JPH06271609A - 連続塊状重合による塩化ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

連続塊状重合による塩化ビニル系重合体の製造方法

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JPH06271609A
JPH06271609A JP8380293A JP8380293A JPH06271609A JP H06271609 A JPH06271609 A JP H06271609A JP 8380293 A JP8380293 A JP 8380293A JP 8380293 A JP8380293 A JP 8380293A JP H06271609 A JPH06271609 A JP H06271609A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 塩化ビニル、又は塩化ビニルと他の共重合性
ビニル単量体を、重合により生成する塩化ビニル系重合
体を溶解しない有機媒体の存在下に連続塊状重合させて
塩化ビニル系重合体を製造する方法であり、有機媒体と
して沸点が20℃以下のエタン、プロパンおよび/ブタ
ンなどの脂肪族飽和炭化水素を10重量%以上の割合で
使用して連続塊状重合を行うのが好ましい。 【効果】 本発明の連続塊状重合方法による場合は、重
合装置内壁等へのスケールの付着を防止しながら高重合
転換率でかさ比重の高い塩化ビニル系重合体を効率よく
連続的に製造することができ、しかも本発明の方法によ
る場合は重合装置などを0℃以下の低温に冷却するため
の余分な冷却媒体や冷却設備を必要としない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系重合体を連
続塊状重合法により製造する方法である。詳細には、本
発明は、重合装置内壁等へのスケールの付着を防止しな
がら高い重合転換率で塩化ビニル系重合体を連続塊状重
合する方法であり、本発明の方法による場合はかさ比重
の高い塩化ビニル系重合体を高い生産効率で円滑に製造
することができる。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニルの重合に際しては重合装置内
壁等に多量のスケールが付着し易く、そのため連続重合
が困難であり、バッチ方式による重合法が一般に採用さ
れている。これは塩化ビニルの塊状重合においても例外
ではなく、特に塊状重合の場合は、塩化ビニル単量体が
重合装置の内壁に直接接触する割合が懸濁重合や溶液重
合等の他の重合法に比べて高いことにより、より多量の
スケールが付着し易い。しかも、塩化ビニルの連続塊状
重合では、重合転換率が20重量%を越えると未反応の
単量体が生成した重合体を吸収して重合体スラリーの流
動性が極端に悪化して重合装置から連続的に取り出すこ
とが不可能または困難になるため、連続重合が一層むつ
かしく、これらの点から一般にバッチ重合が採用されて
きたというのが実情である。
【0003】そこで、塩化ビニルの連続塊状重合を可能
にするために、反応器壁、反応器内の全部の取付物およ
び取出管を冷却媒体によって0℃以下、好ましくは−5
〜−10℃に保ってそれらの部分へのスケールの付着を
防止すると共に、重合転換率が5〜20重量%の段階で
重合物を反応器から連続的に取出して塩化ビニルを連続
塊状重合する方法が提案されている(特開昭48−34
978号公報)。しかし、この方法による場合は、反応
器やその付帯設備を0℃以下に保つための冷却媒体や設
備が必要であるために設備面や運転面で多大の経費がか
かり、しかも5〜20重量%という低い重合転換率で重
合体を反応器より取り出すために得られる塩化ビニル系
重合体のかさ比重が極めて低く、未だ実用化に至ってい
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、塩化
ビニル系単量体の連続塊状重合において従来問題となっ
ていた重合装置内壁等へのスケールの付着を防止し、か
つ高い重合転換率でも流動性に富む取扱い性に優れた塩
化ビニル系重合体スラリーを形成させて、かさ比重の高
い塩化ビニル系重合体を高い生産効率で連続的に製造す
