JPH06271758A - 耐光性樹脂組成物 - Google Patents

耐光性樹脂組成物

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JPH06271758A
JPH06271758A JP5730593A JP5730593A JPH06271758A JP H06271758 A JPH06271758 A JP H06271758A JP 5730593 A JP5730593 A JP 5730593A JP 5730593 A JP5730593 A JP 5730593A JP H06271758 A JPH06271758 A JP H06271758A
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JP
Japan
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resin composition
styrene
parts
weight
light
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Pending
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JP5730593A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Okuzono
敏昭 奥園
Hisahiro Nakamura
尚弘 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形品外観、機械的性質、耐熱性を損なうこ
となく、特に長時間にわたって屋外使用時の太陽光、室
内使用時の窓越しの太陽光、室内の蛍光灯などに暴露さ
れたとき、成形品表面の変退色の著しく小さく、成形時
金型付着トラブルなどの問題のない耐光性樹脂組成物を
提供する。 【構成】 (A)ポリフェニレンエーテル10〜90重
量部、(B)スチレン系ポリマー10〜90重量部、
(C)一次粒子径が0.08μm以下の微粒子酸化チタ
ンおよび/または微粒子酸化亜鉛0.10〜20重量部
からなる樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の樹脂組成物は、成形品外
観、機械的性質、耐熱性を損なうことなく、特に長時間
にわたって屋外使用時の太陽光、室内使用時の窓越しの
太陽光、室内の蛍光灯などに暴露されたとき、成形品表
面の変退色が著しく小さく、成形時に金型付着物が発生
するなどのトラブルのない耐光性樹脂組成物であって、
電気・電子部品、自動車部品、機械部品、雑貨などの幅
広い分野で使用できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ポリフェニレンエーテル(以
下PPEと略記)とスチレン系ポリマーからなる組成物
は電気的性質、機械的性質、耐熱性、耐熱水性、寸法精
度、成形性などに優れているので、電気・電子部品、自
動車部品、機械部品、雑貨などの分野で使用されてい
る。しかしながら、PPEとスチレン系ポリマーを主成
分とした組成物からの成形品が、長時間にわたって屋外
使用時の太陽光、室内使用時の窓越しの太陽光、室内の
蛍光灯などに暴露されたとき、成形品表面の変退色が著
しく大きいという問題を引き起こし、用途が非常に制限
されている。従って、このような各種光に暴露されたと
き、PPEとスチレン系ポリマーを主成分とした組成物
からの成形品表面の変退色の防止が強く望まれていた。
【0003】特開昭60−168756号公報には、オ
ルトヒドロキシ置換アルコキシベンゾフェノン類と、テ
トラアルキルジピペリジニル脂肪族ジエステル類とをP
PEに添加すると、成形品表面の変退色の発生を防止で
きることが開示されている。しかしながら、オルトヒド
ロキシ置換アルコキシベンゾフェノン類や、テトラアル
キルジピペジニル脂肪族ジエステル類のような、有機低
分子量化合物をPPEに添加すると、溶融混練時や成形
時に有機低分子量化合物が揮散して、変退色の効果が低
減する。また、成形品表面に有機低分子量化合物が付着
し外観不良になったり、金型のガスベントが閉塞し、さ
らには突き出しピンなどにも有機低分子量化合物が付着
し、良品を連続して成形することが困難で、変退色の問
題も完全に解決することはできなかった。特開昭61−
62545号公報には、PPEに酸化亜鉛とニッケル系
錯体を添加する方法が提案されている。この場合の酸化
亜鉛の粒径は0.25μm前後のものが特に好ましいと
されている。しかし、酸化亜鉛の粒径が0.25μm前
後でもある程度の変退色は防止できても、長時間、各種
の光に暴露された場合の変退色の防止は十分ではなかっ
た。特表昭57−502062号報には、約0.1〜
0.2μmの粒子寸法を持つ酸化チタンと、衝撃改良剤
をPPEに添加すると耐衝撃性が改善されると提案され
