸モノエチレートな
どがある。ヒンダードアミン系光安定剤として、ビス
(1.2.2.6.6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)オキザレート、ビス(1.2.2.6.6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)マロネート、ビス(1.2.
2.6.6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アジペー
ト、ビス(1.2.2.6.6−ペンタメチル−4−ピ
ペリジル)テレフタレートなどがある。
【0025】本発明の樹脂組成物には、本発明の目的を
損なわない範囲で、他の熱可塑性樹脂、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、マレイン化ポリプロピレン、
ポリオキシメチレン、ポリアルキルアクリレート、ポリ
アルキルメタクリレート、各種脂肪族ナイロンおよび芳
香族ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリスルホンなど、さらには、有
機酸無水物などの相溶化剤なども添加することができ
る。
【0026】本発明の樹脂組成物には、その他にガラス
繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、ガラス繊維クロ
ス、ガラス繊維マット、グラファイト、炭素繊維、炭素
繊維クロス、炭素繊維マット、カーボンブラック、炭素
フレーク、アルミニウム、ステンレス、真鍮および銅か
ら作った金属繊維や金属フレーク、金属粉末、有機繊
維、針状チタンサンカリウム、マイカ、タルク、クレ
ー、(針状)酸化チタン、ウオラストナイト、炭酸カル
シュウム、から選ばれた1種以上の強化剤を添加して機
械的強度、剛性、寸法安定性等を改良することができ
る。
【0027】成形品の剛性・強度等の機械的強度を高
め、さらに成形品の外観や平滑性を向上するためには、
上記繊維として径の細いものを使用することが好まし
い。このような繊維径の細いガラス繊維としては、たと
えば日本無機(株)製のE−FMW−800(平均繊維
径0.8μm)やE−FMW−1700(平均繊維径
0.6μm)を例示することができる。
【0028】その他には、上記強化剤の表面を表面処理
剤、例えばビニルアルキルシラン、メタクリロアルキル
シラン、エポキシアルキルシラン、アミノアルキルシラ
ン、メルカプトアルキルシラン、クロロアルキルシラ
ン、イソプロピルトリイソステアロイルチタネートのよ
うなチタネート系カップリング剤、ジルコアルミネート
カップリング剤などで表面処理を行ってもよい。さらに
繊維類の集束剤として、エポキシ系、ウレタン系、ポリ
エステル系、スチレン系などの集束剤で集束処理しても
良い。
【0029】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
難燃剤としてトリフェニールホスヘートやトリクレジル
ホスヘート、あるいはそれらの重縮合体、または赤リン
のような公知のリン化合物を添加できる。また、ブロム
化ポリスチレン、低分子量ブロム化ポリカーボネート、
ブロム化エポキシ化合物のようなハロゲン化合物を難燃
剤として添加できる。三酸化アンチモン、四酸化アンチ
モン、酸化ジルコニウムのような難燃助剤もハロゲン化
合物と併用できる。
【0030】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
それ自体公知のフェノール系、ホスファイト系、チオエ
ーテル系、ヒンダードフェノール系、硫化亜鉛などの熱
および酸化防止剤を用いることもできる。さらに、帯電
防止剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、染料、顔料なども添
加することができる。
【0031】本発明の樹脂組成物は、一般に熱可塑性樹
脂組成物の製造に用いられる設備と方法により製造する
ことができる。その一つの方法は、本発明の樹脂組成物
を構成する(A)、(B)および(C)成分、すなわ
ち、ポリカーボネート、スチレン系ポリマーおよび微粒
子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛の所定量を
一括して、溶融混練した後冷却、所定の大きさ、通常平
均粒径3〜5mmの大きさに粉砕することによる方法で
得られる。
【0032】他の方法は、微粒子の酸化チタンおよび/
または酸化亜鉛とスチレン系ポリマーまたはポリカーボ
ネートとを、予め溶融混練して所謂マスターバッチを
得、これを前記(A)または、(A)および(B)のポ
リマー成分と混合、混練する方法がある。
【0033】上記のマスターバッチを得る当たっては、
一次粒子の平均粒径が0.06μm以下の微粒子の酸化
チタンおよび/または酸化亜鉛1重量部に対して、ポリ
カーボネートまたはスチレン系ポリマー0.5〜100
重量部、好ましくは、3〜10重量部が使用される。
【0034】上記のマスターバッチを得る際の溶融混練
方法は、微粒子の酸化チタンおよび/または酸化亜鉛と
ポリカーボネートまたはスチレン系ポリマーとを溶融混
練器(例えばラボプラストミル)で充分に溶融混練し、
酸化チタンおよび/または酸化亜鉛を一次粒子の状態で
ポリマーに分散させた後、冷却後所定の大きさ、通常3
〜5mmに粉砕する。
【0035】また別の方法としては、スチレン系ポリマ
ーまたはポリカーボネートと微粒子の酸化チタンおよび
/または酸化亜鉛を、加圧ニーダーで充分溶融混練し酸
化チタンおよび/または酸化亜鉛を一次粒子の状態でポ
リマーに分散させた後、押出機でペレット化する。
【0036】この粉砕物またはペレットと、ポリカーボ
ネートやスチレン系ポリマー等他の成分を混合後、さら
に、一軸や二軸の押出機を使用して溶融混練し、押出し
て成形用ペレットとすることもできる。
【0037】
【実施例】次の実施例と比較例により本発明を具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。実施例と比較例における試験片の成形方法、試験方
法は次の通りである。
【0038】(1)使用原材料 ポリカーボネートは粘度平均分子量12000〜230
00(三菱ガス化学(株)製)を使用する。
【0039】スチレン系ポリマーとして、ABS(電気
化学(株)製、グレード名GR1000SとQF(それ
ぞれGR、QFと略記))を使用する。
【0040】微粒子酸化チタンは、平均一次粒子径0.