ることのできる実用的な方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべ
く、本発明者らは、塩化ビニルの連続塊状重合に関し
て、使用する単量体の種類、添加剤、重合開始剤やその
他の成分、装置の構造などについて色々検討を続けてき
た。その結果、本発明者らは、塩化ビニルを連続塊状重
合させる際に、その反応系に重合によって生成する塩化
ビニル系重合体を溶解しない有機媒体を存在させると、
重合装置内壁へのスケールの付着が防止されること、し
かもその場合には高い重合転換率まで重合させても重合
装置から連続的に取り出せる流動性に富む取扱い性に優
れた重合体スラリーが得られて連続して塊状重合を継続
することができることを見出して本発明を完成した。
【0006】すなわち、本発明は、塩化ビニル、または
塩化ビニルと他の共重合性ビニル単量体を、重合により
生成する塩化ビニル系重合体を溶解しない有機媒体の存
在下に連続塊状重合させることを特徴とする塩化ビニル
系重合体の製造方法である。
【0007】本発明の方法では、塩化ビニルを単独で使
用して塩化ビニルの単独重合体を製造しても、または塩
化ビニルと他の共重合性ビニル単量体を使用して塩化ビ
ニルと他のビニル単量体との共重合体を製造してもよ
く、したがって上記本発明における「塩化ビニル系重合
体」とは塩化ビニル単独重合体および塩化ビニル共重合
体の両方をいう。塩化ビニルと他のビニル単量体との共
重合体を製造する場合は、他のビニル単量体の使用割合
を塩化ビニルと他のビニル単量体の合計重量に基づい
て、約30重量%以下にするのが好ましい。その場合の
他のビニル単量体としては、例えばエチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセンなどの炭
素数2〜30のα−オレフィン類、アクリル酸およびそ
のエステル類、メタクリル酸およびそのエステル類、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アルキルビニルエステ
ル類などを挙げることができ、これらの他のビニル単量
体は単独で使用してもまたは2種以上を併用してもよ
い。
【0008】そして、本発明では、上記の連続塊状重合
に際して、重合系に生成した塩化ビニル系重合体を溶解
しない有機媒体を存在させることが必要である。この有
機媒体としては、生成した塩化ビニル系重合体を溶解せ
ず、重合時の加圧条件下で液状を呈して生成した塩化ビ
ニル系重合体のスラリーを希釈してその流動性を向上さ
せ、且つ塩化ビニル系重合体スラリーの壁面などへの付
着を防止または低下させる作用を有する有機媒体であれ
ばいずれも使用できる。したがって、本発明では有機媒
体として、重合時の加圧下では液状を呈し大気圧下で
は気体状を呈する塩化ビニル系重合体を溶解しない有機
媒体、並びに重合時の加圧下および大気圧下の両方で
液状を呈する塩化ビニル系重合体を溶解しない有機媒体
のいずれもが使用可能である。
【0009】上記した有機媒体のうちでも、重合時の加
圧下では液状を呈し大気圧下では気体状を呈する塩化ビ
ニル系重合体を溶解しない上記の有機媒体が好まし
く、上記の有機媒体を使用した場合には、重合装置か
ら塩化ビニル系重合体スラリーを連続的に取り出した後
に、常温ないしはそれよりやや高い温度で塩化ビニル系
重合体から有機媒体を簡単にかつ完全に分離して回収す
ることができる。かかる点から、有機媒体として大気圧
下における沸点が20℃以下の肪族炭化水素を使用する
のがより好ましく、特に沸点が10℃以下のエタン、プ
ロパンおよびブタンを使用するのが、塩化ビニル系重合
体からの有機媒体の分離のしやすさ、工程性、コストな
どの点からより好ましい。これらの有機媒体は1種類の
みを使用してもまたは2種以上を併用して使用してもよ
い。
【0010】また本発明では、有機媒体を、塩化ビニ
ル、他の共重合性ビニル単量体および有機媒体の合計重
量に基づいて10重量%以上の割合で使用するのが好ま
しく、20重量%以上とするのがより好ましい。有機媒
体の使用量が10重量%よりも少ないと、塩化ビニル系
重合体スラリーの流動性が悪くなり、重合転換率を20
重量%以上に上げることができず、かさ比重の低い塩化
ビニル系重合体しか得られなくなる。一方、有機媒体の
使用量の上限値は特に限定されず、有機媒体が多量であ