ている。この方法では、耐衝撃性は改善されるが、耐光
性の改良の程度は非常に低いものであった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】本発明が解決しよう
とする課題は、長時間にわたって屋外使用時の太陽光、
室内使用時の窓越しの太陽光、室内の蛍光灯などに暴露
されたとき、成形品表面の変退色が著しく小さく、成形
品外観、機械的性質、耐熱性が良好で、さらに射出成形
時の金型のガスベントの閉塞や、突き出しピンなどへの
付着物のない耐光性樹脂組成物を提供することにある。
このように耐光性に優れた樹脂組成物が開発されると、
電気・電子部品、自動車部品、機械部品、雑貨などの分
野で各種光の照射される部品にも使用でき、今まで以上
に用途を広げることができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、PPEとスチレン系ポリマーに種々の
第三物質を種々の比率で添加し、研究を重ねた。その結
果、PPEとスチレン系ポリマーからなる組成物に、平
均一次粒子径が0.08μm以下の微粒子酸化チタンお
よび/または微粒子酸化亜鉛を配合し溶融混練した樹脂
組成物からの成形品が、長時間にわたって屋外使用時の
太陽光、室内使用時の窓越しの太陽光、室内の蛍光灯な
どに暴露されたとき、成形品表面の変退色がなく、成形
品外観、機械的性質、耐熱性が良好で、さらに射出成形
時の金型のガスベントの閉塞や突き出しピンなどへの付
着物のないことを見出だし、本発明を完成させた。
【0006】すなわち、本発明は、ポリフェニレンエー
テル10〜90重量部、スチレン系ポリマー10〜90
重量部、一次粒子径が0.08μm以下、好ましくは
0.06μm以下の微粒子酸化チタンおよび/または微
粒子酸化亜鉛を0.1〜20重量部からなる耐光性樹脂
組成物である。本発明の耐光性樹脂組成物から成形され
た成形品は、長時間にわたって屋外使用時の太陽光、室
内使用時の窓越しの太陽光、室内の蛍光灯などに暴露さ
れたとき、成形品表面の変退色がなく、成形品外観、機
械的性質、耐熱性が良好である。さらに樹脂成分中か
ら、溶融混練時に微粒子酸化チタンおよび/または微粒
子酸化亜鉛が揮散することがなく、射出成形時の金型の
ガスベントの閉塞や突き出しピンなどへの付着物のない
という特長を有している。さらに本発明の耐光性樹脂組
成物は、射出成形以外に押出成形、ブロー成形、フィル
ムやシート成形も可能なため、電気・電子部品、自動車
部品、機械部品、雑貨など各種光の照射される分野にも
使用でき、今まで以上に広い用途が期待できる。
【0007】さらに具体的に言えば、本発明に使用出来
るPPEは、例えば特開昭63−286464に記載さ
れている方法に準じて製造できる。特に、ポリ(2,6
−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、2,6−
ジメチル−1,4−フェノール/2,3,6−トリメチ
ル−1,4−フェノール共重合体および前二者にそれぞ
れスチレンをグラフト重合したグラフト共重合体が本発
明に用いられるPPEとして好ましい。本発明に好適な
PPEの極限粘度は25℃クロロホルム溶液で測定し、
0.60〜35dl/gの範囲にあるのが好ましい。極
限粘度が0.60dl/gより高いと組成物の溶融粘度
が高くなり、バーフロー値が低下して特に大型薄肉成形
品の成形が困難になる。逆に、極限粘度が0.35dl
/gより低くなると機械的強度の低下が大きく実用成形
品としての価値を損なうので、本発明の樹脂組成物には
使用できない。
【0008】本発明に使用できるスチレン系ポリマー
は、PS、HIPS、MS、MBS、AS、AAS、A
ES、AMBS、アメリカ・アーコケミカル社からダイ
ラークの商品名で販売されているようなスチレン・マレ
イン酸共重合樹脂、SBR、スチレン・ブタジエンブロ
ック共重合体、水素添加スチレン・ブタジエンブロック
共重合体、シェル化学(株)からクレイトンGの商品名
で販売されているような水素添加SEBSエラストマ
ー、武田薬品(株)からスタフロイドの商品名で販売さ
れているようなコア層がゴム質でシェル層が硬質樹脂か
らなるコア・シェルタイプのエラストマー、MBS系エ
ラストマーやクレハBTAエラストマー、クラレ(株)
からセプトンの商品名で販売されているようなポリスチ
レン相と水素添加ポリイソプレン相からなるジブロッ
ク、またはトリブロック共重合体から選ばれた1種以上
ポリマーである。
【0009】本発明に使用できる一次粒子径が0.08
μm以下の微粒子酸化チタンおよび/または微粒子酸化
亜鉛は、日本アエロジル(株)、住友セメント(株)、
チタン工業(株)、堺化学(株)などから販売されてい
るが一次粒子の平均径は、販売元により多少異なる。本
発明に使用できる微粒子酸化チタンおよび/または微粒
子酸化亜鉛は、一次粒子径が0.08μm以下、好まし
くは0.06〜0.001μm、さらに好ましくは0.