021μmの酸化チタン(日本アエロジル(株)製P2
5(以下P25と略記))を、比較として平均一次粒子
径0.15〜0.25μmである通常の酸化チタン(石
原産業(株)製A220(以下A220と略記))を使
用する。
【0041】微粒子酸化亜鉛は平均一次粒子径0.02
μm(堺化学(株)製、FINEX−50(以下X−5
0と略記))を、比較として平均一次粒子径0.18μ
mの酸化亜鉛(堺化学(株)製、SF−15(以下SF
−15と略記))を使用する。
【0042】微粒子酸化チタンおよび/または微粒子酸
化亜鉛の表面処理剤としては、ジルコアルミネート系カ
ップリング剤(楠本化成(株)から販売されている品番
A)を使用する。
【0043】ホスファイト系熱安定剤として、サンド社
のP−EPQを使用する。ヒンダードフェノール系酸化
防止剤として、チバガイギー製イルガノックス1010
(以下単にイルガノックスと略記)を、ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤として、2−(2´ヒドロキシ−5
´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BTAと略
記)を、ヒンダードアミン系光安定剤として、ビス
(1.2.2.6.6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)オキザレート(HALSと略記)を使用する。
【0044】(2)酸化チタンおよび/または酸化亜鉛
の表面処理法 微粒子酸化チタンPA25をスーパーミキサーに100
g投入し、攪拌しながら水30g、メタノール270
g、ジルコアルミネート系カップリング剤・品番Aを8
gの混合液を10分を要して滴下する。滴下終了後さら
に10分攪拌する。次いで室温で48時間乾燥後、さら
に100〜110℃で1時間乾燥した微粒子酸化チタン
を得た。以下これをPA25Tと呼ぶ。
【0045】同様な条件で処理して微粒子酸化チタン、
微粒子酸化亜鉛を得た。以下これらをそれぞれA220
T、X−50T、SF−15Tと呼ぶ。
【0046】(3)酸化チタンおよび/または酸化亜鉛
とポリマーのマスターペレットの製法 (a1)組成物a1の製法:230〜240℃に設定し
た東洋精機製ラボプラストミルに、粘度平均分子量12
000のポリカーボネート8.8重量部、イルガノック
スを0.2重量部を添加し、溶融混練しながら1重量部
の微粒子酸化チタンP25Tを5分を要して加える。さ
らに5分溶融混練後ラボプラストミルから掻取り、室温
で冷却し、次に、液体窒素に浸漬冷却後、粉砕機で3〜
5mmの大きさに破砕し、微粒子酸化チタンマスターペ
レットを製造する。
【0047】(a2)組成物a2の製法:酸化チタンと
して上記のA220Tを使用した以外は(a1)と同じ
方法でマスターペレットを製造する。
【0048】(b1)組成物b1の製法:200〜21
0℃に設定した東洋精機製ラボプラストミルに、ABS
(QF)7.5重量部、イルガノックス0.5重量部を
添加し、溶融混練しながら2重量部の酸化亜鉛X−50
Tを5分を要して加える。さらに5分溶融混練後ラボプ
ラストミルから掻取り、室温で冷却し、次に、液体窒素
に浸漬冷却後、粉砕機で3〜5mmの大きさに破砕し、
微粒子酸化亜鉛マスターペレットを製造する。
【0049】(b2)組成物b2の製法:酸化亜鉛とし
て上記のSF−15Tを使用した以外は(b1)と同じ
方法でマスターペレットを製造する。
【0050】(4)試験片の成形条件 表1〜表3に示した各成分をシリンダー設定温度240
〜260℃で、スクリュー径30mmの二軸押出機によ
り溶融混練しペレットを製造する。このペレットを10
0℃で5時間乾燥後、射出成形機(住友重機械製SG1
25型)により金型温度70℃、シリンダー設定温度2
50〜270℃、射出圧力98MPaで、ASTM−D
638規定タイプ1の3.2mm厚引張試験片および、
63.5×12.7×3.2mmのアイゾット衝撃試験
片を、100ショット成形し、金型の突き出しピンへの
耐候性改良剤の付着の有無を調べ、付着物の認められな
いものを1、僅かに付着物の認められるものを2、少し
付着物の認められるものを3、多量の付着物が認められ
るものを4、付着物が著しく多く認められるものを5と
する。
【0051】(5)引張強さ ASTM−D638に準じ、引張速度5mm/分、試験
温度23℃で5本試験を行い、5本の平均の引張強さ
(単位はMPa)と破断伸び(単位は%)を求めた。
【0052】(6)耐光性試験 63.5×12.7×3.2mmのアイゾット衝撃試験
片を、6.5KWキセノンアーク式フェードメーター
(米国、アトラス製、CI−65型)の暴露台に取り付
けて、使用フィルターのインナー部にパイレックスガラ
ス、アウター部にクリアーガラスを付け、ブラックパネ
ル温度63℃、降雨スプレーなしの条件で処理した。3
00時間処理後の試験片を、日本電色工業製Σ−80型
・色差計により黄変度ΔYIを測定し、耐候性の良否を
比較し、表1〜表3に結果を示した。
【0053】実施例と比較例 表1に実施例、表2と表3に比較例を示す。なお、表1
〜表3の樹脂組成物を構成する各成分の配合比率は重量
部で示す。
【0054】