っても物性上問題のない、かさ比重の高い塩化ビニル系
重合体を製造することができる。しかし重合装置から取
り出した塩化ビニル系重合体スラリーからの有機媒体の
分離・回収操作、重合に必要な重合缶の大きさなどを考
慮すると、生産性および経済性の点から、有機媒体の使
用量を50重量%以下にするのが望ましい。
【0011】本発明の連続塊状重合を行う際の反応装置
は特に限定されず、塩化ビニル単量体、他の共重合性ビ
ニル単量体および重合開始剤等の重合に必要な成分を連
続的に重合装置に供給し、そこで生成した塩化ビニル系
重合体のスラリーを一定の速度で連続的に重合装置から
取り出し、続いて未反応の単量体や有機媒体などの成分
を塩化ビニル系重合体から分離・回収し、それらの成分
を必要に応じて精製工程等を経てから重合装置に循環さ
せ得るようにした装置はいずれも使用できる。
【0012】そして、本発明の連続塊状重合を行う場合
は、まず重合装置(重合缶等)に塩化ビニル単量体、ま
たは塩化ビニル単量体と他の共重合性ビニル単量体、上
記した有機媒体および重合開始剤を仕込み、温度を一定
に保って初期重合を行わせ、重合転換率が20〜70重
量%に達した時点で連続重合操作に移行して、塩化ビニ
ル系重合体スラリーの重合装置からの抜き出し並びに重
合装置への単量体、有機媒体および重合開始剤などの供
給を一定の速度で同時に連続して行い、以後重合を継続
させる方法を採用するのがよい。その場合に、重合装置
(重合缶等)における単量体濃度および有機媒体濃度が
一定に保たれるように、系外に抜き出された塩化ビニル
系重合体に相当する塩化ビニル単量体およびその他のビ
ニル単量体、並びに塩化ビニル系重合体に吸着して系外
に取り出された単量体の合計量に相当する単量体量が常
に重合装置(重合缶等)に供給され、且つ系外に取り出
された有機媒体に相当する有機媒体が連続して重合装置
に供給されるようにすることが必要である。また、重合
速度を一定に保つために、必要な量の重合開始剤を連続
して重合装置に仕込む必要がある。また、連続塊状重合
は約20〜70℃の範囲の温度で行うのがよい。
【0013】重合開始剤としては、塩化ビニル系重合体
の製造に通常使用されている重合開始剤のいずれもが使
用でき、その種類は特に限定されないが、10時間半減
期温度が約10〜70℃の間にある油溶性に富む遊離基
活性剤が好ましく、例えばジ−2−エチルヘキシルパー
オキシジカーボナートなどのパーオキシカーボネート
類、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキ
サイド類、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチ
ルパーオキシネオデカネートなどのパーオキシエステル
類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
化合物を挙げることができる。これらの重合開始剤は単
独で使用しても2種以上を併用してもよい。
【0014】また、限定されるものではないが、重合装
置から抜き出された塩化ビニル系重合体スラリーからの
未反応単量体および有機媒体の分離・回収は、分離・回
収装置を使用して、通常、約10〜60℃の温度、約5
00mmHg以下の圧力下で行うのが、未反応単量体お
よび有機媒体の分離・回収を高率で行うことができる
点、熱効率や操作性が良好である点などから好ましい。
そして、上記の連続塊状重合を行うことによって、本発
明ではかさ比重の高い塩化ビニル系重合体を高い効率で
得ることができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例などにより具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、得られた塩化ビニル重合体のかさ比重、スケ
ール付着量および重合転換率は下記のようにして測定し
た。
【0016】塩化ビニル重合体のかさ比重 JIS K 6721に準じて求めた。スケール付着量 重合缶の内壁に付着したスケールを集めてその重量を測
定した。
【0017】重合転換率 重合缶の冷却水の入り・出の温度と冷却水量から発熱量
を測定し、塩化ビニル重合体の重合生成熱(360ca
l/g)から、下記の数式1により求めた。
【0018】