05〜0.005μmである。前述の特開昭61−62
545号公報には、PPEに添加する酸化亜鉛の粒径
は、0.25μm前後のものが特に好ましいとされてい
るが、粒径が、0.08μmを越えると、耐光性改良効
果が著しく軽減されるので、本発明から除外される。特
表昭57−502062号報にも、約0.1〜0.2μ
mの粒子寸法を持つ酸化チタンをPPEに添加すること
が開示されているが、この場合も本発明から除外され
る。
【0010】本発明の樹脂組成物の配合比率は、(A)
PPE10〜90重量部、(B)スチレン系ポリマー1
0〜90重量部、(C)一次粒子径が0.08μm以下
の微粒子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛を
0.1〜20重量部である。PPEが10重量部より少
ないと、耐熱性や機械的強度が低く、90重量部を越え
ると、溶融粘度が高くなり成形が困難になる。また、ス
チレン系ポリマーが10重量部より低いと、溶融粘度の
改良効果や耐衝撃性の改良効果が低くなり、90重量部
を越えると、PPE本来の機械的性質や熱的性質を損な
う。微粒子酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛の
添加率が0.1重量部より低いと耐光性改良効果が小さ
く、20重量部より高くなると滞留熱安定性や機械的性
質の低下が大きく好ましくない。
【0011】本発明の耐光性樹脂組成物の耐光性をさら
に一段と改良するためには、つぎのような公知の紫外線
吸収剤、光安定剤を添加してもよい。サリチル酸系紫外
線吸収剤としては、p−t−ブチルフェニールサリシレ
ート、p−オクチルフェニルサリシレートなどがある。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2.4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5
−スルホベンゾフェノンなどを使用できる。ベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2´ヒドロキ
シ−5´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2´ヒドロキシ−5´−ターシャリブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2´ヒドロキシ−3´.5
´−ジターシャリブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾールなどを使用できる。シアノアクリレート系
紫外線吸収剤としては、2−エチルヘキシル−2−シア
ノ−3.3´−ジフェニールアクリレート、エチル−2
−シアノ−3.3´−ジフェニールアクリレートなどが
ある。紫外線安定剤としては、ニッケルビス(オクチル
フェニル)サルファイド、ニッケルコンプレックス−
3.5−ジターシャリーブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル・リン酸モノエチレートなどがある。ヒンダードアミ
ン系光安定剤としては、ビス(1.2.2.6.6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジル)オキザレート、ビス
(1.2.2.6.6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)マロネート、ビス(1.2.2.6.6−ペンタメ
チル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(1.2.
2.6.6−ペンタメチル−4−ピペリジル)テレフタ
レートなどがある。
【0012】本発明の目的を損なわない範囲で、他の熱
可塑性樹脂、例えば、PC、PE、PP、マレイン酸変
性PP、POM、PMMA、各種脂肪族ナイロンおよび
芳香族ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエ
ーテルエーテルケトン、ポリスルホン、場合によっては
有機酸無水物などの相溶化剤なども添加できる。
【0013】本発明の樹脂組成物の機械的強度、剛性、
寸法安定性改良のため、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガ
ラスフレーク、ガラス繊維クロス、ガラス繊維マット、
グラファイト、炭素繊維、炭素繊維クロス、炭素繊維マ
ット、カーボンブラック、炭素フレーク、アルミ、ステ
ンレス、真鍮および銅から作った金属繊維や金属フレー
ク、金属粉末、有機繊維、針状チタンサンカリウム、マ
イカ、タルク、クレー、(針状)酸化チタン、ウオラス
トナイト、炭酸カルシュウム、から選ばれた1種以上の
強化剤を添加しても良い。剛性・強度を上げて、さらに
成形品の外観や平滑性を向上するためには、繊維の径を
細くすれば良い。繊維径の細いガラス繊維としては、日
本無機(株)製のE−FMW−800(平均繊維径0.