【表1】 表 1 ──────────────────────────────────── 実施例番号 1 2 3 4 5 6 7 ──────────────────────────────────── PC*1 95 97 50 50 PC*2 95 50 50 ABS・GR 40 45 47 49 組成物a1 5 5 3 組成物b1 10 5 3 1 BTA 0.05 0.1 HALS 0.05 0.1 ──────────────────────────────────── 引張強さ 65 66 95 58 55 52 62 破断伸び 130 123 132 90 71 79 86 ΔYI 1.0 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 3.0 ピン付着物 1 1 1 1 1 1 1 ──────────────────────────────────── *1: 粘度平均分子量25000 *2: 粘度平均分子量16000
【0055】
【表2】 表 2 ──────────────────────────────────── 比較例 1 2 3 4 5 6 7 8 番号 ──────────────────────────────────── PC*1 100 90 95 PC*2 100 90 95 99 100 組成物a2 10 5 10 5 1 BTA 1 HALS 1 ──────────────────────────────────── 引張強さ 66 65 66 59 63 62 64 60 破断伸び 130 123 132 125 98 102 112 110 ΔYI 6 5 5 6 5 6 6 3.5 ピン付 着物 1 1 1 1 1 1 1 5 ──────────────────────────────────── *1:粘度平均分子量25000 *2:粘度平均分子量16000
【0056】
【表3】 表 3 ──────────────────────────────────── 比較例番号 9 10 11 12 13 14 15 ──────────────────────────────────── PC*1 50 50 50 PC*2 50 50 50 50 ABS・GR 50 40 45 45 45 47 50 組成物b2 10 5 5 5 3 BTA 0.3 1.0 1.5 HALS 0.3 1.0 1.5 ──────────────────────────────────── 引張強さ 51 50 51 54 49 49 47 破断伸び 80 73 72 60 51 49 43 ΔYI 15 10 11 12 10 6 4 ピン付着物 1 1 1 1 3 4 5 ──────────────────────────────────── *1:粘度平均分子量25000 *2:粘度平均分子量16000
【0057】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、シートやフィル
ムの押出成形時に、ロールへの紫外線吸収剤の付着がな
く、また射出成形時に金型のガスベントの閉塞や突き出
しピンへの付着物がなく連続的に長時間にわたって成形
することができるとともに、本発明の樹脂組成物は、風
雨や太陽光、蛍光灯の光などに長時間にわたって暴露さ
れたとき、成形品表面の変退色が著しく少なく、外観、
機械的性質、耐熱性が良好である耐候性に優れた成形品
を提供することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)粘度平均分子量が10000〜3
    5000のポリカーボネート10〜100重量部、
    (B)スチレン系ポリマー0〜200重量部、(C)一
    次粒子の平均粒径が0.06μm以下である微粒子酸化
    チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛0.05〜20重
    量部からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 スチレン系ポリマーがPS、HIPS、
    MS、MBS、AS,AAS、AES、AMBS、スチ
    レン・マレイン酸共重合樹脂、SBR、スチレン・ブタ
    ジエンブロック共重合体、水素化スチレン・ブタジエン
    ブロック共重合体、水添SEBSエラストマー、コア・
    シェルタイプのエラストマー、MBS系エラストマーや
    BTAエラストマー、ポリスチレン相と水素添加ポリイ
    ソプレン相からなるジブロック、またはトリブロック共
    重合体から選ばれた少なくとも一種である請求項1記載
    の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 一次粒子の平均粒径が0.06μm以下
    の微粒子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛の表
    面がチタネート系カップリンク剤、シラン系カップリン
    グ剤、アルミニュウム系カップリング剤、ジルコアルミ
    ネート系カップリング剤、シリル化剤などで処理したも
    のである請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1の(C)として一次粒子の平均
    粒径が0.06μm以下の微粒子酸化チタンおよび/ま
    たは微粒子酸化亜鉛1重量部に対し、ポリカーボネート
    および/またはスチレン系ポリマーを0.5〜100重
    量部予備混練したマスターバッチを使用する請求項1記
    載の樹脂組成物。
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