【数1】重合転換率(重量%)=(A/B)×100 式中、A=塩化ビニル重合体の生成量(g) B=塩化ビニル単量体の仕込量(g) ただし、A=発熱量(cal)/360(cal)
【0019】《実施例 1》内容積5リットルの重合缶
を真空脱気した後、塩化ビニル単量体2.7kg、ブタ
ン0.3kgおよびジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート(濃度70重量%)1.8gを添加し、
内部温度を58℃まで昇温させた。内部温度を58℃に
保ち重合転換率が20重量%になった時点で塩化ビニル
重合体スラリーを隣接する未反応単量体分離槽に1.0
kg/hrの速度で抜き出して冷却した。同時に重合缶
には塩化ビニル単量体、ブタンおよびジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート(濃度70重量%)を
それぞれ0.9kg/hr、0.1kg/hrおよび
0.4g/hrの割合で連続添加し、3時間後に600
gの塩化ビニル重合体を未反応単量体分離槽から回収し
た。得られた塩化ビニル重合体のかさ比重を上記した方
法で測定すると共に反応後の重合缶の内壁に付着したス
ケール量を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0020】《実施例 2》内容積5リットルの重合缶
を真空脱気した後、塩化ビニル単量体2.4kg、ブタ
ン0.6kgおよびジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート(濃度70重量%)2.0gを添加し、
内部温度を58℃まで昇温させた。内部温度を58℃に
保ち重合転換率が30重量%になった時点で塩化ビニル
重合体スラリーを隣接する未反応単量体分離槽に0.7
kg/hrの速度で抜き出して冷却した。同時に重合缶
には塩化ビニル単量体、ブタンおよびジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート(濃度70重量%)を
それぞれ0.56kg/hr、0.14kg/hrおよ
び0.3g/hrの割合で連続添加し、3時間後に50
0gの塩化ビニル重合体を未反応単量体分離槽から回収
した。得られた塩化ビニル重合体のかさ比重を上記した
方法で測定すると共に反応後の重合缶の内壁に付着した
スケール量を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0021】《実施例 3》内容積5リットルの重合缶
を真空脱気した後、塩化ビニル単量体1.8kg、ブタ
ン1.2kgおよびジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート(濃度70重量%)4.0gを添加し、
内部温度を58℃まで昇温させた。内部温度を58℃に
保ち重合転換率が30重量%になった時点で塩化ビニル
重合体スラリーを隣接する未反応単量体分離槽に0.7
kg/hrの速度で抜き出して冷却した。同時に重合缶
には塩化ビニル単量体、ブタンおよびジ−2−エチルヘ
キシルパーオキシジカーボネート(濃度70重量%)を
それぞれ0.3kg/hr、0.2kg/hrおよび
0.3g/hrの割合で連続添加し、3時間後に450
gの塩化ビニル重合体を未反応単量体分離槽から回収し
た。得られた塩化ビニル重合体のかさ比重を上記した方
法で測定すると共に反応後の重合缶の内壁に付着したス
ケール量を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0022】《比較例 1》内容積5リットルの重合缶
を真空脱気した後、塩化ビニル単量体3kgおよびジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(濃度7
0重量%)1.5gを添加し、内部温度を58℃まで昇
温させた。内部温度を58℃に保ち重合転換率が10重
量%になった時点で塩化ビニル重合体スラリーを隣接す
る未反応単量体分離槽に2kg/hrの速度で抜き出し
て冷却した。同時に重合缶には塩化ビニル単量体および
ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート(濃
度70重量%)をそれぞれ2.0kg/hrおよび0.