8μm)やE−FMW−1700(平均繊維径0.6μ
m)を例示できる。
【0014】上記強化剤の表面を公知の表面処理剤、例
えばビニルアルキルシラン、メタクリロアルキルシラ
ン、エポキシアルキルシラン、アミノアルキルシラン、
メルカプトアルキルシラン、クロロアルキルシラン、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネートのようなチ
タネート系カップリング剤、ジルコアルミネートカップ
リング剤などで表面処理を行ってもよい。さらに繊維類
の集束剤として、公知のエポキシ系、ウレタン系、ポリ
エステル系、スチレン系などの集束剤で集束しても良
い。
【0015】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
難燃剤としてトリフェニールホスヘートやトリクレジル
ホスヘート、あるいはそれらの重縮合体、または赤リン
のような公知のリン化合物を添加できる。また、デカブ
ロムジフェニールエーテル、ブロム化ポリスチレン、低
分子量ブロム化ポリカーボネート、ブロム化エポキシ化
合物のようなハロゲン化合物を難燃剤として添加でき
る。三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、酸化ジルコ
ニウムのような難燃助剤もハロゲン化合物と併用でき
る。
【0016】本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、
公知のフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル
系、ヒンダードフェノール系、硫化亜鉛、酸化亜鉛など
の熱および酸化防止剤を用いることができる。さらに必
要に応じて、帯電防止剤、可塑剤、潤滑剤、離型剤、染
料、顔料、紫外線吸収剤、光安定剤なども添加すること
ができる。
【0017】本発明の樹脂組成物は、一般に熱可塑性樹
脂組成物の製造に用いられる設備と方法により製造する
ことができる。例えば、本発明の樹脂組成物を構成する
成分を一括して、あるいはスチレン系ポリマーと微粒子
酸化チタンおよび/または微粒子酸化亜鉛を、ミルで充
分に溶融混練して取り出す。取り出した混練物を室温冷
却し、さらに液体窒素に浸漬、冷却後、3〜5mmの大
きさに破砕する。別の方法としては、微粒子酸化チタン
および/または微粒子酸化亜鉛1重量部にスチレン系ポ
リマー1〜10重量部を加え、加圧ニーダーで充分溶融
混練しチタンおよび/または酸化亜鉛を平均一次粒子径
0.08μm以下、好ましくは0.06μm以下に分散
させたものを、押出機でペレット化するか、または冷却
破砕してマスターペレットを得、このマスターペレット
と、PPEおよびスチレン系ポリマーを混合後、一軸ま
たは二軸の押出機を使用して溶融混練し、押出して成形
用ペレットを製造しても良い。
【0018】本発明の樹脂組成物は、長時間にわたって
屋外使用時の太陽光、室内使用時の窓越しの太陽光、室
内の蛍光灯などに暴露されたとき、成形品表面の変退色
が著しく小さく、成形品外観、機械的性質、耐熱性が良
好で、さらに射出成形時の金型のガスベントの閉塞を起
こさず、突き出しピンに付着物のないような耐光性樹脂
組成物で、射出成形以外に、押出成形、ブロー成形も可
能のため、電気・電子部品、自動車部品、機械部品、雑
貨などの分野で各種光の照射される部品にも使用でき、
今まで以上に用途を広げることができる。次に実施例と
比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこ
れらに限定されるものではない。実施例と比較例におけ
る試験片の成形方法、試験方法は次の通りである。
【0019】(1)使用原材料 PPEは三菱ガス化学(株)製で25℃クロロホルム中
の極限粘度が0.45dl/gのものを使用する。スチ
レン系ポリマーとして、シェル化学(株)製のクレイト
ンG1652のスチレン・エチレン・ブチレン・スチレ
ン型ブロック共重合体(SEBSと略記)、クラレ
(株)製のセプトンKL2002で、スチレン含有率3
0wt%の水素添加スチレン・イソプレンブロックコポ
リマー(SEPSと略記)、HIPSとしては、電気化
学(株)製のHI−S−3(HIPSと略記)である。
一次粒子径が0.08μm以下の微粒子酸化チタンおよ
び/または微粒子酸化亜鉛は、日本アエロジル(株)、
住友セメント(株)、チタン工業(株)、堺化学(株)
などから販売されているものを使用する。比較のために
使用する粒子径約0.2μmの酸化チタンおよび/また
は微粒子酸化亜鉛は、チタン工業(株)や本荘ケミカル
(株)、堺化学(株)、大阪チタン(株)から販売され
ているものを使用する。ホスファイト系熱安定剤とし
て、サンド社のP−EPQを使用する。ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤として、2−(2´ヒドロキシ−5
´−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール(BTAと略
記)を、ヒンダードアミン系光安定剤として、ビス
(1.2.2.6.6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ル)オキザレート(HALSと略記)を使用する。
【0020】(2)酸化チタンおよび/または酸化亜鉛
とスチレン系ポリマー組成物との製法 (a1)組成物a1の製法:190〜210℃に設定し
た東洋精機(株)製ラボプラストミルに、SEPS8.
5重量部、P−EPQを0.5重量部を添加し、溶融混
練しながら5分かけて1重量部の平均一次粒子径0.0
3μmの酸化チタンを加える。さらに5分溶融混練後ラ
ボプラストミルから取り出し、室温で冷却し、次に、液
体窒素に浸漬冷却後、粉砕機で3〜5mmの大きさに破
砕する。 (a2)組成物a2の製法:190〜210℃に設定し
た東洋精機(株)製ラボプラストミルに、SEPS8.
5重量部、P−EPQを0.5重量部を添加し、溶融混
練しながら5分かけて1重量部の平均一次粒子径0.2
μmの酸化チタンを加える。さらに5分溶融混練後ラボ
プラストミルから取り出し、室温で冷却し、次に、液体
窒素に浸漬冷却後、粉砕機で3〜5mmの大きさに破砕
する。
【0021】(b1)組成物b1の製法:210〜23
0℃に設定した東洋精機(株)製ラボプラストミルに、
SEBS7.5重量部、P−EPQを0.5重量部を添
加し、溶融混練しながら5分かけて2重量部の平均一次
粒子径0.02μmの酸化亜鉛を加える。さらに5分溶
融混練後ラボプラストミルから取り出し、室温で冷却
し、次に、液体窒素に浸漬冷却後、粉砕機で3〜5mm
の大きさに破砕する。 (b2)組成物b2の製法:210〜230℃に設定し
た東洋精機(株)製ラボプラストミルに、SEBS7.
5重量部、P−EPQを0.5重量部を添加し、溶融混
練しながら5分かけて2重量部の平均一次粒子径0.2
μmの酸化亜鉛を加える。さらに5分溶融混練後ラボプ
ラストミルから取り出し、室温で冷却し、次に、液体窒
素に浸漬冷却後、粉砕機で3〜5mmの大きさに破砕す
る。
【0022】(3)試験片の成形条件 表1〜表3に示した各成分をシリンダー設定温度270
℃で、スクリュー径30mmの二軸押出機により溶融混
練しペレットを製造する。このペレットを100℃で5
時間乾燥後、住友重機械(株)製SG125型射出成形
機により金型温度70℃、シリンダー設定温度250〜
290℃、射出圧力98MPaで、ASTM−D638
規定タイプ1の3.2mm厚引張試験片と、63.5×
12.7×3.2mmのアイゾット衝撃試験片を、10
0ショット成形し、金型の突き出しピンへの耐光性改良
剤の付着の有無を調べ、付着物のないものを1、僅かに
付着物のあるものを2、少し付着物のあるものを3、付
着物の多いものを4、付着物の著しく多いものを5とす
る。
【0023】(4)引張強さ ASTM−D638に準じ、引張速度5mm/分、試験
温度23℃で5本試験を行い、5本の平均の引張強さ
(単位はMPa)と破断伸び(単位は%)を求めた。
【0024】(5)アイゾット衝撃強度測定法(以下I
Zと略記し、単位はJ/m) ASTM−D256に準じ、試験片厚み3.2mmの試
験片に0.25Rのノッチを切削加工により切り込み、
23℃で5本づつ測定し、5本の平均値で示した。
【0025】(6)耐光性試験 63.5×12.7×3.2mmのアイゾット衝撃試験
片を、6.5KWキセノンアーク式フェードメーター
(米国、アトラス製、CI−65型)の暴露台に取り付
けて、使用フィルターのインナー部にパイレックスガラ
ス、アウター部にクリアーガラスを付け、ブラックパネ
ル温度63℃、降雨スプレーなしの条件で処理した。3
00時間処理後の試験片を、日本電色工業(株)製Σ−
80型・色差計により黄変度ΔYIを測定し、耐光性の
良否を比較し、表1〜表3に結果を示した。
【0026】
【実施例】実施例1〜6の組成、配合比率およびその結
果を表1に、比較例1〜12の組成、配合比率およびそ
の結果を表2、表3に示す。なお、表1〜表3の樹脂組
成物を構成する各成分の配合比率は重量部で示す。
【0027】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、長時間にわたっ
て屋外使用時の太陽光、室内使用時の窓越しの太陽光、
室内の蛍光灯などに暴露された場合の成形品表面の変退
色が著しく小さく、成形品外観、機械的性質、耐熱性が