8g/hrの割合で連続添加し、3時間後に600gの
塩化ビニル重合体を未反応単量体分離槽から回収した。
得られた塩化ビニル重合体のかさ比重を上記した方法で
測定すると共に反応後の重合缶の内壁に付着したスケー
ル量を測定した。その結果を下記の表1に示す。
【0023】《参考例 1》内容積5リットルの重合缶
を真空脱気した後、塩化ビニル単量体2.85kgおよ
びジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート
(濃度70重量%)1.5gを添加し、内部温度を58
℃まで昇温させる。内部温度を58℃に保ち重合転換率
が30重量%になった時点で塩化ビニル重合体スラリー
を隣接する未反応単量体分離槽に0.7kg/hrの速
度で抜き出して冷却した。しかし、この参考例1の場合
は、塩化ビニル重合体スラリーの流動状態が悪く、スラ
リーを重合缶からスムーズに抜き出すことができないた
め、途中で重合を中止した。
【0024】
【表1】 実施例 実施例 実施例 比較例 参考例 1 2 3 1 1 ブタン添加量(重量%) 10 20 40 0 5 初期重合転換率(重量%)1) 20 30 50 10 30 スケール付着量(g) 15 7 3 53 −2) かさ比重(g/ml) 0.27 0.32 0.41 0.22 −2) 1) 初期の立上り運転を終了して連続重合に移行する時
点における重合転換率 2) スラリーの流動性不良により重合を中止したため測
定せず
【0025】上記表1の結果から、ブタンを10重量%
以上添加して塩化ビニル単量体の連続塊状重合を行って
いる実施例1〜3の場合は、重合缶内壁へのスケールの
付着量が極めて少なく、20〜50重量%という高い重
合転換率で効率よく塩化ビニル重合体を連続的に製造で
き、しかも得られる塩化ビニル重合体は0.27g/m
l以上の高いかさ比重を有していることがわかる。そし
て、実施例1〜3の結果からは更に、ブタンの添加量が
多くなるほど高い重合転換率で連続塊状重合を実施する
ことができ且つ重合缶内壁へのスケールの付着量が減少
すること、しかもかさ比重のより高い塩化ビニル重合体
が得られることがわかる。
【0026】一方、比較例1の結果から、重合系にブタ
ンを添加しない場合には、10重量%という低い重合転
換率で塩化ビニル単量体の連続塊状重合を実施している
にも拘わらず、重合缶内壁に極めて多量のスケールが付
着して連続塊状重合が円滑に行えないこと、そしてブタ
ンを添加している実施例1〜3に比べて得られる塩化ビ
ニル重合体のかさ比重が低いことがわかる。また、参考
例1の結果からは、重合転換率30重量%で塩化ビニル
単量体の連続塊状重合を行う場合には、ブタンの添加量
が5重量%では十分ではなく、それよりも多量のブタン
を添加するのがよいことが理解される。
【0027】
【発明の効果】本発明の連続塊状重合方法による場合
は、重合装置内壁等へのスケールの付着を防止しなが
ら、高い重合転換率で、塩化ビニル系重合体を従来より
も効率よく連続的に製造することができる。更に、本発
明の方法による場合は、重合装置などを0℃以下の低温
に冷却する必要がないため、余分な冷却媒体や冷却設備
を必要とせず、塩化ビニル系重合体において通常採用さ
れている20〜70℃の温度で効率よく経済的に塩化ビ
ニル系重合体を製造することができる。そして、本発明
の方法による場合は、高い重合転換率で塩化ビニル系単
量体を連続塊状重合することができるので、かさ比重の
高い塩化ビニル系重合体を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 益子 誠一 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル、または塩化ビニルと他の共
    重合性ビニル単量体を、重合により生成する塩化ビニル
    系重合体を溶解しない有機媒体の存在下に連続塊状重合
    させることを特徴とする塩化ビニル系重合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 有機媒体が20℃以下の沸点を有する飽
    和脂肪族炭化水素またはその混合物である請求項1の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 有機媒体がエタン、プロパンおよびブタ
    ンのうちの1種または2種以上の混合物である請求項1
    または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 有機媒体の使用量が、塩化ビニル、他の
    共重合性ビニル単量体および有機媒体の合計重量に基づ
    いて、10重量%以上である請求項1〜3のいずれか1
    項の製造方法。
JP5083802A 1993-03-19 1993-03-19 連続塊状重合による塩化ビニル系重合体の製造方法 Expired - Lifetime JP2604678B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101114489B1 (ko) * 2005-08-23 2012-02-13 주식회사 엘지화학 나노탄산칼슘-염화비닐 복합체 수지 조성물의 제조방법
KR101136341B1 (ko) * 2007-10-17 2012-04-18 주식회사 엘지화학 미세 입자 함량이 낮은 염화비닐 수지의 괴상 중합 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5834813A (ja) * 1981-08-05 1983-03-01 オクシデンタル・ケミカル・コ−ポレ−シヨン 増加した可塑剤吸収性のハロゲン化ビニル重合体

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