良好で、さらに射出成形時の金型のガスベントの閉塞や
突き出しピンへの付着物のない特長を有する。本発明の
樹脂組成物は、射出成形以外に、押出成形、ブロー成形
も可能となり、電気・電子部品、自動車部品、機械部
品、雑貨などの分野で各種光の照射される部品にも使用
できる。
【表1】 実施例番号 1 2 3 4 5 6 PPE 30 40 50 50 60 70 HIPS 60 50 40 40 30 20 組成物a1 10 10 10 組成物b1 10 10 10 BTA 0.2 HALS 0.2 引張強さ 47 52 61 60 67 74 破断伸び 45 43 46 44 51 43 IZ 150 150 170 160 180 170 ΔYI 22 18 20 17 24 25 ピン付着物 1 1 1 2 1 1
【表2】 比較例番号 1 2 3 4 5 6 PPE 30 40 50 50 60 70 HIPS 60 50 40 40 30 20 組成物a2 10 10 10 組成物b2 10 10 10 BTA 0.2 HALS 0.2 引張強さ 46 54 60 62 65 72 破断伸び 41 45 41 48 54 45 IZ 160 150 160 170 170 160 ΔYI 52 48 45 35 44 55 ピン付着物 1 1 1 2 1 1
【表3】 比較例番号 7 8 9 10 11 12 PPE 30 40 50 50 60 70 HIPS 60 50 40 40 30 20 組成物a2 10 10 10 組成物b2 10 10 10 BTA 1 0 1 1 0.5 1.5 HALS 0 1 1 1 0.5 1.5 引張強さ 44 52 57 60 62 69 破断伸び 44 46 46 45 52 48 IZ 160 150 160 170 170 160 ΔYI 45 43 31 33 44 24 ピン付着物 3 3 4 4 3 5
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 55/02 LMF 7308−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル 10〜90重量部 (B)スチレン系ポリマー 10〜90重量部 (C)一次粒子径が0.08μm以下の微粒子酸化チタンおよび/または微粒子 酸化亜鉛 0.10〜20重量部 からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)ポリフェニレンエーテルが、その
    極限粘度が25℃のクロロホルム溶液で測定した時、
    0.60〜0.35dl/gである、(2,6−ジメチ
    ル−1,4−フェニレン)エーテル重合体、2,6−ジ
    メチル−1,4−フェノール/2,3,6−トリメチル
    −1,4−フェノール共重合体およびこれらにスチレン
    をグラフト重合したグラフト共重合体から選ばれた1種
    以上の請求項1の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 スチレン系ポリマーが、PS、HIP
    S、MS、MBS、AS、AAS、AES、AMBS、
    スチレン・マレイン酸共重合樹脂、SBR、スチレン・
    ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン・ブタ
    ジエンブロック共重合体、水素添加SEBSエラストマ
    ー、コア層がゴム質でシェル層が硬質樹脂からなるコア
    ・シェルタイプのエラストマー、MBS系エラストマ
    ー、BTAエラストマー、ポリスチレン相と水素添加ポ
    リイソプレン相からなるジブロックまたはトリブロック
    共重合体から選ばれた1種以上の請求項1の樹脂組成
    物。
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